【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!




910 :本当にあった怖い名無し:2007/01/27(土) 16:57:33 ID:IUy/Vtj40
高校時代の話

当時、私は金縛りは毎度の事で慣れていました。
金縛り中は、大体は30人ぐらいのザワザワ声でした。
その30人に耳元で百物語をされた時は怖かったです。
お経を唱えると、馬鹿にしたように大合唱でモノマネされたりしました。
初めの頃は何とか声を出そうと必死でしたが、慣れてくると無理だと分かったので
解けるまでじっと待つ事にしてました。
でも、苦しいので心の中で「あーコノヤロー!やめろー!」とか思っていると
母がいきなり遠くの部屋から起きて私の部屋にきて「今、叫んだでしょ!!」と言います。(金縛りは解ける)
絶対に叫んでないのに。何度も同じ事がありました。
母と子ってすごいな・・・なんて関心してた。

ザワザワ声の金縛りは数ヶ月で終わり、次は得体の知れないただの金縛り。
またしても母には私の苦しんでる声が聞こえるらしく、親戚のお坊さんに
「○○(私)と同じ部屋で寝てほしい」と頼んだそうです。
(この話は私を怖がらせない為、何年か後に教えてもらった。)

お坊さんの話では、私がうめき声をあげてる時に見えたのは
『28歳の女性の霊が、私の顔を覗き込んで、自分はこうやって死んでいった』
という話をしているとの事。
寂しくて、誰かに聞いてほしくて、ちょっと霊感のある私に聞いてもらいたかった。と。
(自分は聞こえてませんが・・・)
成仏するように拝んだら、いなくなったとの事でした。

以上です。あんまり怖くなくてすんませんorz

914 :本当にあった怖い名無し:2007/01/27(土) 22:47:01 ID:ILmHCKEE0
>>910
それはめちゃくちゃ怖い
霊は優しい人に来るからあなたは心優しい人なんでしょ





オカルトランキング



233 : 本当にあった怖い名無し : 2008/01/26(土) 16:45:59 ID:Gnzy63ZvO
これは私が五歳のときに見た夢の話です。すこし長くなるかもしれません。

気がついたら車の中にいました。助手席できちんとシートベルトをしめて両親が用事を済ませて戻ってくるのを待っていたのです。

どのくらい待ったでしょうか。
ふと見上げるとミラーの真ん中に真っ赤な唇がはりついているのに気づきました。
その唇は「こんにちは」「今1人?」「パパとママは?」と丁寧な口調で私に話しかけてきました。
しばらく話したあと、唇は小さい私に優しい口調で問い掛けてきました。「食べてもいい?」

235 : 本当にあった怖い名無し : 2008/01/26(土) 17:01:29 ID:Gnzy63ZvO
私は急に怖くなり「わかんない」とくりかえしました。
幼女ながらに冷静でいようと取り繕おうと必死でした。
その日はそこで目が覚めました。

次の日の夜、私はまた車の助手席に座っていました。
またあの夢でした。
ミラーにはまたあの唇が存在感をはなっていました。
「今日はいい?」そう唇は昨日と同じように優しく言います。
私が親に聞いてきてもいいか聞くと意外にも唇はいいよ、と許してくれました。

私は急いで両親のもとに走り、拙いながらも事情を話しました。
しかし母は「今大事な話しをしてるからちょっとまって」と一向に話を聞いてくれません。
私は「食べられてもいいの!?」と癇癪をおこしかけましたが、母に車に戻るように言われ、とぼとぼと車に引き返しました。

車に戻るとまだ唇はミラーにいました。
「どうだった?」「ちょっとまってって」
私はそう言ってうつむきました。「○○ちゃん」
唇に名前を呼ばれて顔をあげると
車の中一面に唇がひろがっていました。

241 : 本当にあった怖い名無し : 2008/01/26(土) 17:20:32 ID:Gnzy63ZvO
「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」「食べてもいい?」

唇たちが口々にくりかえすのはやっぱり「食べてもいい?」だけなのです

ざわ…ざわ…と不気味な声が私に問い掛けてくるのを泣きそうになりながら「だめ!だめ!だめ!」と出したこともない大声をはりあげて耳をふさぎました。
叫び続けて気が付いたら目が覚めていました。
夢の話はこれで終わりです。

夢を見てからは車や鏡を怖がる生活が続きましたが、もともと悪夢に車がでてくることは度々あったので、しばらくしたら夢のことは思い出さなくなりました。

10年以上がたち、先日私は車の免許をとりました。
練習もかねてよく夜道にドライブに行っていたのですが、最近またあの夢を思い出してしまい、車に乗るのが怖くなってしまいました。
というのも、視界の端にうつるサイドミラーや窓ガラスに、あの唇がちらちらと見えるようなのです。
あの赤いグロテスクな程に生々しい唇が、またいつ「食べてもいい?」と口を開くかと思うと、恐ろしくてなりません。


そんなに怖くなくてすみませんでした。

243 : 本当にあった怖い名無し[sage] : 2008/01/26(土) 17:29:46 ID:q5vykou10
>>241
安全運転に徹することです。
さもなければ本当に車に食べられてしまいます。




オカルトランキング




25 :本当にあった怖い名無し:2008/04/09(水) 12:38:32 ID:xl7bqMCx0
小ネタ&前ふり 「幽霊が見える人に国籍はあるか?」

俺が幽霊の存在を信じるようになった理由に、「外国人にも同じものがみえる」がある。
これも不思議な話なんだが・・・・。

某地方都市にある「幽霊屋敷」(パート2)に勤めた時のお話。その店は異様にでかい。
いわゆる大箱という奴です。
昔はディスコとかラウンジとかキャバレーで100人を超える人数が入れるような店も少なくなくて、大きな店も流行ってた。

今はもう、そういったスタイルは少ない。
大箱ってのは運営が難しい。人員の確保が難しいから。
今は若い人がすぐに辞める。
客席数が200人でホステスが80人くらいの箱だと在籍はアルバイト含め150人は必要になる。

一日に200万とか300万の金額が必要になるので、売り上げが下がった途端に首が回らなくなって飛ぶ(夜逃げ)する経営者も少なくない。
給料日に経営者が逃げるなんてのもよくあった。
大きな箱はリスクが伴うので資金力がないと難しい時代になった。

その店は大きな店で最初が高級クラブ、次がキャバレー、ラウンジ、最後はホストクラブへ変化した。
小さな店(幽霊屋敷パート1)でシェーカーの振り方を覚え、客あしらいがうまくなった俺はあちこちでアルバイトを重ねながら、徐々に責任者になって行きました。

念のために言っておきますが、今はもうまったく違う仕事をやっている。
水商売の世界は裏の裏まで知ってる。
芸能人も野球選手も大勢来たし店をやってる時は様々な付き合いもあった。
まあ、俺が一般の人は知らない裏側を色々知ってることは間違いない。

その店が、クラブ→キャバレー→ラウンジ→ホストクラブ と変化したのもそういった事情による。
大箱で派手な店だったからこそ、知名度は高いし立地条件はいいが借り主がなかなかつかない。
そのうち、女性の店よりは安く人が雇えるホストクラブにしたほうが儲かると思う経営者もいるわけだ。


26 :本当にあった怖い名無し:2008/04/09(水) 12:42:41 ID:xl7bqMCx0
俺は一時期、そのホストクラブの責任者になった。

求人広告を打っても人が集まらないw 
真面目な子とかきちんと仕事する人は少なくて一獲千金というかどこか錯覚した奴ばかりが集まる。
これはまあ仕事柄仕方ないことなんだけどねw 
仕事の基本はどんな世界も同じ。
楽して儲かるなんてことはない。
勘違い野郎も多くて手軽に女と金が手に入ると錯覚する奴も多かった。

それで経営陣は考えた。
普通に日本人雇うと金がかかる。だったら外国人でどうかと。
外国人のダンサーを海外から招いたんだ。

中南米系のダンサーは「男性」でも雇える。賃金も安い。しかも比較的良家の子息が多い。
海外に出るのはまだ難しくて金もかかる。
女性のフィリピーナとか海外から招いたダンサーは出稼ぎで売春や犯罪に染まってしまうものもいるが、男性だとそういったトラブルは少ない。

日本人の男性スタッフ15人。海外系の男性陣30人w 
うわっはははは。外国人が倍だ。
凄い雰囲気の店になったんだよ。
そういうのが珍しかったので店はまあまあ流行った。

トラブルは時々あったが、意外なくらいにうまくまわった。
寮暮らしの外国人ダンサーが時々逃げ出して騒動になったくらいで他には何も問題ない。
日本語も徐々に覚えてきて馴染んだ。
むしろ俺は外国人のほうが好きというかやりやすかった。
気が良くて優しい連中だった。
仕事にも真面目で嘘はつかない。

店には6時くらいから入る。店を皆で掃除して仕込み。お客さんが来るまでの間は待機。
その間はカラオケ用のテレビにアンテナ繋いで皆でテレビ見てた。
店は夜半から混むから最初は人員が少ない。
日本人5、外国人8、厨房1くらい。全員でテレビ見てるのが常。お客さんが入るまではOK。
ところが、ディスプレイを置いてあった奥のボックス席に異様な雰囲気が・・・・・・・・。

27 :本当にあった怖い名無し:2008/04/09(水) 12:51:36 ID:xl7bqMCx0
なんか、いるんだよねw 黒いスーツ姿の、男性らしきものが・・・・・。

俺は最初から述べてるように多少、霊感がある。
過去にも何度も幽霊とか亡くなった人を見ているし不思議体験も多い。
だから俺が見えたのは別に不思議でも何でもないんだが・・・・・。
黙ってた。1件目の幽霊屋敷の時よりも年齢も上昇してるからね。そこまでうろたえなかったの。

ところが、外国人ダンサーがパニックになった。

「ゴ、ゴ、ゴ、ゴースト!」って言ってクモの子を散らすようにボックス席から飛び出した。
座っていたスタッフのほぼ全員が見えたらしいw 
日本人も外国人にも見えた。

興味深いのは、その証言だ。俺がみた幽霊の姿よりはぼんやりしていた。
背の高い男だってのは皆がわかった。ところがだ。
座っていた位置が、証言者によって微妙に違うんだよねw

フィリピン人で一番真面目だった子は「少し離れた位置」を指差した。
ボックス席から右に6席くらい向こう。
次の日本人は4席くらい向こうを指差した。
皆、テレビ見てる最中から気が付いてたみたいw
皆が何かの錯覚か?と思って我慢してた。
口に出すのは怖いから誰かが言い出すのを待ってたんだって。
俺も黙ってたんだけどね・・・・・。
俺がみた位置はまた微妙に違うんだな。
最初は確かに店の一番奥だった。
次に見た時はもうちょっとこっちに近寄って座ってた。次に見た時は真面目な子の隣。

実はさぁ・・・・。最後に気が付いた時は「俺達の中」にいたんだよ。

中に空いてた椅子に仲間のように座ってた。
あまり怖がらせて店を辞められたら困るので黙ってたけどw
若い男で黒のスーツ姿。顔は全員がはっきりみえなかった。一緒に座ってテレビの方を向いてた。

一緒にいたのはラテン系の連中だからw 
幽霊なんて信じない。明るい連中で一切、幽霊なんて信じてない。
なのに一緒に「同じものが」みえるんだ。不思議だと思わないか?
何かの錯覚なら、証言が異なってもいいはずだ。
なんで全員が「若い男」の姿を認識したんだろう?
しかも幽霊をみたのは始めてだって連中ばかり。それも不思議だった。

これが幽霊屋敷、と言われた店(パート2)の前ふりですw 本編はまた次の機会に。お終い。




オカルトランキング



916 :1/2@\(^o^)/:2016/01/29(金) 12:14:35.53 ID:VflcyzTS0.net[1/2]
今から20年近く前、長野県中部をツーリング中に側道を見つけて、気まぐれに入りました。
道は農道らしく、畑と森の広がるのどかな風景の場所につながっていました。
景色を堪能しながらトロトロ走っていると、轍の間に溜まった泥で滑って派手に転倒しました。
幸い擦り傷で済みましたが、バイクを立てて再出発しようとしたところ中々エンジンがかからず、
弱ったなあと思いつつメットを取って一息つきました。

何か気配というか、違和感を感じました。快晴ののどかな畑風景が、急に不気味な物に感じられたのです。
(キリン・・・?)
今思うと間抜けな感想ですが、一目見た時はそう思いました。
自分がこれから行こうとしていた道の100mほど先に、電柱ほどの高さの黒いモノが歩いていたのです。
目を凝らすと、体は毛なのか真っ黒ながら人間並ですが、首は体の5、6倍はあるかという長さで、
首の先に頭らしきものがあり、簾のように毛が何本も垂れていました。
そして、マズイことに、そいつは私を見ていて、こちらに真っ直ぐ向かっている事が本能的に理解できました。
急いでバイクの向きを変え、必死でエンジンを掛けようとしました。バイクを置いていこうとは思いませんでした。
バイク無しでは追いつかれる、そんな確信があったのです。

セルを回す私の後ろから、かすかにお経のようなものが聞こえてきました。
ようやく言葉をしゃべれるようになった幼児がお経を真似るような声でした。
あいつの鳴き声だと感じました。私のすぐ後ろまで来ているのが分かりました。
「○×△☆」
フルフェイスのメット越しに、そいつが私の耳元でなにか囁いたのが聞こえました。
その瞬間エンジンがかかり、私はとにかく遠くに離れようと一心不乱に逃げました。
市街地に出てコンビニにバイク止めた途端、涙が止まらなくなってそこで号泣しました。


917 :2/2@\(^o^)/:2016/01/29(金) 12:15:32.46 ID:VflcyzTS0.net[2/2]
それから10年ほど後、つまり今から10年前、前年に結婚した私は遅めの新婚旅行にでも行こうと
正月に沖縄に行きました。アメ横を探索していると占いの露店を見つけ、軽い気持ちで占ってもらいました。
50代くらいの占い師の方が、開口一番「外国を旅した経験は?」と尋ねてきました。
「いえ、ありません」
「本当に?」
「どうしてですか」
「日本にいないはずのものがくっついてる」
商売言葉だと思って軽く流しました。その後は結婚生活とか占ってくれて、まあありきたりな事を言われました。

そして現在。この間妻が「こんなの見た事ある?」といってメモ帳に絵を書いて見せてきました。
20年前に農道で見たあいつでした。
10年前に占いをしてもらった後、妻は占い師から同じ絵を描いて渡されて、
「旦那さんにはこんなのが憑いている。結婚した矢先に不安がらせることはしたくないが、
どんな影響があるか分からないから、気を付けてくれ」と言われたらしいのです。
私は正直に20年前に農道で会った事を話しました。誰かに話したのは初めてでした。
妻はそれを聞くと、「じゃあ私も正直に話す」と言って続けました。
結婚して数年後、妻は流産しました。妊娠が分かって数日後、妻は夢であいつに出会ったそうです。
あいつは遠くから意味の分からない歌を歌いながらゆっくり歩いてくると、
長い首を傾けて妻の腹を左右から交互に覗きこみ、その後同じようにゆっくりと去って行ったそうです。

私達夫婦は結局子供は諦めました。妻の事は今も変わらず愛しています。
しかし、妻が望むなら私はいつでも彼女と別れようと思っています。
一度ネットで調べて高名なお寺にお祓いに行きましたが、「根付いている」と言われました。







オカルトランキング




403 :親戚の怖い話1 ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:10:15 ID:mOpTXwRv0
これから書くお話は、実話です。
私たち一族を知る方には、記述内容から登場人物がバレるかもしれませんが(汗)、
わずらわしさを断ち切りたい一心で、思い切って書きたいと思います。

私の父は、田舎の大きな農家の分家の出です。
その農家(=本家)は、父の実家(=分家)から竹林ひとつはさんだ北側にあります。
私が小さい頃は、父に連れられてよく父の実家に遊びに行き、ついでに本家にもお邪魔しました。
その本家には、私よりいくつか年上の従兄弟がふたりいました。
お兄さんの方は生まれつき体の骨が一部足りない障害を持っていましたが、
ふたりともいつも私とよく遊んでくれたので、幼少の私は本家が好きでした。
その本家は地元の大地主で、家のつくりもとても大きかったんです。
私たちは(親戚も含めて)いつも居間でだけ遊んでいました。
居間を出るときは、すぐそばにあったトイレに行くときくらいでした。

ある日、例によってなにかの親戚のイベントで本家に遊びに行きました。
そのとき、理由は忘れましたが、家の中をひとりで歩くハメになったんです。
正直、子供の私には家の構造が複雑すぎて、迷いました。
いつのまにか、昼間なのに狭くて暗い一角に迷い込んでいました。
いまでも、この家のどこかにある居間では、親戚が談笑しているに違いない。
大声を出せばいいのでしょうが、気の弱い私にはそれができませんでした。
『家の中で迷って騒ぐなんて、デキの悪い子』みたいに思われたくなかったんです。
ふと廊下の奥を見ると、廊下の奥に人影(ひとかげ)のようなものが。
全身を漫然と包んでいた緊張感が、一気に目前の人影に集中しました。
誰かが座っているようなのです。
『こんなところに、誰が?』


404 :親戚の怖い話2 ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:10:58 ID:mOpTXwRv0
その人影は、全身黒っぽいような、茶色っぽいような感じでした。
廊下に面した一室の入口に背を向け、椅子に腰掛けているようでした。
私は、その人影を右側から見ている位置取りです。
当時からビビリだった私は、カチンコチンに固まってしばらく動けませんでした。
しかし、その影は、ピクリとも動かない……無機物と対峙しているような感覚。
私は、ちょっとずつその影に近づいていきました。
そして、その輪郭がハッキリ見えたとき、腰が抜けるほど驚きました。

その人影は、【鎧】でした。

それは、テレビで見るようなハデなものではないですが、
全体こげ茶色の、明らかに和モノの古いヨロイでした(もちろん中の人はいない)。
ビビリのガキでしたから、そりゃあ失禁するくらいの恐怖でした(汗)。
そこからは、ちょっと記憶が飛んでます。
なにをどうして居間に戻れたのかは記憶にありません。
しかし、なんとかかんとか家族のもとに戻れました。

……この話は、私がまだ小学生の頃のことでした。
……そして、私にとっては、これが話の始まりでした。
ことの真相を知るのは、これから10年近く経ってからのことでした。

405 :親戚の怖い話3 ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:11:57 ID:mOpTXwRv0
あの本家の鎧を見てから10年弱がたった頃。
私は自分の人生でいろいろあって、親元からずいぶん離れて一人で暮らしていました。
そしてその間、親戚とすっかり疎遠になっていました。
私が知らない間に、本家の従兄弟のお兄さんが結婚していたような始末です。
久しぶりに家に帰ったある日、従兄弟に子供ができたことを親から知らされました。
『なんだ、俺もおじさんかぁ~~。』なんて言ったものの、親の顔色が良くない。
どうしたのかと思い、問い詰めてみたところ、

『実は、五体満足じゃないらしいんだよ…。』

私は別に偏見などないので親に切り返したところ、突然親の歯切れが悪くなりました。
『こっちにまでとばっちりが来たらたまらないんだ…』とか、
『おまえだけでも本家とのつながりを絶っておいてよかった……』とか。
あんなに親戚づきあいをしているのに、そんなことを考えていたのか……。
なんて思いながら、私は例の鎧のことを思い出しました。
そう、親にはこのときまで話していなかったんです。
そこで、私は本家で見た鎧の話をはじめて親にしました。
すると、親の顔色が見る間に一変しました。

『おまえは大丈夫かい!? ヘンなことはなかい!?』

……んなこと言われても、鎧を見たのはガキの頃だしね(汗)。
母親が、大きな大きなため息を、ひとつつきました。
そして、あきらめたように、本家の話をしてくれました。
それは、私がこれまで知らなかった……親が隠していた、本家の陰の部分でした。

406 :親戚の怖い話4 ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:12:54 ID:mOpTXwRv0
本家は、倉から博物館行きのシロモノが出てくるような、由緒ある旧家。
農業と生業とし、あたり一帯の膨大な土地を持っていました。
そして、そこに大勢の小作人を住まわせ、働かせていたそうです。
本家の人間は、小作人たちに言うことを聞かせるため、暴力を使ったそうです。
その最たる暴力が、【拷問】でした。
小作人たちを拷問にかけるため、本家には専用の部屋がありました。
拷問部屋です。
あの大きな屋敷の中で拷問を受けながら、命を失った人も大勢いたそうです。
この拷問は、ずいぶん昔から行われていたとのことです。
しかし、先の戦争の終戦と同時に拷問の慣習はなくなり、拷問部屋も使われなくなりました。
それ以来、その拷問部屋は固く施錠し、【開かずの間】としたそうです。

『そして、人が近づかないように、扉の前に鎧を座らせてあるんだよ。』
え!?……鎧!?

しかし、報われない小作人たちの無念は、拷問をやめた程度では消えなかった。
本家の人間たちを許しはしなかった。
本家が気づかないうちに、本家に祟っているようなのです……。

407 :親戚の怖い話5 ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:13:44 ID:mOpTXwRv0
親が続けて語ったのは、耳を疑うような本家の系譜でした。
そのとき生まれた従兄弟の子(=私の甥)は、男の子で嫡男。
その子が五体満足で生まれなかった。
詳しくはわかりませんが、内蔵に問題があるようです。
その父親(=私の従兄弟)も、本家の嫡男。
この人も冒頭で書いたとおり、先天的に骨が足りません。
外科的に人工の骨を埋め込んで、不自由ながらがんばっている。
その先代は、子供が生まれなかったので、分家からの養子(=父の兄)だった。
そうなんです、もっと早く、この不自然さに気づいてもよかったんです。
なぜ【分家】だけでなく【本家】の跡取りが、私と【従兄弟】の関係なのか……。
その前の代も、その前の代も、おかしなことがあったそうです。
生まれても生まれても死産だった代もあった。
生まれてきた子の精神面に問題があり、なかったこと(!)にした代も。
その度に、遠くの町から婿養子を金で買ったり、分家の子を養子にしたり。
その前の代も、その前の代も……。

そうなんです。
代々、跡取り(嫡子)がまともに生まれないんです。

『……マジで……?』
私は思わず……自分の家にある仏壇に目がいってしまいました。
私も戸籍上は長男(ひとりっこ)だけれど、早産で死んだ兄がいる……。
『本家が気づいているのかどうかしらないけどね。』
『分家はみんな気づいてるけど、とばっちりがイヤだからなにも言わないんだ。』
『だから、おまえが一人暮らしを始めたとき、親戚から遠ざけたんだよ。』
……そうだったのか、そんなことがあったのか。

409 :親戚の怖い話6(完結) ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:14:59 ID:mOpTXwRv0
あれから10年以上、私は他の親戚ともほとんど関わりを持っていません。
親の話では、本家は相変わらずだそうです。
まだ気づいていないのか、それとも気づいてどうしようもないのか。
もしかしたらこの話は、親戚一同の壮大な思い違いかもしれません。
この話が思い過ごしかどうかは、しばらくすればわかると思います。
いまはまだ子供の本家の跡取りが、将来健康な子を産んでくれればいいのです。
しかし、もしも次の代も、なにかあったら……。
親戚一同、ますます【祟り】を信じて疑わなくなるでしょう。
そして、一族みんながバラバラになっていくのだろうと思います。

私の家庭は、工場勤めの会社員を父に持つ、平凡な核家族でした。
だから、子供の頃は、こんな話の当事者になるなんて、夢にも思いませんでした。
ちなみに私もすでに家庭を持ちましたが、数年前に一人娘を病気で亡くしました。
関係あることかどうかはわかりませんが、疑いたくもなろうというもの。
ここに書くことで、鬱屈とした思いを吹っ切りたかったんです。

……ちょっとすっきりしました。
お読み頂いてありがとうございました。

(終了)


410 :本当にあった怖い名無し:2006/11/14(火) 16:16:24 ID:pAPPFor/0
投下乙です。豚切りスマソ。。


411 : ◆WatDT1.QjM :2006/11/14(火) 16:20:41 ID:mOpTXwRv0
>>410
いえいえ。
当人には怖い話なんですが、ご満足頂けるものかどうか……。
とにかく気持ちの面でだいぶすっきりしました。
自己満足気味ですみません。







オカルトランキング

↑このページのトップヘ