【閲覧注意】怪談の森【怖い話まとめ】

当サイト「怪談の森」は古今東西の怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!



560 :本当にあった怖い名無し:2018/05/18(金) 14:06:03.42 ID:X/U2R1Lnk
今から25年くらい前の話。
アラフォーの俺の唯一の不思議体験。

その日、俺は親父と連れ立って渓流釣りに出かけた。
自宅から車で十数キロほど登った山間にある川から釣り始めた。
2、3時間釣りながら川に沿って登っていたら、昼過ぎくらいに滝に出た。
落差10メートルはありそうな大きな滝だ。
結構この辺りは釣り歩いてるが、初めて見る滝だったので、こんな所あったのかと親父と二人して驚いた。
滝つぼを見ると、尺越えの魚影がチラチラと見え、やる気満々で釣り始めたんだが、全然釣れない。
結局あたりが暗くなりはじめるまで、3時間くらい粘ったけどボウズ。
周りに空き缶やらペットボトルやらポリ袋やら落ちてたから、俺らが知らないだけで結構人が入っててスレてんのかぁ、
とその日は諦め、せっかく綺麗な滝なのにゴミが目障りだったから拾って綺麗にして帰る事にした。
川を釣り登ってたので現在位置はハッキリしなかったが、谷の底にある滝で、上の方から車の音がしたので、
結構な斜面だったが壁面をよじ登ったら、すぐに舗装された道に出た。
こんなに道に近い滝ならそりゃぁ人も入るわなぁ、と親父と話し、時計を見ると午後の2時くらい。
あれ? 結構釣ってたはずなのに意外と時間たってないなと親父と二人首をひねったが、
釣り登るのは体力使うし、鬱蒼とした森の中だったから暗くなるのも早くて時間感覚狂ったんだろうとあまり気にせず帰った。


561 :本当にあった怖い名無し:2018/05/18(金) 14:06:47.52 ID:X/U2R1Lnk
次の週、尺越えの魚影が忘れられない俺と親父は、リベンジに出かけた。
が、滝が発見できない。
スマホどころかカーナビもまだ普及し始めたばかりの時代だったので、うちの車にはついておらず、
うろ覚えの道を行ったり来たりして、農作業中のじーさんばーさんに滝の事を尋ねてみるも、
「この辺に滝なんてないぞ」と言われる。
あんなにデカくて道に近い滝なのに、んなアホな。と思いつつも探すが結局見つからず、その日は別の場所で釣りして帰った。

更に次の週、やっぱり滝で釣りをしたい俺は、また滝を探しに行こうと親父に声をかけた。
「滝?何の事だ?」
は?と思う俺。親父は滝の事を忘れていた。
先々週の釣りで行った滝だと説明するんだが、首をひねるばかりで思い出せない様子。
いぶかし気な親父を説得し、滝を探しに行くがやっぱり見つからず、
その後も何度か近くで釣りしたのだが、未だ滝は見つかっていない。

もしかしたら滝で釣りした事自体が夢だったのかもしらん。
拾ったゴミでも残ってれば証拠になったんだが、普通に捨てちまった。
当時の俺は、俺もその内、滝の事忘れるんかなぁと思ってたんだが、未だに鮮明に覚えてるんだよなぁ。
ほんとあの滝なんだったんだろ。






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6655 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:02:37.95 ID:TDBklIiv0.net
祖母がキジムナーを見た話

俺の母方の出自は沖縄の○×島、母も幼少期をその島で過ごした。
成長して、父と結婚した母は沖縄本島に移住したが、
俺が子供の頃は、毎年夏休みを久米島で過ごすのがお決まりだった。
俺が4年生になった年からは、俺と妹が父母より先に島に渡った。
釣り、海水浴、親戚の家での宴会、もちろん島の生活は楽しい。
ただ、それが毎日続くとさすがに飽きる。
釣りとか自分で気晴らしの出来る俺はまだしも、
釣りに連れて行くのを禁じられていた妹は、何かの拍子にぐずる事が多くなって、本当に困った。


56 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:04:15.47 ID:TDBklIiv0.net
そんなある日のこと。
俺は年の近い親戚の子(島在住)から面白い情報を仕入れた。
祖母の家のある集落から少し山側に入った所に、パイナップル畑が沢山ある。
畑の外れには傷付いて売り物にならないパイナップルが捨ててあって、
その山の中に大きなカブトムシやクワガタがいるという。
「でもな~、ホントに朝早いぞ。明るくなるとすぐにいなくなるから」
「朝早くって、何時だよ?」正確な時間が分からないとどうにもならない。
「う~ん、オレたちはラジオ体操の前に行くな」
島に来た後も、ラジオ体操は何度か行った事がある。
祖母はもっと早く起きて出かけるから、たまたま眼が覚めた日に。
「ラジオ体操って6時半だろ。じゃあ、6時頃行けば間に合うかな?」
「明日の朝、一緒に行こう。初めてだと、危ないし」
その子は得意そうに笑った。


57 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:05:49.41 ID:TDBklIiv0.net
翌朝、6時少し前にセットした目覚ましで俺は眼を覚ました。
寝ぼけ眼の妹を起こし、6時5分には祖母の家を出た。
祖母は何時も通り既に出かけた後だったから、色々聞かれる事もない。
待ち合わせ場所は集落の外れ、バス停の前だ。
車もほとんど通らない道路を渡り、山側に続く道に入る。
妹もすっかり眼を覚まして元気に歩いていた。やがて、パイナップル畑。


58 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:06:51.28 ID:TDBklIiv0.net
「良いか。直ぐに手を伸ばしちゃ駄目だぞ」
「え、じゃあどうするの?」「こうするんだ」
運動靴のかかとで、捨てられたパイナップルの山を勢いよく蹴った。
バシッ!!、と湿った音の後に甘ったるい、ジャムみたいな匂い。
「こんな所には虫が集まって、それを食べる鳥も集まる。
 そんでたまに、鳥を狙ってハブがいる。まあ、今日は大丈夫だな」
上の空で俺はその子の声を聞いていた。
だって、蹴り飛ばしたパイナップルの影に見えていたんだ。
大きなカブトムシ、赤茶色のノコギリクワガタ。その他にも色々。
デパートで売っているのを見た事しか無かったのに、それが眼の前に。
俺と妹は夢中になってカブトムシやクワガタを捕まえた。


59 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:10:56.25 ID:TDBklIiv0.net
上機嫌で祖母の家に帰った時。
「◎、ラジオ体操行かなかったんだね。★子も。
 早起きしたのに、何処行ってた?まさか★子連れて、釣りに」
見た事も無い祖母の厳しい表情。
「違うよ。これ。○坊と一緒に」虫籠のカブトムシとクワガタを見せる。
「パイナップル畑に行ったんだね?」「うん」
「だから、まだ★子連れて水場に行っちゃ駄目だと言ったろう。あんなに」
「でも、水場は」その時、思い出した。
確かに、パイナップル畑に続く道に沿って、小さな川が流れていた。
小さな橋が架かっていたけれど、その先が何処に行く道なのかは知らない。
「...ゴメン、でも、川があるなんて。オレ」
★子を釣りに連れて行ったらダメなのは、まだ小さいから万が一の事故で溺れたらいけないって事で、
まさか、あんな小さな、浅い川の事なんて。


60 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:12:53.06 ID:TDBklIiv0.net
「パイナップル畑の少し前に、橋があったろ?」
「うん、あった」それは古い、小さな木造の橋だったと思う。
「橋の近くで、何か変な音が聞こえなかったかい?」
「いや。何も。水の流れる音だけで」
「そう。でも、これからは気を付けるんだよ」
「何に、気を付けるの」もしかして、ハブよりも怖いものが?
「今日大丈夫だったんだから...でも、念には念を、だ」
早起きして興奮したから疲れたのか、妹は畳の上で寝息を立てている。
祖母は遠い眼をした。

祖母の夫は病気で早死にしたから、
祖母や母たち(祖母の娘たち)は随分苦労したらしいのだけど、
その前は山沿いの斜面に広い棚田を持っていたと聞いた。


61 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:15:01.84 ID:TDBklIiv0.net
ここからが、祖母から聞いた昔話だ。
「あのパイナップル畑は、元々みんな田んぼだったんだよ。
 休みの日は自分も手伝いに行ったさ。遊ぶ暇なんか無かった。
 それで、あれは、お盆の少し前だったかねぇ」
背筋が冷える、でも今更『止めて』とは言えない。
「そう、小学校も夏休みで。
 何時も通りに、朝早くお握りを持って田んぼの手伝いに行ったんだ。
 それで、あの橋の傍を通った時、変な水音が聞こえた」
「変な、水音?」
「そう、誰かが川の中で水遊びをしてるんだと思ったよ」
「それで?」
「赤茶色の、絣の着物を着た姿が見えた。小さな子供くらいの背丈で」
「そんな朝早い時間に、小さな子供が川で遊んでたの?」
祖母は小さく首を横に振った。


62 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:17:51.67 ID:TDBklIiv0.net
「今から、もう60年近くも前の話だから、今とは村の様子が違う。
 村の人達はみんな顔見知りだし、顔を見れば何処の子か分かる。
 親戚の子が遊びに来たとしても、その話は直ぐに島中に拡がるしね」
そう言えば、俺と妹の事もその日の内に。
「でも、どうしても顔が見えないんだよ。
 着物の柄はハッキリ見えるし。川の中で遊ぶ水音も聞こえるのに。
 何処の子か、分からなかった」
「それで...どうしたの?」
「遠いのか、と思った。近付けば見えるかと。
 橋を渡れば川に降りる道がある。それが、悪かったんだろうねぇ。
 次に気が付いた時は家の布団に寝かされていたよ。
 いつまでも手伝いに来ないのを訝った父親が探しに来て、川の中に倒れているのを見つけたと聞かされた」


63 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:19:56.59 ID:TDBklIiv0.net
「『それ』は一体、何だったの?」
「キジムナーって知ってるかい?」
「話は、聞いた事がある」
『お前はキジムナーに呼ばれて遊んだ。たまたま一人だったから。
 今回は間に合ったけど。もう、変な水音を聞いても川の方を見てはいけない』
 ユタにきつ~く言われたよ。お陰で少し、朝の手伝いは楽になったけどね」
「それからキジムナーを見た事は?」
「ない。一度も」
オカルトに興味があった俺は、思わず祖母に問いかけた。
「じゃあ、キジムナーと遊んだ時の事、何か憶えてる?」
祖母はまた、遠い眼をした。
「何だか楽しかった、気がするよ。でも」
マズい。これは、ヤバイ奴だ。オカルト的に。
「一緒に行こうって言われたから...駄目って」
やっばり、そうか。


64 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:22:33.04 ID:TDBklIiv0.net
「それで?」
「それじゃ、お前の子か、孫と』
嘘を言っている顔じゃ無い。
既に陽は高く、クマゼミの声は祖母の声を飲み込む程で、それが益々怖い。
「きっとキジムナーなんて、迷信なんだよ。あの日の事は何もかも、気の迷い。
 でも、もし、万が一にも◎や★子がキジムナーに。
 だから念には念をと言うんだよ。分かるだろ?」
「うん」
俺は大きく頷いた。
もちろん、それからは早朝の虫取りに行く事もなかった。

その後、俺たちより遅れて島に従姉妹(双子)が島に遊びに来た。
二人は俺より一つ年上。妹よりずっと美人で、俺は有頂天。
毎日毎日楽しく過ごして、祖母からそんな話を聞いた事はすっかり忘れていた。
虫取りでパイナップル畑に行く事も無かったから、思い出す必要も無かったんだ。


65 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:23:32.72 ID:TDBklIiv0.net
それから数年後。
ずっと本土で働いていた叔父(母の弟・祖母の末子で長男)が結婚して沖縄に戻った。
翌年、叔父の嫁が妊娠して、それを聞いた祖母はとても喜んでいたらしい。
初めての内孫、『生まれたら一番に会いに行。』と島中で話していたと聞いた。
でも、それを聞いた時、俺は思い出したんだ。あの日の事を。

『その子が生まれた』と知らせがあった日の午後、俺は母親と病院を訪ねた。
とても可愛い赤ちゃんで、女の子。でも。
もちろん根拠なんか無い。でも、その子の顔を見た瞬間、
『祖母ちゃんはこの子に会えない』
心の奥深くから沸き上がるその思いをどうしても消せなくて、とても憂鬱だった。


66 :夏休み@\(^o^)/:2017/08/19(土) 01:26:22.83 ID:TDBklIiv0.net
翌日、一便で沖縄本島に来るはずだった祖母が、飛行機に乗る事は無かった。
オレの父親がたまたま○×島に長期出張していて、
出勤前に様子を見に行ったら、畑の畦道で倒れている祖母を見つけた。
父に聞いた話では、祖母は既に事切れていて、
その畑は、あの川沿いの小さな橋を渡った所にあったらしい。
正式な死因は心臓発作。それまでそんな兆候は聞いた事も無かったのに。
多分、朝一番。祖母は孫へのお土産に新鮮な野菜を取りに行ったのだ。
父親には霊感らしいものが全く無いから、その時何があったのか知る事は出来ないけれど、
祖母はきっと初めての内孫を、その女の子を護ったのだと、俺は今でもそう思ってる。
そうでないと、とても心が安まらないから、ね。




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 :1/12:2020/08/15(土) 01:18:52.34 ID:y3BXYe+r0.net
これ、俺が小学校4年のときの話。今から15年前のことだよ。
当時、山中って子とよく遊んでたんだ。
その頃も、子どもの遊びっていったらゲームだったんだけど、
その山中ってやつは、親が許してくれないってんでゲーム機持ってなくて、そのかわり、外で遊ぶことをいろいろ知ってたんだ。
例えば、拾った木の棒でノックするみたいにして石を打って、小川の向こうまで10回のうち何回飛ばせるかとか、そういうやつ。
山中とは4年生の新しいクラスで知り合ったんだけど、俺はずっとゲームっ子だったから、そういうのが新鮮で面白かったんだよな。
あと、山中は遊ぶ場所もいろいろ知ってた。例えば、河口に下水が流れ出す出口とか。
3m以上高さのある土管なんだよ。そこに、水が流れてない時間に行って中を探検する。
あと、小山の裾にある配電の鉄塔の下とか。
今から考えれば、どっちも学校に知れたら怒られる場所だったろうけど、そういうのにじつに詳しかったんだ。


67 :2/12:2020/08/15(土) 01:19:54.26 ID:y3BXYe+r0.net
だから放課後、2人で自転車で走り回って、町の中のいろんなところに行ったもんだよ。思い出すと懐かしいな。
山中はそれなりにいいやつだった。
人の嫌がるようなことは絶対に言わなかったし、子どもなりにではあったが、俺にいろいろ気を遣ってくれた。
今になって、そういことがわかるんだよ。
ただ、小遣いはいつも持ってなかったから、アイスや飲み物なんかをおごるのが俺の役目になってたな。
ああ、本題に入るよ。
そんときは夏休み中で、俺らの小学校の学区からかなり外れた場所にある神社に行ったんだ。
小さなとこだったよ。神主とかはいなかったんだと思う。社殿の扉も閉まってたし。
なんでそこに行ったかというと、山中が社殿の下の砂地にアリジゴクがいるって言ったからだ。
ほら、神社は高床になってるだろ。その下に潜り込むと、下が目の細かい褐色の砂になってて、そこにぽつぽつとへこみがあった。
それに手を突っ込んで中央の砂をつかみ、持ち上げると手のひらの中にアリジゴクが入ってる。


68 :3/12:2020/08/15(土) 01:20:57.02 ID:y3BXYe+r0.net
いや、殺したりはしなかったよ。ただ観察しただけ。殺したのはアリのほうだな。
それも俺らが殺したんじゃなくて、生きたやつをアリジゴクの穴に入れてやっただけだ。
アリがもがいて逃げようとしてもサラサラ砂が崩れて、どんどん中に落ち込んでいく。
そして真ん中まで落ちると、中からハサミが出てきてガジッとつかまえるんだ。
それをずっと見てた。けど、1時間もするとさすがに飽きてきて、2人で神社の裏手に回ったんだよ。
そこはけっこう深い雑木林になってて、強い日のあたった境内とは反対に、じめじめした感じで暗かったんだ。
で、どういうわけか社殿の柱に立てかけるようにして、大きさの違う板が何十枚も重ねられてあったんだよ。
うーん、もしかしたら、神社の何かを作ったときの廃材だったのかもしれない。
俺が見たかぎりじゃ、あんまり面白そうなことはなかったんだが、
山中が板の一枚を手にとって、「なあ、神社を作らないか」って言ったんだ。


69 :4/12:2020/08/15(土) 01:22:04.73 ID:y3BXYe+r0.net
これも、今考えると摂社ってやつのことを言ってたんだと思う。
ほら、大きな神社の参道沿いには、小さなお社がいくつも並んだりしてるだろ。あれのことだよ。
で、俺もそのとき、面白そうだなってすぐ思った。
それで、2人で板を組み上げていったんだよ。
もちろん、釘とか持ってたわけじゃないし、セロテープなんかもないから、
たんに板の下のほうを土に埋めて、その上に屋根になる板を乗せただけだ。
山中は三角の神社の屋根の形にしたかったようだったが、それは上手くいかなかったな。
で、俺らの背丈より頭一つくらい小さい社殿ができると、山中は鳥居を立てるって言い出した。
それは無理だろうと思ったが、意外と簡単だった。
林の中から、できるだけ真っ直ぐな木の枝を拾ってきて2本立て、横木はつるになった植物で結んだんだ。
でな、鳥居ができると、本物の神社みたいな雰囲気になって、俺らはけっこう満足した。


70 :5/12:2020/08/15(土) 01:23:06.58 ID:y3BXYe+r0.net
そしたら山中は「これだけじやダメだ。ご本尊をいれなくちゃなんない」って言い出した。
うーん、これも今考えれば言葉が間違ってるよな。ほんとうは御神体だったろう。
それはともかく、2人でご神体になりそうなものを探したが、そんなのが落ちてるわけはないよな。
林の中をうろうろしてたら、林から田んぼに出るあたりの場所に、小さなお地蔵様があるのを見つけたんだよ。
頭巾もよだれかけも雨ざらしでボロボロになり、長い年月で顔の造作もわからなくなった
地蔵様。それを見て山中が「これにしようぜ」って言い、俺もすぐ賛成した。
そんときは、地蔵様を動かすのが悪いとか思わなかったんだ。
でも、それからが大変だった。だって小さいとはいえ、石の地蔵様なんだから、かなりの重みがある。
俺と山中で頭と足のほうを抱えて、ふうふういいながら俺らの作った神社まで運んだ。
中に立てたら、すごく様になってる気がしたんだよ。


71 :6/12:2020/08/15(土) 01:24:11.77 ID:y3BXYe+r0.net
で、さっそく俺が拝もうとしたら、山中は「お供えがなくちゃいかんだろ」って言った。
俺が「んじゃ、パンかなんか買ってくるか」と答えると、
「いや、そんなんじゃ喜んでくれん、お供えも作ろう」
神社の境内のほうに戻ってたんだ。
手水場で柄杓に水をくみ、それを持って社殿の下に潜り込み、砂を水でこねて団子をつくり出したんだよ。
さっそく俺も真似をした。砂なんですぐに崩れてしまって不格好なものになったが、
2人で5、6個の泥団子ができると、山中は「仕上げだ」と言って、
その中に、掘り出したアリジゴクを埋め込んだんだ。
それを抱えて社殿の裏に戻り、俺らの神社の、鳥居と地蔵様の中間あたりに積み上げた。
そして手をパンパンと叩いてお祈りをしたんだよ。
え? 何を願ったかとかもう覚えてないが、おおかたテストの点を上げてくれとかそんなことだったろうよ。
でな、それが終わると、俺も山中も、ひと仕事終えたような充実感があったんだよ。


72 :7/12:2020/08/15(土) 01:25:22.77 ID:y3BXYe+r0.net
山中は、「これなあ、できれば鈴つけたいよな」って言い出し、
「小さいのなら家にあったと思う」俺が答えて、翌日もそこに来ることにしたんだ。
その日はもう2時間くらい別のとこで遊んで、山中とはわかれた。
で、次の日、また山中としめし合わせてその神社に行った。
前の日に作った団子を見たら、積み上げたのが崩れて、団子の一つ一つに小指を突っ込んだような穴が開いてたんだ。
「これ、地蔵様がほじり出して中身を食ったんかな」
山中はそう言ったが、俺はアリジゴクが自力で逃げ出したんじゃないかと思ってた。
で、小さな鈴と簡単なヒモをくっつけたら、ますます神社らしくなったんだ。
ヒモを引いてリンリンとならしたとき、「た・り・な・い」って声が聞こえた。
「え?」と思ってまわりを見ると、山中が「今、何か言ったか?」って俺に聞いてきた。
「いや、なんも」 「足りないって声が聞こえたと思ったんだが」 「俺も」
うーん、どんな声だったかって言われてもなあ。・・・男の声だとは思った。


73 :8/12:2020/08/15(土) 01:27:20.05 ID:y3BXYe+r0.net
あと、年寄りの声とかじゃなかった気がする。むしろ子どもの声みたいな。
「んじゃあ、地蔵様が言ったんだろ」山中がそう言ったんで、ちょっとびっくりした。
石の地蔵様がしゃべるはずはないだろ。でも、山中は変だとは感じてないように見えた。
「カエルでも捕まえてきて団子に入れるか?」
俺はさすがにそれは嫌だったんで、「やっぱ菓子とかにしようぜ」
それで2人で神社を出て、自転車で駄菓子屋まで行って、安い菓子の袋を買ってきて供えたんだよ。
これは俺が金を出したんだが、山中はなんだか面白くなさそうな顔をしてたな。
で、その日は網と虫かごを持ってきてたんで、林の中でずっと虫とりをして遊んだ。
その後、山中と別れて家に戻るとき、ちょうど畑から帰ってきた婆ちゃんと家の前で会った。
婆ちゃんは、俺の姿を見るなりちょっと怖い顔になって、
「お前、どこぞで悪い遊びしてこなんだか。肩に黒いもんがのっとる」って言ったんだ。


75 :9/12:2020/08/15(土) 01:28:41.62 ID:y3BXYe+r0.net
「いや、なんも。虫とり」
俺はそう言って虫かごを見せたら、
婆ちゃんは「そうかい。じゃが、そのまんまではいけん」
そう言って、俺の襟首をつまんで無理やり家に入れ、仏壇の前に座らせたんだよ。
で、1時間近く婆ちゃんといっしょに仏壇を拝ませられたんだ。
いや、もちろん嫌だったし、わけもわからなかったけど、やるしかなかった。
婆ちゃんといってもまだ60歳を過ぎたばかりで、毎日畑仕事をしてるから、子どもの俺よりずっと力が強かったんだよ。
それが終わると、「変な遊びせんで宿題やれ」そう言われて小遣いをもらったんだよ。

次の日もまた山中と神社に行った。
山中はにやにやしながら先にたって裏手に回ったが、俺らの神社の前に子猫の死骸があったんだよ。「うわ」と思った。
子猫の体中、ぼつんぼつんと鉛筆を刺したような穴が開いてたんだよ。
「これ、お前がやったんか?」
山中に聞くと、驚いたような顔をして、
「いんや、猫の死骸を拾ってきてお供えしたのは俺だが、こんな穴は開けてないぞ」


76 :10/12:2020/08/15(土) 01:29:42.81 ID:y3BXYe+r0.net
ちょっとかすれ気味の声で言ったんだ。
それから、猫の死骸を足でひっくり返し、
「ほら、お前が買った菓子の袋はそのまんまだろ。たぶん猫は神様が気に入って食ったんだ」
そんなことを言ったが、俺は気持ち悪くて、神社への興味がサーッと引いていったんだ。
「なあ、これからプール行かないか」と山中を誘ったら、「ああ、たまにいいか」
山中も乗り気で、お参りしないでその場を離れようとした。
そのとき、また、「た・り・な・い」 って声が聞こえたんだよ。前と同じ声だと思った。
俺と山中は同時にあたりを見回したが、人の姿はなかった。
俺は自転車まで走っていき、山中も後に続いた。
で、俺らの家の近くまで全速で自転車を漕いで、お互いプール道具を取ってきてもう一度集合することにした。
けども、それが俺が山中を見た最後になったんだな。


77 :11/12:2020/08/15(土) 01:30:46.20 ID:y3BXYe+r0.net
プール道具を載せて自転車で集合場所にしてたバス停に向かうと、
サイレンの音がしてて、たくさん車が停まってた。パトカーと救急車もいた。
ちょうど担架にのせられた人が救急車の後部に運び込まれていくとこで、足だけが見えたが、それが山中のボロっちいズックだと思ったんだよ。
俺はどうすることもできず、プールには行かずに家に帰ったんだ。
一人でテレビ見てると、パートに出てた母親が帰ってきて、
「なんか、子どもが事故にあったみたい。近所の人が噂してたけどあんた知ってる?」
って聞いてきたから、俺はプルプルと首を振ったんだ。
後でわかったんだが、事故にあったのはやはり山中で、
トラックの後ろを自転車で走ってたら、積んでた鉄筋が何本も落ちてきて頭に刺さったってことだった。即死だったんだ。
それから夕飯前に婆ちゃんが戻ってきて、俺の顔を見るなり、
「あれほどいけんと言うたやろ」
そう言ってまた、仏壇の前に2時間正座させられたんだよ。


78 :おわり/12:2020/08/15(土) 01:32:00.33 ID:y3BXYe+r0.net
ま、これでだいたいの話は終わり。
それからしばらくの間、婆ちゃんは畑に行かず、ずっと俺を監視するようにそばについて宿題をやらされた。
おかげで宿題が新学期までにできたのは、あの夏休みだけだったよ。
あと、学校で山中と一番親しかったのは俺なんだが、葬式には呼ばれなかった。
山中の家は新興宗教に入っていて、その人たちだけで葬式を出したみたいなんだ。

もちろん俺は、婆ちゃんをふくめ神社での話は誰にもしゃべってない。
ここで今話したのが初めてなんだよ。
ああ、あの神社なあ。夏休みが終わって少ししてから、怖かったけど気になって一人で見に行った。
裏手に回ってみると、俺らが作った鳥居や、板の社殿はなくなってたが、地蔵様だけはそこに残されてあった。
でな、最初、すり減って表情もわからなかった地蔵様の顔が、なんだか微笑んでるように見えたんだ。
それで俺は「ああ、足りたんだな」って思ったんだよ。




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863 :本当にあった怖い名無し:2020/08/14(金) 08:53:29.98 ID:INiIwAcB0.net
5ちゃんねるに慣れてなくて不思議な話を何処のスレッドに書けば良いか分からないんだが、ここで良い?
ずっと話す機会もなかったから話したい。僕は最近病気がちになり誰かに話したくなった。

大正~昭和初期くらいの話なんだが、僕の祖父は実家も裕福で自身も社会的に地位のある人だった。
しかも表面上は非常に厳格。だが女性関係だけはアレだった。
当時は珍しい車を所有して、これまた当時は珍しいキャンペーンガールをナンパしてドライブしたり、
芸者に入れあげたり、女学校の生徒に手を出したりと派手にやらかしてたらしい。
正妻はいたが遊びまくり。
その中に芸術家の女性がいて中々落ちなかったらしい。
だから正妻にすると約束して落としたらしいんだ。
悲劇はそこから始まった。


873 :本当にあった怖い名無し:2020/08/14(金) 16:10:31.13 ID:INiIwAcB0.net
芸術家だった愛人は、正妻がいることを知り怒って関係がこじれたらしい。
そんで詳しい経緯は不明だが亡くなった。
それが山の奥深くで見つかったらしい。自殺か他殺か分からなかったらしい。
ま、当時だしな。チンピラを雇って殺害したと推測する人もいたとか。
愛人は正妻からいじめを受けていたらしい。
正妻と愛人を一緒に住ませるとか祖父は狂ってるとしか思えない。

で、祖父は晩年おかしくなったんだな。ある日突然、犬になってしまったらしいんだ。
犬のフリとかではなく犬そのものだったらしい。
吠えて、近寄ると威嚇の声を出し四つん這いになって後ろ足を蹴り上げる。
家中を走り回り糞をする時も犬そのものだったらしい。
人目を忍んで夜に首輪付けて散歩までしたらしい。

ついに家の人は恥を忍んで精神病院に入院させた。
それで東京から名医を連れてきたんだが、脳には何の異常もなく恐らく演技だろうと言われたらしい。
でも正真正銘の「犬」になってる祖父を、演技してると思う人間は誰もいなかったらしい。
しばらくして祖父は体調が悪くなり「犬」のまま亡くなった。


875 :本当にあった怖い名無し:2020/08/14(金) 17:13:32 ID:INiIwAcB0.net
その後、時は流れて2010年を過ぎた頃、僕は突如不思議な夢を見た。
僕は祖父の生家にいて、玄関を開けると真っ赤な大きな傘をさした女がいた。
傘で隠れて顔は見えない。足下はハイヒールを履いていた。
中々スタイルの良い女だ...それで夢は終わった。
そしたらその夢の後、すぐに祖父の生家でゴタゴタがあって家の人が出て行ってしまったんだ。
名家だから断然は勿体無いから誰か住んでくれという話になって、
フラフラしていた僕に白羽の矢が立ち、なんと僕はそこに住むことになった。
その後、親戚に色々と家の歴史を聞いたんだ。
室町から続く家で寺とも関係が深く、一族からは大名家の重臣になった者もいるらしい。
でも何よりも僕が驚愕したのは、悲惨な最期を遂げた愛人の話だった。
彼女はハイカラな人でお洒落で、当時からハイヒールを履いていて目立ってたらしい。
そして血のような、真っ赤な傘を差していたと。
僕は背筋が凍るというよりは何かが府に落ちた気がした。
今まで全く興味なかったが、死後の世界ってあるな、という気持ちになった。
もちろん怖い気持ちもある。あの女が僕を呼びに来たとしか思えないし...。
だが病気がちになった僕は、今は怖さよりも切なさの方が強いんだな。
今日は盆だから一族の墓に行って墓掃除をしてきた。彼女の戒名はない。
この話をしたくなったのも彼女のせいかな、なんて思ったりした。
以上、長話すまんな。


877 :本当にあった怖い名無し:2020/08/14(金) 17:31:58.93 ID:HiaW31IMO.net
>>875
赤い傘の女の夢を見た後に、祖父実家の管理を任されたのか
また不思議体験があったらよろしく
それと「断然」ではなく「断絶」のミスタイプかな


878 :本当にあった怖い名無し:2020/08/14(金) 18:51:36.99 ID:INiIwAcB0.net
>>877
断絶、だ。ありがとう。

俺もうすぐ死ぬだろうし、怖いものはないw
俺の人生ってなんだったのか...
きっと怪奇現象は今後も何もないだろうなぁ。

ある意味で怖いのは俺が死んだ後、人生に対する無念後悔からここで地縛霊になるんじゃないかという事さw





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218 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2013/10/08(火) 13:03:20.47 ID:CEScMajCI
口が悪いつながり(?)で、身内の恥をひとつ。

妹が某金融業に勤めてた頃の話。

仕事で銀行へ入金しに原チャリを走らせているとなーんとなく頭の重い感じの違和感。
妹は微感(笑)なのでいつも通り素無視を決め込み、原チャを走らせる事数分。
耳元でブツブツ言ってる生首のおっちゃんは、業を煮やし

「自分 ! 見えてんねやろ ! わかってんねんで ! (ニヤリ)」
一分一秒を争うクソ忙しい時に!妹はキレた。
「じゃかぁしわ‼見えてへんわボケ‼」

潮が引いて行くように、違和感にも似た頭痛は引いて、妹は銀行に間に合いました。黙ってたら綺麗なお姉ちゃんが、台無しな言動に家族は失笑…。

弟「生きてる人にも死人にも、容赦ないな…」
 
219 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/10/08(火) 14:42:46.39 ID:RpUmHYry0
>>218
生きてる人にも…とはあなたも犠牲に!?
 
220 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2013/10/08(火) 15:35:58.73 ID:7I0ZZhH7I
>>219
弟(末っ子)は一時期ヒッキーで、妹(次女)が真夜中に
「コンビニ行くから、チャリ乗せて。」
というリハビリの末に社会復帰したので、頭が上がらないのです。

長女の私より頼りになる姐さんです…。
 
221 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/10/08(火) 19:14:50.69 ID:KZ44PvQu0
ここのスレでは大概が長女無双なのに、次女のほうが強いとは珍しいw
 
222 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/10/08(火) 19:44:16.97 ID:QXlSbTYi0
↓に男がいれば上の順序は関係ないんだな
 
223 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2013/10/08(火) 20:25:11.80 ID:KZ44PvQu0
なるほどそういうことか、納得(しみじみと)





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