37: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)14:19:18 ID:ofo
俺は振り返ると、結構な距離の場所に居た。
会長と山岳姫と二人ぐらい女子が追いかけてきていた。

会長が言うには、俺が突然「人がいる!」と言って走りだしたらしい。
ただ斜めな山に従って走っていったので、俺は敢え無く木に激突したらしい。
それを見て思わず皆笑ったらしいが、
俺は木にぶつかりながらも腕を振るし「おーい」とか言っているしで、
だんだんやばく感じて見に来たらしい。

俺はまったく覚えていない事を山岳姫たちに伝えた。
デコには血が滲んでいたので結構ゴリゴリしていたらしい

俺「あれ?てかこの木だけ少し変じゃね?」

俺は木を撫でていると変な違和感に気がついた。
木の至る所を引っ掻いたような後があったのである。
ただゴリッと言うより、ガリッと言う感じで浅く彫刻刀で削ったみたいな感じでもある。

で、普通なら気が付きはしても大して違和感なんか抱かないんだけど、

そんな状態の傷跡が木の上の方にまであるわけ。
明らかに身長が2mあっても届かない所にも無数に引っ掻いた後があった。

そこで俺の頭の中に何か嫌なイメージが流れる。

38: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)14:30:08 ID:ofo
俺が必氏に木を引っ掻きながら上まで逃げようとしているのよ。
で下を見ると無数の黒い塊、目の部分だけポッカリと白い穴の人型が手招いている。
俺は息を荒あげながらドンドン木を登っていこうとする。爪を立てて。

ただ、そんなイメージを思いながらも意識はハッキリとしていた。
でも指先から血が垂れていた。しかし爪は折れていないし痛みもない。
深爪だった覚えもない。

会長と山岳姫は顔を見合わせて、俺以外の皆をB子の元へ帰らせた。
帰った他の皆は木の違和感を見て「うーん・・・」と悩ましい顔をしていた。

会長「俺君さ、黒い人見なかった?」

そこで本当に僅かな時間忘れていた『おそらく人な物体』の事を思い出し告げる。

俺「た。確かに……色は黒でした……」

それに顔は分からないけど、容姿を思い出してくる。
一言で言うとナマハゲ。
一頭身のでかい顔に頭から藁を被ったようなナマハゲ。
両手に包丁は握っていない。

会長「さっき、熊のこと聞いたじゃん……、俺も多分そのナマハゲみたいの見た」

山岳姫「言わなかったけど、私も見ているの。
 他の子も言っていないけど、何か見かけているみたい」

会長「D男は見ていたようだね。口に出すのは災の元と言っていたけど」

その後、俺はイメージの言を伝える。

そうすると木の傷跡が爪で引っ掻いた跡に見えてきて、だんだん呂律が回らなくなってきた



43: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)14:39:45 ID:ofo
会長と山岳姫は「他の木も見てみる」と言って、結構な周囲の木を確認しに行った。

俺は絶対にその話を皆にするなと言われて、皆の元へ帰された。
D男は事態を察していたのか「お前呼ばれているんじゃね?気をつけろ」と背中をパンパンと叩き、俺の近くに居てくれることになった。

俺はウエットティッシュ(もしかしたら弁当用のおしぼり)で
指先をふきとりあえず綺麗にした。爪の間には血は入り込んでいなかった。
と言うか血だとは思うのだけど、サラッと拭き取れた。

その後、心配してくれた女子部員さんが二人ほど来てくれて、サンドイッチをくれたりした。
たぶん気分を紛らわすためだけど、サークルの話とかをしていた。

B子は落ち着いたらしく眠りについていて、今は他の三人が様子を見ているらしい。
何度かコッチに来た子が「さっき変なの見えたのですけどー」と、明らかに探るような笑顔で訪ねてきたが、
俺もD男も「いや見てないなぁ……」「俺はぼーっとしてて」と言って誤魔化した。

会長と山岳姫は結構な本数の木を確認していて、時々木の前に止まって見上げたりしていた。
多分10本以上は見上げていたと思う。



45: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)14:49:08 ID:ofo
そんな感じで時間を過ごしていると、遠くの方で雷が鳴った。
少し寒くなってきて本能的に「雨がふる」と感じた。
天気予報では当分晴れが続く筈だし霧もなかった筈なのに。

山岳姫と会長は走って戻ってくる。

山岳姫「雨が振りそうだから皆カッパ着て!」

だが、カッパを持ってきているのは会長・俺・D男と山岳姫と他二人。
会長と俺とD男に山岳姫はカッパを持ってきていない人たちに渡した。
B子も持ってきていなかった。

カッパを着なかった俺らはブルーシートで凌ごうと言う話になり、
そうしていると遠くで雨が降る音が聞こえてきた。

カッパを着ているが、一応B子に雨が当たらない様にとブルーシートを屋根代わりにカッパ着た女子たちが端を持って立つ。
カッパ着ない組の俺らは、B子の近くから少し離れた所でブルーシートを掲げて雨をまった。

すぐに雨が降り始め、雷が鳴る度に女子のほうでは「キャーっ!」と悲鳴が上がっていた。

俺らの方は残念ながら余裕でビショビショになっていた。



47: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)15:07:00 ID:ofo
ごめん、女子達立ってないわ。しゃがんで姿勢低くしていたわ。

山岳姫「このままじゃもっと濡れちゃうからテントみたいにしましょう」

俺らは横で屋根を作っている女子たちに申し訳なさそうに言いながら
四人で隅を持ち、ブルーシートの中心に登山用の杖を四本指して、
自分たちを包み込むようにブルーシートの中に入る。

説明が下手だけど、なんて言えばいいのかな内側に折り込む?なんかちがうな。
まあとにかく濡れない感じかつ外に声が聞こえない感じになった

生乾きの匂いとジメッとはしているが熱くない空間が広がっていた。

山岳姫「オナラしたらソイツ外につき出すからね」

山岳姫の言葉に俺とD男の緊張が吹き飛び思わず噴出す。
ただすぐにそんな空気も薄れていってしまった。

D男「……遅いよな、C男たち」

山岳姫「……言いたくなかったけど、そうよね」

俺「何事もなければいいなぁ……」

会長「俺君、馬鹿なこと言っちゃだめさ……」

外の様子は見えないが、外では女子達がキャッキャしていた。

山岳姫「最悪、Bさんを背負って私達が助けを求めに行く必要あるかもね」

俺「なんでそれが最悪なのですか?」

山岳姫「うーん……、何かあったりしたらね」

何か理屈で説明されたけど、とにかく無闇矢鱈と動くのは危険だと言うことだった



48: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)15:16:02 ID:ofo
俺「それで木の様子を見て来たのですよね?」

会長「うん……俺君が見つけた木の他にも結構あったね」

山岳姫「私の見立てだと、小動物とか……と思いたいけど、
 俺君の話聞いたらそう見えてきてね……でも尋常じゃないよ、あんな感じなの」

D男「他の奴らもいい加減気が付いているんじゃね?
 何人か小さい声でキャって言っていたしさ」

俺「害があるのかな……」

D男「どうかな。もしもアレがさっきの地蔵みたいな奴と関係しているなら、
 B子は地蔵を踏みつけたから、ああなったんじゃね?
 面白がって他の地蔵を起き上がらせた俺らも、俺らなんだけど……」

山岳姫「そんな事言ったら、私なんか内心ふざけるな!って思って
 思っきり蹴飛ばしちゃっていたしさ……、他の子も何人も踏んでいると思うよ」

俺「そう言えばC男のやつ、小さい地蔵投げてなかった?」

空気が重くなった。今の話の流れでその事を思い出したのを俺は後悔した。
しばらく雨がブルーシートを叩く音と、隣で女子達が恋話(B子を交えて)しているのを聞いていた。

D男「ちなみに霊感あるやつ居る?俺は親父の実家が寺なんだけど……」

突然言い出した。



54: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)15:23:30 ID:ofo
山岳姫「私は家が神社なので……少しはあると思います」

会長は合コンの話を思い出し俺を指さして「俺君と俺は自称霊感アリだったっけ?」と
ちなみに会長と俺は今までネタで言っていたと白状した。

D男「C男のやつはオヤジがキリスト系の神父だろ、確か」

山岳姫「そう言っていましたね……、だから地蔵の所は通りたくないと言ってました」

D男「それでさ、今回のこの騒動なんだと思う?俺は物の怪かな」

山岳姫「私は罰当たりしたんじゃないかと……」

その後二人はアレコレと話をしていた。
あの地蔵地帯はなんだって話が主だったけど、祠や誰かが放置したやつ、
山の神様だったのでは?昔村があった場所?修行場?とか
、ヒートアップしていたが、話に決着することなかった。

でもふたりとも怪奇の線を疑っていた。

会長「今日助けに来ることがなかったら……あそこで一晩を明かす必要あるかな」

山岳姫「さっき見つけた廃墟ですか?」

言うに二人で木の様子を確認していた時、ここからちょっと言った所に建物が見えたらしい。
それは見るからに廃墟の家っぽいと言うこと。

雨は強さを増し強くブルーシートに当っていた
外で話している女子たちの会話すら聞こえないほどに。



58: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)15:37:30 ID:ofo
その後はダンダンと会話が途切れて終わった。
俺らがしゃがみこんで俯いていた。
もしかしたらD男と山岳姫は寝ていたかもしれない。

突然バシャバシャとブルーシートを叩かれ
「山岳姫さん!会長さん!D男さん!俺さん」と言われた。

俺らは慌ててブルーシートをめくり何事かと顔を出した。

血相を変えた様子で、山岳部員で俺が気になっていたF美ちゃんが立っていた。

F美「G子とH美ちゃんが倒れたんです!」

見ればB子の他にカッパを着た女子が二人倒れている。
その顔がB子のあの足と同じように腐った豚の色になっていた。

山岳姫「なにがあったの!?」と取り乱しながら駆け寄る。

F美「急になんか訳の分からない事を呟いたと思ったら倒れて、
 どんどん顔が変な色になっていって!それで!」

顔をグチャグチャにしながらF美ちゃんは泣いていた。
その時、すぐ近くで雷が落ちたんじゃないかというほどの雷鳴が響いた。
一気にパニックになる女子達。

会長が山岳姫に「雨を凌ごう。此処を離れよう」と訴えかけた。
すぐに山岳姫は皆に廃墟の事を説明、全員何も言うことなく返事をした。

その間に会長の指示で俺らはバックからビニールテープを取り出し、適当な木に結びつけて、それを動ける女子に渡した。

俺らが持っていた荷物は往復して取りに行くことにして、
男たちで女子を背負い廃墟で駆け足で向かう。

山岳姫の声と雷がとにかく俺らを追い立てていた。



68: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)15:56:27 ID:ofo
廃墟は2階建てでそんなに奥行きもない縮こまった家だった。
洋風みたいな洋館なんだけど、瓦とかは日本を感じさせる感じの。
見えるガラスは割れていないけど、とにかく曇っていた。
それに何でこんな所に家なんか建てるんだと思うような感じで建っていた。

山岳姫がドアノブをガタガタやった後、すぐに近くの窓ガラスを破り鍵を開け侵入。
すぐにガチャッとドアが開き「早く入って!!」と叫んだ。

正直見るからに出そうなので躊躇った。
でも「来ているぞ!早く入れ!」とD男に叫ばれ、全員どんどん廃墟に入っていく。

全員がはいったのを確認すると山岳姫は音を立ててドアを閉めた。
ものすごい量のホコリが舞って俺とか会長は思っきり咳後んだ

D男と山岳姫は窓から外を見ていた。
D男はお経なようなモノを唱えているし、山岳姫も震えながら睨んでいた。

D男・山岳姫「大丈夫そうね」と力が抜けたように二人して腰を下ろす。

俺は背負っていたG子さんを降ろすと「もう少し様子を見てから荷物取りに行くぞ」とD男に言われた。

腰が抜けて泣きじゃくる女子たちと苦しそうに唸っているG子・H美、B子は氏んだように寝たままだった。

会長と俺は窓から様子を見ると、木の陰や至る所に黒い影が見えて逃げるように隠れた。
二人して「見えたようね、見えたよね?」と言い合った。



75: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)16:15:27 ID:ofo
その後、誰も一言も発することができなくなりしゃがみこんでいた。
しばらく立って雨音が弱まった頃、外を見渡して黒い影が居なくなったのを確認。

会長と俺、D男、それに意地でも手伝うと言ってついてきた山岳姫を連れ
自分たちが居た場所に戻った。
迷うほどの距離じゃないけど、廃墟まで伸びていたビニールテープを握っていた。

戻ったら食料が入っているカバンは全部無事だったけど、
女子たちが持っているような軽いカバンはビリビリに破かれ散乱していた
もうなんか狂った様に散らかしたみたいに、さっき食べたゴミも散乱している。

「怖がらせちゃ悪いから」と山岳姫の提案で、そのことは黙って
持って帰れるだけの荷物を持って廃墟に足早に俺らは戻った。

廃墟に戻るとB子を含む二人が服を脱ぎ横にされていた。
ただ俺らは興奮とかアッと顔をそらす訳でもなく呆然と三人を見ていた。

B子の足の具合は左足の太もも膝まで色が悪くなっている。
一方で二人の方は顔は撫でた指の跡の先に肩の辺りにビタッと手形がついていた。
一人は顔が半分まで変色していた。その二人のほうは他に異常はなかった。

見るのも痛々しく、山岳姫が「皆服着せるよ」と黙ってモクモクと作業していた。

俺は持って着ていた懐中電灯を山岳姫に渡し、残りの三つを一時的に俺らで借りた。



76: 名無しさん@おーぷん 2015/06/04(木)16:22:34 ID:ofo
俺らは目線を逸らすついでに廃墟の中を見ていた。
大きめの暖炉とテーブルに汚いソファがあるだけの一回。
壁に日本刀とよく分からないけどオブジェクトが飾られていた
あとバケツが二つ転がっていた。カーテンはホコリと蜘蛛の巣を纏ってた。

あと何かアッたけどイスか机と棚だったと思う。食器類はなかった

水道や電気と行った文明的なモノは見るからになかった。

壁には幾つか洋風の蝋燭立てがあるだけ。
そこに残っている蝋燭も大分ホコリと蜘蛛の巣だらけだった。

二階に上がれる階段は既に朽ちて落ちており二階に上がれなかった。

途中、見るからに底が抜けそうな所は案の定、思っきり踏むとベギっと抜けた。
俺らが飛び込んだ玄関付近ぐらいは幸いにも丈夫だったのかもしれない

とにかく砂埃とホコリがすごく、外は夕方近くだが明るいのに薄暗い家だった

D男「こんなのあったよ」

木箱に入った蝋燭と壁から取ったりや暖炉に飾られていた蝋燭立てを持ってきた。
中々刺すのが難しかったのを覚えている。
なんか蝋燭が何本もボロボロになっていた。





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