587 :本当にあった怖い名無し:2021/12/22(水) 21:05:38.17 ID:m1e8Mg1n0.net
今日は冬至。集落のお堂では降霊の儀式が行われています。
儀式は日没の酉の刻(17時)のお祈りから始まります。本格的に降霊が始まるのは亥の刻(21時)から。
昨年の冬至から今年の冬至までに集落で亡くなった人の霊を呼び出します。
目隠しをした3人が祭壇の前に並び、霊媒師が霊を下ろします。
実況します。


589 :本当にあった怖い名無し:2021/12/22(水) 21:37:40.54 ID:m1e8Mg1n0.net
儀式と準備と流れ

22日午前5時 卯の刻 朝
お堂に集落の人々が集まります。
生理中や妊娠中の女性はお堂に入れません。
集落の人々がお堂にある観音様に向かい、念彼観音力(ねんびかんのんりき)というお経を読みます。
読み終わると観音像を黒い布で覆います。

22日午前11時 午の刻 昼
お堂にある神棚の「天照皇大神宮」のお札を逆さまにします。
逆さまにしたお札の前に「幽冥大神」と書かれたお札を置きます。
神棚の注連縄を逆向きにします。

22日午後5時 酉の刻 夕
祭壇の前に、昨年の冬至から今年の冬至までに亡くなった人たちの、位牌や写真と生前着ていた服や愛用品が並びます。
太いロウソクに火が点ります。
香炉には線香ではなく、抹香が焚かれます。
祈祷師が来て、祭壇の前で「かくりよのおおかみ」「さきみたま」などのお祈りをします。
この後、午後11時まで降霊に入ります。

22日午後11時 子の刻 深夜
降りた霊をあの世に返す儀式が始まります。
参加者には魔除けの粗塩と小豆が配られます。
帰る時、お堂の方向には何があっても振り返ってはいけない、
次の日の夜明けまでお堂に行ってはならない、
家から一歩も出てはいけない、
窓や扉を開けてはならないとされています。


590 :本当にあった怖い名無し:2021/12/22(水) 22:00:42.74 ID:m1e8Mg1n0.net
今年は結婚をせずに亡くなった人がいないので省略されましたが、
いた場合は、過去に結婚をしないで亡くなった人との「祝言」(結婚式)が行われます。
結婚する二組については事前に誰になるかを集落の人々で決め、位牌同士を並べ、霊媒師が儀式を執り行います。
去年は昭和33年生まれ・令和2年10月死亡の男性と、明治39年生まれ・大正5年死亡の女性との結婚。
そして、その人との間に令和2年12月に子供ができて生まれたとして、3人分の供養が行われました。
重婚はできないので、未婚のままの死者を過去帳や古い戸籍から探し出し、昭和初期にとどまらず、明治や大正、天保の死者を結婚相手に利用します。
儀式をすると結婚したことになり、女性の死者は妊娠、出産したとみなされます。


591 :本当にあった怖い名無し:2021/12/22(水) 22:37:06.28 ID:m1e8Mg1n0.net
降霊の儀式
位牌が置かれた祭壇の前に、霊が降りる土台となる3人(白装束を着せている)に霊媒師が祈祷後、鉢巻きで目隠しをする。
3人は祭壇から霊媒師に誘導され、畳が裏返しになっている箇所(6畳分)に正座して座らされる。 霊媒師はそこに「結界」を張る。
「結界」の周囲を参加者が取り囲むように座り、霊媒師がお経か呪文のようなものを唱えながら回って歩く。
白装束の3人が急に横に倒れたり、絶叫したり、喚いたり、何かを言ったりするようになると、霊媒師は呪文をやめる。
誰の霊が降りたのか霊媒師が白装束の3人それぞれに尋ねて回る。特定できた場合、遺族と会話をさせる。
死者本人しか知らないことを質問させ、正確に答えられるかどうかを確かめるが、たいていは死者本人の口調やしぐさにまでなるらしい。
それが終わると、霊媒師が「霊を上げる」(あの世に戻す)呪文を唱え出す。
「霊を上げる」のに失敗し、そのまま精神に異常をきたした人が過去に何人か出ているらしいので慎重。
霊媒師は祭壇に置かれている水をバケツから柄杓に汲み、水を白装束の3人にかけて回る。
そして、参加者で「さきみたま」を唱え、祭壇ではなく神棚のあるほうに向かい、4回、柏手を打つ。
白装束の3人から目隠しが取られ、霊媒師により祭壇の前に誘導が行われる。


592 :本当にあった怖い名無し:2021/12/22(水) 23:04:50.79 ID:m1e8Mg1n0.net
降霊後の儀式
白装束の3人は普段着に着替え、他の出席者の中に入る。
霊媒師が神棚に置かれた「幽冥大神」のお札を下げ、逆さにしていた「天照皇大神宮」のお札を正しい位置に戻す。逆向きの注連縄も正方向に戻す。
祭壇に並べられた位牌や遺影は遺族に返される。
そして、祭壇に供えられた粗塩、小豆、日本酒、水が小分けにして出席者に配られる。
日本酒と水は飲用や「お清め」に。粗塩と小豆は「魔除け」に。それぞれ利用される。
その後、黒い布がかけられた観音像から布が取り払われる。

降霊後の注意
降霊をすると悪霊まで大量に呼び寄せ、朝になるまでお堂の外は悪霊だらけになっているらしい。
そのため、帰る時、お堂を一歩でも出た後はお堂のほうを振り返ったり、戻ったりしてはならないことになっている。
振り返ると悪霊にとりつかれると言われ、実際に過去に精神異常や自殺、急死があった。
振り返ってしまった場合は、塩や小豆をお堂の方向を目掛けて後ろ向きに投げつけるように霊媒師から指導をされる。
帰宅後は家の窓や戸、シャッターを閉め、大きな穴や通気孔も閉め、
夜が明けるまではいかなる理由があっても開けてはいけない、外出してはいけないとされる。
開けると外にいる悪霊に取りつかれたり、家の中に侵入され化け物屋敷となるらしい。


593 :本当にあった怖い名無し:2021/12/22(水) 23:25:23.51 ID:m1e8Mg1n0.net
降霊の儀式と歴史
歴史は意外と浅く、明治の頃から行われていたらしい。
郷土史に詳しい方によると藩政時代にその記録は見当たらず、明治の中頃から行われていたとの伝聞のみがあるそうな。
修験道、神道、冬至に纏わる民間信仰に加え、出雲大社の信仰が加わったのではないかと言われているが、詳細は不明。

降霊は死者本人とは限らない
今年の「降霊」は3人中1人だけの模様。昨年は2人、一昨年は1人、その前の平成30年は0人。
毎年違う人たちで口裏を合わせて演技しているとは思えないくらいの話の内容。
降ろす霊を間違えたのか、日本語をまったく話さない外国語を話す「外国人の霊」が降りてきたことも昔あったらしい。
しかし、こうやって観察していると気味が悪いものです。


634 :m1e8Mg1n0:2021/12/26(日) 13:38:17.07 ID:X0WRgkf30.net
冬至の夜、集落で亡くなった方々の霊(魂)を呼び、遺族や親族と話をさせる儀式があることについてこの前こちらに書きました。
まとまりましたので投稿します。

今年は3人に霊媒師が霊を降ろしましたが、降霊にかかる時間は2時間ぐらい。すぐにはあの世から降りてきませんでした。
今年の儀式で降りてきたのは3人のうち2人で、1人には降りてきませんでした。
霊のうち一人は春浅いまだ残雪の残る頃、防風林の松の木の下で首を吊って亡くなった80代のおじいさん、
もう一人は一昨年脳梗塞で倒れて病院に運ばれた後、寝たきり生活になって長いこと施設に入っていてこの秋に亡くなった70代のおばあさんでした。

80代のおじいさんの霊。
霊媒師が霊を降ろした60代の女性のほうに降りてきました。性別は関係ないのですね。
80代のおじいさんは女性の口を借り、声は違うとはいえ生前の話し方で遺族や出席者と話をしました。
話をまとめると、おじいさんの自殺の原因は病苦と貧困、世の中への諦め。
他人に迷惑をかけてまで生きたくはないと防風林に入って首を吊ったのだそうです。
死ぬ時は首を吊る一瞬だけ苦しく、その後、目の前が真っ暗になって楽になり、気がつくと暗いトンネルの中を出口に向かって這うように歩き、明かりの見える出口に向かって歩くと断崖絶壁になっていて誰もいない。
そこには橋も何もなく一帯を永遠にぐるぐると回っているという。
姿や形のない正体不明の存在から、あと6年はこの状態が続き、この世には戻れない、あの世にも行けない、その後、再びこの世に生まれ変わることになると宣告されたそうです。


635 :m1e8Mg1n0:2021/12/26(日) 13:42:21.89 ID:X0WRgkf30.net
70代のおばあさんの霊。
霊媒師が霊を降ろした60代男性のほうに降りてきました。
遺族によれば、まるっきり生前の母親と同じで本人にしか知らないことを話したそうです。
おばあさんの霊は、脳梗塞で倒れて意識不明になった瞬間に魂が身体から抜け出て日本や世界の色々なところを飛び回って生きている人にとり憑いたりしていたとのこと。
また、生きている人にとり憑くのは人や人のような霊だけで、動物には動物の霊だけが憑き、動物の霊は人にとり憑かないことがわかりだとも語っていました。
ただし、動物の霊が人に影響を与えることはあるようだと。
降りてきたおばあさんの霊は、病院で死亡する瞬間だけ自分が病室のベッドにいた記憶があり、讌下性肺炎を起こしていたこともわからないそうです。
死亡する瞬間、若い頃の母親と男だか女だかわからない綺麗な人が出てきて、そのまま病室の壁から青空の上に3人で瞬間移動し、以後、おばあさんは肉体を持たず、霊のまま快適な環境の中にいるようです。
降霊は「(あの世で)別世界の夢を見ている変な感覚」で、生前の記憶が瞬間的に鮮明に出るそう。普段この世の様子は全くわからないらしい。
この世の記憶はあの世では消えていて、この世で降霊をされると、あの世で詳細な記憶を伴う悪夢のように出てくるのでやめてほしいということでした。


636 :m1e8Mg1n0:2021/12/26(日) 13:45:21.87 ID:X0WRgkf30.net
霊媒師と記録係りの私、遺族に対し、70代のおばあさんの霊は降霊で重要なことを話しました。
それによると、仏壇や神棚、神社や寺、教会のようなところには悪い霊がたくさんいるという信じられない話です。
なぜ悪い霊がいるのか? それは、そこに人間や動物の像があるからで、悪い霊というのは像にとりつく性質があるからだそうです。
悪い霊は人や動物の形をしたものにだけとり憑く性質があるので、家の中にも置いたり、持ってはいけないと。蛇の像は特に良くないそうです。
おばあさんの霊はその話を神様から話を聞いたそうです。
そして、本当の神様はこの世になどいない、この世というのが地獄なんだと話します。
また、霊媒師が言う「守護霊」はすべてこれらの悪い霊であり、本当の守護霊は死んだ後、本人にしか見えませんよと。
それから「霊を降ろす」といってもこの世に本人の霊が降りたわけではなく、この世で迷っている霊がついた人を介してあの世から間接的に会話をしているだけだとも。
霊媒師はその話を聞いてばつの悪そうな表情をしながら驚いていました。私もびっくりしました。

そして、霊はあの世に帰っていきました。
出席者が全員で「さきみたま、くしみたま、まもりたまへ、さきはえたまへ」と印刷された文字を合掌し、神棚に向かって、手をゆっくり静かに4回柏手を打つように合掌し、儀式は終わりました。

私は去年も今年も霊媒師の助手、記録係(お筆先)を務めました。
引き続き、私が知りたいことなどを遺族の了解を得て「霊」に質問し、回答を得たいものです。どこまで本当の答えなのか知りませんが。
霊が降りて来なかった1人は精神的な不調が現在も続いています。
そういうリスクも降霊には含まれますので絶対に真似をしないで下さい。
長文、連続投稿、失礼いたしました。







オカルトランキング