734 :本当にあった怖い名無し:2005/11/29(火) 11:02:59 ID:mpuswWhn0
じっちゃんから聞いた話。

昔、やたらと蛇が多く、『蛇山』と渾名された山があったそうな。
その山に入る者には、毒蛇にやられるものが多かったという。

ある時、蛇山に入った猟師が恐ろしい唸り声を聞いた。
声を辿っていくと、藪の中で真っ白な大蛇が、頭を食いちぎられて息絶えていた。
その躯には、至る所に巨大な猛禽の爪痕が残っていたという。

恐ろしさに逃げ帰った猟師が、山で見たことを話すと、
村の老人達は「山の主様が代わった。これで蛇は減るだろう」と皆に告げ、
その日の内に前代の主である大蛇への供養と、新たな主である猛禽を迎える儀式が行われたという。

その後、蛇の被害は減り、代わりに山には鳥が増えたそうだ。

「その山はよく主が代わるそうでな。白蛇の前は猪、その前は山犬だったそうだ」
最後にそう語って、爺ちゃんはこの話を締めくくった。