887 :本当にあった怖い名無し:2009/01/24(土) 23:49:04 ID:0bj0d8zq0
これは、アパートで一人暮らしをしている妹に聞いた話です。

妹は睡眠障害を患っていて、いつも病院で処方された眠剤を飲んでいました。
でも、大学が忙しくて、なかなか病院に行く事が出来ずにいたらしく、
眠剤が無いとうまく眠れないとわかっていながら、眠剤を切らしてしまったそうです。
それでも明日も大学があるからと、無理にでも眠ろうとベットに入ってがんばってはみたものの、
やっぱり全然眠れず途方にくれていた時のこと、いきなり人生で初めての金縛りにあったのです。
あまりに突然で、何が起こったか最初はわからなくて、パニックになっていたら、
今度は耳元で、誰かがボソボソ何か言って来たそうなんです。
でも、何を言っているのか聞き取れない。
断片的に接続詞っぽいのは聞こえてくるけど、やっぱり肝心な部分が聞こえない。

ふと気がつくと、妹を囲むようにベットのまわりを、たくさんのベルバラ風の貴族たちが!
貴族はかわるがわる妹に近づいて来て、耳元で何かを話しかけて来る。
妹「なんで貴族が私の部屋に!?」

結局、貴族が何を話しかけて来たのかは、最後までわからずじまいで、
気がついた時には朝だったとのこと。

それから久しぶりに行った妹の部屋は、すっかりロココ調になっていました。
「なんでよりによって貴族が私なんかに。なんの話があったのかどうしても気になる」と言って、
貴族がまた現れるようにと、貴族に気を使って、
「部屋をできるかぎりおフランスに近づけてみた」と言うのです。

そんな妹の心遣いも虚しく、あれから貴族は現れてはくれません。
でも妹はまったく諦めておらず、部屋だけがどんどん貴族チックになっていきます。
このままいくと、妹がコルセットにまで手を出しそうで恐ろしいです。

そんな私は、来たる3月の妹の誕生日に、ティーセットをプレゼントするつもりです。


897 :本当にあった怖い名無し:2009/01/25(日) 13:05:53 ID:fqbhVuTv0
妹と貴族の話を書かせてもらったものです。
他にも妹に関する話があるので、よかったら読んでください。
これは、まだ妹がアパート暮らしをする前の話です。

実は私、前から微妙な体験をすることが頻繁にありました。
例えば、金縛り、ラップ音、自室で女の笑い声、後ろを横切る人影、などです。
でもこれらは、錯覚や気のせいだと言える程度のものでした。
けれど、あまりに頻繁なので、どうにかしたいとは常々思っていたんです。

ある日、これが本当に霊的なものなのか、それとも気のせいなのかを、どうしてもハッキリしたくて、
友達に頼んで、霊能者を紹介してもらったんです。
霊能者の方が言うには、どうもそれは妹に原因があるとのことでした。
妹は霊感はないですが、霊に取り憑かれやすい体質らしくて、
妹に憑いて来た霊を、私が今まで感じていたそうなんです。
でも理不尽なことに、妹に憑いて来た霊は妹を見限り、殆ど私のほうに来てしまうと言うんです。
妹は霊に取り憑かれやすい体質にも関わらず、私が血のつながりを疑うほどの冷徹な性格で、
そのせいか、霊は『コイツじゃ何もしてくれない』と判断するみたいです。
それで、多少なりとも霊感がある私のところに来る、というわけだったんです。
貴族の話じゃわからないでしょうが、血も涙もないどうしようもない子なんです。

妹が大学生になりアパートで暮らすようになってからは、驚くほど何もありません。
最初のうちは、妹が使っていた部屋のドアが勝手に開いたり、その部屋から咳払いが聞こえたり、
廊下を足音だけがウロウロしていたりと、不可解なことは少しありましたが、
今ではさっぱり何も起きなくなりました。
妹には悪いですが、もう帰って来ないでくれと思っています。




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