361 :ヘタレハンター ◆aoV/Y6e0aY :2005/05/08(日) 20:27:11 ID:owpaE6/e0
御無沙汰しておりました。 
えー・・・・ちょっと私的な事を含むのですが、気持ちの整理をつけたいので書かせてください。 

私の父は、昭和三年生まれ。戦前派です。
そんな父が、このGWに私を呼び出しました。
「お前に見せておきたいところがある。ちょっと付き合え」と。 
実家で父を車に乗せ、言われるまま本家に向かいました。
ただし、本家ではなく、その裏山入り口へ。

いい年してますが、さすが先輩ハンターでして、その山道を私を率いてどんどんのぼっていきました。 
途中、きょろきょろしたかとおもうと脇へ飛び込んでいきます。道なんてありません。 
30m位藪コギしたでしょうか・・・・白い石がみえました。苔で白っぽく見えたのですが。 
その石を両手で撫でながら、親父が話し始めました。 

人間魚雷『回天』搭乗員の訓練中に死んだ兄のこと(これは聞いてました)、
そしてその兄が、夢枕で弟(=私の父)に託したもの。 


363 :ヘタレハンター ◆aoV/Y6e0aY :2005/05/08(日) 20:40:45 ID:owpaE6/e0
昭和20年の春、学徒動員で千歳に行っていた父の夢枕に、兄がたったのだと。 
優しく笑いながら話しかけてきて・・・・
いつのまにか、(戦前に)一緒に遊んだ裏山の秘密基地(白い大きな石のところ)にいたこと。 
叔父は、
「親父おふくろと、兄弟を頼むよ。俺はもうだめだけど、お前は長生きできるそうだから。
 この場所で一杯遊んだな。家に帰ったらここに来い。お前に渡したいものを置いておくからね。
 頑張るんだぞ・・・」
という意味のことを言って、じっと親父を見つめたそうです。
そのとき、夢から醒めたと。 

叔父の訓練中の死亡連絡が、実家から届いたのは二日後。 
その後、すぐに浜松へ動員先が変わったそうで・・・・。
移動途中、実家へ寄れた父は、約束?を守るべく秘密基地にすぐに向かったところ。 
石の上に、短剣が。 
元は銘刀だったものを、叔父と父の二人が悪戯して剣先一尺ほどで折ってしまったものを、
出征するにあたって懐刀として誂直したものでした。 
錆びることも無く、白鞘から綺麗にぬけた刀身をみて、父は号泣したそうです。 

その話をしてくれた父は、私にその短剣を渡しました。 
「あの時代、みんな精一杯に生きたんだ。その想いだけは、素直に受け止めてほしい」 
父の涙をみたのは、生涯二度目でした。一度目は実母の葬式の時でした。

急で、なおかつ目的も知らずにつれていたかれた為、線香も水も持っていませんでした。 
手持ちのタバコに火をつけて、たむけのかわりとしました。



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