604 :1:2005/06/14(火) 01:13:07 ID:zlgQoTLV0
自分の従兄弟で、特に霊感の強い女の子がいるのですが、本人に聞くと「ちっともいいことない」んだそうです。 
違う従兄弟の結婚式に出席したとき、その子はずっと胸に何かを握り締めて、うつむいてるんです。
最初は感極まってるのかと思ったんですが、そうじゃなかった。 

その後、親戚内で食事会みたいなのをしているときにも、ずっとうつむいてた。 
私はそのときも大して気にせず、飯をパクついてたんですが、どうも気になる『臭い』がする。 
なんだかカビ臭いというか、押入れの奥のものを取り出したときのような… 
自分はこの匂いを表現するのに、『古い写真の匂い』と言ってるんですが、どうも鼻についたんです。 

その匂いの元を探してるうちに、それはどうも、窓の外から臭っているような気がしてならなくなったんです。
そんな馬鹿なと思いました。だってそこは、ビルの15階くらいでしたから。 
でも、そんな自分と目が合ったのが、その子だったんです。 


605 :2:2005/06/14(火) 01:14:25 ID:zlgQoTLV0
なんとなくただならぬ気配を感じたので、そのことを話しました。 
うろ覚えですが、以下彼女の言ったことを抜粋します 

「あなたは私と同じように、感じることはできるみたい。 
 でも、私みたいに見ることはできない。でも、それはむしろいいこと。 
 こんなおめでたい席なのに、自分は結婚式のときからずっと耐えている。 
 多分、幸せそうな従兄弟を妬んでいるんだと思うけど、
 『死ね』とか『苦しめ』とか、そんな言葉ばかりしか聞こえてこない。
 私は聞こえるし見えるけれど、あなたは嗅覚で感じているんだと思う。 
 繰り返しいうけれど、見えないほうがいい」 

結局、何が見えていたのかは話してくれませんでしたが、 
どうもソレは複数で、ビルの窓の一面に張り付いているらしいのです。 

そして彼女は、手に持っていたものを広げて見せてくれました。 
それはお守りでした。
何でも、あまりにもそういう目にあいすぎて、ノイローゼ気味になったときに、
相談に行ったお寺の、偉い住職の方に貰った物だとか… 


606 :3:2005/06/14(火) 01:15:14 ID:zlgQoTLV0
話はつい最近に飛びます。 

私は京都の大学に通っていたのですが、友達といわゆる心霊スポットに出かけることが結構あったんです。 
でも、それまでに心底ヤバイと感じるようなところはありませんでした。 

あるとき、その中でも飛び切り向こう見ずな奴が、「すごい廃墟を見つけた」って誘いにきたんです。 
私はへえ~と、最初行く気満々だったんですが、いざ立ち上がろうとしたときに、スン、と鼻についたんです。 
あの臭いが。
あのときの感覚は一生忘れません。 
なんていうんですか、それまで感じたことのないような危機感と言うか、 
もしそんなものがあるんなら、それこそ背後霊がよってたって引き止めているような、 
とにかく凄まじく行きたくなくなったんです。

私は友達の誘いを何とか振り切って、自分の部屋に残りました。 
でも、あの臭いは部屋から消えないんです。 
何か部屋にいるのか?と半パニック状態で、布団に包まりました。 
それでも鼻で呼吸をするたびに、あの臭いがします。 


607 :4:2005/06/14(火) 01:16:29 ID:zlgQoTLV0
ガタガタと震えながらしばらくたったころ、携帯電話が鳴りました。 
当然出るのも嫌だったのですが、着信がさっきの友人からだったこともあって、一応出たんです。 
『よお××。やっぱり来ない?』
「だ、だから嫌だって」 
『そうか。他のみんないるのになあ…』 
「すまん、どうしても行きたくないんだ」 
『そうか、ならいいや』
「すまん」 

そのあと、また布団に包まって震えているうちに、いつしか臭いはしなくなりました。 

今でも覚えています。その後友達に言われたことを。
彼は結局、その廃墟(廃ビルらしいです)の前まで行ったところで、強烈に私が嫌がったことを思い出して、
そこから電話をしたのだとか。 
そして、俺がやっぱり尋常じゃないのを感じて、彼も急に恐ろしくなったんだとか。 
そして引き返したんだそうです。 
彼は前に言ったとおり、向こう見ずな奴だったんで、『一人で』そこに行ったそうです。 
『他のみんな』なんて言った記憶はないとか… 
ほんと、もし誘いに乗っていたら、どうなってたかわかりません。 

そんな事があって以来、今でもなんとなく、『嗅ぐ』ことに躊躇いを感じることがあります。 
少しはあの従兄弟の気持ちがわかったような気がします。






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