286: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/11/04(金) 22:53:30 ID:YNbdaL/j0
友人の話。
彼女の実家は山奥深い村だ。
今は廃村となってしまったが、そこで奇妙な物を幾度となく見たという。

山中の神社で隠れん坊をしていた時のこと。
隠れていると、境内から「あっ」という驚いた声がする。
何事かと見やると鬼役の子が参道で立ち竦んでいた。
その傍を大きな真っ白い猿が、堂々と歩いて通り抜けてくる。
背筋をピンと伸ばして二足歩行。妙に人間臭い歩き方だったという。
猿は宮の前まで行くと、賽銭箱に何やら投げ入れた。コトンと硬い音。
そして少しの間、頭を垂れる。願掛けでもしているのだろうか。

やがて見守る子供たちを気にかけた風もなく、猿は神社から出て行った。
自分たち子供を含め、周りの大人より余程立派に見えたのだそうだ。



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