560 :本当にあった怖い名無し:2018/05/18(金) 14:06:03.42 ID:X/U2R1Lnk
今から25年くらい前の話。
アラフォーの俺の唯一の不思議体験。

その日、俺は親父と連れ立って渓流釣りに出かけた。
自宅から車で十数キロほど登った山間にある川から釣り始めた。
2、3時間釣りながら川に沿って登っていたら、昼過ぎくらいに滝に出た。
落差10メートルはありそうな大きな滝だ。
結構この辺りは釣り歩いてるが、初めて見る滝だったので、こんな所あったのかと親父と二人して驚いた。
滝つぼを見ると、尺越えの魚影がチラチラと見え、やる気満々で釣り始めたんだが、全然釣れない。
結局あたりが暗くなりはじめるまで、3時間くらい粘ったけどボウズ。
周りに空き缶やらペットボトルやらポリ袋やら落ちてたから、俺らが知らないだけで結構人が入っててスレてんのかぁ、
とその日は諦め、せっかく綺麗な滝なのにゴミが目障りだったから拾って綺麗にして帰る事にした。
川を釣り登ってたので現在位置はハッキリしなかったが、谷の底にある滝で、上の方から車の音がしたので、
結構な斜面だったが壁面をよじ登ったら、すぐに舗装された道に出た。
こんなに道に近い滝ならそりゃぁ人も入るわなぁ、と親父と話し、時計を見ると午後の2時くらい。
あれ? 結構釣ってたはずなのに意外と時間たってないなと親父と二人首をひねったが、
釣り登るのは体力使うし、鬱蒼とした森の中だったから暗くなるのも早くて時間感覚狂ったんだろうとあまり気にせず帰った。


561 :本当にあった怖い名無し:2018/05/18(金) 14:06:47.52 ID:X/U2R1Lnk
次の週、尺越えの魚影が忘れられない俺と親父は、リベンジに出かけた。
が、滝が発見できない。
スマホどころかカーナビもまだ普及し始めたばかりの時代だったので、うちの車にはついておらず、
うろ覚えの道を行ったり来たりして、農作業中のじーさんばーさんに滝の事を尋ねてみるも、
「この辺に滝なんてないぞ」と言われる。
あんなにデカくて道に近い滝なのに、んなアホな。と思いつつも探すが結局見つからず、その日は別の場所で釣りして帰った。

更に次の週、やっぱり滝で釣りをしたい俺は、また滝を探しに行こうと親父に声をかけた。
「滝?何の事だ?」
は?と思う俺。親父は滝の事を忘れていた。
先々週の釣りで行った滝だと説明するんだが、首をひねるばかりで思い出せない様子。
いぶかし気な親父を説得し、滝を探しに行くがやっぱり見つからず、
その後も何度か近くで釣りしたのだが、未だ滝は見つかっていない。

もしかしたら滝で釣りした事自体が夢だったのかもしらん。
拾ったゴミでも残ってれば証拠になったんだが、普通に捨てちまった。
当時の俺は、俺もその内、滝の事忘れるんかなぁと思ってたんだが、未だに鮮明に覚えてるんだよなぁ。
ほんとあの滝なんだったんだろ。






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