746 :本当にあった怖い名無し:2019/06/15(土) 14:51:44.51 ID:jkq4pwhQ0.net
石じじいの話です。

と書きましたが、これは他の人からの話かもしれません。
じじいからの聞き書きメモの中には、別の人(特に、村の真言宗の寺の住職)からの聞き書きも混じっていますので。

ある寺に大徳がいらっしゃいましたが、彼が朝、厠に立たれたまま帰ってこられません。
納所坊主が怪しんで彼を探しましたが、厠にも寺の内外にも姿が見えない。
厠には、脱いだ草履が残されていました。
見つからず長く年月が経ち、亡くなったものとして葬儀が行われて墓が建てられました。
それから随分年月が経ってから、その寺に一人の炭焼きがやってきて言うには、
自分は山奥で僧侶の姿を見た。その僧侶は石の上に座り絶命している。
とにかく僧形なので寺の人だろうと思い、この寺に知らせに来た・・・
その寺の人と村人が、その炭焼きに案内されてその山に登りました。
そこには、老僧が印を結んで石の上に座していたそうです。
着ていた着物はボロボロ。
手に持っていたであろう数珠は切れてバラバラ。
遺体には苔が生えていたそうです。
死後長く経っていたのに、不思議にその体は白骨化して分解することなく、なかばミイラなのようになっていたと。
そのため、顔貌から昔、行方知れずになった高僧であるとわかったのです。
彼は上を向いて口を開いていました。
その口には土がたまり、そこに一本、空に向かって草が伸び、花が咲いていたそうです。





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