484 名前:別の世界へ行く方法 投稿日:03/09/13 02:47
私が小学生だったの頃の話しです。

私達の遊び場の一つに、神社公園という所がありました。

単に神社の隣に公園があるというだけです。

他にも遊び場はありますが、たまに神社公園に行くという感じですね。

ある日、私達はいつものように神社公園で遊んでいました。

いつもと違う事は、昼間でもほとんど人がいないのですが、
その日はおばさんが石段の所に腰をかけて、私達の遊ぶ風景を観察していました。

私達も少し気になっていたのか、遊びながらチラチラとおばさんの方を見ていました。

少し疲れた私達は、石畳の所に座ってペチャクチャと話していました。

そこにおばさんが近付いて言いました。

「今はいないけど、私にもあんた達ぐらいの子供がいたんだよ」

しばらく会話をした後、おばさんは笑顔でこう言いました。

「面白い遊びを教えてあげようか」

正直、私達は興味がなかったのですが、断るのも悪いので教えてもらう事にしました。


485 名前:別の世界へ行く方法 投稿日:03/09/13 02:48
「別の世界へ行ける方法」おばさんはこう言いました。

私達は子供でしたが、さすがにそれは信じられません。

私達は少し小馬鹿にした感じで、その方法を聞きました。

「皆で手をつないで目を閉じ、ある呪文を繰り返せばいい」

私はこのおばさんは私達が実際に、
それを試して嘘だと分かったらどうするのだろうと思いました。

「で、その呪文はどういうの?」と誰かが聞きました。

「すしろこいしろのいくしに」とおばさんは言いました。

急におばさんの声が脅すような低い声に変わりました。

「別の世界と言っても、楽しい世界ではない」

私はその時に分かりました。おばさんは私達を怖がらせようとしてるなと・・。

おばさんは別の世界について説明しました。

「あの世界では、恐ろしき者に追い掛けられる」

「恐ろしき者は、お前達が怯えれば強くなり、お前達が強気ならば弱くなる」

「痛みなども本当のように感じるし、夢のようには逃げられない」

「帰る為には、全員が揃って呪文を唱えなければならない」

「「しおぬけ」と皆で手を繋いで唱え続けなさい」


487 名前:別の世界に行く方法 投稿日:03/09/13 02:50
初めは半信半疑だった私達も、おばさんの話しが本当なのではと思い始めました。

そして、そんな怖い所へは行きたくないという気持ちがありましたが、
同時に試してみたいという、強い好奇心がありました。

しばらく相談した結果、私達は実際にやってみる事にしました。

おばさんはもう一つ、注意を付け加えました。

「目を閉じていなければならない、一人でも目を開けていると恐ろしい目にあう」

私は恐ろしい目とはどんな事なのだろうと思いました。

そして私達6人は直線に並んで、
手を繋ぎ目を閉じ「すしろこいしろのいくしに」と唱え続けました。

・・・・・しかし、ずっと唱えているのに、何も起きません。

なんだ、やっぱり嘘か~、と私達は笑いながら目を開けました。

既におばさんはいませんでした。

「あ、嘘をついて逃げたんだ~」と私達は話しました。

私達は騙されたのですが、楽しかったので満足した感じでした。

しかし一人だけ暗い顔つきをしています。

「A君、どうしたの?」と誰かが訪ねました。

Aは言いました

「実は薄目を開けていたんだけど、おばさんの顔が怖かった・・・」

さらに詳しく聞くと、おばさんは私達1人1人顔に近付いて、順番に睨んでいたそうです。

Aの順番になって、Aは怖くて目をつぶったので、立ち去る姿は見ていないとの事でした。

「・・・・・・」私達は何か後味悪い雰囲気に包まれました。

すでに日は落ちて来て、神社は薄暗くなっています。

「もう帰ろうか」と、その時です。

ザザザザザと林の方から人が走ってきます。

「こっちに来る!」私達は一目散に自転車に乗って逃げました。

その後は何もなかったのですが、あの公園では遊ばなくなりました。


488 名前:別の世界へ行く方法 投稿日:03/09/13 02:52
しかし私は一度だけ行きました。高校生だった頃です。

友達と学校をサボって映画を見に行った帰りでした。

昼の暑い時間帯は過ぎたのですが、まだ蒸し暑かったです。

ちょうど、その公園の近くに通りかかった私と友人は、
近くの自動販売機でジュースを買って、
木陰のベンチに座りながら映画の話しをしていました。

そこで私はこの事を思い出し、その友人に話して聞かせました。

友人は自主制作映画を作ろうとしてて、
そのテーマはホラー映画だったので、興味をしめしました。

友人はこの神社公園は使えるなといい、あちらこちらを歩きながら見てました。

友人が林の方に入って行ったので、私も立ち上がって追い掛けました。

林の中は日も入らず涼しかったので、心地よかったです。

そこで始めて知ったのですが、地蔵が3体程並んでいる場所がありました。

私はしばらく地蔵を眺めていました、その時、友人が言いました。

「おい、この神社ってなんなんだ?気持ち悪いぞ。」

え?と私が友人の視線の先を追うと、そこには周りの木よりも、ふた回り大きな木がありました。

その木には藁人形が6体も並んで、釘で打ち付けてありました。

「こんな所、早く出ようぜ」友人は言いました。

私達はそのまま神社を出て、他の人の多い場所に行きました。

長くなりましたが、以上です。

しかし、あのおばさんは何がしたかったのでしょうか?






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