1:本当にあった怖い名無し: 2010/07/31(土) 21:20:40 ID:Z2h+o0gXP
妖怪にまつわる忘れ去られた伝綺
地方の伝説から身近に伝わる妖しい話、体験談でもいいです。
妖しい雑談でもいいんです。
どこかノスタルジックで面妖な、そんなオカルトなスレです。

3:本当にあった怖い名無し: 2010/07/31(土) 22:21:21 ID:Z2h+o0gXP
「東京の外れの百体地蔵寺の宵祭り」

こないだ、百体ばかりの地蔵が野ざらしに祀られた寺で献灯会があった。
日の沈む頃、人々は祈りを託した蝋燭を手に持ち、地蔵の前に置いていた。
闇のなかで点々と小さな焔が揺れ動く光景は、どこか幻想的であった。
宵の口になると、広場ではインドや東南アジアに伝わる面妖な音楽と濃厚な線香の香りが流れ
祭儀に使う極め細やかな意匠を施した装飾品を身に纏った一人の男が、舞台で剣を片手に舞い踊っていた。
ダンビラのような剣を、流れるように颯と翻す様は神々しかった。

踊りの舞台も終わった頃、いよいよ宵も深くなり、雨も降りだした。
雨宿りで人が集まったお堂の中では、誰しも見覚えのないような、妖しい映画の上映会があった。
抑揚のない古風な民謡が延々と流れ、紙粘土で作られた白い狐と老人が、まごまごと聞き取れない口調で会話をしていた。

にわかに場面は切り替わり、夕焼の山道で白い狐が赤い口を覗かせ人に襲いかかる。
湿気と寒気が同時に襲いかかり、汗が止まらなかった。
人々が固唾を飲んで映画を見守るお堂の中では、扇風機だけが必死に首を動かしていた。

雨のお堂で観る分には雰囲気と相まって面白そうな映画ではあったが、結局最後まで何の映画かはわからなかった。
民家の囲炉裏で、白い死に衣装を身に纏った老人が横たわる布団の前で、三人ほどの住職が三味線をだんだらと弾くシーンを背に
私は、赤いほおずきの枝を片手に、宵の百体地蔵寺をあとにした。

ほおずきの枝を、暗い夜道で、ぼんぼりのようにかざして帰路につくなか
今宵は、終始妖しい光景のひろがる夢のような夜であったと、しみじみと思いかえしていた。

祭りの中では、妖しい光景が今なお広がっているのです。
夏は祭りの季節。
心のうずく季節ですな。

4:本当にあった怖い名無し: 2010/07/31(土) 23:11:01 ID:Z2h+o0gXP
『その猫の名、ぽんぽこ』

余談だが、献灯会の最中に一匹の妖しい虎猫が通り過ぎた。
本物の虎じゃないかと思われるほどのその見事な虎模様には、
本当にその動物が猫なのか?という疑惑を抱かせるほどの違和感があった。
そして首を低く屈めて地面を這うような動きは、猫ではなく野生の狸特有の動きだったのだ。

人々は、「あれなんや」 「ほんとに猫か」「虎だ、タヌキだ」と口々に物珍しそうに叫んでいて、
百体地蔵の前で揺らめく火の海を眺めていた虎猫は、人々の視線が気になったのか、そそくさと狸のような動きでもって藪の中へ逃げてしまった。
本物の虎と虎猫の模様の機微を解せずに変化した若狸が、都会の喧騒から逃れようと、あの妖美な祭りを観覧しに来ていたのではないのか。

祭りは、人だけではなく妖怪変化の心をも惹きつけるのであろう。

6:本当にあった怖い名無し: 2010/08/01(日) 09:39:22 ID:O1psoXlyP
『日本南方にある山域地方の伝奇』

日本の南方(みなかた)の、とある地方には
皇円上人の生まれた寺や、八十もの霊場のある修験道盛んな山域
を中心として神代より文化を育んできた町がある、当時は村であった。
知名度としては、名もないこの地方ではあるが、ここには古より語り継がれる伝奇が少なからず残っている。

際限のない戦乱と一揆の、中世の頃の話である。
その山域の麓の神社には今でも大きな池が残っている。
その池には悲しい歴史があり、かつてこの地域を支配していた大野氏とよばれる一族が
戦乱のなかで敵勢に敗れた際、追い詰められた大野氏の奥方“四十九人"が身を投げ果ててしまった。
無念を抱く大勢の魂は未だに成仏しきれずに、この池を彷徨っており、その姿が地元民に目撃されてか、
現在では心霊スポットとしてよくよく噂されている場所である。

毎年、春には池の見わたす限りに桜の花々が咲き乱れ
その満目の桜吹雪は、四十九人の魂を安らげているのであろうか。

8:本当にあった怖い名無し: 2010/08/01(日) 13:48:29 ID:O1psoXlyP
『お酒にまつわる不思議な伝奇』

わが地方に密かに語り継がれる伝奇のなかに、お酒にまつわる奇譚がある。
これは、酒をお猪口に注ぐこと数回にして、ようやく酔いがまわる頃に体験する、ちょっとした不思議な話である。

酒に酩酊し始めた状態で、そのお猪口の水面をじっと眺めていると
たまに、記憶の奥底に眠る思い出の心象風景などが、ぼんやりと霞んで見えることがある。

心象風景であるから、田園、山々、古き町の賑わい、と見る人によって、様々な光景が映し出されはするものの
田園の畦道、山々のけもの道、町並の街道、といった具合に、全ての風景には必ず「道」が存在する。

その心象風景のなかの「道」に、朱色の着物を着た一人の麗しき女性の歩いてゆく姿が見受けられたならば
それは、今宵はいい酔いが回ってくるという験(しるし)なのだそうだ。
「いい酔い」とは、二日酔いにはならず、終始気分の良くて尾を引くような後味の悪さすらない、そんな 酔い のことだ。
しかしながら、この女の正体は今だに誰にもわからずじまいである。 醸造の神か、はたまた妖かしか

13:本当にあった怖い名無し: 2010/08/03(火) 16:18:40 ID:bLMm3bHCP
九州は球磨地方、この山々を越えた先にある湧水の里にて語られている一つの伝奇がある。
この山奥に流れる溪(たに)は、碧々と澄みわたりて、たいそう妖麗な趣きであることから
“天より降りし川" という意味の名を冠され、ここら一体は無何有郷さながらの平家伝説の里めいた風情が今なお残っている。
この溪を山深くまでのぼっていくと、一箇所だけ大穴を穿ったような渓流の窪みがあり、その淵の底はとても深いのである。
この場所は、鱠ヶ淵(なますがふち) と呼ばれている。

『流木奇譚』

清流だけに棲まう珍しい魚と、妖しい静謐さのただよう 鱠ヶ淵の水底には、
ある奇妙な形をした流木が沈んでいる。
実はそれは流木ではなく、河童の甲羅の朽ち果てたものであるというのだ。
現在は、川の主ほどの大きさの大鯰の寝床となっている。

14:本当にあった怖い名無し: 2010/08/04(水) 01:14:16 ID:ls3ZwKZzP
「地獄巡り」

大分県の山の湯のひとつに鉄輪(かんなわ)とよばれる湯治場の里あり
この地方は 山奥に八大地獄を構えたり
乳白色の白池地獄 瑠璃の青を薄く溶かした海地獄
濃い猩々非の血ノ池地獄 灰神楽さながら鈍色の熱気の吹き荒ぶ鬼石坊主地獄
これらの地獄絵巻図 山奥の風景を妖しく彩る

地獄の辺りにて 地響きは常のこと ときおり地の底で唸る轟音は 鬼の慟哭ならんや
この八大地獄には 大きな蓮の沼の 一つ混じりてあり
この沼にて 極彩色の蓮の花々の 百花繚乱に狂い咲く光景は 極楽浄土か人外境か
花から花へと乱れ飛ぶは 赤漆と紫金の糸とんぼ
それらの羽ばたき 扇のごとくして 風をはこび 花の匂いも 舞いも舞いうた 踊りも踊う
陶酔と乱舞の歓楽境を目前に うつし世の平常は儚く色あせにけり

31:本当にあった怖い名無し: 2010/08/09(月) 00:49:31 ID:zM8cfCiEP
それでは…。

長崎のとある島にて伝わったお話。

ある日、島の侍が小さな洞窟の中に白い大蛇がいるのを見つける。
大蛇は誰にも自分の事を言わないように頼むが
侍は討伐隊を作らせ退治してしまう。
大蛇は恐ろしい断末魔とともに
侍に向かい七代先まで呪ってやると言い絶命。
その後、侍の家系は不具の子や病気などにより
本当に七代目で滅んでしまったそうな。

とんからりのぷう。

32:本当にあった怖い名無し: 2010/08/09(月) 00:54:02 ID:zM8cfCiEP
結構端折ったので
分かりづらいかも知れないけど

長崎の民俗史にも載ってたものです。

35:奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY : 2010/08/11(水) 17:42:58 ID:lDzLyIPUP
『妙見山』

大阪府は能勢町にある妙見山は、日蓮宗の霊場として名高い
この地でひっそりと語り継がれるは、この奇妙な話

すっかり宵も深まったある晩、暗く静まり返った妙見山の山間いを走り、終点駅へと辿りついた一本の最終電車の中に、
ひょっとこ、能面、白狐などの様々なお面をつけた大勢もの人々が、揃いもそろってうつむいたまま、微動だにせず座っていた。
気味悪いながらも、駅員は終点に着いたことをそれらの乗客に知らせると、みな一斉に立ち上がり、何も言わぬまま外の闇の中へと消えてしまった。

53:本当にあった怖い名無し: 2010/08/23(月) 17:10:30 ID:uMPl4z9B0
皆のように雰囲気のある文章は描けないが高校時代に後輩から聞いた話をひとつ。
後輩の通っていた小学校には不思議な言い伝えがある。

言い伝えの舞台となるのはその小学校の近くにある小さな空き地だ。
学校の裏地にある階段を上ってゆけばたどり着くのだそうだが、その空き地には夕方以降足を踏み入れてはいけないよと、
後輩達は教師や地域の大人に口うるさく言われ続けていた。

なんでもその空き地、入ると化かされるのだそう。
出口が分からなくなって同じ場所を何度もぐるぐるまわったり気分が悪くなったりするらしい。
その土地で昔何かがあったとかそういう系の話はないが、とにかく今でもその小学校に語り継がれているのだそうだ。

・・・・・オチのない話ですまない。
小学校って結構不思議な言い伝えとか入ってはいけない場所とかあったりするよな。

54:本当にあった怖い名無し: 2010/08/23(月) 23:56:04 ID:73GPMTH40
>>53
あるある

うちの小学校の端っこには古い井戸が取り壊されずにずっと残ってる。
幽霊は出なかったけど、ずいぶん前に女の死体が発見された。
片腕だけが異様なぐらい細長かったらしい。
結局身元すらわからないんだと地元の消防団に所属する父から聞いた。
不気味というか謎だらけなので今だに壊せないそうだ。
学校の怪談というよりも学校の七不思議の一つ

55:本当にあった怖い名無し: 2010/08/24(火) 00:27:46 ID:7Da57OHc0
地方で語り継がれている民話とか伝説とか言い伝えとかいっぱい聞きたい。

みんな書いてちょ。

56:本当にあった怖い名無し: 2010/08/24(火) 18:21:17 ID:4X+mo9RW0
それなら自分の知っている民話をば。

今は昔、鹿児島県の指宿というところになかなか子供のできない夫婦があった。
夫婦は指宿にある池田湖という湖に毎日通っては「どうか子供ができますように」
と祈っていた。
ある時、夫婦の祈りがかなったのかかわいらしい娘が生まれた。
夫婦は大変喜び娘を大切に大切に育てた。
しかし、娘は足が不自由で歩くことができなかった。

そのうち娘は7歳になった。

この地方では七歳になったおなごん子(女の子)は花タンゴと呼ばれる小さな桶を持って湖へ水を汲みに行くという祭りがあった。
運んできた水は神や仏にお供えし、子供たちの健康を祈るのだ。
娘は黙って縁先から祭りを見ていたのだが突然自分も花タンゴを担ぎたいと言いはじめた。

母親は、娘の好きにさせてやろうと思い花タンゴをそろえてやった。
娘がタンゴの天秤棒を肩にかけた途端、なんと娘がすくっと立ちあがったのである。
あっけにとられる夫婦に娘はにっこり笑いながら「水汲みにいっきもんで(いってきます)。あたいのあとをけっしてついてきやんな」と言った。
娘はそのまま花タンゴを担いで五回も六回も水を汲みに行った。
母親はあまりの不思議さに、七回目の水汲みに出かけた娘の後をこっそりついていった。

なにも知らずに水を汲もうとしている娘を見ていると、母親はじっとしていられなくなり思わずそばに駆け寄った。
娘は母に見つかったと知ると悲しげな顔になり、そのまま湖の中に入って行った。
母親は必死に止めようとしたが娘はすでに青々とした水底に沈んでしまったあとだった。
母親が悲しみに暮れていると突然水面が泡立ち七本の角を生やした大蛇が現れてこう言った。

「来年の今日、親孝行しにもどってきもんで。」

しかし、母親はあまりの恐ろしさに「いや、もうもどってくんな。」と夢中で叫んだ。
それを聞いた大蛇はさみしそうに湖へと戻っていった。
それから湖は七日七夜激しく波立ち、雨のごとくしぶきを上げていた。
八日目にすっかり静まり返った湖面には花タンゴがふたつ浮いていたという。

池田湖といえばネッシーならぬイッシ―が有名だが、古くから神の御池として龍神信仰があるらしい。

57:本当にあった怖い名無し: 2010/08/24(火) 18:31:11 ID:lDPVHn3W0
>>56
大蛇可哀想だな‥
大蛇は、自分の所に祈りに来ていた夫婦の望みを叶えるために、自ら夫婦の娘として生まれてきたんだな
蛇だから歩けなかったんだね

つーか母ちゃん、幾ら怖くても「もうもどってくんな」はないだろ‥

60:本当にあった怖い名無し: 2010/08/24(火) 21:16:36 ID:ZfFyUkyG0
昔は異界のものと共存してたのかもね。
河童とかいたずらするやつもいれば人間を助けてくれるものもいて。

こういう話もっと聞かせて。

61:本当にあった怖い名無し: 2010/08/26(木) 19:37:29 ID:G8mXFqme0
岡山県の昔話。

『まどうとおおかみ』

昔、山村に魚を売りに行く商人がいた。
山村では魚は重宝するため商人はあちらの山へこちらの谷へと忙しく働いていた。

さて、この山には昔から狼が住んでいて腹が減ったら人を襲うこともあった。
しかし、狼よりも村人に恐れられているのはまどうという化け物である。
なんでもこの山に巣食っているというのだが噂を聞くばかりで実際にその姿を見た者はいないのだった。

今日も商人はいつものように大きなかごに魚を入れてきつい山道を登る。商人は峠道近くの道に差し掛かった時、ふいにかごを地面におろした。
あたりは藪だらけで生き物の姿は見えないが、藪の向こうで狼がこちらに耳を澄ませていることを商人は知っていた。商人はかごの中から生きのいい魚をよりだして、「おおかみさまどうぞ!」とさけんで藪の中に魚をほおり投げた。これが商人の毎日の日課であった。

その日は商売に手間取り、山道を家へと引き返す頃にはもうすっかり日が沈んでいた。
ふと見ると山道の両側に挟み込むようにして狼がまちぶせている。
「おや、おおかみさま。どうなすった?」
商人が近寄ると、二匹の狼は商人にとびかかろうと身を低くした。
「おれを食おうとして待ち伏せていたのか。毎朝魚をやってきたのに、やはり狼は狼なんだなぁ。」
商人はもはやこれまでと覚悟を決め、道に座り込んだ。
そのとき、おどろおどろしい山なりが山々に轟きわたった。とたん、二匹の狼は商人に飛びかかり体の上に覆いかぶさった。

「おらぬぞぉ。商人がおらぬ。ついさっきまでみえとったのに狼しかおらぬ」
不気味な声が山に響いた。『まどう』の声である。商人は狼の体の下でちいさくなって震えているしかなかった。
やがて一陣の風がどうっとあたりを揺らし、まどうは山の向こうへ消えていった。
「おおかみさまがいなかったらおれはまどうに殺されていた。ありがとうよ。」
商人は狼に礼を言うと、急いで山を降りた。

それ以来、商人はいままでにも増して山の狼を敬うようになったという。

63:本当にあった怖い名無し: 2010/08/26(木) 23:15:38 ID:QtukkQZJ0
>>61
もののけ姫のオオカミが浮かんだ。

日本は何でオオカミ全滅させちゃったのかなあ。

64:本当にあった怖い名無し: 2010/08/27(金) 00:43:31 ID:p6M2jN62P
オオカミは人を襲うことはほとんどないんだよな。たしか。

65:本当にあった怖い名無し: 2010/08/27(金) 08:38:22 ID:SlkTm5it0
むしろ畑を荒らす猪とかを食べてくれるから敬われていたんだよな。

74:本当にあった怖い名無し: 2010/09/04(土) 16:13:43 ID:w+oUEEZPO
小さい頃祖父から聞いた話。

旅人が山中の家に一夜の宿を乞うた。
主人は泊めるのは構わないが、近隣の者に不幸があって夜は家を空けなければならない。
夜更けまでには帰ってくるので留守を預かってほしいという。
旅人は泊めてもらえるのならば、と頼みを受けた。

主人が出かけてしばらく、旅人は囲炉裏端に座っていたが、奥の部屋で、すーっ、ことん。と音がした。
襖を引く音だったが、奥の部屋どころか家には旅人しかいない。
しばらくするとまた、すーっ、ことん。またしばらくするとすーっ、ことん。
恐る恐る奥の部屋を覗いてもやはり誰もいない。

音はその後もえんえんとつづく。旅人は怖くなったが、夜の山中に飛び出すこともできず、囲炉裏端で布団をかぶって震えていた。
どれほどたったか、主人が帰ってきた。旅人が主人の留守にあったことを話すと、主人は笑って言った。
「そりゃあ「すーっことん」です。音がするだけで何も悪さはしませんよ」

これ、どこかの民話なのか祖父の創作なのかも分からないんだ。地元の民話集めた本でも見たことないし。
誰か似たような話知らない?

それにしても今思うとなんかまぬけな名前。

77:本当にあった怖い名無し: 2010/09/15(水) 11:44:58 ID:uG08PIMcP
>>74
一連の動作が名前になったのか
「うとうやすたか」みたいだね
(奥州は外ヶ浜にいたとされる幻の呼子鳥
親鳥が「―うとう」と鳴くと、子の鳥が「―やすたか」と鳴く)

「すーっことん」って事は、毎回きちんと後閉めしてんのかねえ
山の厳しい寒さの間も、その存在の疎ましさを懸念させないところもいい
人と、姿の見えない妖怪が共存している世界って、なんか惹かれる

81:本当にあった怖い名無し: 2010/09/22(水) 15:15:10 ID:Pc/SJvm8O
こんにちは。誘導されてこちらへ来ました。
お邪魔します。

数年前に、ウブメっぽい女性(断定は出来ませんが)を見た事がありますが、

かなり大昔の話になりますが、私がまだ厨房だった頃に
これを見た昔の人は『ろくろ首』という妖怪という事にしたのかな?と思ったタイプの人霊を見た事がありますよ。

喫茶店の窓からこちらを覗いてる女性の霊があったのですが、
その頃、まだ霊的にはビギナーズで、自分の頭がおかしいと思って納得するか
無視する事が最善の策だと思っていた時期で
手のうちようも無いので、ひたすら喫茶店の机の上で本を広げ、ノートを広げてうつむいて、ずっと無視していたのですが、
窓わくに手をついて顔をのぞかせていた霊が、次の瞬間には
顔だけ私の前にあって(顔だけ瞬間移動?)

でも窓枠には手をペタッとつけたままなので
頭だけ ろくろ首状態で…

数秒後に またシュルシュルっと
ヨーヨーのように顔が窓枠に戻ってました。

びっくり箱を開けた時みたいに、急に飛び出して来たので、本当に心臓飛び出すくらいビックリしましたよ。

まだ不慣れだったので、頭が真っ白になりました。

82:本当にあった怖い名無し: 2010/09/23(木) 15:42:23 ID:7GXgB43S0
それはビビるな・・・
ウブメの話もぜひ聴きたい。

83:本当にあった怖い名無し: 2010/09/24(金) 11:15:35 ID:4Dt8+5Nf0
誘導した者だが責任持って勝手に姑獲鳥の話転載しとく
長いけど規制かからんようにゆっくり貼ってくがおkだよな

実話恐怖体験談 その22

https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1277944191/84

390 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/19(日) 13:08:18 ID:1ZiUFMgDO

姑獲鳥の話[1/3]

真夏の灼熱の炎天下の真っ昼間に
人が300人以上いる大都会の横断歩道で
白いワンピースが血でにじんで染まっている無表情の若い女性が
胸に血まみれの赤ちゃん人形を抱いて立ってるのに
周りの人は誰もこの異様な光景が見えてないみたいで全く気にする事もなく騒ぎも起こらずに
信号が青に変わって歩き出し、すれ違ったのだけど私にしか見えてない感じだったのが
怖かったです。

赤ちゃんが血まみれだから救急車を呼ぼうかどうしようかずっと考えながら歩いてたけど、間際まで来た時に人形だと分かり、
なんだこりゃ?と思ったまますれ違い
振り返ると人波にかきけされていなくなってたけど。

ひょっとして
ウブメかと思たです。

84:本当にあった怖い名無し: 2010/09/24(金) 11:17:17 ID:4Dt8+5Nf0
391 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/19(日) 13:32:13 ID:1ZiUFMgDO [2/3]
この横断歩道
私的には色んな世界とも交差してるのかな?とか思った事のある変な人をみかける交差点で

仙人や魔法使いのおばあさんが持ってそうな、ハリーポッターに出て来そうな身の丈よりもはるかに大きな杖をついた
白髪頭が逆立ってる日本昔話に出て来そうなセムシのヤマンバみたいな汚い身なりの婆さんがボロボロのすりきれた布切れをまとい、
この世の中への怨みごとを毒ガス撒き散らすかのように垂れながら歩いてた事もあって

その時も、周りの人は
誰もこの異様な婆さんが全く見えてないみたいで
この婆さんと一緒に揉みくちゃになって同僚との話に笑いながら婆さんと密着しながら歩いてるサラリーマンとか見ながら
怖いなと思った事がある
変な横断歩道です。

基地外男性とか独り言をブツブツ言ってたり、怒ってわめいている男性が歩いてる時は、
そこだけ少しすき間が出来て大勢の人の波がそこだけ切れて手薄になってる事が多かったのですが
服が血まみれの女の時も髪が逆立ってるセムシの鼻が大きくワシバナの老婆の時も、みんな平気で服が汚れそうなくらい密着して歩いてたので、

女性だとみんなあまり気にならないのかなと思いました。

392 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/19(日) 13:36:54 ID:1ZiUFMgDO [3/3]
390-391だけど

390の白いワンピースが血まみれの若い女性は
顔にまで血しぶきがかかっていたのに
誰も騒がなかったし彼女を全く見もしなかったので、

もしかしていたいけな市民の反応を見る為の企画ドッキリカメラの撮影か?と思いながら、
どこかに定点カメラとか設置してるんじゃないかと
キョロキョロしちゃいました。

85:本当にあった怖い名無し: 2010/09/24(金) 11:18:39 ID:4Dt8+5Nf0
396 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/20(月) 04:58:43 ID:PRmi/vYVO [1/5]
うん、そうですね。
都内でも、超がつくくらいめちゃめちゃメジャーな街中の横断歩道ですね。そこは。

照りつける灼熱の太陽がまぶし過ぎるくらいまぶしい
うだるような暑さの真夏の日に
長袖服を沢山着込んで、上には分厚いウールのコートをはおり
マフラーも2枚くらいまいている女性をまた別の日にその横断歩道の数m前で見掛けた時に
やはりどうみても生きてる人にしか見えなくて…。

でも、あのヤマンバや血まみれの女性の時みたいに
誰も見えてないみたいにニコニコして避けてる風でもなく
視界からそこだけ完全にオミットしてるみたいに器用によく素通り出来るなと思いながら
自転車で通り過ぎてしまいましたが。

最近は全く見なくなりました。変わった格好の人を。
(・ω・)

全く…。


86:本当にあった怖い名無し: 2010/09/24(金) 11:21:09 ID:4Dt8+5Nf0
397 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/20(月) 06:00:15 ID:PRmi/vYVO [2/5]
何年前だろう。
ある寒い寒い12月の北風のすごく強い真夜中に

大きなビルの2階3階の高さを、大人の頭くらいもあるような、季節外れのとても大きな蛾が(コウモリじゃなかったです。特大の蛾でした)
ボロボロですりきれた羽と身体で、急いでるみたいに私とすれ違い
あの横断歩道の方に向かって嬉しそうにがんばって飛んでる姿を見た時に

あ、この蛾には何かが乗っかってるんだなと見た瞬間に思って
どうか気をつけて行くんだよ、もう少しだよ、がんばって!と心の中で思って見送った事があります。

というのも
少し前に夢で幽現界みたいな千と千尋の神隠しに出て来そうな、
少し重力の重い世界を抜けて睡眠中に夢の中でアチラに遊びに行った時に

まだこちら側に近い道の途中で
向こうから 赤い中型か大型かの鳥(インコ)が、もう羽も所々抜けて、頭もはげて顔も少し崩れたりしていて
元々どんな姿の鳥だったのか鳥自身も自分の生前の姿がちょっと思い出せないような子が、
所々抜けて毛の足り無い羽を不器用そうにはばたかせ、一生懸命よたよた失速しそうになりながらこの世界のキワまではるばる飛んで来てたんですよ。

途中で私(人の姿)を見つけて喜んで嬉しそうに飛んで来るんです。可愛い。ゾンビみたいなあわれな姿だけどいとおしい。

ああ、この子は人に飼われて可愛がられていた子で、
主人に会いたくて、主人に会いに行こうと重い空間を頑張って鳥の頭と身で、思いだけで一人でここまで怖いだろうに一筋の光を頼りにやって来たんだなと思いました。

87:本当にあった怖い名無し: 2010/09/24(金) 11:24:15 ID:4Dt8+5Nf0
398 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/20(月) 06:20:33 ID:PRmi/vYVO [3/5]
ちょっと文章変でゴメンね。

その赤い鳥を抱きとめてグリグリ首をワサワサ撫でました。
私が鳥の来た方へ鳥を連れて行こうとしたら鳥は嫌がって、私が来た方向に向かってバタバタ暴れました。私は手を離してやりました。

その子は主人に会いに行こうとしていて、今はばたきをとめてしまうともう飛びたてないくらい
余力もあまり無い感じで
あとわずか夜明けまでの間に
それも主人の寝ている間に主人の見ている夢の中へかな?と一生懸命この世界とアチラへのヘダタリ(境目)を飛び越えて行こうとしているように思いました。

多分今日は主人が思い出してくれているのか、この子の命日なのか?
はたまた50日が過ぎたのか?私の勘違いなのかは分かりませんが。

今夜ならこの子はもしかしたら会いたい主人に会いに行けるかも知れないんだなと思い
その鳥のけなげさに胸が熱く痛くなりました。

そんな事があったので
真冬の北風の強い真夜中に
ボロボロのすりきれた羽と身体で一心にあの横断歩道の方へと憑かれたように、真っ直ぐひたすら真っ直ぐ飛んで行く蛾が

あの重たい幽現界を懸命にヨタヨタと嬉しそうに必死で飛んでやって来た赤い鳥とかぶって見えたのかも知れないですが。

飼い鳥だった鳥は
人の持つ霊性の高さを覚えていて、その霊性に触れる喜びを知った子は
死んでもちゃんと覚えてるんだろうと思います。

サイクルが早いので、早く忘れてあげるのが1番の供養だとは思いますが

88:本当にあった怖い名無し: 2010/09/24(金) 11:27:49 ID:4Dt8+5Nf0
サイクルに乗る前に
自分がどんな小鳥さんだったか忘れてしまう前に、もう1度主人に会いに行きたいと思って、嬉しそうにヨタヨタ飛んで来る姿が

忘れられません。

405 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/20(月) 16:13:55 ID:PRmi/vYVO [4/5]
赤いボロボロの鳥さんと別れた後ですか?

もう遅いせいもあるのですが、ガイドさんと一緒に、その日はあまり先まで行かずに重力の重い現幽現界みたいな世界の小さな一部で
エッシャーの絵の世界みたいな『上っても下りてたりする』世界で遊んだだけで終わって、また来た道を帰りました。

すごく細くなってる部分があって、そこが一番重い感じですね。

現幽現界や幽現界や幽界よりも先の世界に遊びに行く事は今までに無かったわけではないですが、少ないですね。

今は幽界&幽現界も、千と千尋の神隠しみたいな感じのファンタスティックで玉石混合な壮大な感じがなくて、
ネバーエンディングストーリーの
ファンタ-ジェンがスカスカになって崩壊が進んでる感じのイメージって感じですかね。

まああくまで個人的なイメージですので、違うぜよって方がいらしたらスンマソンです。
(*´・ω・)

406 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日: 2010/09/20(月) 16:18:13 ID:PRmi/vYVO [5/5]
全然恐怖体験じゃない話書いちゃってごめんなさいでした。

どこかいいスレあったら誘導ヨロシクです。

オカ板久しぶりなもので…。
m(_ _)mペコリです
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以上転載おしり

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91:本当にあった怖い名無し: 2010/09/29(水) 06:13:45 ID:BhIs5gaE0
江戸時代の奇譚ならこれが一番好きだな。
天女の接吻

松平陸奥守忠宗の家来の番味孫右衛門という男が自宅で昼寝していた所、
天女が降りてきて接吻した。
不思議な夢を見たものだと誰にも話さずにいると、その日より孫右衛門の
口中から匂いの玉を含んだような良い香りがするようになり、周囲の人々は
不審に思った。
その香りは孫右衛門が死ぬまで一生消えず香り続けたという。

話者:佐藤助右衛門重友 大田南畝の「半日閑話」より

92:本当にあった怖い名無し: 2010/09/29(水) 11:28:50 ID:Dmf9yn000
こんなのでもいいのん?
鎌倉~室町あたりの話で、とある武士が怪我をしている大ガラスを見つけた。
気の毒に思った武士はそのカラスを手当てしてあげたが、そのかいなくカラスは死んでしまった。
その武士はカラスをねんごろに弔ったそうだ。

その後その武士は戦に出た際、敵に囲まれて孤立してしまった。
そのとき、黒塗りの鎧をきた見知らぬ武士が数人現れて助太刀してくれたので、
敵中を突破することができた。
武士は礼をいい、名を尋ねると、黒塗りの武士は、
「私はあなたが弔ってくれたカラスの子です。父を弔ってくれた恩を返すべく、
一族郎党を従えて参上しました。」
というと見る間に姿をカラスに変えて飛び去った。
カラスは親に対し餌を運ぶなどと血のつながりを大切にするので、そのような
義理堅い行為に出たのだそうだ。

95:本当にあった怖い名無し: 2010/10/04(月) 22:15:31 ID:NYND3bOKO
>>92
カラスかっけー!!!!

あと、うぶめの人は関東圏の人かな。件の横断歩道に心辺りがある。

97:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/10(日) 12:14:29 ID:T7m6WwD8P
日向神ダム湖から少し下った山あいの神社での出来事です

――朱塗りが所々剥げた赤い鳥居がいくつも連なる石段の奥にありました
秋の始まりを告げる赤い彼岸花がいっせいに咲き乱れ、夏の残り香さえもすっかりと消え失せていた次第です

行き止まりには、二つの大きな奇岩が立ちふさがり、互いを支え合うように折り重なってできた空洞部分に、小さな本堂はありました
社祠は木の格子戸で閉じられており、木の枠越しに見える中の様子は、昼でもなお暗く、あたかも薄暗いもやが蟠っているようで少々不気味でした
顔を近づけると、つんと線香の匂いが真っ先に鼻をついたのを覚えています

がらんとした祠の真ん中には、箱のようなものがぽつんと祀られており、四体の白い狐の像が、それを取り囲むようにして守っていました。
その狐達はみな、微笑んでいるのか睨みをきかせているのか判然としない曖昧な表情を浮かべ
五燭台の上に立っていた数本の蝋燭も、どれもどろどろに溶けて奇怪な塊と化しており
なんとも浮世を隔てたような妖しげな光景が、その社の中に広がっていたのです――

その様子を、なんとか写真に収めようと、カメラで撮りまくったのですが
それがいけなかったのでしょうか。
それからというもの、本堂で見た不気味な“もや"が頭蓋の中で渦巻いて腐食するような、そんなぼんやりとした感覚に襲われ始めました。

お祓いに踏み切るまでのたった数日の間に、些細な携帯紛失から大怪我寸前の転倒事故など、意識の朦朧さによって引き起こされた厄介事は数知れず。
みなさんも神仏に対しては失礼のないよう、心がけてくださいねえ。
このご時世でも憑かれますよ……いとも簡単に。

98:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/10(日) 19:41:31 ID:t7wOv5nD0
神仏の祟りって結構怖いよな。
自分もそんな怪しげな景色に出くわしたら興奮して撮りまくるかも・・・。

101:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/11(月) 11:52:31 ID:0hJERQGA0
1914年(大正3年)7月12日に当時の日本橋区東中通り (中央区京橋の辺り)
にある美術店松井画博堂の二階で恒例の怪談会が催された。
主な出席者は泉鏡花、岡本綺堂、谷崎潤一郎、市川左團次、市川猿之助、
松本幸四郎、黒田清輝などそうそうたるメンバー六十余名で夜の7時から
坂本紅蓮洞を皮切りに各自の怪談話を語り始めた。

そして夜も更けてきて参加者も少なくなってきた頃に見知らぬ男が現われ
「幕末の志士、田中河内介について語りたい」と言い出した。
参加者はすぐにOKを出しその男は会場で語り始めたのだがその内容は
「これは(寺田屋騒動に参加した)田中河内介が最期にはどうなったのか
という話なのだがこの話を語ると災いが起こるという事で今まで封印していた。
しかし今となってはこの話を知る者は自分一人しかいなくなったし、文明開化
の世の中なのだからもう大丈夫だろう」
という事だった。

102:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/11(月) 11:53:54 ID:0hJERQGA0
参加者は興味を持ってこの男の話に耳を傾けていたのだがこの男の話は肝心
な所でいつの間にかループして元に戻ってしまいいっこうに先に進まない。
そのうち残った参加者たちも急用ができたり色々な用事で一人、二人と
序々に会場から居なくなってしまった。

国文学者池田彌三郎の父もこの怪談会に参加していたのだが、彼も電話が
掛かってきたという理由で店の一階に下りてそのついでに一服していると
二階の会場から何か騒ぎが聞こえてきた。
彼が二階に上がってみるとその男が倒れていたのだがその場にいた参加者に
話を聞くと参加者がその男から一瞬目を離した隙にこうなってしまったのだ
という。
結局その夜のうちにその男は死んでしまい田中河内介の最期を語る事は無かった。

この話は怪談会に参加した長田幹彦、鈴木鼓村、喜多村緑郎が書き残して
戦後になってからも徳川夢声や池田彌三郎が紹介しているのだが、その男の
年齢や風体、死亡日時など細部で異なる所がある。
ちなみに京都から薩摩に移送される途中で薩摩藩に暗殺された田中河内介に
関する呪いの話は検索すると色々と出てくる。

103:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/11(月) 18:57:17 ID:E6Xg/+lv0
>>102
牛の首のような話だな。面白かった。
田中河内介に関する呪いググッてみるわ。

105:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/17(日) 10:01:41 ID:jwuUKF140
俺の好きな新潟の怪談民話

昔(江戸時代くらい)新潟の田舎に子供のいない若い夫婦が住んでいた。
そしてそこに旅の六部(修行僧)が訪ねてきて一晩泊めてくれという。
夫婦はその六部を泊めてやる事にしたのだが夜中に六部を泊めた部屋をこっそり
覗いてみると、その六部は大金を持っていてそれの勘定をしていた。
夫婦はそれを見て六部を殺して金を奪う事を決意、そしてそれを実行した。

それからしばらく経ってからその夫婦に男の子が産まれた。
そしてある月の奇麗な夜、嫁が赤ん坊を抱いて外でその子をあやしている最中に
「今夜は月が綺麗だねぇ」と赤ん坊に話しかけるとその赤ん坊は男の声で
「俺を殺した晩もこんな月だったな」と喋った。

そしてそれからその年も暮れて大晦日の日となった。
夫婦が大晦日から正月にかけて食べる鮭をどんな風にさばいたらいいのかと
二人で話をしていると、そばで寝ていた赤ん坊が「俺を殺したときみたいに
ザックリと首を切り落とせよ」と喋りだした。
夫婦はそれを聞いて恐怖のあまりお上に自首したという。

六部殺し伝説は全国で色んなバージョンがあるみたいだけど
新潟は昔から大晦日の夜にご馳走を食べる習慣があるからこんなバージョンに
なったのだと思う。

106:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/17(日) 19:48:43 ID:Iv9zkrRY0
>>105
都市伝説でも似たような話があるよね

112:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/26(火) 22:38:20 ID:3daEegQe0
そういや、日本怪談集の著者である山田野理夫は
「怪談とは人の夢と苦悩から生まれた幻談であり、
ここにはあふれるほどの人の世の詩情があり、慕情がある。
愛と死と美と――伝承されるこれらの話の中に、
私たちは人の心のおりなす一種あやしい美しさを
感じとらずにはおれない」と言ってた
人の世の詩情や慕情の渦巻くなかに、伝承に見受けられる
古きよき怪異は今もまだ残ってると思うから、体験談でもかまわんよっ
人々に忘れ去られた怪異も見つかるかもしれん

120:自治スレでローカルルール他を議論中: 2010/10/29(金) 17:43:51 ID:qtH/tIb0P
『遠野物語』の二十二番目の説話は、京極先生や三島由紀夫が
文学性の高い話として遠野関係の著作物で触れてるね。
葬儀の夜に死者が帰ってくるという話なんだけど、その一節に
「死者の裾が炭取りに触れてくるくると回った」という表現がある。
つまり、現実と異界が混交した時空というものを捉えた特権的な例なんだと。
生きてるとか、死んでるとかいう次元を通り越しちゃった

122:本当にあった怖い名無し: 2010/11/08(月) 18:20:05 ID:YNd6aKdH0
>>120
少し民俗学的な方向へと話が行って退屈な書き方になってしまいますが、もしよければ…

生→死→生死混合(新生再誕)という円環的生命観は日本創生の昔ばなしである“神話"の
その聖地である熊野三山に起こった熊野信仰と、その遠野の伝記に見る
死生観がどこか通じているところに、昔ばなしの根底に聯綿と漂う
日本古来の死生観のノスタルジアを感じられずにはいられません

〈以下、池田教授の本より熊野信仰についての叙述を引用します〉

「熊野権現は浄不浄、貴賎、男女を問わず
戦乱の生地獄を見た貴族、上皇、武士などの、あらゆる人の心を引きつけてやまなかった。
熊野へ肉体を極限まで駆使し、そこで精神的死を迎え
魂の変容を遂げて再生し、再び元の場所に帰還する。
日本人の常世信仰とは、元来、生と死が一体となった他界のことを指していました。」

古来からの常世信仰に仏教思想が加わり、観音菩薩の浄土に往生して
そこで永遠の生命をいきようとする熊野特有の信仰に変質していったようです
それが日本の死生観の核となりました
文学性の高いといえるのは、そのような深みもあってでしょう
昔ばなしにも色々とありますが、言外の部分に奥深いものが潜んでいたりもします
それもまるで妖怪のように

123:本当にあった怖い名無し: 2010/11/09(火) 02:15:54 ID:K5i724No0
じいちゃんが子供の頃に体験した奇談なんだけど

ある晩、小便のために外の厠に赴くと
家の外に火の燈灯がいくつもゆらゆらと揺らめいて
一瞬「人魂かな」と思ったが、どうも違うらしい
小径を歩いてたのは、葬式の行列で
裏山に吸い込まれてくところだった

「たれが死んだんじゃ」と
興味津々で家の外に出て、しばらく眺めてた
小さな村なのに、知ってる顔ぶれが誰一人もいなかった
だんだんと不気味に感じてきたとき
最後尾の着物の女性が立ち止まって
ゆっくりと振り向きざま
ニィっとお歯黒で塗りつぶされた歯を見せて
少年にやさしくほほえみかけた
女の目から一縷の涙がこぼれていた

じいちゃんは驚いて家に飛び込んだという
この話は、「奇妙さのあまり誰にも言いづらかった」と話している
結局のところ、あれは誰の葬式なのか
女が何故ほほえみかけてきたのか
人か妖怪かどうかさえもわからないままだ

125:本当にあった怖い名無し: 2010/11/10(水) 23:34:01 ID:GVBAlD4Q0
昭和の初め、和歌山の山奥に男が薪拾いに出かけた
いつもの行動範囲より少々奥に分け入ると、森の中にぽっかり開けた空き地に出た
中央に大きな岩棚があったので、座って弁当をたいらげ一休みしていると
森の中から2mを超える大きな男が現れた

獣の皮を纏い、背中に薪を背負った大男の顔には額に大きな目が一つだけ
男が驚いて見ていると、隣に腰かけた大男が口を開いた
「煙草があったら一本くれんか?」
持っていた煙草を差し出すと美味そうに一服する大男
「こんなところに何しに来た?」と尋ねられたので、薪拾いに来たことを話す
「どこから来たのか」と尋ねる男に
「お前たちが入ってこれんような、ずーっと先の方から来た」
「今日は久々にこんな場所まで足を運んでしもうた」
その後、しばらく話しこんだ後、それぞれ元来た道へと帰って行った
後日、何度かあの岩棚を目指したが、一度もたどり着くことはなかった

126:本当にあった怖い名無し: 2010/11/11(木) 15:39:33 ID:KHKsFrcp0
>>125
ギガンテス?

129:本当にあった怖い名無し: 2010/11/12(金) 01:02:09 ID:yUxBfan20
一本ダタラとは違うの?

141:奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY : 2010/11/26(金) 01:40:23 ID:6aRQr8LuP
『笛を聞く大蛇』

助元という男が、職務懈怠の廉(かど)にて、左近衛府の地下牢に召し籠められた。
「この地下牢には大蛇が徘徊すると聞くが」と恐れをなしていたところ、果たして
夜半に至り、大蛇が現れた。その頭は祇園の獅子頭の如く、その眼は銀の提の如く、
その舌は三尺ばかりもあり、今まさに大口を開けて、害を成さんと迫ってきた。
助元は心神も失せんばかりであったが、震え慄きながらも腰に手挟んだ笛を抜き出し
て「還城楽」の“破"を吹いた。すると大蛇は近寄ってとどまり、首を高く持ち上げて
笛を聞く素振りを見せた。暫しの間、聞き入っていたが、やがて立ち去ったという。

(「古事談」第六・亭宅諸道ノ十二より)

※助元が寺生まれであったかどうかまではわからない。

145:本当にあった怖い名無し: 2010/12/05(日) 15:24:30 ID:8/DG6RAt0
うちの叔父さんの話
代々鼠の金縛りというのがある家系とかで、叔父さん
本人は伊勢湾台風かなんかの時に畳を積み上げた
上に寝ているときになったそうだ。
金縛りの間中天井から覗く鼠と目が合っているんだって。
鼠が目をそらさない限り解けないらしい。 理由は不明。

父の話
中学校から帰って学帽を脱いだら、頭の天辺がざっくり
切れていて血だらけに。 学帽に血は染みていたけど、
切れ目も何もなく まあ、カマイタチらしい。と。

私の話
昨晩風呂に入ろうとして、かけ湯をしたらひざが痛い。
見ると、膝頭が真横に3㎝ほど猫の爪で抉られたように
なっていて血が流れていた。 あわててさっきまで履いて
いたジーンズを見たら、薄く血は付いていたけど傷は無し
当然ぶつけたなどという事も無く。 ただ、カマイタチだと
したら、父のように剃刀ですっぱり傷なら納得するが、、、
なぜか未熟なイタチを想像してちょっと笑ってしまったよ。

146:奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY : 2010/12/07(火) 12:48:49 ID:32Jfiv8BP
>>145
江戸時代の「巷街贅説」に鼠に関する話が載ってます。
ある家の主人が、日頃から不殺生で暮らしており、鼠を猫の手から逃がした事がきっかけで、
後年、老朽化による家屋倒壊の寸前に、鼠達が行列をつくり、滑稽踊りや念仏踊りのような仕草でもって
腹太鼓を打ち鳴らし、家の者全員の興味をくすぐって外に誘き出した結果、一家は一命を取り留めたという話です。

鼠は本来、地震や家屋倒壊を予知する能力にいくぶん長けているようでして
伊勢台風の際に、家屋倒壊の危機を察してか、叔父さんを助けようとしたのかもしれない、
鼠の発する危険信号を察知して欲しいが為に、金縛りによって自分の存在を気づかせていたのだとしたら
いくらか合点がつきましょうが、この場合は、家系として鼠の金縛りがあるが為に、話はもっとややこしいのでしょうね……。

148:本当にあった怖い名無し: 2010/12/07(火) 21:17:05 ID:eriiDeV80
鼠の金縛りという話は昔から聞くけど不思議な話だなと思う。

俺の祖父が死んだときに「絶対に爺さんが安置されている部屋に猫を
入れるな」と言われた。
そして爺さんの枕元には先祖伝来の日本刀が置かれたんだが
猫が亡者を操るなんて事が本当にあったのかな?
ちなみに爺さんは見捨てられてた二匹の子猫を拾って自分の子供のように
可愛がっていて、その猫が爺さんの部屋に入りたがるのを婆さんが泣きながら
止めていた事を思い出す。

150:本当にあった怖い名無し: 2010/12/11(土) 20:14:32 ID:CgxPVVf60
確かに、化け猫の昔話って多いよな。
猫は恩知らずとか言うし。
いまはぬこかわいい!て感じだけど昔は恐れられてたのかな。

151:本当にあった怖い名無し: 2010/12/13(月) 00:20:48 ID:SrSJO9Q70
猫又伝説には、かわいがられた猫が
かわいがってくれた主人に仇をなしたんだが意地悪したんだかの相手のほうに
猫又として化けて出てその恨みを晴らしたパターンがあったはずだが。

153:奥野の伊奈 ◆LABYNTzdKY : 2010/12/14(火) 22:28:48 ID:ZLmXNgA6P
猫は現実と異世界を彷徨う存在だという認識は古来から、ケルト、西洋、東洋で不思議と一致しており
この「現実と異次元を行き来する猫の性質」は猫魔綺譚の怪異と切っても切れない要素のようです。

「猫は人間の節度に服せず、逸脱して独自の文化を作ろうと解釈していた名残がある」
                                             (柳田国男)
「猫は<正統>と<束縛>の彼方にアッケラカンと顔を出す<ノンセンス>の使い魔」
                                         『ノンセンス猫四態』

猫が、呪術(棺桶を浮かす、猫又変化等)、言葉(梁から落ちて「南無三!」と叫ぶ)
などといった物事何でも相通じる存在なのも、異次元と相通じている存在だからとの見解が多くあるようで…。

「猫は陰陽でいう陰の仲間なんで・・・・猫はハッカに酔っ払って死んじまうとか。
猫は竹を引くとか。物事何でも相通ずってぇのはおきまりなんでやしょう。」
                                          (陸佃の『卑雅』)

――猫が主人の夢寐に襲いかかる蛇のいる異界に入り込んで退治する、呪術で猫又に成りて異界の境界を飛び越えては主人の仇敵を襲う、異界へ出向く「猫の家出」云々。
――バルテュスの外との関係性を絶った絵(「猫たちの王」「部屋」)にも、猫は世界の呪縛を破る象徴としてさりげなく登場する云々。
「猫」は家、路地裏、夢、絵画を問わず、古今東西、異次元を越えては何処にでも現れる不可思議の象徴なのです。






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