154 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2013/05/21(火) 20:29:49.74 ID:DKYMwAuh0
知り合いの話。

丑の刻参りがあるという神社へ、友達三人で肝試しに行った。
山奥にあるその社の境内へ車を乗り入れたところ、
まるで釘を打っているかのような「コーン、コーン」という音が本当に聞こえてきた。
恐る恐る音のする方を見てみると、ぼんやりとした灯りが暗い林の中で揺れている。
「どうする、近くに寄ってみるか?」
「止めとこうよ、これ洒落じゃ済まないよ!?」
そんな押し問答をしていると、「コーン」という音がピタリと止んだ。
皆、慌てて車に乗り込むと、その場から逃げ出したのだという。

その数日後、彼は激しい痛みに襲われた。
下腹部が猛烈に痛み、酷い血便が出て歩くことすらままならない。
病院へ担ぎ込まれ診察を受けると、仰天するようなことを言われた。
「大腸の途中に何か細長い尖った物が入っている」と。
すぐに手術を受けたのだが、取り出された物は、まだ真新しい釘だった。
全部で三本出てきたという。
「何処でこんな物を呑み込んだの?」と医者に問われたが、彼にそんな覚えはない。
ただ、理由はないが「……あの時の丑の刻参りの釘だ……」と感じたのだという。
話を聞いて見舞いに来た二人の友人も、青い顔をして同意したそうだ。

「あの類いって、人に見られたらいけないんだっけか?
 でも三人も居たっていうのに、何で俺だけ呪われたんだろうなぁ……」
冴えない顔で彼はそうボヤいていた。



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