【閲覧注意】怪談の森【怖い話まとめ】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 神社系



3: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:29:15.57 ID:kC9vrqrV.net
私は首都圏で生まれ育った。
別段都会でもなく、田舎でもない。至って普通の住宅地のど真ん中。
小学校まで徒歩2分という素晴らしい立地に生まれ、順調に進学した。
進学した小学校の真裏には、神社があった。便宜上、神田神社とする。
幼稚園の頃から毎日前を通っていたけれど、
初詣や縁日、お祭りなんかでしか立ち寄ったことはなかった。
理由は一つ、怖かった。

4: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:32:55.93 ID:kC9vrqrV.net
神社の入り口にある大鳥居も、その側にあった樹齢百何年の御神木も、
それらを守るように覆い茂った何十年もかけて育ち上げた木々たちも、全てが子供心に怖かった。
神主も宮司もいない鬱蒼とした神社だけど、本殿が古臭いくせにいつも整って綺麗で、そのアンバランスさも少し不気味に感じてたのかもしれない。
なのでその神社が何を奉っているのか、どういう由来があったのかなんて勿論知らない。
周りの大人もあまり知らないみたいで、神田様や神田さんなんてざっくりと呼んでいるだけだった。
なので私自身も、その神社に興味を向けたことはなかった。

5: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:35:40.19 ID:kC9vrqrV.net
小学校二年生の時だった。
何の授業かは覚えていない。生活か道徳だったように思う。
何故だか急に小学校の屋上から富士山を見てみようという話になった。
普段は施錠されて立ち入ることも出来ない屋上という非現実に小二は沸いた。私も沸いた。
わくわくしながら取り敢えず自分の家を探した。

6: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:38:57.94 ID:kC9vrqrV.net
なんせ徒歩2分、自宅はすぐに見えた。ウォーリーを探せより簡単だった。
今度はピアノの先生の家を見つけてみようと思った。
ピアノの先生の家はうちとは反対側の、学校の裏にある。
なのでみんなから離れて、反対側の下を覗き込んでみた。
神社があった。

7: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:39:01.91 ID:FPxnDGgf.net
聞いてます

8: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:40:11.07 ID:kC9vrqrV.net
聞いてる人いてくれてよかった
リアルも一人2ちゃんも一人じゃ立ち直れないところだった

9: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:41:09.38 ID:kC9vrqrV.net
陰鬱としてただ怖いだけの神社が、真上から見るとだいぶ違う。
祭事でも公開されない本殿の奥が、上からだとよく見えた。
塀に囲まれた四角い何もない空間一面に、真っ白な砂利が敷き詰められていて、そのど真ん中にこれもまた真っ白な狐の石像があった。

10: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:41:59.34 ID:FPxnDGgf.net
稲荷族か

12: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:43:01.67 ID:ndIkhair.net
支援

11: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:42:13.17 ID:kC9vrqrV.net
私はこの時生まれて初めて何かを見て、綺麗だと思った。
薄暗い神社の一番奥、そこだけが本当に一面真っ白。
綺麗で、ちょっと寂しかった。

13: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:46:19.40 ID:kC9vrqrV.net
結局富士山は見えなかった。
富士山の方角に、少し大きめのマンションが建っていてちょうど視界を遮る形になっていたせいで。
去年は屋上から見えたのに、と零した先生の言葉はよく覚えている。
屋上にいた時間は短かった。
なので私が神社を眺めていた時間も短かったはずなのに、どうしてもあの光景を忘れられなかった。
また見たいと、何度も思った。

14: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:53:10.44 ID:kC9vrqrV.net
校舎は4階建てだったけど、4階のどの窓から覗き込んでも神社の全貌しか見ることは叶わなかった。
どうしても本殿を囲む高い外壁が、あの白さを覆い隠してしまう。
親や先生に聞いてみたところで、分かったことはずっと昔からある稲荷神社だということだけだった。
稲荷神社の意味は図書室の本で調べた。
狐を奉っているのが稲荷神社。ならばあの白い狐は神様だ。
余計見たくなった。

15: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:57:56.11 ID:kC9vrqrV.net
そこで私に救いの手を差し伸べたのは同じクラスのとくちゃんだった。
私が図書室で神社仏閣の本ばかり読み漁っている姿を見て、声をかけてくれた。
とくちゃんのお祖父さんは別の地方で神社を管理しているらしく、そういうことなら少し分かるよと話を聞いてくれた。
神田神社の由来を、少しなら知っているととくちゃんは言った。

16: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 19:57:56.37 ID:uc2y/ISb.net
読んでるよ~

17: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:01:37.61 ID:kC9vrqrV.net
大昔、この辺りに一匹の狐が住み着いた。
畑を漁って細々と生き抜いていた狐はある日犬に襲われた。
追いかけられた狐はとうきびの畑の中に逃げ込んだけれど、葉っぱで体に切り傷が出来た。
びっくりして畑から逃げ出した狐を、犬はまた追いかける。
慌てた狐は、次に山葵の群小地に逃げ込んだ。今後は山葵の茎にある棘で狐は更に傷付いた。
またも飛び出し狐は逃げたけれど、傷付いて弱った狐は遂に犬に捕まり、殺されてしまった。
住人たちは狐に同情し、小さな稲荷神社を作った。
だからあそこには犬を連れてっちゃいけないし、山葵を供えちゃいけないんだよ。

18: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:06:42.94 ID:kC9vrqrV.net
「嘘つけ」と思った。
山葵の茎に棘なんてないことは知っていた。茎のおひたしはうちでよく出るメニューだったからだ。
この辺りはずっと宿場町だった、と生活かなにかの授業で聞いていた。
大昔は農地もたくさんあったのかもしれない。それでもこの辺りに山葵が自生出来るような清流があったとも思えない。

19: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:10:18.90 ID:kC9vrqrV.net
でも話はまとまってるし、犬に殺されたというリアリティは感じ取れた。
それでも私の感想は「よく出来た話だなぁ」止まりでしかなかった。
なので私の顔には、不信感が浮かんでいたのだと思う。
今思い返せばとくちゃんには申し訳ないことをした。
とくちゃんはこの辺りに古くから住んでる人に聞いてみてたらいいよとアドバイスをくれた。

20: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:17:43.00 ID:kC9vrqrV.net
当時の私の親友は、大地主の家の娘だった。
近隣一体にあるマンションや賃貸物件、空き地や農地に至るまで、土地という土地はその家の物。
同じ名字はほぼ全て一族。
その本家の娘が、親友のあーちゃんだった。
すぐ近くに住んでいたのであーちゃんとはほ毎日遊んでいた。
お祖父ちゃんんとお祖母ちゃんにも、毎日顔を合わせていた。
昔の事を知っているBBAがこんな身近にいたとは

22: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:24:13.78 ID:kC9vrqrV.net
聞いてくれてる人達ありがとー


その日の放課後、いつも通りあーちゃんの家にいった。
あーちゃん家は入り口に大きな門がある。その門から家までがとても長い。
お祖母さんはよく、その門から家の間にある芝生を手入れするのが日課のようだった。
その日も、お祖母さんは芝生に水をやっていた。
いつも通り挨拶を交わして、「学校裏の神田神社について知りたいんですけど、何か知りませんか?」と。
「あの神社の管理はうちでしているから、知りたいことは教えてあげられるよ」と。

23: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:26:48.52 ID:2+h5Y+uO.net
面白い。

24: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:30:23.87 ID:SIXK8Eoj.net
お祖母さんの話を、麦茶を添えてあーちゃんと二人で聞くこととなった。
あーちゃんのお祖母さんの麦茶は、砂糖が入ってるから余り好きじゃなかった。
麦茶に手を付けず、とくちゃんに聞いた話をする。この謂れは本当かと。
「そんな話は聞いたことないねぇ」。お祖母さんはあっさり否定する。

25: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:33:10.25 ID:SIXK8Eoj.net
「でも犬に殺されたってのは聞いてるよ。その狐を鎮めるために、神田神社は建てられたのね。節句の祭りで神楽をやってるでしょう。あの時に付けるお面は狐面だからね。お狐様を奉って、この辺りを守ってくださいってお願いしてるんだよ」
すごい信憑性があった。

26: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:35:59.64 ID:SIXK8Eoj.net
寂れた小さな神社だけれど、とある節句の時はわりと大掛かりなお祭りをしていた。
初詣よりも縁日よりも、節句のお祭りは派手。
神輿も出て神楽も催される。それでも御神体は、本殿の奥は公開されなかった。

27: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:40:08.17 ID:SIXK8Eoj.net
屋上から本殿の中を見たことを話した上で、「あの石像がまた見たいんです」と頼んでみる。
「それは無理だねぇ」。一蹴される。
「本家の人間なら立ち入られるから、うちの養子になりなさいな」。
帰宅後、母親にあーちゃん家の養子になると言ってみるけれど、「馬鹿言ってないで宿題しなさい」の一言で話は終わる。

28: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:45:56.38 ID:SIXK8Eoj.net
それからずっと、あの石像を見ることは叶わなかった。
木を登ってみてもずり落ちて傷が出来るだけ。
窓から身を乗り出してみても先生に見つかって叱られるだけ。
欲求が溜まるまま、高学年になって転校をすることになった。
引越し先はそんなに離れているわけではないけれど、別の町に行くと神田神社に行くことはなくなった。
思い出すことも少なくなった。
けれど他の神社に立ち入る度に、あの白さを思い出した。
あそこほど綺麗な場所には出会えなかった。

29: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:52:25.47 ID:pGyepl4e.net
それから大分年を取って、高校を出て一人暮らしを始めた。
それと同時に実家は以前の地元近くに戻ることになった。
それでも一人で住んでいる場所から実家まで1時間もかからなかったので、実家に帰ることはなかった。
なので神田神社に行くこともなかった。
地元に立ち入ることはなかったけれど、思い出すことは多くなった。

30: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:57:30.47 ID:pGyepl4e.net
一人で暮らし始めて6年ほど経った頃、2・3日実家に帰ることになった。
その頃働いていたお店のお客さんがタチが悪く、大分しつこくされていた。
教えていない携帯番号に連絡が来たり、住んでいる地域を特定されたりということが続いた。
少し、疲れていた。
実家で少し気を休めるべきだと。
実家でインコのぴーちゃんに癒されていると、姉が神田神社の話を聞かせてくれた。
市内の神社に放火されるという事案が続いていて、神田神社もその被害にあったと。

31: 名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2015/12/24(木) 20:58:43.62 ID:pGyepl4e.net
近くに消防署があったお陰で全焼はしなかったけれど、被害はそこそこ大きかったらしい。
私はそれはもう憤った。
あんな綺麗なものを燃やそうだなんてどうかしている。
憤った後、悲しくなった。
あの白さが損なわれてしまったかもしれない、という現実が辛かった。





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私が住んでいるのは山間にあるよくある住宅地で、
家からふもとに下りて、街へと続く国道の脇に、
住宅に挟まれてその神社はあった。私は10歳そこらのことである。

子供なので、神社に対するしきたり云々の信仰には

全くもって興味が無く、 当時の私達には程よい遊び場

のようなものだった。

その神社は夏祭りや正月にはお守りを売る

巫女姿の店員などがいるものだが、普段では神主は隣接の事務所にいるらしい。
その土地の記念碑なんかもあって

プチ観光地的な役割でもあったが基本大人の目もないわけで、

堂々と子供は占領できるわけである。


 
とある日私は他の男女数人のグループに連れられ、その神社へと行った。
大人の目が無いとは言ったものの、

当時の私はだいぶ真面目ちゃんの部類に入る子供で、
神社には祭りでもない限り踏み入ったことは無かった。
だが彼らもいつもからここを遊び場にしているわけではない。
つまり、いつもは公園を転々としているところ、

気まぐれでここで遊ぶ事を提案した訳だ。

 
そこで私達が何をしたかというと、

宝といっても、そこらへんに落ちている何かを黙々と収集するいわゆる宝探し。
神社なので賽銭のおこぼれの古い銭が当たりであろう。
その他は大人から見ればただの燃えないゴミであろう

何かの部品やプラスチックの類、
そんな他愛も無い宝探しだが、子供にとっては燃えるゴミ以外は大抵、
校庭の小さな石だってガラスの破片だって宝石のように大事に見えるのだった。
 
かくいう私も中休み昼休みになれば校庭の砂利を漁っては
爪の垢ほどの色のついた石を集めているクチではあったが、
神社、そう人の敷地であればすこし違った。
他の子供達はともかく、どうも乗り気になれないのが真面目ちゃんで、
神社ともあろう場所からガラクタとはいえ物を

もっていくのは泥棒ではないだろうか。
そんな疑心を抱きつつも、臆病者と思われるのもまた本位ではないので

しぶしぶと宝探しに参加していたのである。



 
敷地の端、木の根の下、そして神社の床下へと手を伸ばしていく。
高床の下は滅多に掃除できるものではなく、つまり宝の山だと考えた。
しかし、思ったよりはあまり目ぼしい物は見当たらず、

ただじめじめとした土が広がってるだけだった。
 
大したものはないなと、そう思い身を引こうと思ったら、
視界に青い物体が目に入る。
サイズ的には小銭なんかとは比べ物にならない大物。
小汚いのも気にせずに手にとってみると、

大きさは人形のベッドほどという印象、
中にクッションがつめられた青い箱のようなものである。
何に使うものかは検討もつかないが、

何かいいもののような気がするのが子供の感性である。
 
そして子供達の間でひととおりの発掘の成果をひろげて、山分けして解散した。
私の手には小銭も小石も無かったが、あの青い箱はしっかり持っていた。


 
しばらくは、少々の罪悪感に悩まされることとなる。
人の敷地、それも神様のいるところから人工物を持ち出してきた、
明らかに神社の備品ではないような箱ではあるが、

罪悪感に苛まれている私にはそこまで頭がまわらず、
実は神聖なものではないだろうかとか、そんな窃盗妄想に暮れていたのである。
 
だが持ってきたものはしょうがない、砂をおとして、それは結局大事にしまわれた。
ワインのコルクや小石や貝殻といっしょに。
 
しばらくしてからだった。罪悪感も、
その箱の存在も度々思い出す程度になったころ、
それはいつものように布団の中にもぐりこんだ時だった。

 ざり、ざり。

 それはかすかな音だった。
が、しんと静まった部屋の中で、それは確かに聞こえるのである。
 
私のベッドは2段ベット

(と呼んではいるものの実際は机と棚の上にある高床ベット)で、
もし床の畳に布団をしいていたなら、

それを本当の耳元で聞かなくてはならなかっただろう。
それは下から響いてきた。


 
虫だろうか?いや違う。虫は確かに湧くけど、

あのような、畳を引きずり這うような音はしない。
 
ざり、ざり、私の頭の中は様々な思考を布団をかぶったまま巡らしたが、
この状況に対する利口な策を練るわけでもなく、

ただ自分の小さな恐怖を拡張したに過ぎなかった。
 
結局、私はいやな脂汗をかくだけで夜を明かした。
どんなに恐怖しても、いずれは眠れるものである。

きっと、あれは新種の悪夢だったのだろう。
当時の年頃だと、よく悪夢というものも見る。
その類だと頭の中で押し付けるように自己解決した。
 
しかし、悪夢というのは現実でみるものであると

思い知らされるのである。



 
その後、度々私は布団の中で音を聞くようになる。
乾いた畳の上では、その小さなものが引きずるような音は

ちゃんと響いては布団越しに耳に届く。
小さな音ほど聞きたくなくても聞こえるもので、

時計の乾いた音と共に私の安眠を遮った。
毎日ではなかったものの、

私はいつしか布団を深々とかぶるクセがついた。
そしてその音を聞いた後には大抵さらに嫌な夢を見るもので、

更に後味の悪い目覚めとなるのだった。



 
今まで、被った布団をめくれないほどの恐怖を

味わったことがあっただろうか、結構あった。

 
何せ絵になるような古い佇まいの家である、
霊感などは一切自覚はないが、ギシギシだの、

ひゅうひゅうだの、そういうのは日常である。
しかしながら、あの音はおかしい。おかしいのだ。
 
夜な夜な、その音を聞くか聞かないかで恐怖した。
今日は悪い夢を見ませんようにという祈りの変わって、

あの音を聞かずに寝れますようにというのが当分の切実な願いだった。

 
ある日、私は部屋でいつものように遊んでいた。
そしてふと、何気なく宝箱を取り出してきた。

つまり、ガラクタ入れである。
 
小石の詰まったビン、貝殻のふくろ、

星模様のついたコルク、
思い出がつまっているのだかつまっていないのだか

わからない内容の中、
あの時拾った青い箱を手にとった。


 

手のひらサイズの長方形の箱、中にはクッション。
この宝箱に入れる際は、ちゃんと、土をおとした筈だった。
青い箱の外側は、土ひとつついていない。

が、クッションの上に、ふと赤茶のよごれができているのである。
 
それは微かなヨゴレであったが、妙に生々しい色が印象的だった。
何が生生しいかは説明できないが、
そう、それはそこらの貝殻の土がついたものではなく、

まるで、そのクッションに何か置いたような跡。
 
はじめて罪悪感の他に芽生えた、気味の悪さ。
私はそれ以上その箱に触れたくはなかった。

虫でもいたのかもしれない。
その青い箱は、部屋の隅に投げ出されたままにされた。

夜が来た。私は習慣でふとんを被る。
長い間あの音に苛まれている気がするが、

実は実際あの音を聞いたのは数回なのかもしれない。
しかし、聞こえることに変わりは無く、

夜が昼とは比べ物にならないほど長かったのだ。
 私はいつかあの音がぴたりと止むことを望みながら、
心の奥底では静かに実はあの音を待っていたのかもしれない。


しかし、奇怪な音の正体を暴くには、あまりに私の心は震えていた。
布団の暗闇の底に立てこもり、息を殺し、

僕はいない、僕はいないと存在を消す。 そして、

ざり

 
それはいつものように、どこからともなくやってきた。
しかしいつもと違ったのは自分の方で、その音が不意に耳に響いた瞬間、

私は小さく反応をしてしまったのだ。
布団が私の身にあわせて擦りあう音は、ざり、ざりという

怪音よりよっぽど身に響いた。
子供部屋に、響いた。

這う音は、ぴたりと止まった。

 
気づかれてしまったのだ。
この些細な失敗にすっかりとりつかれた私は、

涙でも流していたのだろうか。
それでも必死に取り繕おうと息を懸命に殺し、

そして耳に神経をあつめた。
 
だが、それ以降、時計が神妙に刻む針の音以外に

子供部屋に響く音はなく、
私は序々に平常心と安堵を取り戻す。
 
驚いたのか、帰ったのか、


まさか布団をめくればそこに顔があるなんてこと・・・・まさか、まさか。
安堵の中で、「お化けなんかいるものか」

というか細い安心材料にしがみつく。
やがて、その結論がじわじわと頭になじんだ頃、

かいた脂汗をどうにかしたくなった。
 
疑心暗鬼になっていても仕方なし、とりあえず、

布団の外の空気が吸いたい。
そうして、思い切って布団を取り払った。
・・・・目の前には、ただいつもの天井、いつもの壁

何にもありゃしなかった。


まだ夜の最中だというのに、長い長い夜が明けた気になったと共に、
少しばかりのやってやった感。
そして深く息を吐き出たのだった。だが。

 
・・・り、ざり、ざり


 
全身を悪寒が駆け巡る。
布団越しでない分いく分かクリアに聞こえる気がするその軽い音が、

重く、聞こえる。


身を強張らせ、吐き出したばかりの息も吸えず、

ただ目の前の壁から目を逸らせなかった。


耳を塞ぐことも侭ならず、その音を聞き続けるしかないのだ。
 
しかし、一度極限状態から安堵を潜った精神には、

少しばかりの隙間があった。
もしかしたら、これは千載一遇のチャンスなのではないかと。
ここまで来たのなら、最早奴の正体を暴くべきではと。

奴の、大したことない姿を。
 
布団の外の空気を吸って、現実的になった脳で考えた案。
その時は、何だって受け入れることが出来る気がしたのだ。
 
そして、勢い良く・・・・と言うにはあまりにもぎこちない動きで、

下へ首を向ける。



 
そこには、幾ばかしか散らかったいつもの部屋があった。
・・・・なんだ、と心に安心がもたらされた、

望んでいた結果、至極当たり前の結果。
それを飲み込もうとした、その時。
 
凝らした視界のその中に、それが、蠢いていた。
 
心臓が破裂せんばかりに飛び上がる。
ざり、ざり、ざり、耳に届く一定の音と共に、

それはひとつの関節をめいいっぱい動かしながら畳の目を刻むように進んでいた。
芋虫なんかじゃない!即座に思う。
夜の闇の中、白いそれは尚不器用に動く。

そして、闇に慣れた目が気づく。それには―爪があった。
 
つまり、こうである。夜の闇に蠢くそれは、人の指であると。

人間の第二関節までが、ひとりでに動いていた。
最早肉があるとか骨があるとかかさぶたがあるとかそんなどころではなく、
兎に角その人の指は、断面をこちらに背を向け、

ひたすらえっちらおっちらと微々たる歩みを重ねていた。
 
最早凍りついた思考で呆然と眺めていた。
見ようによっては滑稽な姿ではあるが、それは呪われているとしか言いようが無い光景だった。
 
指がこちらを向いていないのは幸いであるが(そもそも目なんてどこにあるというのか)、
その猿の手のミイラがずるずると這うのを彷彿させるそれは、一体どこへ向かっているのであろうか。
 
・・・・気づいてしまった。
指が向かうその先にあるのは、あの放り捨てられた青い箱だった。

ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、ざり、


 
もう夜は明けないのではないかと、気が遠くなるような時間が過ぎた。
最早、時計の音すら耳に入らず、指の方へと決して目を向けることなく、
指があの青い箱で何をするかも見ることは出来ず、
指が畳を這う音に耳を傾けながら、
いつしか私は、眠っていた。

その箱を、その後どうしたかは定かではない。
その次の日、わき目も振らずトングでつかんで

ゴミステーションに捨てたのか、
それともその後の大掃除で他のがらくたと共にゴミ袋へと行ったのか、
僅かな可能性の話だが、倉庫のおもひでダンボールの奥底に

眠っているとも限らないかもしれないが。
とにかく今となっては、私の目に見える場所にはない。

あの連夜が夢か幻かも確かめる術は無い。

 
結局あれが何だったのか、分からないのは申し訳ないが、
きっと私が勇気ある少年だったとしても暴く事は叶わなかったのだろう。
何せ指である。聞いて口が聞けたらギャグだ。
 
しかし、その後御祓いなどをしたわけでもなく、
それ以上の指に纏わる怪現象を体験することはなかった。
あの神社には、夏祭りにでも寄った際、拝殿に静かに手を合わせ、

あの指の成仏を願ったのみである。



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2年ほど前の話し。その年の夏、俺は大小様々な不幸に見舞われていた。
仕事でありえないミスを連発させたり、交通事故を起こしたり、
隣県に遊びに行って車にイタズラされた事もあった。

原因不明の体調不良で10キロ近く痩せた。そして何より堪えたのは、父が癌で急逝したこと。
そんなこんなで、「お祓いでも受けてみようかな・・・・・」、なんて思ってもない独り言を呟くと、
彼女(現在嫁)が、「そうしようよ!」と強く勧めてきた。

本来自分は心霊番組があれば絶対見るくらいのオカルト大好き人間なんだけど、心霊現象自体には否定的
(こういう奴が一番多いんじゃないか?)で、お祓いが利くなんて全く信じちゃいなかった。
自家用車に神主が祝詞をあげるサマを想像すると、シュールすぎて噴き出してしまう。
そんなものを信用するなんて、とてもじゃないが無理だった。

彼女にしてもそれは同じ筈だった。彼女は心霊現象否定派で、なお且つオカルトそのものに興味がなかった。
だから俺が何の気なしに言った『お祓い』に食いついてくるとは予想外だった。
まぁそれは当時の俺が、いかに追い詰められていたかという事の証明で、実際今思い返してもいい気はしない。

俺は生来の電話嫌いで、連絡手段はもっぱらメールが主だった。
だから彼女に神社に連絡してもらい(ダメ社会人!)、
お祓いの予約を取ってもらった。
そこは地元の神社なんだけど、かなり離れた場所にあるから地元意識はほとんどない。
ろくに参拝した記憶もない。
死んだ親父から聞いた話しでは、やはり神格の低い?神社だとか。
しかし神社は神社。数日後、彼女と二人で神社を訪ねた。

神社には既に何人か、一見して参拝者とは違う雰囲気の人たちが来ていた。
彼女の話しでは午前の組と午後の組があって、俺たちは午後の組だった。
今集まっているのは皆、午後の組というわけだった。

合同でお祓いをするという事らしく、俺たちを含めて8人くらいが居た。
本殿ではまだ午前の組がお祓いを受けているのか、微かに祝詞のような声が漏れていた。
所在なくしていた俺たちの前に、袴姿の青年がやって来た。
「ご予約されていた○○様でしょうか」袴姿の青年は体こそ大きかったが、
まだ若く頼りなさ気に見え、(コイツが俺たちのお祓いするのかよ、大丈夫か?)、なんて思ってしまった。

「そうです、○○です」と彼女が答えると、もう暫らくお待ち下さい、と言われ、待機所のような所へ案内された。
待機所といっても屋根の下に椅子が並べてあるだけの『東屋』みたいなもので、壁がなく入り口から丸見えだった。
「スイマセン、今日はお兄さんがお祓いしてくれるんですかね?」と、気になっていた事を尋ねた。
「あぁ、いえ私じゃないです。上の者が担当しますので」
「あ、そうなんですか(ホッ)」
「私はただ段取りを手伝うだけですから」と青年が言う。

すると、待機所にいた先客らしき中年の男が青年に尋ねた。
どうやら一人でお祓いを受けに来ているようだった。
「お兄さんさぁ、神主とかしてたらさ、霊能力っていうか、幽霊とか見えたりするの?」
その時待機所に居る全員の視線が、青年に集まったのを感じた(笑)。
俺もそこんとこは知りたかった。

「いやぁ全然見えないですねぇ。まぁちょっとは、『何かいる』って感じることも、ない事はないんですけど」
皆の注目を知ってか知らずか、そう笑顔で青年は返した。
「じゃあ修行っていうか、長いことその仕事続けたら段々見えるようになるんですか?」と俺の彼女が聞く。
「ん~それは何とも。多分・・・」青年が口を開いた、その時だった。

シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、
入り口にある結構大きな木が、微かに揺れ始めたのだ。何事だと一同身を乗り出してその木を見た。
するとその入り口の側に、車椅子に乗った老婆と、その息子くらいの歳に見える男が立っていた。

老婆は葬式帰りのような黒っぽい格好で、網掛けの(アメリカの映画で埋葬の時に婦人が被っていそうな)
帽子を被り、真珠のネックレスをしているのが見えた。
息子っぽい男も葬式帰りのような礼服で、大体50歳前後に見えた。
その二人も揺れる木を見つめていた。

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ、と音を鳴らして、一層激しく木は揺れた。
振れ幅も大きくなった。根もとから揺れているのか、
幹の半分くらいから揺れているのか不思議と分からなかった。
分からないのが怖かった。

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
木はもう狂ったように揺れていた。老婆と男は立ち止まり、その木を困ったように見上げていた。
すると神主の青年が、サッと待機所から飛び出すと、二人に走り寄った。

「△△様でしょうか」木の揺れる音のため、自然と大きな声だった。
うなずく男。
「大変申し訳ありませんが、お引取り願いませんでしょうか。我々ではどう対処も出来ません」
こちらに背を向けていたため、青年の表情は見えなかったけれど、わりと毅然とした態度に見えた。
一方老婆と男は、お互いに顔を見合わし、うなずき合うと、青年に会釈し引き上げていった。
その背中に青年が軽く頭を下げて、小走りで戻ってきた。
いつの間にか木の揺れは収まり、葉が何枚か落ちてきていた。

「い、今の何だったの!?」と中年のおじさん。
「あの木何であんなに揺れたの?あの二人のせい?」と彼女。俺はあまりの出来事に、言葉が出なかった。
興奮する皆を、青年は落ち着いて下さい、とでも言うように手で制した。
しかし青年自体も興奮しているのは明らかだった。手が震えていた。

「僕も実際見るのは初めてなんですけど、稀に神社に入られるだけで、ああいった事が起きる事があるらしいんです」
「どういう事っすか!?」と俺。
「いや、あの僕もこういうのは初めてで。昔居た神社でお世話になった先輩の、その先輩からの話しなんですけど・・・・」

青年神主の話しは次のようなものだった。
関東のわりと大きな神社に勤めていた頃、
かつてその神社で起きた話しとして先輩神主が、さらにその先輩神主から伝え聞いたという話し。

ある時から神主、巫女、互助会の組合員等、神社を出入りする人間が、『狐のお面』を目にするようになった。
そのお面は敷地内に何気なく落ちていたり、ゴミ集積所に埋もれていたり、
賽銭箱の上に置かれていたりと、日に日に出現回数が増えていったという。

ある時、絵馬を掛ける一角が、小型の狐のお面で埋められているのを発見され、
これはもうただ事ではないという話しになった。
するとその日の夕方、狐のお面を被った少年が、家族らしき人たちとやって来た。
間の良いことにその日、その神社に所縁のある位の高い人物が、たまたま別件で滞在していた。

その人物は家族に歩み寄ると、
「こちらでは何も処置できません。しかし○○神社なら手もあります。どうぞそちらへご足労願います」
と進言し、家族は礼を言って引き返したという。

「その先輩は、『神社ってのは聖域だから。その聖域で対処できないような、許容範囲を超えちゃってるモノが来たら、
それなりのサインが出るもんなんだなぁ』って、言ってました」
「じゃあ今のがサインって事か?」とおじさんが呟いた。
「多分・・・・まぁ間違いないでしょうね」
「でもあのまま帰しちゃって良かったんですかね?」という俺の質問に青年は、
「ええ、一応予約を受けた時の連絡先の控えがありますから。何かあればすぐに連絡はつきますから」
「いやぁでも大したもんだね、見直しちゃったよ」とおじさんが言った。俺も彼女も、他の皆もうなずいた。
「いえいえ!もう浮き足立っちゃって!手のひらとか汗が凄くて、ていうかまだ震えてますよ~」と青年は慌てた顔をした。


その後、つつがなくお祓いは済んだ。
正直さっきの出来事が忘れられず、お祓いに集中出来なかった(多分他の皆も)。
しかしエライもので、それ以後体調は良くなり、不幸に見まわれるような事もなくなった。
結婚後も彼女とよくあの時の話しをする。

あの日以来彼女も心霊番組を見たりネットで類似の話しはないかと調べたり、
どこで知ったのか洒落コワを覗いたりもしているみたい。
やっぱり気になっているのだろう。もちろん俺だってそうだ。
しかし、だからといってあの人の良い青年神主に話しを聞きに行こう、という気にはならない。

「もしもだけどさぁ、私たちが入った途端にさ、木がビュンビュンって、揺れだしたら・・・・もう堪んないよね~」
彼女が引きつった笑顔でそう言った。全くその通りだと思う。あれ以来神社や寺には、どうにも近づく気がしない




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602 :牙誰:04/07/16 15:46 ID:4o6AmNNl
小学生の時、近くの神社で写生大会があった。
俺は友達二人(双子の兄弟)と神社の横にある、大きな木を描いていた。木が一番描くのが楽だろうと思ったからだ。

一時間ほど経って、その兄弟の絵を覗き見ると、俺の絵にはないものが描かれていた。
それは木に何本も刺さった、斧やのこぎりだった。しかも兄弟で同じ所に。
ちなみに俺が見た限り、木には何も刺さってはいない。
だけどやつらは口を揃えて、「いっぱい刺さってんじゃん」と言う。
もう一度よく見たが何も刺さっていない。
そのうち二人で何か会話を始めた。
「あれ描く?」
「やめようよ、先生に怒られるし」
「かわいそうだね」
俺にはまったく意味不明な会話だった。

あれから十年以上経ち、その双子は一人が自殺、もう一人が失踪した。
正也、和也には見えてはいけないものが見えていたのだろう。




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604 :本当にあった怖い名無し:2012/02/22(水) 06:56:59.11 ID:L110NAA50
私は凄い雨女で、遊ぼうと決めた日は大抵雨。
趣味でダイビングやってるんだけど、ポイントについたらだいたい雨が振り出す、
神社巡りしてても雨か霧に見舞われる。

そんなんだけど去年の夏、初めて厳島神社に行った。
宮島に着いたとき曇り空が晴天に‼
一緒に行った友達と手をとって喜んだ。
その日一日は落し物も帰ってくるし、人にも恵まれて最高だった。
翌日の市内観光は雨だったけどw

帰宅して祖父にその話をしたら、
自慢げに「うちは代々平家の側近だったからね。歓迎されてるのかもね」と言われた。

偶然かも知れないけど、ちょっと不思議だった話。


606 :本当にあった怖い名無し:2012/02/22(水) 15:54:11.21 ID:xBI98Oej0
>>604
神社に入った時に天気が変わったら、その神社の神様に歓迎されているという説があるそうです
私も晴明神社に行った時に急にみぞれが降ってきたり、
東照宮に行った時に急に雨が降ってきて歓迎されてないのかと思ったら、逆だといわれた事があります





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