219:名無しのオカルト 2009/05/09(土) 18:59:59 ID: ID:LL+dDVhT0
友人の話。
彼は幼い頃、山の中腹にある神社を縄張りとしていた。
近所の子とよくそこに行っては、様々な遊びをしたという。
ある時、長い石段を使って陣取りをしていると、上の方からザッザッと下りてくる音がした。
複数名いるようだ。
「誰も上にはいなかったけどな」と怪訝に思い、振り返ってみた。
仰々しい山伏の格好をした者が五名、しっかとした足取りで進んでくる。
挨拶しようとした次の瞬間、硬直してしまった。
五人が五人とも、その首から上が犬のそれであったからだ。
白い毛並の者、斑のある者、赤毛で片耳がない者など、各人風体はバラバラだった。
立ち竦む彼らを気にも留めず、五名の犬面山伏は悠然と下っていき見えなくなった。
どうやら他の友人らも動けずにいたらしい。
山伏が見えなくなると「今の見た?」「一体何だアレ?」口々にそう叫んだという。
その夜、彼の祖父が語って聞かせたところによると
「犬の顔をした山伏?そりゃ天狗だよ。
ただ、天狗は天狗でも犬天狗っていう輩だって話だ。
天狗としての位は低いとか、本職の山伏に聞いたことあるな。
犬から徳を積んで行くと、よく知られた長鼻の大天狗に精進するんだとさ」
ということだ。
「天狗の仕事っていうのも、色々と大変らしいぜ」
仕事の愚痴をこぼしていた私に、彼はこの話をしてくれた。
彼なりに励ましてくれていたのだろうか、今ではそう思う。
233:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 06:44:44 ID: ID:YW2JDOxiO
>>219
鳥山石燕の犬神みたいな感じか
221:名無しのオカルト 2009/05/09(土) 19:13:42 ID: ID:LL+dDVhT0
どうも雷鳥です。
>>125さんの話を聞いて>>219のネタを引っ張り出してきました。
これに出てくる犬天狗、どうやら地元では『狗賓さん』と呼ばれていたそうで。
呼び方は『くひん』らしいですが、字面は同じみたいです。
狗という字自体が犬を指すこともあるようですし、何か関係があるのですかね。
興味深く思ったのでカキコしときました。
>>218
(略)
>>220
(略)
それでは、また。雷鳥でした。
228:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 02:49:03 ID: ID:5zZIC1iw0
>>221
そういえば、作中にある山伏の伏にも、犬という字が入ってますね
くひんは、くの一みたいに別文字で表せるかも
>>222
(略)
>>225
(略)
232:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 06:41:33 ID: ID:uCf9GA/f0
>>228
>そういえば、作中にある山伏の伏にも、犬という字が入ってますね
言われてみれば!
人偏(ニンベン)に犬だね。
237:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 11:09:49 ID: ID:4xeACrkh0
昔、京都の神社で下働きをする「いぬじにん」と言う役職があったと、聞いた事があります。
漢字だと、狗地人でしょうか。
今、ググッてみたけど出ませんでした。
239:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 12:15:37 ID: ID:bQL6OJMp0
>>237
「犬神人」です。
京都の祇園社に隷属していた人々です。
「犬神」の字はありますが、そちらとは全く関係はありません。
友人の話。
彼は幼い頃、山の中腹にある神社を縄張りとしていた。
近所の子とよくそこに行っては、様々な遊びをしたという。
ある時、長い石段を使って陣取りをしていると、上の方からザッザッと下りてくる音がした。
複数名いるようだ。
「誰も上にはいなかったけどな」と怪訝に思い、振り返ってみた。
仰々しい山伏の格好をした者が五名、しっかとした足取りで進んでくる。
挨拶しようとした次の瞬間、硬直してしまった。
五人が五人とも、その首から上が犬のそれであったからだ。
白い毛並の者、斑のある者、赤毛で片耳がない者など、各人風体はバラバラだった。
立ち竦む彼らを気にも留めず、五名の犬面山伏は悠然と下っていき見えなくなった。
どうやら他の友人らも動けずにいたらしい。
山伏が見えなくなると「今の見た?」「一体何だアレ?」口々にそう叫んだという。
その夜、彼の祖父が語って聞かせたところによると
「犬の顔をした山伏?そりゃ天狗だよ。
ただ、天狗は天狗でも犬天狗っていう輩だって話だ。
天狗としての位は低いとか、本職の山伏に聞いたことあるな。
犬から徳を積んで行くと、よく知られた長鼻の大天狗に精進するんだとさ」
ということだ。
「天狗の仕事っていうのも、色々と大変らしいぜ」
仕事の愚痴をこぼしていた私に、彼はこの話をしてくれた。
彼なりに励ましてくれていたのだろうか、今ではそう思う。
233:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 06:44:44 ID: ID:YW2JDOxiO
>>219
鳥山石燕の犬神みたいな感じか
221:名無しのオカルト 2009/05/09(土) 19:13:42 ID: ID:LL+dDVhT0
どうも雷鳥です。
>>125さんの話を聞いて>>219のネタを引っ張り出してきました。
これに出てくる犬天狗、どうやら地元では『狗賓さん』と呼ばれていたそうで。
呼び方は『くひん』らしいですが、字面は同じみたいです。
狗という字自体が犬を指すこともあるようですし、何か関係があるのですかね。
興味深く思ったのでカキコしときました。
>>218
(略)
>>220
(略)
それでは、また。雷鳥でした。
228:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 02:49:03 ID: ID:5zZIC1iw0
>>221
そういえば、作中にある山伏の伏にも、犬という字が入ってますね
くひんは、くの一みたいに別文字で表せるかも
>>222
(略)
>>225
(略)
232:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 06:41:33 ID: ID:uCf9GA/f0
>>228
>そういえば、作中にある山伏の伏にも、犬という字が入ってますね
言われてみれば!
人偏(ニンベン)に犬だね。
237:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 11:09:49 ID: ID:4xeACrkh0
昔、京都の神社で下働きをする「いぬじにん」と言う役職があったと、聞いた事があります。
漢字だと、狗地人でしょうか。
今、ググッてみたけど出ませんでした。
239:名無しのオカルト 2009/05/10(日) 12:15:37 ID: ID:bQL6OJMp0
>>237
「犬神人」です。
京都の祇園社に隷属していた人々です。
「犬神」の字はありますが、そちらとは全く関係はありません。
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