【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 【殿堂入り】




452 :その1:2005/09/21(水) 16:10:58 ID:GJUzoiep0
俺、建築関係の仕事やってんだけれども、先日、岩手県のとある古いお寺を解体することに
なったんだわ。今は利用者もないお寺ね。んでお寺ぶっ壊してると、同僚が俺を呼ぶのね。
「~、ちょっと来て」と。俺が行くと、同僚の足元に、黒ずんだ長い木箱が置いてたんだわ。

俺「何これ?」
同僚「いや、何かなと思って・・・本堂の奥の密閉された部屋に置いてあったんだけど、
ちょっと管理してる業者さんに電話してみるわ」

木箱の大きさは2mくらいかなぁ。相当古い物みたいで、多分木が腐ってたんじゃないかな。
表に白い紙が貼り付けられて、何か書いてあるんだわ。相当昔の字と言う事は分ったけど、
凡字の様な物も見えたけど、もう紙もボロボロで何書いてるかほとんどわからない。
かろうじて読み取れたのは、

「大正??年??七月??ノ呪法ヲモッテ、両面スクナヲ???二封ズ」

的な事が書いてあったんだ。木箱には釘が打ち付けられてて開ける訳にもいかず、
業者さんも「明日、昔の住職に聞いてみる」と言ってたんで、その日は木箱を近くの
プレハブに置いておく事にしたんだわ。

453 :その2:2005/09/21(水) 16:31:26 ID:GJUzoiep0
んで翌日。解体作業現場に着く前に、業者から電話かかってきて、

業者「あの木箱ですけどねぇ、元住職が、絶対に開けるな!!って凄い剣幕なんですよ・・・
なんでも自分が引き取るって言ってるので、よろしくお願いします」

俺は念のため、現場に着く前に現場監督に木箱の事電話しておこうと思い、

俺「あの~、昨日の木箱の事ですけど」
監督「あぁ、あれ!お宅で雇ってる中国人(留学生)のバイト作業員2人いるでしょ?
そいつが勝手に開けよったんですわ!!とにかく早く来てください」

嫌な予感がし、現場へと急いだ。プレハブの周りに、5~6人の人だかり。
例のバイト中国人2人が放心状態でプレハブの前に座っている。

監督「こいつがね、昨日の夜中、仲間と一緒に面白半分で開けよったらしいんですよ。
で、問題は中身なんですけどね・・・ちょっと見てもらえます?」

単刀直入に言うと、両手をボクサーの様に構えた人間のミイラらしき物が入っていた。
ただ異様だったのは・・・頭が2つ。シャム双生児?みたいな奇形児いるじゃない。
多分ああいう奇形の人か、作り物なんじゃないかと思ったんだが・・・

監督「これ見てね、ショック受けたんか何か知りませんけどね、この2人何にも喋らないんですよ」

中国人2人は俺らがいくら問いかけても、放心状態でボーっとしていた(日本語はかなり話せるのに)。

454 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 16:35:27 ID:SwaP4QFy0
コトリバコガイワテニ…(((( ;゚Д゚)))ヒィィィ

459 :その3:2005/09/21(水) 17:07:49 ID:GJUzoiep0
あ、言い忘れたけど、そのミイラは
「頭が両側に2つくっついてて、腕が左右2本ずつ、足は通常通り2本」という
異様な形態だったのね。俺もネットや2ちゃんとかで色んな奇形の写真見たこと
あったんで、そりゃビックリしたけど、「あぁ、奇形か作りもんだろうな」と思ったわけね。

んで、例の中国人2人は一応病院に車で送る事になって、警察への連絡はどうしようか、
って話をしてた時に、元住職(80歳超えてる)が息子さんが運転する車で来た。開口一番、

住職「空けたんか!!空けたんかこの馬鹿たれが!!しまい、空けたらしまいじゃ・・・」

俺らはあまりの剣幕にポカーンとしてたんだけど、住職が今度は息子に怒鳴り始めた。
岩手訛りがキツかったんで標準語で書くけど、

住職「お前、リョウメンスクナ様をあの時、京都の~寺(聞き取れなかった)に絶対送る
言うたじゃろが!!送らんかったんかこのボンクラが!!馬鹿たれが!!」

ホント80過ぎの爺さんとは思えないくらいの怒声だった。

住職「空けたんは誰?病院?その人らはもうダメ思うけど、一応アンタらは祓ってあげるから」

俺らも正直怖かったんで、されるがままに何やらお経みたいの聴かされて、経典みたいなので
かなり強く背中とか肩とか叩かれた。結構長くて30分くらいやってたかな。
住職は木箱を車に積み込み、別れ際にこう言った。

「可哀想だけど、あんたら長生きでけんよ」

その後、中国人2人の内1人が医者も首をかしげる心筋梗塞で病室で死亡、
もう1人は精神病院に移送、解体作業員も3名謎の高熱で寝込み、俺も釘を足で
踏み抜いて5針縫った。まったく詳しい事は分らないが、俺が思うにあれは
やはり人間の奇形で、差別にあって恨みを残して死んでいった人なんじゃないかと思う。
だって物凄い形相してたからね・・・その寺の地域も昔部落の集落があった事も
何か関係あるのかな。無いかもしれないけど。長生きはしたいです。

467 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 17:37:06 ID:gva6dhyrO
>>453
乙。ただのミイラじゃないのがゾクッときたよ。

468 :その3:2005/09/21(水) 17:40:58 ID:J0sPTefW0
ID変わっちゃったけど452です。いきなりブラックアウトして電源落ちたんでビビッた・・・
俺だってオカ板覗くらいだから、こういう事には
興味しんしんなので、真相が知りたく何度も住職に連絡取ったんだけど、完全無視でした。
しかし、一緒に来てた息子さん(50過ぎで不動産経営)の連絡先分ったんで、
この人は割と明るくて派手めの人なんで、もしかしたら何か聞けるかも?と思い
今日の晩(夜遅くだけど)飲みに行くアポとれました。何か分ったら明日にでも書きますわ

469 :その3:2005/09/21(水) 17:42:57 ID:J0sPTefW0
>>467
どうもです

今日はこれで落ちます

470 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 17:46:49 ID:4O/pyF4u0
>>469
久し振りの良ネタの予感!
出きればコテ付けて今晩帰宅後に報告しとくれ!

471 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 17:52:12 ID:NnmdFG4b0
こんな感じで工事現場で中国人が勝手に井戸かなんか開ける話しあったよね?
語り部か誰かが霊をそいつらに憑いてくようにしちゃう話

472 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 18:08:09 ID:remxgWt+0
コトリバコスレにコピペしてきますた。

473 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 18:09:07 ID:3kLwsR1G0
>>452
なんかコトリバコっぽい話ですね…コワッ!

474 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 18:10:45 ID:remxgWt+0
>>471
あったね。
他の話でも、最近は神社や仏閣が荒らされる、全て外国人の仕業、と
いう風な話もあった。

475 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 18:20:14 ID:QabNrxeO0
>>471
たしか、半島の人じゃなかった?
んで、井戸の霊を鎮める為に供えた(納めた?)古銭欲しさに
封印した井戸を開けちゃう話では?

476 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 18:24:34 ID:K2+tPFpq0
>>469
乙。

リョウメンスクナの話、「宗像教授伝奇考」という漫画に出てきた覚えがある。
スクナ族という、恐らく大昔に日本へ来た外国人ではないかと思われる人が、太古の
日本へ文化を伝えた。それが出雲圏の文化形成となり、因幡の白ウサギの伝説も
オオクニヌシノミコトの国造りの話もこれをモチーフとした話だろう、と。
そして大和朝廷による出雲の侵略が起こり、追われたスクナ族がたどり着いた
のが今の飛騨地方だった。
日本書紀によれば、飛騨にスクナという怪物がおり、人々を殺したから兵を送って
退治した、という話が書かれている、と。

つまり、スクナというのは大和朝廷以前の時代に日本へ文化を伝えた外来人の
ことで、恐らくは古代インドの製鉄を仕事とする(そして日本へ製鉄を伝えたで
あろう)人々のことではないかと書かれていた。
そして、出雲のある場所で見つけた洞窟の奥にあったものが、

「リョウメンスクナ」(両面宿儺)

の像だった、とあった。

477 :476:2005/09/21(水) 18:40:24 ID:K2+tPFpq0
スクナ族は、日本へ羅魔船(カガミノフネ)で来た、と書かれ、鏡のように
黒光する船であったとのこと。羅魔は「ラマ」で、黒檀系の木の名である、
と書かれていたけど、黒ずんだ長い木箱とあったので、これももしかすると
ラマなのかも・・・?
とすると、リョウメンスクナ様も、逃げ延びて岩手地方に来たスクナ族の
末裔なのかもしれないな。

・・・と、オカ板的にはあわない内容かも、と思いつつ書いてみたが。

478 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 18:48:16 ID:UZ5GC1tr0
黒船じゃ!黒船の仕業じゃ!

480 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 19:15:09 ID:SwaP4QFy0
出雲地方と出てきたことでことりばこと繋がりがありそうな悪寒  サリョジャサリョジャ

483 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 20:16:23 ID:SozKL/w70
リョウメンスクナぐぐってみたら萌え漫画ばっかしヒットするんである意味ビビった。
あとは>>476にある通り飛騨の妖怪である事と、二面四腕の姿をしている事ぐらいしかワカメ
岐阜の人詳細教えてくれ

487 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 21:10:14 ID:BCjsiqvs0
スクナ族で思い出したんですが、確か、かま2か何かでスクナビコナって
いましたよね。
あれと関係あるんでしょうか。

491 :452:2005/09/21(水) 22:27:34 ID:ERc7KoX60
すんません。直前になって何か「やはり直接会って話すのは・・・」とか言われたんで、
元住職の息子さんに「じゃあ電話でなら・・・」「話せるとこまでですけど」と言う
条件の元、話が聞けました。時間にして30分くらい結構話してもらったんですけどね。
なかなか話し好きなオジサンでした。要点を主にかいつまんで書きます。


息子「ごめんねぇ。オヤジに念押されちゃって。本当は電話もヤバイんだけど」
俺「いえ、こっちこそ無理言いまして。アレって結局何なんですか??」
息子「アレは大正時代に、見世物小屋に出されてた奇形の人間です」
俺「じゃあ、当時あの結合した状態で生きていたんですか?シャム双生児みたいな?」
息子「そうです。生まれて数年は、岩手のとある部落で暮らしてたみたいだけど、生活に窮した
親が人買いに売っちゃったらしくて。それで見世物小屋に流れたみたいですね」
俺「そうですか・・・でもなぜあんなミイラの様な状態に??」
息子「正確に言えば、即身仏ですけどね」
俺「即身仏って事は、自ら進んでああなったんですか!?」
息子「・・・君、この事誰かに話すでしょ?」
俺「正直に言えば・・・話したいです」
息子「良いよ君。正直で(笑) まぁ私も全て話すつもりはないけどね・・・
アレはね、無理やりああされたんだよ。当時、今で言うとんでもないカルト教団が
いてね。教団の名前は勘弁してよ。今もひっそり活動してると思うんで・・・」
俺「聞けば、誰でもああ、あの教団って分りますか?」
息子「知らない知らない(笑)極秘中の極秘、本当の邪教だからね」
俺「そうですか・・・」

492 :槙野慧子:2005/09/21(水) 22:34:10 ID:laKErE0v0
うわ凄くミステリー小説みたい。20世紀少年とかモンスター顔負け。

493 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 22:43:58 ID:yJCNhftH0
┏貞子(リング)
┏┫
┃┗伽椰子&俊雄(呪怨)
┏┫
┃┃┏ジェイソン(13日の金曜日)
┃┗┫
┃ ┗エイリアン(エイリアン)

┃ ┏フレディー(エルム街の悪夢)
┃┏┫
┃┃┗プレデター(プレデター)
┗┫
┃┏T-1000(ターミネーター2)
┗┫
┗ジュウシマツ(おしと)

495 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 23:02:45 ID:BCjsiqvs0
((((;゜д゜)))

496 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 23:16:17 ID:HmNAXxxl0
>>483
両面宿儺でぐぐってみるといいよ。

498 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 23:22:59 ID:05I7iHFEO
ちょっと誤解を招くといけないから一言。

岩手で部落って言葉は今でも普通に使われる、地域の単位みたいなもんで、
自治公民館なんかは部落ごとに置かれてたりして、
関西圏での被差別部落とは意味合いが違うってとこだけ注意してね。

岩手の人が「私は〇〇部落の出身で…」なんて話すのを
関西圏から来た方が聞いてびっくりしたって言われたことがあるので一応。
それとは別に差別を受けてた人がいるのも本当だけどね。

499 :その2:2005/09/21(水) 23:25:00 ID:ERc7KoX60
スマソ。またいきなりPCの電源切れて遅くなりました・・・

息子「この教祖がとんでもない野郎でね。外法(げほう)しか使わないんだよ」
俺「外法ですか?」
息子「そう、分りやすく言えば(やってはいけない事)だよね。ちょっと前に真言立川流が、
邪教だ、外法だ、って叩かれたけど、あんな生易しいもんじゃない」
俺「・・・具体的にどんな?」
息子「で、当時の資料も何も残ってないし偽名だし、元々表舞台に出てきたヤツでもないし、
今教団が存続してるとしても、今現在の教祖とはまったく繋がりないだろうし、
名前言うけどさ・・・物部天獄(もののべてんごく)。これが教祖の名前ね」
俺「物部天獄。偽名ですよね?」
息子「そうそう、偽名。んで、この天獄が例の見世物小屋に行った時、奇形数名を
大枚はたいて買ったわけよ。例のシャム双生児?って言うの?それも含めて」
俺「・・・それで?」
息子「君、コドクって知ってる?虫に毒って書いて、虫は虫3つ合わせた特殊な漢字だけど」
俺「壺に毒虫何匹か入れて、最後に生き残った虫を使う呪法のアレですか?(昔マンガに載ってたw)」
息子「そうそう!何で知ってるの君??凄いね」
俺「ええ、まぁちょっと・・・それで?」
息子「あぁ、それでね。天獄はそのコドクを人間でやったんだよ」
俺「人間を密室に入れて??ウソでしょう」
息子「(少し機嫌が悪くなる)私もオヤジから聞いた話で、100%全部信じてるわけじゃ
ないから・・・もう止める?」
俺「すみません!・・・続けてください」
息子「分った。んで、それを例の奇形たち数人でやったわけさ。教団本部か何処か
知らないけど、地下の密室に押し込んで。それで例のシャム双生児が生き残ったわけ」
俺「閉じ込めた期間はどのくらいですか?」
息子「詳しい事は分らないけど、仲間の肉を食べ、自分の糞尿を食べてさえ生き延びねば
ならない期間、と言ったら大体想像つくよね」
俺「あんまり想像したくないですけどね・・・」

501 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 23:34:19 ID:BCjsiqvs0
こえぇぇぇ(゚∀゚)

503 :その3:2005/09/21(水) 23:47:39 ID:ERc7KoX60
息子「んで、どうも最初からそのシャム双生児が生き残る様に、天獄は細工したらしい
んだ。他の奇形に刃物か何かで致命傷を負わせ、行き絶え絶えの状態で放り込んだ
わけ。奇形と言ってもアシュラ像みたいな外見だからね。その神々しさ(禍々しさ?)に
天獄は惹かれたんじゃないかな」
俺「なるほど・・・」
息子「で、生き残ったのは良いけど、天獄にとっちゃ道具に過ぎないわけだから、
すぐさま別の部屋に1人で閉じ込められて、餓死だよね。そして防腐処理を
施され、即身仏に。この前オヤジの言ってたリョウメンスクナの完成、ってわけ」
俺「リョウメンスクナって何ですか?」

※>>476氏ほど詳しい説明は無かったが、神話の時代に近いほどの大昔に、
リョウメンスクナと言う、2つの顔、4本の手をもつ怪物がいた、と言う
伝説にちなんで、例のシャム双生児をそう呼ぶ事にしたと、言っていた。

俺「そうですか・・・」
息子「そのリョウメンスクナをね、天獄は教団の本尊にしたわけよ。呪仏(じゅぶつ)
としてね。他人を呪い殺せる、下手したらもっと大勢の人を呪い殺せるかも
知れない、とんでもない呪仏を作った、と少なくとも天獄は信じてたわけ」
俺「その呪いの対象は?」
息子「・・・国家だとオヤジは言ってた」
俺「日本そのものですか?頭イカレてるじゃないですか、その天獄って」
息子「イカレたんだろうねぇ。でもね、呪いの効力はそれだけじゃないんだ。
リョウメンスクナの腹の中に、ある物を入れてね・・・」
俺「何です?」
息子「古代人の骨だよ。大和朝廷とかに滅ぼされた(まつろわぬ民)、いわゆる
朝廷からみた反逆者だね。逆賊。その古代人の骨の粉末を腹に入れて・・・」
俺「そんなものどこで手に入れて・・・!?」
息子「君もTVや新聞とかで見たことあるだろう?古代の遺跡や墓が発掘された時、
発掘作業する人たちがいるじゃない。当時はその辺の警備とか甘かったらしい
からね・・・そういう所から主に盗ってきたらしいよ」

505 :本当にあった怖い名無し:2005/09/21(水) 23:57:55 ID:epTNJv+t0
こりゃヤバスヤバス

506 :槙野慧子:2005/09/22(木) 00:00:20 ID:laKErE0v0
やばい、これって大塚英志の話みたい☆

508 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:05:18 ID:uBE2KLaO0
ツヅキマダー

509 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:09:08 ID:NCKBA9//0
ワクテカ

510 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:09:37 ID:q6jYewuJ0
こあすぎ

511 :その4:2005/09/22(木) 00:13:22 ID:mdYgh3LB0
俺「にわかには信じがたい話ですよね・・・」
息子「だろう?私もそう思ったよ。でもね、大正時代に主に起こった災害ね、
これだけあるんだよ」

1914(大正3)年:桜島の大噴火(負傷者 9600人)
1914(大正3)年:秋田の大地震(死者 94人)
1914(大正3)年:方城炭鉱の爆発(死者 687人)
1916(大正5)年:函館の大火事
1917(大正6)年:東日本の大水害(死者 1300人)
1917(大正6)年:桐野炭鉱の爆発(死者 361人)
1922(大正11)年:親不知のナダレで列車事故(死者 130人)

そして、1923年(大正12年)9月1日、関東大震災、死者・行方不明14万2千8百名

俺「それが何か?」
息子「全てリョウメンスクナが移動した地域だそうだ」
俺「そんな!教団支部ってそんな各地にあったんですか?と言うか、偶然でしょう(流石に笑った)」
息子「俺も馬鹿な話だと思うよ。で、大正時代の最悪最大の災害、関東大震災の日ね。
この日、地震が起こる直前に天獄が死んでる」
俺「死んだ?」
息子「自殺、と聞いたけどね。純粋な日本人ではなかった、と言う噂もあるらしいが・・・」
俺「どうやって死んだんですか?」
息子「日本刀で喉かっ斬ってね。リョウメンスクナの前で。それで血文字で遺書があって・・・」
俺「なんて書いてあったんですか??」

日      本      滅      ブ    ベ    シ

512 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:17:09 ID:uBE2KLaO0
ヤバすぎてねれん

513 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:21:04 ID:ZqazvXFX0
なんでそんなに日本を恨むのどぁろうか?
古代日本史にそのルーツがあるのかな?

515 :その5:2005/09/22(木) 00:27:58 ID:mdYgh3LB0
俺「・・・それが、関東大震災が起こる直前なんですよね?」
息子「そうだね」
俺「・・・偶然ですよね?」
息子「・・・偶然だろうね」
俺「その時、リョウメンスクナと天獄はどこに・・・??」
息子「震源に近い相模湾沿岸の近辺だったそうだ」
俺「・・・その後、どういう経由でリョウメンスクナは岩手のあのお寺に?」
息子「そればっかりはオヤジは話してくれなかった」
俺「あの時、住職さんに(なぜ京都のお寺に輸送しなかったんだ!)みたいな事を
言われてましたが、あれは??」
息子「あっ、聞いてたの・・・もう30年前くらいだけどね、私もオヤジの後継いで坊主に
なる予定だったんだよ。その時に俺の怠慢というか手違いでね・・・その後、
あの寺もずっと放置されてたし・・・話せることはこれくらいだね」
俺「そうですか・・・今リョウメンスクナはどこに??」
息子「それは知らない。と言うか、ここ数日オヤジと連絡がつかないんだ・・・
アレを持って帰って以来、妙な車に後つけられたりしたらしくてね」
俺「そうですか・・・でも全部は話さないと言われたんですけど、なぜここまで
詳しく教えてくれたんですか?」
息子「オヤジがあの時言ったろう?可哀想だけど君たち長生きできないよ、ってね」
俺「・・・」
息子「じゃあこの辺で。もう電話しないでね」
俺「・・・ありがとうございました」

以上が電話で話した、かいつまんだ内容です・・・はっきり言って全ては信じてません。
何か気分悪くなったので今日は落ちますね。連投・長文スマソ。

516 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:28:01 ID:2ocAI4tk0
日本滅ぶべし
なのに2人の中国人哀れw

517 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:30:08 ID:P5S6B7dN0
面白いな。
コレは非常に面白い

518 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:33:09 ID:C3qYxkgG0
乙。
久しぶりの良ネタですね

519 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:34:20 ID:5Mfmdk0x0
蠱毒元は中国かな。。?
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894893010/249-8039560-8252338

520 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:35:48 ID:tG1TdEPi0
なぜそこまで日本を恨んでたんだ…

乗っ取るとかじゃなくて滅ぶべしというのがテラコワス

521 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:39:52 ID:a4O4nrYp0
すごい…
面白い、と言っていいのかわかりませんが面白かったです

522 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:46:47 ID:ZqazvXFX0
りょうめんすくなを作るとくに用いた「まつろわぬ民」の骨って、
出雲の古墳からぱちったものかもしれない

523 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:49:27 ID:5Mfmdk0x0
>>520
>息子「自殺、と聞いたけどね。純粋な日本人ではなかった、と言う噂もあるらしいが・・・」

そちらの人間なら.........
大正の前なら日清戦争とかあったからね。
これってたしか 朝鮮を中国から独立させようとして、
やっtんじゃなかったっけ?
その前に朝鮮にも乗り込んでいってるみたいだし、
まあ 恨みは買ってるわな

524 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 00:52:26 ID:fz2CgXEz0
452氏 これまでの書き込み
>>452 >>453 >>459 >>468 >>469 >>491 >>499 >>503 >>511 >>515
(((;゚Д゚)))

525 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:14:25 ID:ff3CtfP60
お、面白い…
下手な二時間ドラマよりずっと面白いぞ

526 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:19:20 ID:6SGNRzb00
どうして電話で話した内容をこんなに覚えてられるのは何故?

527 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:21:29 ID:P5S6B7dN0
録音の可能性があるじゃまいか。

528 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:22:22 ID:q6sC6VviO
>>526
録音してたんじゃね?

529 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:23:09 ID:vwjl7mbr0
久しぶりの良ネタ乙でした。

530 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:26:29 ID:JPxCzERc0
くねくね、ヒサルキ、ことりばこと来て今度はリョウメンスクナか・・・Ф(・。・)メモメモ

531 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:32:53 ID:fnlxzYel0
全盛期(ちょうど同時期か)の加藤保徳を思わせますね、イイ!

532 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:34:14 ID:/CVflCW80
荒俣さんなら何か知ってるかも。

533 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:34:37 ID:5Mfmdk0x0
ネタなら才能あると思うよ。
けど 災害はともかく 今でも死んだのにまだ生きてるとかいって、
親とかをそのまま布団に寝かせて普段通り生活してるのがいるからね.......
ニュースにもなったしょ............宗教は....ね
大正ならあってもおかしくないわな。

534 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:41:01 ID:JfMpu4Ht0
すごい話だな

535 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 01:52:14 ID:2tjwo5qu0
452氏のを読んでの感想。
孔雀王?

536 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:11:45 ID:w4jtccJ30
>>506
452の話を読みながらそれを書こうと思ってたのに既にかかれてたorz

537 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:18:03 ID:L2RXKEu/0
>>452の話が昨年の10月23日の直前だったら・・・。

テラヤバス。

539 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:20:42 ID:N3hBEsR50
教祖の名前、どっかで聞いたか見たかしたような…。
ググッても何も出て来なかったから、気のせいかな。

540 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:29:29 ID:XnMTNhPP0
>>516
ワロタ。

541 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:49:23 ID:tuTL49FOO
てゆうかうちらこれ読んで平気なの?

542 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:51:47 ID:aUe0juj70
多分ダメでしょう。
外法の片鱗に触れてしまった以上、可哀想だけど君たちも長生きできないよ。

543 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 02:58:20 ID:tuTL49FOO
いやだぁぁ

544 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:00:36 ID:eCDqkZhu0
深夜になったらageまくりだな

545 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:01:14 ID:bWu558rC0
たくさんの人に読んでもらって呪いの効果を薄めるためか?w

546 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:02:13 ID:tuTL49FOO
まぁ大丈夫か

547 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:06:12 ID:wi/MseCw0
大丈夫じゃなくてもいいかな・・・
バッチコーイ!!!!!

548 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:11:47 ID:4L/r4ImyO
こええ!久しぶりに背筋がゾッとしたよ!
でも怖くて眠れないよう…
・゚(ノД`)゚・

549 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:12:51 ID:WZ9aSI/H0
人で蟲毒なんて、よく思い付くな
しかも、古代人の骨入り
こっそりマンギョンボンに積み込みたい

550 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:18:26 ID:9YP2wB0To
コワイヨーコワイヨー 長生きしたいよぅー
お母さーん

551 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:27:15 ID:XnMTNhPP0
古代人の骨、ってこええな。古代人・・・ロマンだなあ

552 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:35:17 ID:tuTL49FOO
古代人ってアウストラロピテクスとか?

553 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 03:49:00 ID:Mziin8li0
今の時代、長生きって80歳くらいだろ?
俺75くらいまで生きれればいいや。

554 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 04:19:10 ID:7wFWnxTZ0
>>553
こんな夜更かしさんは75も無理。ごめんな。

556 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 05:22:44 ID:ogFMJuLxO
こわいよぅ

557 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 06:21:41 ID:iMR58CO00
俺今75だから90くらいまで生きれればいいや

565 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 07:08:26 ID:TkQ1fTq7O
この話をよんだしゅんかん良くないことがいきなりおこりました。家の大型テレビが音声だけ聞こえるが画面が真っ暗。音声だけは聞こえます。こんな現象はじめて

567 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 07:17:17 ID:lnJZTw4G0
>>565
気にするなよ。俺のTVも同じ状況だから。

568 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 07:21:18 ID:TkQ1fTq7O
よんだあと真っ暗になったから不気味

569 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 07:28:36 ID:TkQ1fTq7O
死にたくなってきた

574 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 08:50:41 ID:5Mfmdk0x0
>>552
おーいってかw
昔 行き過ぎ 昔日本が統一されてない頃、
この古代人の意味だと朝廷に逆らった各地方の豪族?勢力?
(言い方が正しいかわからないが)だあよ。
源頼光や酒呑童子、陰陽師なんかもそうだっけ?そのころだったと思うた。

まつろわぬ民って東北のほうのえびすとかだっけ?土蜘蛛と一緒だっけかな...
だから 弾圧されてたから
日本=朝廷(天皇)に恨み持ってるって感じになるのかな。
それで 日本に対する呪詛が高まるって事じゃない?
(私は詳しくないんで、間違ってるかも知れないから詳しい人補足、訂正よろです)

ある意味 フィクションにしろノンフィクションにしろ
即身仏が生まれた東北(岩手)とまつろわぬ民のことで、
岩手のお寺に祭った意味なのかもね。

596 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 12:18:50 ID:+qc0Ve0a0
マンガとアニメ以外何も知らないと
こういう日本史観が形成されるわけか。
リアルでも「まつろわぬ」とか「選ばれし」とか
アニメ語で喋ってんのかな。>>574

597 :本当にあった怖い名無し:2005/09/22(木) 12:26:18 ID:ZGMDVT2v0
>>源頼光や酒呑童子、陰陽師なんかもそうだっけ

こういうのは時代的にあまり関係ないけど、
蝦夷(えみし)蝦夷をえびすと勘違い?
とか土蜘蛛とか熊襲(くまそ)とかは
まつろわぬ民で合ってるんでないの?




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738:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:34:39 ID: 68wuSE2E0

去年の夏の約一ヶ月の事を書くから少し長くなる
気の長い、ヒマなヤツだけ聞いてくれ、信じる信じないも読む人の自由だ
だけど、この話はオレが去年の夏、確かに経験した事だ

去年の夏、姉の旦那の実家に遊びに行った
海も近いし、静かないい所だった。
旦那はと言えば三ヶ月の単身赴任で、その夏も御盆の時に帰ってきただけだという。
義父母と義兄夫婦の住む母屋は別にあり
だからオレにとっては、姉と、それぞれ8歳と5歳になる姉の息子と娘だけの、いわば気楽な夏だった。
ある日の夕方、廊下で姪とすれ違った。
よく見ると胸に一体の見慣れない人形を抱いている。
日本の抱き人形で、少し色が褪せてはいるが、まだ充分、遊べそうな人形だった。
母屋からでも持ち出してきたのだろうか、オレは軽い気持ちで聞いてみた。
けれどそれには答えずに、姪はとっとと自分の部屋に入ってしまった。
いつもは素直ないい子なのに、なにかイケナイ事を聞いただろうか、オレは。

夕食の後、先の気まずさを取りなそうと、またあの人形を話題にあげて誉めあげた。
すると流しで洗い物をしていた姉が耳ざとく聞きとがめて、改めて娘に問い質した。
一瞬しまったかな、と思ったが、どこかで拾ってきたのならダニでもついてたら大変だ
バツの悪さをそう思いこむことにして、オレも姉と一緒になって問いかけた。
しかし姪は、がんとして口を割ろうとしない
そこへ傍でテレビゲームをしていた甥が会話に入ってきた。
その人形、近くの○○神社から持ってきたものだと言う。
丁度その時、甥は神社の奥の森で友達と虫を捕まえていたので、一部始終を見ていたのだと得意気に言う。
そこで甥はしまった、という顔をした。
なんでも神社の奥というものは神様が住むところだから入ってはいけないものだと言う、まして生き物を捕るなどは、ということらしい。
特にあの神社は地元に古くからあるものだから、と姉は付け加えた。

739:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:36:15 ID: 68wuSE2E0

その神社は姉の家から子供の足で20分くらいの山の中にある。
山の中と言っても斜面を石段が続いており、中腹の辺りに神社の境内が開けている
相当古くからあるらしく、姉の義父母が子供の頃からすでにあったそうで、いつからあるのかはよく知らないということだ。
なにやら由緒ありげな神社だが、神主、管理者は常駐しておらず
普段は町の方に住んでいるそうで、何かの行事のときにだけ上がってくるらしい。
その神社、オレもここへ来た最初の日に散歩がてら散策してみた。
境内のの右手を入った所に、左右と背面を板、全面を木で出来た格子でかこった、幅120�、高さにして160�くらいの物置みたいなものがある。
格子の上部は40�程開いていて、そこから破魔矢やウチワ、御札、注連縄、それから人形、ヌイグルミと、普段ゴミと一緒に捨てるには、なんとなくはばかられるような物が入れられている
おそらく、ある決まった日に神主の立ち会いの元、処分されるのだろう。
どうやら姪は、そこからあの人形を持ち出したらしい。
神事に疎いオレも姉と顔を見合わせて、ヤレヤレ困った事をしてくれた、と思った。

すぐに神社に返さなければ、とは思ったが既に日は落ちている
田舎の夜は暗い。
それに石段の登り口までは街灯もなく、車一台がやっと通れるような道だった。
だから翌朝、朝食を食べる前に、姉とオレ、そして姪と三人で行こうという事になった。
その間、姪は始終無言だったと記憶している。

夜中、姉に割り振られた部屋でオレは寝るでもなく、起きるでもなくうつらうつらと天井を見ていた
するとスーッと襖の開く音がした
さすがに田舎の夜の静かさの中で弛緩していたオレはビクっとした。
襖の方を見ると、小さな黒い影が立っていた
甥だった。




740:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:37:28 ID: 68wuSE2E0

甥は枕元で、隣の部屋で話し声がする、お母さんを起こしても起きないという、妹がいないとも。
姪は自分の部屋は持っていたが、夜は母親の部屋で共に寝る
その部屋に姪がいない、真夜中だぞ?
オレと甥は隣の部屋、つまり姪の部屋へ様子を見に行った。
部屋の前に来て耳をそばだてると確かに話し声がする
腰にしがみつく甥が妹の名を呼んだ
とたん話し声がピタリととまった
そーっと襖を開けた
姪が真っ暗な中、膝に何かを置いていた。
入り口の電灯のスイッチを入れた
膝に置いていたのは、あの人形だった。
姪は眩しそうに、半ば呆けた顔をしてこっちを見ていた。
オレと甥は、しばし呆然と立っていたが、とにかく姪を姉の部屋に送る事にした。
姪の布団をめくり、姪をその上に寝かせると、さすがに姉も目を覚ました。
オレも気が付かなかったが、姪はあの人形を持っていた
その髪の毛の感触に吃驚したのだろうと思う
姉は小さく悲鳴を上げると、姪の手から人形を取り上げると、放り投げた
人形は壁に当たりボタッと落ちた。
オレのいる角度から見ると、落ちた人形は姉の事を睨んでいるように見えた。

怪談噺が好きで、いろいろ聞きかじったし、あちこち凸もした
だから虚実含めて大抵の事には驚かないつもりだったけど
その時は、何かホントにヤバいんじゃないかと思った、 何かほんとに良くないことが起こるんじゃないか、と。
正直、怖かった、出来れば荷物まとめて東京に帰りたいほどに。




741:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:38:54 ID: 68wuSE2E0

あまり寝付けないまま夜を過ごし、翌朝起きると昨夜の計画通りにオレ達は神社に向かった
例の箱の前に立ち、姉は姪を促した
意外にも姪はすんなりそれに従った、多少は抵抗するとも思ったのだが
その前で手を合わせ、社の前でまた手を合わせて、オレ達は神社を後にした。
その日姉は、明日は姪の幼稚園でお泊まり保育があるというので、町まで新しいパジャマを買いに姪と出掛けていった
オレと甥は二人でテレビゲームをして過ごした
姉が用意しておいてくれた昼食を食べた後、オレ達は再びゲームに興じた。
と、突然、二階のトイレで水を流す音がした(その家は一階と二階それぞれにトイレがあった)
姉と姪は出掛けている、甥は今、目の前でゲームをしている
オレは甥をそこに残して二階へ様子を見に行った
トイレのドアは少し開いていた、だが中には誰もいない
念のため他の部屋も調べてみたが、やはり誰もいない
あるいは前に入った時に、水洗のコックが不完全に戻っていたか
昨夜の事があったから、妙に神経質になっている
こういう時こそ判断を誤る、まず第一に合理的、科学的に考える事、直感で物事を判断してはいけない

やがて夕方になり姉と姪が帰ってきた、二人とも別段変わった様子はない
夕食の際、姪は妙に口数が少なく、また姉も姪も少し食欲が無いようだった
その事を問うと、なんでも二人とも口内炎ができていて沁みるんだそうな。
姪の口を開けさせて見てみるとなる程、咥内に赤い血膨れのようなものがいくつか見受けられた
昼に何か刺激物でも食べたのかと重ねて問うと、ざる蕎麦だと言う
夏の疲れが出たのだろうと姉は言うが、二人同時にとは、何か釈然としないものを感じながら、その日は終わった。
翌朝、朝食の折りに姉の顔を見ると、首の下、鎖骨の辺りに赤い斑点が幾つもあった、毛細血管が浮き上がったような、小さな蜘蛛の巣のような斑紋だ
さらによく見ると、袖無しのブラウスから覗く二の腕にも同じ様な斑紋がある。
オレは結構な酒飲みで、健康診断の際にはいつも肝臓を指摘されるので知っている
蜘蛛状血管腫、血管の塊である肝臓が詰まることで、血液が他の経路へバイパスするためにおこる症状らしい
しかし姉は酒は一滴も飲めない




742:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:39:33 ID: 68wuSE2E0

また、これまでに一度も肝炎などを指摘された事はないはずだし、輸血をしたこともないと言う
姪は今朝は大人しく食べ物を口に運んでいた、口内炎はもうひけたと言う
昼近くになり、しきりに体のダルさを訴える姉は、姪を幼稚園に送りに出た
姉達を玄関で見送った後、オレは甥とブラリとその辺りへ散歩に出掛けた
まだ暑い陽の盛りだったが、太陽の下を、雑貨屋で買ったアイスなどを頬張りながら歩いていると、まさに日本の夏休みという感じだ
水田に広がる青い稲穂が風に揺れて涼しげだったと覚えている
何の気なしに足があの神社の方に向いた
長い石段を登り、社の前に立つとオレは小銭入れから五円玉を出し、甥にも渡して賽銭箱に入れると手を合わせた
その後、あの箱に向かった
人形がなかった
様々な物が捨てられた、その一番上に置いたあの人形がどこを見ても無い。

オレは甥を連れて家に戻ることにした
帰ると姉は既に戻っており、日当たりををしたと言って、茶の間で横になっていた。
姉の家と言っても、主のいない部屋を他人が勝手に覗くのも気が咎める
オレは甥に頼んで姪の部屋を調べてもらう事にした、あの人形がないかどうかを。
15分程で甥は戻ってきたが、オモチャ箱から押入まで探したけど、人形など無いと言う
それならばそれでいい
だいたい、昨日は町へ買い物、今日は幼稚園なのだから神社に行く時間などあるわけないのだ
それよりも今考えなくてはならないのは姉の事だ、オレは人形の事は考えない事にした
姉のところへ行くと自室で休んでいるよう促し、明日にでも病院に行くことを提案した
それでオレの出来る事は全てだった
料理も洗濯も家事は何も出来ないに等しい
結局その日の夕飯は甥と店屋物をつつく事になった。

夕食を食べ終わると程なくして電話が鳴った、出ると姉の旦那だった
彼は三日おきに電話を掛ける事にしている
オレは一瞬、姉の事を言おうか迷ったが、出先の相手に心配を掛けるのも悪い
夫婦の間で必要な事なら、姉自身が話すだろう
姉に替わると互いの近況報告が始まったようだ
受話器置いて、姉は再び自室に戻って行った
漏れ聞こえてきた会話の様子から自身の身体の事を話した様子は無いようだった。




743:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:41:34 ID: 68wuSE2E0

翌日、朝食を取ったらすぐにオレの運転で病院に行くことにした
そして診察を終えたら、その足で姪を幼稚園へ迎えに行く、そんな段取りだった
しかし病院では意外と待たされた
総合病院という大きな病院はこの辺りではここしかないからだろう、最初に通された内科では結構な人が待っていた。
姉は電話機の所へ行くと、幼稚園に掛け事情を話し、少し迎えの時間が遅れる事、それまで少し預かっていて欲しい旨を伝えた。
ようやく姉の名前が呼ばれ、彼女は診察室に入って行った
20分程で出てきたが、今度は検査室で採血とエコーだと言う
ほんとは採血から触診、心電〜CTと一通りのコースになっているらしいのだが、事情を話し少し巻きを入れてもらったそうだ。
やはり疑われるのは肝臓だそうだ、それと何らかのアレルギー、肝臓の持病の有無と最近の食事をまず聞かれたそうだ。
採血はともかく、エコーは時間が掛かった、念入りに、ということたろう。
検査が終わり、薬局で何かの薬を貰うと、オレ達は急いで幼稚園に向かった。
検査の結果は週明けということだ、たしかその日は週の中頃だったと思う。

幼稚園に着き教室に入ると姪が先生に本を読んでもらいながら昼寝をしていた
姉を見て二人は立ち上がると互いに挨拶を交わし、姉は遅れた事を詫び、先生は昨日の姪の様子を報告した。
その中で気になる事があった
先生が夜中、見回りのために起きると姪の布団が空だったそうだ
驚いて他の先生方を起こしてトイレや他の教室を探したが見当たらない、全員青くなったそうだ、それはそうだろう
結局、姪は見つかった、幼稚園の門の所に一人でボーっと立っていたそうだ
先生は詫びるとともに、きっと寝ぼけたんでしょう、と笑いながら言ってはくれたが
オレには姉が眉を顰めるのがわかった
帰りの車内では姉も姪も口数が少なかった
徘徊癖でもあるのだろうか、この子は
幼い子が自立するとき、一時オネショをしたり、そんな癖が出るという事を何かの本で読んだことがある
同時にオレが離婚する前(実はバツイチ)、娘がちょうど姪と同じくらいの歳の時、義父が死んで丁度四十九日になる日の夜中、やはり同じ様な事があったのを思い出した




744:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:42:21 ID: 68wuSE2E0

その時は2DKの狭いアパート、探すまでもなかったが。
娘は玄関の前に立っていた、ドアの向こうにジージが来ていると。
 家に着くと、甥は茶の間で寝ていた。
クーラーがよく効いていて、甥はゲームのコントローラーを握ったままグッスリと寝ていた
コントローラーを離し、タオルを掛けてやろうと思い甥の傍に屈み込んで気が付いた
その頬に一筋、髪の毛が張り付いていた
クセのある甥や姪の髪の毛ではない
また薄く茶色染めた姉の髪の毛でもない
ましてや短く刈り上げたオレのものではない
ショートカットくらいの黒い、太目の髪だった。
それを手ではらってやると、コントローラーを仕舞い、タオルをかけてやると、その場に座り直し再び姉と姪の事を考えた、再度頭をもたげてきた人形の事はなるべく考えずに。

しかし考えの途中で、ふと思い当たる事があった
ダニやカビの中には、アレルギーを誘発したり、内臓に損傷を与えるものがあることを思い出したのだ
それがあの人形に付着していたとすれば?
充分に考えられる事だ。
幸い学生時代の友人に芳香剤の開発室に勤めている奴がいた、かなり畑は違うが顕微鏡くらいはあるだろう、そいつに頼めば調べてくれるかもしれない。
もとから楽天的なオレは安易にそう結論付けた。
しかし、解せないのは何故、口内炎を同時に患いしかも、姪は一晩で収まり姉はまだ続いているのか
抵抗力の問題か、それなら子供の方が低い気がする
あるいは体質か。
とにかく、あの人形からサンプルを取らなくてはならない
昨日は無かったが、明日もう一度よく探してみようと思った
まずは来週の検査の結果を待って、必要ならば友人にそれを送ろう。
雑貨屋で軍手とピンセットも買った方がいいかもしれない。

その日オレと姉は昼飯も食っていなかったが、もう陽は傾いていた
姉はダルそうであったが、強いて子供達のために夕食を作った、この余計者の為にも
肩身の狭い思いがしたが、今はこの親子の側にいた方がいい気もする
そして検査の結果次第では義兄にも話しを通した方がいいかもしれない
そこまで考えてオレはハタと気が付いた
母屋はどうした、まず姉の義父母、義兄達に相談すればいいではないか




745:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:43:05 ID: 68wuSE2E0

その晩、何故か甥が一人で寝るのを非常に嫌がって、結局オレの部屋で一緒に寝ることになった。
オレにあてがわれた部屋は二階の真ん中の部屋
二階にはこの部屋の両脇に、一つは半ば納戸代わりに使われている四畳半くらいの部屋が一番奥に
もう一つは義兄が書斎として使っている部屋が階段寄りにある。
甥と姪の部屋、それから姉夫婦と姪の寝室は一階にある。
建て売りではない、設計士が義兄と相談しながら図面を引き
地元の大工が建てた割合としっかりした造りの家だ。
建ててまだ10年建っていない。
その家が微かにだが揺れだした
地震、小さいが確かに揺れている
まだ起きていた甥が布団から飛び出して、しがみついてきた。

けっこう長く揺れが続いたような気がしたが、実際には10秒位ではなかったろうか、オレもあの地の底の唸りのような地震というものは嫌いだ
揺れが完全に収まると、オレはまた一昨日の夜と同じ様に、甥を腰にまとわりつかせて階下に姉たちの様子を見に行った
部屋の前に立ち襖を軽く叩いた、応答はない
そっと開けてみると、姉も姪も寝ていた
小さくはあったが、かなり小刻みに揺れていたはずだ
二人とも余程疲れているのか、眠りが深いのか

襖を閉めて、茶の間に入るとカーテンを開けて母屋の様子を伺った
この家と母屋の位置関係は互いの家が見えにくかったが電灯は点いていないようだ
念のため窓を開け庭に降りてみた
やはり誰も起き出してきてはいないようだ
もっとも震度2程度なら気が付かなくても無理ないか
でも毎年この時期になると毎年、東海沖地震が囁かれる中、静岡に住んでるならもう少しデリケートであって欲しいとも思う。
振り返って家の方を見る
甥が窓際でこちらを見てる、逆光で表情は見えない
茶の間に戻り甥を二階に促す、瞬きが妙に少ない
まだ怯えていた、甥もオレも。
とたん東京に帰りたくなった、娘と、二人の息子に会いたくなった。




746:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:44:09 ID: 68wuSE2E0

甥と二人、再び布団の上に横になった
昼間の事がまだ頭の中に残っていて、念の為、甥に聞いてみた
あの人形の事、何か知らないか
あるいは、あの人形、どこかに移動しなかったか
甥を疑っているわけではなかった、ただ念の為
昼間、頬にあの髪の毛が張り付いていたのが気になっていたから
あるいは人形の件は甥の質の悪い悪戯か
みんなが、いやこの時点ではオレと甥だけだったか、疑心暗鬼になっていた気がした
甥は、知らないと言った、あの人形には触りたくないとも。
オレも同感だよ。
翌日、オレは神社に行った。
かなり探したが、やはり人形は無かった
あるいは猫がくわえて、縁の下にでも持ち込んだか
そこまで探した
シンの三柱(スマン漢字が出てこない)、この下にもあったのかどうか、そこまで確かめる余裕はなかった
ただ帰り際に古びだ板に書かれた、この神社の祭神を読んだ
素戔嗚尊、櫛稲田姫尊、それともう一つ、読みがまったくワカラン、毒蛇気神尊
ドクジャキシンノミコト!?
この読みが分からない為、オレ達は結局苦労した

肝心の人形が見つからずオレは途方にくれた
しかし、何もあの人形でなくても、同じ場所にあった物なら同じ物が付着しているかもしれない
姪がどの辺りから、あの人形を引っ張り出したのかはしらないが、とりあえずオレは、箱の中に積まれている物から
上層部から一点
中頃から一点
それと下の方に格子からはみ出てる破魔矢の羽根に黒いシミがあったものだから、ついでにそれも
計三点それぞれの一部を切り取ってケースの中に収めた
その日、神社から帰った後、オレは母家に行った
姉の様子を少し伝えておいた方がいいと思ったからだ
ついでに、あの神社の管理者、あるいは神主の住所も尋ねてみようと思ったが説明するのが難しい
結局その日は聞かずにおいた




747:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:45:03 ID: 68wuSE2E0

この家でスイカを馳走になった、身の黄色い小玉西瓜だった、種が少なく、よく冷えていて非常に美味だった
姉にとっては義姉にあたる、小柄だが気さくな奥さんが、ウチではまだ西瓜を井戸で冷やしてる、と半ば自嘲気味に
半ばは自慢げに言っていた

この家でスイカを馳走になった、身の黄色い小玉西瓜だった、種が少なく、よく冷えていて非常に美味だった
姉にとっては義姉にあたる、小柄だが気さくな奥さんが、ウチではまだ西瓜を井戸で冷やしてる、と半ば自嘲気味に
半ばは自慢げに言っていた

そう、この敷地には井戸があった
この地方は海が近いが、ワサビの名産地でも知られる水の綺麗な所でもある
そして水を大切にする所だ
その井戸の傍らに木でできた小さな祠、稲荷のようなものがある
毎朝その前には白米、菓子などを供えるのがこの家の決まり事だ
何を祭っているのか、まだはっきりとは聞いたことはない
が、水を鎮る神様だと言う
昔、この地方を悪い疫病が襲い多数の死者が出たらしい
手を尽くしたあげく、原因は水から、となったらしい
それからだそうだ、どの家でも井戸の傍らに祠を置くようになったのは
母家を辞して姉の家に戻った頃は、もう昼時になっていた
ただそれがどれくらいの昔なのかはわからない

素麺のツユを垂らすなと、姉が姪を叱っている
姉の顔に、以前にはない険があるようだ、母家の奥さんの朗らかな顔を思い出しながらそう思った
午後は本屋に行くつもりだった
この時点でオレは神秘主義に陥っているつもりはなかった、ただ何となくあの神社の祭神に興味を惹かれたからだ

日本の神々、似たような本は何冊かあった
どれも素戔嗚尊、櫛稲田姫尊の名はあるのだが、毒蛇気神尊の名はどの本にも見当たらなかった
姉の家にはパソコンがない
仕方なく予め状況を掻い摘んで報せておいた、先の友人にネットで検索してもらう事にした




748:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:52:36 ID: XmXn5Sn80

素戔嗚尊、本には元々は出雲の地方神だったらしいがインドの祇園信仰と融合する事で全国で祭られるようになったらしいと書かれている
説明は省くが牛頭天王と同一と見られる事が多いそうだ
八坂神社、氷川神社に祭られる
御利益は災厄、疫病を除くと書いてあった。
櫛稲田姫の方は古事記では櫛名田比売、日本書記では奇稲田姫と書くらしい、素戔嗚尊の妻
有名な八岐大蛇退治のヒロイン
名が示す通り、稲、水田の神様
素戔嗚尊が祭られている神社には大抵一緒に祭られているらしい
他にも色々書いてあったがよく解らんし退屈だ
本を枕に寝てしまった

目を覚ますともう日が暮れかけていた
またか、と憂鬱になる
最近、夜になるのが怖いような気がするのはオレだけだろうか
とりあえず飯を食わせてもらいに階下に降りる
姉は相変わらず辛そうだったが皿を並べている、甥がそれを手伝っていた
オレも手を貸そうとしたところへポケットの中の携帯が鳴った
東京の友人からだ
オレは通話にして庭におりた
彼の話を要約すると、毒蛇気神尊の言葉にヒットするサイトは五件にも満たなかったそうだ
しかし、この同じ静岡県にあの神社とまったく同じ三柱を祭る神社があるそうだ
ただ、そちらの方は神主も常駐しており、由緒も正しいなかなかに大きな神社らしい

関係者に迷惑が掛かるのでこれ以上の事は書けない

どうも牛頭天王と婆梨妻妻女との間の子、八王子の内の誰か、あるいはその子孫の誰かのことを指すらしい
なんの神なのか、なんと読むのか、それ以上詳しい事は、その時は解らなかった。
礼を言って携帯を切った
家の方へ振り向くと窓が開けっ放しだったことに気が付いた。
うっかりしていた、蚊が入ってくる
オレは家の中に入り窓を閉めた。




749:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:53:29 ID: XmXn5Sn80

その晩も甥は枕を抱いてオレの部屋にやって来た
だが昨晩よりも幾らか表情が和らいでいたので、オレも少しは緊張が解けた
同時に、姪も姉と共にやってきた
さすがに姉も気になるんだろう
もしもウツる病気ならば困るから、しばらくオレの部屋で寝かせて欲しいと。
それならば、姉が作った料理を毎日食べ、同じコップで水を飲んでいるオレ達にとっては、科学的にはあまり説得力のない提案だとは思ったが、ここは姉の言葉に従った

今ならわかる、当時離婚したばかりのオレは、小さな、頼りない命に餓えていた、誰かを、全力で守りたかった

甥が姪の布団を抱えて上がってきた
甥にとってはキャンプな気分だったのかもしれない

この二人に限らず、親類の子供達にあう度に、愚にもつかない怪談話をして、怖がらせては面白がっていたオレだった
だが、この時はそんな気分でもなかったし
また、そんな雰囲気でもなかった
で、オレはスサノオのオロチ退治の話をしてやることにした
今日買った本の内容を子供向きにして
今から思うと子供には充分コワいか

最初に甥が寝た

姪の方はまだ眼が冴え冴えと、じっと天井を見ていた
次に寝てしまったのはオレらしい

夜中、顔にサワサワと顔に何かがあたる感じがして、くすぐったくて目を覚ました
こじ開けるようにして瞼を持ち上げた
目の前、顔のすぐ近くにあの人形の顔があった
頬に人形の髪の毛があたっていた
人形の肩の辺りに小さな指が見える
悲鳴をあげるのは、生涯、後にも先にもこの時だけのために取っておいたのに




750:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:54:50 ID: XmXn5Sn80

人形の顔の、そのまた背後に姪の顔が見える
姪が人形を捧げ持ちオレに向けて何かを喋ってた
人形にオレを紹介してるのか?
体が動かなかった目玉だけが、ただギョロギョロと自由に動かせた
声も出なかった

悲鳴をあげるのは、生涯、後にも先にもこの時だけのために取っておいたのに
ここで、当時のオレの状況を説明しておく
姉の家に居候していた時、オレは離婚を機にそれまで15年勤めた会社を辞めていた
結婚と同じ様に、離婚もまた体力と精神力を消耗する
しかも結婚は二人の共同作業だが、離婚は独りの戦いになる
疲れていた、心身共に
退職金は丸々元妻に渡したが、失業手当は 三ヶ月は出るのだし
前に来て、この街の風景が気に入っていたから、少し静養するつもりだった、もちろん三ヶ月丸々ここに居座るつもりはなかったが
丁度、旦那が単身赴任、姉夫婦にとっても悪い話ではなかった、いわゆる番犬がわりだ
ことわっておくが、オレは腕に自信はない、非戦闘民族だ
オカルトは好きだが、呪文などしらない
そして疲れてもいた
この状況下でオレに何ができたろう
全てが見間違い、勘違いの世界ではなかったか
今、他人と変わりない日常を送っているオレはそう思う、あれは本当に現実のことだったのか
だからこうして書く、一つひとつ、当時の事を思い出しながら




751:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:55:35 ID: XmXn5Sn80

話をその晩に戻す
人形はオレの顔の前にあった
オレは金縛りにあったように動けない
今まで、金縛り、って現象に出会った事は何度かあった
だけど、瞼を閉じることも出来ない、そんな金縛りははじめてだった
それに、姪が呟いている、この言葉は何語だ?
もとより西洋圏の言葉でないのはわかる
でも、中国、韓国、そんな言葉でもない
強いて言えばやはり日本語か
も少し、日本語勉強しとくべきだった
ソミンって言葉、皆知ってるか?
当時のオレは全く知らなかった

結局、そのまま人形とにらめっこをしているわけにもいかず、オレはいつしか寝てしまったようだ
瞼が閉じれた所までは覚えている
朝起きるとオレと姪の布団の間にその人形が置かれてあった
その時、改めてくだらない事に気が付いた、人形って、いつ寝るのだろうか
隣に寝ている姪もまた、目を開けてジッと天井を見ていた、この子は昨夜寝たんだろうか
昨夜の事が、夢か現実なのかよく解らないまま、甥を起こし、三人で階下に降りた
いつものように朝食が出来ていた
姉は首の下、二の腕に以前あの斑紋はあったが、今朝は心なしか気分がいいように見えた
それに姪があの人形を抱いていることにも、何も言わなかった
むしろ、甥の方があの人形を部屋に置いてくるように、しつこく妹に言っていた

食事の後、甥がやってきてオレの耳元で囁いた
昨日の夜は怖かったでしょ、と
見ていたらしい、昨夜の事を
そこでオレは改めて、あれが夢ではなかったと思うと共に、あの人形がどうして再びこの家に来たのかを思った
あの神社に人形を戻しに行った日から、姪は神社に行く時間など無い
強いて言えば昨日オレが本屋に行ったときか
だが姪も姉も出掛けた様子はなかったが
甥はその時間、学校のプールに行っていて、知らないという




752:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:56:32 ID: XmXn5Sn80

姪が人形を抱いて玄関を出るのが見えた
どこへ行くのかと思えば母屋へ行ったらしい
この家、母屋と反対側に玄関がある
つまり通りに面してそれぞれに玄関があるわけだ
通りに出ても互いに行き来はできるが、普段は庭を突っ切って、互いの茶の間から出入りしている
だから姪がわざわざ通りに出るのを見て、回りくどいことだと思った

その姪が、今度は母屋の茶の間から出てきて、祖父の(彼女から見て)手を引いて庭に降りてくるのが見えた
どうやら蔵に入るらしい
人形の事は一時忘れて、オレは好奇心に駆られた
あの薄茶の土壁の蔵、オレも前々から興味を持っていたが、まだ入った耕とはなかった
オレはさっそく甥を誘って庭に降りた

蔵には普段は黒くてゴツい鍵が掛けられているのだが、思った通りその時は外されて扉は開け放たれていた
オレは中にいる老人に軽く会釈をすると、甥とともに中に入った
何を出すのか、とオレは聞いた、手伝いますとも
老人の話では、そんなにたいそうな物ではないらしい
これくらいの、と言って彼は胸の前に手を広げて見せた
小さな木の箱らしい
姪の方を見ながら、どこに仕舞ったか覚えとらんぞ、というような事を言って、またそこいらを探し始めた
甥が妹に、何を探させているのかと聞いた
姪が答える
ソミンショウライフ
ゴズテンノウサイモン
何語だそれ?
ゴズテンノウはわかったが後の言葉は解らなかった
だが姪はかなり明瞭にその言葉を言った
そして甥もまた、ジィチャン、あれ蔵に入れてるのか、バチあたるぞ、そんな意味の事を言った
爺様答えて、古いやつはな。




753:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:57:09 ID: XmXn5Sn80

蔵には他にも鎧甲やら長持ちやら、興味を引きそうな物が色々とあったが
その聞き慣れない言葉に、幾分かの肌寒さとともにオレの耳は釘付けになった

蘇民将来符、そういう字を書くそうだ
オレにとっては、その言葉、聞くのも初めてだったし、その実物を見るのも初めてだった
それを納めた箱は幾つもあった
何れも中に納めた将来符は大きさもまちまちだった
ただ形は断面が六角形であり、先が尖って、何かチビた鉛筆のようだった
その鉛筆の腹には絵と文字が書いてある
中には飴色をしたものもあり、その色からして相当古そうな物もある
牛頭天皇祭文、こちらの方は将来符の縁起を記したもの
牛頭天皇、今は素戔嗚尊と同一視される事が多い
蘇民に茅の穂を渡し、我は素戔嗚尊なり、そう言って去っていった風来坊
何れも、信濃、今の長野県の国分寺が有名なので、ググればすぐ見つかるから興味がある方は引いてみるといいだろう
国分寺では、毎年一月の7日と8日にその護符が配布?されるそうだ
効能は災難を取り除く?
但し表面に書かれた言葉によって多少、その意味が違うそうだが

小難しい話は少し置く
実際、当時、友人(めんどくさいから、以後、メタギアのオタコンにするな、実際よく似てる)
からの情報では、あまりに聞き慣れない漢字が多く、その場ではよく理解できなかった

ただ何故、姪がそんな物を欲しがったのか
それは爺様の次の言葉で合点がいった
母さん早く良くなるといいな、と
なる程、疫病にとらわれていたが、病全般に効くものものだろ、この将来符とやらは
翌日は、病院へ姉の検査の結果を聞きに行く




754:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:57:40 ID: XmXn5Sn80

姪はその将来符の内、手のひらに収まる位の、一番小さいものを手に取ると、それを人形の帯に挟み込んだ
人形の不思議さがまた一段増した気がした。
聞いたところでは、本来は将来符というのは、家の中、神棚や鴨居の上に並べ立てて置くものだそうだ
けれどその家では何年か前の、静岡に地震が頻発した際に落ちてきて、太い鉛筆のような尖った先端が爺様の頭を直撃したそうで、以来、箱に収めて蔵に入れたそうである
材質は主に柳だそうだが、他に桐やタラも使うそうだ、何れ大きなやつならば、結構重かろう

蔵を辞すとオレは甥を連れて姉の家に戻った
姪の方は母屋の子供と遊ぶと言い、爺様と母屋に向かった
途中、井戸の横を通り過ぎる、祠にその日は桃が備えられていた、昨日は何だったろうか。
家に戻ると姉が今し方、地震があったと言う、けっこう揺れたと。
確かに蔵というものは堅牢な造りのものだというが、それにしても中には細々としたものがいくらも積まれてあって、それらがカタリともしなかった。
先の夜の事があったから、甥の口は開けたままになった。

家鳴り、その殆どは排水溝や、近くを走る高速道路などの振動が、ある特定の場所に伝わるもの、つまり一種の共鳴現象だ。
だが、そうとも言えない、とても共鳴とは言えないほどの揺れを体験した人もいるという、日本にも外国にも。
家鳴りとは違うが、昔、山に行ったとき、麓の河原の側で一泊した
オレ達以外に野営している者は付近にはいなかった
近くに古びた神社があった
閂が差し込んであるだけだったので、面白半分に友人と忍び込んだ
暫くして板壁の左右、後ろを、モノ凄い勢いで叩かれた、地震なのか、獣でも壁に突っ込んだのか、今もって解らない

とにかくオレは部屋に戻ると、机の上に念のために水を入れたコップを置いた
その時に、出来ることがあれば、取り合えずやってみる主義だ
一時間程して姪が戻ってきた
スーパーの袋に、母屋から桃を貰ったと、幾つか入れて帰ってきた、たぶん祠に供えてあったのと同じ桃だろう
何故か姪は、夕食を前にしてそれを剥けとせがんだ
よく冷えた桃だったが、一つだけヌルイのがあった、祠に供えてあったものだろうか。




755:名無しのオカルト 2007/11/05(月)00:58:11 ID: XmXn5Sn80

その晩、コップの水に波紋はでなかった
今日もオレの部屋で寝る甥と姪は、始終、興味深げにコップの表面を眺めていた
姪は、今日は人形を持ってこなかった、部屋に置いてきたと言う。

翌日、姉と、姪を連れて病院に向かった
病院という所は意外と病気を貰うところで、姉は姪を連れて行くのは嫌がったが、何故かオレは目を離すのが不安で、強いて連れて行くことにした
甥は母屋に預けた
何となく、誰かをこの家に一人で残しておくのが不安だった

検査の結果を説明された、この時はオレも一緒に病室に入った
姪は待合室に残したが
医者の説明では、確かに肝臓が少し腫れているようだと言う
しかし血液検査では何も見受けられなかったとも
当時のその時点では、肝炎もなく、しかし急激な発症例からすると、肝吸虫症、肝ジストマ症が考えられると言う
胆管に寄生する寄生虫らしい
即、検査入院を勧められたが、事情を話して明日にしてもらった
今となっては、その判断は後悔している。
家に戻り、明日の入院の用意をしている時、姉はいきなり倒れた
オレは救急車を呼び、甥を母屋に走らせた

義兄が到着したのは、その晩も更けようとしている頃だった。

義兄は既に病院に立ち寄ってきたそうだ
担当医はいなかったが、看護士の話では、便検査が必要との事、便採取は姉が倒れていた間に済ませており、明後日には結果が出るとの事
そして今は命に云々という状態ではなく、比較的落ち着いてるとの事
それを聞いて義兄は取り合えず家に戻ったわけだ
一通り、話が一段落した後、オレはあの神社の事を彼に聞きたくなった
場合が場合だから、オレの思った事をそのまま聞いたならば、こんな時になにをバカな事を、と一喝されるのは分かっていたから、なるべく婉曲に、世間話に織り交ぜて。
それでも不快かとも思ったが、以外にも義兄は話に乗ってきた




759:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:06:08 ID: zCsWmvYU0

以下、義兄の話
あの神社の奥、一般に神の場所とされている所に、井戸があるそうだ
人はその水は飲むことが出来ない、所謂、神の水という事らしい
その井戸の傍で、義兄の同級生、当時、小学五年生くらいだったらしい、が猫を捨てたそうだ
捨てたというよりも、箱に入れて、そこで育てるつもりだったらしい。
その同級生は、仲のよかった義兄に、その事をそっと耳打ちしたらしい
義兄も二、三日の内にはその猫を見に行くつもりだったらしい。

猫に関連する話
その話、当時の地方新聞にも書かれた事なので、あまり詳しくは書けない
ただ、義兄は、その日もその同級生が猫に餌をやりに、あの神社に行くことは知っていたそうだ
だけどその同級生は、その日、家に戻らなかったそうだ
当然、男子行方不明、学校でも朝礼でその話が出たし、新聞にも載った
両親も、いずれは見つかると思うだろう、ずいぶん長い間、その土地に住んでいたらしいけど、やがて諦めたのか、他の土地に引っ越したらしい
で、猫の事だが、箱に入れられた猫は、首が切断された状態で、箱に納まっていたそうだ
もっとも、猫の件は、新聞ネタなのか、クラスの怪談ネタなのかはっきりしないが
だから、義兄に言わせると、あの場所は人が入ってはいけない場所だそうな
そう言われると、余計に入ってみたくなる、オレの性分

ここで、病院の話に出た肝吸虫症について、雑学程度だがも少し書いておきたい
この寄生虫、まずタニシなどの貝に寄生するそうだ、そしてその貝を食べた鯉やフナなどを加熱せずに食べると、人間を宿主として胆管に留まる
潜伏期間は6〜8週間位だそうで、発症しても初期の頃は自覚症状が無いことが多いそうだ
但し重度になると死亡するケースもある
日本ではあまり例がない病気だが、韓国から中国、マレーシア、カンボジアと、中央、東南アジア圏によく見られるらしい。
8週間前と言えばオレが来る前の事だが
しかし海外に旅行したとは聞かないし




760:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:07:15 ID: zCsWmvYU0

食べ物にしても、姉は元来、生物はあまり口にしない方で、まして川魚の洗いなどは食べないだろう
子供の頃、父方の実家に行くと、よく鯉濃を出してくれた
交通の便が悪い、山の中の事だったから、せめての滋養、ご馳走だったのだろう。
だが姉は、生臭い、泥臭い、と言ってガンとして食べなかった。

義兄がシャワーを浴びるため、話は一時中断した
浴室に向かう前に二階に上がったようだ
書斎に荷物を置きに行ったのと、今日もオレの部屋で寝ている子供達の様子を見に行ったのだろう

その夜、妙な所からあの人形の出所がわかった
あの人形は、おそらくは、棄てたものではないそうである。
あの人形の所有者は、あの神社のはずだ、と。

義兄はシャワーから戻ると、ビールを出して再び話し始めた
今度はオレが尋ねるというより、彼がオレに畳み掛けるといった感じだ
姪の枕元にあった人形を見た義兄は、まず、あの人形はどうしたのかと聞いた
オレが答えるより早く、彼は、あの人形を見たことがあると言った

子供の失踪というのは、身代金の要求とか、表沙汰になるもの以外にも、けっこうあるそうだ、実数はオレは把握できてはないが。
青年の場合ならば家出、駆け落ちがかなりの割合である
だがそれが比較的低年齢、小学生ぐらいの場合には、親、警察等が先ず考えるのは、事故だ。
義兄の同級生が失踪した当時、まず側にあった井戸が調べられた
神主の立ち合いのもとで。
次に拝殿、社の中だ
同時に、その時同級生が社の奥で猫を飼ってる事を知っていたのは、おそらく義兄だけだったのだろうから、当然、彼も重要な参考人として、警察官と共にその場に同行していた。
その時に見たそうだ、社の中を。




761:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:07:55 ID: zCsWmvYU0

中央に銅鏡のようなものが有って、その前に黄色い稲の穂のようなものがあったそうだ
そして、そのさらに奥、左手に一段低い台、というか棚の様ものがあったそうだ
その棚に、20体ばかりの人形が飾ってあったそうである
顔の造りはまちまちで、中には御河童頭の男の子の人形もある
しかし何れも着物を着ていて、今にして思えば、何となくだか、昭和の初期か大正くらいのものではなかったか、そう言っていた
確かにあの人形も、オレの祖母の家あったものと同じ、大正時代か昭和の初期の作、顔は少し扁平だか、何やら気品のある顔立ちだ
作りも今の人形より精巧なような気がする
勿論、オレはその辺りのことは素人なのだか。
後で知った事だが、人形というのは、着物をめくると、腹の部分に、その作者の名前が書いてある事が多いそうな
それを知っていれば、あるいは何かの手掛かりにはなったかも知れない

義兄の話に戻す
あの人形、顔の作りも、着物の柄も、あの時、棚の一番上の、端にあった人形によくにてると。

義兄の年齢から考えると、当時の件は昭和の40年代も半ばの頃だろう
当時の日本の農村には、まだ肥壷なんてものが当然あった
あれ、深さが二メートル近くあって、けっこう深いんだ
大抵は、木の蓋がしてあるのだが、中には蓋もして無く、表面がカパカパに乾いていて、まわりの地面と区別がつかなかったりする
だから、神社からその子の家までの経路、そんな所にも捜査が加えられた
しかし、その子の行方は杳として知れなかった

よく憶えてくれていたと思う、当時の事を
一因として、義兄は、オレと同じメモ魔だったから
一方は、それを武器にして出世したが、また一方は、それがアダとなり、離婚、退職(オレ様)した
話の本筋とは違う、オレの愚痴。
とまれ、話は人形に戻る
その社の人形を見たとき、神主が大雑把に説明してくれたそうだ
その人形の由来を。




762:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:08:42 ID: zCsWmvYU0

神主の話によると、大正の終わり頃、先代の神主の時に、この村でコレラが流行ったそうである
現代の日本では発生も稀だし、症状も軽くに抑えられるが
当時、村、と呼ばれていたこの地域の医療技術や、衛生観念がどの程度のものだったのか。
体力のある壮健な男女は治癒したそうだが、結果的に幼い子供や老人にかなりの死者が出たそうである。
1ヶ月程で流行は下火となったが、その盛りの時に、先代神主が、疫病、災厄除けを、かの神社に祈願したそうである
村中総出のことで、歩ける村人は皆集まったらしい
その時に、既に亡くなってしまった子供らの人形も供養して神社に納める事になったらしい。
つまりその人形達は、その時に亡くなった、全ての子供らの依代みたいなものかも知れなかった
そんな人形を、姪は持ち出してきたのだ。
結局、その時の原因は井戸からと後になってわかったらしい
どこの家でも井戸に蓋がされ使われなくなり、かわりに脇に祠が建てられた
水質検査をして使用できるようになったのは戦後の事らしい。
その夜、姪の枕元にある人形を見ながら、寝床で考えた
でも、何故将来符なんだ
姪なりの供養の仕方なのか。

翌日、昼近くになって、オレ達は車で病院へ向かった
今日は甥と姪も一緒だ
病室に入っていくと、姉は半身を起こして出迎えてくれた、まず子供達が駆け寄っていく
姉は義兄の顔を見ると、少し驚いた顔をしたが嬉しそうだった
久し振りの親子四人の対面
オレは姉に、入院時の足りないものを聞くと、売店に降りて行った
姉に言われたものを買うと、この売店には本屋もある事に気がついた
少し時間を潰そうと思った。
なる程、病院には子供から老人まで、様々の人が入院している
絵本から盆栽の本まで小さいスペースながら、様々なジャンルがあった。
店内を物色している内に、ふと一冊の小誌に目がいった
おそらく自費出版に近いものだろう
装丁もただ厚紙にタイトルの、○○市郷土民族史、と印刷されただけのものだった、著者の欄には○○会とあった
その本を持ってレジに向かった。




763:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:09:41 ID: zCsWmvYU0

病室に戻ると、姉に売店の袋を渡し、いくつかの会話の後、あとは義兄にまかす事にして、オレは病室を出た。
今日はこれから、昨夜聞いた、神社の奥の井戸に行くつもりだった、暗くならない内に。
バス停に向かう道々、オレは姉の事を考えた
今日は比較的、楽そうだったが赤い斑紋は増えている気がした
蜘蛛状血管腫と呼ばれているそれは、別名、メデューサの首とも言われている。

車中では、先程買った本を流し読みする。
やはり、昨日聞いたコレラの記述はなかった
市の中では、小さい町だ、あの地域は。
だが、それよりも目を引く記述があった。
天保年間後期、あの地域を、痘瘡、天然痘が襲ったそうだ
最初、災厄は隣の村から来て、あの村に住み着いた
死者の数限りなく、一日に、棺桶が幾つも寺に運ばれる
仕舞には棺が間に合わず、遺体を剥き出しのまま、河原で焼いたそうである
死臭と線香の臭いが混じり合い犬も居なくなったそうだ
同時に、隣村からは閉め出され、村は完全な孤立状態になった

天然痘の不思議なところは、10人の内、4人は病に罹り命を落とす
4人は罹患はするが何とか命は助かる
そして残る二人は、罹患もしないというところがある
生まれつき抗体を持っているのか
その時の詳しい記録は、あの地域で最も古い寺にあると書いてあった
そこまで読んで、オレは思った
あの神社、もしかしてその時に建てられたものじゃないかと。

バスを降りると、オレは荷物をとりに一度姉の家に戻った
ラジオ付きの非常用懐中電灯、五徳ナイフ、オフロードバイク用の革手袋
そして5mと10mの細引き二本、針金とラジオベンチ、タッパーとマグカップ
それがオレのフィールドワークの基本だ

まだ陽は高い、だか少し早足で神社に向かう




764:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:10:17 ID: zCsWmvYU0

夏休みである筈なのに、この神社には大抵、子供は遊んでない
神社の横を通り、さらにその奥、裏手の森に入っていく。
井戸はその中にひっそりとあった
屋根も、釣瓶も桶もない、正に神だけの井戸と言う感じだった。
井戸そのものは、コンクリでも煉瓦でもない、自然石を組み上げたもの
ある程度の時間は経っているだろう、まわりには苔が生えていた
周りは畳6畳ほど開けていて、地面には丸い石が敷き詰められている。
オレはそっと近付いていき、中を覗いてみる
ほんの4、5メートル先で光は届かない
昼間だというのに、森の中は薄暗い
懐中電灯で中を照らしてみる
ずっと下に、あれは水面か、灯りに照らされ反射している
ここで下から、髪を振り乱した女が壁をよじ登ってきたらオレは泡吹いて気を失うだろう
と、どこかの映画のワンシーンを思い浮かべた

その辺りに落ちている石を拾ってみる、頭上に差し上げ真下に落とす、高さ約2m、下に落ちるまで約20フレーム
その石を今度は井戸の中に落としてみる
一、二、三…と数えて約12、3mか、中に入る気はサラサラ無いが
しかしポチャンと音がした、水はある。
井戸の中を覗いている内に、何だか鼻の奥がツンとなった
いわゆるスポットめぐり、をしている時に、たまに起こるオレの習慣、たぶん感傷だったろう
この神社がオレの想像通り、その時建てられたのなら、何の為にこの井戸が掘られたのか
あの時、無事治癒し、何とか命を拾った者も、結果的には村から追われたそうた゛
わずかばかりの食料を与えられ、山の奥に追われたそうだ、つまりは死ね、ということだ
痘痕がのこり、失明する者もいた、醜い姿になった彼らは、再び村に災厄を呼ぶと言ってね
抗体をもち、再び痘瘡に罹ることはない彼らを。
だが、天然痘は完全に世界から駆逐され、文明と技術の恩恵に溺れているオレ達には、彼らの無知を笑う権利はない

帰る時に改めて気がついた、オレが来た左側とは反対に、左側にも誰かが歩いた跡がある
誰が最近この井戸を覗いたのか




766:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:11:27 ID: zCsWmvYU0



【続きを閉じる】
528 :本当にあった怖い名無し:2007/08/27(月) 04:35:41 ID:Ke3p+1fDO
(す)
これは告発ではないよ、全然

その村の歴史
いま、自分達が住んでいる街、100年、わずか百年前はどうだったのか
少し調べてみるといい

無駄なことは全てはぶく
(す)、と、(ん)
およそ200文字、やはり、それで終わらせたい

先を急いでいる人がいるし、オレも少し疲れた
やはりあの時の事、思い起こすのは少しシンドイ
結果的に言うならば
姉は死んだ、そして姪も
はっきり言って、あの家族は崩壊した

残ったのは、甥と彼の弟だけである




768:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:12:52 ID: zCsWmvYU0

以上

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

からのコピペでした。




773:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:31:21 ID: tQR5MHghO

>>768
懐かしかったが、コピペなら言っとけ。
当時もラストでガックリしたのに、またガックリしたぜorz




772:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:23:04 ID: ayrKBfrv0

>>768
とりあえず1レスに収まる要約プリーズ




774:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:32:16 ID: zCsWmvYU0

姪っ子が神社から人形を拾ってきました
その神社に返しても戻ってきてしまう人形・・・
それから自分の姉(姪の母親)の体の調子がおかしくなりました
自分なりに色々神社の成り立ちなどを調べたり、姉の旦那に話を聞いたりして人形の成り立ちを
突き止めますが、時既に遅し・・・・




777:名無しのオカルト 2007/11/05(月)01:49:25 ID: ayrKBfrv0

>>774
人形の成り立ちプリーズ




778:名無しのオカルト 2007/11/05(月)02:03:54 ID: zCsWmvYU0

その昔、その土地で伝染病で多くの人間が亡くなった。子供も少なくなかった。
その亡くなった子供と一緒に大事にしてた人形を供養して神社に納めたらしい。
そんなやっかいな人形を姪っ子は持ち出したらしい。

つーか読めよw




779:名無しのオカルト 2007/11/05(月)02:09:45 ID: ayrKBfrv0

>>778
サンクス。
いや、ほら、携帯小説とかの長文って、読んだあとのガックリ感がすごいじゃないですか
あらすじとオチで読むか読まないか判断しようと思って






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9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2000/08/02(水) 07:03
私は夢をみていました。
昔から私は夢をみている時に、たまに自分はいま夢をみているんだと自覚する事がありました。
この時もそうです。

何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。
すると急に、駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。
それは『まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~』と、意味不明なものでした。
まもなく駅に電車が入ってきました。
それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので、数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。
私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなり、
その電車に乗る事に決めました。
本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。
私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。


12 :まだつづくぞ!:2000/08/02(水) 07:09
私は電車の後ろから3番目の席に座りました。
辺りには生温かい空気が流れていて、本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
『出発します~』とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。
これから何が起こるのだろうと、私は不安と期待でどきどきしていました。

電車はホームを出ると、すぐにトンネルに入りました。
紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。
私は思いました。
このトンネルの景色は、子供の頃に遊園地で乗ったスリラーカーの景色だ。
この電車だってお猿さん電車だし、
結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけで、ちっとも恐くなんかないな。

とその時、またアナウンスが流れました。
『次は活けづくり~活けづくりです』
活けづくり?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。
振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに、
四人のぼろきれのような物をまとった小人がむらがっていました。
よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、本当に魚の活けづくりの様になっていました。
強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。
男の体からは次々と内臓がとり出され、血まみれの臓器が散らばっています。
私のすぐ後ろには、髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、
彼女はすぐ後で大騒ぎしているのに、黙って前を向いたまま、気にもとめていない様子でした。
私はさすがに想像を超える展開に驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ、恐くなり、
もう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。

気が付くと、一番後ろの席の男はいなくなっていました。
しかし、赤黒い血と、肉の固まりのようなものは残っていました。
後ろの女性は相変わらず無表情に一点をみつめていました。
『次はえぐり出し~えぐり出しです』とアナウンスが流れました。
すると今度は二人の小人が現れ、ぎざぎざスプーンの様な物で、後ろの女性の目をえぐり出し始めました。
さっきまで無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、
私のすぐ後ろで鼓膜が破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。
眼かから眼球が飛び出しています。血と汗の匂いがたまりません。

私は恐くなり、震えながら前を向き、体をかがめていました。
ここらが潮時だと思いました。これ以上付き合いきれません。
しかも順番からいくと、次は3番目に座っている私の番です。
私は夢から覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、
それを確認してからその場から逃げる事にしました。


13 :これで最後だ:2000/08/02(水) 07:11
『次は挽肉~挽肉です~』とアナウンスが流れました。
最悪です。どうなるか容易に想像が出来たので、神経を集中させ夢から覚めようとしました。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ。
いつもはこう強く念じる事で成功します。
急に「ウイーン」という機会の音が聞こえてきました。
今度は小人が私の膝に乗り、変な機械みたいな物を近づけてきました。
たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、と目を固くつぶり一生懸命に念じました。
「ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かになりました。

なんとか悪夢から抜け出す事ができました。
全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れていました。
私は寝床から台所に行き、水を大量に飲んだところでやっと落ち着いてきました。
恐ろしくリアルだったけど、所詮は夢だったのだから、と自分に言い聞かせました。

次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。
でも、皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。

それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れ、バイトなんぞに勤しんでいました。

そしてある晩、急に始まったのです。
『次はえぐり出し~えぐり出しです』
あの場面からでした。私は「あっ、あの夢だ」とすぐに思いだしました。
すると前回と全く同じで、二人の小人があの女性の眼球をえぐり出しています。
やばいと思い、夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、とすぐに念じ始めました・・・
今回はなかなか目が覚めません。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ・・・
『次は挽肉~挽肉です~』
いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ。

ふっと静かになりました。
どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時、
『また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~』と、あのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。
目を開けると、やはりもう夢からは完全に覚めており、自分の部屋にいました。
最後に聞いたアナウンスは、絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。
私がいったい何をしたと言うのでしょうか?

それから現在まで、まだあの夢は見ていませんが、
次に見た時にはきっと、心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しています。
こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉です・・・





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128 :1/5:2009/02/28(土) 22:08:06 ID:+BuEMFrL0
何年か前にあった怖い話を投下する。

そん時は俺は地方大学の学生で、同じ科の連中とグループでよく遊んでた。
たまに混ざる奴もいて、男4~6人で女4人。
一人暮らしの奴の部屋で集まって飲んでると、よく怪談したがる女の子がいた。
決まって嫌な顔する子も居て、Aとする。
こっちの子が俺とかなり仲良かった。
怪談好きな方をBとするが、Bも別に電波とかじゃなくて、
怪談も体験談はなくて、それこそこのスレで面白い話を仕込んできてんじゃないか、みたいな怖い話をする子で、
本当は幽霊とか信じてなさそうだった。
むしろAの方が「見えるんだ」と言ってて、AはいつもBを避けてる感じだった。
2人で遊ぶとかは絶対ないし、グループでも距離を開けたがってる雰囲気で、
俺とあと一人、Aの「見える」を聞いて信じてる奴(Cとする)は、
「本当に霊感があったら、遊びで怪談するなんて嫌なのかもしれない」と思ってた。


129 :2/5:2009/02/28(土) 22:09:37 ID:+BuEMFrL0
ある日、Bと仲のいい男の一人が、恐怖スポットの話を仕入れてきてた。
車で30分くらいで行ける場所にあるそうで、Bも他の連中も面白がって、その場で肝だめしツアー決定。
来てない他の連中も呼び出そうってことになって、俺はAに電話した。
俺自身は行く気だったけど、Aは来ないだろうなと思い、
「これから~~の辺りに行くってことになったんだ。ただ、肝試しだし他にも来ない奴いると思うし」
と言った。
そしたらAは遮るように、
『それって、何か大きな空き家のこと?その辺りで肝試しって』
「あ、そう。その家の裏に何かあるらしいから」
『……よした方が良くない?ってか、やめなよ。
 誰かの家で飲んで怪談したらいいじゃん、わざわざ行かなくても』
よりによってAに怪談話を薦められて少し驚いたが、仲間たちは既にノリノリで準備中。
「いや……みんな行く気だし。Aは気が進まないなら、今回は外していいと思うけど」
するとAは少し黙って、
『……Bは行くの?』
「行くよ。一番やる気満々だし」
『……そうなんだ……じゃ、私も行くから、ちょっと待ってて』

たまげたことに、Aは本当に来てBと一緒に車に乗った。
結局これない奴も居て、総勢6人で、一台(ワゴン)に乗って出発した。

Bは少しKYなとこがあって、Aに距離置かれてるのもあんまり解ってないっぽく、
車中で初めは面白そうにお喋りし続けてたが、すぐに欠伸をし始めた。
「バイトとかで疲れてんのかなー。眠い~」
眠そうに呟くBに、Aが、
「寝てなよ。着いたら起こしたげる」
「ありがと。ごめん、少しだけ寝る」
Bは運転してる奴に断ってうとうとし始め、Aは黙って窓の外を見てた。


130 :3/5:2009/02/28(土) 22:12:26 ID:+BuEMFrL0
で、着いたときもBは起きなくて、もはや完全に熟睡。てか爆睡。
「寝かしとく?」って俺らが顔を見合わせたら、
Aが「連れてくね。後で怒るよ、置いてったら」ってBを担ぎ起こして、強引に車から出したんだよ。
仕方ないからCが背負ってやったんだけど、
AはBの手を掴んでて、他の車の奴らが降りてきたら、一番先頭に立って歩いてった。

そこにあった古い家は、普通に不気味な空き家で、皆は結構もりあがって、「うわー」とか言ってた。
Bは起きないまま。AはBの手を掴んだまま。

いよいよ本番で、家の後ろに回ったら、何かぽつんと古井戸みたいなもんがあった。
近寄ってのぞいて見ると、乾いた井戸の中に、ちっちゃな和式の人形の家みたいなもんが見えた。
「何だー?」って一人が身を乗り出したのと、Aが「さがってっ!」て叫んだのが同時だった。
覗いた奴がびびって身体ひっこめた。
そのすぐ後に、「カシャ……」だか「ズシャ……」だか、何か金属っぽいような小さな音がした。
「下がって!下がって!こっち来てっ!」
Aが喚き出すまでもなく、もう何か、すごい嫌な感じが一杯だった。
カシャカシャ、ガシャズシャ、て変なジャリジャリした音が、しかもどんどん増えながら来るんだよ。
その訳解らん井戸の中から、こっちにむかって。
もう逃げたいのに身体が動かなくて、横見たらやっぱり仲間がへたってるし、
音は近づいてきて、姿は見えないけど絶対に何か居たと思う。
「俺君、もっとこっち来て!!!!」
Aが怒鳴りながら俺の手を掴んで、何かを掴ませた。
俺が掴んだのを見たAは、今度は少し横でヘタってる奴を必死で引っ張って、また何かをつかませてる。
てかよく見たら、俺が掴んでるのはBの右足。さっきの奴が掴んだのはBの左手。
Bの右手はAが掴んでる。Cは相変わらずBをおぶってる。
AはBから手を離さずに、必死に他の仲間を引っ張り寄せてた。


131 :4/5:2009/02/28(土) 22:15:58 ID:+BuEMFrL0
その後のことは、色々とよく解らなかった。
ただハッキリ覚えてるのは、気がついたら目の前に何かがいたこと。
白いんだかグレーなんだか透明なんだか、煙なんだか人影なんだか、
何か良く解らない何かが俺らの前に居た。
ちょうどその辺りから、
ガシャガシャガシャガシャガシャ、ズシャズシャズシャズシャズシャ、みたいな金属音が耳一杯に響いてきてた。
いや、こう書くと、その煙みたいなもんが金属音立ててたみたいだけど、そうじゃなかった。
俺らは『煙か人影みたいなもん』の背中を見てて、
それが『見えない金属音の奴』とぶつかり合って止めてるんだって、そういう光景だった。

「俺君、C君、動ける?逃げよ!!速く逃げようよ!」
Aが叫んで、俺らは必死で身体を動かして車へ向かって、何とか乗り込んで逃げ出した。
Cがハンドルを握る車の中で俺が振り返ったとき、もう何も見えなかったけど、
金属音だけは結構長いこと耳に残ってた。

その後、結局帰り着くまで熟睡こいてたBに、「何も出なかったから起こさなかった」と説明して帰らせた後、
皆で震えながら明け方まで飲んだ。

数日後にAを捕まえて経緯を聞いたら、げんなりした顔でいろいろ教えてくれた。
あの古井戸がマジで危ない本物だったのは予想通り。
「家の正面に居る分には大丈夫だけど、裏に回って井戸まで見たらダメ」だそうだった。
問題は、俺らを助けてくれた妙な影なんだけど、
Aは凄い嫌な顔で、「あれはBの……何ていうか、ついてるものなの」と言った。
AがBを避けてたのは、嫌いだからじゃないそうだった。
ただ、Bに纏わりついてるものがいて、それが凄く強くて薄気味悪いものだったんだと。
で、初めはBに取りついてる霊かと考えたが、どうしても違和感があって。
ある日、Bから出てくる『それ』を見て、不意に気づいたんだそうだ。
『それ』は『Bの中』にいるんだと。
「……Bがあれのいる世界に繋がってて、出入り口になってるのか、
 それとも、B自体があれの棲む場所なのか、どっちかだと思う」
Aもよくは解らないようで、「とにかくそれは、Bから出てきてまた戻っていくんだ」と言っていた。
他の霊的なものは全部Bを避けるそうで、「多分あれのせいで近寄れないんだ」とも。


132 :5/5:2009/02/28(土) 22:18:40 ID:+BuEMFrL0
「あれは私たちを守ったんじゃないし、Bのことも大事だとかじゃないと思う。
 ただ、ドアとか家が壊れたら困るでしょ。だから。

 何とかした方がいいのかと思っても、
 Bは本気では霊を信じていないようだったし、普通の霊じゃないから払えるとも思えなかった。
 だから放っておいたけど、自分は近寄りたくなかったんだ」
とAは言った。
ただ、『それ』がBを深刻な危険から守っているのは知っていた。
そして、あの日俺らが本当に危ない場所に行くと感じて、
止められないならBの中に居る『それ』に守ってもらうしかない、と考えてついてきたのだという。
「あれが守るのはBだけだからね。少しでも離れたら、井戸から来てた方に憑かれて人生終わってたよ。
 俺君も、他の皆も」
そう言われて背筋が寒くなったのを紛らそうとして、
「……でも、何だろうな?Bについてるのって。結構よくないか?結局守ってくれるんなら」
そう言ったら、Aは羨むような蔑むような複雑な眼を向けてきた。
「あのね俺君。お腹に住みついた寄生虫が、孵化するまでは守ってくれるって言ったら、それって嬉しい?」
「……」
……何となく、言いたいことが解った。
Bに巣くってるモノは、とにかく自分だけの都合でBの中に居座ったり顔を出したりするわけで、
ひょっとしたらBから何かを奪ってるのかもしれないわけで。
いつか自分の都合で、Bをぶち破って出て行ったりするかもしれないわけで、
その時には周りにも影響するかもしれないわけで、
しかもBは、本気で何ひとつ全く気づいていないわけで。
「放っとくしかないんだよね」
そう言ってAはため息をついた。
「井戸から出てきた方も凄かった。神様が最悪の状態になったみたいな感じだった。
 並みの霊能者とかじゃ負けちゃうだろうって思うくらいの奴だった。
 あんなのと渡り合えるBの『あれ』も、どうせ何やってもどうもできない」


133 :6/5:2009/02/28(土) 22:19:22 ID:+BuEMFrL0
それから時間が経って、俺もAもBも社会人。
ふと思い出したんで、投下しました。
ちなみに、理由はBから連絡あったから。
結婚した上に子供も生まれて元気にやってるそうです。
Aに電話してそう言ったら、
『Bが寿命になるまで、あれが大人しくしててくれたら、それが一番いいよね』
と言ってたところからして、Aは、Bが今もあれを背負ってると確信してるようです。

普通の霊と違う、そして人間の『中』に居る『何か』って、何なんでしょうね?
いや、井戸の底のミニハウスから来た金属音も気になりますが。
どっちでもいいんで、誰か心当たりでもあったら、教えて下さい。
長文すみません。以上です。




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98 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:14
気のせいかも知れませんがよろしいですか?


99 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:16
取りあえずどうぞ

100 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:18
>>98
何がおきてるの?

101 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:18
先程から某私鉄に乗車しているのですが、様子がおかしいのです。

104 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:19
ふんふん

107 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:23
いつも通勤に使っている電車なのですが、先程から20分くらい駅に停まりません。いつもは5分か長くても7、8分で停車するのですが停まりません。乗客は私のほかに5人いますが皆寝ています。

108 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:23
もう、電車降りちゃったりしてないよね?

111 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:25
特急とか各停とかの違いじゃないの?

112 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:25
>>107
快速電車?

114 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:29
ご指摘通りに、乗り間違えた可能性ももあるかもしれませんね。もう少し我慢してみます。また、おかしいようであれば相談させていただきたいと思います。

115 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/08 23:35
とりあえず一番端っこの車両に行って
車掌を見に行ってみれば?

116 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/08 23:40
もし運転手がてんかんを起こしてたら大変だ。車掌室まで見に行ってこい!

118 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/08 23:44
まだ停まる気配がないのでちょっと見てきます。

126 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:00
ブラインドというか窓に目隠しがしてあって、車掌さんも運転手さんも見えませんでした。路線は静岡県の私鉄です。

131 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:02
>>126
窓をコンコンしてみたら?

137 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:08
窓を叩いてみたのですが返事はなかったです。

146 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:13
窓から外見えないの?
通過した駅の名前とか

153 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:19
トンネル出てから速度が少し落ちました。普段トンネルなんてないのですが。新浜松からの電車です。

156 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:23
停まりそうです駅みたいです。

157 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:24
まさか降りないよね?

160 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:25
今きさらぎ駅に停車中ですが、降りるべきでしょうか。聞いた事も見たことも無い駅なのですが。

161 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:26
>>はすみ
何時の電車に乗ったの?

162 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:26
ぜひ降りてみて

165 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:28
終点まで乗っててくれ

166 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:29
つーかもう発車してるっしょ

167 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:29
降りてしまいました。無人駅です。乗った電車は11時40分だったと思います。

168 :町田親衛隊 ◆VbT745avmg: sage 04/01/09 00:30
きさらぎ駅って、検索しても出ない・・・
っていうか、はすみ君の電車は一時間も走ってたのか。
じゃ、ほんとに風呂。

170 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:32
きさらぎ駅って検索引っかからないな…

176 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:34
戻ろうと思い時刻表を探しているのですが見当たりません。電車はまだ停車していますのでもう一度乗ったほうが無難でしょうか。と書いてるうちにいってしまいました。

181 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:36
近くに人のいそうな建物はありませんか?
寒いから体に気をつけてくださいね

182 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:36
駅から出てタクシーでも探してみます。ありがとうございました。

183 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:36
それがよかろう
気をつけてな

185 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:39
終電もとっくにすぎた無人駅の周囲に
はたして容易にタクシーがあるか甚だ疑問である

186 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:41
そしてはすみは二次元の世界の住人になったとさ

187 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:41
タクシーどころか、何もないところでした。どうしたら

190 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:43
>>187
駅員または近くにある交番へ ゴゥ!

191 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:43
とりあえず110番?

193 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:43
タクシー会社に電話するのは?

194 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:43
こりゃもうKへ行くしかないねぇ

195 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:44
近くに電話ボックスがあったら、電話帳でタクシー会社調べて電話だ

204 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:48
家に電話して迎えに来てくれるよう頼んだのですがきさらぎ駅の場所が両親にもわからないようです。地図で調べてから迎えに来てくれることになりましたが、なんか怖いです。

209 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:50
ほかの人はどうしたの?
降りたのは君だけかい?

213 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:52
>はすみさん
俺もネットで調べてみたけどきさらぎ駅って言う駅名が
出てこないんだ。新浜松周辺にいることは間違いないんですよね?
ヤフーで調べてみます

214 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 00:53
公衆電話は探したのですが無いです。他の人は降りませんでしたので、いま私一人です。駅名はきさらぎで間違いないです。

217 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:56
公衆電話は駅の敷地の外に有る場合もあるよ。

218 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:56
ゲームオタなのか?ググったらゲームがでてきたが。

220 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 00:56
とりあえず駅を出てみたら?

221 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 00:57
今ちょっと調べたら、
鬼って書いて、きさらぎって読めるのね。。。
 
223 :携帯の人: sage 04/01/09 00:59
きさらぎ駅の前と次の駅名を書いて。書いてないとはいわせない。

225:あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:00
>>221
鬼駅かよ…
こぇぇ

229 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 01:01
ゲームって何のことですか。次の駅も前の駅も書いてないです。

249 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:08
線路を歩いて帰りましょう

256 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:11
今から走って追いかければ電車に追いつけるかも!

258 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:11
駅なんだから周りに民家くらいあるだろ

259 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 01:12
そうですね、パニックになっていて気が付きませんでした。線路に沿って歩きながら両親からの電話を待ちます。先程アイモードのタウン情報で調べてみたのですがポイントなんとかエラーってなってしまいました。早く帰りたいです。

261 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:12
>>257
ネタでもネタでなくても解決に向けて真面目に取り組む。

280 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 01:18
近くには本当に何も無いです。草原とか山が見えてるだけです。でも線路を辿っていけば帰れると思いますので頑張ってみます。ありがとうございました。ネタだと思われてもいいので、また困ったら相談してもいいですか。

283 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:18
>>280
いいよ
とりあえず気をつけてね

285 :町田親衛隊 ◆VbT745avmg: sage 04/01/09 01:19
いいよ~
携帯の電池切れにだけは気をつけて。今は命綱なんだからね。

286 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:19
>>280
方向間違えるなよ。
あと、トンネル内は気をつけろよ

296 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:22
何もない所で携帯の電波は届くのか?
駅から動かない方がいいと思うが・・・・

303 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:24
寒い夜、駅員がいない一人ぼっちの駅
もうすぐ電球も落ちて真っ暗になるかもしれんな・・・

304 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:25
線路はもっと真っ暗な罠。これからトンネルもあるんだろ?

305 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:25
それでも駅で夜明けを待ったほうが無難だったかもね・・・

308 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:26
こりゃやばいな

317 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 01:30
父親から電話があり、いろんな問答があってどうしても場所がわからないから110番しなさいと言われたので、多少抵抗はありますが今から電話して助けて頂く事にします。。

358 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:43
明るくなってからのほうが行動しやすいと思うんだけどな・・・

361 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:45
夜中に一人でじっと待てる?
見慣れない、奇妙すぎる土地で・・・

362 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:46
>>361
夜中に一人でトンネル通れる?
見慣れない、奇妙すぎる土地の線路で…

363 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:46
じゃあこんな寒い中見知らぬ夜道をずっと歩けるか?

380 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 01:55
110番して一生懸命現在の状況を説明したのですが、結局いたずらとだろと怒られてしまい、怖くなって謝ってしまいました。。

382 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:56
>>380
何で謝るのよ
もう今日はあきらめるぽ
始発を待とう

386 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 01:57
遠くの方で太鼓を鳴らすような音とそれに混じって鈴のような音が聞こえているのですが、正直もうどうしたらいいのかわかりません

388 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:58
駅周辺はどんな様子?何がある?

391 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 01:58
とりあえず駅に戻れハスミ
迷ったら最初の現場に帰るのが一番

395 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:00
今からはじまるんだよ・・・

396 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:00
太鼓と鈴の音・・・?
(´・ω・`) シャンシャンぽくぽく

400 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:01
祭りでもやってんだろ

401 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 02:01
嘘だと思われるかもしれませんが、怖くて後ろが見れません。駅に戻りたいのですが、振り向けません。

406 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:03
>>401
走れ。絶対に振り向くな。

420 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:08
もう駅に向っちゃいけないよ。
連れて行かれるからね。
とりあえずトンネルまで走れ!
意外と近いはずだから。

422 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 02:09
おーい危ないから線路の上歩いちゃ駄目だよって後ろの方で誰か叫んでいたので、駅員さんかと思い振り向いたら10メートル位先に片足だけのおじいさんが立っていたのですが、消えてしまいました。もう怖くて動く事ができません。

423 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: 04/01/09 02:09
>>はすみんタン
落ち着いておにいたんの言うこと聞いてね?
その太鼓の音のなるほうに行ってみてネ
太鼓を叩いているものが居るはずだから

424 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:10
>>420
おまいははすみんをドコに連れてく気だ?

426 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:11
>>422
だから振り向くな。走れ

428 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:11
なぜ片足だけなのに【おじいさん】とわかるんだ?

429 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:12
>>428
…片足がないおじいさんってことだろ

433 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:12
>>424
違うよ、ハスミンは今から連れて行かれるんだよ。
だから戻れるなら戻った方がいいんだよ。

435 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 02:13
もう歩けないし、走れないです。太鼓みたいな音が少しだけ近づいてきています。

436 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:13
きっとその線路で轢かれて片足をなくして死んだおじいさんだね

445 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:17
>>はすみ
とりあえず夜明けを待て
明るくなれば怖くないよ

446 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:17
電車に乗ってりゃよかったんだよ

452 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 02:20
私はまだ生きてます。転んだ傷から血も出てるし、折れてしまったヒールもきちんと持っています。まだ死にたくないよ。

487 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:32
ま、ジッとしてても好転しそうな気配じゃないってことは確かなようだな

488 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:32
>>はすみん
とりあえずトンネルを抜けたら安全だと思うよ
トンネル抜けたらすぐ通報して保護してもらいなよ

492 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 02:35
家に電話しました。父から警察に電話してくれるそうですが、音がドンドン近づいてきます。

500 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:38
とりあえずその音が列車の音で無い事を祈るぜ
といってももう遅いかもしれんがな

516 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 02:45
何とか頑張ってトンネルの前まで来ました名前は伊佐貫となっています。音も近くなっているので勇気をだしてトンネルを抜けてみようと思います。葉純が無事トンネル出たらまた書き込みます。

520 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:46
>>516
がんがれ

522 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 02:47
これが最後だ。
電車も駅も既にない。
戻るところはない。
追う者もいない。
聞こえる音は自分が作り出している過去の幻だ。
トンネルの向こうへ走れ。
立ち止まったら、どちらの世界でもないところで嵌って呻吟するだけだぞ。

562 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 03:10
トンネルから出ました。先の方に誰か立っています。助言して頂いた通りにして正解だったようです。ありがとうございました。涙で顔がグシャグシャなので葉純がお化けに間違われてしまうかもしれませんね。

566 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:11
待て、はすみ!
逝くな!

569 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:12
止まれって!やばいよ、それ!

570 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:12
誰か立ってますってこんな時間にか?
それは妖しいって・・・

586 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 03:20
ご心配かけました。親切な方で近くの駅まで車で送ってくれる事になりました。そこにはビジネスホテルみたいなものがあるらしいです。皆様本当にありがとうございましたです。

588 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:21
はすみん 聞きたいことがあるんだ答えてくれ。
そこはどこなんだ。親切な人に地名を聞いてくれないか。

590 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:21
本当に親切なのか?
例より怖いかもしれないぞ

593 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:23
まぁ、あれだな。
で、そこはどこなんだYO!

596 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:25
ヤバいよその人!!
何でこんな時間に線路付近に居るんだ?
きっと死体かなんかを処分してて
はすみんに出会ったんだよ
逃げて!!

606 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 03:29
場所を聞いたら比奈だと言うのですが、絶対にありえない事だと思うのですが。

607 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:29
はすみん車から降りろ!

610 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:29
ごめんね、かすみん。比奈ってどこ?

621 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:36
不思議な話だ
こんな時間に線路から歩いてきた女の子を乗せる香具師が居たのか・・・
何してたんだその人

623 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 03:37
先程よりどんどん山の方に向かってます。とても車を置いて置く場所があるとは思えないのですが。全然話てくれなくなってしまいました。

627 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:40
こんな時間に起きてる香具師にろくなのはいない。

628 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:41
話してくれなくなったのは、ずっと携帯いじってるから
かな?

629 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:41
はすみん やばいやばいよ
親にはトンネル出て保護(?)されたと連絡したのか?

631 :あなたのうしろに名無しさんが・・・: sage 04/01/09 03:41
はすみさん
110誌手下さい
あなたの最後の書き込みになるかもしれません

635 :はすみ ◆KkRQjKFCDs: sage 04/01/09 03:44
もうバッテリーがピンチです。様子が変なので隙を見て逃げようと思っています。先程から訳のわからない独り言を呟きはじめました。いざという時の為に、一応これで最後の書き込みにします。
 



これ以降、はすみさんの書き込みは無かったが…
7年後の2011年に突如はすみさんから書き込みがあった

「あの、信じてくれないと思いますが。
7年立った、今、普通の世界に戻れました。

帰ったあと色々あり。
返事することができなかったのですが;

なんか気にしてくれている人もいたので

あのあと、運転手が車を止めました。
暗い森のなかで、向こうに光が見えました。

その運転手の独り言はよくわからなかったのですが、
右の方から、男の人が歩いてきて、
凄く怖かったです・・・。
その瞬間、あたりが光、車に衝撃がありました。

運転手は消えていました。

その男性は、私に「なんでここにいる!ここにいてはダメだ!
今の運転手は、消した、今のうちに逃げるんだ!」
すごく慌てた雰囲気でした。

その男性は、車から私をおろし、光の方へ歩けと、言われました。
もう正直、なにがなんだかわからなくて、泣きながら走りました。

まぶしくなったとたん、目をあけると、最寄り駅の前で
両親が車から私を呼んでいました。

そのときそこは2011年の4月でした。
間の7年間は消えていました。両親もなにごともなかったかのように
私を連れて帰りました。みんなありがとう・・・。
おかげで戻れました;;

皆さんもお気をつけて^^
はすみ2011.06.30 18:26編集










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