【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 住職系





739 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 16:39:44 ID:8bT6AyrV0
流れをブッタ切って、子供の頃 書道教室の先生から聞いた話を投下してみます。。

先生の実家は お寺だったそうで、この話は先生が子供の頃の真夜中の出来事です。
布団の中で不意に目が覚めてしまった先生は、玄関の戸がガラガラガラっと開く音を聞きました。
(こんな夜中に誰が?)っと
不審に思っていると、何者かが廊下をゆっくり歩いて来る音が聞こえます。
(あれ?誰か出かけていたのかなぁ?お父さんかな?)等と 
あまり気にせず寝ようとしていると、先生の部屋の前で、その足音が止まりました。
(ん?)っと襖に意識を向けていると、襖の向こうから

「こんな時間に失礼いたします。私は××町の○○ △子と申します。
 突然ではございますが、明日 私の通夜をお願いいたします。
 息子達の負担になるのも心苦しいので、戒名は普通のもので・・・」っと話してきたので、
「お父さんの部屋は、斜め奥の部屋です!戒名の値段については、私は解りません!」と 
うっかりな幽霊に教えてあげたそうです。
  
741 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 17:03:35 ID:NpJLOhb/0
>>739
ドジっ子幽霊www
しかし、戒名の値段まで気にするなんて律儀というか、しっかりしてるというかw
  
742 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 17:04:20 ID:YBdTphR90
>>739
礼儀正しい幽霊だなw
  
743 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 17:12:33 ID:kCK/8Pw90
>>739
礼儀正しくて、残された息子の心配もしてる良い幽霊!
でも、いうべき人を間違えてるうっかり具合が素敵w
流れをぶった切ってくれた>>739も素敵w
  
744 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 17:53:01 ID:sZMN3d8W0
うわさには聞いていたが、戒名に値段ってあるんだな…
南の端っこには戒名付ける風習が無いからびっくりだ
こっちの位牌は団地&本名がデフォ
  
745 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2008/12/09(火) 19:32:27 ID:Qbwm1ZXj0
うちの辺りは、300マソ以上出せば最高級の戒名を付けてくれるよ。
100マソ程度だと、文字数も少ない下っ端の戒名w
一説には戒名が立派だと言う事は、あの世での地位も高くなると言われてるw
まったく悪徳な習慣が通用してる世界だな。
  
746 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 20:06:31 ID:yTyOd58GO
うちや親戚が檀家の寺及び周辺の寺は、「親よりいい戒名はつけない方がいい」と言うよ
だから一代で事業興して貧乏人から資産家になった親戚の爺さんは院居士?を熱望していたが
結局爺さんの親父さんと同じ信士になった
  
747 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 20:12:53 ID:qpTTzG2A0
坊主が忙しくて手を抜くと戒名短かったりする。
あとは宗派によって長さ違うよね
  
748 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 21:00:03 ID:TzEOKDz7O
地獄の釜も金次第

749 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 21:19:15 ID:8bT6AyrV0
この話も>>739の書道教室の先生から聞いた話です。

先生の実家のお寺では、檀家さんの要望であれば、
通夜や葬儀を お寺で全て用意することもあるそうです。
檀家さんによっては、場所の提供&お経だけお願いします
(後は 檀家さん指定の葬儀屋さんを使う)と言う人や、
自宅で行いますので、お経だけをお願いしますと言う人等
様々だったそうです。

その日は、同じ町内の工務店の社長さんの葬儀でした。
決してお金に不自由しているお家では無かったそうですが、
金策に苦しんだ時期を知っている社長さんは、
「俺は、住職の心のこもったお経だけでいいから。」と 歳を取る度に
先生のお父さん(以後 住職とします。)に言っていたそうです。
遺族もそんな故人の言葉を聞いていましたので、社長さんでは有りましたが
決して華美では無い、どちらかと言えば質素な葬儀にすることにしたそうです。

祭壇は、お寺に保管されていた物を 葬儀社から人を呼んで組み立ててもらい、
同じ町内の花屋さんが、葬儀用の花を飾ってくれたそうです。
作業の途中で葬儀社の人が、住職に
「住職さん。あの人誰です?なんか いちいち煩くて、作業がはかどらないんですけど。」と
言って来たので、その場所に行くと、今日葬儀をするはずの社長さんが・・・

「あんたっ!」と 住職が声を掛けると、幽霊社長さんは、恥ずかしそうに消え入ったそうです。
一緒にいた葬儀社の人はgkbr。
住職さんは「あの人は、仕事には煩い人でしたからねぇ。でも いつもいい仕事をしておられました。
キッチリ作って頂かないと、また出てきますよ。w」と言って笑っていたそうです。 
  
750 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 21:31:59 ID:BkwY4uYC0
書道の先生のお話、いいですね~。
幽霊話なのにあったかくて、落語みたい。
  
751 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 21:43:30 ID:8bT6AyrV0
>>750
どうもありがとう。
今日年賀状を 毛筆で書いてみようと道具を出していて、
昔 先生から聞いた話を思い出したので投稿してみました。
  


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610 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/08/07(木) 11:56:53.92 ID:lfhVWCTd0.net
ここ再起の出来事。
そこまでおぞましい話でもない。
期待している人には先に言っておくよ。

俺の人間的能力
・浪費癖(orz
・簡易対人外物レーダー装備(良性・悪性の判別は不能。何かがいる方向にのみ鳥肌が立つ)
・足が悪い。
・口が悪い。
・頭脳は子供、体は大人。
という残念な人間である。

先月から奥州三十三観音巡礼をやっている。
欧州三十三観音巡礼とは四国のお遍路のようなものの奥州バージョン。
ちなみに、俺は最上三十三観音は制覇ずみ。

最上三十三観音も順番無視で回っていて、
山形県河北町のとある寺に夜到着し、
写真を撮ったら、公共の電波に乗せられないような写真が取れてしまった。
それからは寺巡りの時に日没後はやらないと決めている。

巡礼といっても、水曜どうでしょうのように、寺の前に行って、写真撮って、
ちょこっとお参りしてお終いレベル。何か強い願いがあるわけではないが、
ツーリングの一テーマとしてはついでに温泉行ったり、
うまいもの食ったりと楽しませてもらってる。

611 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 11:57:53.13 ID:lfhVWCTd0.net
さて、俺は原付でこの巡礼を行っているんだが、住んでいる地域の関係上、
1、福島方面
2、宮城県南部
3、宮城県大崎地域・栗原地域・岩手県南部
4、宮城県気仙沼・石巻・松島地域
(5、岩手県北部青森県境付近→未完)
と地域を分けてやらせてもらっている。
いかんせん原付では岩手北部まで9時間はかかるだろう。来週までは無理だな。

612 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 11:59:00.74 ID:lfhVWCTd0.net
で、今回投稿させてもらうのは、
3番地域にある某寺での出来事。
震災の復興作業が進んでいるが、津波で流された家の跡地には、
まだまだ花がたむけられている。
リョウメンスクナという話がある地域にも
近い場所なのではないだろうか。

三陸海岸のリアス式のクネクネウネウネの道路に辟易しながら、
薄暮の空を眺めつつ、とある寺に到着。そこは無人寺である。
たまに縁日では使われるらしいが、草が生い茂り、
お地蔵さまには古いお供え物の腐乱物に蝿や蛆がたかっている。
それぐらい、手が行きとどいていない寺だった。

いよいよ本堂に近づいたとき、にわかに鳥肌が立つ。両腕。真正面か真後ろに「何か」がいるらしい。
しかし、寺である以上、何もいないわけはないし、
寺の由来(奥州三十三霊場は坂上田村麻呂=蝦夷討伐の過程で立てた寺が多いらしい)
としても、多かれ少なかれ、何かはあると思って、特段気にしなかった。

613 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 12:00:52.06 ID:lfhVWCTd0.net
×=立てた
○=建てた

…うそである。
一瞬で汗がひくくらい寒気を感じた。
だが、せっかく来たのだからお参りくらいはしておこうと思い、本堂に歩を進めた。
本堂は扉に鎖と南京錠で鍵がされている。障子紙やガラス張りということもなく、中を見ようと思えば見れる。
しかし、真っ暗。見ようと思っても見れるものもない。
「観音様」くらい見たかったが、錠もかけられている以上やむなしと思って賽銭箱に銭を投げ込んで、
ごあいさつ。その時…

「たぁ~~~~~~~~」

という声がした。女の子か小さな男の子のような声。お堂の中から。
すでに鳥肌が立った段階で何かがいるのはわかっていた。
しかし、実際に音として表れたのはビビった。心臓が止まるかと思った。ヌコたんかと思ったが、
特にそれ以降音がしない。

ビビった俺は、大慌てで次の寺へと移動。
あらゆる危険を想定して、原付を運転していた。
…スピードの出が悪い、上り坂ではエンスト(スクーターなのに!!)、
なぜかハンドルがとられるという現象が頻発。ただ、古いものなので、
「ガタが来たのか」くらいにしか思ってなかった。

614 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 12:03:12.53 ID:lfhVWCTd0.net
そんなこんなで、次の寺に到着。こぎれいで立派な寺だった。
常時人がいるような寺だったようで、そこで住職とお会いした。すれ違いざまに、こちらがあいさつすると、
「あなた○○寺行ってきたでしょ!!!!」とすごい剣幕で聞いてくる。
私が「そうです」と答えると、住職は「何かなかったか」と聞いてくる。
子供のような声が聞こえたことを言うと、私に本堂に上がるように言ってきた。


こういうときは大人しく言うことを聞いた方がいいと思い、それに従った。

そこから3時間くらい正座させられ、お経を聞き、原付には「一応」といわれ、札を貼られた。
何か悪い商売に引っかかったのかと思ったが、
住職は「金は要らない。何か悪いことがあったら、次は××寺に行け」と言われた。
詳しいことは聞かなかったが、
1、大昔に亡くなった人を連れてきている
2、別に悪いものではないが、友達がほしいらしい。
3、俺に友達ができると、やきもちを焼いて悪戯はするらしい。
4、今回は俺はまだあの世にいかないので、あっちで待ってろといって成仏させた。
だそうだ。

615 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 12:05:33.77 ID:lfhVWCTd0.net
で、俺は安心して家に帰ったんだ。
怖かったな~と思って、今日回った寺の写真をフェイスブックに掲載しようとおもって、
写真を見ていたらあの寺の本堂の中に、
肉眼では真っ暗で見えなかったのに、
中に、一人だと思ったら二人。
一人は確かに子供だった。もう一人はその親と思われ。
俺についていこうとする子供を必死に抑え込もうとして、俺の方を睨んでいた。
マッマは付いてきていないと思うし、住職も何も言ってなかったから大丈夫だと思いたい。
でも、子供だけ成仏してしまったのなら、それを母親は許せるんだろうか。
俺、逆恨みされるんじゃねーか?と夜窓の方でカサカサ音がすることにおびえている今日この頃。

以上。
これでおしまい。




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32 :可愛い奥様 :2011/01/12(水) 17:05:34 ID:+GImVLcr0
㌧切りごめんなすって

調子わるい時に母が占いができる人を紹介してくれた
そしたら占いじゃなくて神様の言葉がきける人だった
霊能者とも名乗ってなくて、普通の小柄なおばあちゃん
お金もとらない
神様の言葉やからお世辞も嘘も遠回しな事もいわんよ、と本を読むみたいに
何でもききたい事をすらすら答えてくれました
私はよく危機一髪で助かる事があるんだけど
それは私の運ではなくて祖父の徳が高くその守護だそう(存命中)
男運がもともと良くないのに、いい旦那様に巡り会えたのも守護のおかげだそう
旦那様もなかなかいない良い人らしく、難点は唯一、
あんたみたいなんがくっついとる事や(おい)
といわれましたorz

この前買い物で今までにないくらい思い切ってばかすか洋服とか買ってみたら
「嫁子ちゃん、自分の事にお金使いすぎよ~」ってそのおばあちゃんから
心配そうに電話かかってきてびっくりしました
嘘ついたり、合わない人のは何もみえないらしく、
私の事は何してるかと思うだけですぐ見えるそうです
食卓に何も出てないのも見えるそうです
あんまり見えすぎてプライバシーの問題が…

旦那様は確かに良い人で、リラックスしすぎて「おかあさん」と
呼んでしまった事があります;


835 :可愛い奥様 :2011/01/12(水) 17:26:27 ID:+GImVLcr0
も一つ
祖父も優しい人ですが曾祖父も温かい人柄だったそうです

むかし近所に汚らしい身なりのおじいさんが、一晩だけ泊めてくれと訪ねてきたそうです
皆は乞食なんか泊められるかと追い返したそうです
曾祖父が家で良かったらと、貧しかったけれど精一杯お世話したそうです
おじいさんは喜んで御礼を行って帰りました
それから三年くらいして、曾祖父と曾祖母がお寺参りをしていた時
あるお寺の境内に入ったらお坊さんがずらっと並んでいました

曾祖母が「こんなにお出でて、今日はお祭りかしら」と首をかしげていたら
お坊さんが「お待ちしておりました。夢枕に寺の高僧が立ちまして、
何年の今日この日にこれこれという恩人が来るから手厚くもてなしなさい。
私はその人に大変世話になった、と言付かりました」と歓待されたそうです

お土産に何かありがたーいお経?掛け軸?みたいなのを
いろいろもらったそうです
仏壇の掃除をしている時に祖母からきいたので、みせてもらおうと思ったのに
はぁて、それがのう、どこにしまいこんだんやら…との事でした
大雑把な家らしいオチでした


860 :可愛い奥様 :2011/01/13(木) 13:52:16 ID:nRWL9kH40
霊能者のおばあちゃんの事書いた832です
レスありがとうございます
素敵な言葉を下さった方はどんなに清々しい人かとうたれました
特売品に安い!安いよ!と目の色変えて飛びついて、
あさましいから止めなさい、とたしなめられる私に徳などあろう筈がございません、ええ。

せっかくなので、そのおばあちゃんが教えてくれた事を
● 人と目があったときにニッコリしたり、会釈、挨拶するだけで徳を積んだことになる
  すれ違う人に可愛い人だな、感じ良い人だなと思われるだけでも徳になる

● 謙虚でいること

● 嘘ほど恐ろしいものはない
  嘘をつくことはすべての不幸の始まり

● 良い人、悪い人というのは本来ないが
  属するところが悪くて住む世界の違う、関わってはいけない怖い人はいる

● 良いことも悪いことも生き方は自分で選んでいる

総本山のお寺で大勢の人に混じって参拝していたら
お坊さんが近づいてきて、貴方はこちらではありません、どうぞと
奥の院に通されてそこで拝んできたと言ってました

お坊さんもダテではないんですね~そういう世界があるんですね~
しかるべき時に人を守れるように、徳を積みたいとつくづく思います


865 :可愛い奥様 :2011/01/13(木) 15:42:59 ID:nRWL9kH40
生まれつき強い、弱いは決まってて
家柄による守護やご先祖様の因果も関係するそうです
強い人は影(お日様にあたった時の)すら迫力があるそうです

生き方によって運も動くので
その人の先がどうなるかは「わからない」といいます

生まれの運勢は生年月日をみて何か数えていました。四柱推命ではないそうです
もっと詳しく観るときは姓名をみていました



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227 :名無しさん@おーぷん :2015/06/11(木)12:44:04 ID:???
オカルト苦手な方は読み飛ばして頂戴

婆ね、昔から不思議?変なのよ
小学生の時は毎日翌日の予知夢を見てたわ、それが原因で虐められたりもしたの

なんとなく神社仏閣巡りが好きでぼんやり独身の頃一人でぶらっとしてたのよ
そしたらそこの偉い方かしら?首の後ろが三角になってるお坊さんに呼ばれたの、
マナー違反してないのに何故と怯えたわ
そのお坊さん曰わく確かに守護霊もついてるけどあなたには神様がついてる
あなたの元には困ってる人が集まるけれども決してお金はもらってはいけない、
気持ち程度ならいいと言われたわ

それから本当に出会う人出会う人何かしら困っているのよ
独学でお祓いもしたり時には行った事のないアメリカの間取りもわかったわ
口寄せとかもう何でも屋よ

お金をもらわない約束は守ってるわ、人に迷惑かけて生きてきたからこそ
この説明のつかない能力で誰かの役にこれからもたっていきたいわ


229 :名無しさん@おーぷん :2015/06/11(木)12:53:46 ID:???
>>227
変じゃないわよ、いい力じゃないの。
227婆の力でここの婆たちの幸せを願っててほしいわ。


230 :名無しさん@おーぷん :2015/06/11(木)12:55:48 ID:???
>>227
あら素敵な婆ね
不思議な力で助けてあげられるなんてとっても素敵
魔法みたいだわ!

婆もとても魅力的な婆なのでしょうね



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これはね、私が修行時代の話なんですけれども。
あの、私が修行してたのは、関東の、とある場所なんです。
この関東のとある場所で4年間修業をしてたんですね。


どんな修行をしてましたかって言うと、寮に入って、お経の読み方、筆の使い方、声明の仕方とか、色んなものをこの4年間で習う訳です。朝4時半に起きましてね。水を被って、掃除をして、先輩がまだいるときには先輩の世話までして。お風呂に入るときには先輩の背中を流したりっていう…
まぁ、正直、私にとってはすごく厳しい修行だったんですよ。この、すごく厳しい修行の中にいると、時折、こう、精神が病んでくるんですよね、修行とはいえね。

ああ、しんどいなぁ、って思ってると、その私が修行させていただいてた寮の近くに“アフリカケンネル”っていう、まぁ、ペット屋さん、みたいなのがあるんですよ。そこへ行きますとね、私は犬が大好きで、“アフリカ・マラミュート”っていう大きな犬がいるんですけども、その犬が居るんですよ。で、ゲージにちょっと入らせていただいたりして、頭を撫ぜたりしてね。それがちょっと私、修行の息抜きになっていたんです。
そこの方たちとも仲良く段々となっていきましてね。


あるとき私が、またちょっと息抜きに寄せていただきましたら、その日はちょうどね、社長さんが来られてたんです。
関東で修業してますから、その社長さんとお会いした時に、すぐ分かった。
「おお、お前犬好きなんか?」
関西弁なんですよ。
ああ、なんか懐かしいなと思いながら、「あの、関西の方ですか、」ってお聞きしたら、「おお、せやねんせやねん、おお、なんや、お前も関西か」と、これでだんだん仲良くなっていきましてね。

「社長さんと、こうなんか久しぶりに関西弁聞けて良かったです。私ちょっと修業を近くでしてまして、お坊さんの修行をしてて。たまに、ちょっとここ気休めに寄せていただいてるんですよ」
「そうかそうか、いつでもおいでや、そうかそうか、修行厳しいもんな」
そう言いながらね、コーヒー缶を並べはるんですよ、机の上にね。
「好きなコーヒー、飲んでええから。1本、飲みぃ」、そうおっしゃって下さる。
「ありがとうございます」
見ると、銘柄、全部一緒なんですよ。
熱い冷たいがあるのかな、と思って、ちょっと全部触ってみるんですけども、別にそれもないんですね。
じゃ、一本いただきます、ということでコーヒーを飲んで、ごちそうさまでした、と。



「おお、お前、もしあれやったらさ、15分間くらい、ちょっとウチへ毎週喋りに来いよ、週に一回でいいから。そのついでにちょっと犬の散歩行ってくれへんか。そしたら月に15万やる」っておっしゃるんですよ。
「ええ!週に一回、ちょっと喋りに来て、犬の散歩ちょっと15分ほどして、それで一月15万頂けるんですか」
「おお、ええよええよ」
そうおっしゃってくださったんで、「私、修行してる寮に戻って、この寮監先生っていう先生が居られるので、その方の許可が頂ければ、ぜひとも私ここでバイトさせてください」ということで、私、寮に戻りまして、寮監先生にこの話をした。
そしたら寮監先生がね、
「お前は本当に情けない。修行中に気休めなんていらん、ましてやお金を稼ごうなど…欲を捨てるための修行をしてるのに何をやってるんや」と、ひどく怒られましてね。
で反省文を書け、と言われることになって。反省文を書いて、その日の夜に発表させられる訳です。アフリカケンネルでアルバイトの誘いがあったんですけども…みたいなことをね。欲に駆られて申し訳ありませんでした、みたいな文章を書いて。



で、次の日、もう一度アフリカケンネル行きまして。社長さんに謝らなくちゃいけない。
「社長さん、すいません。実は、昨日のお話なんですけども…寮監先生の許可が頂けませんで…」
「ああ、そうかそうか。そら、お坊さんなるための修行大変やもんな。うん、そら、ええよええよ、別に。他の奴探すから」と言って、また缶コーヒー何本か並べられる。
「好きなん、取れよ」
「ああ、じゃぁ、すんません、いただきます」
幾つか触るんですけども、やっぱり全部常温なんですよ。
じゃ、これいただきます、と飲んで。
「そかそか、お前、神仏信じてんのか」とおっしゃるんで、
「はい、それで、信じてるので修行してる訳ですけど」って言ったら、
「あは、そらそやなぁ…まぁ、またな、気休め、時間あったら、いつでも来てくれ。じゃぁ頑張って修行しろよ」と言って、その日別れたんですね。



それから、私もそのアフリカケンネルに、あまり息抜きで行くのもいけないことなのかな、と思って、あまり行かなかったんですけども。
まぁ、月日が経って、修行が終わる日、もう来月には私が修行終わって京都に帰る、そのときにこの最後のあいさつにアフリカケンネルへ行ったんですよ。
あの犬たちにもね、お別れを言って。ありがとうね、今まで修行辛いときにお前たちがいてくれたから頑張れたよ、なんて言って、犬に頭を下げて。
すると社長さんが居られて。
「おお、久しぶりやな、お前。どうした、もう修行終わるんか?」
「そうなんです、実はもうこれで京都へ帰るんです」
「おお、そかそかそか、ほな最後にお前コーヒーでも飲んでけよ」と言って、また何個かのコーヒーを並べられる、いつものように。
1本取って、ありがとうございます、と。
飲んで、私はその後、京都へ帰ったわけです。


京都へ帰ってしばらくしますと、
テレビニュースにその社長さんが出ておられるんですよ。
(あれ、この社長さん何かあったんかな?)
よく見ると、『愛犬家連続殺人事件』の犯人なんです。
捕まってるんですよ。



で、この『愛犬家連続殺人事件』の、この犯人なんですけども、
実は私の先輩が、“教誨師”って言いまして、捕まった犯人と、一緒に罪滅ぼしのためにお経を読まないか、とかっていう話をしに行く仕事があるんです。
その教誨師の仕事で、私の先輩が行かれたときに聞かれた話なんですけど。
その犯人ね、殺すための条件が幾つかある。
ひとつに金が目的でないこと、ひとつに何々、ひとつに何々…
つ~っと指折り数えていく。
一番最後に、運が悪いやつは俺殺すんや、って、そうおっしゃったそうなんですよ。



「運が悪いやつって、どういうことですか」



「あんたお坊さんやから言うたげるわ。
 昔なぁ、ひとりの修行僧が、うちの、アフリカケンネルに来よった。
 毒入りのコーヒーを出した。
 1本だけ、毒のないもんを置いた。
 そいつ、3回とも、毒なしのコーヒー引いて、飲んどった。
 ひょっとしたら、神仏は居るんかもしれんなぁ」
そう言って、笑ったそうなんです。


これ後に映画になりまして、『冷たい熱帯魚』という題で映画化されております。
もしよければ皆さん見ていただけたらと思います。


※三木大雲
三木 大雲(みき だいうん、1972年 - )は、日本の僧侶(日蓮宗)。怪談和尚を名乗っている
1972年、京都市で三木随法(教法院住職などをつとめた。)の次男として生まれる。平安高校から立正大学仏教学部に進学。
大学在学中、日蓮宗の学寮(谷中、熊谷)でも学ぶ。実家は兄が継いだため、各地を流浪した。2005年、蓮久寺の第38代住職となる。

怪談をベースに法華経を絡めた説法を行っている。



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