【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 人形系





 551 :もしもし、わたし名無しよ:2007/08/02(木) 12:17:41
知人A(♀)が仲間数人を誘い、部屋で宴会をした。
仲間というのは、フィギュア者/人形者混合部隊。
たわいもない話で盛り上がり、いつの間にか数人の仲間が終電を逃していた。
Aの部屋は狭いワンルーム。
仲間の中には男性もいたので、Aに遠慮して「荷物だけ部屋に置かせて。始発までカラオケいってくる」と、
必要ない荷物を部屋に置き、出て行った。
Aと残った仲間B(♀)はそのまま就寝。

しばらくして、AはBのうめき声で目が覚めた。
見ると、Bが寝苦しそうにうなっている。
Bちゃんどうしたんだろう、と起き上がろうとした瞬間、ものすごい力で床に押し付けられた!
誰かがAの上に馬乗りになり、首をがっちりした手が押さえている!
強盗か変質者かとパニックになった。
Aはそのまま意識を失ってしまったらしい。

翌朝、というか数時間後に帰ってきた男性陣の押すインターホンで意識が戻ったA・Bは、部屋の隅で震えている。
聞くと、Bも似たような目にあったらしい。
これは男性陣の誰かが…?と疑いつつも、着衣等乱れは無い。
第一、男性陣はカギが無いから入ってこられるわけが無い。

男性陣を部屋に入れ恐怖の体験を告白。
すると、男性陣の一人Cがポツリと「それ、俺のせいかも…」。
Aの部屋に置きっぱなしにした袋の中から、1体のミリタリーフィギュアを出した。


552 :もしもし、わたし名無しよ:2007/08/02(木) 12:18:40
そういえば前日「装備一式、俺が作ったんだ~」と見せびらかしていた人形だった。
手先の器用なCは、ミリタリーショップや古着屋等で軍の払い下げ品を買い漁り、
フィギュアに着せる装備を『本物の素材で』作っていた。
端布で充分なので、傷みの激しいモノでも安ければ買い込んで使っていた。
そして何を考えたか、フィギュアを持ち運ぶ時使っている『おくるみ』は…
よせばいいのに、本物の死体安置袋から作っていた。

死体安置袋の件は前日聞かされていなかったので、その場は阿鼻叫喚。
その場の全員からフルボッコの口撃を受けたCは、そのままフィギュアをお寺に持ち込まされたそうだ。
寺でも、「差し出すのは装備品だけにまけてくれないか」と言い出して再びフルボッコw

ちなみに私は、この話をA・BとC両方から聞かされている。
Aは二度とフィギュア者なんか家に入れるかと憤慨するし、
Cは懲りずに余っている布でまた作ると言っている。(だからミシン貸してくれ、と)
うーん、板ばさみw








741:16/02/04(土) 18:02:48 ID:sEju5zCG0

私がSD(スーパードルフィー)、もといキャストドールに興味を持ったのは、母の友達(以下Aさんとします)が人形者だったからです。

はじめてキャストドールを見たのは10年前、私が10歳になったころで、母に連れられAさんの家に泊まりに行ったことがきっかけでした。

Aさんは有名な製薬会社に勤めている方で、しかも当時独身でしたからそうとうお金があまっていたのか、SDサイズの人形が家に20体程、

MSDサイズの人形が10体程、1/1サイズの人形が3体と、ちょっとした人形館でもできるのではないかというくらいのありさまでした。

初めてAさんの家を訪れてから、私はたびたび母抜きでもAさんの家に泊まりに行くくらい人形に夢中になっていました。

 

 

741:16/02/04(土) 18:02:48 ID:sEju5zCG0

そのうちAさんは、

「仕事が忙しくて、なかなかみんなにかまってやれないのよ」

と、私に人形たちの洋服やウイッグの仕舞い場所と、着せ替える方法を教えてくれました。

わたしはAさんの代わりに週に一回のペースで人形たちに新しいお洋服を着せ、髪をとかしたり結ったりして遊んでいました。

 

それから二月がたった頃母に、兄弟ができると告げられました。私はあまり学校になじめていないタイプの子供だったので、兄弟ができるのがうれしくてうれしくて。

わたしはその日のうちに母親とともにAさんと、ドールたちに報告をしに行きました。

母とAさんがリビングで話している間、わたしは人形部屋でひとり、中でもお気に入りの金髪のドールの髪をとかしながら、

「兄弟ができるの。女の子か男の子かは、生まれてからのおたのしみなんだってさ」

と報告をしました。

「ケーキがあるよ」

とAさんに呼ばれ、足元に散乱したお手入れの道具を箱にしまい、私はドールたちに背を向けました。

その瞬間、私の着ていたワンピースのすそが何かにぐっと引かれ、よろめいた私はそのまま真後ろに座っていた金髪のドールの足に尻もちをつきました。

すそを何に引かれたのか、ということより先に自分の下敷きになったドールが気になり、すぐに立ち上がりドールを確認しました。

ドールの足が少し曲がっていましたが、幸いドールのもともとの可動域の中で動いただけのようで、足首をつかんで元の向きに戻しました。

 

その日はその後、Aさんにケーキをごちそうになり、他愛のない話をして家に帰ったのですが、異変はその日の深夜から起こりました。

 

 

741:16/02/04(土) 18:02:48 ID:sEju5zCG0

私は寝ていたのと、経験した父本人が覚えていないというので詳細な時間はわからないのですが、深夜にインターホンがなり、

「こんな時間になるなんて絶対あやしい!」

とドアホンのカメラを覗くと、誰もうつっていないのに

「あけて」

とマイクに女の子の声が入ったそうです。うちに小さな女の子は私しかいないので、

「〇〇(私)が夜遊びでもして鍵を忘れて締め出されて、怒られるのが怖くて玄関先でかがんで声だけだしたのか」

と思い、ドアを開けたものの誰もおらず、私の部屋をのぞくと私はベッドで熟睡。他に起こった異変を箇条書きします。

 

・洗面所の排水溝から30cmほどのまとまった髪がつまっているのを母が発見する(当時うちは全員ショート)

・夜、廊下から手をたたくような音が聞こえる

・家族全員リビングにいるとき誰もいない二階(私の部屋がある)からバタバタと走る足音が聞こえる(動物は飼っていません・一戸建て)

・リビングの食卓の椅子が家族3人に対して四脚あるのですが(祖母がたまに食事しに来るため)そのうちの使ってない椅子(祖母用)が毎朝引かれている

 

うちはもともと幽霊屋敷というわけでも、古い建物というわけでもなく、いきなりそんなことが起こり始めたものだから母も父も気味悪がり、だんだん家族全体の雰囲気が暗くなっていきました。

ただでさえ妊娠中の母親を支えるため、私は家事手伝いをするようになり、Aさんの家にはいけなくなっていました。

 

そしてある日ついに、二階のベランダにほしていた洗濯物をおろそうとしていた母が階段から落ち、足をねん挫しました。

それを見つけたのは父だったのですが、そのときの母のおびえようはすさまじかったといいます。

 

 

741:16/02/04(土) 18:02:48 ID:sEju5zCG0

母は病院に運ばれた後もしばらく何があったのか話してくれず、お医者さんは

「赤ちゃんを心配するあまり、精神的にきてしまったのではないか」

といっていたのですが、私が母に繰り返し

「赤ちゃんは大丈夫だよ」

と言い聞かせているとようやく口を開きました。

「しんじゃえ」

その言葉とともに小さな女の子に背中を突き飛ばされたのだと母は口を震わせながら言いました。

 

その時私は小学校高学年で、家で起こる不思議な事象に関しても、「ああ、やっぱりおばけはいるんだ」くらいにしか思っておらず、なぜそんなにも両親がおびえるのかがあまり理解できていませんでした。

しかしさすがに大好きな母を突き飛ばされたことには腹が立ち、その日の夜、手拍子が聞こえる時間に私は廊下に出ました。

「お母さんをケガさせないで」

そのようなことを叫んだと思います。すると少しの沈黙の後、視界の端、本当に見えるか見えないかくらいのところで、金髪がなびくのが見えました。

驚いてそっちのほうを向きましたが何もなく、その瞬間私は妙に納得をしました。ああ、あの子だ、と。

 

 

741:16/02/04(土) 18:02:48 ID:sEju5zCG0

次の日私はAさんの仕事終わりを見計らって家をたずねました。

Aさんがお手入れしていたようなので、完全にほったらかしというわけではありませんでしたが、わたしが毎回のように三つ編みに結っていたお気に入りのドールの金髪は、ほどかれストレートヘアーになっていました。

「三つ編み気に入ってたんだ?」

わたしは"彼女"に話しかけました。

 

心なしか機嫌を損ねたように見える釣り目が、私をじっと見ていました。私は以前そうしたように彼女に語り掛けながら髪をとかし、結いました。

あの時ね、生まれるまで男の子か女の子か内緒ってママ言ってたのに、わかっちゃったよ。だってパパもママも男の子の服ばっかり買ってくるんだもん。丸わかりだよ。

あーあ、女の子だったらこんなふうに、髪をかわいくしてあげたかったのにね。だから当分は、私はあなたの髪の専属の美容師さんになってあげるからね。

子供心に、学校でひとりぼっちな自分と、仕事で忙しいご主人様に放っておかれる彼女を重ね、そのつらさが身にしみたのだと思います。

 

それ以降我が家での異変は驚くほどなくなり、母も元気を取り戻し、かわいい弟が産まれ、家族四人、元気で暮らしています。

彼女と出会って10年がたち、自分のドールをお迎えした今でも、彼女の金髪を三つ編みにするのはかかせない私の仕事です。

 








971 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:01/09/05 03:40 ID:MboWOdYo
黒いキューピー人形

生後数ヶ月の赤ちゃんを1人で養う母親。
赤ちゃんが眠りについたので赤ちゃんを 家において
買い物に出かけた際に交通事故で死んでしまった。
身元不明のため連絡が取れず 無縁仏とされてしまい、
赤ちゃんは部屋に1人取り残されてしまったが、
身寄りがいないため 誰にも気づかれずそのままにされてしまった。

972 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:01/09/05 03:42 ID:MboWOdYo
数週間後、家賃が滞納されているので大家さんが部屋を訪ねるが返事が無く、
他の住人に 聞いてみると、ここ最近姿を見ないということなので、
「こりゃ夜逃げされたな。」と考え
合鍵を使って部屋に入ってみると部屋の中は締めきっていて薄暗い。
明かりをつけようとしたが、電気も止められているらしく明かりがつかず、
薄暗い部屋の中を見まわしてみると、
部屋の中は、生活感そのままの感じで家具とかがのこっていて、
部屋の真ん中にキューピー人形が置き去りに されていたのを、
「よほど慌てて逃げたんだな」と拾い上げると
黒いキューピー人形はバラバラと 崩れ去り、
無数のゴキブリが散り散りに逃げて行き、
手の中に残ったのは赤ちゃんの骨であった。






643: 本当にあった怖い名無し 2010/09/18(土) 13:09:15 ID:h9nBURvU0
私は都内で事務職をしている者です。

先日、仕事のあと同僚の女の子たちといっしょに飲んでから、
板橋の自分のアパートに帰ってきたあとのことです。
壁際にある机に座って、手鏡をもってメイクを落としていたのですが、
ふと鏡に何かが映った気がして、鏡の角度を変えたのです。
そのとたん、私の後ろのタンスの上から私を見下ろしている日本人形と
目が合いました。真っ白な顔をして赤い着物を来た日本人形が
タンスの上に立って、うつむき加減に私を見ていたのです。
もちろん私の部屋には日本人形などありません。
「ひっ」と叫んで手鏡を落としてしまった私は、
すごい速さで振り向きました。
タンスの上には何もありませんでした・・・。

とても怖かったのですが、子供の頃から科学雑誌とかが好きな私は
オカルトを信じないたちで、何かの拍子にありもしないものを
見てしまったのだと自分を納得させて、その晩は寝ました。

そのまま何もないままに一週間ほどが過ぎました。
そしてある夜、私はお風呂から上がって発泡酒を飲みながら
小さな液晶テレビでニュースを見ていました。
そのとき、私は視界の中に何か違和感を感じました。
とても嫌な予感を感じたのですが、勝手に目がそちらに向いてしまいました。
カーテンを閉め忘れた窓にそれはうつっていました。
ベッドの上に立ってこちらをじっと見つめる日本人形が・・・。
私はいてもたってもいられず、ベッドの方を見ないようにして
携帯電話だけを持って家を飛び出しました。

今は同僚の家に泊めてもらって、引っ越し業者にすべて頼んだ
引っ越しの作業が終わるのを待っているところです。

大家さんは心当たりがないと言うし、いったいあの人形は何なのでしょう。

647: ロザリー ◆PiGJDrhfQc 2010/09/18(土) 13:42:18 ID:4L89HvKFO
>>643
日本人形こわいですよね。
引っ越してもまた出るかもしれないのですよ・・・。









617 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:40:35.85 ID:yd5SAM/Y0.net
別にオチとかないし怖い話でもないけど自分的に腑に落ちないので書き込み
長いし言葉にするのが難しくて文章変かもしれないけどごめん

今から10年とちょっとぐらい前の話
山を切り開いたような新興住宅地に小学生のころ住んでた

バブルの影響で作られた住宅地らしいんだけど俺が小学生になるころには普通にさびれてて空き家もちらほらあった
それでも同年代の子供は何人かいたからそいつらとはよく遊んだんだけど
たまに「あの家」っていう場所に遊びに行くことがあった

「あの家」も空き家の一つで、住宅地の大通りっていうの? 
そこを見下ろすようにして建っているような、わりと目立つ場所にある

前述の通り本当は他にも空き家はあるんだけど、俺達の中では「空き家=あの家」って感じで「あの家」はなんか特別だった

618 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:42:15.05 ID:yd5SAM/Y0.net
「あの家」にはツタがびっしり生えていて、その周りだけ鬱蒼と木が茂ってるせいか空気が重くて
ただの空き家って言うより廃屋って言ったほうが似合う雰囲気の
斜面の上にある三階建て(正面から見ると二階建てだけど大通り側から見ると三階あるのがわかる)の洋館だった

聞くところによるとこの住宅地ができたころからあるそうなんだけど
誰も家主がどんな人だったか知らないらしい

「あの家」の正面玄関の接道は大通りじゃなくてそこを大通りを曲がった坂の上の道なんだけど
住宅地の中央にあることには変わりはないし、「あの家」は位置が高くて遮蔽もないから大通りを通ると必ず目に入る
だから俺は大通りを通るたびに「あの家」を見上げてた

「あの家」の窓はほとんど全部鎧戸で閉じられてたんだけど、ひとつだけ鎧戸がない窓があった
それは三階の一番右の窓で、ボロボロの白くて薄いレースのカーテンがかかってて、窓辺では薄汚い白のドレスを着たフランス人形がこっちに背中を向けて座ってたんだ

619 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:44:15.70 ID:yd5SAM/Y0.net
変な話なんだけど、俺はその人形がどうしても欲しかった

廃墟に置き去りにされてるから絶対薄汚いし、そもそも人形になんて興味持ったことないのに
それが飾られてる部屋に行ってみたかったんだ
笑われると思ったから友達にその話はしたことないけど
「あの家」行こうぜって誰かが言うと男子はみんな乗り気でついてきたし
目指す目的地は誰も何も言ってないのにいつも人形の部屋だったから
もしかしたら他にも人形が欲しかった奴はいたのかもしれない
まあ、たまたま目立つ部屋だったから目印にしてただけかもしれないけど
(ちなみに女子は一人も来ない。まあ空き家探検なんて汚いしつまらないだろうからそんなもんだろうなって思う)

「あの家」は坂道の脇にあって、正面玄関には後付けのパイプシャッターが取り付けられてる
これは最初はなかったんだけど、近所の大人が「子供が中に入ってイタズラするから」って自費で取り付けたものらしい
「あの家」の権利関係がどうなってるかは知らないから、勝手にそういうことをしてもいいのかはよくわからん

俺達はクソガキだったので、(大人ってバカだなー)って思ってた
だって俺達は「あの家」に入るのに正面玄関なんて使ったことがなかったからだ

木に囲まれてるからわかりづらいけど「あの家」には裏口があって
斜面をちょっと滑ると子供が体をかがめれば通れるぐらいのドアがある
俺達は各々懐中電灯を持ち寄ってそこから「あの家」に入ってた

620 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:48:19.71 ID:yd5SAM/Y0.net
ようは「あの家」の正面玄関って本当は二階からの入り口なんだよ
だからもしかしたら「あの家」の一階は地下室的な存在だったのかもしれない

でも、裏口から入って一階より上の階に行けたことは一度もなかった

裏口から入ると、手すりに囲まれたバルコニーみたいなところ(建物の中だから本当はバルコニーとは呼ばないと思う)に出るんだ

バルコニーを見下ろすとコンクリートと木製の柱だけがある空間が広がってて、その奥に上に行く階段があるのが見えた
きっとあの階段まで行けば2階に入れるはずなんだけど、今いるバルコニーから下の空間に降りるための道がどうやっても見つからない
「もういっそバルコニーから飛び降りてみればいいんじゃね?」ってみんな冗談交じりに言ってたけど、それがよくないことだって頭ではわかってた
「だからって飛ぶわけないよな?」っていうニュアンスで、お互い自分の正しさを確かめる感じだったからさ
それなのに自分一人だったら何故か飛んでた気がするから、一人でここに来る奴はいなかったと思う
少なくとも俺は抜け駆けしたことはない

結局俺達はバルコニーから移動する方法を見つけられなかった
そもそもあの小さな裏口も行き止まりのバルコニーも何のためのものなのか全然わからない
なんでそんな設計になってたんだ? 建築に詳しい人ならわかるのかな
家の土台?のための空間とか? でも一応そこにも窓とかあったんだよな
だだっぴろい空間は倉庫的な場所として再利用してたのかもしれないけど
あんな小さい裏口で「あの家」の昔の住人は不便じゃなかったんだろうか

621 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:50:51.75 ID:yd5SAM/Y0.net
俺は小学校を卒業したころに別の市に引っ越したからしばらく「あの家」を見ることはなかったんだけど

高校の時の夏休みに何かのはずみで友達と地元の心霊スポットの話になった
そういう場所に詳しくないというか縁もなかったので話題に困ったんだけど、思い出したのが「あの家」だった

「あの家」は心霊スポットでも何でもないけど(今思えば不思議なんだが心霊現象的な噂はひとつもなかった。おどろおどろしい雰囲気はあるんだから適当な怪談がでっちあげられてもよさそうなのに)
その高校に俺と同じ住宅地出身の奴はいなかったから、「あの家」を紹介してもバレないだろって思って「あの家」の話をした

俺達は超絶優等生ってわけじゃないけど夜遅くに出歩くほど不良でもないし
たとえ昼間でも電車乗り継いで市から市へと移動するほどのバイタリティもない(田舎なので交通の便が悪い)って感じの陰キャオタクの集団だったので
自分達で心霊スポット巡りするわけじゃなくて紹介者が自分で写真撮ってきてそれをみんなに見せるみたいな流れになった
俺も久しぶりに昔住んでた住宅地に行ってスマホで「あの家」の写真を撮った

相変わらず不気味だなーでも人形欲しいなーって思ったけど、その時は俺一人しかいなかったので探検は諦めた
当然ながら小学生だったころより背も伸びててあの裏口を通れる自信もなかったしな

夏休みが明けて全員で写真見せ合ってほどほどに盛り上がって、まあそれはいい

それから俺は県外の大学に進学したんだけど、大学でも似たような流れがあった
心霊スポットじゃないんだけど地元にこんな不気味な廃墟があって~って
写真見せて「あの家」の話しようと思ったんだけど探せども探せどもその写真が見つからない
機種変か何かの時に間違えてデータが消えたのかなって思って特に気にしてなかった
地元に帰った時にでも写真撮るわって言って終わった

622 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:52:42.91 ID:yd5SAM/Y0.net
で、また地元に帰ってきて住宅地に寄ったんだけど「あの家」がないんだよ

さすがに老朽化が進んでただろうから取り壊されたのかなって思ったんだけど
誰に聞いても「あんなところに家なんてあった?」って言われるんだ
引っ越していった俺の親だけならただ忘れてるんだろうけど、昔の近所の人達どころか一緒に探検した友達まで「あの家」を知らないっていう
あんなに目立ってたし少なく見積もっても30年以上はそこに建ってたんだから住宅地の住人なら絶対知ってるはずなのに

だからもしかしたら、俺が地元から離れてる間に誰かが「あの家」に一人で行って、あのバルコニーで何か大きな怪我をしたんじゃないか?
それで「あの家」の存在がタブーになって、そんな家はなかったってことになって綺麗さっぱり取り壊されたんだ

こんなことなら高校のときに行っておけばよかったって、あの住宅地に行って「あの家」があった場所を見るたび後悔してる

でももしかしたらいつかひょっこり「あの家」が帰ってくるんじゃないかって思ってるんだ

29日にも地元に行って「あの家」の跡地を見てきたけどやっぱり何もなかった

623 :本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:54:03.82 ID:yd5SAM/Y0.net
社会人になった今でも「あの家」のことを思い出すと探検しつくせなかったことが心残りで
もし今「あの家」に行けば今度こそ人形の部屋に行く道が見つかるような気がする
子供の時の俺には無理でも大人になった俺なら「あの家」の謎が解ける気がするんだ
これを書いてる今も記憶の中にある「あの家」に行きたくて仕方ない

とりあえず今は「あの家」にあったようなフランス人形が欲しくて探してるけどなかなかしっくりくるものが見つからない
当然だよな、そもそもどんな人形だったのかもろくに知らないんだから






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