【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 人形系



666 :もしもし、わたし名無しよ:2006/02/12(日) 15:03:09

15年以上前のことになります。

 

当時、ほぼクラス全員からサンドバッグ状態でした。
図工の時間に金槌で頭を殴られそうになったことや、家庭科の時間に針で目を潰されそうになったこともあります。
教師には言ったんですが、「泣かないあんたが悪い」と一蹴されました。
そんなわけで、攻撃されたら相手を殺す気で反撃する、というのデフォルトでした。

 

 

666 :もしもし、わたし名無しよ:2006/02/12(日) 15:03:09

バスケの授業のときに、案の定ボール争奪戦に混じって殴る蹴る……爪でリーダー格の女の子の右目を引っ掻きました。
で、やり所が悪かったらしく、その子は病院に行くことに。
親に話すように言われたのですが、経過がどうあれ怪我をさせたのが自分なので、怒られるのが恐くて親に言えません。
帰宅するなり、当時うちにきたばかりだった馬のぬいぐるみを抱いて学校であったことを話し、
さんざん泣いて眠りました。

 

 

666 :もしもし、わたし名無しよ:2006/02/12(日) 15:03:09

次の日、学校に行くと昨日のことが『なかったこと』になってました。
怪我をした当の本人も何も言いませんし、教師も言ってきません。

 

ほっとして帰宅して、馬のぬいぐるみを抱いて報告しようとして気付きました。
右目がない。
何度も確認しても、目を留めていた糸の痕跡どころか、目があった痕跡すらないんです。
部屋中探しても目は見つかりません。
朝起きたときは、抱いて寝たはずなのにお尻向けて頭の上の方にいたので、ぽんと背中を叩いて家を出ました。
学校に行ってる間に何かあったのでは?と親に確認しても、「部屋には入ってない」と……
いつ目がなくなったのかはっきりしません。

 

その後、同じサイズの目を買ってきたので、つけてあげようとしたのですが……
当の馬?が嫌がってるようなので隻眼のままです。

 

いまだに部屋にいますし、年甲斐もなく抱いて寝ています。




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960 :1/2:2007/06/20(水) 11:18:26

ご近所に住んでる人形者の奥さん、前に住んでいた所で洪水に遭ったらしい。その頃はまだ子供はいなかった。
旦那さんが大切な物はまとめて持ってくれて、
「あとXX(奥さん)の宝物を持っていきな」って言われて、
お母さんの代から可愛がってたオールドビスクって言うの?を連れ出したらしい。
お母さんの塗ってあげたドレスを何着も持っていて、彼女も仕立ててあげて、衣装持ちの美人な子だったって。
そして、屋上というか物干し場に避難した。
2階の上まで水がすごい勢いで流れていて、狭い物干し場でバランス取るのも危なくなってきていた。

 

 

960 :1/2:2007/06/20(水) 11:18:26

やがて救助の人が来て、助けて貰う順番を待っていたそうだ。
そうしたら、近所の人が飼ってたらしい小鳥の入った鳥かごが、今にも沈みそうになりながら流れてきてた。
中に鳥も2羽いて暴れてて、このままでは沈んでしまう!って思ったときに、
彼女はとっさに人形を放して鳥かごを拾ってしまった。
彼女の誂えてあげたグリーンのドレスを着た人形は、あっという間に流れに飲み込まれてしまったらしい。
すごい後悔したけど、目の前で生き物が死んじゃうのは見捨てられなかったって。

 

 

961 :2/2:2007/06/20(水) 11:18:41

その後、災害の後も落ち着いて、旦那さんの転勤で東京の方に越してきて、子供も出来た。
たしか今年小学校に入ったのかな?自分もたまに見かけるのですが、活発で可愛い女の子。

 

それで、ここからが怖い?話なんだけど、
その子が喋れるようになったときくらいから、
その子の夢の中にお姉さんが出てきて、ときどき遊んでくれるんだって。
子供が言うには、そのお姉さんは金髪で、緑の洋服を着てて、お姫さまみたいな格好だと。
そしてケガしてて左手が無くて、いっつも悲しそうであまり喋らない。
もちろん子供に人形の話をしたことはないし、写真とかも見せたことはないらしい。
彼女は今はブラ(※ブライス人形)者で、当該するような人形は今は持っていないそうだ。
子供も年長さんになって本物のお友達と活発に遊ぶようになってからは、あまり『その子』の話をしなくなったので、
彼女はもう気にしないようにしてるそうだけど。

 

人形は恨みを晴らしに子供の所に現れたのかな?
それなら怖いんだけど、自分的にはなんか可哀相な話だと思った。







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 893 :名無しさん@HOME:2008/05/01(木) 21:34:20 0

トメ(※姑)にしてすっきりしたDQ返し(※DQNな仕返し)。

 

トメは小学生の娘を病気で亡くしていて、
生きていれば私が同い年である事もあってか、やたらと私のする事が気に障るようで、
「どんな風に育ったのかしら?」「私の娘ならもっと・・・」「自分の趣味なんて主婦になったのにおかしい」
みたいな感じでチマチマ嫌味を言ってくる。
物凄く悪い人でも無い事は解かっていて、ポロっと口に出した後で自分でもたまにしまったという顔をするので、
無意識に私と死んだ娘を比較してまうようで、私の存在が気に障るようだった。

 

そんなトメが密かに大切にしている物は、亡くなった娘の遺品の人形。
トメの娘さんが入院してからずっと毎日手を握っていたという曰く物で、
娘さんが亡くなって3年ぐらい、トメは精神を少し病んでいた時期があって、
その間毎日肌身離さず持って歩いていた人形だった。
子供が遊び倒し、その後トメが持ち歩いた物なので、はっきり言ってボロ。
髪はぐちゃぐちゃ、目は少し薄くなってて全体的に白っぽくなってる。
体や顔も染み付いた手垢で汚く、はっきり言って気持ち悪いし表情も暗い。
トメも気にはなっているみたいで、石鹸で洗ったり髪を櫛で梳かしたりしてたけど、ボロいものはボロいいんだ。
汚いしボロイし、着てる物もボロだし、本当に気持ち悪いんだその人形。

 

 

894 :名無しさん@HOME:2008/05/01(木) 21:34:53 0

でもそれがどうやらトメの中では娘の身代わりのような物らしく、
その汚い人形を出して、孫に「OOちゃんよ(トメの亡くなった娘の名前)、仲良くしてね」と持ってきて、
私の娘を「怖いー!」と泣かせたりしていた。
孫に泣かれて切れるトメをウト(※舅)と旦那が〆てくれたが、トメは不服らしく、
その後も私や孫にぶちぶち文句を言っていた。

 

ずっと我慢していたんだけど、いい加減うんざりしてきたので、
トメとウトが3泊4日の旅行に言った際、トメが大切にしていた人形を見る影も無い状態にしてやった。
あ~!すっきり!この人形ボロだから見るのも嫌だったんだよね。
帰ってきて人形を見たトメ絶句・・・
人形を手にとってわんわん泣き始めた。
旦那が「嫁子(※投稿主)がやったんだよ」と言うと、
トメ涙目で「ありがとう、ごめんなさい嫁子さん・・・」と平謝り。
ははは、まいったか。
実は私は趣味の一つでドールカスタムをしている。
長くやっているので、自分で言うのもなんだが、かなり上手い。
持てる技術を駆使してボロっ子を再生してみた。

 

 

895 :名無しさん@HOME:2008/05/01(木) 21:35:22 0

髪はよく似た色のサランを買ってきて植毛。
体と顔の汚れを取って、剥げかけたアイプリ(※人形の瞳のプリント)はリペイント。
白っぽくなった顔は、ほんのりパステルでオーバーメイク。
仕上げは当時のアルバムを参考に、亡くなった娘が気に入って着ていた服をドールサイズで作って着せてみた。
自分が人形好きだから、汚い状態の人形が気になってたんだよね。
頑張ったかいあって見違える程綺麗になった人形は、前の暗い表情ではなく明るく笑っているように見えた。
トメはすごく喜んでいて、
実はずっと人形がボロになっていたのを気にしていたけど、どうしていいか判らなかったらしい。
人形が汚くなって娘が古くなっていくようで、
私が来たことも孫が出来た事も嬉しかったけど、
どんどん亡くなった娘さんがみんなに忘れられていくようで悲しかった事。
私と娘に微妙に似ている所があって、それで余計辛くて、意地悪をしてしまっていた事。
本当は八つ当たりだと解かっていたので謝りたかった、
でも、顔を見るとどうしても苛立ってしょうがなかった事などを、泣きながら話してくれた。
私もトメが心の中で抱えていた事を聞いて少しもらい泣きしてしまった。

 

それ以来、趣味も技術があれば無駄な物じゃないみたいな感じで文句を言わなくなったし、
遊びに行くと大喜びという感じではないけど、さりげなく私の好きなお菓子が買ってあったり、
トメがぎこちないけど歩み寄ろうとしてくれているのが見えるようになった。
ついでにこの前行ったら、人形が100均の椅子に座って、やっぱり100均のミニベア抱いてた。
そしてトメがこそっと、
「嫁子さん、この子の服、嫁子さんの手作りですってね。それであの、私も娘に作ってみたいんだけど・・・」
と言ってきたので、今度型紙の載った本を貸す予定。
多分、少しづつ仲良くなっていくんだろうな。

 

結果オーライですが、勝手にトメの大切な物を持ち出した所がDQと言うことで。

 

 

365 :名無しさん@HOME:2008/05/06(火) 16:06:03 0

DQ返し70-893です。
トメの亡くなった娘の人形を勝手にカスタムした者です。
GWに義実家に行きました。
そうしたら何故か、3万円の商品券の入った封筒をトメから手渡されました。
「母の日のプレゼントを渡しに来たのに、もらえない」と言った所、なんとそれはウトから。
ウトは孫(うちの娘)が人形を怖がった時も、一緒にトメを〆てくれて、
「そんな汚い人形怖くて当たり前だろう!」と言っていたし、
特に人形を触るような事もなかったので、興味がないのかと思っていたら、実際はとても気にしていたそうです。
娘の遺品だし、大切にしなければいけないと言う気持ちと、
トメの執着ぶり、何よりボロボロの人形が怖くて触るに触れなかった事、
亡くなった娘が大切にしていた物を怖いと思う事への罪悪感と、男としてのプライドもあって、
トメが何かと人形の話を振る度に、無視してしまっていたそうです。
それがトメさんの中でウトさんへの不信感になり、ずっと夫婦仲がぎくしゃくしていたそうです。
前回、私がカスタムして綺麗になった人形を見て、怖いと思う気持ちが薄れて、
ウトさんが100均で人形サイズのイスとテディベアを買ってきた事で、
トメさんとウトさんの中で蟠りが少し解けたようです。
何となくトメとウトの雰囲気が違うなぁと前回思ったのは、気のせいではなかったようです。
ウトは昔ながらの頑固オヤジというタイプの人なので、
綺麗になった人形を見ても眉一つ動かさず、私にも一切礼は言わなかったので、
正直それ程気に病んでいたとは思わず驚きました。
「本当は嫁子さんに何かプレゼントを買いたかったらしいけど、何を買っていいか判らなかったらしいから」
そうトメさんが言っているのを聞いて、商品券はそのまま受け取る事にしました。

 

 

366 :名無しさん@HOME:2008/05/06(火) 16:06:29 0

そして一つ、不思議な話があって
綺麗にした人形をトメに見せた後で、夢をみました。
おかっぱの白いワンピースの女の子が出てきて、何か私にごにょごにょ言っているのです。
よく聞こえませんでしたが、「ありがとう」「ほっとした」というような事を言っていました。
最後に、白いワンピースの左右の裾を両手で摘んで頭をぺこっと下げる、お姫様がするようなお辞儀をして、
女の子は消えていきました。

 

夢から覚めた私は、亡くなったトメの娘さんの写真をアルバムで見ていたので、
すぐにあれがトメの娘さんだと気がつきましたが、
霊感0、ドール用語で言えばドライ(※人形に対して物としての認識が強い)な私は、
「あ~、影響されてるわ。あんな夢なんか見ちゃって、あはは~」と軽く笑っていました。
今回ふとその夢を思い出して話た所、何故かトメ、ウトが硬直。
ウトは黙って部屋を出て行き、トメはその場で泣き崩れてしまいました。
聞くと、亡くなった当時娘さんは小学2年生。
人形遊びの特にお姫様遊びが大好きで、自分もお姫様になりきって、
嬉しい事があったり、お礼をいう時に、
スカートの両端を摘んで頭を下げる、お姫様お辞儀をするのが癖だったそうです。
「あの子はずっと心配してくれていたんだねぇ」とトメが言うのを聞いて、
霊感0の私もさすがに何かがあるのかもしれない・・・と思いました。

 

 

367 :名無しさん@HOME:2008/05/06(火) 16:07:01 0

トメですが、地味に嫌味を言ってきたり、正直好きになれない人でした。
それが変わったのは2年前の事です。
私が体調を崩した時に、まぁいいか我慢すればと思っていた時、義実家でトメが気がついたのです。
「嫁子さん、顔色が悪いわ病院行った?」
「いいえ、少し調子は悪いけど忙しい時期なんで・・・」と言った所、
「駄目じゃない!少しの事でも、命をなくす事もあるのよ!今日にでも病院に行きなさい!」
そう言われて病院に行った所、ビンゴ、病名は詳しくかけませんが、手術と入院が必要な病気にかかっていました。
トメ、手足の浮腫みや顔の腫れから、危ないと思ったらしいです。
散々嫌味を言ったり無視したりされていたので、嫌われていると思いきや、
入院中、孫(私の娘)の世話から家事、病院での介護までトメは甲斐甲斐しく世話をやいてくれた。
病院の先生にも「嫁子をどうぞ、よろしくお願いします」と頭を下げている姿を見て、
悪い人でもないし、心の底から嫌われている訳じゃないんだと気がつきました。
退院したら元の態度に戻っていましたが、
きっかけがあれば、仲良くなれる筈だと思い、今回のDQ返しを思いつきました。

 

 

425 :名無しさん@HOME:2008/05/06(火) 23:06:31 0

それと、ちょっとした議論になっていたようですが、
商品券は+α足して新しいミシンを買うことにしました。
今のミシンが壊れかけていたので、
新しいミシンで自分のドール用の服と、トメの人形の服と合わせて作れば丁度いいじゃないかと思っています。
トメの娘さんのアルバムには、今見てもとても可愛いデザインの子供服が沢山あり、創作意欲が刺激されているので、
ミシンがきたらバリバリ作ろうと思っています。
私のドール、トメの人形、私の娘、全員にお揃いの服を着せるのが野望です。






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386 :本当にあった怖い名無し:2007/04/21(土) 13:18:21 ID:IAv2Mobg0
 
俺は昔、かなり古い家に住んでいた。まぁ13歳ぐらいで、祖父さんとよく物探しをしていたのは今も覚えてる。

それで7月の夏休み初日、友人8人ほど俺の家に遊びに来た。
それはバラエティ豊かで、黒人とか天然パーマとか霊感が強いやつとか、いっぱい集まったわけだ。 
理由は、俺の家は東から西にかけて広がっていて、一番東の部屋が物置になっている。
それで祖父さんに頼んで、物置を開けてもらったわけだ。
「なんかないかな」とみんなで漁っていたら、黒人のボブが物置の一番奥から出てきて、
「なにこれwwなんか鍵が出てきたw」と言って、みんな騒いだ。
これなんの鍵だと祖父さんに聞いたら、分からんと言ったので、どっかに扉がないな皆で探したわけだ。


387 :本当にあった怖い名無し:2007/04/21(土) 13:34:37 ID:IAv2Mobg0
 
それで3時間ほど経って、天然パーマのやすし(仮名)が仏壇が置いてある和室で、
さびた鉄格子?みたいな扉を見つけたんだ。 
しかもここは一階で、しかも階段が奥に続いていたんだな。
祖父さんもこんなところ初めて知ったらしくて、これからどうするか考えていたんだ。

そして、仲良し8人と祖父さん1人、みんな好奇心旺盛な年頃なんでノリで行くことにした。 
なんと祖父さんもやる気マンマンで、地下室で直行することになった。
中はホコリがすごいし、階段はミシミシいうし最悪だった。 

それでなんとか階段を降りると、
なんか畳10枚ぐらいの広さがあって、なんか日本人形が30体ぐらい置いてあったんだ。 
そこで調子にのったボブが祖父さんに、 
「これ一個頂戴。アメリカに住んでる祖父さんに送る」 
と言いだして、大小30個ぐらいある日本人形をボブにくれたわけだ。




387 :本当にあった怖い名無し:2007/04/21(土) 13:34:37 ID:IAv2Mobg0

そして、曾婆さんに今日起こったことを聞いてみると、
昔(60年前)終戦後の食糧危機で、曾婆さんの姉の娘が亡くなったらしい。
それで、後を追うように曾婆さんの姉も亡くなってしまって、
供養するために、生前可愛がっていた日本人形を買ったわけだ。
何故30体もあったかたというと、曾婆さんの姉の年+亡くなったお子さんで決めたらしい。
何故地下室に日本人形を置いたのかは聞いていない。

ちなみにボブは今大学2年生で、祖父に送った人形は特になんともないらしい。





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97 :本当にあった怖い名無し:2009/05/12(火) 04:44:11 ID:ksSExR0r0
 
2008年の8月の終わり頃、一週間ほど夏休みが取れたので兵庫県の実家に帰省しました。 

ある日、叔父(父の弟)に頼まれた簡単な仕事の手伝いを終え、二人車で帰路につきました。 
時刻は夕方で、全開にした窓からの風はまだまだ熱気を孕んだものでしたが、
しかしそれは夏の終わりを感じさせるもので、なんだか切ない気持ちになったのを覚えています。 
実家付近の川原にさしかかると、ふと叔父が「寄ってみるか?」と言いました。 
実家から車で10分くらいの川原でしたが、最後に来たのは小学生の頃です。
汗と埃を洗い落としたかったのと、懐かしさとで二つ返事で賛成しました。 
その川は水量も少なく、またかつて名水百選にも選ばれた川の傍流にあたるためその透明度は言うに及ばず、 
つかの間休憩するにはうってつけの川原でした。
小学生の頃、自由研究で川の水位を測るための目印とした岩も残っていて、ずいぶんと感慨深いものを覚えました。 

さて、水で顔を洗い、“石切り”などしていると、叔父が言いました。「誰か来るぞ」と。 
叔父の言う方を見やると、確かに対面の岸に手を振る人影が見えます。
人影までそう遠くはないのですが、靄(もや)のような霧がかかり、影のようにしか見えません。
しかし手を振る人影は、どうやら小舟に乗ってこちらへやって来ているのが分かりました。 


98 :本当にあった怖い名無し:2009/05/12(火) 04:44:51 ID:ksSExR0r0
 
人影は二人連れらしく、その内のひとりがこちらに手を振っています。
叔父がその人たちに気付いたときからこちらに手を振っているため、
知り合いか、もしくは何か用があるのかな、と思いました。 
誰だろう?と叔父と僕は顔を見合わせました。
叔父も見当がついていないようでしたが、怪訝な顔つきのまま手を振って応えていました。 
そろそろ靄を抜けるか、という境まで来て、まだ手を振っているのを見て改めて誰なのか考えつつ、 
僕はしゃがみ込んで待っていました。
そしていよいよ完全にその姿を目視出来る距離まで来て、
その二人の、あまりにあまりな正体に、僕と叔父は戦慄しました。 
さっきまで手を振って、小舟に乗ってこちらへやって来ていた人影は、 
二 体 の 人 形 だったのです。 
叔父と二人、女の子みたいに悲鳴をあげながらも、それから目を離さずにはいられませんでした。 




99 :本当にあった怖い名無し:2009/05/12(火) 04:47:36 ID:ksSExR0r0
 
まず手を振っていた方は水色の和装で、
少年の人形(一般的な雛人形を一回り大きくして立たせたような感じ)のようです。
顔は元は真っ白だったのでしょうが、雨風に長い年月さらされたような汚れがあり、
唇に剥がれかけた朱色の紅がひいてありました。
あと腰に白い刀を下げていました。 
もう一体の方は少女の人形で、髪が長いのと着物が薄い赤色というの以外は少年の人形と同じで、
一見で対になっているのが分かりました。
毬か道具箱か、何かを抱えていたような気がしますが定かではありません。 
あと小舟と思っていたのは、長方形の平べったいお盆のようなものでした。 
僕が震えながらもその姿から目を離せないでいると、
叔父がこの不気味な人形たちの、更なる異常さに気付いて言いました。 
「流れ逆やぞ、これ!」 
川は僕たちから見て右上に流れています。
つまり人形たちは、
川 の 流 れ に 逆 ら っ て こちらへやって来たのです! 
それに気付いた僕たちはたまらず一目散に車に飛び乗り、川原を後にしました。 
僕が恐る恐るサイドミラーで確認すると、
二体の人形は本来流されるべき方向へ、流れに乗ってゆっくりと遠ざかっていきました。 
車中、叔父とあの人形が手を振っていたのは思い違いではないという事を確認しあい、急いで家へと戻りました。 

あれから不思議とあの人形たちは夢にも出てきませんが、あの一件以後、川には近づけなくなりました。





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