【閲覧注意】怪談の森【怖い話まとめ】

当サイト「怪談の森」は古今東西の怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 怨念



820 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 03:37:43.30 ID:laOHYMeB0

前に働いてた会社での話。

会社を移転する計画が出て、候補地の土地買収の手伝いをさせられた。 
用地の大半はスムーズに取得出来たが、一区画だけボロボロの廃屋が建ってる土地があった。
金貸しとかから抵当付けられまくってる面倒な土地なんだろうな~と思って、登記簿を見てみたら、
まっさら綺麗なもんだったんだけど、短い期間に所有者が変わりまくってる。 


822 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 03:46:51.98 ID:laOHYMeB0
大抵、廃墟の登記簿に載ってる所有者って亡くなってたりして、行方不明で連絡が付かなかったりするもんだけど、
すんなりと所有者と連絡が付いたんだ。
だけど、「あの土地の件で」って連絡すると、露骨に不愉快な口調に変わって、
こりゃ、法外な値段で吹っ掛けてくるつもりか、 
『想い出のつまった生家だから取り壊したくない』とか言ってきて揉めるんだろうなって思ったんだ。


823 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 03:58:12.45 ID:laOHYMeB0
でも所有者からは開口一番、
「本当に買ってくれるんなら売るけど、あそこは祟られとるぞ」なんて言われた。 
これには同席してた社長やら司法書士やらも少しの間、開いた口が塞がらなかったけど、詳しく話を聞くと、
あの土地(家)で生活してると、若い女の幽霊が夜な夜な出てきて、
『苦しい、苦しい』って泣きながら訴えてくるんだそうだ。


825 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 04:06:25.65 ID:laOHYMeB0
毎晩毎晩、出てくるもんだから家族もすっかり疲れてしまって、
(旦那さんの所だけじゃなく家族全員の所に出るそう)
ある日、堪り兼ねて奥さんが実家に帰ると言い出したんで、
憔悴しきってた旦那さんも含め家族全員で奥さんの実家に一時的に引っ越したら、
パッタリと女の幽霊は出なくなったとのこと。


826 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 04:14:58.47 ID:laOHYMeB0
それから、住む事はしなくなったものの、
何度となく霊能力者やら坊さんやらを呼んでお祓いをしてもらったが、
その家で夜に寝てると、やはり同じ女の幽霊がでるんだそうで。
ある霊能力者には、
「ここに憑いてる霊は念が強すぎて手に負えない。
 だけども強すぎる念故に、この家からは一歩も離れられないから、
 この家から離れて暮らせば害は及ばない」
と言われたそうだ。 


827 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 04:19:22.28 ID:vxfGbJRb0
>>826 
家族全員が一丸となって、本気で怒りを燃えたぎらせれば消えると思うぜ 
人間って何故か「幽霊には勝てない」と頭から決め込んでるんだと思う 


828 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 04:31:10.76 ID:laOHYMeB0
霊能力者やら坊さん呼んだりしてたもんで、
近所にはすっかり幽霊屋敷として知れ渡って、全く買い手がつかなくなったそうだ。

会社幹部からは、
買い取って供養するなりしてから家を取り壊して、供養塔なり地蔵なりでも隅っこに建てておけなんて意見も出たけど、
やはり曰く付きの土地は止めとけって結論になって、土地の購入は見送った。

今は買収済みの土地の一部には会社の倉庫が建ってて、
例の廃屋に隣接してる部分は木を植えて、そこに小さな地蔵を安置した。 
ちなみに、倉庫は会社から遠いのと、廃屋の話が社員に知れ渡って誰も行きたがらず、ほとんど使ってない。


829 :本当にあった怖い名無し:2014/02/25(火) 04:42:07.25 ID:laOHYMeB0
>>827 
旦那さんの話じゃ、最初の頃こそ「せっかく買った我が家を幽霊なんぞに引っ掻き回されてたまるか」って、
方々から御札貰ってきて貼ったり、お祓いも何度もしたそうだが、一向に女の幽霊は消えずに、
胸から下が血だらけの女が毎晩出てくるんで、すっかり精神的に参ってしまったんだと。


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881 :眠り稲1:2006/03/07(火) 21:42:27 ID:XB7qWc/mO
祖父が未だ子供の頃の話。 

その頃の祖父は毎年夏休みになると、
祖父の兄と祖父の祖父母が暮らす、田園豊かな山麓の村に、両親と行っていたのだという。 
その年も祖父は農村へ行き、遊びを良く知っている当時小学校高学年の兄と、
毎日毎日、朝から日が暮れるまで遊んでいた。

ある日、田んぼ沿いの道を、兄と虫網を持ちながら歩いていた。 
幼かった祖父は、眼前に広がる見事な青々とした稲達に感動して、
思わず「すげえ。これ、全部が米になるんか」と声に出してしまったのだ。
すると「そうじゃ。この村の皆が一年間食べる分じゃ」と言いながら、祖父の麦わら帽子に手を置いた。 

しばらく二人でその景観を見ていると、不意に兄が口を開いた。 
「なあ、健次(祖父の名前)。『眠り稲を起こすな』って知っとるか?」 
突然の質問に祖父は戸惑いながらも、首を左右に振った。 
「『眠り稲』は、この村に伝わる合言葉みたいな物でな。
 『稲が眠ったみたく穂を垂れても、病気じゃないから変に心配はせんでいい』っちゅう意味らしいんじゃ」 
「へえ」と、祖父は驚きと納得が混ざった様な返事をする。
この稲が全部眠る事があるのかと思うと、なんとも言えぬ不思議な気分になったという。 


882 :眠り稲2:2006/03/07(火) 21:43:15 ID:XB7qWc/mO
その夜、晩飯を食い終わり、祖父が縁側で心地よい満腹感を感じていた時、不意に兄から声がかかった。 
「健次、花火せんか?」
振り向くと、大きな袋を掲げた兄が立っている。 
祖父はすぐに「うん」と返事をした。
この年の子供達は、家の中では常に退屈している様な物である。 
二人は履物をつっ掛け、「ぼちぼち暗なってきたから、気ぃ付けえや」の声を背に、外へ出て行った。 

田んぼ沿いの道を、花火を持ちながら歩く。 
赤や黄の火花に見とれながら、度々着火の為に止まる。

そのまま一帯を散歩しようかとなっていた時だった。 
祖父が特別大きい花火を喜んで振り回していたら、近くの民家の窓が開き、祖父さんが怒鳴った。 
「くらあ!餓鬼共!そないな物振り回して、稲が燃えて駄目になりでもしたらどないしてくれる!」
いきなり知らない大人に怒鳴られて、祖父は勿論、兄もびっくりし、涙目になって逃げだしたという。 
祖父は今でも、家に帰り着いてから兄が、
「糞親父。今に見とき」と呟いたのを覚えているという。 


883 :眠り稲3:2006/03/07(火) 21:44:03 ID:XB7qWc/mO
――深夜、祖父は自分を呼ぶ声で目を覚ます。 
目を開けると、徐々に輪郭を持ち始める闇の中に、兄の顔が見えたという。 
「なあ、面白い事考えたんじゃ」
一体何をこんな夜中に思い付いたのだろう。 
「今からあの糞親父の田んぼ行って、案山子を引っこ抜いたるんじゃ。健次も来るか?」 
祖父は余りに驚き、必死で首を振って拒否した。
「そうか、行かんか。それでもええんじゃ。けだし、大人達には俺じゃって事、ばらしてくれるなよ?」 
祖父は頷いた。
兄は一人で行って来るのだろうか? 

兄が部屋を出て行く気配を感じたのを最後に、また祖父は深い眠りに落ちて行った。 

――翌朝。
何か悪い夢を見た気がする。 
祖父は目を擦りながら、家族が待つであろう一階へ降りた。 
異様に静かだ。というより、誰もいない。 
祖父は嫌な予感がした。 
兄が取っ捕まったのじゃないだろうか? 
寝間着のまま急いでわらじを履いて、外へ駆け出した。 
田んぼ沿いの道を走る。

やがて例の農家が近付くと、異様な人だかりが見えた。 
嫌な予感はますます強まり、人だかりを必死でかき分けて、祖父は田んぼを見たという。 


884 :眠り稲3:2006/03/07(火) 21:44:47 ID:XB7qWc/mO
――そこには、案山子があった。 
いや、それは兄だった。 
両足を田んぼの泥に突っ込み、両手をバランスでも取る様に水平にしている。 
口からは涎が垂れ、目の焦点はあってない。 
「兄やん……?」
祖父はそう言うのがやっとだった。 

家族は兄を家に引きずる様にして連れ帰り、深刻な顔で話始めた。 
「眠り稲を起こしよったな…」 
「あれは気が触れてしまってるのう…」 
幼い祖父には、なんの事か分からない。

結局祖父には何も分からないまま、その年は早く地元へ帰り、
もう毎年兄の住む農村に帰る事はなくなったという。

『眠り稲を起こすな』
この言葉の真意を祖父が知ったのは、兄の葬儀の為に最後に農村へ帰った時。 
これが意味するのは、決して稲が穂を垂れても~という事じゃない。 
『草木も眠る丑三つ時、田んぼに行ってはならない』という、村の暗黙の了解の様な物だったのだ。 

丑三つ時の田んぼに行った兄。
タブーを犯してしまった兄に、あの夜何が起こったのかは分からない。
もしかすると、化け物に襲われたのかもしれない。 

とにかく、人間には想像すらできない様な正体を持つ伝承は、
日本のあちこちに、ひっそりと息を潜めているのだという。



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671 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 17:44:50.07 ID:MtTpUC540
かなり長い話になると思います。
乱文&駄文は目をつぶってくれると嬉しいです。


俺の地元には奇妙な風習がある。

その行事の行われる山は標高こそ200m程度と低い物であるが、
一本の腐った締め縄のようなものでお山をぐるりと囲んでおり、
女は勿論、例え男であっても普段からその山に立ち入ることは許されていなかった。
それでも、時々調子に乗ってその締め縄をくぐってお山に入ろうとする子どもが現れる。
実際俺の年の離れた兄貴の友達が、その締め縄をくぐってお山に入り込んだ
らしいのだが、その事実を聞きつけて来た村長連中にお堂に連れて行かれ、
三日三晩眠る事すら許されない程の激しい暴行を受けたらしい。
それを聞かされて育った俺達は勿論お山に近づくような事は無かったし、
俺達地元の子ども達にとってお山は恐怖の対象でしかなかった。
そんな奇妙なお山であるが、数年~十数年に一度不定期に人が足を踏み入れることが
あった。お山の木々が色を変え、突き抜けるような青空とどこか冬の匂いを想わせる風
の吹き出す10月に、その年に11~12歳となる少年たちが集められ、
白装束を着せられてお山を登らされるのだ。
ただ一つ、「お山に入ったら一言も口をきくんじゃないぞ」と念を押されて。


672 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 17:49:10.32 ID:MtTpUC540


俺がお山に入らなければならないと聞いたのは、その奇妙な行事の行われる10日ほど前の事だった。
両親から話を聞いた段階で俺はすでに泣き出しそうになっていたが、
「村の決定だ。逃げ出すことは絶対にできない。お前にはすまないと思うが辛抱してくれ」
と頭を下げてくる両親を見ると、その願いを断ることは出来なかった。

それからの日々はあっという間だった。

一切の外出は禁止され、食事の内容がガラリと変わった。
大好きだったハンバーグや焼き鳥のような動物の肉を使った料理は食卓から消えさり、
その代わりに老人が好みそうな菜食中心の物となった。
しかも、それらのほとんどが塩のみで味付けされており、その他の調味料すら使う事を禁じられていたため、
それらの料理をもしゃもしゃ食べながら当時はケージで飼われるウサギにでもなった気分だった。
前日に至ってはそれまで三食あった食事すら禁じられ、口に含める物は水と塩だけとなった。
そんな生活のせいで俺の体はみるみる痩せてしまい、その十日間で体重が6Kgも落ちた。
当日は太陽が昇る前に(4時~5時頃?)に両親に起こされ、どこからか持ってきていた白装束を着るように言われた。
前日まともに食事をとっていなかったせいで、体力は落ちていたし、早朝に起こされた眠気もあって、
俺は始終フラフラしていた。意識が朦朧とするなか、俺の自宅に俺と同じような白装束を着た大人が何人も訪れた。
彼らは両親と話をした後、俺をワゴン車に乗せると件の山に向けて車を発車させた。


673 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 17:52:03.06 ID:MtTpUC540


俺を乗せた車は街灯もない田舎道をしばらく走った後、静かに停車した。
車に乗ってからというもの、大人たちの発する異様な雰囲気に、俺は最早借りて来た猫のように縮こまり、
停車した時には少し安堵したのを覚えている。
車から降りると、その場には俺と同年代だったA・B・C・Dがいた。
皆一様にして顔色が悪く、10日前には考えられないほどやつれている。
きっと俺も彼らと同じようになってしまっているんだろうなとげんなりしていると、
白装束を着た大人の一人が俺達の前に出て来た。

「今からお山に入る。分っているとは思うが、俺達が良いというまでは口を開くなよ。」

俺達と同じ白装束に身を包み、顔には同じく白い布をかぶせていて、その男の表情は読めない。
しかし、その真剣な様子から俺達はビビりながらもその男の言葉にうなずいた。


674 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 17:55:23.14 ID:MtTpUC540

山に入ってからはまさに地獄だった。
普段から人の入る山ではないので、道などあるはずもなく、落ち葉を踏みしめ、
雑草を踏みつぶしてただ黙々とお山の頂上を目指して足を進める。
食事制限と眠気のせいで、平地でさえ足元が覚束ないのに、
まだ日の昇っていない山道を一言も声を上げる事すら許されずに登っていく事の辛さが分るだろうか。
ましてや当時の俺達は子どもである。何故こんなにも辛いことをさせられるのか分らず、正直逃げ出したい気持ちだった。
しかし、逃げ出すことは叶わなかった。なぜなら、俺達の周りには先ほどの男を先頭に、
俺達を囲むようにして男と同じような格好をした大人達がいたのだ。
俺達は何とも言い難い雰囲気の中、道なき道を延々と上り続け、
そしてたどりついた先には小さなお社があった。
何を祀っているのか今となっては確認のしようもないが、
その小さなお社は子どもが10人入り込めば満員になってしまう程の大きさであった。
大人たちは俺達5人をそのお社に押し込むと、一人一人に酒と塩を配りながら静かに口を開いた。

「それを飲んだらお前達には一人づつお山を下りてもらう。
このお社を出たら、どんな道順であろうと真っ直ぐに麓を目指せ。
さっきも言った通りこのお社から出た後、お山を降りるまでは決して口を開くなよ」


675 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 17:58:06.98 ID:MtTpUC540


それからその男は、

・このお社の中であれば俺達同士で話をしても良い事
・何があろうと決して後ろを振り向かず、声を上げない事
・太鼓の音が聞こえたら、年少者からお社を出て麓を目指す事

を俺達に伝えると、お社の外で待機していたらしい他の白装束の大人を引き連れてお社を出て行った。

残された俺達は半狂乱だった。まだ、日が昇っていないせいで、明りはあの男が付けて行った蝋燭の火だけ。
不気味に照らされたお社の中で映し出される顔は見知った友人達の顔であったが、
そのどれもが精気を根こそぎ奪われたミイラのように見えてしまう。

「どうなってんだよ!」「知らねーよ」「……お母さん」「何なんだよ、くそっ!!」

初めこそ口々に文句や大人に対する罵詈雑言を吐いていた俺達だったが、
あの畏怖の対象だったお山に子どもだけで置き去りにされている恐怖感と絶望感、
そしてこれからどうなってしまうのか分らない不安感に支配されてしまい、
結局皆無言のまま太鼓の音が聞こえるのをひたすら待ち望んでいた。



676 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:01:58.56 ID:MtTpUC540


そうこうしているうちに、何処からともなく野太い太鼓の音が聞こえて来た。
誕生日的に一番年少のAはその音を聞いただけで、ビクッっと体を震わせて
声にならない小さな悲鳴を上げていたようだが、俺達の視線とこのお社の中の
最悪な空気に耐えられなくなった様子で、扉をあけるとダッシュでお社を飛び出して行った。
開いた扉から一瞬だけ覗いた外の景色は、向かいの山に丁度朝日が顔を出したところで、
不思議なことにこの時だけはなぜか安心することが出来た。
Aが飛び出して行って数十分。俺達は特に話すこともなく、ただじっと床を見つめて次の太鼓の音が聞こえるのを待っていた。
どこかに隙間があるのか、冷たい空気が身体を震わせる。
残された仲間同士で身体を寄せ合い寒さから身を守っていると、
ドーン ドーンと地鳴りのように野太い太鼓の音が再び聞こえてきた。
それを聞いたBは心を決めていたのか、すくっと立ちあがると躊躇することなくお社を出て行った。
それから数十分後にはCが、その後にはDがお社を出て行った。
お社に残されたのは俺一人。
それまでなんとなくあった仲間と一緒だから大丈夫という心理もなくなり、俺は本当に一人になってしまった事実に
ガタガタと震えていた。もうこの頃には時間の感覚などなくなってしまっていた。
膝を抱え、恐怖と孤独感に押しつぶされそうになっていたんだと思う。
だから太鼓の音が聞こえた時は恐怖よりも歓喜の方が強かった。


677 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:05:06.82 ID:MtTpUC540


やっとこの恐怖から解放される。
そう思ってお社の扉を開くと、そこには、なんてこともない普通の山の景色が広がっていた。
お社に入った時には、まだ日が昇っていなかったので良く見えなかったのだが、
俺達の畏れていたお山にしては拍子抜けするほど普通だった。
朝の爽やかな空気が満ち、風にそよぐ色とりどりの葉っぱ。
朝梅雨はお日様の光を跳ね返し、まるで光の絨毯を敷いたような錯覚さえ覚えた。
思わず、「何だ、別に大したことねーじゃん」と口をついて出そうになるのを呑み込み、
俺はお山を下り始めた。

678 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:08:16.11 ID:MtTpUC540

一番初めに違和感を感じたのは、山を下り始めて数分の事だった。
早朝の山にしては静かすぎるのだ。山に行ったことのある人なら分ると思うが、山は意外に色々な音に溢れている。
小川のせせらぎや、小鳥の囀り、木の葉のこすれる音に、小さな虫の声。
そのどれもが一切聞こえない。聞こえるのは俺が落ち葉を踏みしめる乾いた音と、気まぐれに吹く冷たい風の音だけ。
それに気付くと、とたんに俺はえも言われぬ恐怖に襲われた。やはり、この山は普通じゃない。
しかし、恐怖に襲われたからと言っても足を速める事は出来なかった。空腹と睡眠不足が祟っているのだ。
俺はふらつく足を無理やり動かし、徐々に山を下っていく。

次に違和感を感じたのは、山の中腹辺りに差し掛かった頃だっただろうか。
何故か誰かに見られているような視線を感じ、辺りを見渡すもそこにあるのは細い木と枯葉だけだった。

「(ここはお山だ。俺以外はすでに山を下りているはずだし、多分気のせいだろう)」

無理やり自分に言い聞かせて足を進める。と、今度は俺の背後で誰かが話をしているような気配を感じた。
それも一人二人ではなく、複数の子どもの話声だった。
俺は思わず叫び出しそうになるが、手のひらで口を押さえて悲鳴を抑え込む。
その代わりに、俺は脚に力を込めて走り出した。何度も斜面を転がり、それでも走り続けていると、
いつの間にか謎の気配は消えてしまっていた。
張り付く喉のせいで呼吸が苦しく、貧血と酸欠でいよいよ意識が混濁してきた。
それでも、この恐怖から逃れるために、俺は這うようにして脚を進めた。


679 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:11:40.71 ID:MtTpUC540

事が起きたのはその時だった。突然背後から「○○ーーー!!」と母親の声が俺の名前を呼んだのだ。
思わず振り返る俺。しかし、そこに母の姿は無かった。代わりにいたのは、俺と同じ白装束を着た一人の少年。
一瞬、先にお山を下ったはずの友人かとも思ったが、声を出すなとあれほど言い含められて声を出すような奴はいないはずだ。
それにその少年の顔に俺は見覚えが無かった。それほど大きくはない村だ。同年代の子どもの顔くらい全員分る。
それでは、あいつは一体何者か……。
俺が頭を巡らせている間に、少年はにっこりと笑顔になるといたずらを思いついたような顔で口を開いた。

「さぁ、一緒に行こう」

その言葉を聞いた瞬間。俺は全身に鳥肌が立つのを感じた。胸の奥がカッと熱くなり、悲しくもないのに涙が止まらなくなった。

「さぁ、行こう」

少年が徐々に近づいてくる。
不思議なことに、落ち葉を踏みしめているはずの少年の足音は何故か聞こえなかった。

「……さぁ」


680 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:13:58.94 ID:MtTpUC540

いよいよ少年との間が手を伸ばせば届く距離となった時、
お社を出るときに聞こえた太鼓の音が、地鳴りのようにして俺の耳に届いた。
少年から目を離し、後ろを振り返ると腐ったような締め縄と、麓で太鼓を叩く大人達の姿が見えた。
いつの間にか、お山を出るまであと少しの所まで来ていたのだ。
俺は、必死の思いで身を翻すと、締め縄をくぐって大人達の待つ麓へと一気に駆け下りた。

俺がお山を抜けると、大人達は何を思ったか、憔悴している俺に向かって大量の酒と塩をぶちまけた。
そして、模造紙のような巨大な紙で俺を包むと、乱暴に軽トラックの荷台に俺を放りなげた。
反抗する気力もないまま、荷台で揺られ、寒さと空腹を覚えつつ俺は眠りについた。


681 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:16:12.27 ID:MtTpUC540

目が覚めると、俺は自宅のベッドに寝かされていた。
両親に話を聞くと、どうも三日三晩眠り続けていたらしい。
両親は村長と神主さんに「一応覚悟はしておけ」と言われていたらしく、
俺が目を覚ました時は死んだ人が生き返ったように驚いていた。
両親が落ち着きを取り戻したころに、あの山は一体どういったものか尋ねてみたが、
明確な答えはなく、ただ悪いモノが集まるのがあの山。
そしてお前が見たのはおそらくテンポポ様だろうと言ったきり口を開くことはなかった。

あの時、俺の他に参加していたA・B・C・Dについては、俺のように何かに話しかけられたり、
何者かの視線を感じることはなかったそうである。体調が回復した後に俺が村長と村長から聞かされた話しの中では、
俺のようにテンポポ様に話しかけられて戻って来た子どもは、これまで居なかったそうである。
テンポポ様に話しかけられる(=気に入られる)事はそのまま連れて行かれる事を意味していて、
俺の場合は運が良かったのか、テンポポ様の気まぐれなのか良く分らないと言っていた。
その話を聞いて、少しでも天秤が傾いていたら俺はテンポポ様に連れていかれて死んでいたのではないか
と思うと同時に、それを村のしきたりとして自然に受け入れている大人達に対する恐怖と軽蔑の念を抱かずにはいられなかった。


682 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:18:51.96 ID:MtTpUC540
村長と神主さんだった……。

これが、大体十年くらい前の話になる。
その後、俺は何事もなく成長し、高校卒業と共にこれ幸いと村を出た。
成人してからもほとんど村に戻ることは無かったのだが、
この間個人的な事情により久しぶりに村に戻る機会があったので、
親父と元村長にお山について話を聞いて来た。

最初はどちらもかなり渋っていて苦労したが、私が当事者だという事と、
成人しているという事で話してもらえることが出来た。



683 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:20:48.64 ID:MtTpUC540


まず初めにお山についてだが、あの山は昔から地元の悪い気の流れが集まる一種の異界なのだそうだ。
鬼が出たとか天狗が出たとか、そういった話には事欠かず、女や子供が立ち入ろうものなら
数日のうちに何かしらの不幸がその侵入者に訪れると言われる程、
土地にしみついた悪意だとか怨念といったものが浄化されることなく溜まっていく。
見るに見かねた当時の村人達はお山を締め縄で封印することにするが、それも対した効果はなく、
あふれ出る邪悪な気は数年~数十年単位で村に干ばつや洪水、飢饉、流行病などの天変地異を引き起こしていたらしい。

そこで考案されたのが、あの奇妙な風習である。

二次性徴直前の肉体的にも生命的にも最も柔軟で充実している少年たちを集め、
9日間を掛けて身を清めることで人ならざる者とし、その中の一人を生け贄としてお山に捧げる。
そうすることで、お山の邪気を祓おうとしたのだ。
実際、効果はあった。
それまでの天変地異は嘘のようになりを潜め、お山に対する畏怖の念は時代の流れと共に希釈されて行った。


684 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:23:28.80 ID:MtTpUC540


一定の期間で少年たちを供物に捧げてしまえば、お山は恐るるに足りないと
ほとんどの村人が思っていた矢先に、村を未曾有の大飢饉が襲うこととなる。
天保4年・西暦1833年のいわゆる天保の大飢饉だ。
当時の江戸幕府すら揺るがしたこの未曽有の飢饉は、例外なく俺の村を襲い、
そして多数の餓死者を出した。

そこで注目されたのが、先の風習だった。

飢饉をお山が起こした物だとすれば、村のしきたりを利用して口減らしをする事は勿論、
供物としてささげた少年の肉を食う事で当面の食糧にもなるという一石二鳥の名案だと喜んだらしい。
今となっては鬼畜の所業だが、きっと当時はそんな事も言ってられない程酷い状況だったのだろう。
こうして、飢饉が治まる天保10年までに述べ50人以上の少年達が供物としてお山に捧げられ、
そしてその少年達の無念さとこの世に対する恨みがお山の邪気と融合して怪物が生まれたのだ。

それこそが、テンポポ様。


685 本当にあった怖い名無し sage 2011/07/27(水) 18:27:27.75 ID:MtTpUC540


飢饉前に供物として捧げられた少年達も合わせると、恐らく100人以上の少年達の怨念の塊であり、
土地の悪意を吸収してさらに成長した怪物。
その怨念を抑えるために、さらに供物として捧げられた少年たちを合わせると、その規模は最早想像も出来ない程の数に上る事だろう。

村としても、何度も著名な霊能力者に、お山に巣くうテンポポ様をなんとか鎮めることが出来ないか依頼したそうだが、
どの人もお山を見た瞬間に凍りつき、

「あれは、人の祓えるモノではない。これから何百年もかけて管理し、徐々に力を弱めて行くことしか出来ないでしょう」

と匙を投げたらしい。

あのお山を管理することは、村に生まれた者の務め。
何の罪もない無垢な少年達を供物という形で殺め、死肉を貪り生き延びた者達の末裔として
それは当然の義務かもしれない。
しかし、今年生まれた俺の息子の顔を見ると、俺はこう思わずにはいられないのだ。

「どうかこの子が12歳になる時に、俺と同じような目には遭いませんように」と。


長々とスイマセン。   以上で終わりです。


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469: 本当にあった怖い名無し:2011/07/24(日) 12:32:47.10 ID:jBANMUvb0

ココが有名な洒落怖スレか 初めて来た
記念にウチの実家の話を投下。
あんま怖くないけどw

ウチの実家は893に守護されてる。
玄関先に身長2m超の、グラップラー刃牙に出てきそうなレベルの
スーパーマッチョな強面のがいるらしい。
俺は「見えない」類なんで、目にしたことは無いんだが
見える人によると、直立不動でドーンと突っ立てるらしい。

そんなんいたらガチで怖いっしょ?
俺だったら、そいつの前でチワワのように怯える自信がある。
だから、“あなたの知らない世界”系の悪いモンも
そいつを恐れて、家はもちろん住人にも近寄らないんだと。

 

ココまでなら守護神のように思えるかもしれんが、さにあらず。
最初に893と表したように、こいつ実は超やっかい。
まず、この893は元人間とかいう代物じゃない。

こいつの本体ってのが、実家の床の間に置いてある先祖伝来の日本刀らしいんだが
コレが嘘か真か、人間の首をた~っくさんチョンパしたという曰く付き。
元々凶相がある刀が、「なら相応しい役目を与えたろ」と首チョンパ用に使われて
悪いモン吸収しまくって、金八先生でも匙投げるレベルでグレちゃったんだと(伝聞を俺なりに意訳)

 

で、あまりにも禍々しくグレちゃって、持ち主不幸系の厄災連発。
フツーならお祓いやらされるもんだろうが、俺の先祖は只者じゃなかった。
妖気めっちゃ強い→この妖気使って守護鬼神つくったら無敵ジャネ?→ktkr!!
で、なんやらかんやら怪しげなことして、身長2m超の(ryを作ったんだと。
漫画みたいだね。俺もそう思った。

そんなビギニングなもんで、守護鬼神になってからもま~暴れん坊。
というか、むしろ893の本領発揮しまくったらしい。

曰く、刀をうっかり蹴飛ばした馬番が、暴れ馬にミンチにされた。
曰く、刀を盗んだ賊が、両腕を肩から削ぎ落とされた死体で見つかった
曰く、刀を売っ払おうとした放蕩息子の頭が、質屋の店先で突如かち割れた
曰く、刀の側でクシャミしてツバをかけちゃった奴の鼻が腐ってもげた
曰く、時代がくだって廃刀令の頃。処分しようとした当主の夢枕に出てきてフルボッコにした
曰く、第二次大戦の頃。軍刀にカスタムしようとした職人の手首を斬り飛ばした
等々、守護の役に立った話は聞かないが
気に入らん奴に仇なしたって類の話はてんこ盛り。
それでも見える人によると「しっかり強力に守ってはいる」のだとか。

 

さて、そんな頼もしいんだか、おっかねーんだかわからん893ブレード。
近頃、ちょーっと困った事態になりそーな予感ビンビン。
なんでかっつーと……近々、爺ちゃんが実家を引き払うんで……。
ウチに来るみたいなんだよね~……。

どうしよ?
来たらうpでもしよか?
その時、またココで再見…できるといーなー



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411 :1/5:2010/07/07(水) 23:07:24 ID:cQdVfgkq0

この間、俺が1人で残業をしてるときに電話が鳴った。

夜7時半くらいだっただろうか。
俺が勤めているところは小さな町工場で、建っている場所も街からちょっと外れた山のそばのため、この時間になると周囲に人影もない。

「はい、○○工業です」
「ああ、サンジかぁ?」

しわがれた爺さんの声だった。
サンジとは何のことか全くわからないが、聴いた瞬間、俺は「ああ、また間違い電話か」と思った。

というのも、うちの会社の電話番号は、地元のタクシー会社の電話番号と1番しか違わないために、病院を使う爺さん婆さんがよく間違えてうちに電話をかけてくるのだ。

「いえ、違いますよ」
「んぁぁ?」

ガチャ

要領を得ない年寄りの電話は一方的に切ることにしていた。こっちが会社名を名乗った時点で気づいてもらいたいものだが。

また電話が鳴った。

「もしもし、○○工業です」
「ああ、サンジかぁ?」

「違います。タクシーの番号なら、×××-××××ですよ」
「んぁぁ?」

ガチャ

一度の電話で間違いに気づかないとは相当ボケてるのか。こっちはまだ事務処理が残ってるんだからもうかけてくるなよ。
しかし、その願いもむなしくまた電話は鳴った。

「もしもし、○○工業です」
「ああ、サンジかぁ?」

腹が立ってきた。もういっそのこと「そうです」と言ったらどうなるんだろう。
俺はいたずらのつもりで「そうです、何か御用ですか?」と言ってしまった。

「おお、サンジか。じゃあ今からそっちに行くからな」

え?この爺さんはどこに行こうとしてるんだ?
爺さんの勘違いで見当違いの場所に出かけてトラブルになってもまずい。俺は間違いだと伝えるために、今かかってきた番号にリダイヤルした。

「もしもし」

若い女の声だ。

「あのー、○○工業といいますが、今ですね、そちらのお爺さんから電話がありまして」
「は?なんですか?」

「お宅のお爺さんから、今うちの方に電話がありまして、それで・・・」
「なんですか?うちに男はいませんけど」

「え?お爺さんというか、男の人自体住んでらっしゃらない?」
「なんなんですか?いたずらなら警察を呼びますよ」

どういうことだこれは。
かかってきた番号にそのままかけなおしたのだから番号の間違いということはない。でも電話先には女しかいない。さっきの爺さんは一体なんだったんだろう。

ドガッドガッドガッ!

突然俺がいる事務所のドアが激しく叩かれた。びっくりしてドアの方を見ると、ガラス戸の外には誰もいない。
呆然としてドアを眺めてるとまたドガッドガッドガッ!と激しい音がした。

なんなんだ、と思って恐る恐る近づいてみると、ガラス戸の外の死角になっていた部分に、顔と腕が赤く焼け爛れた男が立っていた。
俺は「うおおおおおおお」と叫び、腰を抜かしてしまった。よく考えたら、そのドアには鍵がかかってない。

しかし、その男はドアを開けて入ってこようとはせず、なぜかひたすらドガッドガッドガッ!とドアを叩き続けていた(叩くというか蹴っていたのかも。腕が全く動いてなかった)。

ドアに鍵をかけようか、それとも奥に逃げようか迷っていたら、いきなり電話が鳴ってまた心臓が止まりそうになった。
必死に電話までたどり着いて取ると、社長からだった。

「もしもし、お疲れ、仕事の調子はどう?」
「いや、それ、それどころじゃないっす。今、外にすげーのがいます」

「あー、何か出たの?じゃあな、神棚に供えてある酒をひたいと首につけろ。そしたら、神棚を開けてご神体を見えるようにしてみろ。多分そいつ消えるぞ」

俺は震える足で必死に神棚までたどり着いた。外では未だにドガッドガッドガッと音がする。
言われたとおり、酒を額と首につけて、神棚を開けた。すると、グシャッという音がしたと思ったらそれっきり何の音も聞こえなくなった。ドアの所にいた男も消えていた。

次の日、社長に昨日の出来事を話すと「やっぱそういうことも起きるんだな」と、全て知ってるかのような言い方だったので詳しく聞いてみると。
この会社が建っている場所は霊の通り道で、変な霊が騒ぎを起こすと霊媒師から言われていたので、会社を建てるときにあらかじめ、壁という壁全てにお札を練り込んであるから、どんな霊も入って来れないようになってるんだと自慢そうに語っていた。言うならば霊対策のセキュリティだ。

で、さらに後日、俺は個人的に霊能者を訪ねた。会社の土地を見て、お札を壁に練り込んでくれたあの霊媒師だ。
話を聞くと、うちの会社が霊の通り道に建っていることは本当で、壁にお札を練り込んであるので余程怨念の強い霊でなければ破れない、というのも本当。

「しかし…」霊媒師は気が進まなそうに言った。

「社長がどうしてもあそこに建てると言うから、仕方なく壁にお札を練り込んだけどね…そのせいで、あそこ、霊の通り道だったのが完全に塞がれてる状態なんだよね」

「それが、何かまずいんですか?」

「あそこを通って霊はいろいろな場所に行ってたんだけども、そこを塞いだために、霊は行き場を失って怨念が強まるという危険があるんだよ。あの結界を破れる霊はそうそういるもんではないけども、このまま強制的に怨念が強まることになればいずれ、あれを破るほどの強い怨念の霊が生まれるかも知れないんだ。そうなると、私にも、もう対処しきれなくなるからね」




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