【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: もののけ




860 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:12:50.33 ID:SSu7t6Qj0.net

中学校のとき、学年で成績一番でスポーツ万能で何しても一番になるような努力家の奴がいた。
小学校から一緒で小学校の頃はそんなにというか全然目立たないいつもニコニコしてる優しい男の子って印象で、
でもそいつを認識しだした5年生(目立たないから5年で席が隣になってようやく気づいたというか仲良くなった)のときには
勉強はすでにきちんとできてた。よく覚えてないけどテストの答えとか写してた。
中学校になると勉強できるやつが目立つし、突然イメチェンなのか何でも率先してやるようになったから張り切りすぎって感じで目立ってた。
でも実際何でもうまくこなしてたし、男は大体恥ずかしがりな中学生の時期に先生も感心するほど社交性とリーダーシップがあって、
俺ら一般ピーポーもあいつ変わったな、って話してて認めてた。俺は中学校から勉強頑張り始めててそいつの勉強方法が気になってた。
ちなみに顔はイケメンではないけど、その有能さとコミュ力から中2で学年で一番かわいい子を彼女にして長く付き合ってた。
で、中1のときだけどそいつの家が学校から近いけど行くまでにかなり急な坂を上らないといけない山のふもとみたいな高い場所にあったんだが、
そいつの家に遊びに行ったことがあった。そんなに深い仲ってわけでもなかったけど、そいつには好かれてた。
今から話すのはたしか2回目に行ったときのこと。ちなみに全部で2回で、そのときが最後だったと思う。もう1回いったかもだけど覚えてない。
お金持ちって言うよりは由緒正しい家なんだな~ってのがわかる感じの少し古い立派な家だった。
和風で庭とか多分なかったけど(あったとしても小さいと思う)、家自体はけっこう広かった。

861 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:15:37.71 ID:SSu7t6Qj0.net

そいつの家ではドンキーコング64をやって遊んだのを覚えてる。最初は家にそいつとそいつのお母さんがいたんだけど、
お母さんが買い物かなんかでちょっと出かけた。俺らはドンキー64やってたんだけど、途中でトイレに行きたくなってトイレにいった。
トイレの場所は知ってて俺一人でいった。トイレから帰るときだったか行くときだったかは忘れたけど、なんとなく好奇心から
見たことない部屋の方に寄り道したんだと思う、たしか。とりあえず茶色のピカピカひかるタイプの木の廊下に出てきたところからハッキリ覚えてる。
ちょうど廊下に出てきたときに誰かが廊下の先を曲がったところだった。ちなみに廊下の先の方向と友達がドンキーしてる方向は逆。
だから友達でもそのお母さんでもない第三者ってことになるんだけど、見た瞬間に明らかに不自然というか奇怪なものであることがわかった。
それの見た感じは、例えると笑っちゃうけど(実際みると奇怪でマジ笑えない)太陽の塔の形。あれが上半身で、太陽の塔は白いけど黒い。
で太陽の塔みたいな形なのは上半身で下半身は普通の人間のおしりと脚。ただし片脚がない。
要するに頭に小さい三角コーンをかぶってピッタリした黒い布を三角コーンの上からくるぶしまで纏っている感じ。足は素足。手はホント太陽の塔そのまんま。
片脚はないけど、もしかしたらケンケンしていた感じで見えなかっただけかもしれないけど、ケンケンしたときは体全体が上下するけどスーって移動してた。
後姿しか見てないから顔はわからないけど、形的に太陽の塔の顔が連想されてしまう...

862 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/13(日) 14:16:06.45 ID:SSu7t6Qj0.net

霊感とか全然ないけどとりあえずまずいものを見たと思って友達のところに戻って話したら、信じてくれず若干怯えてる感じで変なこというなよって感じだった。
勝手に関係ない部屋を見に行かないでって怒られたのと、見たこと人に言わないでって言われた。とりあえず怒られた感じが強くて見たものも謎だったし、
自分の家にない決まりが他人の家にあったとき特有の不愉快な印象が残ってる。
結局その件はそれで終わりで、高校もお互いに地元で一番の進学校にいったけどクラスがちがったし、そいつは相変わらず何でもできて成績も一番だった。
ただ、噂でしか知らないけど、旧帝大医学部を狙っててまさかの失敗をして浪人したらしい。
旧帝大医は無理と踏んで私大医に進んだ俺はやっとひとつ勝ったと思ったけどあのときのことが昨日登山にいこうと思ったときにフラッシュバックみたいに
思い出されて怖くなって行けなかった。
あいつ今どうしてんだろ...mixiもツイッターもFBもやってそうなもんのに見つからないからわからない。






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467 :本当にあった怖い名無し:2006/03/30(木) 06:22:51 ID:8aEEQ6/A0

親父から聞いた話です。

昔、四国石鎚山麓にある「おいのかわ(漢字不明)」というところで、よく怪異に出くわしたと話してくれました。
その場所はほとんど人が立ち入らず、渓流釣りにはもってこいの場所だそうで、
ごくごくわずかな友人と場所を共有していたそうです。


467 :本当にあった怖い名無し:2006/03/30(木) 06:22:51 ID:8aEEQ6/A0

やっと車が通れる道から徒歩30分ぐらいの位置にある川を上りながら釣りをしていると、
よくシャリンシャリン、と鈴の音がついて回ってくるそうです。
特に変なものが見えたり道に迷ったりするわけじゃないのですが、ずっとその音がついてきます。
釣った魚を持って帰ろうとしても、おいてけーとか聞こえるわけでもないし、
その魚食べても知る限り祟りとかはありませんでした。
どーも石鎚で頑張ってた修験者でもボケてでてきたのかなーと話してた。



467 :本当にあった怖い名無し:2006/03/30(木) 06:22:51 ID:8aEEQ6/A0

また、その場所への獣道では、他にも妙なものをよく見かけたそうです。
明らかに場違いな格好をした女性とコンニチハしたり(険しい山道でハイヒールとワンピースだった)、
いかつい胴着を着た青年が居たり(単なる山篭りか?)、
石工の集団に出くわしたりと明らかにオカシイ場所だそうです。
最後に、石の上に座った気味の悪い老人を見かけてから、10年以上足を踏み入れてないそうな。

頻繁に怪異に出くわす場所というものが身近にあるとは思わなかったので、近いうちに突撃してみたいのですが、やっぱり変なもの貰って帰る可能性はあるのかなーぁとちょっと心配している根性のないぼく。





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940 :1/3:2012/01/05(木) 07:07:02.27 ID:y3lA+qPO0

小学生の頃の冬の話。

 

母親は台所で料理してて、俺はテレビを見てた。
インターホンが鳴って、母親が出た。どうやら父親がいつもより早く帰ってきたらしい。
手が離せないからと言われ、俺は玄関の鍵を開けに向かった。
廊下の奥からドアを叩く音と、「寒いー早く開けてくれー」という父親の声が聞こえた。
小走りで廊下を駆けて、玄関を開けた。
父親の顔をした羊が俺の目の前にいた。

 

 

941 :2/3:2012/01/05(木) 07:11:38.76 ID:y3lA+qPO0

ドアを閉め一目散に逃げたが、
母親は父親が帰ってきたと思っているので、なかなかリビングに来ない父を迎えに玄関へ行った。
鍵が開いているのに開けてくれと言ってるのを不審に思ったのか、母親はドアスコープから外を見た。
途端に悲鳴をあげ、俺を抱えてリビングへ逃げた。
急いで父親の会社に電話を掛けると、父親は会社にいるという。
玄関の外の声は確かに父親だったのにだ。

 

 

942 :3/3:2012/01/05(木) 07:13:51.64 ID:y3lA+qPO0

何分経ったかわからないが母親と抱き合ってじっとしていると、再びインターホンが鳴った。
母親の尋常でない慌てぶりと、ドアの外に何かいるという事を聞いた父親がどうやら通報したらしく、
警察の人が来ていた。

 

玄関口で警察と話していると、父親が慌てて帰ってきた。
警察は「また不審者が来たら迷わず通報してください」と言って帰った。

 

 

943 :4/3:2012/01/05(木) 07:16:10.35 ID:y3lA+qPO0

母親の話では、マンションの廊下を羊が埋め尽くしていて、中には俺や母親の顔をした羊もいたらしい。
父親の声を使ってドアを開けさせておいて、我が家を乗っ取る計画だったのかと思った。
うちの家族だけでなく、廊下を埋めるほどの羊がいたということは、
ほかの住人は既に入れ替わっていて、羊の家族と過ごしているのかもしれないと思った。

 

思い出して怖くなったので書いた。




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350 :1/3:2009/12/31(木) 16:29:47 ID:jCDbnveD0

突然だが、本で読んで以来、アカマネという得体の知れない物の怪の話を集めている。
アカマネとは、読んで字のごとく『赤真似』。これは全国津々浦々で目撃されているらしい。
で、このスレの情報量を頼って、似たような話があったら聞きたい。

 

俺が覚えているアカマネの話は、だいたい以下のような話。

 

ある人が引越しして間もない昼間、チャイムが鳴った。
引っ越してきたばかりで知り合いもなく、尋ねてくる人の心当たりもなかった。
厄介なセールスだと困るので、ドアスコープから様子を伺うと、誰もいない。
おかしいな……と思いながらも部屋に戻ると、またピンポーンとチャイムが鳴る。
再びドアスコープを覗いても誰もいない。
そして部屋に戻ると、またピンポーンとチャイムが鳴る。
そうだ、と思い立ち、玄関が見える部屋に行き、カーテンを開けて玄関を覗き見た。
ドアの前に立っていたのは、真っ赤な色をした人型のものだったという。
うわ、と思ってすぐに顔を引っ込めたが、そのときまたピンポーン……とチャイムが鳴った。
一体アレはなんなんだ?と思うと、怖くてたまらない。チャイムが鳴る度に体が竦んだと言う。
あんなものに気づかれたらどうしよう。そう思って子供部屋を出て、絶句した。
玄関の上にある採光用の窓に、赤い頭と手が張り付いていたのだという。
身長が二メートル以上ある!
どうしよう、と思った瞬間、外に出ていた娘さんが帰宅した。
驚いて「大丈夫だった?」と聞くと、「何が?」と笑われたという。

 

 

351 :2/3:2009/12/31(木) 16:30:31 ID:jCDbnveD0

数日後、友人夫婦が引っ越し祝いに来てくれた。
玄関に行ってみると、旦那さん一人しかいない。
「奥さんは?」と聞くと、旦那さんは「わからん」と首をかしげた。
「俺をマンションの下に降ろしたら、慌てて自分だけ帰ってしまった」と言って、怪訝な顔をしたという。

 

やがて、宴もたけなわとなった。
やっぱり奥さんに来てほしいその人は、奥さんに電話してみた。
すると、奥さんは『言いにくいんだけど……』と前置きして、こんなことを言った。
『マンションに行くと、マンションの五階にあるあなたの部屋の前に、
 大きくて真っ赤な人間がいて、体をくの字に曲げて中を覗き込んでるの。
 主人には見えなかったみたいだけど、私は怖くて帰っちゃったの』

 

このことを知人に相談すると、「火事の前兆かもしれない」と言われたので、しばらく火元に気をつけて生活した。
しかし、結局火事は起こらず、その赤い人間がまた現れることはなかった。

 

 

353 :3/3:2009/12/31(木) 16:31:54 ID:jCDbnveD0

んで、俺が集めたこの『赤真似』の特徴。
・体が赤い。稀に緑色、ないし黄色の場合もある。洒落怖の「青い人が来る」などもこの類か。
・アカマネとは単に一番オーソドックスな色なだけで、別に赤い種類だけがいるわけではないのかもしれない。
・体が巨大である、もしくは目鼻などの凹凸がないなど、人間とは少し異なるものの、人型をしている。
・神出鬼没で、特定の場所に出るというわけではない。取り憑くということもいまだ聞かない。
・何かの前兆であるとも聞く。その場合は火事の前兆であると解釈される場合が多い。
・稀に知り合いの名前を騙って玄関に現れることもあるらしい。アカマネの名前はこの特徴から。
・見える人と見えない人がきっぱりと分かれるらしい。

 

ネットや本を読む限り結構目撃されてるようなので、このスレでも似た話が出ると思う。
年末に変なことを話すが、知ってる人がいたら教えてくれよ。





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138 :1:2011/05/26(木) 19:10:22.12 ID:eyYw6u020

1年前に仲間内でとある山へキャンプへ行った時の話をしようと思う。

大学が夏休みに入る少し前、高校の頃からの仲間のAから電話があった。
Aとは進学先が別々になって実際に会う機会も減っていたが、時々こうやって電話が来ている。
その時の話は、高校の頃のいつもの仲間で集まって久々に何かしないか?という内容だった。

夏休みに入ってすぐ、俺達はAのアパートに集合した。
面子は俺、A、それとBとCの4人。高校の頃特に仲の良かったメンバーだ。
最初は近況などを話していたが、そのうち本題になり、「さて、何をしようか」ということになった。
が、集まっても何も安が浮かばない…
そうこうしていると、話に加わらずAのPCで何かをしていたCが、
おもむろに「google mapで適当に見つけた場所にキャンプにいかね?」と言い出した。

139 :2:2011/05/26(木) 19:11:03.63 ID:eyYw6u020

俺とAとBが「はぁ?」と言うと、Cは結構大真面目に、
「いやいや、おもしろそうだろ?目的地もランダムで、全く知らない場所にキャンプ行くんだぜ」
と得意げだ。
でもまあ、たしかに行き当たりばったりは面白そうではあるかもしれない。
俺がそう思っていると、Bもそう思ったのか、
「よし、じゃあ“キャンプ場”で検索してみようぜ」と言ってきた。
するとCが、
「それじゃつまんなくね?
 いっそそういうキャンプ場とかじゃなくて、ほんとに人気の無い山奥とかそういう場所にしね?」
と言い出した。
たしかにおもしろそうだ。
俺達はその時そう思った。



140 :3:2011/05/26(木) 19:11:54.14 ID:eyYw6u020

そして、適当に山っぽい場所をあちこち探し回っていると、
周囲に人家もなく、ただ林道らしき道が1本通っているだけの場所を、中国地方のある場所に見つけた。
拡大してみると、川べりで少し開けていて、キャンプにも最適そうに見える。
俺達は東日本出身だ。
西日本方面のことは殆ど知らないし、地理的にも立地的にも、俺達の理想に合致しているように見えた。
キャンプ地はその場所に決定した。

当日の朝。
Cがバイトして買ったというボロい軽に乗り込み、俺達は出発した。
そして、その日の夕方には目的地近くに到着した。
その日は、近場にあったスーパー銭湯のような場所で食事と風呂を済ませ、そのまま近場の公園のベンチで寝た。

翌日。
近場のコンビニやスーパーで3日分の水や食料を買出しし、俺達は目的地へと向かった。
携帯で地図を確認しながら山道をどんどん進んでいくと、とうとう携帯の電波が届かなくなってしまった。
が、今まで通ってきた道が検索した時に見つけた林道だったので、そのまま道なりに進むと、
すんなりと目的地の開けた場所に到着できた。

現地についてみると、その場所はgoogle mapの航空写真で見るよりもずっといい場所だった。
すぐ横に川が流れていて水も綺麗だ。
それに、川沿いの開けた場所はかなり広く、ジメジメ感もまるでない。


141 :4:2011/05/26(木) 19:12:44.69 ID:eyYw6u020

俺達はすぐにキャンプの準備を始めた。
車から荷物を運び出し、テントを建て、石を並べてかまどを作り、薪を集めたり、
雨対策にテントの回りに溝を掘ったりしたのだが、
早めに到着したこともあり、午後2時過ぎ頃には全ての作業が終ってしまった。

暫らく川に石を投げて水切りなどをしながらgdgdしていると、
Aが「暇だしちょっと回りを探索してみないか?」と言ってきた。
暇だった俺達は、特に反対意見もなくそうする事にした。

川が狭くなっているところから対岸に渡り、
来たときから見えていた対岸の砂利道を、上へ上へと進んでいった。
暫らく進んでいると横道があり、その先の森が開けて、白いコンクリート製の壁の小さな建物が見えてきた。
その建物は1階建ての長方形で、山の中にぽつんとあるにしてはやたら小奇麗なのだが、
一見してどういう目的の建物なのかさっぱり解らない。
窓も少なく、その窓も全てブラインドが閉じていて、中をうかがい知る事もできなかった。
何かの管理事務所のようにも見えるが、そのわりには他に建物らしきものも周囲に無い。
俺が「なんだこれ?家じゃないし、何?」といったが、誰も何なのかさっぱり解らず答えは返ってこない。
とりあえず俺達は、そのまま周囲を探索してみる事にした。


142 :5:2011/05/26(木) 19:13:34.17 ID:eyYw6u020

探索してみてわかったのだが、この建物はどうも、
少なくとも今は使われている痕跡が無いらしいことだけは解った。
理由は簡単で、表の方は砂利が敷いてあるので目立たなかったが、裏の方は雑草が生い茂り、
明らかに何年も放置されているのが解ったからだった。

すると、表のほうにいたAが「おーい、こっち来てみろ」と俺達を呼んだ。
Aの所に行ってみると、なんとAは建物のドアを開けていた。
C「ちょ、おまえ、流石にそれはまずくないか?」
B「鍵とかかかってなかったのか?」
と言うとAは楽しそうに、
「鍵掛かってなかったぞ、ドアノブ回したら普通に開いたし」と、悪びれる様子もなく返してきた。
そして俺も、
「でもこの建物、明らかに廃墟じゃね?鍵は元から開いているんだし、ちょっと入るくらいならいいだろ。
 なんの建物か興味あるだろ?」
俺がそういうとAも同意してきたし、
BとCも本気で止める様子はなかったのか、「ちょっとくらいならいいか」と返してきた。
俺達は中に入ってみる事にした。


143 :6:2011/05/26(木) 19:14:10.99 ID:eyYw6u020

中に入ると、室内には調度品のようなものや、家具のようなものは何もなかった。
長い事放置されているようで、部屋の中は非常に埃っぽい。
10畳分くらいの長方形の部屋があるだけなのだが、
変わっているのは、部屋の真ん中に下へと続く階段があることだ。
4人とも黙り込んでしまった。
この状況、流れ的に今更下に行かないわけにはいかない。
問題は誰がそれを言い出すかなのだが、こんな怪しい建物のしかも地下へと続く階段、
あからさまに怪しすぎて、誰もその一言をいえないでいた。

暫らくの沈黙の後、最初にBが口を開いた。
「下真っ暗だよな?懐中電灯ないし、装備整えて明日で良いんじゃないか?」
最もな意見だった。
そしてこの提案をしたBに、俺は心のそこで感謝した。
しかし、Cが唐突に「明かりなら携帯画面で十分じゃね?」。
しかも、Aもそれに同意のようだ。
俺とBはここで断れば、確実に2人にヘタレとからかわれるのが目に見えていた。
ぶっちゃけ怖かったが、4人で下へと降りていくことになった。


144 :7:2011/05/26(木) 19:14:46.88 ID:eyYw6u020

階段はそんなに長くなかった。
下に下りると、真っ暗でよくは解らないが、どうやら6畳くらいの正方形の部屋のようだ。
上と違うのは、なぜか部屋の真ん中にユニットバスのバスタブが置いてある。
部屋の中にはそれ以外何も無いようだ。
バスタブの中を携帯の明かりで照らして見ると、中で何かを燃やしたような痕跡があったが、
燃やしたものは取り出したのか黒い煤があるだけで、他には変わったものは何もなかった。
俺達は拍子抜けしてしまい、「なんだこれだけか」と、キャンプしている場所に戻る事にした。

階段を上る時に、俺はなんと説明したら良いのか、
一瞬人の気配というか、後ろから誰かが顔を近づけると気配でわかるよな?あんな感覚を感じた。
驚いて後ろを振り向いたのだが、最後列の俺の後ろに誰かいるわけでもなく、
上の3人が「どうした?」と声をかけてきたが、俺はなんでもない気のせいだと、そのまま階段を登った。

キャンプ地に戻ると、結構時間が過ぎていて、もう夕方の5時近くになっていた。
俺達は夕飯の準備をして飯を食った。

その晩。
俺達4人は焚き火を囲んで、あれやこれやととりとめのない話をしていたのだが、
ふと気付くと、Bがやたらと背後を気にして、何度も後ろを振り返っていることに気が付いた。



145 :8:2011/05/26(木) 19:15:25.04 ID:eyYw6u020

俺が「B、どうした?なんかいるのか?」と聞くと、
Bは「あ、いやそれが…いやなんでもない」というと黙ってしまった。
なんか変な反応だ。
他の2人も気になったのか、
まずAが「おいB、なんか気になることあるならいえよ。余計に気になるだろ」というと、
Cも「変に隠すと逆にこえーよ」と冗談半分に言った。
するとBが、
「ほんとなんでも無いから。
 ただちょっと、なんか視線を感じるんだよ。
 でもどう考えても気のせいだろ?俺達以外に人の気配無いし」
と言い出した。
たしかに変な話だ。でも、俺もさっきのことを思い出して、少し気になり始めた。
AとCも気になったのか、全員で懐中電灯を持って周囲を確認する事にした。


146 :9:2011/05/26(木) 19:17:22.43 ID:eyYw6u020

懐中電灯であちこちを照らしてみたのだが、やはり人影も動物らしき姿も何も見えない。
するとCが、「うおっ!」と声をあげて俺の方へ振り向いた。
そして、俺に「今お前、俺のすぐ後ろにいた?」と、変なことを聞いてきた。
もちろん俺はそんな事はしていない。
Cには近付いてないことを伝えて、Cに事情を聞くと、
昼間俺が感じたのと同じように、自分のすぐ後ろに人の顔があるような、そんな感覚を感じたらしい。

何かおかしい。
俺がそう思っていると、1人で川の方を見ていたAが、
「おい、なんかおかしいぞ、ここなんかいるぞ」と、俺たちのほうにやってきた。
俺は「なんかってなんだよ。はっきりいえよ」と言うと、Aはなんだか解らないのだという。
なんだか解らないが、とにかく視線と気配をさっきからずっと感じるんだという。
全く要領を得ない。
埒があかないと思った俺は、とりあえずテントに入ろうと3人に促し、テントに入る事にした。


151 :10:2011/05/26(木) 19:51:47.33 ID:eyYw6u020

テントに入り少し落ち着いたので、俺は昼間の事を3人に話した。
すると、AもBも同じ感覚を感じたらしい。
要するに、4人とも背後に誰かいるような、そんな気配を感じていたのだった。

暫らくの沈黙のあとCが、
「ここなんかやばくないか?
 車近いし、ひとまず荷物は昼間になったら取りに戻るとして、車でふもとまで下りないか?」
Aも「その方がいいかもな…あの建物なんかヤバイ場所だったのかも…」と、
普段は結構強気なAとは思えない口調で言い出した。
BもやはりAやCと同意見のようで、どうせ荷物が盗まれるような事は無いだろうし、
ひとまず車まで行く事にしようと決まった。
その時、外で風が吹いて木々がザワザワと鳴り出した。
そして、そのザワザワという音に混じって、何かが聞こえてきた。
耳をすますと、良く聞き取れないが、風に乗って人の声のようなものが聞こえてきた。
何か歌ってるような、そんな声だった。
本格的になんかヤバイ。俺はその時そう感じた。
俺達は意を決してテントの外に出た。
そして、早足に車へと向かった。


154 :11:2011/05/26(木) 20:01:04.81 ID:eyYw6u020

その時、Bが車の方向に何かを見たらしい。らしいというのは、俺達には何も見えなかったからだ。
Bは突然立ち止まり、ガタガタ震えながら進行方向を指差すと、
「うわああああああああああああああああああああああ」
と叫びながら、車とは逆方向、川の方へと走って行ってしまった。
俺達は「おいB待てって、ちょっと止まれ!」と言いながら、Bの後を追った。
Bはそのまま川を越えると、さっきの砂利道を建物とは反対方向へと走って行く。
とにかくわけも解らずBを追いかけた。

暫らく走っていると、Bは一瞬立ち止まると90度方向をかえ、
道ではない場所を、沢の方へと下りて行ってしまった。
俺たち3人もその後を追う。

暫らく懐中電灯を照らしながら道では無い場所を走っていると、俺は脚を踏み外し、
窪みの様になっている場所に落ちてしまった。
背中を地面にぶつけて暫しの間呼吸ができず、うめきながら起き上がると、遠くにBを呼ぶAとCの声がする。
どうやら俺が落ちた事に気付いておらず、そのまま進んでしまっているようだ。


155 :12:2011/05/26(木) 20:01:51.74 ID:eyYw6u020

俺は手足を動かしてみた。
怪我はしていないようで、背中をぶつけた痛み以外に痛い場所は無い。
その間にAとCの声も聞こえなくなってしまった。
とにかく上に上がらないと。そう思った俺が窪みを登ると、また背後に気配を感じた。
恐る恐る後ろを振り向き、懐中電灯を照らした。
何もいない…
なんとなくホッとした。

よたよたと歩きながら、とりあえずB達が駆け下りて行った沢の方へと歩き出した。
沢に下りると、皆を探さないとと思い、
「おーい、A、B、Cいるかーーーーーーーー!」と大声で叫んでみた。
が、反応はない。
すると、また背後に気配を感じる…
そして、今度はそれだけではなかった。
風の乗って、さっきキャンプ地で聞いたのと同じ、何かが歌っているような声がまた聞こえてきた。
そして、まだ内容はよく解らないが、さっよりも近くはっきりと聞こえるようになってきている。



156 :13:2011/05/26(木) 20:02:31.72 ID:eyYw6u020

暑さとは違ういやな汗が全身に噴出してきた。
歌声は段々と近付いてくる。
恐怖心を振り払い背後を振り向くと、暗闇を懐中電灯で照らした。
しかし、やはりなにもいない…
歌声は更に鮮明に聞こえるようになり、ほんの20mか30m先にまで近付いてきたのだが、
何故かその時動けなかった。

動けずにいると、歌声はもうすぐ側までやってきた。
なぜか未だにどんな歌詞で歌っているのかさっぱりわからないが、
かろうじて、どうやら何かの民謡のようだということだけ解った。
混乱して、あたりをキョロキョロしながら懐中電灯で照らしまくっていると、周囲に複数の気配を感じた。
だが、気配は感じるのだが、どこにも姿が見えない。
姿が見えないのに、明らかにそこに『何かがいる』のだけは解る。
意味が解らない。
俺は恐怖心と、暗闇に一人というこの状況で、完全に冷静さを失っていた。

その時、俺のすぐ後ろで誰かが何かを囁いた。囁く時の息の生暖かさすら感じた。
今まで感じた事の無いような恐怖心を感じながら後ろを振り向むき、懐中電灯を照らした。
が、やはりそこには何もいない…
何もいないのだが、はっきりと目と鼻の先に『何か』の息遣いを感じた。


157 :14:2011/05/26(木) 20:03:25.46 ID:eyYw6u020

もう限界だった。
俺は歌声のする方向とは逆方向に全力で逃げ出した。
木の枝や茨のようなものが体に当たり、あちこちに小さな傷ができる、
それでも俺は走るのをやめなかった。

そして、どれくらい走っただろうか。結構広めの舗装された道路に出た。
道路に出る頃には、もう歌声も気配もしなくなっていた。
俺は少し安心して、もしかしたらと携帯画面を見てみたが、まだ圏外のようだ。
しかたなく、その道をあても無く歩き始めた。
広い道なので、歩いていればいずれどこかにでるだろうと思ったからだ。

暫らく歩いていると、後ろの方から車の走る音が聞こえてきた。
「助かった!」
そう思って待っていると、遠くから車のヘッドライトが見え、だんだんとこちらへ近いづいてくる。
目立つように少し道路の真ん中に寄ると、俺はありったけの声で「助けてくださーい!」と叫び続けた。
車がもうすぐ近くまで来るという頃、異変が起きた。
誰かが俺の両足首を掴んでいる…
俺はかなり強くつかまれ、足が痛いうえに身動きが全くできなくなってしまった。
それでも大声で叫び続けた。そうしなければ、この車を逃したら…
そう思うと、そちらの方が恐ろしかったからだ。


158 :15:2011/05/26(木) 20:04:17.47 ID:eyYw6u020

とうとう車は目の前まで来た。
そして、急ブレーキを踏んで俺のすぐ前で停車した。
車はいかにも高そうな外車で、中から怒鳴り声を上げながら、あからさまにそっち系のおっさんが出てきた。
普通ならこういう人達とは係わり合いになりたくない。
だが、今は非常時だ。この後はどうなってもいい。
俺は心底そんな気持ちで、おっさんに車に乗せてほしいと頼むつもりだった。
おっさんはドアを開けながら怒鳴り声を上げていたのだが、急に俺の背後を見ながら顔を引きつらせ、
大急ぎでドアを閉めると、そのまま走り去ってしまった。
…えっ
俺は呆然とした。
まだ足はつかまれたままだ。
背後になにかいる。それだけはおっさんの反応でわかったのだが、恐ろしくて後ろを振り向けない…
すると、背後から例の歌声が聞こえてきた。
そしてそれだけではなく、何か強烈な腐臭も漂ってくる。
俺はありったけの力で足を動かそうとしたが、動かない。
そして、体を捻らせた拍子に体勢を崩し、その場に倒れこんでしまった。
それでも、恐ろしくて背後を見ることができない。
しかし幸運な事に、転んだ勢いで足を掴んでいる手が離れた。


159 :16:2011/05/26(木) 20:04:59.94 ID:eyYw6u020

そのまま這うようにその場を離れると、起き上がり全力で走り出した。
この時、俺は背後を振り向き何かを見た。それは間違いない。
そしてそれに、今まで感じた事の無いような恐怖心を感じたのも間違いが無いのだが、
今思い返しても、なぜか何を見たのかが思い出せない。
これを読んでいる人はおかしいと思うのだろうが、そうとしか言いようが無い。
『何か恐ろしいものを見た』という記憶しかなかった。

たぶん1km以上は走ったんじゃないかと思う。
ポケットに入れていた携帯が突然鳴った。どうやら、携帯の繋がるところまで下りてきていたようだ。
電話に出るとそれはAだった。電話越しにCの声もする。
Aが『おい、大丈夫か?今どこにいる?』と、かなり心配しているようだ。
俺はとりあえず、無事な事と広い道にでている事を伝えると、
「Bはどうなった?無事なのか?」と聞いた。


160 :17:2011/05/26(木) 20:06:01.29 ID:eyYw6u020

Aによると、Bも無事で、3人で一緒に資材置き場の駐車場のような場所にいるらしい。
話を聞いていると、どうも俺と同じ道を下ってきていたようで、
電話をしながら暫らく歩いていると、3人が見えてきた。
キャンプ地を逃げ出してからかなり時間が経っていたのか、空が白み始めている。

3人に合流すると、Bは駐車場の縁石に座りぼーっとしている。
とりあえず俺は、皆にはぐれた後の事を説明した。
するとBが、「そう、それだ。俺が見たのも!」と言ってきた。
姿形は全く思い出せない。
でも、そこに『何か恐ろしいもの』がいたのだけは、はっきりと覚えているんだという。
AとCにそういうのを見たか聞いてみたが、2人はそういうのは見ていないという。
ただ、Bを追っている最中に、ずっと背後に気配と視線は感じていたらしい。

話しているうちに日が昇り、周囲が明るくなり始めた。
俺達4人は携帯の地図で場所を確認すると、
どうやらキャンプ地から大きく回りこんで、別の峠のほうに来ているようだが、
歩いて戻れる範囲ではあるようだ。
本当は戻りたく無いのだが、荷物も車もそこにある、戻らないわけにはいかない。

俺達は3時間かけて、キャンプしていた場所まで戻った。
戻ってみると、一見何も変化がなく、荷物もテントも車も来た時のままだ。
しかし根拠は無いが、4人とも『またあれが来るんじゃないか』と内心ビクビクだった。
中の荷物をまとめようと俺がテントに入ろうとしたとき、中からあの強烈な腐臭がしてきた。


161 :18:2011/05/26(木) 20:07:10.17 ID:eyYw6u020

俺は「うわっ」と声をあげてしりもちをついた。
別のところで荷物をまとめていたA、B、Cが、何事かと寄ってきた。
俺が「ヤバイ、なんかテントの中からあの臭いがする…」というと、
真っ青な顔でBが、「マジか…」と後ずさりした。
Aが「…とりあえず外から中を探ってみるしかなくね?」と動揺気味に言ってきたので、
外から棒でつついたり石を投げたりして、内部の反応を見てみた。
しかし、何の反応も無いし気配も無い。
Cが恐る恐るテントの窓を覗き込むと、
「見える範囲には何もいないっぽい…」と言ってきた。
俺は意を決して、テントの入り口をあけ中を覗き込んだ。
中には俺達の荷物がそのままだ。ぱっと見た限りでは、臭い以外におかしなところは何も無い。
ただ、よく見ると、テントの中央辺りが黒く煤けている。
まるで何かそこで小火でも起きたような色で、特にその辺りの腐臭が酷い。


162 :終わり:2011/05/26(木) 20:07:52.01 ID:eyYw6u020

俺達はなるべく臭いをかがないようにしながら荷物を全て外に出すと、
テントを川で念入りに洗い、臭いを完全に洗い落とし、
荷物をまとめると、早々にその場を逃げ出した。

帰り際、ふもとの小さな町でそれとなく色々聞き込みなどもしてみたのだが、
結局あれが何なのかは解らなかった。
というより、山そのものに『いわくも何も無かった』といったほうがいい状態だった。

その後、俺達には特に何も起きておらず、
結局あの晩に起きた事の真相は、今現在まで何もわかっていない。
ただ、今でも俺は少し暗闇が怖い。
常にではないが、たまに真っ暗の闇の中から、
あの何か気配や歌声が聞こえてくるんじゃないかと、不安になるときがある。

以上、これが1年前の出来事の全てです。







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