【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: もののけ




171 :本当にあった怖い名無し:2020/07/14(火) 15:07:47.88 ID:mMaQUfGD0.net
オカルトにまったく詳しくないので、これがよくあることなのかわからないのですが…。
誰かに聞いてもらいたくてこちらにきました。初めて書き込むので、お見苦しい点あるかと思いますがご容赦ください。

昼前にベビーカーを押して、自宅マンションからすぐ近くの薬局から帰ってきたときのことです。
空気がどんより重く湿っていて、雨も降っていて視界も良くはなかったのですが、
道の向こう側から一人の女性が歩いてくるのが見えました。
『少し太った中年女性、足が不自由』と瞬時に判断したのを覚えています。
細い歩道なので、こちらが急いでマンションに入らなくてはと考えていたのですが、
ふと女性の姿に違和感を覚えてまじまじと見つめてしまいました。


172 :本当にあった怖い名無し:2020/07/14(火) 15:09:01.28 ID:mMaQUfGD0.net
黒いマスクをしていると最初思ったのですが、そうではなくて、穴が空いたように顔がなかったんです。
帽子からパーマのかかった毛も見えていて、上はグレーのウィンドブレーカー、下は花柄のズボンといたって普通の中年女性の服装。
でも顔だけが『ない』もしくは『見えない』んです。
あとは歩き方です。どう見ても腰から下が、ぶらぶらというかくねくねというか、横に揺れているんです。
『歩いているように見える』だけで、歩いているわけではない。
人間ではないかもしれない、とぼんやり思いました。なぜか、人間の真似をしているだけだ、と思いました。
ふしぎと怖いとは思いませんでした。


173 :本当にあった怖い名無し:2020/07/14(火) 15:10:07.54 ID:mMaQUfGD0.net
そのとき、ベビーカーの中から赤ちゃんが声をあげたので、「ごめんね、もうすぐおうちだよ」と声をかけました。
ベビーカーから顔を上げると、10mくらい離れていたはずの『それ』が瞬時に5mほど先に移動していました。
「あ、まずい」と思いました。
ベビーカーを全速力で押して左折し、マンションの敷地内に入りました。
エントランスまでのアプローチは小さな公園のようになっており、敷地はぐるりと塀で囲まれ歩道側には大きな門が立っています。
その門をくぐり終えたとき、わたしのすぐ背中に『それ』が立っているような気がして振り返ることができませんでした。

門をくぐってからは何事もなく、無事に家に帰れたのですが、あれは一体なんだったのでしょうか?


199 :173:2020/07/15(水) 22:50:55.36 ID:OE0RMz+Z0.net
173です。
個別に返信するやり方がわからず、このような書き込みになってしまってごめんなさい。
みなさんにお話を聞いてもらえて、だいぶ落ち着きました。ありがとうございます。
夫になぜか言えなくて(家の文句を言っていると思われたらとか、産後うつを心配されたらとか思ってしまって)、でも誰かに伝えたくて書いてしまいました。

顔の穴、ですが、わたしもあれから調べてみたのですが、
『顔 穴』で出てくるキン肉マンのブラックホール?みたいなものではなくて、夜の明かりをともっていない家の窓のような感じです。


200 :173:2020/07/15(水) 22:51:33.63 ID:OE0RMz+Z0.net
ただ、なんというか全体が高速でこまかくブレてるような印象で、しっかり形を見ることができなかったです。
時間も短かったのもありますが……むかしから視力だけはいいので、あの見えない感じも違和感を覚えたのかもしれません。

『それ』という表記にご気分を害された方がいらしたら申し訳ありません。
下半身の動きが、お土産売り場に売っている目がキラキラする骸骨のキーホルダーみたいなんですよね…。
幽霊(=人)というふうにも思えず、書いてしまいました。

まずは誰かに聞いてほしかったのですが、1番聞きたかったのは「また遭遇したらどうすればいいか?」だったのかもしれません。
ただ、今日も同じ道を通りましたが何もなかったので、杞憂に終わるのかもしれません。

また、もしまた見てしまったら、またここにきます。そのときはどうかよろしくお願いします。






142 :本当にあった怖い名無し:2011/09/22(木) 22:16:11.44 ID:e8Q75s5N0
知人の叔父が4~5年前、川に鰻を釣りに行き、竹筒で作った罠を8つ程仕掛けた。
翌日、一匹も罠に掛かっておらず・・・
翌々日、まだ一匹も掛かっておらず・・・
三日後の夕方見に行くと、やはり一匹も掛かっておらず・・・
諦めた叔父は日も暮れてきた頃、罠を回収しようと川に入って行くと、草むらから「おい」と呼び声。
振り向くと、草むらと木々の間に誰か立っている。
暗くて良く見えないが、背は叔父より低い。


143 :本当にあった怖い名無し:2011/09/22(木) 22:18:18.55 ID:e8Q75s5N0
「なんだ?何かようか?」と叔父。
しばらく間があって、「煙草くれ」と草むらから声。
叔父は胸ポケットに入れていた煙草と、その箱の中に入っていたライターを草むらに投げた。
火が付き、「ふ~」と声。
火が付いた一瞬明かりで顔が見えた。
人ではない。
毛が全身を多い。
手もかなり長い。
これがケンムンかと悟った叔父は、しばらくケンムンを見つめたまま川の中で立っていた。
1分程しただろうか・・・
「それ置いて行け」と、鰻の罠を指差すケンムン。


144 :本当にあった怖い名無し:2011/09/22(木) 22:20:57.50 ID:e8Q75s5N0
叔父はコクコクと二度頷き、黙って川から上がった。
「住み難くなった」
そう呟くとケンムンは、藪に入っていった。
「明日また来い」
その言葉を残してケンムンはその場から消えた。

翌日、昨日の事もあって少し怖かった。
叔父は午前中丁度日が昇って明るい時間に川に来た。
昨日ケンムンに投げた煙草がそのまま置いてあった。
川に入り罠を見ると、筒に一匹鰻が入っている。


145 :本当にあった怖い名無し:2011/09/22(木) 22:23:01.11 ID:e8Q75s5N0
ケンムンのお陰かと笑いながら他の筒も回収すると、8つすべてに鰻が入っている。
これは有難いと、叔父は煙草の箱を木の上に置いて、残りの煙草を置いて帰ってきたそうだ。

その日の夜、知人の家でたまたま酒を飲んでいた私を含めた4人は、
鰻を持ってきた叔父の話と、その鰻を頂いたのである。





17:↓名無しさん@おーぷん:15/04/06(月)12:56:08 ID:myH ×

オカルト詳しい人なら、似たような話を知ってるかもと思って書いてみる。
父方の祖父の田舎には「ゴッシャ」と呼ばれる妖怪みたいな話が伝わっていて、
いわゆる「言うこと聞かんと、ゴッシャが来てとって食われるぞ」的な扱いだった。

私は普段は離れた地域に住んでたので、最初そうやってじいちゃんに怒られた時
「ゴッシャって何?」って聞き返したことがある。

結局じいちゃんは教えてくれなかったので、父に聞いたら
「夜中に音させながらやってくる化けもん、子供を攫うから話題にしちゃいかんって言われてる」と説明してくれた。
実際、夜寝る頃になってから、外で自転車のブレーキが軋むような音が何度もしたので
「誰か外にいるん?」って見ようとしたら、じいちゃんに布団に押し込まれたこともある。
何日も続いて音がした時は、真夏なのに雨戸を閉めたこともあった。

小さい頃は純粋に怖かったんだけど、小学校高学年頃になると
「それってつまりちょっと危ない人が、夜中に自転車に乗って徘徊してるんじゃ」と思うようになった。
仲良くなった近所の子も似たような感じで、本気で「ゴッシャ」を信じてる人はいなかったと思う。
んでお盆の間は、ゴッシャは悪さをしないとも言われてた。
ここまでが前提。

小学6年生の夏休みはちょっと長めにじいちゃんの田舎に滞在することになって、
盆踊りにも参加することになった。
盆踊りは自治会会館前の広場みたいなとこであって、この日は子供も多少遅くなっても、親も見逃してくれる感じ。
でもまあ暗くて危ないから、山のほうとかは入っちゃいかんぞ!という感じだった。
何年か前に山の貯水池で子供がおぼれちゃったこともあり、特に貯水池のあたりは立ち入り禁止になってた。

そしたら近所の子供のリーダー格の子が「せっかくだから肝試ししようぜ!」とか言い出した。
でも行先は貯水池じゃなく、山の入口にある神社。
この神社は小さくて鳥居と祠しかないようなとこで、敷地内は真っ暗。
そこを探検しようぜ!ってことになった。

んで最年長は小学6年生、最年少は小学2年生のお子様集団7、8人くらいで、神社に向かって出発した。
田舎道だから街灯と街灯の距離はめっちゃ空いてるし、正直途中で帰りたくなった。
年少組の中には泣き出しちゃった子もいて、私は「帰ろう!」って言って、
神社に着く前に来た道を引き返した。
そしたら全員、文句を言わずについてきた。
それでもずいぶん時間がかかったので、親に怒られるなーとか思いながら歩いてたら、
背後から「キィー……キィー……」という、自転車のブレーキ音に似た音が聞こえてきた。

誰かが「ゴッシャだ」と呟いて、小さい子が本格的に泣き始めた。
年長組で小さい子の手を掴んで、盆踊りの会場に向かって必死で逃げた。
その間も音は、多分一定の距離をおいて、ずっとついてきてた。

盆踊りの太鼓の音が聞こえるようになったあたりで「キィー……」が聞こえなくなって、そこで私も気が緩んで涙が出た。
盆踊りの会場に戻った時は確か、夜の10時くらいを過ぎてたと思う。
子供達は家に帰って寝たと思ってた大人から、めっちゃ怒られた。
この時までは全員揃ってた。
そして子供達は示し合わせたわけじゃないんだけど、自分達をずっとつけてきた音の話は、大人達にはしなかった。

騒ぎが起こったのは次の日で、朝起きたら母親から
「リーダー格の子がいなくなった」と聞かされた。
リーダー格の子はあの後確かに家に戻り、自分の部屋で寝たらしい。
でも朝起きたら布団はそのままでもぬけの空、ラジオ体操が終わる頃になって、
もしや行方不明なのでは?となり、地域総出で捜索中とのことだった。
結局その子は見つからず、どこからともなく「ゴッシャにとられたんだ」という噂が広まった。
貯水池あたりは特に念入りに探したんだけど見つからず、じいちゃんの家に
滞在している間、夜中にやっぱり何度か「キィー……」が聞こえてきて、怖かった。

それからじいちゃんの田舎へは行ってない。
正確には5年ほど前に一度だけ、じいちゃんの葬式で行ったけど。
親戚からは「来たんかね!」と驚かれ、日帰りで帰らされた。

その時、行方不明になってたリーダー格の男の子のものだと思われる
白骨死体が、ちょっと前に山の中で見つかったと聞かされた。
ただ男の子の骨は全身揃った状態では発見されず、どんなに探しても片足の骨がまるっと見つからなかったらしい。

あの時、神社からの道を戻る途中で「キィー……」って音にずっと
つけられたってことを話せば、もしかしたらリーダー格の子は
生きてたんじゃないかと思うことがある。
「ゴッシャ」はもしかしたら地元じゃ有名な変質者だったのかもしれないし、
そう考えるとものすごくしんどい。
ただ、じいちゃんの田舎ではその後、子供は誰も行方不明になってないのが
救いだ。



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419 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 18:56:22 ID:aXftNoGi0
俺はド田舎で兼業農家をやってるんだが、農作業やってる時にふと気になったことがあって、
それをウチの爺さんに訊ねてみたんだ。
その時に聞いた話が個人的に怖かったので投下。

農作業でビニールシートを固定したりするとき等に、木の杭を使用することがあるんだが、
ウチで使ってる木の杭には、全てある一文字の漢字が彫りこんである。
今まで特に気にしていなかったんだが、近所の農家で使ってる杭を見てみたところ、そんな文字は書いてない。
ウチの杭と余所の杭を見分けるための目印かとも思ったのだが、
彫ってある漢字は、ウチの苗字と何の関係も無い字だったので不思議に思い、
ウチの爺さんにその理由を聞いてみた。
爺さんの父親(俺の曾爺さんにあたる)から聞いた話で、自分が直接体験したことではないから、
真偽の程はわからんがとの前置きをした後、爺さんはその理由を話してくれた。

大正時代の始め、爺さんが生まれる前、曾爺さんが若かりし頃の話。
事の発端は、曾爺さんの村に住む若者二人(A、B)が、薪を求めて山に入ったことから始まる。
二人は山に入り、お互いの姿が確認できる距離で、薪集めに勤しんでいた。

正午に近くになり、Aがそろそろメシにするかと、もう一人にと声をかけようとした時だった。
突然Bが、
「ああああアアアああアあアアァァァああぁぁぁアアアァァァァアあああああああああああああアアアア」
人間にかくも大きな叫び声が上げられるのか、と思うほどの絶叫を上げた。
突然の出来事にAが呆然としている中、Bは肺の中空気を出し切るまで絶叫を続け、
その後ガクリと地面に崩れ落ちた。
Aは慌ててBに駆け寄ると、Bは焦点の定まらない虚ろな目で虚空を見つめている。
体を揺すったり、頬を張ったりしてみても、全く正気を取り戻す様子がない。
そこでAは慌てて、Bを背負うようにして山を降りた。

その後、1日経っても、Bは正気に戻らなかった。
家族のものは山の物怪にでも憑かれたのだと思い、近所の寺に連れて行きお祓いを受けさせた。
しかし、Bが正気に戻ることはなかった。

420 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 18:57:56 ID:aXftNoGi0
そんな出来事があってから1週間ほど経った頃、昼下がりののどかな農村に、身の毛もよだつ絶叫が響き渡った。
「ああああアアアああアあアアァァァああぁぁぁアアアァァァァアあああああああああああああアアアア」
何事かと近くに居た村のものが向かってみると、
たった今まで畑仕事をしていた思しき壮年の男が、虚空を見つめ放心状態で立ち竦んでいた。
駆けつけたものが肩を強くつかんで揺さぶっても、全く反応がない。先のBの時と同じだった。

その後、家族のものが医者に見せても、心身喪失状態であること以外はわからず、
近所の寺や神社に行ってお祓いを受けさせても、状況は変わらなかった。
迷信深い年寄り達は、山の物の怪が里に下りてきたのだと震え上がった。

しばらくすると、曾爺さんの村だけでなく近隣の村々でも、
人外のものとも思える絶叫の後に、心身喪失状態に陥る者が現れ始めた。
しかもそれは、起こる時間帯もマチマチで、被害にあう人物にも共通するものが何も無く、
まさしく無差別と言った様相だった。

曾爺さんが怪異に出くわしたのはそんな時だった。
その日、曾爺さんは弟と二人して田んぼ仕事に精を出していた。
夕方になり仕事を終えて帰ろうとした時、自分が耕していた場所に、木の杭が立てられているのが目に入った。
つい先程まではそんなものは全くなく、それは忽然と眼前に現れたとしか言い様がなかった。
突如として現れた木の杭を不思議に思い、まじまじと見つめていた曾爺さんだったが、
誰だ?こんなふざけた事をしたのは、とわずかな怒りを覚え、
こんな邪魔なものを、他人んちの田んぼにブッ刺しやがって・・・
そのうち、
邪魔だ。邪魔だ。ジャマダ、ジャマダ、ジャマ、ジャマジャマジャマジャマジャマジャマジャマ・・・
杭を今すぐにでも引き抜きたい衝動で頭が埋め尽くされたようになり、
その衝動に任せて、力一杯その杭を引き抜こうとしたその時、
弟に肩を掴まれ我に返ったという。

421 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 18:59:02 ID:aXftNoGi0
落ち着いて辺りを見渡してみると、先程の杭は何処にも見当たらなかった。
弟に問い質してみたところ、弟はそんな木の杭は全く見ていないという。
一緒に帰ろうとしていた兄(曾爺さん)が、ふと何かに目を留めた素振りを見せ、
何も無い虚空を見つめていたかと思うと、
何も無いところで、何かを引き抜く時するような、腰を屈めて力を溜める姿勢をとったので、
何をしているのかと肩を叩いたのだと言う。
その時に曾爺さんは、昨今村を騒がせている出来事を思い出し、
もし弟に止められることなく木の杭を抜いてしまっていれば、自分も廃人同様になっていたに違いに無い、
という事に思い至り、肝を潰したのだそうだ。

そんなことがあってからしばらくして、曾爺さんの住む村での犠牲者が10人を越えた頃、
村長と村役達によって村人が集められた。
村長は昨今の出来事に触れ、それがこの村だけでなく近隣の村でも起きており、
現在、近隣の村々と協議し、怪異への対策を進めている最中である事を村人達に伝えた。
解決するまでには今しばらく時間がかかるとのことで、
それまでの怪異に対する当面の対処として伝えられたことは、
「見慣れない木の杭を見かけても、決してソレを引き抜かない」ということだった。
曾爺さんの予想は当たっていた。
さらに村長は、
「農作業で使用する杭には、自分達が打ち込んだものであることが明確にわかるように、
 何らかの目印を彫り込むように」
と続けた。
これは、自分が打ち込んだ杭の中に、例の杭が紛れ込んでいた時に、誤って引き抜いてしまう事への防御策だった。

422 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:00:05 ID:aXftNoGi0
一頻りの説明を聞いて、今の事態を引き起こしているのは何者なのかを問う者がいたが、
村長は、
「人の怨霊、動物霊や物の怪といったものの類ではないこと以外は、良くわからない。
 影響範囲が広範なことから、非常に力を持った何かだとしか言えないのだ」
と答えるのみだった。
仮に被害に遭ってしまった場合はなんとかなるのか、と言う問いに対しては、
「二度と元に戻すことは決して出来ない。
 そうなった者をお祓いをしてもらいに行った時に、とある神社の神主に言われたのだ。
 『彼には祓うべきものは何も憑いていない』と」
と村長は答えた。
神主が言うには、あれは狐に憑かれたりしたせいであのような状態になっているのではなく、
今の事態を引き起こしている何かの力の一端に触れたせいで、心が壊れてしまった結果、
この状態になっているのだそうだ。
つまり、何かの影響下にあって心身喪失状態に陥っているのではなく、
何かの影響を受けた結果が心身喪失状態であるため、
寺だろうが神社だろうが、どうすることもできないということらしい。

最後に村長は、
「杭さえ引き抜かなければ、何も恐れることは無い」と締めくくり、
冷静に対処する事を村人たちに求め、解散となった。

村人達が去った後、曾爺さんは自分がその体験をしたこともあってか、村長のところに行って、
その何かについて、なおも食い下がって問い質すと、
「幽霊や物の怪や人の祀る神様と人との間には、曖昧ながらもお約束というべきものがある。
 相手の領域に無闇に立ち入らないことだったり、定期的に祈りを捧げたりとな。
 彼らはそれを破ったものには祟りをなすが、約束事を守る限りは問題は無い。
 しかし、今回の事態を引き起こしている何かに、それは当てはまらない。
 聞いた話ではその何かは、自らがが在るがままに、ただそこに在ると言うだけで、
 人を正常でいられなくし、発狂させるほどの影響与えるのだそうだ。
 わしもそこまでしか聞かされていない。
 呪ってやるだとか祟ってやるだとか、そういう意図も持たないにもかかわらず、存在そのものが人を狂わせる。
 そういうものに対しては、人は必要以上に知らない方がいいのかも知れん」
と言い残し、村長は去って行ったそうだ。

424 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:01:32 ID:aXftNoGi0
それから暫くして、曾爺さんの住む村で神社の建立が始まった。
怪異による犠牲者は、近隣の村々を含めて出続けていたが、
その数は収束に向かっていき、神社が完成した頃には全く起きなくなったという。

今にして思えば木の杭は、何かを封じた霊的な呪い(まじない)の類で、
それを引き抜いてしまったことで、何かの力の一部が解放され、それに触れた人間が狂ってしまう、
ということだったのかも知れん。
神社が立てられたことで、その何かは再び強固に封印され、怪異が起きなくなったということなのだろうと、
曾爺さんは、爺さんに話してくれたそうだ。

そんな経緯で、ウチで使う木の杭には、ウチのものである事を示す目印を今でも彫り込んでいるんだそうだ。
近所ではそんなのを見たことがないことを指摘してみたら、
「人ってのは喉もと過ぎるとなんとやらで、今ではあんまりやってる家を見かけないが、
 この近所だと、どこそこのSさんとことか、Mさんとこは今でもやってるから、見てくると良いぞ」
と爺さん言われた。
見てきてみると、確かにSさんちとMさんちで使ってる木の杭には、漢字一文字の彫りこみがあった。
「今でもやってる家ってのは、だいたいが犠牲者を出した家か、その親族の家だろうな」とは爺さんの談。

427 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:09:38 ID:nuXjTFDk0
終わりか?

木の杭を引き抜いたら廃人になる。
原因も理由も分からんってのがなんとも怖いな。

428 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:16:31 ID:aXftNoGi0
>>427
ああ、上ので終わりだ。
結局、爺さんの聞いた話では、明確な原因はわからんのだそうだ。
ただの迷信かもしれんが、話を聞いて暫くは、
ウチの畑でビニールシートに刺してる木の杭に、彫りこみがなかったらと考えただけでもgkbrだった・・・

431 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:22:24 ID:l8oEkwen0
取り憑かれたわけではなく、単に何らかの原因で精神を壊されるってのが逆に興味深いな。
その漢字一文字ってのは、目印としての役割だけで別になんでもいいのかな?

432 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:23:27 ID:1tOOQ6M10
その杭の漢字1文字っつーのは“毘”とか?

434 :本当にあった怖い名無し:2009/08/01(土) 19:25:50 ID:aXftNoGi0
>>431
>>432
単純に『自分が打ち込んだ杭だ』っていう目印の役割だけらしいんで、
別にどんな漢字でも良くて、文字だけじゃなくてマークとかもあったらしい。





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176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2000/08/06(日) 21:47
ゲーム製作者飯島健夫氏の十八番の話。

少年時代、山にボーイスカウトかなんかで夏キャンプに行った時、
それを見たんだそうだ。

真っ昼間。
カンカン照りの中、何人かで歩いていると、
木立の中、少し暗がりになった所、ほんの5mほど先に、それはいた。

人間…?
木立の緑色のなかに、
全身を血で塗りたくったかのような、真っ赤な男。
どろっとした感じで、服を着ているかどうかもわからない。
目だけはぎょろりと白く剥いて、じっとこちらをみつめている。
横笛のような、何かわからない物を、両手で支えて口に付け……、
しばらく、にらみ合いが続いた。

と、いきなり、足も動かさず、す──っと横方向に滑るように、
赤い男は木立の中に消えた。

真っ昼間、明るい太陽の下の出来事でもあり、怖いというより、
なにか、現実感を感じられずにいたが、
夜になって、寝床で男の姿を思い出して急にゾッとした。

近くに精神病患者の施設があったらしいが、そこの患者が
脱走したり出歩いていたということはないという。
そもそも、人間らしいところが全く感じられなかった。

あれは、現代に生き残った妖怪のたぐいではなかったか。
飯島は今、そう思っているそうだ。





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