【閲覧注意】怪談の森【怖い話まとめ】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 海系




506: _:2006/03/24(金) 08:28:30 ID:1/jMsILj0
70年代後半、湘南のサーファーの間で、
「日本海側でサーファーが突然消える」
という噂が立った。噂じゃなかったんだが。



509: 本当にあった怖い名無し:2006/03/24(金) 13:49:14 ID:IulFUZFj0
>>506
北が拉致を認めてからよくそんな話を聞くけど、ホントにそういう噂が流れてたの?

拉致発覚後に生まれた「実は××海岸では、前からそういう噂は流れていた」という噂=都市伝説じゃないかって、ちょっと勘繰ってみたりして・・・・



511: 本当にあった怖い名無し:2006/03/25(土) 00:43:01 ID:tcV32Cpv0
20年前には既に日本海側での拉致事件は常識だったよ。
「みんな知ってるけど報道規制」って感じだったよ。



512: 本当にあった怖い名無し:2006/03/25(土) 00:50:43 ID:Vr2tgp+gO
おれ新潟だけど「一人で海に行くな」とは言われた記憶がある。
友達も「一人で海岸線あるくな」と言われてたらしい



516: 本当にあった怖い名無し:2006/03/25(土) 01:46:59 ID:iN1uF/bD0
>506・>511・>>512
噂ってどんな感じで語られていましたか?
友達のじいちゃんが夜釣りしてたらヤバいところを見てしまった、みたいな具体的な話が広まってたの?
それとも「一人で海に行くな」みたいな漠然とした言い伝えで広まってたの?



524: 511:2006/03/25(土) 11:35:08 ID:tcV32Cpv0
>>516
例えば

「朝鮮行ってみたいな」
「新潟の浜歩いてればタダで連れてってくれるよ」
「げらげら」
って感じ
目新しい話でもなく誰でも知ってる話だった。

先代の金日成が総書記だか国家主席だかの時代だけど、近いのに内情が全然見えてこない国で、今じゃ飢饉で木の皮まで剥いで食べてるって話まで入って来るけど当時は情報がない分、今以上に不気味な存在だったから拉致ってのは妙に説得力があった。
しかもたまに流れて来る映像はいつも、張り付いた笑顔の子供達の踊りや、マスゲーム。
余計怖いっつーの




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163 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/:2015/08/30(日) 00:40:36.06 ID:slHZZ5U50.net

俺のじいちゃんは漁師だった。
10歳の時から船に乗り、家族の反対を押し切って80歳まで現役を続けた生粋の海の男だ。
これはそんなじいちゃんから聞いた話だ。

 

163 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/:2015/08/30(日) 00:40:36.06 ID:slHZZ5U50.net

夜に沖へ船を出していると、奇妙な事象に出くわすのはそう珍しくもない事なのだそうだ。
霊と思しきものや人魂のようなものばかりではなく、もっと謎めいたものも多く見たという。
それらは恐らく神や妖怪に分類されるものと思われるが、そういったものについてじいちゃんは多くを語らなかった。
一度その理由を尋ねたら、「人が触れちゃなんねぇ領域ってもんがあるんだ」と言っていた。
ちなみに、じいちゃん基準で人が触れてもいい領域の端っこにあたるのが幽霊だったらしく、
海で見た霊のことはたまに話してくれた。

 

じいちゃん曰く、霊というものは光を求めるものなのだそうだ。
霊といえば夜に出るという概念があるから闇の方が好きそうに思えるが、
霊にとって光は生者の世界の象徴であり、そちらに戻りたいという思いが彼らを光に惹き付けるのだろう。
特に、海で死んだ者は真っ暗な海に取り残されている事がつらくて仕方ない。
そんなわけで、じいちゃんのイカ釣り漁船にはそういった霊が時折寄ってきたらしい。
いつの間にか甲板に乗ってきていたり、引き揚げてくれとばかりに海の中から手を伸ばしてくる者もあったそうだ。
といっても、じいちゃんはそこまで霊感が強い訳ではない。
顔かたちまではっきり見えるようなことはほとんどなく、霊の声も聞こえないから話もできない。
半端に相手をすると厄介な事になるので、基本的にじいちゃんは霊に対して無関心を貫いていた。
海中から助けを求める霊は気の毒だが無視し、船に乗ってきた霊にも気付かないふりをした。
そうする事がお互いのためなのだそうだ。



164 :猫虫 ◆5G/PPtnDVU @\(^o^)/:2015/08/30(日) 00:43:42.82 ID:slHZZ5U50.net

ある時、じいちゃんの仲間が海で事故に遭った。
同じ船に乗っていた者がすぐに引き揚げて病院へ運んだのだが、残念ながら助からなかった。
頼れる兄貴分だったその漁師の死を悼み、多くの仲間達が彼の葬儀に集まった。
悲しみを抱えながらも、漁師達は翌朝からまた海へと出ていった。

 

葬儀から半年ほど経った頃。
沖に停めた船の中でじいちゃんがあぐらをかいて作業をしていると、突然猛烈な眠気が訪れた。
寝ちゃいかんと思いながらも、瞼が重くて仕方ない。
必死で睡魔と戦っていると、背後に誰かが立っている気配がした。
眠くて振り返れないじいちゃんの頭の上から、「テツ」とじいちゃんのあだ名を呼ぶ聞き覚えのある声が降ってきた。
「テツ、悪いがちょっと陸まで乗っけてくれな。俺、足がなくて戻れんから」
夢うつつのじいちゃんは、声の主である漁師が亡くなった事を忘れていた。
「ああ、兄貴か…どうした?」
じいちゃんの問いに背後の人物は答えず、「悪いな、頼むよ」と返した。
「ああ、分かった…」と呟いた時、じいちゃんは唐突に覚醒した。
辺りを見回すが、気配はすっかり掻き消えている。
それでもじいちゃんは兄貴の霊がこの船に乗っていると確信し、同じ船に乗っている仲間達に今見た夢を話した。
その場所が偶然にも兄貴の落ちた海域だった事もあり、仲間達はじいちゃんの話に納得すると、
すぐに漁を打ち切って港へと戻ったのだそうだ。
じいちゃんが『無関心』の鉄則を破ったのは、それが最初で最後だった。

 

じいちゃんによれば、人は命を落とした場所に魂まで落っことしてきてしまう事があるらしい。
そうなると、体は埋葬されても魂はそこから帰れず、誰かに連れ帰ってもらう必要があるのだろう。
「幽霊に足がないってのは上手いこと言ったもんだな。足(交通手段)がなきゃ、生きてるもんでも遠くからは帰れんもんなぁ。
タクシーやらバスやらに出る幽霊ってのも案外そんな理由なのかもしれんね。
俺の船は幽霊のタクシー代わりだったわけだ」
そう言って笑った後、じいちゃんは海の方を向いて深いため息をついた。

「死ぬ瞬間まで俺は海の上にいたい」と言って、なかなか漁師をやめずに家族を困らせたじいちゃんは、
海に魂を落っことした彼らの事を少し羨んでいるようにも見えた。





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229 :本当にあった怖い名無し:04/09/02 15:57 ID:bSRwxkvE
私は23歳で、海女(海女歴2年)をしています。
泳ぐのが好き、結構儲かる、という理由でこの仕事をしてますが、不思議な体験をした事があります。

海女になりたての頃、付いてた人に「絶対行ってはいけない」と言われてる場所がありました。
その場所は離れ小島のような所で、岸から距離にして300m位だと思います。
他の海女も絶対そこの小島には行きません。
私は勝手な思い込みで、
そこの小島に行く途中で結構潮の流れの速い所があり、海女って結構年寄りが多いので、
危ないから行ってはいけない、と言う事だと思ってました。

仕事は潮の満ち引きにもよりますが、ほとんど午前中で終わります。
しかしこの日は、体調もよくまだまだ潜れそうだったので、午後も1人で潜ってました。
そして波も穏やかだった為、ふとあの小島にいってみようかなーと思いました。

潮が速いと思い込んでいたのですが、そんな事もなく、あっさりその小島に到着しました。
「な~んだ楽勝じゃん」などと独り言をいいながら潜ってみると、
普段人が来ない為か、もう大きなアワビ、サザエがゴロゴロしてます。
アワビなんて30センチ位、サザエもほとんど20センチ。もう夢のような光景です。

「なに~ここ宝島じゃん」などと思いながら取りまくっていると、
小島の海底のほうに、ぐるりと綱が巻いてありました。
ちょっと気味が悪くなり小島に上がると、小島の側面には数体のお地蔵様が彫ってありました。
何~ここ、なんかヤバイ所~?なんて思ってると、声がしました。
「・・・・・ちゃ・」
えっ?何っ?ちゃって・・・
その声はだんだんハッキリと聞こえて来ました。
「お・・ぇちゃん」
「おねぇちゃん」
後ろを見ると、10歳位の男の子が立たっています。
(えっ何処から来たのと思いつつ、かなりビビッた顔してたと思います)
しかし何かが変だ・・・話しかけようにも怖くて声が出ませんし、
海に囲まれた小島なのに洋服着てるし、しかも濡れてないし・・・


230 :本当にあった怖い名無し:04/09/02 15:59 ID:bSRwxkvE
ヤバイと思った時、男の子は言いました。
「おねぇちゃん何処から来たの?」
私は怖くて叫びたいんだけど、声が出ないで口をパクパクするだけ・・・
男の子はどんどん話を進めます。
「僕さぁーお家帰りたいんだけど、
 どう帰ればいいか分かんないし、足も痛いし、頭も痛い、お腹もすいたし喉も渇いたし・・・
 助けてよおねぇちゃん」
いままで普通の姿だった男の子が、しゃべった内容に変化していきます。
足が痛いと言うと足が血まみれに・・・
頭が痛いと言うと顔が血まみれに・・・
お腹がすいたと言うとガリガリに痩せて・・・
喉が渇いたと言うと老人のように変化しました・・・

・・・ヤバイ絶対ヤバイ神様ーナンマイダーなどと唱えると、ブチッと音がして自由になりました。
転げるように海に入ると、普段とは違いどんどんどんどん海底に沈んで行きます。
と言うより、引き込まれる感じです。何よこれーっ。
海って言うのは、黙ってても浮くんですよ、普段は。実際、浮くよりは潜る方が大変なのに・・・

結局、海底まで引き込まれました。
すると、そこには小さな洞穴みたいなものがあり、そこに水中眼鏡をした骨の遺体がありました。
恐らくさっき見た少年だなと、直感で分かりました。
そして少し悲しい気持ちになったとたん、ふぅーと吸い込まれる力が弱まり、浮き始めました。

水面まで出ると冷静さを取り戻し、岸まで泳いで帰りました。

岸に着いてからは、あの小島で採ったアワビとサザエを買い取り業者に置いて、
すぐ警察に遺体を発見した事を届け出ました。

そしてまた業者に戻ると人が集まってきて、「凄いね~今日は大漁じゃん」などともてはやされました。
そして受け取った金額は、自分でもビックリするほどの額でした。
なんか嬉しいやら悲しいやら、複雑な気持ちで帰路につくきました。


231 :本当にあった怖い名無し:04/09/02 15:59 ID:bSRwxkvE
そしてその夜、『あの小島に行ってはいけないよ』と教えてくれたおばさんが来ました。
あがってもらいお茶を出すと、おばさんはこう言いました。
「あんた、あの小島にいったんだって。まったく、あんなに行っちゃいけないって言ったのに、
 まぁ無事に帰ってきたからいいけどさ・・・
 ところで、遺体を発見したのは聞いたけど、他に何か見なかったかい?」

私は経験した事を全て話しました。
すると、「やっぱりかい・・・」と言いました。
そして、おばさんが話してくれた話はこうです。

終戦後のある夏、男の子3人が海水浴をしていました。
波が高かったせいか男の子達は流されて、あの小島に辿り着いたのです。
しかし、波が高いせいで、なかなか救助の船を出せません。
そして、小島を飲み込む程の波が来て、男の子3人はまた海に・・・
それを見かねた1人の漁師が船を出しました。
漁師は男の子を1人助け2人助け、3人目を助けようとした時、船が小島に激突して沈没。
男の子3人と漁師は次の日、遺体で発見されたそうです。
海底に巻いてある綱と小島の側面のお地蔵様は、その時のものらしいです。
そしておばさんも昔、その小島の上で遊んでる男の子を見たことがあるそうです。

次の日、警察は捜索したけども、遺体は発見できなかったそうです。

その年のお盆の波の静かな日。
少し怖かったけど、おばさんと2人で船を出し、その小島に線香とお供え物をあげに行きました。
帰りの船でふと、「ありがとう。おねぇちゃん」と言う声が聞こえたような気がしました。


232 :本当にあった怖い名無し:04/09/02 17:14 ID:iQlfz8il
ブラボー パチパチパチパチ

けど
>男の子3人と漁師は次の日、遺体で発見されたそうです。
水中眼鏡かけた遺骨はあるはずがない つーか遺骨ってのが変

>お腹がすいたと言うとガリガリに痩せて
飢えて死んでないので変

船出せないほど波が高い日に海水浴するってのは変
徐霊しさえすれば大金ゲット出来るのに放置されてたのは変


239 :本当にあった怖い名無し:04/09/03 14:59 ID:pRey69pV
229の海女ですけど、
あんまり文章書いた事ないんで、おかしい所あったかもしれないですけど、読んでくれた人ありがとうです~

>>232
そうですね~遺骨って変かも・・・ただの骨で良かったのかな~?
でも、確かに海底の小島の穴にいたんですよ~プールで使う水中眼鏡して・・・

お腹がすいて・・・
確かに飢えて亡くなった訳じゃないんですけど、
こうなんて言うか、だんだん腐敗していくみたいな~溶けていくみたいな~

波の高い日に海水浴・・・
これは今でも小学生とか中学生、結構波の高い日泳いで遊んでるんですよ~
波高くて、私でも怖くて海入らない日でも遊んでたりします。
私も見かければ、「危ないよ~」とか言うんですけど、
「うるせーよ」とか言われちゃったりします。・゚・(ノД`)・゚・。
供養はしてるみたいですけど、除霊はしたのかしないのかイマイチ分かんないです。




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122 :爺さんの弟子:04/09/07 11:33
俺の爺ちゃんの話。

爺ちゃんは物心付く頃には船に乗ってたという、生粋の漁師だった。
長年海で暮らしてきた爺ちゃんは、海の素晴らしさ、それと同じくらいの怖さを、よく寝物語に語ってくれた。
中には「大鮫と七日七晩戦い続けた」とか、「竜巻に船ごと巻き上げられた」などの、
突拍子もないエピソードもあったりしたが、
幼い俺には、酒の入った赤ら顔でトンデモ武勇伝を語る、そんな爺ちゃんが、
漫画やアニメのヒーローなんかよりも、ずっと格好良く思えた。

そんな爺ちゃんがある時、普段とは違う真剣で怖い顔をして話してくれた。
爺ちゃんが仲間達と漁に出たとき、突然海の真ん中で船が何かに乗り上げて座礁したという。
海図には、その辺りに暗礁や島があるようなことは書いてないため、おかしいと思い、
船の下の様子を見ようと、仲間の1人が海に飛び込んだところ、
なんと、海面が腰のあたりまでで足がついてしまった。
試しに爺ちゃんも飛び込んでみたら、水深1m強のあたりで確かに足が底を捉えたという。
そこから周りを歩き回ってみたが、船から20m以上も離れてもまだ先があったと爺ちゃんは語った。
仲間の一人は、水中に潜ったところ、赤茶色のデコボコした底を見たという。

未発見の暗礁か?→ここの海の深さではあり得ない。
鯨の死体か?→あまりにもデカすぎる。
などと意見を交わしてうちに、仲間の一人がポツリと呟いた。
「こりゃあ海ボウズってヤツじゃねぇのか?」


123 :爺さんの弟子:04/09/07 11:34
『海ボウズ』
古来から漁師達に恐れられた、伝説の海の怪物の名である。
普段なら笑い飛ばすようなそんな言葉も、目の前の現実を前に、爺ちゃんは背中がゾッとしたと言う。

その内に、言い出したヤツが船の舳先にしゃがみ込んで、一心不乱にお経を唱えだした。
爺ちゃん達もそれに倣い、全員でしゃがみ込んで「ナンマイダブ」と唱えたという。
爺ちゃんはその時に心の中で、『家に帰りたい、生きて帰りたい』と願い続けた。

その念仏が効果があったのかどうか、しばらくするとズズッ!と大きな震動が船を揺らしたかと思うと、
船が乗り上げていた『何か』は、跡形もなく消えていたという。

恐怖に駆られた爺ちゃん達は、漁を切り上げて大急ぎで港に戻り、
見てきたことを皆に話したが、やはり誰にも信じてもらえなかった。

そして、その後も同じ場所で漁をしたが、あの『何か』に出会ったのは、結局それっきりだったらしい。

爺ちゃんは話の最後を、こんな言葉で締めくくった。
「アレがなんだったのか知りたい時期もあったが・・・結局は諦めた。
 ありゃあきっと、人間が関わっちゃいけねぇもんなんだ」

今でも現役の爺ちゃんは、漁に出る前には、必ず仏壇と神棚に手を合わせて願うのだそうな。
『無事に帰れますように、大漁でありますように、もう二度とアレに出会いませんように』と・・・。




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206 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/12/11 00:53
 
海を職場にしている漁夫や船員たちが、その長い海上生活の間の奇妙な体験と言えば、
誰もが先ず第一にあげるのに、船幽霊がある。
最近は余り耳にしないが、昭和の初め頃までは、随分あちこちでこの噂はあったと古老たちは語る。
それは、油を流したようなどんより曇った夜や、また、天気が時化(しけ)る直前、
生暖かい風がぴたりと止んだ夜更け等に、よく船幽霊に出会ったという。


206 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/12/11 00:53

もともとこの船幽霊というのは、海で遭難した人の霊と信じられ、
その不慮の災穀の無念さがその場に残り、後に迷い出るものとされている。
その出現は無数の火の玉であったり、ある時は泳いでいる漁夫の姿であったり、
たちが悪いのになると、狐や狸が化かすように、人の目を迷わすこともあるといわれる。

北風が吹きつける寒い冬の夜更け、漁を絶えて港に帰りを急ぐ舟が、一様によく見かけたのは、
『千づる』と呼ぶ火の玉の群であった。
じゅず繋ぎになった一連の火の玉が、岸の岩から岩に飛び移って乱舞する様子に、
「あゝ、また今夜も千づるが飛ぶ」と語り合ったという。

また、この船幽霊の悪い質(たち)のものは、船の行手をいろいろ変化させることがある。
何もない灘中を、急に大きな岩礁に見せたり、突然、大船が突進して来るように見せ、
また、岩礁が多い危険な海面を、何もない大海原に見せかけるなどして、
舟が思わぬ事故を引き起すこともあったともいう。

これら船幽霊のさまざまな現象に、実際に遭遇した古老たちの体験話を、ここに紹介することにしよう。
 


207 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/12/11 00:55
 
尻無浜の太田某氏が、まだ若い大正末期頃のことであった。
太田氏は鰯の掛網漁に、同僚の舟と二艘で阿久根港に出かけた時である。
その日は何かの都合で、同僚の舟は阿久根港に残り、太田氏の舟だけが、その漁場である牛深沖に向かった。

その日は天気が良く、順調に漁を絶えて、真夜中に牛深沖から帰路についたのである。
ところが途中、何となく船幽霊につけられている気がする。
同僚の舟は阿久根に残っているのに、この同僚の舟が後から、しかも明りをつけてついて来るのである。
そうしてもっと不思議なことは、舟は帆に一ばい順風を受け、一直線に尻無浜に向かって走っている筈なのに、
どうしたことか、一向尻無浜の丘が見えてこないのである。
時間的にみて、もうとっくに尻無浜に着いていなければならぬのに。
どこをどう走っているのか、全く不思議であった。

こうして一晩中走り続け、明け方になって、串木野の羽島港沖に来ていることを知り、改めてびっくりしたという。
 

208 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/12/11 00:56
 
この時は幸運にも天気が良くて、その急変に遭わず難を免れた。

これと同じ例として、同じ尻無浜の尻無浜休次郎、同藤吉、太田与太郎の三名は、
一晩中船幽霊にその進路を迷わされ、その内に天気が急変して大時化となり、
三名共沖合いで遭難すると言う事件があった。

それは、正月も間近い師走の26日の夜で、3名の死体は、串木野の羽島海岸に打ち上げられていた。
また、船幽霊は、泳いでいる漁夫の姿で司れ、元気で海上を航行していたり、
漁に励んでいる姿を見ると恨めしく、「友達になろうよ、同志になろよ」と、舷側にすがりつくという。
それは、亡者の仲間に引き入れようとの魂胆からといわれ、
かって藩政時代、その御用商人として琉球や大島通いの河南源兵衛船も、
この船幽霊には悩まされたと伝えられている。

琉球通いの船等は、何日間も昼夜を問わず灘中を走り続けたが、
夜になると毎夜のように、鉢巻き姿の船幽霊が艦側にすがりついた。
この漁夫姿の船幽霊は、真夜中を過ぎる頃には、両方の舷側をびっしり埋める位すがり着き、
口々に「柄杓(ひしゃく)を貸せ、柄杓を貸せ」と、せがむのだといわれている。
この柄杓で船に海水を汲み入れ、船を沈没させて、
その乗組員を、亡者たちの仲間にしようとの魂胆だったという。

だが、この憎らしい船幽霊であっても、決して腹を立て意地悪をしてはいけないとされた。
それは、この船幽霊を怒らせれば、岩礁を大梅原に見せる等、どんな仕返しをされるかわからないからで、
快よく船幽霊の要求どおりにしてやることにしていた。
そのかわり柄杓は、完全に底を打ち抜いたものにし、
どんなに亡者たちが力んで水汲みをしても、決して海水は船内に入らぬようにした。
 

209 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/12/11 00:56
 
源兵衛船の23反帆船は、千五・六百石の米を積む大船で、
これらには百個近くの底無し柄杓が、常時備えてあったといわれている。
亡者が柄杓を貸せとせがむと、船員たちは「よしよし」と、全部の亡者に底無し柄杓を渡す。
すると、亡者たちは底なしとも知らず、喜び勇んで海水の汲み入れを始める。
片手を舷側に片手に柄杓を持って、一生懸命汲み入れる姿は、
これが本当の亡者かと、憎らしくなるものだったという。

こうしてこの船幽霊の亡者たちは、疲れも見せずせっせと柄杓をふるって水汲みをするが、
その内に東の空がほの白く明け初めると、いつの間にか一つ消え二つ消えて、その姿は消えてしまうのであった。

また、高之口の西田某氏も、船幽霊についてつぎのように語った。
ある時、大きな帆船に乗組んで航海した。
風は順風で帆は一ばいに張られ、船は矢のように穏やかな夜の海面を走っていた。
ところが、急に船足が落ちてきたのである。
帆を見ると、やはり以前と変りはない。
不思議に思い舷側を見ると、夜目にもはっきりと、
鉢巻き姿の亡者たちが、両方にずらりとすがり着いているではないか。
船足が落ちた原因がわかった。
このことを知った船頭は、平常よくあることであったのだろう。
心得たもので、奥に入ると、木灰を小箱に一ばい入れたのを持ち出した。
そうして舷側の風上に立ち、「ご免」と一言いうと、木箱の木灰を手づかみにして、舷側の亡者の頭に振りかけた。
すると、舷側の亡者の姿は忽ち消え失せ、船足はもとにもどって走りだしたという。
 





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