【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 守護



638 :本当にあった怖い名無し:2006/04/21(金) 11:57:05 ID:CLVr0QoN0
去年の9月初旬の話。
自動車の免許取ってもう2年、だいぶ運転にも慣れてきた頃。

ちょっと県境の途中まではそう険しくない山にでも一人で行ってみようかなーと、土日を利用して行ってきました。
子供の頃、親父とマイタケ取りに行ったのを思い出しながら道を探し、それっぽいところを見つけて、
てきとーに車を止めて(まあ誰も来ないしね)登り始めました。

1時間ぐらい歩いたところで、自分の運動不足を思い知りました。
何せ免許取ってからほとんど歩かない・自転車も乗らなくなったで、そりゃ当然だろうなと。
そう思いながら登っていると、別になんでもない普通の登り道、
とは言っても当然舗装された道路じゃないことは確かなんですが、
普通なら絶対何も起こらないような、なだらかな道で足をひねって体勢を崩し、横にある沢の方へ転落。
転がりながら最後に落下して、岩場らしきところに激突。
そのまま気絶して、気がついたのがもう午後3時をまわったところ。
30分ぐらいかな、その間に夢っぽいのを見てたんだけど、ここからが不思議体験。

突然目の前に竜が現れた。
ヘビみたいなのではなく、トカゲかイグアナの前足を発達させたよーな、言ってみれば西洋風の竜。
何か悩みがある様子で。


639 :638:2006/04/21(金) 11:57:40 ID:CLVr0QoN0
いわく、
「君が寝てるそばの沢をちょっと下ると、ものっそい枯れ葉とゴミが詰まってるんで、なんとかならないかなあ。
 それからさらに下ると古タイヤ落ちてるから、処分してほしいな」とのこと。

ここで目が覚めて、捻挫した足引きずりながら沢を下ると該当箇所発見。
ふらふらしながら撤去して、さらに下る。
タイヤ発見。大量にあったら恨んでた所だけど1個だけ。これなら何とか。

っていうところで急に眠くなり、再び夢を見た。
「ありがとう。君はとてもいい人だね。お礼にこれをあげるよ。
 これは加護と呪いの石。持っていれば大抵の悪い物は寄ってこないよ。
 かわりに、外的な運気や機会までも寄せ付けないから、使い方は自分で考えてちょ。そんじゃね」

起きたら夕方近く。ケツポケットには乳白色の小石。仰向けだったからケツがいてぇよと。
なぜか捻挫がすっかり治ってて、服の汚れも取れてるマジック。
もう暗くなるし、タイヤ転がしてそのまま帰ったとさ。
沢づたいに下ったら、めっちゃ近くやんけorz

後日、近所のお寺の“見る”ほうに長けた住職の奥さんに、
「なんかもすぬごい物を持ってるね、一体何なん?」
って、会うなりいきなり言われたもんだから、嘘っぱちでもないと思うんだけど、なんじゃろねこの石。
肝試しに行くときぐらいは使えるのかしらね。


643 :本当にあった怖い名無し:2006/04/21(金) 13:59:21 ID:Vd/Z6BsU0
>>638
石の写真うPしてちょ


652 :638:2006/04/21(金) 19:33:18 ID:CLVr0QoN0
スマン。そういう入力装置はスキャナしかありませんよ・・・

見た目は、ほんとドコにでもありそうな3~4センチの形の良くない小石なんです。
河原かどっかに稀に落ちてる色のフツーなやつで。

今は物置に飾ってあります。
昔話的なオチも怖いし、良く悪くもならないってのは、バケツに入った水と同じ感じがして。
その瞬間が不幸だろうと幸せだろうとね。

車に積むのは良い案かも。
もともと乗せる女とかもいないしね('A`)






オカルトランキング





536 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/07/23(水) 23:12:23.09 ID:L1RrmmJ40.net
地元でのお話。短いのでこちらに。


自分が中学の頃、地元の小学校で、学校の遠足で遭難した子供が俺の3年下くらいに居た。
その子は2人組で、お弁当の時間に山に入ったら出られなくなって、2日みつからなかったのかな。

結局2日後に麓の方で保護されて、その体験談を文集に載せたんですけど、
2人とも『親切なおじさんが連れてきてくれた。
一言も喋ってくれなかったけど、凄く優しいおじさんだった』って書いてて。
感動話として地元の新聞にも載りましたが、
なぜ警察に連絡しなかったのか(山で遭難者がでたら必ず山周辺の集落には連絡が行くため)、
そして2日も遭難してた子供たちがなぜまったく服も汚れず、怪我もせず、
おなか壊したり空腹を訴えもせず帰ってこれたのか。

そういう部分に地元のおっさんや消防団の人たちは疑問を抱いて、飲み会の度に語り合ってましたね。
怖い話というより不思議系かな。


野球部の後輩だったその子に当時の事を聞くと、
両親は教えてくれないけど、明らかに人に対する態度じゃない雰囲気で、事件の起きた山に向かって
「ありがとうございます、ありがとうございます」と、まるで仏壇に手を合わせる様な言い方で、
暫く祈りに行ってたそうだ。

当の本人は逆に気味悪がって、それ以上は聞かなかったって言ってましたね。

地方の大人たちはこう言う今の世代の知らない事知ってる節があって、少し怖いと思いましたわ。




オカルトランキング



584 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/18 09:46
休日なのでちょっと私の話を書きます。

もう三年くらい前の話なんだけど、友人が癌になって全身に転移しちゃって、死ぬ為に病院に入院する事になった。
当時そんな事知らなかったんだけど、偶然寿退社し暇だった私は、毎日彼女の所にお見舞いに行っていた。
日に日に弱って行く彼女を見て、あ、ちょっとコレって危険だなと思い、
学生時代から仲の良い友人を誘い、10名位でお見舞いに行った。
意識は何とかあるものの、本当に厳しい状況で驚き、友人達も帰る途中で泣き出してしまった。
何故かその日は自宅に戻る気にならずに、長い時間彼女のもとに一人で残っていた。


585 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/18 09:53
その日は何故か彼女の両親も旦那様も来なくて、時々意識が戻っては私を確認しては何か言っていた。
「結婚式までには必ず治して、ブーケ作るからね」と言う言葉だけはキチンと聞こえた。
「わかったよ、頼むね。今度は彼も連れてくるから」と言い残し、消灯時間になったので帰宅した。

次の日、彼女の家から電話があり、彼女の死を告げられた。
友人に連絡をし、友人一同で花を出す連絡をし、病院から自宅に戻る彼女を迎え、
通夜葬式も彼女の両親や旦那様が近くに居てやってくれと言うので、その通りにした。
仕事をしてなかったので、三日間位ずっと彼女の近くに居た。

お通夜の時、不覚にも寝てしまい、夢の中の彼女が出てきた。
花を眺めて嬉しそうにしている彼女だった。
あ、生き返ったんだ、よかった~♪などと思い、話し掛けようとしたが、
何故か話し掛けられず、私が硬直状態。
その直後に目覚めた。


586 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/18 10:02
葬式も無事に終了し、旦那様と色々話しをした。
彼女は自分が癌で長くない事を知っていた事とか、残される彼や子供の事の心配。
そして私の心配。結婚に対して非常に心配していたとか。

その直後に婚約破棄をされてしまいました。
彼女の亡くなった悲しみと婚約破棄の悲しみで、おかしくなりそうでした。
その時から、毎晩の様に彼女と亡くなった祖母が夢に出てくる様になりました。
彼女と祖母は顔見知りでも何でも無いのですが、何故か仲良しで、常に一緒に居ました。
祖母か「彼女の事は任せて」とか言っていて、何を任せるのか解らなかったのですが、
彼女がその時「このままじゃ私あなたが心配だから、ここにいるから」と言い、
本当に一年位毎晩の様に夢に出てきました。

週に一度彼女のお墓参りに行き、辛い事も楽しい事も報告していました。
婚約破棄の傷が癒えてきた頃、彼女の亡くなった病院で職員の募集があり、
そのまま採用され、そこで働く事になりました。
彼女の亡くなった病棟では無いものの、何となく彼女がふと出てきそうで、
真面目にやらねばと働いていました。


587 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/18 10:15
そんな日々が続いていたある日の事。
彼女が夢に出てきて、
「前の婚約者の彼をこのまま死の世界に連れて行ってあげる」
と怖い顔をして出てきました。
泣き叫んで「やめて!」と叫ぶと、彼女の顔が急にやさしくなり、
「もう大丈夫だね」と言い、そこに祖母も登場して、彼女と一緒に何処かへ行ってしまいました。
その日から夢にも出てこなくなってしまいました。

その夢の日から急に色々な事が起こりました。
この病院で働いている事を知った前の職場の上司が、「戻って来て働いて欲しい」との事。
条件も、前働いていた時よりよくなっていました。

病院を退職し、前の職場に戻る時には優しい彼も出来、何だか幸せいっぱいになっていました。
前の婚約者の彼は・・・それなりに楽しい人生を送っているとかいないとか。
今の彼と結婚話も出てきて、そろそろ・・・なんて事になっています。
辛い時期に支えてくれた彼女に感謝しています。

後日、彼女の両親から聞いた話ですが、
毎日お見舞いにきてくれるのは私だけで、
「彼女は私の親友だから、絶対に幸せになってもらう」と言っていたそうです。
そのお陰かどうかは不明ですが、今は幸せにやってます。




オカルトランキング




281:1/2:2011/05/17(火)20:54:26.87ID:992OzIQ00
じゃあ、うちの実家に居た幽霊の話。
通称「がしゃがしゃのおじさん」「がしゃがしゃさん」
基本子供にしか見えない。中学生ぐらいから自然と気にならなくなる。

なんで「がしゃがしゃ」かというと、鎧を着てるから。(鉄ずれの音がインパクトに残るようで)
少なくとも爺様が子供の時にはもう居たらしい。

家に入った泥棒はとっちめたり、子供のお守をしてくれたり、延焼を防いでくれたりと一見守り神のようながしゃがしゃさんだが、実はかなり恐がりでドジ。

テレビやラジオのようなものは慣れたらしいが、俺が子供の時はカメラやファンヒーターにびくぅ!とすくみあがる姿を何度も見た。(音や光にびっくりするらしい)

その最たるもので今でも語り種なのは、俺が子供の時の話。
沢遊びに行って、足を滑らせて深みにはまった従兄弟を助けようとして飛び込ん父。
それと同時に何故か一緒に飛び込むがしゃがしゃさん。
「え?ついてきてたの?」
と訳が分からないまま呆然と見てたら、父が従兄弟を抱えて岸辺に戻ってきた。
水飲んでないみたいだし大丈夫だな、よかったなー、と騒ぐ大人達をよそに、子供一同川に釘付け。
手足バタバタさせているがしゃがしゃさん……明らかに溺れていた。



283:2/2:2011/05/17(火)20:57:34.46ID:992OzIQ00
「うわあ助けないと!」
と騒ぐ子供。
俺は父に
「がしゃがしゃさん溺れてる!」
と言うと、
「鎧きてんのに何やってんだバカかー!」
と父も慌て出す。
「どこらへんに居るんだ、俺もっぺん飛び込むから(父にはもう見えてない)」
という親父を制し、いつも冷静な兄貴が一言
「……一度死んでるのに溺れるもん?」

しーんと静まり返った中、鎧の鉄ずれの音をさせてがしゃがしゃさんは川から浮き上がり、バツが悪そうに背中丸めて立ち去っていった。
先日実家を取り壊す時に、十何年ぶりに姿を見かけた。

恐がりでドジなうえに泣き虫なおじさんだと判明。鎧はぼろぼろで落ち武者みたいだった。
親父や爺様にどことなく似ているから御先祖なんだろうか。
今では兄のところにいるがしゃがしゃさん。
電気ケトルのスイッチがきれるバチン!という音にびくびくしてると甥っ子が教えてくれた。




オカルトランキング



949 :本当にあった怖い名無し:2012/02/04(土) 13:03:35.27 ID:xOE3aK9R0
私は友人の間では『幽霊避け』扱いされています。
行ったら絶対何かある!と言われているような心霊スポット巡りに私が同行すると、何も起こらない。
自殺者が出た部屋に入居した友人が霊現象で悩まされてた時も、
私が泊まりに行ったら、それ以降霊現象はぴたりと止みました。
オカルト好きな友人からは『よっぽど強い守護霊がいるんだね!』と言われますが、
私の後ろにいるのは守護霊というよりも、怨霊に近い存在じゃないかと思ってます。
そういうモノに守られてるのかな?と自覚したのは、子供の頃です。


950 :949:2012/02/04(土) 13:04:18.37 ID:xOE3aK9R0
当時小学四年生だった私は、二歳上の兄と一緒に、母方の祖父母の家に遊びに行きました。
毎年夏休みの間、お盆前後の一週間から十日近く滞在することになっていました。
いつもは母と一緒に行くんですが、その夏は初めて子供だけで新幹線に乗ったということもあり、よく覚えています。
祖父母はずっとその土地に住んでいたのですが、なんとなく近所とは付き合いが薄い感じで、
私と兄は身内以外の同年代の子と遊ぶということもありませんでした。
かといって差別されているような雰囲気でもなく、どちらかといえば敬意を払われていたように思います。
祖父の地元では盆祭の時、神社の境内で神楽舞のようなものを奉納するのですが、
太刀を持って魔物を追い払うといった役割の舞い手は、常に祖父の一族の誰かが務めていました。


951 :949:2012/02/04(土) 13:04:48.91 ID:xOE3aK9R0
その夏も例年通り、神社で神楽舞が行われることになりました。
この年の舞い手に選ばれたのは兄で、舞いを覚えるため、子供達だけ先に田舎へ向かったのです。
ちなみにこの時、兄だけでなく私も舞いを覚えさせられました。
兄は退屈な田舎で舞いの練習をさせられるのが嫌でたまらず、しょっちゅう従兄弟達と抜け出してはさぼっていました。
それでもなんとか、祭までには一通り舞えるようになっていたようです。

祭の当日、
『太刀を持つメインの舞い手は、朝から神社の拝殿にこもらなければならない』というしきたりがありました。
兄は最初大人しく拝殿にこもるふりをしていたのですが、
大人達の隙を見て私を身代わりに拝殿に押し込め、従兄弟と一緒に出かけてしまいました。


952 :949:2012/02/04(土) 13:07:07.75 ID:xOE3aK9R0
祖父の田舎には、絶対に足を踏み入れてはいけない山があったのですが、兄と従兄弟達はその山へと向かったそうです。
『祭の時なら大人達は忙しくて気がつかないだろう』と考えた兄達は、
神社の裏手から伸びる山道をつたい、禁足地とされた山へと足を踏み入れました。
兄の話によると、その山へと入る山道にはぼろぼろの鳥居があって、道を塞ぐように注連縄が張ってあったそうです。
『鳥居はぼろぼろなのに注連縄は新しく、定期的に誰かが取り換えているように見えた』とのことでした。
悪ガキだった兄達は、その注連縄を越えて山へと入りました。

奥へと進むに従って、真夏とは思えないほど気温が下がり、
なんだか生臭いような、吐き気を催す匂いが鼻をついたそうです。
誰からともなく「帰ろう」と言いだした頃には、少し開けた場所へと出ていました。
そこには大きな岩があり、その岩にも注連縄が巻きつけてあったそうです。
皆がなんとなく黙り込み、怖がっていた中で、
リーダー格の中学生の従兄弟が「山に入った証拠を持って帰ろうぜ!」と言いだし、その注連縄をほどきました。
しかしほどいた注連縄は、地面に触れた瞬間ぐずぐずに朽ちてしまったそうです。
その異様な光景に皆が声をのんでいると、妙な声が聞こえてきました。


953 :949:2012/02/04(土) 13:07:39.31 ID:xOE3aK9R0
最初は、怖がった従兄弟の誰かが泣いているのかと思ったそうです。
しかしそれは「んーっ、んーっ」という唸り声で、しかも兄や従兄弟達を囲むように周囲から聞こえてきます。
『何か』が唸りながら、木々に紛れて自分達の周囲をぐるぐると回っている。
そのことに気付いた瞬間、兄達はその場から逃げ出しました。
皆必死になって山を下り、注連縄を張った鳥居のところまで逃げてきたのですが、
その時兄が注連縄につまづき、注連縄はたわんでしまったそうです。
兄がほんの一瞬だけ振り返った瞬間、大きく飛び跳ねながら追いかけてくる『何か』の姿が見えたそうです。
兄達はそのまま神社に逃げ込み、拝殿へと戻ってきました。
私はというと、兄達を待ちくたびれて居眠りしており、
戻ってきた時にパニックを起こして泣いている従兄弟を見て、ただ驚いていました。
この時は外で何があったのか、いくら訪ねても教えてもらえず、
私はただ単に『抜け出したのが大人にばれて怒られたのか』くらいに思っていました。


954 :949:2012/02/04(土) 13:08:47.05 ID:xOE3aK9R0
そのまま何事もなかったかのように、再び兄が拝殿にこもったのですが、神楽舞の直前になって問題が発生しました。
神楽舞の衣装に着替えている時、兄の左足首がひどく腫れていることがわかったのです。
急きょ代役をたてることになり、一緒に練習した私が舞い手を務めることになりました。
朝まではなんともなかったので、兄は祖父や叔父から「何か悪さでもしたのか」と問い詰められていました。
しかし兄や従兄弟は抜け出したことを黙っており、大人達も異変に気付いた様子はありませんでした。
神楽舞は確か、夕方頃から始まり、最初は女性が数人で踊ったりしていたように思います。
舞の締めはいつも『剣を持った武士が龍のような妖怪を追い払う』踊りで、
クライマックスの頃には、周囲にかがり火を焚いて辺りを照らしていました。
武士の舞い手も龍の舞い手(こちらは正月の獅子舞のように、二人一組でした)も、面をつけるのが決まりでした。
そして舞いが終わった後、武士の舞い手は、
神社から少し離れた山の中にある祠のような場所で、一晩過ごすしきたりになっていました。

舞の後、私もしきたりに従い祠に入りました。
一人きりは怖くてしょうがなかったのですが、外には一応、村の人が二人付き添っていてくれました。
時々声をかけてくれたので、それほど怖い思いはせずに済んだのですが、
三畳ほどの大きさの祠の中で、ろうそくの明かりを頼りに一人でいるのは、
やはりあまりいい気分ではありませんでした。
兄はこれを知っていたので、舞い手を嫌がったのだろうかなどと考えました。
「眠くなったら、祠の中でなら眠ってもいい」と言われたので、
疲れていた私はそのうちぐっすりと寝入ってしまいました。


955 :949:2012/02/04(土) 13:23:32.55 ID:vycn9p9c0
しかし、寝入ってどれぐらい経った頃かわかりませんが、
外からものすごい悲鳴が聞こえてきて、そこで目が覚めました。
社の外でもかがり火をたいていたはずなのに、それが消えて真っ暗になっています。
ろうそくの火もいつの間にか消えていて、私は外にいる村の人の名前を呼んだのですが返事がありません。
ただ「んーっ、んーっ」という、唸り声のようなものが聞こえてきます。
村の人が怪我をして唸っているのかと思い、怖くなって思わず祠の扉を開けました。
すると扉のそばにいた私を突き飛ばすようにして、何かが中に飛び込んできました。
飛び込んできた何かは祠の中をものすごい勢いでぐるぐると回り、やがてぴたりと止まりました。
この日は満月ではなかったのですが、扉を開けると月明かりでかなりはっきり辺りを見ることができました。
そして月明かりが差し込む祠の中に、異様なものが立っていました。
はげ上がった頭に巨大な一つ目、一本足。
そんな化け物が私のほうを見ていました。
化け物と目があった瞬間、私は悲鳴をあげて祠から飛び出しました。
ただひたすら集落のほうへ逃げようと思ったのですが、
辺りが暗いうえに祠周辺は初めて来た場所なので、どちらに行けばいいのかさっぱりわかりません。
祠の横のほうに細い道が伸びていたので、ただひたすらそちらに向かって、泣きながら走りだしました。
そのすぐ後ろを、あれが一本足で飛び跳ねながら追いかけてくる気配を感じていました。

やがて少し開けた場所に出たのですが、そこは集落の入り口などではなく、幾つかの墓が並んだ古い墓地でした。
隠れる場所も逃げる場所もない。私はあれに捕まってしまうのだと思いました。
それでも少しでも身を隠したくて、一番奥にある墓の裏手に回りこもうと駆け寄った時です。
不意に墓石ががたりと揺れて倒れ、地面に空いた穴から何かが躍り出ました。


956 :949:2012/02/04(土) 13:24:45.40 ID:vycn9p9c0
墓から躍り出たのは、血塗れの刀を下げた鎧武者でした。
肩に矢が刺さっており、兜をかぶっておらず、長い髪を振り乱しています。
私は思わず大声で叫んで腰を抜かしてしまったのですが、
鎧武者は私には一瞥もくれず、刀を下げて私が逃げてきた山道へと向かって駆け出しました。
少し離れた場所で「んんんんんーっ!」という物凄い断末魔がして、それを聞いた瞬間、気を失ってしまいました。

目を覚ましたのは翌朝でした。
私と付き役の人達が戻ってこないのを不審に思い、神主さんをはじめとする祭の世話役の人が祠に向かい、
そこで異変に気付いたとのことです。
付き役の人達は特に外傷はなかったのですが、起こされるまで気を失っていたそうです。
私は昼前に、古い墓地で叔父に発見されました。
付き役の人達は何があったのか全く覚えておらず、
私は泣きながら、昨晩一つ目の化け物が祠に来て追いかけられたことを大人達に話しました。
すると誰かが「モッケが出たんか」と言い、神主さんが「×××を見てこい!」と指示を出しました。
ちなみに、私が隠れようとした墓石は倒れていましたが、地面に穴はあいていませんでした。


957 :949:2012/02/04(土) 13:25:42.43 ID:vycn9p9c0
それから祖父の家に戻され、その日一日、神主さんがずっと私に付き添っていました。
その時に神主さんから、一つ目の化け物について説明を受けました。
一つ目の化け物は、この辺りでは『モッケ』と呼ばれていること。
山の中に棲み、山に入ってきた村人を迷わせ、女を犯し、時には喰っていたこと。
しかし、ある侍が当時の神主の協力を得て、山の中の岩にモッケを封じたこと。
その岩には注連縄をして、岩に続く道にも鳥居をたてて注連縄をし、立ち入り禁止にしたこと。
今行われている神楽舞は、その一連のエピソードを元にしていること。
正直『嘘だろ』と思ったのですが、さすがに自分が見たものを否定することはできませんでした。
既に皆様お察しかと思いますが、兄達はそのモッケが封じられていた禁域を侵してしまったのです。
神主さんが言っていた『×××』というのは、モッケを封じた岩のことでした。
岩を見に行った人の話によると、岩は真っ二つに割れていたそうです。
鳥居の注連縄も緩んでいたので、誰かが侵入したんだ!ということが判り、大騒ぎになりました。
そこで兄達は黙っていられないと思い、大人達に禁域へと足を踏み入れたことを打ち明けたそうです。
兄達はみっちり叱られていました。
兄の左足が腫れたのは、おそらく注連縄につまづいたからだろうとのことでした。


958 :949:2012/02/04(土) 13:27:18.25 ID:vycn9p9c0
「封じていたモッケが放たれた」と青くなる神主さんに、私は墓から飛び出した鎧武者のことを伝えました。
神主さんは半信半疑といった顔つきでしたが、
やがて私を見て「モッケに追われたのに逃げ切ったという話は、確かに今まで聞いたことがない」と呟きました。
神主さんが私に付き添っていたのは、私の体調を心配していただけではなく、モッケから守るためでもあったそうです。
同系列の神社の神主さんにも協力を仰いで岩を調べたところ、
モッケの気配は綺麗さっぱり消え失せていることがわかったそうです。

肝心の鎧武者についてですが、どうやらこれは私のご先祖様ではないかとのことでした。
祖父の家の墓は菩提寺の墓地ではなく、祖父が持っている山の一画に墓地を設けています。
モッケに追われた時に私が逃げ込んだのが、この墓地だったわけです。
祖父の家の祖先を辿っていくと、なんでも平家の落ち武者になるとのことですが、本当かどうかはわかりません。

ですがこの出来事以来、私は霊感があるという人から高確率で、
『あなたに武士の守護霊みたいなものが憑いている』と言われるようになりました。
『守護霊みたいなもの』という表現が、少々ひっかかりますが……
ある人からは『守ってくれているけど、決していいものではない』と言われました。

そして神楽舞ですが、
祖父が住んでいた地域は現在、市町村の統合などで地名が変わり、祭の形態も変わったと聞いています。
私も兄もモッケが出た夏以降の数年間、祖父の家に泊まりに行くことはありませんでした。
神楽舞は今でもやっているそうですが、兄や私が習った『武士が魔物を追い払う舞』はもうやっていないそうです。


964 :本当にあった怖い名無し:2012/02/04(土) 19:14:09.59 ID:qm2GGksq0
949です。少しだけ補足させていただきます。
後ろの人が平家の落人だからなのか、八幡宮系の神社に足を踏み入れると高確率で体調不良になります。
高校の時、修学旅行で京都に行ったのですが、戻ってから高熱が出て大変でした。
『幽霊避け』で友人の部屋に行った後は、ひどい帯状疱疹に悩まされたのですが、
そちらはただタイミングが悪かっただけかもしれません。

あとモッケですが、鳥山石燕の今昔画図続百鬼に、よく似たものが載っていました。
そちらでは山精と記載されていましたが。
ただ私が目撃したのは腰みの姿ではなく、ぼろぼろの着物をまとっていました。
叔父に聞いてみたところ、モッケを封じた侍も祖父の祖先だそうです。
ただ、こちらは源平合戦の頃の話ではなく、もう少し時代が新しい伝承とのことでした。


965 :本当にあった怖い名無し:2012/02/04(土) 19:32:44.38 ID:aDm+ARiZ0
>>949
>舞の締めはいつも『剣を持った武士が龍のような妖怪を追い払う』踊りで

>神楽舞は今でもやっているそうですが、兄や私が習った『武士が魔物を追い払う舞』はもうやっていないそうです。

これ前途では龍という言葉が入ってるけど、
龍のことではなくて、あくまで龍のような『魔物』でいいのかな?
ちょっと、龍っていうとありがたいイメージがあるから、龍に属するのか魔物なのか気になる


966 :949:2012/02/04(土) 20:07:09.78 ID:NGVq4Uxq0
>>965
先程もう一度叔父に聞いてみました。
数年前に祖父が亡くなったため、今伝承に一番詳しい親族は叔父なので。
八幡宮にお参りしないほうがいい、というアドバイスをくれたのも叔父でした。

舞でモッケ封じを再現するにあたって、障りが出てはいけないということで、
モッケの姿をそのままあらわすのではなく、龍のような形にしたそうです。
今まですっかり忘れていたのですが、そういえば魔物の面は一つ目でした。
額に角がついた面だったので、子供の頃の私はその魔物を『龍』と認識していたようです。
しかし、『障りがあるかも』と言うのなら、何故わざわざ舞を作ったのか…
少し奇妙ですね。




オカルトランキング

↑このページのトップヘ