【閲覧注意】怪談の森【怖い話まとめ】

当サイト「怪談の森」は古今東西の怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 海にまつわる



894:05/12/07 01:32:53 ID:FDpmuKg30

普段付き合いのいい同僚が、なぜか海へ行くのだけは頑として断る。訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。

ここからは彼の語り。ただし、酔って取り留めのない話だったので、俺が整理してる。


894:05/12/07 01:32:53 ID:FDpmuKg30

まだ学生だった頃、友人と旅に出た。たしか後期試験の後だったから、真冬だな。
旅とは言っても、友人の愛犬と一緒にバンに乗って当てもなく走っていくだけの気楽なもんだ。

何日目だったか、ある海辺の寒村に差し掛かったころすでに日は暮れてしまっていた。

山が海に迫って、その合間にかろうじてへばり付いている様な小さな集落だ。
困ったことにガソリンの残量が心もとなくなっていた。

海岸沿いの一本道を走りながらGSを探すとすぐに見つかったのだが、店はすでに閉まっている。とりあえず裏手に回ってみた。




894:05/12/07 01:32:53 ID:FDpmuKg30

玄関のひさしから、大きなザルがぶら下がっている。出入りに邪魔だな、と思いながらそれを掻き分けて呼び鈴を鳴らしてみた。

「すんませーん。ガソリン入れてもらえませんかー?」
わずかに人の気配がしたが、返事はない。

「シカトされとんのかね」
「なんかムカつくわ。もう一度押してみいや」
「すんませーん!」

しつこく呼びかけると玄関の灯りが点き、ガラス戸の向こうに人影が現れた。

「誰や?」
「ガソリン欲しいん…」
「今日は休みや」

オレが言い終える前に、イラ立ったような声が返ってくる。

「いや、まぁそこを何とか…」
「あかん。今日はもう開けられん」

取り付く島もなかった。あきらめて車に戻る。

「これだから田舎はアカン」
「しゃーないな。今日はここで寝よ。当てつけに明日の朝一でガス入れてこうや」

車を止められそうな所を探して集落をウロウロすると、GSだけでなく全ての商店や民家が門を閉ざしていることに気付いた。

よく見ると、どの家も軒先にカゴやザルをぶら下げている。

「なんかの祭やろか?」
「それにしちゃ静かやな」
「風が強くてたまらん。お、あそこに止められんで」

そこは山腹の小さな神社から海に向かって真っすぐに伸びる石段の根元だった。小さな駐車場だが、垣根があって海風がしのげそうだ。

鳥居の陰に車を止めると、辺りはもう真っ暗でやることもない。
オレたちはブツブツ言いながら、運転席で毛布に包まって眠りについた。

894:05/12/07 01:32:53 ID:FDpmuKg30

何時間たったのか、犬の唸り声で目を覚ましたオレは、辺りの強烈な生臭さに気付いた。
犬は海の方に向かって牙を剥き出して唸り続けている。普段は大人しい奴なのだが、いくらなだめても一向に落ち着こうとしない。
友人も起き出して闇の先に目を凝らした。月明りに照らされた海は、先ほどまでとは違って、気味が悪いくらい凪いでいた。
コンクリートの殺風景な岸壁の縁に蠢くものが見える。

「なんや、アレ」
友人がかすれた声で囁いた。
「わからん」

それは最初、海から這い出してくる太いパイプか丸太のように見えた。

蛇のようにのたうちながらゆっくりと陸に上がっているようだったが、不思議なことに音はしなかった。
と言うより、そいつの体はモワモワとした黒い煙の塊のように見えたし、実体があったのかどうかも分からない。
その代わり、ウウ…というか、ウォォ…というか、形容し難い耳鳴りがずっと続いていた。
そして先ほどからの生臭さは、吐き気を催すほどにひどくなっていた。


894:05/12/07 01:32:53 ID:FDpmuKg30

そいつの先端は海岸沿いの道を横切って向かいの家にまで到達しているのだが、もう一方はまだ海の中に消えている。
民家の軒先を覗き込むようにしているその先端には、はっきりとは見えなかったが明らかに顔のようなものがあった。
オレも友人もそんなに臆病な方ではなかったつもりだが、そいつの姿は、もう何と言うか「まがまがしい」という言葉そのもので、一目見たときから体が強張って動かなかった。
心臓を鷲つかみにされるってのは、ああいう感覚なんだろうな。

そいつは、軒に吊るしたザルをジッと見つめている風だったが、やがてゆっくりと動き出して次の家へ向かった。

「おい、車出せっ」
友人の震える声で、ハッと我に返った。

動かない腕を何とか上げてキーを回すと、静まり返った周囲にエンジン音が鳴り響いた。そいつがゆっくりとこちらを振り向きかける。
(ヤバイっ)
何だか分からないが、目を合わせちゃいけない、と直感的に思った。

前だけを見つめ、アクセルを思い切り踏み込んで車を急発進させる。

後部座席で狂ったように吠え始めた犬が、「ヒュッ…」と喘息のような声を上げてドサリと倒れる気配がした。

「太郎っ!」
思わず振り返った友人が「ひぃっ」と息を呑んだまま固まった。
「アホっ!振り向くなっ!」
オレはもう無我夢中で友人の肩をつかんで前方に引き戻した。

向き直った友人の顔はくしゃくしゃに引き攣って、目の焦点が完全に飛んでいた。

恥ずかしい話だが、オレは得体の知れない恐怖に泣き叫びながらアクセルを踏み続けた。


それから、もと来た道をガス欠になるまで走り続けて峠を越えると、まんじりともせずに朝を迎えたのだが、友人はほとんど意識が混濁したまま近くの病院に入院し、一週間ほど高熱で寝込んだ。
回復した後も、その事について触れると激しく情緒不安定になってしまうので、振り返った彼が何を見たのか聞けず終いのまま、卒業してからは疎遠になってしまった。
犬の方は、激しく錯乱して誰彼かまわず咬みつくと思うと泡を吹いて倒れる繰り返しで、可哀そうだが安楽死させたらしい。

結局アレが何だったのかは分からないし、知りたくもないね。ともかく、オレは海には近づかないよ。

以上が同僚の話。


昔読んだ柳田國男に、ザルや目カゴを魔除けに使う風習と、海を見ることを忌む日の話があったのを思い出したが、今手元にないので比較できない。




オカルトランキング



37 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 14:48:43.47 ID:XKb15D5N0
去年の夏の話。ちょっと長くなるけど… 

去年、太平洋側の海に友達たちと旅行にいったんだ。 
地名とかは言えないけど、海も山もあってとってもいいとこだった。 
そこは友達の地元で、実家に皆でお世話になる計画で会社の夏休みを利用して行ったんだ。 
昼は何事もなくふつーに海で楽しんだ。
夜は浜でバーベキューしながら花火やろーぜって事になってたから、一度休憩して夜をまってた。 
オカルト好きな俺は、
ばっちゃ「夜のあの浜は近づいちゃなんね」 
的な展開を期待していたんだけど、そんな事無く向こうの家族も見送ってくれた。 

夜になりバーベキューもあらかた食べおわり、
花火をしている時にトイレに行きたくなった俺は、少し離れた岩場まで用を足そうと向かった。 
岩場まで行くと、ちょっとした入江?みたいになっており、
俺は大きな石の前に立ち、なんとなく入江を見ながら用を足していた。
ふいに「ザバァ」という音と共に、何かが岩場に上がって来た。 
素潜りの漁師か海女さんか?と思い、暗闇の中、気配を感じる方を見ていると誰か海から上がって来ていた。


39 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 14:57:25.49 ID:XKb15D5N0
ホントの暗闇のなか、微かな海岸線の道路の街頭からの灯りに浮かんだ人影が見えた。 
何か棒見たいなのをガリガリ岩場に引きずりながら、ゆっくり歩っている。
よく見ると、真っ黒い布をすっぽりかぶった様な格好だった。 
漁師とかじゃないなとか、妙に冷静に目が釘付けになっていると、
顔?と思われる部分がこっちを向いた。目が合った!!と思った。
ここで一気に本能が恐怖を感じた。やばい、怖い、多分人間じゃ無いぞ、みたいな。 
暫く目が合ったままだったと思う。目は見えなかったけど、向こうも俺に気付いてた。 
そこで友達が来て声を掛けて来た。
我に返った俺は友達にそいつの存在を伝えたが、もういなくなってた。「ヒビリめ」と茶化された。 

実際、霊というかそうゆう存在を初めて見た俺は浮かれてた。
その旅行ではそいつについてはもう誰にも言わなかったが、帰ってから弟と友達に話しまくってた。 
暫く何事もなく過ごしていたんだけど、夜中に目が覚めた時、部屋の真ん中辺りに人影がある事に気が付いた。 
シルエットから海で見たあいつだってわかった。
恐くなった俺は、布団に潜り込みずっと隠れていた。
カチカチと歯を噛み合わせるような音が暫くしてたが、
サッシの開く音がして、恐る恐る覗いてみたらもう人影はなくなってた。
その変な奴がついてきちゃったってことに気付いて恐くなった。 


40 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 15:03:42.85 ID:XKb15D5N0
それから日常的にそれの気配を感じたり見たりした。
鍵開ける時隣に立っている、運転してると道端に立っている、実害は無いけどつきまとわれていた。 
少しずつ俺の神経は擦り減っていった。
霊感あるって言ってる奴も何も気づかない。話してるとき隣に立ってたのに…

焦燥して仕事もうまくいかない。精神科にもいってみたりしたけどだめだった。 
そこで会社に休みを貰い、実家に帰って親とかに相談して見ることにした。 
最初は信じてくれず、疲れてるとか仕事のせいでそんな妄想しちゃうんだよとか言われ、相手にされなかった。 
じいさんばあさんも全然興味無し。
結局無駄足かと思ってたら、弟が「友達で本物居るから連れてくるわ」って言ってくれた。本物って霊感がってことね。

んで、その人とファミレスで待ち合わせる事になった。 
予定の時間より20分位してから弟とその人が来た。既に顔が真っ青だった。
俺の目をずっと見ながら、その人は話し始めた。 


41 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 15:09:13.79 ID:XKb15D5N0
友「お兄さん初めまして、自分弟さんの友達で◯っていいます。
 ちょっと自分からいくつか聞いてもいいですかね?」 
俺「いいですよ、お願いします」 
◯「はい。まず、その、隣の変なの何処で拾って来ました?心霊スポットとかじゃ無いですよね多分」 
俺「はい、□の海です。△浜の磯らへんだと思います」
◯「海ですか…正直いいますと、それかなりヤバイと思いました。自分も今すぐこの場を離れたいです。
 色々な人から相談受けましたが、大体気のせいとか、たちの悪い霊だったりとか、
 それとは一線を画すヤバさを感じる。
 今まで接触した事無いですね。お兄さんもかなり良く無い状態かと…」 
俺「なんです?とりあえず何かあった訳じゃ無いと思いますが」 
◯「お兄さん、守護霊って知ってます?干渉度合いは人によりますが、皆付いてるっていう。
 それがお兄さんのは居なくなってる。
 最初から居ないのか、離れちゃったか…それに喰われたか、どれかはわかんないけど、
 そんな状態でそんな奴が側にいたらお兄さん、長生き出来ないかもしれないです」
そんな事言われるのは何となく予感出来た。ついて来てるって実感したときになんかそんな気がした。 


42 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 15:10:25.37 ID:XKb15D5N0
◯「ビビらすだけビビらせて申し訳ないですけど、自分じゃどうにも出来ません。
 それ、半端なくて近くに居るだけで自分もやばいです。
 ちょっと調べるだけ調べてみるんで、今日は失礼します」

なんかそんな感じだから、俺もどうしたらいいかわかん無い。 
あれから◯さんからも何も無いし、とりあえず仕事しながら日々過ごしてます。

オチもなく上手くまとまんなくてすまんね。
ただなんか良くある、神主がとか、坊さんがとか、そうゆーのは無いと気付いた。
実際金取られるだけだったし、そいつと坊さんのバトルみたいなんもなかった。中には気付く人とか居て断られた。
街あるってても、気付いて真っ青になって離れる人が居るくらい。
霊感とかはあるんだって解ったけど、ほんとに祓う手段とかは無いのかなって思った。 
あー、俺どうなるのかね。


43 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 15:45:10.99 ID:2Bw8SZ3l0
ヤバい心霊スポットに行ってヤバい霊と遭遇しても、その黒い布被ったような奴がなんとかしてくれそうだな。 
ただ、意外と何もしてくれないで「ヤバいのがもう一体憑いちゃったでござる」になったりってのもありうるのか。
一体どころか二、三体憑いてきちゃうと、37の部屋が悪霊ハーレム状態にとかなるんかな。 


44 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 16:31:23.92 ID:IqBwX+Xf0
霊って言うか妖怪っぽいぞ 
海坊主みたいな


46 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 16:45:36.67 ID:8OFt0yLvO
妖怪類となるともう普通のお祓いでは無理だろうな… 
陰陽師だっけ?京都とかで本格的にしてもらえるとこないのかな


48 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 16:47:24.51 ID:XKb15D5N0
>>43 
どうかな。ただかなり周りに悪影響出すらしくてさ、◯さんもファミレスの外でかなり悩んだらしんだわ。 
感がいい人はどんどん俺から離れてくんだ。 
あと、他のはくっつけないらしいから大丈夫らしい。
てか、ついたら俺死んじゃうかもだから、変なとこ行くなってさ。 

>>44
なのかな? 
見たり見なかったり、気配だけあったりするんだ。夜中にカチカチって歯を鳴らす音だけしてたり。


52 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 16:59:54.11 ID:XKb15D5N0
>>46 
軽く調べたけど良くわかん無い。実際今の陰陽道って神社とかとかわんないかも、表向きは。 
素人で調べる範囲なんてたかがしれてるし、仕事忙しいし。 
特に実害ないからきにしてないけどやっぱこわいな。


54 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 17:18:00.88 ID:8OFt0yLvO
>>52 
そっかぁ。自分もちょっと調べてみたけどはっきりしたこと出てこなかった。
テレビでたまに除霊してたのは見たことあるけどね… 

一番いいのは、その妖怪みたいのが最終的に守護霊的存在になってくれたら良いよね。なかなか難しいけど、 
現段階では良くない霊みたいだし、なるべく健康に気をつけた方がいいよ! 


55 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 17:19:28.05 ID:QsK+qvD50
誰か見える人に移すしかないんじゃない 
憑いてるだけで済んでる内に 


56 :37:2011/09/28(水) 17:32:59.72 ID:NtAdta1p0
>>54 
ありがと、でもみんな営利で嘘ばいだよ。 
それはないとおもう、よくわかんない。 

>>55 
感のいい人は離れて行くんだ。 
◯さん曰く「絶対目を合わせたくない。合わせちゃいけない気がする」って。目どこにあるかみえんけど。


69 :本当にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 20:55:43.11 ID:wG2YlN+u0
>>46 
ごめん、調べたら除霊系は話聞いてもらえないみたい
除霊もやってる陰陽師もぐぐれば出てくるんじゃない? 
わかんないけど… 


81 :本物にあった怖い名無し:2011/09/28(水) 22:09:51.33 ID:w08IDJOT0
>>79 
どうにか出来るのであればしてみては? 

56番さんみたいに付いて来る系は 
一旦外に出て、家族に方に結界を張って貰うと良いかもしれない


111 :37:2011/09/29(木) 01:27:21.85 ID:mBN4u+N00
>>69
調査サンクス。だがもう頼む蓄えがない、結構取るのよ。 

>>81 
結界てか盛り塩とかお札とかはやってみた。最初はしばらく気配ないかなって思ったら駄目だった。 

出家するしかないかな。



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391 :一、:2006/07/28(金) 22:51:16 ID:C+FpdjMT0
私の父方の祖父は今年で齢90近くになるが、今でも現役の漁師だ。
年一度、盆に九州の祖父の家に遊びに行った時は、祖父と一緒に沖に出て釣りをするのが今でも恒例になっている。

私が小学5年の夏休みに、初めて祖父の家に遊びに行った時のこと。
釣りをしようと祖父の舟で、二人だけで朝方の5時に港を出て、とっておきの漁場に向かう。
数十分して漁場に着いたので舟のイカリを降ろし、仕掛けを作って海に竿をおろす。
早起きしたせいかうつらうつらと眠たくなってきた私は、祖父に「何か面白い話しをしてくれない?」とお願いした。
祖父は「うーん・・・」としばらく考えて、ハッと何か気付いた様子。
日焼けで真っ黒な顔をしわくちゃにして、ワハハと笑いながら言った。
「こんな話があるんだ」

祖父がまだ20歳そこそこで、親父と一緒に漁してた時のこと。
その頃は大正・昭和初期で、漁師達は品粗な小型エンジン船で沖に出て漁をしていた。
ある日、祖父の父が目の病が酷くなり病院に行くことになったため、祖父が1人で漁に出ることになった。


392 :二、:2006/07/28(金) 22:53:00 ID:C+FpdjMT0
漁場へ付いていつものようにイカリを降ろして準備を始めたところ、
船首前方の10M程先に何かプカプカ浮かんでるのに気付いた。
よく目を凝らして見ると、それは土左衛門だった。
今の世なら大騒ぎになるけど、あの頃はホトケさんの数が結構多かったため、それ程大騒ぎすることはなかったと言う。
それにこの地域の漁師の間には水死体を『オエビスサン』といって、豊漁をもたらす神様として祀る信仰があり、
身元が分からないホトケを引き上げた漁師は村の道の辻に埋めて、その上に塚を立てて弔っていた。
そんなこともあって、祖父はホトケさんを決まり通りに舟の左舷から引き上げる。
見るに耐えない姿で土色でブクブクに膨らんだ体、服もボロボロ。
当然身元など分かるわけがない。ただ、来ている着物や背丈から言って男のようだ。
さすがにこのままホトケさんを舟にあげたまま漁を続ける訳にはいかないので、港へ帰ることにした。


393 :三、:2006/07/28(金) 22:54:45 ID:C+FpdjMT0
よっこいしょとイカリを舟に引き上げようした。
ところがイカリが重たくてなかなか持ち上がらない。
ここら辺りは砂地なので岩に引っかかることはない。
不思議に思った祖父は、服を脱いで褌一丁で海に飛びんだ。
イカリを見ると、何か絡みついている。
近くまで潜ってみると、ようやくそれが何か分かった。
女の髪がイカリに引っかかっていた。勿論、女はホトケさんである。
着物もボロボロで、長い髪の毛が唯一ホトケさんが女だとわかる材料だ。
これはさすがに気味が悪かったが、このまま置いて帰るのも申し訳ないと思った祖父は、
この海中の女を引き上げて舟に乗せ、そして港へ引き上げた。

港に帰ってくると、仲間の漁師から「大漁だな」とからかわれたりしながら、
この顔に見覚えのある奴はいないかと村中聞いて回った。
結局、このホトケさんたち2人の身元は分からない。


394 :四、:2006/07/28(金) 22:58:29 ID:C+FpdjMT0
しょうがなく、祖父は自分の家族でこの二人をオエビスサンとして道辻に埋めることにした。
着衣を脱がして装束に着替えさせる際、
男の着衣から鉄製の薄くて小さな箱があり、中から一枚の紙キレが綺麗な状態で出てきた。
どうやらこの男は心中で海に飛び込んだらしい。
紙には心中相手の女に対する気持ちが書かれていて、
『愛してる』とか、『生まれ変わっても一緒にいよう』などと、読んでるこっちが恥ずかしくなったそうだ。
そしてもう一つ気付いたことがある。
男と女の首のうなじの辺りに入れ墨が彫ってあった。
それは両方とも同じ入れ墨で、薔薇の模様だった。
「これはもしかして・・・」
祖父は家族と相談した結果、二人を一緒の塚に祀ることにした。

その後、豊漁はこれといって続かなかったけれど、
祖父の嫁、つまり私の祖母が子供を身籠もったことで一家は大喜びして、
これもエビスサンのお陰だと、暫くは塚にお供えを欠かさなかったそうだ。


395 :五、:2006/07/28(金) 23:00:43 ID:C+FpdjMT0
何か怖いような目出たいような変な話だというのが、話を聞いた直後の私の感想だった。
祖父は「どうだ、怖かったろう」と、クシャッとした顔を余計にしわくちゃにしながら笑った。

暗くなったので港へ戻った。
家に帰ると仏壇と神棚に、今日も無事に帰ることができましたと祖父と一緒にお祈りする。
その時、ふと気が付いたことがある。
祖父の父と母の遺影の他に、後ろ側に1人のおかっぱ頭の女の子の写真があった。
「この人誰?」と祖父にと聞くと、「娘だよ」という。
はて、その時まで父に姉妹がいたなんて聞いたことがない。
私の不思議がってる顔をみた祖父が説明を付け加えてくれた。
「この子は私の娘で、○○(私の名前)のお父さんの双子の妹だよ。
 首の裏に二人ともに大きなホクロがあるんだ。」
そういって祖父はまたワハハと笑った。


398 :六、以上:2006/07/28(金) 23:27:45 ID:C+FpdjMT0
その後、父親に確認したところ、カナという妹がいたことは間違いないらしい。
病気でまだ10歳も行かないうちに病気で亡くなったそうだ。
父に恐る恐る首のホクロについて聞くと、「ああ、そういやあったな。でも双子だから当たり前だろ」と言われた。
それはそうだ、双子なら同じ位置にホクロがあるのは不思議ではない。
ただ、私は祖父の話を聞いたためか、どうも気味が悪い。
夜中に、懐中電灯を持って祖父の言っていた塚にやってきた。
そこには大夫風雨に晒された大きな丸い石が置いてあった。
そして電灯で照らしてみると、そこに二人分の名前が彫ってある。
ハッキリとは読み取れないが、そこには私の父の『政次』という名と、父の死んだ妹の『カナ』が刻んであった。

結局、怖くて父にも祖父にもこれ以上この話はしていない。
今でも盆に帰ると、私はふらっと何かに誘われるようにこの塚に来て手を合わせている。


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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?242

353:本当にあった怖い名無し:2010/05/29(土) 20:04:04 ID:O8m/cki50 
自分自身の話じゃないけど、釣り仲間であり、尊敬する人生の先輩であるKさんから聞いた話。 

Kさんは若い頃、漁業関係の会社を経営してたんだけど、
漁にいかせてたトロール船の船長から、突然連絡があったんだって。 
聞いてみると、『乗組員であるYが死んだ、異常な死に方だ』との事。 
Kさんは何があったかのか聞き、
「とにかく、仲間が死んで混乱する気持ちはわかるが、船長のお前が慌てるな!落ち着いて冷静に!」
と、近くの港に行くように指示し、自身もその港に向かった。 

港につくと、そこには安らかに眠るYの遺体があり、
船の上の死なので、警察の事情聴取や死亡解剖などが行われた。
その間Kさんは、船長や船医に何があったのかを聞いた。 
船長や仲間の証言はこうだ・・・ 

Yが死ぬ前の日の昼、見たこともない魚が釣れたんだ。 
まっ黒くてテラテラした姿で、綺麗で大きい魚。
こんな魚みた事ない・・・気持ち悪いな・・・と思ったそうだ。 
その時、Yが「食べてみよう!」と言って、その黒い魚をさばこうとした。
船員みんなが「気持ち悪い、やめておけ」と静止したが、聞かずその黒い魚に包丁を入れた。 
その時、その魚から気味悪い音、声?「キィィィィーーー・・・・」と聞こえた。 
ますます気持ち悪くなって、みんなが「なげろ!(捨てろの意)」と言ったが、Yは聞かなかった。 

その黒い魚の身は真っ白で、船長曰く「さばいた姿はヒラメの身のようだった」らしい。 
半身になった黒い魚の身は美味しそうだったが、妙な悲鳴を聞いてるせいで、
船員のなかでその魚を食べる人はYだけだった。 
Yはその身を頬張りながら「うまいうまい」と言っていたが、他の船員は気味悪がって誰も手をつけようとしないので、
その残りの身と半身の黒い魚を、海に投げ捨てた。 


355:本当にあった怖い名無し:2010/05/29(土) 20:06:05 ID:O8m/cki50 
その次の日の朝・・・ 
ある船員が叫んだ。
「おーい!あそこ見てみろ!船の後ろ!」 
船長が船のスクリューの部分をみると、あの半身になった黒い魚がついてきているのが見えた。 
まさか・・・スクリューにひっかかってるのか!?と思ったが、 
そんな事はなく、半身になったあの黒い魚が、自力で泳いで船についてきていた。 
内臓もなんも取っ払って、半分になった魚がなぜ・・・
そう思いゾっとした時、今度は違う船員が血相変えて叫んだ。
「おいっ!Yが・・・Yが死んでる!」 

船長は慌ててYが寝ていた船室に行くと、そこには眠ったままの姿勢で干からびたYの死体があった。 
ミイラのようになって死んでるY・・・船医が見たところ死因は老衰。
Yは40代後半だが、死んだその姿は100過ぎた老人のようだったそうだ。 
遺体写真をカメラで撮って、船員大混乱の中、社長のKに連絡・・・との事。 

警察が船医に「Yのその写真を見せてくれ」と言ってきて見せた。 
その時Kさんも一緒に見たそうだが、
一同「こりゃエジプトのミイラでねが!」と叫ぶほど、その遺体は干からびていたらしい。 
だが、港に戻ってきたYの死体は、眠るように綺麗な遺体。
結局、司法解剖の結果、心不全として扱われ、死因が老衰の写真はKの元に返されたそうだ。 

Yの親御さんや親族には、この写真を見せる事が出来るわけもなく、 
気味悪いし縁起も良くないからと、K、船長、船医で、その写真を焼却処分した。 

俺はその話を聞きながらも半信半疑で、「そんなことあるのぉ~?」と聞いたが、Kは、
「本当の話だ。
 写真だって、そのときの船長(今現在の水産加工会社の社長)、船医(冷凍冷蔵会社の社長)、
 警察(新潟の警察らしい)が見たし、証言できる」と言った。 

海には人間の力の及ばない何かがある。



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