【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 雷鳥一号



960 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/12/02(水) 21:53:10 ID:i8xVAx920
仕事仲間の話。

業務で山奥に入っていると、大きな邸宅に出くわした。
今風のデザインが、場所も相まってひどく違和感を感じさせたという。
門を開けて中を覗いたが、誰も居る気配がない。
インターホンを押しても反応がなく、かと言って押し入るのも躊躇われ、
塀伝いにぐるり一周してみると、綺麗に手入れされた日本庭園があったらしい。
庭池の立派な錦鯉に感心していると、不意に誰かの視線を感じた。
辺りを窺っても自分の他には誰もおらず、気味が悪くなったので退散することにした。

次の日の朝、自宅で目を覚ました彼は、右腕に痛みを覚えた。
見れば手首から肘に掛けて、皮が広く剥けて失くなっている。
滲んだ血が布団を汚していた。

居間に下りて手当てをしていると、事情を聞いた父がこう言った。
「ははぁお前、どうやらヤカン(野干)さんの屋敷に入ってしまったな。
 ヤカンさんていうのは狐の眷属で、人の皮が大好物なんだと。
 お前が無断侵入したものだから、その代償で腕の皮を取られたんだろう。
 それだけで済んで良かったな。
 聞いた話じゃヤカンさんって、稲荷さんよりかなり荒っぽいらしいから」

「無断進入したつもりはないんだけどな・・・」
包帯を巻きながら、釈然としない思いに囚われたという。







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143 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/12/12(土) 21:09:31 ID:A3J/QS0H0
私の体験した話。

青年部で委員会を開くことになった。
運悪く商工会の会議室が利用できず、メンバーの家に集まることにした。
山中に新しく造られた、小さな団地の中の一軒家だった。

部の事業についての論議が白熱し、討論が終わったのは丑三つ時を過ぎていた。
コーヒーを飲みながら雑談していると、二階の吹き抜けから声がする。
女の声だった。
何と言っているのかは聞き取れなかったが、はっきり耳に届いた。

「娘さん、目を覚ましちゃったんじゃないか。誰か呼ぶ声がしたぞ」
そう私が家主に言うと「何も聞こえなかったけどなぁ」と首を傾げながら階上の子供部屋を確認しに行く。
その日は奥さんが夜勤で留守。
二階には彼の幼い娘しかいなかった。

「いや、ぐっすり寝てたよ。空耳でしょ」
帰ってきてからそう言うのに、今度は私が首を傾げた。
「えー、確かに聞こえたんだけどなぁ」
すると両隣の仲間が「声なんかしなかったよ。勘違いだろ」と家主に同調する。
真向かいに座っていた最後の一人が、青い顔で呟いた。
「僕にも聞こえました。
 女の人の声で、誰かしらに“来て”って呼んでました」


144 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/12/12(土) 21:10:29 ID:A3J/QS0H0
場が一瞬静まりかえった後、皆が揃って立ち上がった。
「さ、夜も遅いし帰るとするか」そう口にすると、家主が血相を変える。
「ちょっ、一緒に確認しに行ってよ! 怖いじゃんか!?」

逃げ損なった。仕方がない。
皆で恐る恐る家中を見て回ったが、メンバーの他には誰の姿も見えなかった。
泣きそうな顔の家主を残し、とっとと引き上げることにする。
暗い山道を車で下っていると、少し落ち着かない心持だった。

後日別件で集まった際、メンバーの一人が奇妙な話をし始める。
祖父にあの夜のことを話したところ、こんなことを言われたのだそうだ。
『あそこらのマミは、気に入った男を山に連れ去るっていうからな。
 気を付けろよ』
マミとは人を化かす狸のことなのだという。

「お前ら、狸に告られたんじゃね?」
あの時声が聞こえた私ともう一人は、しばらくそう言ってからかわれた。






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187 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/04/29(金) 14:11:26 ID:xl286xks0

知り合いの話。

彼の実家の近くに小さな山があり、そこには小さな神社がある。
今にも森に埋もれそうな寂れた神社なのだが、なぜか礼拝客は意外と多い様子。
先日里帰りした折にふと思い出し、何の気なしに足を伸ばしてみた。

187 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/04/29(金) 14:11:26 ID:xl286xks0

一歩境内に足を踏み入れギョッとした。
境内中の木という木に、履物の類が打ち付けてあったのだ。
それこそ数え切れないほどの、靴やサンダルといった履物が。
異様な雰囲気に堪らず、逃げるようにして即帰ったという。



187 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/04/29(金) 14:11:26 ID:xl286xks0

後でその手のことに詳しい人に聞いてみたのだが、
その神社は俗に足止め神社と呼ばれ、ある筋ではかなり有名なのだそうだ。
そこで履物を使って呪をかけると、
その履物の主は、旅行に出たり引っ越したりといった行動が取れなくなってしまう――文字通りの足止めだ。

彼が見た中には、幼子の靴も数多あったらしい。
一体どんな事情があったのか。考えているうち鬱になったという。
「現代でもああいうことを信じてすがる人が、あんなに大勢いるんだな」
彼は最後にぽつりとつぶやいた。






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762 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/17(火) 18:25:37 ID:5s8Q8HvZ0
友人の話。

彼の連れに、いわゆる“見える人”がいるのだという。
二人で山奥の神社へ出掛けた折に、その連れが境内の一角をじっと見つめたまま動かなくなった。
「何か見えるか?」そう尋ねたところ、連れは短く答えた。
「肉がいる」
何だそれはと問うてみたが「肉は肉だ」と、それしか答えない。
しつこく問い質すと、桜色をした肉の塊が境内の隅を這っているのだという。
引き攣った友人の顔を見て、連れは息を一つ吐いてから続けた。
「大丈夫、悪いモノじゃないと思う。
 時々、烏や犬がかぶり付いているから、毒もないんじゃないかな。
 古い神社には割といるんだ、あの肉。
 初詣の後なんか明らかにブクブクと大きく育ってる。
 ひょっとしたら、人が吐き出していった願い事や悩み事を喰ってるのかもね。
 それを鳥や獣が更に喰らう。
 いわゆる浄化ってやつなのかな、そう思うよ」

それからというもの、彼は悩み事が出来るとその神社へ参拝するようになった。
柏手を打ってしばらくすると、不思議に頭がスッキリとするのだそうだ。
「ああいった話を聞いた後だから、単に思い込みなのかもしれないけど。
でも言われてみれば、確かにあの社、妙に烏が多いんだよな」







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351 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/10/03(土) 18:43:47 ID:9SNNAnnl0
知り合いの話。

彼の祖父はかつて猟師をしていたという。
遊びに行った折に、色々と興味深い話を聞かせてくれた。

「昔、時々連んでた鉄砲撃ち仲間がいたんだけどな。
 大分前に死んじまった。
 山に入っている時、誰かに鉄砲で撃たれてな。
 ああ、当然警察沙汰になった。
 あの時そこらの山に入っていた者が皆、取り調べを受けたりしたよ」

しかし事件は、調べが進むうちに奇妙な運びになったらしい。

「あいつの身体から出てきた鉄砲の弾なんだけどな、あいつが持ってた鉄砲から撃たれた弾だったんだと。
 旋条痕とやらが一致したらしい。
 おかしいんだよな。
 一緒だった奴らの話じゃ、あの日あいつは一発も撃ってないってんだから。
 明らかに余所の方角から撃たれたっていうし」

その時の同行者たちはしつこく取り調べを受けたのだが、皆がシロと判断された。
結局、この件は事故として処理されてしまったという。

「そのうちにな、別の仲間がおかしなことを思い出したんだ。
 『そういや前に飲んだ時、あいつ変なこと言ってたなぁ』って。
 死んだ奴な、その数ヶ月前に、あの山で変なモノを撃ってたらしいんだわ。
 大きくて真っ黒い、猿みたいな何かを。
 儂が思うに猿じゃないと思うけどな。
 地べたを二本足で歩いてたっていう、奴の話が本当ならばな。
 撃ったら倒れたんで駆けよってみたが、そこにゃ何もなかったんだとさ」


352 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/10/03(土) 18:45:21 ID:9SNNAnnl0
ここまで語ると、祖父さんは「ところでな」と話を変えた。

「返し矢って知ってるか?」

「この辺りじゃ弓矢の時代から言われとる、まぁ一つの古い呪いみたいなモンだ。
 射かけた矢を取られて逆に射返されるとな、これが絶対に命中すると言うんだ。
 だから返し矢。
 他の地方でもあるかどうかは知らん。
 弓矢を主に使ってた頃は、当たらなかった矢も出来るだけ回収してたそうだよ」

「猟師内じゃ『あいつ返し矢をされたんじゃないか』って噂されるようになった。
 誰にかって?
 あいつに撃たれた奴に決まってるだろ。
 正体なんかわからんがよ」

「儂自身は返し矢とか、実のところ信じちゃいないけどな。
 ・・・案外と、大きな声じゃ言えねえ裏事情とかがあったのかもしれんし。
 まぁ何にせよ、人型のモノに矢鱈目鱈と撃ちかけるモンじゃねぇってことだ」

ここで酒を呷ると、祖父さんは話を締めくくった。






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