カテゴリ: 雷鳥一号
【雷鳥一号系】神社関係者の間では『お狐さんの駅』と呼ばれていたそうで、 「そこで降りてはいけない、帰ってこられなくなるから」
34 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/12/25(火) 19:25:00.22 ID:Q0XaX8RP0
知り合いの話。
彼女は女子高生の頃、通学に私鉄を利用していた。
沿線上に大きな神社があるそうで、巫女さん姿の女性と乗り合わせることも偶にあった。
その内何人かと顔見知りになったのだが、彼女たちから不思議な話を聞かされたという。
巫女さんたち曰く、この支線で山間の部分を通っている途中、誰にも見覚えのない駅が現れることがあるのだとか。
その駅は、真っ暗な山の中に忽然と姿を現すらしい。
汽車はその駅を通り過ぎることがほとんどだが、稀に停車することもある。
駅舎や施設はごく普通に見えるのだが、どこを捜しても駅員や客の姿は確認できない。
駅名は毎回変わっているそうだが、いつの時も、すべて平仮名のみで記されている。
開札口から山奥へ続く細い道が覗けるだけで、他には何も見えないのだと。
神社関係者の間では『お狐さんの駅』と呼ばれていたそうで、
「そこで降りてはいけない、帰ってこられなくなるから」と言われていたという。
彼女はその駅を見たことはないそうだが、それでも夜遅くその山間を走っている時は、どこか不安だったのだそうだ。
【雷鳥一号系】入るぞ
53 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/04/07(水) 19:17:29 ID:IGrGF9If0
友人の話。
夏山を仲間と二人で縦走していた時のことだ。
その日は河原にテントを張り、釣った魚を夕飯にしていた。
腹も満たされてそろそろ寝ようかという頃合、人の声がした。
「入るぞ」
渋い男の声が、テントのすぐ外から掛けられた。
思わず仲間と顔を見合わせる。咄嗟に声が出ない。
「入るぞ」
もう一度声は呼ばわった。
仲間は怖い顔で、指を口の前に立てて“声を出すな”のジェスチャーをした。
固唾を呑んでその指示に従う。
うっかり返事をすると、声の主がテントに押し入ってくるような、そんな気がしたから。
後で確認したところ、仲間もまったく同じことを考えていたそうだ。
その後も間隔をおいて「入るぞ」の声は聞こえ続けた。
何度目の問い掛けだったろう。
身動きもせずに固まった二人の耳に、先までと違う文言が届いた。
「招かれないんじゃ仕方がない。残念だが出直そう」
それきり声は二度と聞こえなかった。
54 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/04/07(水) 19:18:27 ID:IGrGF9If0
安堵の溜息を吐きはしたが、言葉を口に出すのが恐ろしかった。
どこかでアレが聞いているような気がして。
声を出して会話すると、またアレが声を掛けてくるような気がして。
闇の中から。
取り敢えず筆談で意思疎通し、交代で番をしながら寝ることにした。
無事に夜が明けてから、やっと声が出せたのだそうだ。
「何だったんだ、アレ!?」
答えは見つからず、その日のうちに強行軍で山を下りたのだという。
【雷鳥一号系】サンコウさんの土地に入り込んじまったんだな
126 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2011/04/20(水) 20:12:55.31 ID:M9js9F/p0
知り合いの話。
その昔、彼女の祖父がまだ炭焼きをしていた頃の話だ。
煮炊きに使う薪を集めに山奥を歩いていると、見覚えのない広場に足を踏み入れた。
はて、この山ン中にこんな開いた所があったろうか?
見れば下生えも綺麗に刈られていて、歩き回るのにも支障がない。明らかに人の手が入っている。
広場の真ん中に、古びた祠みたいな物が見える。
近よってみたところ、そこには奇妙な物が並べられていた。
人を象った、不格好な木彫りの人形。
誰が拵えた物かわからないが、五体ほど等間隔で置かれていた。
見ているうちに何故か気持ち悪くなり、逃げるようにそこを後にしたそうだ。
炭焼き小屋に帰ってから、居合わせた里仲間に自分の見たことを話してみた。
「サンコウさんの土地に入り込んじまったんだな」と言われた。
サンコウさんとは、そこの山神の呼び名だ。
「人形ってのは今年、サンコウさんが取ると決めた人の形代だろう。
お前さん、山で仕事するんなら気を付けるがいい。
機嫌損ねると、その五人の内の一人になっちまうぞ」
「嘘か誠かはわからんが、そう言われたんだよ。
だからって訳じゃないが、山ン中にいる時は粗相しないよう心掛けたよ。
幸い、サンコウさんに取られもせず全う出来た。有り難いことだ」
祖父はそう彼女に語ったという。
最後にこう付け加えた。
「それにしても不思議なのは、あの広場には二度と辿り着けなかったことだ。
サンコウさんは、何で儂にあそこを見せたんだろうな」
【雷鳥一号系】人食いにつけられたね
22 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/10/29(月) 20:11:38.71 ID:3LceBR410
昔馴染みの話。
昔、仕事で東南アジアの山に籠もっていた時のことらしい。
不思議な足音に後をつけられたのだという。
背後からしつこく付いてくるのだが、音はすれども人の姿などどこにも見えない。
気持ち悪いと思いながらもどうすることも出来ず、放っておくことにした。
街に下りてから、現地の友人にこの話をしてみた。
「人食いにつけられたね」と、そう言われたのだという。
聞いてみると、かつてその山に棲んでいた部族は、人を食べる習慣を持っていたらしい。
人間を食べると、その強さが食べた者に移るという信仰を持っていたらしく、
そのため主に健康的な男性が餌食にされていたそうだ。
「日本から来た兵隊も、結構食べられたって話を聞いたよ。
でも終にはアメリカ兵まで食っちまったんで、報復で村落ごと焼き滅ぼされたんだと。
だから今現在、奴らはもう足音しか出せないっていう話さ。
実体が無いのだから、そう危なくもないだろう」
「その後も二回ほど足音につけられたけど、確かに別に害はなかったな。
気持ち悪いことに代わりはなかったけどね」
彼はそう言って苦笑した。
93 :本当にあった怖い名無し:2012/11/05(月) 00:21:45.30 ID:4ixlcD2mP
>>22
東南アジアの人食いというと高砂族とかかなあ?
日本人はクセがなくて美味しかったと言っていたのは
確かポリネシアの少数民族とか南洋の話だっけ(ウロ覚え
日本でも故人の遺骨を食べる習慣のある地域があったみたいだけど、
ヨモツヘグイの源流が実は遺体の共食儀礼だったりして…なんてね。
94 :本当にあった怖い名無し:2012/11/05(月) 16:16:24.27 ID:sr4wLksh0
>>93
高砂族は首狩りの習慣はあったが、人は食わないよ
96 :本当にあった怖い名無し:2012/11/05(月) 20:33:33.36 ID:Pcu8/mQy0
>>93
俺の同僚、フィリピンでやっぱり人食いの話を聞いたとか言っていたなあ。
パプワニューギニアやインドネシアとかが有名だと思っていたけど、
フィリピンと聞いて驚いた憶えがある。
100 :本当にあった怖い名無し:2012/11/05(月) 22:45:43.62 ID:4ixlcD2mP
>>94
そうか、勘違いしてたみたいでスマソ。
>>96
ほほ~フィリピンでもそういう話があったとは初耳です。
同僚さんは他に何か興味深い話をしていませんでしたか?
119 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/11/06(火) 18:23:36.93 ID:uttupCTX0
どーも、雷鳥です。
>>100
ええと、>>22の話は、フィリピンでのことらしいです。
「日本人は一番美味かった、だから俺は日本人が大好きだ!」
みたいなことを、酒場で一緒になったお爺ちゃんに言われて、
笑いながら肩を叩かれ、ついでに奢ってもらったんだそうです。
昔馴染みは、「・・・えー・・・」ってなことしか言えなかったそうですが。
アメリカ軍に滅ぼされた山村も結構な数があるらしくて。
それがすべて食人集落だったとは思いませんが。
その時のお爺ちゃんが言うには、フィリピンの山岳民族は、米兵にも負けないほどの屈強な戦士揃いだったらしいです。
一人一殺の精神で、銃弾をぶち込まれても山刀を持って駆け寄り、切り捨ててから死んでいたんだとか。
「日本の侍にも引けを取らんだろ!」と胸を張っていたそうで。
それがため、アメリカ軍の装備銃が大口径の物に更新されて、結局は負けてしまったんだそうですが。
・・・これはこれで凄い話かと思います(汗)・・・。
134 :本当にあった怖い名無し:2012/11/07(水) 20:28:15.08 ID:pU9ne/100
>>119
フィリピンのスールー族は戦闘前に恐怖心と痛覚を消す為に、阿片を吸ってから米軍と戦ったみたいだよ。
だからそんな狂戦士を一発で倒す為に開発されたのがM1911ピストル(通称コルトガバメント)。
ベトナム戦争でもM16ライフルの弾が十数発命中しても突撃してきたベトコンがいたそうだけど、
それも阿片のせいなのかもしれん。