【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 石じじい



223 :名無し百物語:2022/10/26(水) 23:15:15.75 ID:AdfX2LDE.net
石じじいの話です。

彼が朝鮮にいたときの話です。
ある島を訪れた時に、村人が話してくれたそうです。
この島には、死んだ人間の幻がいる。しかも、たくさんいる、と。
じじいが、それは幽霊か?と訊くと。
いやそれは幽霊(鬼)ではない。死者の「幻」であり、それは、生きている人間に害をなすことなく、場所を選ばす佇んでいる、と。
別に、縁者のところに出現するわけではなく、別の場所で別の人によって目撃されることが多いのだ、と。
海岸で、海につかって波間に頭や上半身だけを出していることもある。
また、家の中に立っていることもある。
畑のなかに座っていることもある。
道端に立っていることも多いのだ、と。
幻に話しかけても、彼らはまったく反応しない。
幻たちは、最初に出現した場所の近くをさまよっているようでした。
そのため、そこに行くと、幻を確実にみることができたそうです。
そのような死人の幻を呼び出すための呪術のようなものはないのだが、この島に限って、そのような現象が見られるだ、ということでした。
自分の死んだ縁者の幻が見られて喜ぶものもいるが、多くの人は当惑して、幻を無視するようにつとめたのです。
幻の多くは、出現してから1年ほどすると自然と消えてしまったそうですが、中には、何年も残っているものもありました。
おそらく、その幻の縁者が執着することによって、その執着心に感応して長く形を留めるのではないか?と。








220 :名無し百物語:2022/10/23(日) 14:16:56.54 ID:dwrxG1LT.net
石じじいの話です。

皆さんは、お守りを持っていますか?
私は金山出石寺でもらったお守りを身につけています。
石じじいは、朝鮮にいる頃、現地の巫師から「お守り」をもらったそうです。
巫師曰く
「これは、私が師より昔から受け継いだものだ。その師も先代から受け継いだ。かなり昔から代々受け継がれてきたものだ。私は、もう弟子もないので、良くしてくれたあなたに、このお守りをあげよう。」
じじいは、他の朝鮮人に譲ったほうがいいのでは、と言いましたが、巫師は、「あなたは良い人であるから、そのような人に受け継いでもらいたいのだ」と
その「お守り」は、小さな黒い石版でした。
形から人工物かとも思ったのですが、巫師によると、これは自然石である;中国から伝わってきた非常に古いものだ:と聞いていると。
巫師によると、この「お守り」は、ある儀式に使うと、ある効力を発揮するのだ、ということでした。
しかし、そのような使い方は、朝鮮の呪術・迷信であるから日本人のあなたには不要だろう。また、修行してその技を身につける必要もあるのだ、と。
じじいは、それを大切にして、朝鮮から引き揚げるときにも持って帰りました。
この話をメモのなかに見つけて、それが「じじい箱」のなかにあるのではないか?と思い、探してみました。
ありました。
多分これだと思います。
紙に包んで、それに「お守り、朝鮮」と鉛筆で書かれていました。
確かに、黒い小さな石版です。
じじいが大事に持っていたかと思うと感無量ですね。

mc1







155 :本当にあった怖い名無し:2019/12/23(月) 23:07:01.05 ID:JJIlUnye0.net
石じじいの話です。

剥製といえば、昔は理科教室にもありました。
じじいが山を歩いていると、山中に剥製屋があったそうです。
剥製屋は普通は街中にあります。
いろいろな珍奇な動物の剥製を作って売るので、動物園などの供給元とマーケットに近い方が良いのです。
その山中の剥製屋では、まわりの山の動物の剥製が主で、イノシシ、さる、しか、うさぎ、など。犬、猫もありました。
にわとりや、こじゅけい、カラスやサギなどもあったそうです。
全国の学校に理科教材として売っているということでした。

店主は作り方を教えてくれたそうです。
剥製は、胴体の骨は取り除いて捨ててしまうのだ。
頭骨と指の骨は使う。その部分は人工で作ると嘘くさくなってしまうし、手間がかかる。
眼球も使わない。乾燥するとしぼんでしまうので使えない。
眼球は溶かしたガラスにインクを垂らしてつくるのだそうです。
動物の種類によって様々な形の目があるので、それぞれをそれらしく作るのがテクニックなのだということでした。
剥製製作のときに余ったと思われる骨が、家の裏の山につづく畑にうず高く積み上げられていたそうです。
下の方は長期間、雨にさらされて灰色になって風化していました。
上の方は、まだ肉片がある生々しいものがありました。
骨に混じって、壊れたメガネや櫛、靴などが捨ててありました。ゴミ捨て場ですね。
皮を剥いだ後、いらない部位は肉つきで放置しても良いのだが、そうすると肉が腐って臭うので、できるだけ削ぎ取って肉は地中に埋めるのだと。


156 :本当にあった怖い名無し:2019/12/23(月) 23:08:07.00 ID:JJIlUnye0.net
仕事場にはさまざまな道具があり、特に注意を引いたのは皮を剥ぎ、骨格をバラすためのさまざまな刃物でした。
じじいがそれを見ていると、こういうのは自作するのだ、と店主が教えてくれたそうです。
死体をバラバラにする刃物は売っとりませんけんね、と。

その男性には、奥さんも子供もいるということでしたが、姿を見ませんでした。
庭先には子供用の自転車があり(当時は珍しかった)、物干し竿には女性ものの洋服が干してありました。
店主によると、「町に買い物にいっとるんでしょう」ということでした。
町はかなり離れているのでそれは大変だろうとじじいは思ったそうです。
原材料や製品を運ぶトラックは家に置いてあったからです。
じじいはその家を後にしたが、ちょっとして振り向くと、
庭先に、その男性と、その脇に女性と男の子(のように見えたらしいのですが)が立って、じじいをみおくっていたそうです。
じじいは手を振りましたが、男性だけが手を振り返しました。
少し歩いてまた振り返ると、男性はいなくなっていて、女性と子供が立ってこっちを見ている。
興味をもったじじいは、持っていた小さな軍用単眼鏡をポケットからとりだして見てみると、彼らはじっと立っています。
微動だにしませんが、べつにじじいを見ているわけではないようです。
すると男性が家から出てきたので、なぜかじじいは慌てて双眼鏡をしまい、そこを足早に立ち去りました。

「そ、それは、そ、その人らは、はくせいやったん?」
「わからん。そやけど、もう二度と、あそこらへんにはよういかなんだい。はくせいにされたらおおごとやけんな」


157 :本当にあった怖い名無し:2019/12/24(火) 00:14:47.99 ID:sN1z242M0.net
単眼鏡が双眼鏡に変わったところが怖いとこ


158 :本当にあった怖い名無し:2019/12/24(火) 11:22:43.65 ID:BefuAZec0.net
>>156
>>157
その時の双眼鏡、もとい単眼鏡はこれです(たぶん)。
じじいから生前贈与を受けました。
小さくて便利です。
わりと新しく、戦争中に使われた、というような古いものではないと思います。

hsy2







217 :名無し百物語:2022/10/20(木) 00:06:17.84 ID:Kozij+ur.net
石じじいの話です。

じじいは、石探しのために山中を歩いているとき、いろいろな人に出会いました。仙人に会ったという話が以前ありましたね。
神社を建立しようとしている人に会ったそうです。
その人は、若い男性で、修験者のような格好をしていました。
標高の高い山の中腹の森の中で出会いました。
その時、その人は、長い棒のようなものを水平に持って、それをぐるぐるといろいろな方向に向けていたそうです。
その人が言うには:
私は、神社に祀る神様を探しているのだ。
こうして、自分の念を込めた棒を持っていると、神様のいる場所では神力に感応して棒がひきつけられる。それで、神様の存在がわかるのだ:と。
「そういうところはありましたかな?」と尋ねたところ。
まだ、ない。神様は見つかっていない、とのこと。
「なんだかなあ」とじじいは思ったのですが、彼の神さがしの理由をたずねました。
その人が言うには:
銃で趣味の狩猟をしていたときに、この山中で、古い神社を見つけた。
それは、かなり古く傷んでおり、御神体もなかった。
この神社の境内に立った時に、なにか感じるものがあり、この神社を再建しようと決意したと。
動機としては曖昧だなと、じじいは、思ったそうです。
その男性は、「その神社は、この山頂の近くにあるのだ。これから行ってみないか?」と、じじいを誘ってきました。
じじいは、男性について、その神社に行ってみることにしました。


218 :名無し百物語:2022/10/20(木) 00:06:51.24 ID:1tsWCcXK.net
神社はありました。かなり壊れていて、やっと建っているという状態でした。
かなり古いもののようでした。明治維新の廃仏毀釈の時に廃絶させられた神社かもしれないな、とじじいは思ったそうです。
境内には、大小の土器やボロボロに錆びて地中になかば埋まった刀剣などが大量に散らばっていました。
戦争中に安物の軍刀がたくさん作られたので、刀剣類には興味はなかったのですが、土器はおもしろそうでした。
かなり古いもののように見えたからです。
その神社には、その男性によって修繕されたり清掃されたような痕跡はなく、荒れたままでした。
じじいは、山の周辺の地域の人々から浄財をつのったらどうか?
他の神社から分社してはどうか?
と助言したのですが、男性は、「いや、自分だけの力で再建しなければ意味がないのだ!」と力説して、聞く耳を持たなかったそうです。
「まあ、そうなもんかのう」とじじいは思って、男性と山中で別れたそうです。
下山して、近くの集落で、その男性について尋ねたところ:
たしかに、そのような人物はいる。
しかし、我々とは交流を持たない。他の集落の人々とも交流を持っていないだろう。
非常にまれに、下山してくるのを見ることあるが、我々を無視している。
不思議なのは、彼が食料を持って入山するところや、下山してどこかで食事をしているのを見たことがない、と。
「仙人のような人かもしれんね。そやけど、仙人なら神社神社いうて執着せんと思うけどな」と話し合ったそうです。
数年後、その神社を再訪したら、神社は崩れて全くの廃墟となっており、その人物はいなくなっていました。
境内には土器類は残っていたので、保存の良いものを掘り出して近くの町の資料館(博物館?)に持っていって、このようなものがたくさんある遺跡のような場所がある、と教えました。
そこの職員(研究者?)は、この土器は須恵器ではないか?興味深いので今度調査してみる、と言っていたそうです。
その後、どうなったかは、私のメモにはありません。








746 :本当にあった怖い名無し:2019/06/15(土) 14:51:44.51 ID:jkq4pwhQ0.net
石じじいの話です。

と書きましたが、これは他の人からの話かもしれません。
じじいからの聞き書きメモの中には、別の人(特に、村の真言宗の寺の住職)からの聞き書きも混じっていますので。

ある寺に大徳がいらっしゃいましたが、彼が朝、厠に立たれたまま帰ってこられません。
納所坊主が怪しんで彼を探しましたが、厠にも寺の内外にも姿が見えない。
厠には、脱いだ草履が残されていました。
見つからず長く年月が経ち、亡くなったものとして葬儀が行われて墓が建てられました。
それから随分年月が経ってから、その寺に一人の炭焼きがやってきて言うには、
自分は山奥で僧侶の姿を見た。その僧侶は石の上に座り絶命している。
とにかく僧形なので寺の人だろうと思い、この寺に知らせに来た・・・
その寺の人と村人が、その炭焼きに案内されてその山に登りました。
そこには、老僧が印を結んで石の上に座していたそうです。
着ていた着物はボロボロ。
手に持っていたであろう数珠は切れてバラバラ。
遺体には苔が生えていたそうです。
死後長く経っていたのに、不思議にその体は白骨化して分解することなく、なかばミイラなのようになっていたと。
そのため、顔貌から昔、行方知れずになった高僧であるとわかったのです。
彼は上を向いて口を開いていました。
その口には土がたまり、そこに一本、空に向かって草が伸び、花が咲いていたそうです。





↑このページのトップヘ