【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 怨霊



286 名前:280  ~序章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:08
この話の本編を公開する前にお話しなければならない事が御座います。
と言いますのも、この話、過去に二度しか語ったことが無いのです。
その理由はつまりこうです。

一度目に話したのは高校の修学旅行の時でした。
私の話を聞くためにクラスの全員が一部屋に集まっていました。
もちろん他のクラスの人間はその事を知るよしもありません。
1F南棟横一列の五部屋が私のクラスに与えられた部屋割りでした。
その五部屋の丁度真ん中の部屋で怪談を語る会が催されたのです。

私は自らの体験談を一話一話語っていきました。
皆、一様に息を押し殺し私の話に耳を傾けています。
そして話が、今回紹介するこの『怨霊憑依』になりました。
この話は私の体験談の中でも屈指の恐ろしい体験で、
少しばかり躊躇いは感じたのですがノリにまかせて話してしまったのです。


287 名前:280  ~序章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:09
『キャーーーー!!!』
話し始めて三分もしないうちに一人の女の子が絶叫しました。
皆、背後からナイフでも突き付けられたかのような顔でその子の方を向いています。
彼女は左手を口にあてがい、右手をまっすぐ伸ばし、何かを指差していました。
その指の先に我々が見たものは・・・・・。
窓の向こうにホテルの裏山があり、その中腹ほどの場所に墓石郡が見えたのです。
しかし彼女が指差していたのはそんなものではなかった。
墓石に隠れるように子供が顔を半分だけ出して笑っているではありませんか!
そして一瞬で姿を完全に隠してしまったのです。
時刻は午後九時。
とてもそんな時間に子供が遊んでいたとは考えにくい・・・・・。
かといって霊とは思いたくない。
そう思っていた事でしょう。


288 名前:280  ~序章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:09
一時、混乱しましたが「あれは現実の子供である」という結論により
無理やりその場をおさめました。
帰りたいと言い出す女の子もいましたが、
帰ってしまうと部屋に小人数で居なければならない事になるので
耳を塞ぎながらその場を遣り過ごそうとしていました。
そして話の続きを語る事となったのです。
話を再開した直後。
私の背後の壁を『ドンドンドンドン!!!!!』と強打する音が鳴り響きました。
もう部屋中パニックです。
泣き叫ぶ女の子達を制し、
私を含む有志数名で音がした隣の部屋へと向かう事になりました。
みな戸締りをしてきたはずです。
案の定、その部屋の錠はロックされており、
その部屋の生徒がカギで扉を開けました。
重くのしかかるドンヨリとした空気。
真っ暗の部屋の中でTVだけがついています。
しかしながら映っているのは「砂画面」。
いわゆる飛ばすはずのチャンネルがついているのです。
無音で。
部屋に足を踏み入れた瞬間。
私の目に飛び込んできたものは・・・・・。
部屋の壁一面の『顔』。
そのあまりの形相の為、男女の判別すらできません。
その場に居合わせた数名も口を開けたまま声も出ない驚き様でした。
私はTVを消し、電気をつけました。
すると壁に浮かんだ顔もパッと消えたのです。


289 名前:280  ~序章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:09
この一件は校内でもかなりの噂となり、今でも修学旅行の際には、
その事を知る引率の教師が語り草にしているそうです。

冒頭で私はお話しなければならないと申し上げましたね。
そう。
この話を聞いた人間は霊を見てしまうのです・・・・・。
だから今まで二度しか話した事が無かったのです。
二度のうちのもう一つの話は(終章)として御紹介いたします。

おわかりですね。
本編を見た方にどんな危害が及ぶかもわからないという事です。
第十話より始まる『怨霊憑依(本編)』。
読む、読まないは御客様にお任せします・・・・・。
もしもなんらかの霊障害を受けた場合。
館主に御相談下さいませ。


290 名前:280  ~第一章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:10
前項でもお話した通り、この話は大変危険です。
充分な心の準備をしてから御読み下さいます様、御願い致します。

高校一年の冬の事です。
その日の朝はこころなし体調が優れず、鬱とした気分でした。
いつもの様に日課の雨戸開けをし、朝食をとり、学校へと向かう準備。
しかし何かおかしい・・・・・。
背後に視線を感じるのです。
何度も振り向きましたが、そこに人の気配は無く、
いつもと同じ我が家の日常が存在するだけでした。


291 名前:280  ~第一章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:11
不安な気持のまま、自転車に乗り、私は家を出ました。
私の家から出て最初の通りに差し掛かったところで、
遠くから腰の曲がった老婆が歩いてくるのが見えました。
しかし、歩いていると言うにはあまりに不自然な動きである事に気付いたのです。
足を動かしておらず、わずかながら体が宙に浮いているような感じでした。
起き抜けから不気味な感覚にとらわれていた私は、
恐る恐るその老婆の方向へと自転車をこぎました。
近付くにつれ、老婆が発する禍禍しい霊気に体中が蝕まれるような感覚を覚えました。
明らかに霊体である事を認識した私は、自転車をこぐのをやめ、
老婆に向かい合うような形となりました。
その距離およそ10m。
鼠色の乱れた髪の毛に隠れて見えなかった顔がゆっくりとこちらを向きました。
顔を見た瞬間の感覚はいまだに思い出すだけで背筋に緊張が走ります。
浅黒い肌。
痩せこけた頬に、落ちそうなくらいに張り出した瞳。
口を真一文字につぐみ、私を睨みつけてきます。
その瞳には凄まじい怒気を感じました。
私は老婆の眼光に体がすくみ動けなくなっていたのです。
それまでにも私は相当な数の霊体験をしており、
霊をあまり『怖い』と感じなくなっていたのですが、
その時ばかりは自分の霊能体質を呪いました。
悲哀、怒り、憎しみ。
そんなものが入り混じった老婆の霊気。
それまでの私が体験した事のない、凄まじい怨霊です。
老婆に動きが見えました。
両腕を前に伸ばし、首を締めるような格好をしています。
「危険だ。」
そう思った時は遅かったのです。
真っ直ぐに私目掛けて老婆が向かってきます。
その速さたるや、成年男子が猛スピードで走るくらいの勢いで、
私はかわす事もできずに棒立ちでした。
そして私の体を老婆が通り抜けて行ったのです。
しばらくは息もできず、その場に立ちすくんでいましたが、
恐る恐る後ろを振り返ると、そこにはもう誰もいませんでした。

その日、一日。
私はとても嫌な気持で過ごしたのは言うまでもありません。
しかしそんな現象はあくまで前触れに過ぎなかったのです・・・・・。


292 名前:280  ~第二章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:11
老婆を目撃した日から一週間が過ぎました。
この一週間というもの、ろくに食事も喉を通らず、
気分の優れない毎日を送っていました。

学校では学期末試験が始まっており、
私も柄にも無く試験勉強をしなければならなかった為、
両親が寝静まった頃を見計らい、応接間にやってきました。
一応、何故わざわざ応接間で勉強しなければならないのかを御説明致します。
元来、勉強嫌いの私は机に向かう事が大嫌いで、
自室の勉強机にはコンポを乗せていた為、そこでは勉強が出来ない状態だったのです。

深夜一時頃。
静寂に満ちた部屋にこんな音が聞こえてきたのです。
『ピチャ・・・ピチャ・・・ピチャ・・・』
それは雨漏りの様な水滴の音でした。
音の方向は応接間の隣に位置するトイレからです。
管が破れて水漏れでもしているのだろうか?
軽い気持でトイレに向かい扉を開くとそこには・・・・・。


293 名前:280  ~第二章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:11
私の眼前に薄汚い布キレ。
見上げるとあの老婆の顔が!!
天井から吊るさがった老婆は白目を剥き、口からはどす黒い血を流していました。
音は老婆の口から垂れた血の音だったのです。
私は絶叫しました。
腰が抜けたのでしょう。
その場にヘナヘナと座り込んでしまいました。

二階からは私の声に驚いた両親がおりてきました。
私は這いずりながら両親の元へ。
「どうしたんだ?」
父親の声に私は返事が出来ず振り返りトイレを指差しました。
しかしそこには既に老婆の姿は無く、トイレの扉だけが開いた状態。
私は必死に両親に説明しましたが「寝不足で夢でも見たんだろう。」と、
軽くあしらわれてしまいました。
応接間に戻り、とりあえず机に向かいました。
しかしどうにも落ち着きません。
そしてこの後、はかどる事の無い勉強をしていた私に第二の恐怖が襲いかかります。


294 名前:280  ~第二章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:12
私は背後に人の気配を感じました。
しかし先程の事もあるので後ろを向く気にはなりませんでした。
その時です。
私の首筋に冷たい感触が・・・・・。
前にあった戸棚のガラスにうつっているのは、私の首を締めている手。
そう。
私の背後にはまたもやあの老婆がいたのです。
老婆の手を引き剥がそうとしましたが、凄まじい力でまったくはなれません。
私は目を閉じ、無宗教くせに神頼みです。
御経を唱えました。
『南妙法蓮華経南妙法蓮華経南妙法蓮華経・・・・・・・』
すると老婆の力は緩み、かわりに私の耳元でこう囁きました。
『熱い・・・熱くてかなわん。なんとかせんか!誰の謀(はかりごと)じゃ!
許しはしまいぞ!井上の末代まで祟ってやるからそう覚悟せよ!』
二度ほど同じ言葉を繰り返し、フッと老婆の気配は消えました。

そんな状況で勉強など手につくはずもなく、私は眠る事にしました。
眠りながら考える。
「私はおかしくなってしまったんだろうか?」
真剣に悩みました。
気が狂っているのかもしれないと・・・・・。
そして老婆の言葉。
どんな意味が込められているのでしょう。

老婆の霊に悩まされる日々はまだ続いたのでした・・・・・。


295 名前:280  ~第三章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:12
私のノイローゼ気味の日々は続いていました。
以前にも増して、誰かに見られている感覚が強くなってきたのです。
一日一回は老婆が私の耳元で言ったあの言葉が聞こえてくる始末。
そしてついに老婆の姿が常に見えてしまう。
そんな状況まで追い込まれていったのでした。

食事もろくに喉を通らず、眠れない生活。
私は次第にやつれていき、
あの老婆の様に頬が痩せこけたみすぼらしい顔になってしまいました。

見かねた両親が私にこう言いました。
「最近のおまえはおかしい。でも我が子を精神病などと思いたくはない。
 おまえが言う事を信じているわけではないが、
 一度、霊媒師にみてもらったほうが良いと思う。」
そして私は母の弟の紹介で霊媒師の元へ行く事となったのです。


296 名前:280  ~第三章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:13
紹介してくれた叔父の車で霊媒師のもとへ向かいました。
着いた先はなんの変哲もない住宅街。
そしてただの一軒家でした。
出迎えた女性に案内され、家の中へ。
一室に通され、その場に座っていた女性こそ、誰あろう霊媒師の方だったのです。
年の頃は70代前半といったところでしょうか。
ふくよかな顔が優しい印象を覚えさせる老女でした。
「こちらにおかけなさい。」
そう言うと彼女は私を自分の前に座らせました。
彼女は私の手を握り、こう言いました。
「あなたが来たのはすぐにわかりましたよ。
 あなたはすごい霊能力を持っていらっしゃる。でもね。
 あなたは霊媒師になりたいわけじゃないんだものねぇ?
 だったら必要ないのにねぇ。可哀想にねぇ。」
矢継ぎ早に話していく老女。
そしておもむろにこう言ったのです。
「あなたには今、非常に厄介な霊が憑依している。気味の悪いお婆さんだねぇ。」
驚いた。
ただただ驚いた。
私はここに来てからまだ何も言ってないのです。
しかし老女の言っている事は寸分の狂いなく当たっているのです。
「あんたなんでこんな悪さをするのさ。この子に何の関係があるんだい?」
優しい口調で話していますが、私に話しているのではなさそうです。
私は黙って老女の言葉に耳を傾けました。
「そうかいそうかい。それは大変だったねぇ。
 だけどこの子には関係ないだろ。早いとこ成仏しなさい。」
そう言った後、老女は私の肩に両の手を置き、
なにやらお経のようなものを唱え始めました。
何度も何度も私の肩を強く叩き、老女は拝み続けます。


297 名前:280  ~第三章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:13
一時間ほど彼女と霊の攻防があったのでしょう。
深く溜息をついた老女はにっこり笑って私にこう言いました。
「もう大丈夫だよ。あなたに憑いてた霊はいなくなったからね。」
彼女にそう言われるまでもなく私の体がそれを理解していました。
憑き物が落ちるとはまさにこの事。
体が軽く感じ、食欲までもが出てきたのです。
老女はこう続けました。
「あなたについていた霊は40年以上前にあなたの家の周りに住んでいた地主さんだよ。
 あなたの家の周りは昔、一つの土地で、彼女はそこの女地主。
 ある時、資産目当てで彼女は親族に殺される羽目になったんだ。
 死因は焼死さ。彼女の自宅に火をつけたんだろうねぇ。彼女は相当怒っていたよ。
 『井上だけは許せない』と言っていたねぇ。井上ってのは親族の方のようだね。」
言葉が出なかった。
唖然とした。
私は老女に聞きました。
「なぜ僕に憑依したのでしょうか?」と。
彼女の答えは単純明快でした。
「それはあなたが霊に優しい人だからさ。
 霊ってのは霊媒師のように霊の気持がわかる人間に憑こうとするのさ。
 だから何の関係もないあなたに憑依して、
 恨みを晴らそうとしてたんじゃないのかねぇ。」

その後、老女に霊の祓い方を教わり、私は帰路につきました。


298 名前:280  ~第三章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:13
次の日、私は母と近所の事について町内を聞いて回りました。
そこで驚くべき事実に直面したのです。
そう。
老女の言葉には寸分の間違いもなかったのです。
私の住んでいる場所は元々は一つの土地で、そこの所有者は『井上』姓。
それ以前の所有者の事まではわかりませんでしたが、
『井上』が謀略により老女から土地を奪ったのでしょう。

それ以来、老婆の怨霊は私の前に姿を見せません。
が、(序章)にてお話した通り。
見てしまうんですよ。
この話しを聞いた人が・・・・・。
霊媒師の方が最後に言った言葉を付け加えておきます。
「成仏させる事はできなかった。」と。


299 名前:280  ~終章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:14
序章でも老婆の霊の話を聞いた人達が霊を見てしまったエピソードをお話しました。
この(終章)もその事件から一年以上たった後に起こったエピソードです。

老婆の霊から開放されて随分と月日も経ちまして、私も高校三年になっておりました。
老婆の霊の事などすっかり忘れきっていたのです。
しかし老婆はまだ成仏していなかったのです。
事の発端はこうです。

私は友人と他愛も無い長電話をしておりました。
時刻は正確には記憶しておりませんが、九時過ぎ頃だったと思います。
友人の口からこんな質問がされました。
「噂で聞いたんだけど、修学旅行の時すごかったらしいね。
 俺にもその話聞かせてよ。」
そう。彼は三年になってからの友人で例の話は噂づたいでしか知らなかったのです。
久しぶりに思い出した老婆の顔に薄ら寒いものを感じましたが、
時間というのは恐ろしいものです。
私にその話をさせる余裕を与えてしまったのです。


300 名前:280  ~終章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:14
し始める私。
息を呑む友人。
話し始めて一分もしないうちに・・・・・。
「おい!ちょっといいか?」
友人が私の話を止めました。
「どうした?」
いやな予感を感じつつも私は彼に問いました。
「いや、気のせいかなぁ・・・・・。」
「だからどうしたんだよ!」
私は語気を荒げて問いました。
「うん・・・・・。なんかおまえの声の後ろに変な音が被るんだよ。
 TVかなんかつけてるか?」
私はTVなどつけてはいない。
「なんか変な・・・・・。」
そこまで言うと、彼は電話を切ってしまったのです。
どうしたと言うのでしょう。
私は再度、彼に電話をかけました。
『ガチャ』
「おい!どうしたんだよ!?」
私の問いかけに返事がありません。


301 名前:280  ~終章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:15
「おい!冗談はよせよ!」
電話の向こうから微かな呻き声のようなものが聞こえてきました。
『ウウウゥゥゥゥ・・・・・。』
私はわけがわからず問い掛けるばかりでした。
「おい!おい!しっかりしろよ!」
「・・・・・・ん・・・・ゴメンゴメン・・・・なんか眩暈がして・・・・・。」
友人の声だった。
彼曰く、突然眩暈がして倒れこんでいたのだそうです。
私は病院に行く事をすすめましたが「大袈裟な」と、取り合ってもくれません。
そして彼は話の続きをしてくれと持ちかけてきたのです。
私は断ったのですが、どうしてもと頼み込む友人に根負けして続きを話し始めました。
数秒後・・・・・。
彼はまたしても私の話を中断しました。
また聞こえてきたと言うのです。
先ほどの音が。
「あれ?なんかおかしいぞ。おまえ誰と話してるんだ?」
妙な事を言う。
「何言ってんだよ!おまえと話してるに決まってるじゃねぇか?」
「いや、俺とおまえの他に話し声が聞こえるんだよ。」
「どんな?」
「なんかお婆さんの声みたいな・・・・・。」
総毛立ちました。
私は彼に電話を切る事をすすめ、受話器を置きました。


302 名前:280  ~終章~ 投稿日:2001/08/08(水) 13:15
次の日、学校に行くと彼は欠席。
心配になった私は彼の自宅を尋ねました。
彼の母親に案内され彼の部屋へ。
彼はベッドに横になりうなされていました。
彼の母親曰く、昨日の夜から突然発熱して寝こんだままだと言うのです。
彼は私が来てる事もわからないようでした。
うわ言で『熱い・・・・・熱い・・・・・。』と繰り返すばかり。

私は以前、霊媒師の元で学んだ霊媒を試みることにしました。
酒と塩を用意し、彼の前で祈祷しました。
彼の体を叩き、彼の体から憑き物を出そうと必死でした。
数十分後。
彼の手がすさまじい力で私の腕を鷲掴みにしました。
そしてカッと目を見開きこう言ったのです・・・・・。
『無駄だよ・・・・・。井上が滅びるのをこの目で見るまではな!』
そう言って彼は再びベッドに倒れこんだのでした。
意識の戻った彼には寝込んでいた時の記憶はありませんでした。

いつまで私を苦しめるのでしょう・・・・・。
それ以来、老婆の霊は現れていませんが、
いつ何時再び私の前に姿を現すのではと、気が気ではありません。

そう。
恐れているのは、この話の全容を知ってしまった貴方の身の上です。
(序章)でも書き添えておきましたが再度繰り返します。
なにかあったら館主まで御連絡下さい。
可能な限りお力になる所存です。




オカルトランキング




1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:30:35.306 ID:hqhCppzl0
何年か前に俺が体験した怖かった出来事について語ってく。

俺は霊感ゼロだし幽霊とかも信じてなかったけど、この一件で信じるようになった。

ありえんような話だから、まあ創作だと思って気軽に見て行ってくれ。

            
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:30:50.311 ID:faOMNuAXa
怖すぎ

3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:32:06.773 ID:2zDltX8+d
怖くて見れない

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:32:17.742 ID:13nV+Dr/0
漏らした

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:33:05.044 ID:hqhCppzl0
お前らって奴は・・・

7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:33:54.489 ID:hqhCppzl0
もう流れ無視して語ってくぞ!

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:38:39.732 ID:hqhCppzl0
注意事項な
・見たら呪われる系の話じゃないんでご安心を
・内容的に人によっては反日、在日だと誤解される内容があるかもだけど俺は純粋な日本人
・書き溜めてないからゆっくりです

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:39:19.403 ID:fvHpUX4J0
かまわん続けろ

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:43:16.987 ID:hqhCppzl0
とりあえず当事者のスペックな

俺 田舎の高校二年生
  霊感ゼロ
  身長低いフツメン
  趣味はゲーム
  
兄 大学2年生
  本人曰く若干霊感あり(よく金縛りに合うらしい)
  身長低いフツメン
  趣味はPCいじり

母 専業主婦
  霊感ゼロ
  しっかりしている

父 公務員
  霊感ゼロだが、本人曰く若いころは霊感あったらしい
  結構抜けているところがある

近所のおじいさん 詳しくは後程

それじゃ語ってくわ

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:46:10.121 ID:2BxS+Lqgp
波打ち際で倒れてる人影を見たけど怖いからシカトした

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:46:46.185 ID:hqhCppzl0
事の発端はさっき紹介した近所のおじいさんが亡くなったところから始まる。

その近所のおじいさんってのは家の近所に住んでいた普通のおじいさん。そのまんまだな。

人当たりがすごく良くて、俺たち兄弟がガキの頃はよく一緒に遊んでくれていた。

たまに家に上げてもらってスイカとかごちそうになってた。

近所との付き合いも広い人で、うちはもちろんのこと、他の近所の人たちとも仲が良かった。

ただ身寄りがなく、俺が高校に入学するころには体調を崩してあまり外には出てこなくなっていた。

そのころはヘルパーのおばさんがおじいさんの家をよく出入りしているのを見かけた。

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:52:09.861 ID:oCt991nY0
続きはよ

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:52:13.294 ID:hqhCppzl0
続きな

そんなある休日のことだったんだが、そのヘルパーさんがうちに訪ねてきた。

何だろうと思うと、おじいさんが亡くなったから葬式に参加してほしいとの知らせだった。

死因はよく覚えてないんだけど、なんかの病気だったと思う。

ヘルパーさんの話だと、おじいさんは亡くなる前に遺書をしっかり書いていたそうで、
死んだ後の遺産のことや、家屋の処理についてヘルパーさんに頼んでいたとのことだった。

その遺書の中に、家の家具や食器などは近所のほしい人にあげてもいいと書いていたそうで、
欲しいものがあれば家屋を解体する前に持っていってくれとのことだった。

26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 21:56:59.054 ID:hqhCppzl0
うちの両親は別に行かなくてもいいと言っていたので、俺と兄で家を見に行くことになった。

俺はおじいさんとの思い出の品でもあればいいなと思っていたが、兄は売れそうなものを見つけて
お金にしようとしていたらしい。

実際におじいさんの家に行ってみると先客が結構いて、めぼしいものはほとんど残ってなかった。

俺は庭に置いてあったおじいさんが大切に育てたであろう盆栽を1つ頂いて帰ったんだが、兄はもう少し探索してから帰ると言っていた。

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:00:38.778 ID:hqhCppzl0
俺が家に帰って盆栽の管理方法について調べていると兄が意気揚々と帰ってきた。
なんでもおじいさんの家で面白いものを見つけたと言っていた。

兄は布に包んだ棒状の物を俺に渡してきた。

布を取ってみると中にはなんと立派な刀が入っていた。


かっこええ!と思うと同時に、これ銃刀法違反とかで違法なんじゃね?と心配になった思い出。

鞘から刀を抜いてみると刀身は結構さびてて、銀色の部分のほうが少なかったと思う。

兄「めっちゃカッコいいだろ?オークションで高く売れそうじゃん?」

俺「売れるかもしれないけど、法律上いろいろまずいんじゃない?」

兄「すぐ売れば大丈夫でしょ!」

うろ覚えだけどこんな感じの会話をしたと思う。

この日の夜からうちで不可解な現象が起きるようになる。

28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:01:42.464 ID:Uzn/gkcnM
ほー続けたまえ

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:02:37.193 ID:hqhCppzl0
その日の夜のことだった。

家族みんなで晩飯を食べていると誰もいないはずの玄関のライトがぱっとついた。

家の玄関のライトはセンサー式で人が通ったりしたら明かりが点くんだが、家族は全員居間にいるから玄関に誰もいないのは明確だった。

その時は家族みんなで「不思議だねえ」「虫にでも反応したんだろ」みたいな話をしたと思う。

そのあとは普通にテレビ見て、風呂に入って寝た。

30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:03:38.308 ID:oCt991nY0
ふむふむ

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:05:38.265 ID:rAcMrp2c0
保守

32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:07:37.839 ID:hqhCppzl0
俺はその日寝てから人生の中で1番最悪な夢を見た。今でもはっきり思い出せるくらい。


俺は知らない部屋の中でぶっ倒れてた。

脇腹が痛くて痛くて動くことができなかった。頑張って脇腹を見てみると服が血で真っ赤になってた。

頭の上のほうから謎の言語で叫んでいる声が聞こえたんだが、知らない言語なのに「たすけて!」
「いやだ!」と言っているのが分かった。

声のする方を見ると、俺の妹が軍人らしき人たちに暴行されていた。ちなみに現実の俺に妹なんていない。でもそこにいるのは間違いなく俺の妹だった。もう訳わからんな。

妹は俺に必死に助けを求めて抵抗していたが、軍人数名に押さえつけられ、殴られ、本当に無力な抵抗だったと思う。

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:11:35.102 ID:oCt991nY0
見てるよ~

35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:12:08.552 ID:hqhCppzl0
俺はもうね、マジで怒りに震えてた。その軍人どもが憎くて憎くて仕方なかった。

さっきまで幸せな家庭だったのに、こんなの酷すぎるって。

たとえこの命が尽きても、絶対にこいつらをぶっころす。

まだ年端もいかない妹をこんな目に合わせている奴らを許しはしない。

俺はもう怒りと憎しみだけで立ち上がってた。

脇腹は死ぬほど痛かったけど、口の中は血だらけで声も出なかったけど、そんなことはどうでもよかった。

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:15:42.401 ID:hqhCppzl0
そうして妹に群がる軍人どもに飛びかかろうとしたとき、背中に激痛が走ってまた倒れた。

もう訳が分からなかったがとにかく憎かった。

背中の方からははっきりと日本語で
「下衆ながらあっぱれなものだな。誇って氏ぬがいい。」と聞こえた。

でもその時の俺にはこれがなんて言っているのか分からなかった。

視界が暗くなっていく中、ただただ憎くて憎くて悔しくて情けなくて。


俺は汗だくで飛び起きた。

もう訳が分からな過ぎて、憎い感情も収まってなくて、今のが夢だと気付くのに3分くらいかかった。

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:21:15.244 ID:Uzn/gkcnM
ふむふむ

39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:22:29.151 ID:hqhCppzl0
高校生のくせに怖くなってしまった俺は一人で暗い部屋にいることができずに、とりあえずお茶でも飲もうと思って居間に行った。

居間に行くと深夜にもかかわらず母親が起きていた。母親はなぜか洗面器にゲロ吐いてた。

俺「どうしたん?体調でも悪い?」

母「いやね、そういうわけじゃないけど嫌な夢を見てね・・・」ゲロゲロ

話しながらゲロを吐き続ける母親。なぜか俺ももらいゲロをしてしまった。

俺は床にしてしまったゲロを処理しながら俺も嫌な夢を見たことを話した。

お互い見た夢の内容が内容だっただけに詳しい内容までは話さなかった。

41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:27:05.882 ID:hqhCppzl0
母親に後日聞いた話だと、夢の中では母親は妊婦で、何かから逃げるように川の中を歩いていたらしい。

ようやく岸にたどり着いて、助かったと思った途端に何者かに刀でざっくりと切られたそうだ。

その後その何者かは母親の腹を裂いて赤子を取り出し、母親の前で斬殺したとのことだ。

その赤子ってのが結構大きかったみたいで産声をあげていて、その産声が頭から離れないって言った。


まあ、この母親の話は全部事が終わってから聞いた話で、このときは嫌な夢とだけ言ってたと思う。

そんなこんなでゲロの処理が終わるころ、兄の部屋から奇声が聞こえてきた。

何事かと思って兄の部屋に直行したら、そこにはとんでもない光景が広がっていた。

42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:31:46.342 ID:iFCHb8TOa
おもすろい

43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:33:10.896 ID:hqhCppzl0
兄の部屋を見ると、全裸で鬼気迫る表情の兄が奇声を発しながら自分のケツをパシパシ叩いてた。

俺はこれはヤバいと思って全力で兄を押さえつけた。

兄は思いのほか全然抵抗とかしないであっさりと取り押さえられた。

俺は兄が何かに取り憑かれたか、気が狂ってしまったのかと思っていたんだが、信じられないことに兄は正気だった。

何でも兄も怖い夢を見たらしく、全裸でケツを叩いていたのは除霊のおまじないだと言っていた。

後で調べて分かったんだけど「ビックリするほどユートピア」っていう割と有名なおまじないだった。

こんな話だけどギャグとかじゃなくてマジな話だからな

びっくりするほどユートピア!

「びっくりするほどユートピア!」 とは、気分がふさぎ込んでいる時、落ち込んでいる時に、自分のお尻を両手でバンバン叩きながら白目をむき、ベッドを昇降しながら大声で唱えると気分が晴れやかになり、部屋にたまっている女の悪霊も退散して幸せになれるという、ありがたいおまじない (と、その一連のやり方) のことです。
http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok_3bikkuri_utopia.htm

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:35:27.472 ID:oCt991nY0
Σ(゚Д゚;マジデ!?

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:36:36.765 ID:Uzn/gkcnM
ユートピア懐かしいわwww


48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:39:41.106 ID:hqhCppzl0
次の日、兄と昨日見た夢の内容について語った。

兄は何でも処刑される夢を見たとか。
処刑された理由は「目つきが鋭いから」

むちゃくちゃ訳わからんけど兄は夢の中で目つきが鋭いゆえに処刑されたらしい。

お互いの夢を語っていくうちに共通点がいくつかあった。

お互いに殺される夢であること。
夢の中で自分たちの言語が未知の言語であること。
死ぬ直前に日本語を聞いているが、夢の中では日本語を理解できていないこと。

こういった共通点が見つかった。

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:43:17.457 ID:xP3utHMN0
続きはよ

51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:47:20.218 ID:hqhCppzl0
兄はこれは心霊的なものじゃないかって言ってた。

俺は幽霊とか信じてなかったけど、実際怖かったしそーゆーのもあり得るんじゃないかって思い始めてた。

ではこのような怪奇現状?が起きている原因と言えば思い当たる節は1つしかない。

おじいさんの家から持ってきた刀だ。

あの刀絶対呪われてんだろって結論が出た。

54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:53:22.524 ID:hqhCppzl0
問題は刀をどうするか。

俺はおじいさんの家に返して来ればいいと思ったんだけど、兄はどうしても売りたいと言っていて、その日のうちにオークションに出すことになった。

でも刀は落札されることなくまた夜を迎えた。

この日は玄関のセンサーが大暴れだった。

昨日は1回だったのが今日は数分おきにライトが光る光る。

父親以外はもうガクブルでした。

父親はセンサーがぶっ壊れたんだなって言ってライトの電源を落としてた。

そのあとは家じゅうラップ音がバッシバシ。

兄は刀を家に置いたまま友達の家に泊まりに行った。まじ兄ふぁっく。

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:55:29.973 ID:Uzn/gkcnM
ほほう

57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:57:11.933 ID:FyiGTtRg0
兄おもしれぇw

56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 22:56:45.297 ID:xP3utHMN0
そういえば登録書がないと模造刀でもないかぎりオークションだせなくね?

58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:00:58.953 ID:hqhCppzl0
>>56
なんかそれっぽいのはあったよ。
ただ後で調べたら警察に持っていくのが正解だった。

59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:01:35.284 ID:hqhCppzl0
その日も仕方なしに寝ることになって絶対寝れないわって思ったけど普通に寝てしまった。

そして案の定また最悪な夢を見てしまう。

今度の夢は前回の夢とはまた違った夢だった。

61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:07:06.096 ID:hqhCppzl0
俺は河川敷にいて、手と足を手錠みたいなので固定されて正座してた。

それでなぜか体はビショビショ。

水ではなく、灯油?みたいなのでビチョビチョ。

で、俺の周りにも同じように手錠されてビチョビチョの人が何人かいた。

それで数人の軍人らしき人たちに銃を向けられた状態で無言でみんなで正座してた。

これはもう火を点けられる以外の選択肢はない状況だろうと思った。

だったらせめて軍人を一人でも道ずれにしてやろうと考えていた。

65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:12:39.443 ID:hqhCppzl0
そのうち案の定、数名の軍人が火のついた松明みたいなのを持ってきて俺達のほうに投げてきた。

もちろん俺たちは大炎上した。

最初はヒリヒリするだけで割と大丈夫だったんだけど、すぐに全身が痛くて死にそうになった。

やるなら今だと思って近くにいた軍人に向かってジャンプ。

でも、足にも手錠されてるから当然上手く移動できずに転倒。

それでも一矢報いようともがいてみるも、もう痛すぎて一矢報いろうって考えを忘れた。

痛すぎてのたうち回っているうちに段々目が見えなくなってきた。

眼球っていうか、顔の内側が焼けてるような感じがして死ぬかと思った。

もう死ぬ思いで薄れていく視界の中で軍人っぽいシルエットに向かって全力で転がった。

もう少しで届くかもしれないと思ったときに、何か冷たいものが俺の胸を貫いていた。

ああ、ここまでかって思ったところで目が覚めた。

66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:13:01.604 ID:xP3utHMN0
じらしやがって続きまだか

68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:18:15.712 ID:hqhCppzl0
もう夢だってすぐに分かったんだけど全身ヒリヒリするし、胸の所が冷たい感覚も残ってて気分は最悪だった。

また居間に行ってみたら母親も起きてて録画したドラマを見てた。

母親はそもそも寝る気がなく、オールするつもりだった。


母「また怖い夢見たんでしょ?」

俺「うん」

母「兄はそれが嫌で逃げ出したのかもね」

俺「それ以外ありえないでしょ」

この日は母親とドラマを見て夜を明かしました。

70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:19:13.342 ID:8cEgynMyp
父親つええな

71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:19:57.989 ID:oCt991nY0
今のところ夢の話だな

72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:20:24.992 ID:fR+NNTrUr
ネタバレ:黒幕は親父

74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:22:24.530 ID:fvHpUX4J0
>>72
ワロタw大どんでん返しだなw



75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:22:31.451 ID:hqhCppzl0
ドラマを見ながら俺はいろいろと考えた。

俺達の見た夢は、おそらく日本軍に殺された、それもあの刀で殺されたどっかの国の人たちの怨念が
俺達に死んだときの夢を見せてるんじゃないかって。

そう考えれば辻褄が合うような気がしてた。


ではなぜそんな刀がおじいさんの家にあったのか。

おじいさんは怖い夢を毎晩見ていたのか?

そんな疑問が出てきた。

次の日はおじいさんの葬式だったので、俺はそこでヘルパーさんに話を聞きてみようと思った。

77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:27:17.707 ID:hqhCppzl0
今日は眠くなったからここまでにするわ

明日また続き書いてく。

78: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:27:55.861 ID:xP3utHMN0
ここまで来てそれはないだろ

79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:28:00.198 ID:h+6qTgf4x
気になるんだが

81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:28:23.328 ID:Lfju9TWH0
ふざけんな!こっちは待っとるんだ!!

84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:29:07.386 ID:FyiGTtRg0
おいおいこっちは遅刻覚悟してんだよ!

85: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/20(火) 23:29:21.580 ID:h+6qTgf4x
早くしてズボン下ろしたままだと風邪ひいちゃう!

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 20:49:58.096 ID:NSGtSELC0
昨日立てたスレが格納庫行きになったんでその続き


これまでのあらすじ

近所のおじいさんが亡くなり、その遺物を持って行っていいと言われる。

兄が遺物の中から謎の刀を持ってくる。それ以来父親以外の家族がその刀で殺される夢を見るようになった。

おじいさんの葬式で刀の正体についておじいさんの元ヘルパーさんに訪ねてみようと考えた。

葬式当日←今

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 20:52:09.722 ID:t8JR1j3c0
乙!
前スレ途中で寝ちゃったから今夜は起きてるよー

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 20:53:28.253 ID:NSGtSELC0
そして葬式当日。

おじいさんの葬式に行く前に俺は父親に変な夢を見てないか聞いてみた。

父「夢?ああ、そういえば二日連続で似たような夢を見たな。」

俺「どんな夢?」

父「知らない国でな、立派な刀を持ってな、悪いやつらをズバッと切ってく夢だよ。
  妙にリアルな夢でな、夢の中では父さんはヒーローなんだよ。」

俺「マジか」

信じられないことに父親は斬る側の視点から夢を見ているようだった。

変な話だけど俺は父親に対して物凄い殺意を感じたよ。

夢の中では俺は斬られる側の視点にいるわけだからね。

と言うことはだよ、この刀には切られた人の怨念だけじゃなくて斬った人の魂も籠ってるの?
ってことになってしまう。

まあヘルパーさんに聞いてみれば分かるかって思って、このときは考えるのをやめた。

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 20:57:13.324 ID:t8JR1j3c0
見てるよ~

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 20:59:55.547 ID:NSGtSELC0
そして始まったおじいさんの葬式。

参列者は少なくて半分くらいは近所の人たちだったと思う。

ちなみに兄は来なかった。マジふぁっく。

葬式は何事もなく淡々と行われた。

葬式が終わってすぐにヘルパーさんを捕まえて刀について聞いてみたが、
ヘルパーさんはなんと刀の存在自体知らなかった。

マジかよって思ってたら近くで話を聞いていた知らないおじさんに
「そういうのは神社さもっていげ」って言われた。

俺はおじいさんに言われたとおりに神社に持っていくことにした。

一旦家に戻ってから刀を持って、俺は自転車で近所の神社へ向かった。

オークションの出品を取り下げようと思ったけどパスワードが分からずログインできなかったので
そのままオークションは放置した。

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:08:37.812 ID:NSGtSELC0
兄はまだ帰ってこない。


近所の神社に行くと30歳くらいの神主さんが快く迎えてくれた。

事情を話している間は神主さんはうんうんと話を聞いてくれた。

神主「これはもしかしたらそういう曰くつきの刀かもしれないけどさ、そのおじいさんの家から勝手に持ってきちゃったんだよね?
それならここじゃなくて、まずはケーサツに届け出を出したらいいんじゃないかな。」

俺「なるほど。」



神主様のありがたいお言葉をいただいた俺は警察に連絡をした。


ケーサツ「あー今日はもう担当の窓口終わってるので明日また連絡もらえますか?」

俺「はい。」

こうして俺はもう一日この刀と夜を明かすことになった。

俺は苦肉の策で刀を家の小屋に置いた。

同じ敷地でも建物が違えばひょっとすると・・・って思って。

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:17:17.947 ID:NSGtSELC0
昨日オールしただけあって俺と母親はめちゃくちゃ眠かった。

小屋に置いておけば大丈夫だろっていう思考停止作戦で俺たちは寝ることにした。


ちなみに寝る前に兄から電話があった。

兄「刀どうなった?」

俺「明日警察に持っていくことになった。」

兄「ふーん。それじゃ俺はもう一晩友達んちに泊まってくわ!」ブチッ


まじ兄ふぁっく。

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:25:33.830 ID:NSGtSELC0
俺はこの日は悪夢を見ることはなかった。

正確に言えば悪夢を見る前に母親にたたき起こされた。

突然起こされて何事かと思ったら居間の方から変な声が聞こえてくる。

「私の刀はどこだ!?」と。

母「ヤバいよ!ヤバいよ!父がおかしくなっちゃったよ!」

俺「うん?」

母「突然起きてきたと思ったら、刀はどこだーって言って暴れてんの!ヤバいよ!」

完全にパニックの母親に寝ぼけ頭の俺。

状況はさっぱり分からなかった。

とりあえず居間に行ってみるとめちゃくちゃに荒らされててビックリしたよ。

それで息の荒い父親に「俺の刀をどこにやった?」って胸倉を掴まれた。

俺はもうビビりまくりで「そ、外の小屋に置いてあります!」って。

父親は俺を突き飛ばすとズカズカと玄関から出て行った。

母親が慌てて玄関のカギを閉めてた。

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:27:09.195 ID:t8JR1j3c0
おやおや…

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:35:33.858 ID:NSGtSELC0
俺は訳が分からないってのもあったけど、胸倉を掴まれて突き飛ばされたことに非常に腹が立った。

母親が「どうしよう、通報した方がいいのかな!?」とか言ってたけどどうでもよくなってしまった。

外からは暗い中小屋を物色する音が聞こえる。

そもそもおかしな話なんだよな、誰も被害を受けてない父親には刀のことなんて何も話してない。

父親は刀の存在自体知らないはずなのに、俺の刀とか言っちゃってるし。

ここまで考えてやっと父親がなんかに取り憑かれてるんじゃないかって発想に思い当たった。

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:37:54.611 ID:vF1z+1Aad
そんなのブン殴っちゃえばいいんだよ

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:38:39.716 ID:NSGtSELC0
では父親がどうやったら正気に戻るか。

除霊の方法なんて俺は兄のやっていたビックリするほどユートピアしか知らないし、
やってみようって気はビックリするほどなかった。

外では刀を見つけたであろう父が「あけろ!」と暴言を吐きながらドアをガンガン叩いてた。

悩んだ挙句、俺は物理的に父親を気絶させることにした。

冷静な判断ができれば通報するなりしたと思うんだけど、このときは非常に腹が立っていて父親をぶん殴ってやりたかった。

俺は松島へ旅行に行ったときに買った木刀を装備して勢いよく玄関のドアを開けた。

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:43:43.403 ID:NSGtSELC0
ドアを開けると、勢いよく開いたドアにぶつかった父親が尻餅をついていた。

父親は手にしっかりと刀を持っていた。鞘から抜いた状態で。

錆びているとはいえマジもんの刀。突然怖くなってしまい「うひっ!」とか変な声が出た。

父「何をするか!!」

俺「ひいい!!」

父親は刀を振り上げて思いっきり切りかかってきた。死ぬかと思った。

俺は目をつぶってビビりながら木刀で必死のガード。

ゴキッって変な音がした。

恐る恐る目を開けると刀が見事にポッキリ折れていた。

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:50:15.532 ID:NSGtSELC0
俺は刀で切られそうになったっていう恐怖のあまりその場でゲロをした。

父親はポカーンとしてた。

「俺は?へ?夢?」みたいな感じで父親も寝ぼけたようにパニック状態になっていた。

母親が出てきて俺達を落ち着かせてくれた。

父親はなんだか寝ぼけたようにフラフラと布団に戻っていった。一応正気ではあったようだった。

俺は恐怖のあまり寝ることをあきらめた。

母親も結局寝なかった。

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:52:46.896 ID:NSGtSELC0
俺は次の日朝一番で警察に連絡をした。

刀を見つけた経緯を話すと、とりあえず鑑定をするから日程が決まるまで持っていてくれって言われた。

冗談じゃない。もうこの刀と夜を共にしたくなさ過ぎて電話しながら号泣。

俺「この刀マジ呪われてんですよぉ・・・」

みたいな感じで。

今思うと恥ずかしすぎる。警察の人もドン引きだったんじゃないかな。

話していくうちに、とりあえず事情を詳しく聞きたいということだったので俺は刀を持って警察署へ行くことになった。

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:53:54.604 ID:t8JR1j3c0
見てるよ~

26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 21:55:16.042 ID:mcx+f+m00
木になります

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:02:55.554 ID:NSGtSELC0
警察署に行くとすぐに担当の人が来て話を聞いてくれた。

折れているのを見ると、「これはもう処分だろうなあ」って言ってました。

急を要する用がない場合は処分の手続きが済むまで家で預かってもらわなければならないとも言われた。

マジで本当にそれだけは勘弁してほしかったので、泣く泣くこれまでの経緯を説明。

悪夢の内容から父親の変貌まで。

警察の人は「それが本当なら殺人未遂だなぁ(笑)」みたいな反応。

子供だからって全然取り合ってくれなかった。

早く預かれるように善処してくれること、急を要する理由としては前例がないことから上の人に聞いてみること

この二つを約束して結局は刀を持ち帰ることになってしまった。

28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:10:11.611 ID:t8JR1j3c0
銃刀法違反にならないのか?

30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:12:55.440 ID:NSGtSELC0
>>28
善意をもって警察に届け出たものとして違反にはならないーみたいなことを言われたと思います。

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:13:54.508 ID:t8JR1j3c0
>>30
そうなんだー

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:11:17.587 ID:NSGtSELC0
俺は絶望のうちに家に帰った。

家に帰ってからは刀を置いて図書館に行った。

勉強をする為でなく、本を読むためでもない。寝るためだ。

机に突っ伏しての昼寝だったけど、何時間も熟睡することができた。

夕方になるころに図書館の人に起こされた。ついでにここは寝るところじゃないって怒られた。


ケータイを見ていると謎の不在着信が入っていた。

恐る恐る折り返してみると警察だった。

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:25:52.546 ID:NSGtSELC0
警察「俺君のケータイで間違いありませんか?警察の物ですが」

俺「はい」

警察「先ほどの刀の件ですが、こちらですぐに預かることになりましたが問題ありませんか?」

俺「え!?は、はい」

警察「では今から回収に伺いますので家で待っていてください。」

俺「へ!?は、はい」

こんな感じの会話をした。

あまりの対応の早さに正直驚いてた。

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:31:27.525 ID:NSGtSELC0
慌てて家に帰ると家の前にパトカーがすでに止まっていた。

いつの間にか帰ってきていた兄が玄関でオロオロしてた。

ついでに言うと数名の野次馬もいて気分はあまりよろしくなかった。

警察「俺さんで間違いありませんね?」

俺「はい」

警察「この刀はこちらですぐにでも処分させていただきますが構いませんね?」

俺「は、はい」

警察「では処分が済みましたらまた連絡しますね。」

物凄い手短に話をして警察は刀を持ってとっとと帰って行った。

あまりの対応の早さに唖然とするばかりだった。

35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:35:17.445 ID:NSGtSELC0
そのあと兄にこれまでの経緯を説明。

話している途中でイライラしてきたので兄の顔面にストレートを入れる。

そこから兄弟初の取っ組み合いのけんかになった。

兄が思い出したようにオークションを見ると結局落札されていなかった。

開始価格から結構な高値だったのが原因だと思う。

36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:36:07.021 ID:t8JR1j3c0
兄貴何もしてねーよなwww

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:39:05.653 ID:NSGtSELC0
>>36
刀を持ってきた張本人+刀が回収されるまで友達の家に逃げてた

40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:45:20.496 ID:NSGtSELC0
その日の夜、家族が集まってから家族会議をした。

これまでの経緯を整理した。

みんなの見た夢の発表が主な感じだった。

父親は暴れた件について父親は
なんとなく覚えているけど、刀が折れるまで夢を見ているような感じだったそうだ。

そんな話をしている中



玄関のライトが付いた。

もちろん玄関には誰もいない。

41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:46:11.412 ID:t8JR1j3c0
うおー

42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:50:02.905 ID:8BzgZeEGr
昨日から楽しみに見てるぞ

43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:56:58.052 ID:NSGtSELC0
もう家族全員ガクブル。

刀はもうないのになぜ?

思い当たる節はあった。だって玄関で呪いの刀折っちゃったじゃん。

俺の考えでは刀に籠っていた怨念とかが折った拍子に刀から解放されちゃったんだと思った。

父親が塩持ってこいって言って、家族全員で家じゅうに塩をばらまいた。食塩だけどね。



そこからはうちは幽霊屋敷と化した。

ラップ音が鳴りやむことなく、鏡には変な影が映りこみ、誰もいないのに足音がしたり

焦げ臭いにおいがしたり、カーテンが揺れたり、兄がユートピアしたり・・・

44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 22:59:07.951 ID:QAX1Hpsq0
>>43
兄がユートピアkwsk

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:06:01.988 ID:NSGtSELC0
>>44
兄が入浴中に風呂のドアのすりガラスの向こう側に人影を発見。

大声を出して助けを求めるも誰にも声は届かなかったらしい。

意を決して扉を開けるが、案の定誰もいない。

その場で全力でユートピア。

ユートピアの奇声は家じゅうに響き渡ってた。

48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:07:59.755 ID:t8JR1j3c0
>>47
相変わらずユートピアwww

45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:01:58.373 ID:52fzEwszK
悪化しとるやんw

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:02:03.344 ID:NSGtSELC0
怪奇現象らしい怪奇現象はほぼ網羅してたと思う。

俺達はたまらず家を飛び出した。

その日は車で15分くらいのビジネスホテルに泊まった。

ホテルでは何事もなく朝を迎えることができたんだけど、
車に戻ると車の窓の内側に赤い手形がついてた。

赤い手形とかテンプレすぎるでしょwwとか兄と話してたけど、内心死ぬほど怖かった。

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:13:14.511 ID:P8IO9lvda
ふぇぇ…

50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:13:48.369 ID:NSGtSELC0
ホテルを出た俺たちはすぐさま近所の神社へ直行した。

朝早い時間だったのにもかかわらず、神主さんが快く迎えてくれた。

事情を話すと

神主「いやー、そこまでいくと私の手に負えるかどうか・・・・」

俺「お願いです!助けてください!」

母「思い出の詰まった家なんです!」

父「まだローンが半分も残ってるんです!」

神主「とりあえず車の手形を見に行きましょうか」

俺達は駐車場に止めてある車へ向かった。

52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:21:50.630 ID:NSGtSELC0
車が見えた時点で神主が立ち止まった。

神主「いや、すごく嫌な感じがしますね。
一旦戻って応援を呼びましょう。」

俺達は神社に引き返してお茶とおかしを頂いた。

その間神主はあちこちに電話をしていた。

すると続々と他の神社の神主らしき人たちがやってきた。

中には「あの車は何だ!」と怒鳴りながら入ってくる人もいた。

総勢9名の神主とそのお手伝いの人たち。

中々の壮観だった。

53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:23:09.990 ID:t8JR1j3c0
ほほう

54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:30:38.280 ID:NSGtSELC0
その中の一人が俺と父親に悪いものが憑いてしまっていると言ってきた。

そりゃあんだけいろいろ起きていれば憑いていないほうがおかしい。

俺と父親は本堂?に通されて神主二人掛でお祓いを受けた。

20分くらい何事もなく過ぎたけど、心なしか気分が晴れた気はした。


俺たち二人がお祓いを受けている間に車のお祓いも他の神主たちの手によって行われていた。

神主3人が木の棒に紙が付いたやつとか、葉っぱとかを一生懸命振っていた。

こちらも20分くらいで終わったが終わるころには神主たちはめっちゃ息切れして疲れてた。

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:37:01.221 ID:NSGtSELC0
車のお祓いが終わった時点で一旦作戦会議が行われた。

まず俺には中年男の霊が、父親にはおじいさんの霊がついていたらしい。

いずれも外国人だろうとのことだった。

車には2人の子供の霊がいたらしい。こっちは日本人だそうだ。

なんで日本人が?って思ったけど、強い霊が集まっていると他の関係ない霊も惹かれてしまうとかなんとか。

そしてこの後にはいよいよ家に向かうことになった。

56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:40:30.417 ID:t8JR1j3c0
いよいよか

57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:46:10.234 ID:NSGtSELC0
家に着くと神主の一人が吐いた。

他の神主も気分が悪そうだった。

神主A「これは想像以上ですね。これをほおっておくわけには行きませんが・・・」

神主B「いったん戻ってしっかりと準備をしてからまた後日出直しましょう。」

神主C「ご家族の皆さんもそれで構いませんか?」

父親「わかりました。」

家の状態は想像以上に悪いらしく、明日また出直すことになった。

ちなみに次の日は学校の予定だったが、父親に休んでいいと言われた。

俺達は除霊済みの車でまたビジネスホテルに泊まった。

58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:52:31.962 ID:WTEdFl1q0
神主ってみんな霊感があるんですか

61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:53:51.093 ID:NIkL/UQa0
>>58
ある人もいるし、無い人もおるだろ
ある人は、そういう繋がりがあるんだろ
坊さんは、そういう繋がりが多いのは知ってるけど

62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:55:01.947 ID:NSGtSELC0
>>58
俺と父親に霊が憑いてるって言い当てたのは一人だけですし、みんなってわけじゃないんだと思います。

60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:53:32.619 ID:NSGtSELC0
次の日の朝、いよいよ家の除霊がはじまった。

家の周りを白い紙で囲って、即席の神棚みたいなのを玄関の前に用意して、
それはもう大きな儀式だった。

車の除霊の時に使った木の棒や葉っぱを神主さんたちが必死に振り回す。

家の外壁のあちらこちらにお札をペタペタと張っていく。


ここでいったん休憩を挟む。

何でもこれでやっと準備ができたとのことだった。

67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/21(水) 23:59:26.399 ID:t8JR1j3c0
とりあえず最後までよろぴく

73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/22(木) 00:08:37.693 ID:3XX8Ad7o0
その後神主が二人家の中に入っていった。

中で何をしてたのかは分からないけど1時間くらいして出てきた。

説明だと無事済んだとのことだった。

後は家の中のお札さえはがさなければ大丈夫と。

ちなみに経費はもちろん高くつき、父親は頭を抱えてた。


俺達は神主たちに散々お礼をして家に入った。

家の中では基本的に一部屋に1枚、廊下とかトイレには数枚って感じでお札が貼ってあった。

結局あの刀が何だったのか、おじいさんがなんで持っていたのか、謎は残るばかりだった。


後でその話をしたときに兄が

「もし本当に外国人を大量に斬った刀だったとしたらさ、DNAとか出ちゃうと
 外交的にもいろいろまずいんじゃね?
 そう考えると警察の素早い対応にも頷けるよな」

って言ってて怖くなった。

74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/22(木) 00:11:40.388 ID:3XX8Ad7o0
その後定期的に神主さんがお札を張り替えに来るけど、目立った怪奇現象は無くなりました。


なんだか微妙なオチだけどこれでおしまいです。

76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/22(木) 00:13:01.801 ID:W4R3uh93a
じいさんが張本人かな

77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/22(木) 00:13:33.522 ID:dhl8pYun0
じいさん無双だったのか

80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/09/22(木) 04:33:03.929 ID:3tVU326l0
乙!
最後まで読めてよかった!





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948 :本当にあった怖い名無し:2009/11/25(水) 21:50:23 ID:BGQd7vYqO
知人の話。

 

あまりにも色々と酷いので、漫画で紹介された霊能者にコンタクトをとった。
『依頼殺到』って漫画には書いてあったのに、速攻返事が来た。
「命の危険がある方は優先です」って。

 

そういう類に頼る事に抵抗ある知人が、その時ばかりは自分の勝手な行動をすんなりと受け入れた。

 

で、待ち合わせ当日。とあるホテルを予約しておいた。
私が先に霊能者さんと会って、仕事を終えた知人が後から合流する予定。
が、知人が来ない。
連絡してみると、この日に限ってトラブル発生&交代要因が来ない(連絡取れず)。
霊能者さんに謝る自分。
「しょうがないよ。行かせないつもりだから」
霊能者さんには、その状況の理由が分かっている様子。

 

 

948 :本当にあった怖い名無し:2009/11/25(水) 21:50:23 ID:BGQd7vYqO
待ち合わせから3時間。
取り敢えず予約したホテルへ移動。
「本当にすみません。忙しいでしょうし、日程変更にして頂いても…」
「そんな事したらその人、今度こそ死ぬよ」

 

 

949 :948:2009/11/25(水) 21:54:39 ID:BGQd7vYqO
どういう事か分からず驚く自分に、霊能者さんは飄々と説明。
「行かせないようにしてるんだよ。絶対に離れないって。かなり恨みが強いからね」
「え?じゃあ来れないんですか?」
「いや、来ないと危ない」
「??」

 

「他にもいるんだよ。
 今日、俺と会うのを知って、やっ成仏出来るって待ってるのも沢山いる。それが出来なくなったら?
何百年も苦しんでやっと成仏出来るって期待していた分、絶望も桁外れ。
 その憤り、逆恨みは行かなかったその人に一斉に向けられる。
 今度こそ死ぬよ。殺される」
マジだとその時思った。

 

だって知人は、昔から事故や病気で九死に一生を得る経験を何度もしてる。
今回はついに癌になった。
だから本当に何かあると思って、霊能者さんに頼んだ訳だし。
「だから、何がなんでも今日何とかしないといけないんだ。何時になろうと何時間だろうと待つから」

 

で、霊能者さんは遠隔で何かしたらしい。
「大丈夫。21時には来れるよ」

 

 

950 :948:2009/11/25(水) 21:56:22 ID:BGQd7vYqO
待ち合わせが確か15時。
チェックインしてホテルの部屋で、ついでに自分の亡き母の事とか視てもらってた。

 

そして21時10分程前。
「遅くなってすみませんでした」
知人がやって来た。

 

ここから家系に纏わる霊視が始まる訳で、その前に簡単に知人の状況を。
・知人、田舎から上京してる。
・当時、左臀部に肉腫発症。
・肉腫発覚と同時期、父親が心臓病でバイパス手術を余儀なくされる。
・弟、知能障害あり。同時期、緑内障と白内障を併発。
・母親、脳溢血?の過去があり、働きも無理出来ず。
・姉、嫁いでいるが旦那(知人の義理兄)が難病指定の病気を患い仕事出来ず。

 

知人の家は四国の奥の閉鎖的な田舎。
本家と言われるもので、知人に後継ぎが出来なければ家系は途絶える。
本来は爺ちゃんが最後だった。
子供が出来ず、知人の父親を養子にして何とか苗字を継いでいた。

 

951 :948:2009/11/25(水) 21:58:34 ID:BGQd7vYqO
さて、霊視。
霊能者さんには現状は伝えたものの、癌の種類や出身地等の予備知識は伝えていなかった。
「だい…だいでんきん?てどこ??」
いきなり肉腫の部位を当てられる。

 

因みに霊能者さんは2人。
1人は視える、聞ける、成仏までさせられる。
1人は視える、聞ける、話せる、分かる。所謂レーダータイプ。
で、主にレーダータイプが状況を把握していく。
何百もの霊体が知人には憑いているらしいが、それらをまとめて(?)率いるリーダーがいるっぽい。
そのリーダーが、誰よりも強い恨みや思いを持っていた。

 

「……差別?」
リーダーの話を聞くレーダータイプが呟いた途端、自分と知人は顔を合わせた。

 

952 :948:2009/11/25(水) 22:00:35 ID:BGQd7vYqO
「心当たりある?」
レーダーに聞かれて答える知人。

 

「あります。うちの田舎は未だに部落差別の生きている村です。
 自分は部落出身ではないのですが、その為に幼い頃から差別を目の当たりにし、それが正しいのとされていました。
 それが嫌で、納得出来ずに田舎を出て来ました」

 

「貴方のご先祖…、6代か7代か…前の方。この世のものとは思えない残虐な仕打ちをしてるわね」
「納得出来なかったの。この人ね(憑いてるリーダー)、悪い人じゃないのよ。
 ただ、人一倍正義感が強くて、仲間が理不尽に虐げられる事、虐殺される事が許せなかったの。
 悔しくて悔しくて、どうして同じ人間なのに生まれでこんなに違うのかって。泣いて訴えてるよ」

 

仕方がなかったんだよ。
時代だったんだよ。
霊能者さんは2人で、一生懸命にリーダーを説得してた。

 

余談だけど、その時すでに深夜を回ってた。
部屋の窓の外をうろつく影を、霊感のない私も見た。
助けを求めるように、気付いてって感じに窓に手を付けて覗いてた。
暗闇に乗せるようにかぶさる、もう一段黒い人影だった。

 


954 :948:2009/11/25(水) 22:03:50 ID:BGQd7vYqO
リーダーは暫くごねてたらしいけど、霊能者さんの説得により納得したらしい。
元々が正義感の強い真っ直ぐな人で、何百年もの長い年月を理不尽さに苦しめられて来た人。
だからなのか、張本人ではない知人に怒りを向ける理不尽さに、理解を示したのかもしれない。

 

霊能者さんは事前に買ったお握りを出して、知人に憑いてる人達に振る舞った。
「白米なんて食えなかったんだろ。成仏前にゆっくり食え」って。

 

未だに分からないのは、知人の肉腫は左の大臀筋に出来た。
爺さんは戦争で左足を失ってる。
知人が事故で複雑骨折をした足も左(これは手術をしても骨がくっつかず、未だに何か固定するもんが入ってる)。
左に何かあるのかとも思ったけど、それについては特に何も言ってなかった。

 

 

955 :948:2009/11/25(水) 22:05:53 ID:BGQd7vYqO
リーダーを含む全員を成仏させた後(窓にいた人も一緒に)、暫らくの歓談タイム。
どうして知人に憑いたのか聞いてみた。

 

「差別による虐めを率先していたのが彼のご先祖さま。
 その一族の中で彼が一番強かったから。精神的にも肉体的にも」
とにかく何がなんでも、知人の家系を根絶やしにしたかったのかもしれない。

 

と同時に、いつかこうやって成仏させてくれる事をしてくれるのは、知人しかいないと縋っていたのかもしれない。
分からないけど、何百年も何百年も、リーダー達は苦しんでたんだなって思う。
生きている時の理不尽な差別や無念を抱えたまま、長い年月を苦しんでいたんだと思う。

 

 

956 :本当にあった怖い名無し:2009/11/25(水) 22:49:57 ID:kbX5U75Z0
乙ですが、その後知人と親族の状況は好転したの?

 

 

958 :948:2009/11/25(水) 23:22:13 ID:BGQd7vYqO
知人一族のその後は、一気に好転とはいってませんが、当時程の状況ではありません。
一度なった病気が奇跡のように回復するはずもなく、姉の旦那は相変わらず難病だし、
弟の知能も12歳のまま(現在30代半ば)。

 

だけど父親の手術は上手くいったし、母親も倒れずに元気に知人に金の無心をしてる(笑)
知人の癌は軟部肉腫といって、5万人に1人という珍しいものだったけれど、
大臀筋を丸ごと取ったにも関わらず、他の筋肉が失った大臀筋の変わりを担い、
身体的な障害も残らず(小走り位なら出来る)、再発もしていません。
ドラマのように好転!とはならないけれど、悪化もしていません。
それが何よりの好転なのかも。

 

この話、どこに書いてもスルーされてたんです。
こうやって読んでくれて反応してくれた今、本当に知人が呪縛から解き放たれた証のような気がする。
本当にどうもありがとうございました。


 

962 :本当にあった怖い名無し:2009/11/26(木) 01:19:46 ID:dh5tLEKp0
漫画の二人の霊能者って、ほん怖の有名な人かな

 

963 :本当にあった怖い名無し:2009/11/26(木) 08:30:53 ID:UtEY9+5B0

だったら漫画で読める日が来るな

 

 

964 :本当にあった怖い名無し:2009/11/26(木) 09:02:31 ID:eYhTj7tpO

>>962>>963
あたり。
ほん怖のとある漫画家さんが書いてた二人組の霊能者、GさんとHさん。
特筆すべきは、Hさんがかなりの美女だったこと。

 

そして漫画通り、Gさんの除霊はエキセントリックだった。
実は結構前の話なので、漫画化する事はないと思う。
が、あの二人は間違いなく本物。
霊視や除霊の中で、どんどん点と点が結び付いていく感じだった。

 




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62 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 05:56:54.08 ID:UI2AIrGB0
オカ板ははじめてなんで、なんか間違ったらスマン。
二、三日かけてまとめたら、スゲー長くなってしまったんで
それでもいい人だけ読んでください。 

子供の頃に変なものを見た。
遠縁で実際は血が繋がってないんだけど、
親同士の仲がいいので俺は夏休みになると毎年○家に何泊かしていた。

俺はその頃4歳くらいだった。
昼過ぎに遊び疲れて仏間の隣の部屋で寝ていると、側でポタッポタッって音がする。
で、なんかカリカリというか、ズルズルというか、
何かが動いている気配がした。

でも眠かったからシカトしていたら、ほっぺたに何かが触れた。
手ではらって見てみると、虫みたいだった。
白くて大きな幼虫みたいなのが畳の上でウゴウゴしている。
男児って虫好きだから、大物ヤッターってなってすぐさま拾ってみた。
でも、なんか先端のほうに堅い部分があるから変で、
寝ぼけ眼で「ん?」ってよく見ると、それは虫などではなく人の指だった。

血の気がまったくないのか真っ白で、ほっそりとしていて女性のものだと思う。
でも、床を這ってるからか、
爪のあたりは割れてたり黒っぽいものがつまっていて汚い。




63 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:02:24.40 ID:UI2AIrGB0
「ウワッ!」ってなって投げ捨てたけど、なんと指は畳の上に立ち上がった。
んで、ピョコピョコ飛んだり、ぶんぶん横に揺れたりして、コミカルな動きをする。
馬鹿ガキだった俺は「ウッヒョーイ!」ってなったね。

よく覚えてないけど、なんか質問すると、
指は頷くみたいに曲がって応答してくれる。
これはオカンたちにも見せなくては!っと
引っ掴んで持っていったら、移動中に手の中から消えてしまった。
トトロでメイがマックロクロスケ逃がしたときみたいなもんだった。
親に言っても「どうせ寝ぼけてたんでしょ」とか言われてスゲー悔しかった。

で、俺はフィンガーさん(仮名)をなんとしてでも捕まえてやると心に決めて、捜索することにした。
すると、あっさりさっきの部屋で見つかるフィンガーさん。
つーか、キノコみたいに部屋の壁に生えていたw
摘み取って、今度こそとガン見したまま持っていこうとした。
でも、部屋から出ようとすると、
なぜかフィンガーさんはニュルンと手から飛び出て元の部屋に戻ってしまう。
必死になった俺はかなりの時間をかけて、いろんな場所から持ち出しに挑戦してみた。
襖からは駄目。
窓は俺の背では越えられない。


64 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:04:58.61 ID:UI2AIrGB0
どうしようか考えていると、フィンガーさんが襖がある壁の角のほうに這って行った。
畳の上で跳ねているので、側の壁を見てみると
土壁の古い屋敷だったので壁と壁の間に隙間ができている。
でもさすがに指は通りそうにない隙間だったが、
幼児の俺はフィンガーさんを思い切りその隙間に差し込んだったww
フィンガーさんはかなりの時間モゾモゾして、なんとか壁ぬけに成功。

廊下に出て、床に落ちていたフィンガーさんを回収した。
これで俺を馬鹿にしたオカンを見返せる!と
フィンガーさんを連れて行こうとすると、廊下でまたニュルンと手から逃げられた。
慌ててもう一回捕まえようとすると、
いままで友好的?だったフィンガーさんがいきなり飛びかかってきて、頬を引っ掻いた。

驚きと痛さで俺号泣。
だってほとんど垂直に刺さったみたいだったもん。
泣き声に驚いて、誰かが廊下の奥から駆けつけてくる。
すると、まだ俺の肩にいたフィンガーさんが、慰めるように怪我してない頬を撫でてくれた。
そうこうしているうちに、オカンと家の人到着。
で、オカンの顔を見たら、なんか知らんが急に眠たくなってぶっ倒れる俺。


65 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:07:22.06 ID:UI2AIrGB0
次に目が覚めた時には自分の家で、翌日になっていた。
予定ではもう少し○家にお泊りするはずだったけど、
子供なので不思議に思わず
それ以降、一度もその家には行かなかったけど、
特に好きでもなかったから気にせず。

で、俺が大学生になった頃だ。
俺はサークルの後輩A子に一目惚れした。
喪だったけど、とにかく好きだったので猛アタックしたけど、とにかく逃げられる。
告白して断られるとかではなく、
会いに行こうとするともうA子がいないんだ。
なんとか会えても、ひきつった顔で逃げ腰で、もう告白どころじゃない。
喪だからアタック方法間違えちゃって、気持ち悪がられたかなと俺涙目。

そのうちA子はサークルにも来なくなっちゃった。
友人を通じて、悪気はなかった、もう関わらないようにするから、
俺のせいでサークル止めるとかはしないでくれって伝えて、なんとかA子も顔出すようになった。

その一年後くらい。
長期休み中に、サークルで恒例の旅行をすることになった。
歴史系サークルだったもので、主に城とか神社巡りw
でも歴史が好きなやつ半分、
ただの旅行サークルとしてキャッキャしたいやつ半分だったので温度差が酷い。
とある史跡を見て回っている途中に、キャッキャ組がはぐれてしまった。
携帯に電話しても、計画的犯行なのか誰も出ない。


66 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:09:03.24 ID:UI2AIrGB0
仕方がないので、
時間を決めて、真面目組もばらけていないやつを探すことになった。
サボって遊びたいなら、たぶん簡単に見つからない場所にいるんだろうなと思ったので、
俺は敷地の中でも人気がないほうへ行ってみた。
と、生垣の角を曲がったら、好きだったA子と鉢合わせ。
俺、心の中で号泣。
サークルには普通に来るようになったけど、いまだにA子からは避けられてたからね。

アウアウしていると、側から野太い悲鳴が聞こえてきた。
駆けつけると、石碑の側で、サークルのやつ数人が地面にへたり込んでいる。
やつらの視線の先を見て、俺はビビったね。
女の上半身をさらに半分にしたようなやつが、地面でウゴウゴしている。

なんつーの、綺麗に刃物で切った感じじゃなく、轢かれて壊れたマネキンみたいなのだった。
胴体は胸のあたりまでしかなく、
顔は割れたみたいに顎までしかなくて、左腕も肩近くで崩れている。
恐すぎて、喉からヒッって音しか出なかったよ。
サークルのやつらは完全に腰を抜かしてた。
すると、女の上半身が、唯一ちゃんとある右手を使って這い、こっちに来ようとし出した。


67 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:10:08.01 ID:UI2AIrGB0
凍りついたまま、逃げようかどうしようか迷う俺。
そうだ、A子だけは連れて逃げなきゃ!とか考えていたら、急にA子に腕をガシッと掴まれた。
凄い勢いで、サークルのやつらの前に連れてこられる。
抵抗しようと踏ん張ろうとしたら、
A子に背中突き飛ばされて、女の上半身の前に倒れこんだ。
いくら嫌いだからって、この仕打ちはないだろwww
と思ってマジ泣きしそうになったら、
急に眼の前の女上半身の動きが止まった。

短い胴で立ち上がって、ピョコピョコ飛んだりくねくねしたり。
「へっ?」って思っているうちに、
女は穴に潜り込んだモグラみたいに、地面にひゅっと吸い込まれて消えちまった。
消えた地面には穴なんかなかったけどね。

次に気がついたのは、その地域の病院のベッドの上だった。
どうやらあの後、A子以外は全員気を失って、救急車で運ばれたらしい。
幸い、目が覚めると全員すんなり返されました。


69 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:15:43.28 ID:UI2AIrGB0
その後、A子と二人きりの時に話を聞かされた。
彼女は、先祖がシャーマンつーの?巫女さんみたいなのだそうで、霊とか見える人らしい。
ただし、そんなに力は強くないと言っていた。

その彼女いわく、
俺はやばいものに守られている。
憑かれているんじゃなく、守られているんだそうだ。
なので、並みの悪霊くらいじゃ太刀打ちできないらしく、
あの場を切り抜けられるのはこれしかないと、俺を霊の前に突き飛ばしたんだそうだ。
A子もテンパっていたらしく、あのときのことは謝罪された。

あと、サークルで俺を避けまくっていたのは、
俺を守っているやばいものがどうにもA子の体質に合わず、
俺自身が嫌いだから避けてたとかそういうことじゃないと言われた。

守られているったって、
俺はこれまでの人生で、なにか特別良いことがあったわけでも、
九死に一生を得たことがあるわけでもない。
そう言ったが
A子は「そういう意味で守られているわけじゃない」と言う。
あと、なんか頬っぺたに印をつけられてると言われた。


70 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:17:13.22 ID:UI2AIrGB0
そこでハッとして、
幼児期に会ったフィンガーさんのことを思い出した。
つーか、それまでなぜかフィンガーさんのことをすっかり忘れていたんだ。
多分気を失って、実家で目が覚めた時にはもう忘れていたと思う。
じゃなきゃ、あんな体験、親に話してただろうし。

すでに長期休み中なので、俺は急いで実家に帰った。
それでオカンに○家のことを聞いてみたんだがなんだがゴニョゴニョ言って、話が通じない。
それで仕方なく、先日あった事件のことと、フィンガーさんの話を全部した。

女の上半身の話では何寝言言ってるのって感じだったんだが、
フィンガーさんの話に入ると、明らかにオカンの顔が強張った。肩まで跳ねてたし。
話し終えると、しばらく沈黙していたオカンがやっと口を開いた。

○家で俺が倒れた後、散々な目にあったらしい。
最初は、俺が倒れたので、屋敷の人間は全員心配してくれた。
ところが、オカンがそういえばついさっき
俺が変なことを言っていたと内容をこぼしたら自体は一変。
変な指を見たって言っていたと教えたら、
屋敷の奥さんが慌ててどこかに走っていき、その後大騒ぎになった。


71 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:19:41.63 ID:UI2AIrGB0
奥さんは、仕事中のはずの自分の旦那や爺ちゃんにまで電話して、すぐ帰ってくるようにと言った。
それが終わると、なんてことをしてくれたんだとオカンに詰め寄る。
息子が意識をなくしてるこんなときに、
何意味不明のことを言ってるんだと、オカン大爆発。
叩いてもなにしても俺が起きないから、救急車を呼ぼうとしたら、「無駄だ」と止められたそうだ。
その後、物凄いスピードで帰ってきた○家の旦那たちがそろうと、
オカンは仏間で家の人間に取り囲まれ、
事情を説明されたそうだ。

○家には、仏間の隣にワラズマという部屋があるらしい。
なんでも何百年も前からあって、絶対に入ってはいけないんだとか。
ただ、いくつかある規則をきっちり守っていると、
そのワラズマは、家に富と幸福をもたらすんだとさ。

たしかに○家は裕福だった。
屋敷は、結構田舎の山ん中にあるんだけど、
大きな日本家屋の平屋で、大河ドラマとかに出てきそうな感じ。
で、幼い俺が、その入ってはいけない部屋に入ったっていうんだな。


72 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:23:46.28 ID:UI2AIrGB0
で、オカンはますます切れた。
だって、仏間の隣に部屋なんてなかったっていうんだ。
オカンも子供の頃から○家に来ていたので、間違うはずがない。
仏間は四方を廊下で囲まれている。
廊下をはさんだ隣の部屋は、どこも普通の部屋。

そう言って怒ったら、よく思い出してみろって言われたそうだ。
廊下にある仏間の壁、不自然じゃないかってさ。
確認してみると、部屋の中から見る仏間の広さと、
廊下からみた仏間の壁の広さがあきらかに合わない。
廊下の壁のほうが、やけに広かったらしい。
どうやらそのワラズマ、たしかに仏間の横にあり、四方をすべて壁に囲まれているらしかった。
だからオカンはいままで気がつかなかったんだ。

でも、そんな部屋じゃ息子が入れるはずないじゃないかと言ったが
倒れる前に言っていた内容と、
直後に壁に穴が開いていたのがその証拠とか言って、取り合ってくれなかったそうだ。

でも変だよな。
たしかに昔のことすぎて細かい記憶はあやふやだけど、
俺がフィンガーさんを見つけた部屋は普通の部屋だったぞ?
日の光が入って明るいかったし、内装も普通。
そして、ちゃんと襖があって、たしか開いていたはずだ。
じゃなきゃ、いくら俺が小さくても、
他人の家の一度も入ったことがない閉まった部屋に入り込んで寝たりなんてしない。


73 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:26:26.25 ID:UI2AIrGB0
ともかく、これから忙しいからとか言われ、オカンと俺は屋敷を放り出されたらしい。

まあ、実際は隣町の大きな病院まで送ってくれて、
お詫びと見舞いだとかで、なんかたくさん持たされたらしいけど。
他のことで手一杯で、帰ってきてから調べてみたら、
渡された物の中には鏡とか、数珠だとか、灰とか、変なものも混じってたらしい。
一番驚いたのは、底に現金が入ったパンパンの茶封筒が入っていたことだそうだ。

困って翌日電話すると「迷惑をかけたからそのお詫びだ」って言われたみたい。
意味不明な物は、ワラズマを開けちゃった人には、あれを贈るのがしきたりとのこと。
そこまでしてくれなくても、
俺は病院で大丈夫と言われ、いまはもう元気に遊んでいると話したら、驚かれたそうだ。

オカンに、いまその○家の人たちはどうしてるのか尋ねたら、
苦い顔して、しばらくして
ポソッと事業に失敗して一家離散したって言われた。

「ちょ、え、それって俺のせい?」
って言ったらマッハで頭をはたかれて
「そんなわけあるか」と怒られた。

さすがにオカンも気になって調べたらしいんだけど、
大昔から金持だったから○家はザル経営をしていて元から危うく、
普通にバブルが弾けた煽りを食らっただけみたい。


74 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:28:43.69 ID:UI2AIrGB0
ついでに、その時もらった謎グッズと金どうしたのって聞いたら、
謎グッズはしばらくして捨てて、
金のことは教えてもらえんかったwww

オカンはその事件以来、すっかり○家とは交流を断ってしまったらしい。
でも、今回のことと絶対関係があると思ったから、
親戚を頼り、俺はなんとかして○家の一人と連絡をつけた。

会って一言目で、「キミが生きてるとは思ってなかった」と言われたよ。
それから、ワラズマのことを教えてもらった。
とはいえ、その人は四男だったから、すべてを教えられていたわけじゃないみたい。

ワラズマは、それ自体が神様なんだそうだ。
でも、その中にいるのは、神聖とは真逆のすごく悪いものらしい。
日本人って、よく怨霊になった人とか祀りたてちゃう癖があるよね。
藤原道真が天満宮の神様になってたり、平将門が祀られてたり。
それのミニチュア版らしい。
ただ恐ろしいのが、そうそう神様にできそうな怨霊なんていないので
人工的に作るんだそうだ。

詳しい作り方は、その人も知らなかったけど
ただ、よりたくさんの材料を使ったほうがよく、自分に敵対する人や、
恨みを持つ人を使ったほうが効き目が凄いらしい。
上記みたいに濁して言われたけど、意味がわかったとき、俺は心底震えたね。


75 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:32:26.67 ID:UI2AIrGB0
あとワラズマは「割らず間」と「童間(ワラシマ)」の意味じゃないかって。
最初のほうはわかるが、後ろは意味がわからない。
フィンガーさんは、絶対成人女性の指だったし。

で、その人が覚えているワラズマの規則は、
・必ずその家の仏間の隣に作らなくてはならない。
・四方を廊下で囲み、そこは人の通行を制限してはならない。
・むしろ客人には、その廊下を通ってもらったほうが良い。
・ただし、ワラズマのことは、家の者以外に話してはいけない。
・あと、部屋には出入り口を二つないし、三つ作らなくてはならない。


76 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:34:18.19 ID:UI2AIrGB0
最後の変だよね。

尋ねてみたら、ワラズマは本来一代、よくて二代くらいにしか効かないものらしい。
けれど○家は元からお金持ちだったので、
高名な行者に金を積んで頼み込み、特別長く効くワラズマを作ってもらったんだって。
本来のワラズマは、障子や窓などで塞いであっても、
出入り口をいくつも作って、かつ客人にその周囲を歩いてもらわなければならない。
でも、部屋に入られたら術は切れ、
中から怨霊が飛び出すという効き目は凄いが、かなりリスキーな代物だった。

どうやらその行者はワラズマ作りが専門つーくらい慣れた人だったらしく
俺が考えた最強ワラズマ()を、○家に作ってやったらしい。
本来の形と違い、○家のワラズマの四方が壁で塞がれていたのは、そのせい。

で、もうわかってるだろうけど、
普通ワラズマを開封した人間は、誰だろうとすぐ死ぬものなんだって。
なにせ怨霊入りの部屋を開封して、
何十年も閉じ込められていた恨みパワーをもろに浴びるんだもの。


77 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:35:46.97 ID:UI2AIrGB0
なんで俺は生きてるのかってことと、
フィンガーさんは最後に俺の頬に突き刺さったが、それまでは優しい霊?だったぞと尋ねた。

すると、○家のワラズマは特別なので、中に何が入っているかは、
作った当初から行者以外は誰も知らなかったそうで
開けたのが、行者オリジナルだったからじゃないかと言われた。

でも強力なはずなのに、俺が何事もなく生き残るとか、わけわからんよな。
あと、とりあえずこれだけは弁解しなくてはと
あの部屋には襖があり、最初から開いていたと言ったら、
「四方が壁の部屋にキミが入れた時点で、なんとなくわかっていた。
きっともう、うちのワラズマも寿命だったんだ」
と言われたよ。

それに、人間の恨みがどれほど恐ろしものなのかは身にしみてわかったから、
俺のことを恨む気にはなれないって、遠い眼をして微笑んでた。


78 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:37:04.26 ID:UI2AIrGB0
○家はバブルが弾けて会社が潰れ、負債を抱えて一家離散したんだが、
四男さんは離散した後、
兄弟や家族がどうなったか知らないと言っていた。
家族が離散したのは、少しでも降りかかる禍を分散させるために、意図的にそうしたらしい。
手紙や電話でも、繋がったとみなされ連鎖するので、いまでも誰とも連絡は取り合っていないそうだ。

そう話してくれた四男さんは、
仕事中の事故で両足と左腕がなかった。
障害者になり、自分だけではどうしようもなくなり、
○家とは直接血が繋がらない、ワラズマの恩恵を受けていない親戚に助けを求めたから、
俺は彼を見つけられたみたい。

迷ったが、俺はA子に知ったことを全部報告した。
親には話しづらく、かと言って自分の胸だけに留めるには重すぎた。

A子は実家のほうにワラズマのことを尋ねてくれたんだが、
彼女の先祖は行者ではないし、
よくわからんけど祓うタイプの巫女ではないらしく、
そういうものは世の中にいくつも実在するという返事がもらえただけで、
それ以上の新しい情報は得られなかった。


79 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:37:55.36 ID:UI2AIrGB0
で、最後に彼女が教えてくれたんだが、俺の頬につけられたフィンガーさんの印。
これは別に、ワラズマみたいに富や名声を与えてくれるものではなく、
大事故からでも生還できるというものでもないらしい。
「何があってもこいつだけは祟らない」という目印らしい。
ただし、弱い悪霊除けくらいにはなるとのこと。

あと旅行先で出会った女の上半身。あれはフィンガーさんかもしれない。
恐すぎて指先なんて見てなかったが、
A子に押されて俺が目の前に飛び出した後のクネクネした動きが
子供の時に会ったフィンガーさんの動きに激似だったような気がする。
ということは、彼女は少しづつ元の人の姿に戻っているんだろうかって話したら、
A子に「私はあの上半身、いろんな人間の指の集合体みたいに見えた」
って言われてまたビビった。
フィンガーさんは、確かに指一本だったはずなのに。
って思ったけど、必死で思い返すと、
あの部屋で寝ていたときに、最初に聞いた、何かが落ちるような音、
複数だったような気がするんだよな。
夢うつつだったし、自信はないんだけど。


80 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:38:53.25 ID:UI2AIrGB0
で、これを書こうと思ったきっかけなんだけど、
二、三日前に、駅の構内でフィンガーさんを見かけたからなんだ。

仕事の外回り中、電車の中から外をなんとはなしに眺めていたら、
ホームにいた人の肩に止まっている指を一本見た。
電車が走り出す頃には、指は肩から落ちて、ホームのコンクリートの床を尺取虫みたいに這ってた。
周囲の人は、誰も気がつかないみたいだった。
ただ、遠目からだけど、凄い太かったんで、あれは絶対男性の指だと思う。

ひょっとして、フィンガーさんの仲間はたくさんいるんだろうか?
それともあれは、フィンガーさん集合体の部品だったんだろうか。
ちなみに、俺の職場は都心だ。
でも、○家はぜんぜん違う場所だったよ。


82 :本当にあった怖い名無し:2012/01/14(土) 06:42:37.45 ID:UI2AIrGB0
以上で俺の話は終わりです。
投稿してみたら思ったよりも長い話だったようで申し訳ない。
あの事件以来、最近までオカルト的なものから逃げ続けてきたので
似たような話や、フィンガーさんやワラズマについて
なんか情報があれば教えてほしい。


116 :82:2012/01/14(土) 21:14:11.46 ID:UI2AIrGB0
ごめん、もう一回だけ。
ちょっとまだ混乱している。
今日もフィンガーさんを見かけた。
普通に繁華街の床を這ってた。
短くて細めだから、たぶん女性の親指。
迷ったけど追いかけようとしたら、スゲー頬っぺたが痛くなって、恐くなって止めた。

俺、この前までオカルトっぽいものって、書きこんだ二回しか見たことなかった。
なのに、ここ一週間で二回も見てる。
まだ頬っぺた微妙に痛い。
もしかして、あの話、書きこんじゃ駄目だったかも。







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