【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

タグ:借金



98 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 05:19:07.74 ID:4Qd77cew0
叔母さんが久々に俺の家に遊びに来て、つい先日見たテレビの恐怖特集の話になって、
「そんな幽霊とかいるわけねーじゃん!」みたいな会話をしてた時だった。
その叔母さんが、昔お客さんから聞いた話を教えてくれたんだ。
俺の叔母さんはちっちゃい小料理屋・居酒屋をやってた。
その居酒屋ってのは、郊外の辺鄙な場所にあるもんで、常連さんが多いのは当然なんだ。
新しいお客さんが飲みに来るのは珍しい。
その中に、月に2,3度来るようになったオバサンがいるんだけど、このオバサンが酒を飲みながら叔母さんに語った話。


オバサンは結婚して20年くらいになる亭主がいたんだけど、この亭主がえらくダメなヤツだったそうで。
もう子供達は大きくなって、家を出ていたんだけど、
亭主はオバサンに毎日のように金をせびって、フラフラ遊んでばかり。
おかげでオバサンは少なくはない借金を抱えていたそうだよ。


99 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 05:22:20.16 ID:4Qd77cew0
さらに亭主は精神病の気もあって、たまに昂ぶって暴れたりすることもしばしば。
亭主は、借金の話になるともう手がつけられなかったそうだ。
でもそんなことがあったかと思えば、死人のように暗い顔をして、部屋にこもっていたりもする。
このオバサンは毎日、パートから疲れて帰ってきては亭主と口論、そんな毎日を送っていた。

さて、そんなある日、いつにも増して激しい口論の末、
亭主はオバサンをしたたかに殴りつけた後、ヒステリーを起こして暗い戸外へ出て行ってしまった。
家の外から、オバサンを罵倒するような大声が遠ざかっていくのが聞こえていた。
またこれだ。
いつになったらこんな生活から開放されるんだろう?
いっそのこと死んでくれれば・・・いや、殺してやろうか・・・?
そんなことを考えながら、オバサンは仏間に行って布団を敷き、もう寝ることにしたんだそう。
仏間には扉のしまった仏壇と、布団が一枚敷いてあるだけ。
明かりが消され、豆電球の弱々しい光が部屋の中をぼんやりと照らしていた。


100 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 05:24:32.82 ID:4Qd77cew0
どれくらい経っただろうか。
急に「ドン ドン ドン ドン」。大きな音でオバサンは目を覚ました。
こんな時間に誰かが訪ねて来たのか?それとも亭主が帰ってきたのか?
そんなことを思いながら上半身を布団の上に起こすと、おかしなことに気付いた。
音は扉の閉まった仏壇からしている。
「ドン ドン ドンドンドンドンドン」
どんどん音は大きくなってくる。
何かが仏壇の中から観音開きの扉を叩いている。
オバサンはあまりのことに動けなくなって、じっと仏壇の扉を見つめている。
「ドンドンドンドンドンドンドン!」
もう仏壇全体が揺れるくらいの凄い力だ。


101 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 05:26:39.85 ID:4Qd77cew0
するとその振動と音がピタッと止んだ。
静寂の中で、仏壇を見つめているオバサンはあることに気付いた。
閉まっていた仏壇の扉が3,4センチ程、僅かに開いている。
そしてその隙間の暗闇から、目玉が二つ縦に並んで、こっちを睨んでいるのがうっすらと見えた。
オバサンが「ウワッ!!」と叫ぶと、その目玉はふっと消えた。
明かりをつけると、仏壇はズレたままだし、扉も開いたままだ。
怖くてしょうがないオバサンは、家中の電灯をつけて、居間で朝が来るのを待ったんだって。

翌日の正午近く、オバサンの家に近所の人と警察が訪ねてきた。
なんと亭主が、家から数分の雑木林で首を吊っているのが見つかったらしい。
どうやら死んだのは昨日の深夜。オバサンが仏壇の異変を目の当たりにしたその時刻だ。


103 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 05:38:16.34 ID:4Qd77cew0
借金を苦にしての自殺とされ、その後は事後処理にもう大騒ぎだったんだけど、
オバサンは昨夜の体験を誰にも話さなかった。
亭主が死んで数年たって、ようやくこの奇妙な体験を人に話すようになったそうだ。
「人が死んで喜んではいけないとは思うけど、死んでくれて、本当によかったよ」
オバサンは、ママである叔母さんにこう語った。


あの日、仏壇から覗いていた目は亭主のものだったんだろうか?
この話を聞いた自分はそう思ったんだけど・・・そんなことよりもだ。
そんなことよりも、「そんなこともあるんだねぇ」で簡単に済ませちゃう叔母さんに、
どんな怪談よりも、そういう霊的なサムシングの存在を信じさせる説得力を感じた。




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760 本当にあった怖い名無し sage 2012/09/04(火) 00:24:58.26 ID:vloQMlHg0
知り合いのヤクザから酒飲んで聞いた話
ヤクザっても正式な組員じゃないんだけどな
そいつは十年くらい前まで兄貴と組んで闇金の取り立てやってた
ずいぶん非道いこともしたらしい
町の工場を経営してた老夫婦の前で壁を蹴ってたら
そいつらが自己破産するって言い出したから
あらかじめ調べてた息子や娘の住所をしゃべって
んじゃあこいつらのとこにも行くから
こいつらの勤め先にも行くからって言ったらしい
もともと闇金自体が違法だしそのあたりはあんまり関係ねえからな
それで次の日ジイさんは踏切で鉄道自殺
バアさんは行方知れずになった
工場や家は何重かに抵当に入ってて表の借金に取られたが
そいつと兄貴は息子らのとこを回ってどうにか金は回収した

そいつの兄貴は墨を入れてて
それが趣味の悪いことに四谷怪談のお岩さんと伊右衛門の図柄
もう彫ってからだいぶんたつんだが
お岩さんの目の上のはれが右の後ろ肩にあって
そこにできものができてひどく痛む
んで医者にいくまでもないだろうってんで
そいつに小刀で切らせたんだが
そしたら血膿に混じって明らかに人の歯としか思えないものが
ボロッと出てきた
それから兄貴の背中はできものだらけになって
今度は医者に行ったが
やっぱり切除するたびに人の歯が出てくる
それも虫歯の治療痕まである成人の歯で医者も相当困惑したらしい
それでレントゲンを撮ってもなんもない
だけど次の週になればできものができて切れば歯のかけらが出てくる

兄貴は入院してさんざん検査され
その過程で重い膵臓癌だかにかかってることがわかった
んで毎度見舞いに行くたびにベッドの下に何かがいるから見てくれって言われて
のぞいてはみるんだけど何もいない
そらそうだよな
別にのぞかなくったってベッドの下は素通しで見えるんだし
毎日掃除のおばはんが来てるんだし
んでも兄貴はベッドの下に怖ろしいものがいて
毎日夜中に腰のあたりに噛みついてくるって言い張ってた
あの強面の人が歯をガチガチ鳴らして怖がってたっていう
医者は痛みや不安からくる幻覚か特殊な薬の副作用だろうと説明したらしいけどな
その頃にはもう歯は出なくなってたが背中の自慢の入れ墨も
できものの痕で非道い有様だったらしい

んで病院には兄貴のかみさんや子どもも見舞いにくるんだが
そいつが姉貴から家の中で異臭がするって相談された
兄貴の家は郊外の一軒家で都会じゃないから土地は安いが
建てたばかりの瓦屋根の立派なやつ
それでそいつの他に2~3人で行ってみたが
たしかに庭から家の中から腐臭が漂ってる
もう鼻つままなきゃいられないくらい
それで手分けして調べたんだが
野良犬の死体でもないかって縁の下にもぐってたやつが悲鳴をあげた
何が見つかったかっていうと
上で書いた工場の行方不明になってたバアさんだ
裸足の着物姿で縁の下で上を向いて真ん中ら辺の太い柱に齧りついてた
腐敗が進んで骨の見えてる部分もあったし柱のわきには歯がぽろぽろこぼれてたっていう
こう書けば兄貴の背中から出てきた歯がそれかと思う人がいるだろうが
照合して調べるなんてことはもちろんしていない
んでこれは警察には知らせず内々に組で処分したらしい
それはヤーの家で死体が出てきて疑われないわけがないし
家の中にはいろいろとまずい物もあったんでな

兄貴はそれから一週間ばかりで死んだ
最期はずっと薬で眠らされてたらしい
・・・この話で間違いなく事実なのは取り立てでジイさんが死んだことと
バアさんが行方不明のままなこと
そいつの兄貴が癌で死んだことだ
歯が出てきたことやバアさんの死体が縁の下から出てきたのは嘘かもしんねえ
しかしそいつがそんな作り話をする意味もわかんねえけども
とにかくそいつはカタギになったわけじゃあねえが
今は馬関係のわりと楽なシノギをやってる
おめえに祟りはねえのかって聞いたら下を向いて笑いやがったな




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