【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

タグ:オカルト



103 :1/3@\(^o^)/:2015/03/07(土) 15:18:22.11 ID:Azxwanva0.net
母の実家は資産家なんだが、ある言い伝えがあった。

ある男が悪い神様に「金持ちにしてほしい」と毎日毎日お願いした。
ある日、その神様が「子供と引き換えにするなら金持ちにしてやる」と答えてくれた。
その時結婚すらしていなかった男は二つ返事で引き受けた。
その後、男はとんとん拍子に金持ちになった。
そして、以前から好意をもっていた女を嫁にもらい、幸せな毎日を送っていた。

ところが、幸せな日々は簡単に崩れさった。
最初の子は、目が真っ白な状態で生まれ、数日で死んでしまったのだ。
さらに、次の子は頭が無く人間の形すらしていなかった。
この時になり、男は神様との約束を思い出し、
神様に何度も「もう金は要らないから子供を助けてほしい」とお願いするが、神様から返事はなかった。
やがて嫁は三人目を妊娠。
様子のおかしい夫に問い詰めたところ、夫は全てを白状した。
嫁は高名なお寺にいき、事情を話し、何とか子供を守ってほしいとお願いしたところ、
子供を守るお地蔵様を祀るようにと勧められた。
そして、庭の一角にお地蔵様を建て、毎日毎日「子供を守ってください」とお願いした。
すると、五体満足で元気な男の子に恵まれた。
これでもう大丈夫、と安心していたが・・
次に生まれた子は真っ白な子ですぐ死んでしまった。
二人は次から、妊娠するとお地蔵様を準備し、生まれるとすぐにお地蔵様にお願いするようになった。
その後生まれ子は皆丈夫に育ったため、本家では子供が生まれるとすぐお地蔵様を建てるのが慣わしとなった。


104 :2/3@\(^o^)/:2015/03/07(土) 15:19:10.34 ID:Azxwanva0.net
ちなみに、お地蔵様は本家筋の人間の分しか建てない。
死んだ場合、また、女の子は他所に嫁にいくとお地蔵様を撤去し、
一番奥にある、一番古く大きなお地蔵様に合併(?)させる。
また、長男以外は跡取りではないが、分家筋の長になるためお地蔵様は残しておくが、
その嫁やその子の分は建てない、という決まりがある。

現在は、跡継ぎである叔父(母の弟)とその男兄弟3人分+叔父の子3人分+叔父の長男の子2人の9体がある。
・・・・はずなんだが、実は8体しかない。

祖父の代の話になる。
当時の長は曽祖父でかなりの暴君だったらしい。
女関係にだらしなく、複数の女と関係をもった。
そして、跡継ぎである祖父もかなりの暴君で、あちこちの女に手を出しつつ身元のしっかりした女(俺の祖母)と結婚したが、
祖母とはうまくいっていなかったようだ。
祖母が女の子(俺の母)を生み、さらに跡継ぎである男の子を生んだ後、二人はほとんど会話もしなくなった。
そして祖父は、以前から関係のあった元芸者を家の離れに住まわせるようになった。

その元芸者が妊娠し、もうすぐ出産という時期に、跡継ぎである長男が流行り病で死んでしまった。
直後に生まれたのが男の子であったために、曽祖父は激怒した。
芸者の子供を跡継ぎにするわけにはいかん、と。
そのため、生まれた子供の出生届は出されず、また、お地蔵様もつくられなかった。
2年後、祖母が男の子を生み、やっと元芸者の子は出生届が出された。
だが、何故かお地蔵様はつくられなかった。
恐らく、もう既に元気に育っていたから必要ないと判断されたのだろう。
実際、叔父はその後もすくすく何の問題もなく育った。


105 :3/3@\(^o^)/:2015/03/07(土) 15:22:38.63 ID:Azxwanva0.net
お地蔵様をつくられなかった叔父だが、実は叔父の子が全員アウトだった。
長女は耳が聞こえないうえ知的障害がある。
長男は内臓疾患に加えて骨形成不全症がある。
次男は脳に障害があり寝たきり。
本来お地蔵様がつくられないことで守られないのは叔父だったはずなんだが、
何故か叔父の子が全員障害をもっているのは、やはり何か影響があるんじゃないかと思うが、
当然、そんなもの立証できるわけもない。

叔父の子も良い歳なんだが誰一人として結婚できず、
いや、結婚できないどころか、親の介護が必要な状態で、叔父の家は叔父の代で姿を消すことになる。



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78: 名無しさん@おーぷん 2015/04/14(火)11:10:45 ID:L86

不思議、怖い、より「気持ち悪い」の方が大きいかもしれないw

インフルエンザで高熱が出て寝込んでいた時、変な夢を見た。


当時チワワを飼ってたんだけど、そのチワワが枕元にやってきて「生きてるか?」って日本語で声を掛けて来た。

ぼんやりした頭で「あれ?いつの間にしゃべれるようになったんだ?」って思ったら
「もともとしゃべれるんだよ。能ある鷹は爪を隠すって言うだろ?」って言うんだ。

そこで頭がシャキーン!として(って言っても夢の中だけどねw)「思考を読まれてる!怖い!」と思った。
そしたらチワワがムクムクムクムク~ってゴールデンレトリバーぐらいの大きさになって
「ウヒヒヒヒ、仕返しするなら今しかないと思ってな」って言いながら私の頭をガブッ!って噛んだ。

「いつもいつも目の前にごはんを置いて“お座り”とかふざけんなよ。さっさと食わしやがれ」とか
「暑苦しいのに抱いてんじゃねーよ、くせーし」とか言いながら、ガジガジガジガジ噛んで
頭蓋骨を噛むその音が身体の外から内から聞こえるんだ。

すごく痛くて(夢だから痛くないんだけどねw)悲鳴を上げて逃げたいんだけど、
金縛りにあったように動けない。

そのうちガジガジガジガジって音がゴリゴリゴリゴリって音に変わって行って
ひいいいいいいいいい!!!!となって目が覚めた。

もちろんチワワは部屋に入らないようにリビングのゲージに入れてたんだけど、
その後回復して1ヶ月ぐらい経ったとき、
噛まれていたあたりの髪の毛がごっそり抜けて禿げが出来た時は腰を抜かしそうになった。

そしてチワワを抱っこできなくなった。怖くて_| ̄|○




79: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)08:25:47 ID:moy

>>78
ひぃぃ・・・・それは怖いよ!!
でももしかしたらそれはチワワちゃんのふりをした何かな気もするね。


80: 名無しさん@おーぷん 2015/04/18(土)08:34:58 ID:i67

>「いつもいつも目の前にごはんを置いて“お座り”とかふざけんなよ。さっさと食わしやがれ」

本当に思ってそうw





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5:  2015/03/18(水) 03:23:01.91 ID:ccBFqFaZ0.net
私の唯一の霊体験は、友人(A子)の家でだけだった。

A子は当時悪質なストーカーに悩まされていて、ついに命の危機を感じるレベルまで追い込まれて引越しを決意した。
不動産屋に飛び込んでこれこれこうでと事情を話し、今日明日にでも引っ越せる部屋はないかと聞いたところ 「一つあります」と出された物件の情報はあり得ないものだった。
築年数こそ普通だけど都心繁華街に近い2LDK、敷礼なし、即日可、それで6万行かないくらい。
「怪しさ満点だろ…」と付き添いの私でさえ顔に出てたと思う。


 
7: 2015/03/18(水) 03:24:55.62 ID:ccBFqFaZ0.net
不動産屋もそれを察してなのか「正直に言います」と

・刃傷沙汰はあったけれどこの部屋で死人が出たことはない
・家に帰ると部屋が荒らされていて一度は警察を呼ぶことになる
・女がいると言って入居者は半年持たずに出て行く
・お祓いやらなにやら試し済みだけど効果はない

やべーよやべーよと思ったけどA子は「それは放火未遂を起こしたりしましたか?」とだけ聞き、さすがにそれはないと聞くと即契約してしまった。



9: 2015/03/18(水) 03:28:11.53 ID:ccBFqFaZ0.net
「放火する人間より散らかす幽霊がいい」は名言として今も私の中で語り継がれている。
さすがに即入居とはならなかったけど、ほぼ夜逃げ状態でA子は訳あり物件へ引っ越した。



10: 2015/03/18(水) 03:31:22.19 ID:ccBFqFaZ0.net
警察やらを介入させてストーカー問題を片付けるのに二ヶ月くらい掛かったと思う。
友人達でA子の無事を祝い集まった時に、「そういえば家大丈夫なの?」と聞いてみた。
引越してから一度もA子の口から幽霊という単語は出ていなかったから、不動産屋が大袈裟に言っただけで当たり物件を引いたのかと。
しかしA子はさらりと「いるよ、女の子。クローゼットの中にいる」と返した。



12: 2015/03/18(水) 03:35:53.39 ID:ccBFqFaZ0.net
A子の家は玄関入ってすぐに一部屋、奥にリビングともう一部屋という間取りで
不動産屋が言うには玄関横の一部屋当たりがハザードポイントだと言っていた。
そしてまさにそこに出るらしい。



13: 2015/03/18(水) 03:38:26.62 ID:LCuJxia20.net
・家に帰ると靴が収納から全部出されてぐっちゃぐちゃ
・また別の日はリネン系をまとめてぐっちゃぐちゃ
・ハザードルームの前にあるトイレから出ると、人影がその部屋に入って行くのと遭遇→その後部屋の中のクローゼットが閉まる音がする
・お風呂に入っているとドアの前、擦り戸越しに人影が立つ

これらのどれかが1日1回は必ず起こるらしい。



15: 2015/03/18(水) 03:41:11.24 ID:ccBFqFaZ0.net
あぁ先に言っとくけど対して面白い話じゃないよ
怖くもないと思う。
今まで5人ぐらいに話したけど誰にも信じてもらえんかった



17: 2015/03/18(水) 03:43:37.89 ID:LCuJxia20.net
A子は着道楽だった。
物持ちもいいしセンスもいいから、衣服を捨てるということは滅多にない。
約10年経った今でも当時の服を着回してるのにすごいオシャレ。
そんなA子、そのハザードルームを衣裳部屋としてフル活用していたらしい。
そしてそこに住んでいる幽霊、A子の衣服でコーディネートして遊んでいた。
服は上から下まで、たまに靴とバッグを添えて床に置いてあるらしい。



18: 2015/03/18(水) 03:46:46.12 ID:ccBFqFaZ0.net
幽霊コーデはクソダサい

15点とかその日の採点を呟いてからA子出掛ける

帰ると
・衣裳部屋保管の靴が左右入れ替えられたりする
・バッグの中に下着が詰め込まれたりする
・上下のセットアップがバラバラに保管される
ということが起きている

「評価低くて腹立つならセンス磨け!」と説教しながらA子お片付け

翌朝新コーデ発見

やはりクソダサい



20: 2015/03/18(水) 03:51:20.20 ID:vqeyWFHg0.net
それなんてトムとジェリー?
霊感なんて皆無だから今まで幽霊なんてみたことない。
怪談でよくある首を締められたとか馬乗りになられて~とか、そういう類はA子の口から出なかった。
だから私は幽霊って怖いものじゃないんだ!とか馬鹿な思い違いをしたわけだ。



21: 2015/03/18(水) 03:55:51.73 ID:ccBFqFaZ0.net
幽霊見たい!となった私と友人のB美で、その日はA子の家に止まらせてもらうことにした。
お酒とか買い込んで、夜逃げ手伝いした時以来のA子の家に行った。
やっぱりすごく立地の良い場所にあって、大学入りたての小娘が住めるようなマンションじゃなかった。
部屋に入っても空気が重いとか嫌な感じがするとかは一切なくて、
それどころか綺麗好きのA子らしくモデルルームみたいだった。
あの部屋を見てから実はおばけでるとか聞いても、誰も信じないと思う。



22: 2015/03/18(水) 03:57:19.31 ID:ccBFqFaZ0.net
朝風呂派のB美を抜いてまずシャワーを浴びようって話になった。
寝巻きも貸すよーハザードルーム取りに行くよーというA子の後に付いて、いざハザードルーム。
ドアを開けて中を見た瞬間、恥ずかしながら腰が抜けて座り込んだ。
薄暗い部屋の中で人間の形をしたものが、ぶら下がって揺れていた。
A子の言う通り、今思い返しても何も思い出せない。
腰が抜けたままじっとその首吊り光景を見てたのに、
どんな服装してたとか顔付きや体型も、肌が肌色だったかも思い出せない。



23: 2015/03/18(水) 03:59:08.09 ID:KBVrhDGo0.net
ん?AもBもそれ見れたの?
自分だけ?



25: 2015/03/18(水) 04:01:15.86 ID:LCuJxia20.net
>>23
3人で見たよ
A子を盾に私とBは背中越しに部屋の中見た感じ。


ただ人間の形をしているものが、首を吊って揺れていたのだけ覚えてる。
B美はうひぃぃみたいな息の抜けた声を出していて、
A子は「あらー新技ー」とか言ってた。
B美がすぐさまドアを閉めたのに、
A子は「二人ともTシャツとショーパンとかでいいよね?」とかいいながら中に入っていって二人分の着替えを持って出てきた。



26: 2015/03/18(水) 04:02:39.88 ID:LCuJxia20.net
「まだいた?ぶら下がってる?」
「もういなかったよー」
のほほんとしてるA子の肝っ玉半端ねぇ。

「あんなホラー映画みたいなの初めて!お客さん来てテンション上がってんのかな!」
なんていうお前のテンションもおかしいよ?
この空気の中お風呂とか借りれないんですけど?



27: 2015/03/18(水) 04:04:04.35 ID:ccBFqFaZ0.net
「ドア越しに立ってたりするけどそれだけだよ。そういう模様の扉だと思えばなんてことないよ」
って言われても怖いもんは怖いし、取り敢えず先にA子にお風呂入ってもらった。
残されたB美と二人、ドアを頑なに見ないよう背中を向けて寄り添いながら聞いてたKISSは今でもよく覚えてる。
お陰で今もテンション上げたい時は自然とKISSを聞くようになった。



30: 2015/03/18(水) 04:06:07.25 ID:ccBFqFaZ0.net
「なんともないよー」と至って普通にあがってきたA子に後押され、次は私がお風呂に。超腰引けてた。
さっと洗ってさっと出ようと思い、急いで服脱いで扉開けて、そこでまた腰が抜けた。
あの一晩で私の腰ボロボロになったと思う。
シャワーヘッドの上、天井と壁の境目辺りに手形があった。



31: 2015/03/18(水) 04:07:32.42 ID:LCuJxia20.net
黒ずんだ手形で、血?っていうかなんともなくねーよ畜生!なんて思ってたけど、もうその時は涙目だった。怖くて怖くて。
もしかしてA子が演出でやったとかも一瞬頭によぎったけど、綺麗好きで「家の汚れは心の汚れ!」がモットーのA子が水回りを汚すわけない。
幽霊の洗礼だ。



33: 2015/03/18(水) 04:09:04.57 ID:ccBFqFaZ0.net
バスタオルだけ巻いてリビングに戻った。
飛び込んで来た私を見て「扉の模様だよ?」と言われたけど、壁だし!手形模様なんてごめんだよ!と喚きながらA子をお風呂に連れてった。
B美は私のバスタオルを引っ張りながら着いてくるもんだから全裸御開帳になりそうでそれもまたハラハラさせられた。



34: 2015/03/18(水) 04:10:24.99 ID:ccBFqFaZ0.net
「A子の悪戯じゃないよね?」とじっと浴室を見るA子の顔を覗き込んだら、おっとり美人のA子の顔が般若になっていた。
普段にこにこしてるばかりの人が怒ると本当に怖い。
首吊りよりも手形よりも、この時のA子が一番怖かった。
幽霊なんかを怖がってた自分をぶん殴りたい。
私はA子が怒った時の方が怖いことを知った。



35: 2015/03/18(水) 04:11:40.97 ID:LCuJxia20.net
そのまま無言でA子はハザードルームに行った。
B美と二人くっついてたら殴ったような音が聞こえて(後にA子がクローゼットの扉を蹴った音だったと判明)、
「おいコラ、クソデブ!人の家になにしてくれてんだ!家賃も払ってない居候の分際で調子に乗るんじゃない!」という怒鳴り声。



37: 2015/03/18(水) 04:13:01.64 ID:ccBFqFaZ0.net
「悪戯と嫌がらせは違う」
「住まわせて頂いているという謙虚な心を持ちなさい」
「お客様は驚かすものじゃなくてもてなすもの」
一通り説教した後に
「帰るまでに綺麗にしときなさいよ!綺麗にしなかったらお前の部屋は今日から洗濯機の中。毎日ぐるんぐるん回してやるわ!」と言い捨てて、A子は戻ってきた。
「ごめん、ちょっと外に飲み直しに行こう」って申し訳なさそうな顔で言うA子に、もはや逆らえない。
B美はずっと「ぐるんぐるん」って呟いてた。ツボに入ったらしい。



38: 2015/03/18(水) 04:14:39.90 ID:ccBFqFaZ0.net
近所のバーに場所を移して一息ついたら、色んな恐怖も薄れた。
そんなことよりもA子の般若へのメタモルフォーゼの方が問題だった。
今まで幽霊の仕業に怒り一つ見せず、それどころかにこにこ話していたのに、何故あんなにも怒ったのか。



40: 2015/03/18(水) 04:16:15.18 ID:LCuJxia20.net
A子曰くまず怒り狂ったのは
・乾いた血だったらもっと黒寄りだし、赤くも無かった
だからあれは血じゃなくて多分乾いた泥
血と違って泥は洗い流すと排水口に溜まる
昨日ぴかぴかにしたばかりなのに汚された事が許せ

クソデブ発言
・手形の跡がデブの手だった
自分より小さそうな手形なのに、指と指の間がほとんど空いてなかったからデブだと思った

お前冷静だな。
うちらそんなじっくり考えながら見てなかったわ。



43: 2015/03/18(水) 04:18:07.81 ID:LCuJxia20.net
果たして幽霊に掃除なんて出来るのか。
いや汚すことが出来るんだから綺麗にすることも出来るはず。
怪談話で汚された壊されたって話はよく聞くけど、その後の対処は語られない。
やっぱり手形付いたままなんじゃない?
なんて談義を繰り広げ、掃除し直しかーと項垂れるA子を連れて部屋に戻った。

2時間くらい店にいたと思う。
山手線の始発までもう少しって時間で、夏だったから結構明るくて、
そのお陰で部屋に戻るのも怖くなかった。



45: 2015/03/18(水) 04:20:07.09 ID:bzbY/HpN0.net
一番にお風呂に行くと、手形の痕跡なんて全くなくどこもかしこも綺麗だった。
その前にA子がお風呂に入ったはずなのに、その時の水気もなくて、浴室中を布で拭き取ったみたいだなって思ったのを、よく覚えてる。

A子は「やれば出来るじゃーん」と超ご機嫌で、ハザードルームに入って行った。
「悪戯はいいけど嫌がらせはダメ。お互い思いやりを持って暮らそうね」って幽霊に言うことじゃない。



46: 2015/03/18(水) 04:21:07.10 ID:LCuJxia20.net
しかしA子のキレた時の発言といい、綺麗に磨かれた浴室の具合といい、なんかシンデレラみたいだねという話になって
あの日から幽霊の名前はシンデレラになった。



47: 2015/03/18(水) 04:22:01.36 ID:ccBFqFaZ0.net
起きた時は昼過ぎだった。
昨日入れなかったお風呂を借りようとしたら、A子が着て帰ってもいい服を貸すよと言って一式持ってきた。

赤いTシャツにサックスブルーのミニスカート。あと焦げ茶のニーハイソックス。
デニムジャケットに花柄キャミ、デニムのショーパン。魅惑のデニムonデニム。
繰り返すがA子はお洒落さんだ。
こんな組み合わせをするような子じゃない。
ニーハイに至っては春先にA子が履いていたもので、季節感ガン無視コーデだった。
これを着て帰れと?という顔をしてたんだと思う。



48: 2015/03/18(水) 04:22:43.12 ID:QwGcBITI0.net
ぶらんぶらんしたのは嫌がらせじゃなくてイタズラ扱いなのかー
これは幽霊も判断に迷うところかも
ポイントは掃除などの片付けや処理の手間が増えるかどうかかな



49: 2015/03/18(水) 04:23:29.66 ID:ccBFqFaZ0.net
「こちら本日のシンデレラコーデとなります」
「罰ゲームじゃん」
「二着分置いてあるのは初めてだから、きっと二人の為に用意したんだよ」

笑えるダサさじゃなくて、ふっと目を逸らしてしまうようなダサさと言えば伝わるだろうか。
ありがた迷惑だった。



50: 2015/03/18(水) 04:24:24.68 ID:LCuJxia20.net
これが私の始めての霊体験。
その後も何度か泊まらせてもらったけど、一度だけお風呂の扉越しに人影を見たのと、トイレに入ってたらやけにリズミカルなノックをされただけで終わった。
シンデレラコーデは泊まる度に用意されたけど、一向にセンスが改善された兆しは感じなかった。



52: 2015/03/18(水) 04:25:25.04 ID:LCuJxia20.net
たまに思い出したように「最近シンデレラどうしてる?」と聞くと、
「ビートルズやストーンズをかけると部屋のドアが少しだけ空くようになったからそういう音楽が好きみたい」
「メタルとか好きじゃないCDの中身を入れ替えられてる」
「ふわっふわの上等なタオルが見当たらないから探してみたらクローゼットの中で見つけた」
A子の口からはほんわかエピソードしか聞くことはなかった。



53: 2015/03/18(水) 04:26:23.51 ID:LCuJxia20.net
A子曰く、引越し当初は実態あるストーカーの方が怖くって、外に出るのも嫌で、だからといって部屋に一人も心細くてどうしようもない状態だった。
完全にメンタルやられていた時に、自己主張激しくシンデレラが登場するとほっとしたらしい。
そういえば驚いた記憶がなく、現れると話しかけてたというので相当追い詰められていたんだろう。



54: 2015/03/18(水) 04:26:37.40 ID:QwGcBITI0.net
もう出る時間かと思うけど質問
10年前ってことはもうそこにはいないんだよね?



55: 2015/03/18(水) 04:29:01.47 ID:bzbY/HpN0.net
>>54
後で書くけどもうA子は住んでないよ。
去年賃貸情報のサイトであの部屋が掲載されてるの見つけたけど、賃料も全部適正料金になってた。
あの部屋にもうシンデレラはいない



56: 2015/03/18(水) 04:29:18.35 ID:bzbY/HpN0.net
A子が何をしても驚かず、前の住人達みたく出て行きもしなかった。
そんな時に泊まりに来た私達がいい反応を返したからテンション上がって浴室の犯行に至ったのかもね。
あれのお陰でちゃんと躾が出来たから良かったよーとA子が話した時には、
あぁこの子にとってシンデレラはちょっと馬鹿な犬ぐらいの扱いなんだなと思った。



58: 2015/03/18(水) 04:30:43.26 ID:bzbY/HpN0.net
A子は大学を卒業してもその部屋に住んでいた。
話に「シンデレラ」という単語が出てくることもなくなって、私もすっかりそんな事を忘れかけていた。

そんな中で久し振りに一緒に食事に行った時、A子の口から「引越しする」という話が出た。
彼氏と同棲するので少し荷物は減らさなきゃいけない、処分する衣服の中で欲しいものがあれば持って行ってという嬉しい誘いをいただいたので
何年か振りにA子の家へ泊りに行った。



60: 2015/03/18(水) 04:31:35.62 ID:bzbY/HpN0.net
その時私はシンデレラの事なんて綺麗さっぱり忘れていて、「やっぱり立地良いからちょっと勿体無いね」なんて呑気に話しながら思い出のハザードルームに入った。
そしたら、居た。
部屋の奥にある桐箪笥の前で、人がこちらに背中を向けて正座をしていた。
相変わらずそれは「人が正座をしている」だけで、体型も色も思い出せない。
でも確かに居た。シンデレラだった。
A子が明かりを付けるとやっぱり誰もいなくて、荷造りの箱からめちゃくちゃに飛び出している服が広がってるだけだった。



62: 2015/03/18(水) 04:32:31.14 ID:bzbY/HpN0.net
「シンデレラまだいるの?」
「うん、元気だよ」
そうじゃねぇよ。



64: 2015/03/18(水) 04:33:14.35 ID:bzbY/HpN0.net
昔ほどの驚きはなかった。
腰を抜かすほどあの頃は驚いて怖かった筈なのに、「あぁシンデレラだ」とストンと納得しただけだった。
貰う服を選びながら、妙に散らかった部屋が気になった。
らしくないねと言うと、「荷造りしても仕事から帰ってくると全部開けられてる」とA子は言った。
お陰で全然進まないと愚痴るA子とは違い、私は取り憑かれてるんじゃとオカルト思考が頭をよぎってしまった。



65: 2015/03/18(水) 04:34:02.11 ID:bzbY/HpN0.net
「シンデレラがやるの?」
「私が出てくの淋しいのかな」
「やばくない?」
「うん、このままじゃ引越し間に合わない。やばい」
そっちじゃない。



66: 2015/03/18(水) 04:34:56.49 ID:bzbY/HpN0.net
「陰干しとかすると着物の前で座って見てるから、着物好きみたい。着物にだけは悪戯しないし」
「さっきも箪笥の前にいたね」
「一着ならあげてもいいんだけど、クローゼットの中に着物あったら借り手見つからないよね」
「A子みたいな人がまた住むよ」
「そしたらシンデレラも淋しくないねぇ」



67: 2015/03/18(水) 04:35:34.72 ID:bzbY/HpN0.net
当たり前だけどシンデレラの返事はない。
でも聞いてるんだろうなと思った。
霊感なんて欠片もない。
怪談は娯楽だと思うし、少し霊感があって~とか言われると内心鼻で笑ってしまう。
それでもなぜかシンデレラだけはリアルだった。それは今もそう。

貰う服をまとめて、シャワーを借りて眠りについた。
相変わらずA子の家はどこもかしこも綺麗で、シンデレラの悪戯は一度もなかった。
A子の躾は確かだった。



68: 2015/03/18(水) 04:36:14.78 ID:bzbY/HpN0.net
シンデレラコーデだけは健在で、寝起きと同時に渡された一式は眠気を吹き飛ばす破壊力だった。
パステルピンクのスカートに紺のジャケット、黒いショートブーツだった。
この時、6月である。



70: 2015/03/18(水) 04:36:57.41 ID:bzbY/HpN0.net
帰って一番にやったことは、賃貸情報の検索だった。
最寄り駅から徒歩何分圏内~の条件で探して、賃貸情報が載ってないかひたすら探した。
A子の物件情報は2・3分で見つかった。
家賃や初期費用も相場通りになっていて、当たり前だけど事故物件を匂わすような表記はなかった。
A子が6年以上住めたのだからもう何もないと不動産屋も判断したのかもしれない。
シンデレラはまだ確実にいるのだけれども。



71: 2015/03/18(水) 04:38:18.13 ID:bzbY/HpN0.net
何故こんなことを今更書き綴っているのかというと、つい先日数年振りにA子とシンデレラの話をしたからだ。

泊めてもらった翌月に、A子からは引っ越したよと連絡が来ただけだった。
シンデレラがどうなったか、聞くのが少しだけ怖くて他愛無いやりとりを交わすしか出来なかった。



72: 2015/03/18(水) 04:39:15.33 ID:bzbY/HpN0.net
今度公開するディズニーの実写映画の話をした流れだった。

「A子の家にいたシンデレラはぽっちゃりだったけど、映画のシンデレラは綺麗だね」
「ぽっちゃりだから着物が好きだったのかもね。洋服だと私の服入らないから」
「箪笥の前いたもんね。あれはびっくりした」
「今は箪笥の中にいるよ」
いるんかい。



73: 2015/03/18(水) 04:40:50.19 ID:bzbY/HpN0.net
まだ姿を見せるのか。
いやそれより着いて来たってそれやばくないか。
なんで着いて来たって分かるんだ。
A子お前大丈夫か。
矢継ぎ早に質問する私の前で、相変わらずA子はにこにこしてた。

あの後も荷物を纏めては散らかされの繰り返しで、本当に間に合わなくなりそうだった。
だから持っている着物の中でデザインや色が若過ぎてもう着れそうのないものを一枚クローゼットに置いてみた。
「この着物で良かったらあげる。これからは私一人じゃなくなるし子供も生むと思う。シンデレラに現れられると私は少し困る。今まで通りお互い思いやりのある距離が保てるなら、一緒に行こう」
そう言った次の日から荷物は荒らされなくなったから、大急ぎで荷造りを終えた。



74: 2015/03/18(水) 04:42:08.46 ID:bzbY/HpN0.net
それでなんで着いてきたと分かるのか聞いてみれば、
箪笥を一段開けてそこにシンデレラの着物を収納していたら
たまにその段だけ空いていたりするらしい。
滅多にないことだし特に気にならないけど、少し空いてるとかじゃなく引き出し全開だからシンデレラらしいなって思う。
私が死んだら一緒に燃やしてもらおうかなって思ってるの。

そう言い切ったA子には一生敵わないなと思った。



76: 2015/03/18(水) 04:43:15.39 ID:bzbY/HpN0.net
これでA子の人生に何かしら影があるなら取り憑かれたのかと考えた。
でもA子の生活は絵に書いたような幸せそのものだと思う。
この御時世では珍しいくらいの順風満帆。
夫婦仲は良いし、子供は可愛い。
買ったばかりの戸建てでも霊現象は一切起きてないらしい。
衣装部屋としてA子が使ってるウォークインクローゼットの中以外は。



77: 2015/03/18(水) 04:46:47.18 ID:bzbY/HpN0.net
また五年後くらいにシンデレラの話題を出してみようと思ってる。
でもきっと世に聞く心霊エピソードは聞けないんだろうな、というのが私とB美の見解。

このままシンデレラにはぽっちゃり系座敷童辺りにジョブチェンジして欲しいところ。



78: 2015/03/18(水) 04:47:44.75 ID:bzbY/HpN0.net
こんなもんです。
お付き合いありがとう

じゃあ会社に行くわ!



79: 2015/03/18(水) 04:48:42.51 ID:QwGcBITI0.net
いってらはーい!
おもしろかったよ!



80: 2015/03/18(水) 04:49:14.14 ID:KBVrhDGo0.net
良かったで!さんくす!
いってら!



81: 2015/03/18(水) 06:10:16.24 ID:LGxm0eRA0.net
ふむ、面白かった
死んだ後も意識はあるのかな?
霊がいるとなるとそう思いたい



83: 2015/03/18(水) 16:37:38.95 ID:b5GwWJ3L0.net
面白かった。Aさんすげー










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364 :本当にあった怖い名無し:2010/03/15(月) 00:56:35 ID:nwOELEO40

27歳の時、妹と共に上京してた頃の話。

当時働いてた会社の近くに隣接するように二つ神社があった。
両方とも駅前にある。一方はK神社、一方はY神社。有名な神社で、受験シーズンはY神社はテレビに出る事もある。

このY神社は学問の神様と有名だが…非常にヤバイ。
それが神社周辺だけの事なのか、神社自身なのかは中に入って確認していないから定かではないが…。様子を見るにも昼間でも入りたくなかった。

会社も駅から徒歩五分ほどの場所に在ったのだが、駅からの道が二つ別れる。K神社ルートと、Y神社敷地を一部は居るルート。
Y神社ルートの方が断然早く会社に入れる。駅から二分ほどだ。

朝の時間は貴重だ。特に私は喫煙者で、会社に行って早いうちからぼんやり煙草を吸うのに時間が多いに越したことは無い。
Y神社ルートに気付く前は、K神社ルートだったが、時間短縮に朝だし大丈夫だろうとY神社ルートを毎日使うようになっていた。

Y神社の前を通ると、何か腐ったような匂いがしていたのは気になった。
臭いな…と思いながらも毎朝、そして帰りも通っていた。


二ヶ月ほど過ぎたある日、会社から帰ってぐったりと部屋で横になってうとうとしていたら夢を見た。
古い古い大きな座敷のある屋敷の一室で、私を含めて数人の男がいた。

私は大きな姿見の前で、遊女らしき女をうつ伏せにして押さえ込んでいる。女は髪が振り乱れ、着物もみだれて、あられもない姿だ。
私は何も思うことは無く、女の髪をわしづかみにして力任せに引っ張り、首を仰け反らせている。

白い白い綺麗な首があらわになる。その首に他の男が、鋭い刃物を埋めてゆく。
髪を引っ張り仰け反らせているから傷口が、くの字で広がっていく。

そこで夢の中で私の意識が起きる。けど、行動はそのまま。
うわぁ…いやだ。そんな事を思っていたら、女の首を切り終えた刃が、私の足のふくらはぎに食い込んだ。

そこで私が、着物を着た男だと知る。男の意識と私の意識が重なる。男は、仲間が誤って自分に怪我をさせた。
治療されて当たり前だと思う。私は事情が分からずに、パニックになる。

怪我をした男が顔を上げて仲間を見ると、仲間の男は笑っている。
三人いたと思う。三人とも手に、惨殺目的のために作られたとしか思えないような凶器を持っていた。そして私を見てニヤニヤ笑い迫ってくる。

だめだ!やばい!!逃げなくては!!
男の意識は訳が分かっていないようだった。私は完全にロックオンされた!!と思った。

無理矢理覚醒しようともがいた。同時に酷く金縛りになっている。
迫ってきた男たちの持っていた凶器が生きたまま頭をつぶすためのものだ。と思いながら無理矢理に何もかもを振り払って目を開けた。

夢から醒めて目を開けて、体も起こしたけれど、視界が夢の片鱗を残している。
体から力が抜けて、すぐにでも気絶しそうだった。気合と根性で肉体の感覚を現実に引き戻そうとして、私は鞄の中の携帯電話を取り出した。

その間もざわざわざわと聞こえない気配と音が、私を飲み込もうとしているように感じた。
実際、がっくがっくがっくがっくと、無理矢理金縛りを解いた影響か、全身が痙攣のように震えて止まらなかった。

でも、そこで怯えて縮こまったら、事態が悪化すると思い。本能的な危機感から動いていた。
携帯を開いて、霊感のある友達の番号を引っ張り出す。その間も視界は何度も見えなくなる。

何とか電話をかけることが出来て、コール音を聞きながら、頼むから出てくれ!と祈った。
少し待って、友達が出た。

「…うわ…どうしたん!?」
「ご…ごめ…ちょ…とぉ…こあい…ゆめ…み…れ…」

未だに痙攣の様な震えも治まらず、呂律も上手く回らない。声が震えても居た。

「大丈夫!?話し聞くから、落ち着いて…大丈夫!?」

友達の声に安心して張り詰めてたものが溶けて、私は声を上げて泣いた。
泣きながら、自分の意識を必死に保とうと何か色々話してた。友達はそれを聞いてくれた。

落ち着いてから、ちゃんと話そうと思ったときに、さっき見た恐ろしい夢の前に、もう一つ奇妙な夢を見ていた事を思い出した。


夢の中で私は葬儀屋で、顧客の家を訪問するという夢だった。

夢の中で訪ねた家で、髪の長い女が私を出迎えて、家の中に招かれるのだが、一歩玄関に入った途端。
何かやばい気がして、入ってはいけない気がして、女に適当な言い訳をして出ることにした。

「大事な書類を車に置きっぱなしにしてきてしまいました!すみません、すぐ取ってくるのでお待ちくださいね!!ほんとうに、間抜けですみません」

苦笑しながら和やかな雰囲気で話しを持って言ったのだが、一歩玄関に踏み入れた足を外に向けたときに、手遅れだったと気付く。
両足に先ほどまで私の対応をしていた女の長い髪の毛と首が巻きついていた。それを思い出したときに、夢の遊女とその女が同一だと感じた。

兎に角逃げなくては!
玄関から出たら、生首も髪の毛も消えていた。マンションの一室と言う場所だった。二階の。

マンションから下りる階段が消えていた。何とか逃げなくてはと廊下から見える外に目を凝らしたら、こちらに背を向けて何か作業している男がいた。
恰幅のいい男だった。黙々と何かをしているが何をしているのかわからない。

その男に声をかけて、場の流れを変えようとおもった…が。いざ口を開けて声を出そうとすると。
「気付かれるな!!!!」
という意識が起きた。

意味不明だが、気付かれたら危険だと感じて…。
そうしたら男が黙々としている作業がなにやら禍々しく思えて…逃げ場を失いどうしたものかと思案した時に、すとんと、あの屋敷の夢に入った。


友達に、その話しを全てした。
友達が、何時に無く静かな声で…「普通の夢や無いよね」と呟いた。

「ごめん…こんな話して」
「いや、いいねんけどな…うん。この電話取った時にな、なんかが突然首に巻きついたと思ったんよ。あんたな…その女の身代わりにされかけてん」

友達が話し始めた。

なんか霊団?のような悪霊の巣の様な空間があって、そこのものに目をつけられた、というのだ。
目をつけたのは、延々とその空間で残忍に殺されるばかりを繰り返している女で、私を身代わりにと目をつけたというのだ。そして身代わりにしようとして夢で引っ張り込んだら、他のものにも気付かれて標的にされてる、と…。

「どこでこんなもの拾ってきたん?もうなんか…人の形してないやん…なにこれ?」

心当たりは一つしかない。Y神社だ。
友達はY神社の話しを聞いて「すごい臭いな」と呟いた。

「イチョウの木があるのかなとか思ってるんやけど」
「いいや…これ…死体の腐ったにおいやろ」

友達は断言した。

「……多分、あんたそこで目ぇつけられたな。なんでやばいって分かっててそこの道とおるんさ!?」
「朝やから…かまわんと思って…」

「気いつけや。しつこいで。面白くて楽しくて殺しするような連中やで」

震えは治まったけれど、気配はまだ近くにあるのは分かった。笑いながら私の怯える様子を見ている。

「笑い声が聞こえるし。ほんまに気いつけや!?」

心霊現象として終わるとは限らないと…ひしひし感じた。
例えば、今から一人で夜道を歩けば…通り魔に会う。殺される。そう感じていた。精神的に囚われてたんだと思う。

煙草を吸うにも、室内禁煙でベランダが無い部屋なので、携帯灰皿を持って玄関外で吸っていたんだが、外に出るのが怖くて仕方が無かった。帰宅後禁煙が数日続いた。
外と言う世界に触れたときに、連中のゲームが始まりそうで…。殺される。本気でそう思った。

でも、社会人。そんな理由で休むわけにも行くまい。稼がねば生活が出来無い。翌朝、怯えながらも出社した。
仕事をしているといつもどおりのペースが戻ってくる。昼休みに一人でK神社にお参りをした。時々お参りをしては応援してくださいとお願いしていた。


その日は、こんな事がありました、怖いことが起きませんように。負けませんように。とお願いしていた。ちょっと泣きながら。
もうY神社ルートは通らないようにして、K神社ルートで大回りして行き帰り歩いた。

そんな折に、会社の上司と世間話をしていた時に、部長の話しを聞いた。
部長はかなり霊感が強いらしく、その上司はたまにその話しを聞かされているようで

「隣のY神社さ、やばいって言うんだよね~。君そう言うの分かる?」
「……ああ~…。はいマジヤバイので、参拝はオススメしません。敷地に入るのもオススメしません。K神社はオススメです。とても良い神社です」

なんて話した。その上司はほんと良い人で、心霊系統は信じてないけど、否定まではせず話しを聞くという人だった。

もう年末近くなって、会社を出る時間には日が暮れていたが、K神社のルートを通ったら全く怖くなかった。
とても空気が澄んでいて気持ちが良いくらいだった。

出来るだけY神社から意識を逸らして、出来る限り昼休みにK神社に通っていたら救いの神がやって来た。
私があの日電話した友達から連絡があり、私が地元へ戻れるように采配してくれたというのだ(当時家庭の事情でちょっとあったので)。

友達のお母さんに、友達が私の話しをしたらしく、友達よりも霊感の強いおばさんは「あの子…このまま東京におったら…死ぬな」と言ったらしい。
もう、ほぼ強引に、私が自分の意思で戻れるようにと動いてもらって、私の東京生活は終わることになった。


話しを聞いた一週間後には、私は新幹線に乗っていた。
新幹線の中で、京都に入った時に、空気が変わったのが分かった。そこではじめて「東は私には合わなかったのか…」と感じた。

Y神社の連中も、京都に差し掛かった途端、気配がなくなった。体から緊張が消えていった。
地元に帰ってきて、友達の家にお邪魔した、時散々言われた。

「このままやったら、死んでしまうからって、もう急いだよ~」と、おばさん笑いながら…。

「死ぬって?」
「まぁ、大病するか自殺か」

友達はあっさり言ってくれた。

今振り返ってみたら、不安な気持ちが現象を増徴させてより恐ろしく感じてたんだろうし、隙も大きかったのだろうと思う。
けれど、Y神社はやばい。シャレにならん。と言う思いは今でもある。

この話数年過ぎてやっと、人に話せるかな?と判断して投下。

思ったよりも長くなってしまった…。申し訳ない。
そして最初に書くべきだったが、感覚の鋭い人(特に東の方)影響出たらごめんなさい。


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493 1/3 2008/02/29(金) 01:52:08 ID:H/RTl9fG0

この前職場の同僚Aと居酒屋で飲んでいたときの話。 偶然俺の前の職場の飲み会とカチ合った。

俺は特に問題があって辞めたわけじゃないし、前の職場の人とも仲が良かったので、合流はしなかったけれど、なんか向こうの人が何人もこっちの席に来て注いでもらったり、唐揚げとか刺身とかをおごってもらったりとかしてた。

そのうち同僚Aが気分が悪くなったって言い出して、俺たちは一足先に店を出ることになった。店を出て、「だいじょうぶか?」なんて言ってたら、同僚Aが

「お前の前に勤めてた会社の課長、ほら、さっき酒注ぎに来てた人、あの人はもう駄目だな」なんて言い出した。

「なんで?」って聞いたら、Aは「あの人、3人の生霊に憑かれてるよ。人間ああなっちゃあもう駄目なんだ。俺、それで気持ち悪くなっちゃったんだよ」だって。

「生霊?マジかよ、そんなのわかるの?」って聞いたら、どうもAには分かるらしい。

「例えば、おまえでも、初対面の人に会って3分話してみて、いや、一目見て嫌悪感を感じる人間っているだろ?見た目がキモイっていうレベルじゃなくってさ」と、Aはそんなことを言い出した。

A「そういう人間ってのは、なにかしら憑かれちゃってるんだよ。あの課長程の凄い憑かれ方のやつは俺も初めて見たけどな」

俺「そんなに凄く憑かれちゃってるのか?あの課長」

A「うん、ああなっちゃうともう駄目だ。何をやってもね」

俺「生霊って、恨みみたいなもんなの?」

信じられなかった。確かに、前の会社のあの課長は尊敬できない人だったが、そんな強力な生霊が3人分も憑くものなのだろうか?

A「ああ、恨みっていうより執念、いや、怨念かな?」

俺「じゃあ藁人形とか、そういうことをどこかの3人がしてるって事?」

A「そうじゃないよ。思うだけでいいんだ」

俺「相手を恨むには、自分も代償を払わなくちゃいけないってよく言われるけど?」

A「そんなのは要らないんだよ。恨みを晴らす代償は、あの課長にされた色々な、嫌がらせなり、セクハラなり、パワハラなり、とても言葉ではいえないような汚いことをされた事で前払いしてるんだから」

俺「ていうと、頭の中であいつ氏ねとか思うだけで生霊が憑くってこと?」

A「そうだよ、こわいねー」

まあ、そういうこともあるのかな、と俺は思った。 あの課長なら恨まれても納得だ。

ちょっと気になったので、俺はAに聞いてみた。

俺「なあ、俺には生霊は取り憑いていない?」

A「お前にはじーちゃんばーちゃんしかついてねーよ。これからもお年寄りを大切にしろ」

どうせなら、若いねーちゃんに憑いてほしかった。

最後に、一番気になることをAに聞いた。

俺「それでさ、あの課長に憑いていた3人って、どんな人なの?」

A「1人は女の人だね。おとなしそうな感じだけど、よっぽどひどい目にあったみたい」

そうか、確かに前の会社は事務員さんがコロコロ変わっていた。噂では、あの課長が気に入らなければ即クビになったそうだ。

A「あとは男だ。1人はなんか思いつめてたなー。ああいうのが一番やばい。恨みに取り憑かれると、今の自分の生活なんか関係なく恨みつづけるからね。そのせいで更に状況が悪くなっちまう。恨む事で、自分の今の生活を駄目にしてるんだ」

なるほど、恨んでばかりいたら今の生活もままならないって訳だ。こいつ、いい事言うじゃん、と俺は思ったね。

A「3人めはね、お前だったよ」

おれかーwww( ´_ゝ`) そうかもしれないね。あの課長には本当に氏んで欲しいと思ってるからね。
それにしてもAは凄い。本物です。本当に見えてるんだね。

それ以来、なんかそういう力を信じるようになりました。





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