私の若い頃の話ですが、暇な方がいらっしゃったら聞いてやってください。

私の住んでいた島には天狗の道、蛇の道、天狗の棲家、まいしんきょう跡?などと呼ばれる道がありました。
名称は違えど同じ場所を指すのですが、その道は夜間になると通ってはいけない道となります。
2車線ほどの幅で3区画に分かれている島の地区を結ぶただの道なのですが、そこを通って家に帰ると親にバレて叱られます。

私の場合は祖父が親代わりだったのでよく叱られました。

はじめて蛇の道に行ったのは高校生になってすぐ。島の特権というかなんというか。私達は高校生になると親から原付がもらえます。(男だけ)
原付を与えられた高校生が一番はじめにする事は、女を乗せてドライブ。

大人に見つかると島中に噂が広まって「家に連れてこい」だのやいのやいの言われるので
まだ付き合ってすらいない状態であったりとか、別に気がない子を乗せたりもするので誰にも見つからない蛇の道へ行きます。
夜間は高校生にとって最高のたまり場です。大人は来ません。
蛇の道に居るとバレていたとしても絶対に大人は来ません。

学校が終わるとやることが本当に釣りくらいしか無いのでみんなそうして楽しんでいました。
不良もそうでないやつもみんな混じって喧嘩一つ無く

そして帰ったら怒られる。
夜中に帰るから怒られるんだとばかり思っていました。でもそれは違いました。

ある日、友人宅に泊まっていました。いつも蛇の道から帰る時刻は朝4時なのですが
その日も家に忘れ物(PSのソフト)を取りに帰った時刻も4時頃だったと思うのです。
しかし祖父には怒られませんでした。
泊まりに行くとか一言も言っていないのに普通に「おかえり」と言われて家に上げられました。

いつもなら塩をぶっかけられて月桂冠を庭に置いておくのに…と。

違和感を感じた私は祖父に聞きました。

「なんで蛇の道行った日と行ってない日がわかるの?」と。
そしたら祖父は「カラスがついてきてないから」と答えました。
そんなの気にしたこともなかったので少しぞっとしました。


なぜいけないか理由

そこは人に聞いても意見が様々なので端折って書きました。

・神聖な場所だから
・憑物を拾ってくるから
・狐に化かされる
・カワウソに騙される
・ヘビに喰われる
・めちゃくちゃでかい影の化物に襲われる
・天狗様が食事をするところだから(天狗なんて見たことないけど)

統計は取っていないけれど、一番多かったのが天狗様が食事をする所だからというのが多かったように思います。
特に天狗の伝説とかがあるような地域じゃないのでなんとも言えませんが。
夕方に道端のヘビをカラスが咥えて立ち去るのは何度か見たのでそういうのが関係しているのかなぁと思ったり思わなかったり。

先輩が信心深い人で氏んだ蛇の供養のために
蛇の道に入る前の大きな丸っこい岩に毎日葉っぱを置いてから入ると言ってましたからヘビに喰われるというのはそれが関係しているのかもです。

狐とかカワウソに化かされるというのは町内のマイク放送で朝方に迷子(老人だけど)の捜索を手伝え~みたいなのが過去に何度かあるんですが
2件経験したことがあって2件とも蛇の道で見つかってるのでそういうのが関係しているのかなぁと思います。

18年住んで狐もカワウソも見かけた事ありませんし、蛇に喰われたって人も聞きませんし、影の化物も見たことないですし
誰も憑物があると言われたこともないので全部迷信じゃないかなぁと思ってます。

でもカラスが毎回ついてきてると聞いた時は怖かったです。







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