93 :本当にあった怖い名無し:2011/05/27(金) 02:35:26.00 ID:tvhE12NcO
会社からの帰宅途中、時間は夜の7時ごろ
道端で黒い革の財布を拾った
中を開けるとお金は入っておらず、なぜか御札が1枚入っていた
カード入れの部分には運転免許証が差してある
近くに交番がないので、とりあえず自宅に持ち帰った
免許証に載っている住所をみてみると、落とし主は、僕の住んでいる区の隣の区に住んでいることがわかった
タウンページで調べて、本人に電話をかけたほうがいいのか迷っていると
部屋のチャイムが鳴った
ドアを開けると、免許証に載っていた顔とそっくりな男性が立っていた
小柄でおとなしそうな初老の男性
「アナタが私の財布を拾うのを見て、いっしょう懸命に後を追いかけてきんですよ」
「そうですか、今から交番に届けようと思ってたんですよ」
僕は適当に答えて、財布を返してあげた
男性は満面の笑みを浮かべてお礼を言い、財布の中から御札を取り出した
「この護符はとても大切なものなんです。お金には代えられないものなんです
ありがとうございました」
男性は何度も僕にお礼を言って、粗品だと言って紙袋を置いて去って行った
余分な手間が省けて良かったと思いながら部屋に戻った
すぐに、オカシイことに気付いた
僕が財布を拾ったのを見たなら、なぜすぐに声をかけないのか?
あの男は僕の後を尾行していたとしか思えない。 しかも粗品を抱えて
そう考えると急に怖くなった
恐る恐る紙袋から粗品を取り出した
包装紙をゆっくり取り去ると、中からクッキーの缶箱が出てきた、普通のクッキーの缶箱
箱を開けると、クッキーのかわりにビッシリと油揚げが詰めてあった
なんでこんなことをするんだ、あの男は?
あの満面の笑みは何だったんだ?
あんなに嬉しそうに笑う人間を見たのは、映画とドラマの中だけだぞ
なんで男と会話してる時にオカシイことに気が付かなかったんだ?
なにが余分な手間が省けて良かっただぁ?馬鹿か俺は?
……と僕は思いました
ちなみに、その油揚げはもちろん、捨てましたけどね
何がなんだかわかりません



