【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

実話怪談・都市伝説・未解決の闇・古今東西の2ch洒落にならない怖い話。ネットの闇に埋もれた禁忌の話を日々発信中!!




 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らない
のだけど結構面白い話を聞けた。

おやじは鑑定士の仕事もしていて依頼の品が大きな物の場合はお客の家まで出かけるため、喜一じいちゃんはその間店番をさせられた。
店番と言っても目利きが出来るわけでは無いので、売りに来たお客は明日にしてもらい、買いに来た客の相手だけ。

しかし田舎の質屋に客なんてほとんど来ない…ところが珍しく客が大きな荷物でやって来た。(まいったこりゃ売りか、鑑定の客だ)と思い帰ってもらおうとすると、ふろしきをドンっと置き、出て来たのは立派な朱い壷だった。
ボコボコしていて荒々しく、模様かと思えば木々の絵が黒い上薬で描かれていた。

おやじは居ないと言うと太った客は語りだした。
客は趣味で骨董を集めている方で、この壷は無名の作家の作品で価値のある物では無いのだけれど、人によっては全財産を投げ打ってもいいと言い出す人がいれ ばゴミ同前と言う人もいて、どういった物なのか詳しく知りたい、もし良く無い物ならどうすれば良いか聞きに来たそうだ。
フーンとまったく壷に興味の無い喜一は話を聞きながら壷の模様を目で追っていた…
すると壷から何かが聞こえて来た…

客はペラペラ語りだし止まらない。
「…それでね、私は後者側でこの壷の価値が解らないんだけど、前者の間でかってに呼ばれている名前があってね…」
喜一は「ヒグラシ!?」と言うと客はビックリしていた。
「そうなんだ、ヒグラシと呼ばれているんだ!何で解ったんだい?」
客に聞かれたが喜一にはハッキリと聞こえた。
壷をジーっと見つめるとヒグラシの鳴声が聞こえ、まさに夏の夕暮れそのものだった。

「お客さんコレ駄目だよ!!良く無い物だ、人の魂を吸い取る壷だお払いしなくちゃいけない、危険だからうちで引き取るよ」

喜一は思わず嘘をついてしまった。
喜一もこの壷に魅せられてしまった。何としても手に入れたくなったのだった。
慌てた客は壷を置いて行ってくれた。
喜一は壷を眺めながらとても良い事をしたと思い(あんな価値が解らない奴が持っているよりウチにあった方がよっぽどいい、それにタダでこんないい物を手に入れられたんだからおやじも喜ぶだろう)とほくそ笑んでいた。

ところが帰って来たおやじに喜んで壷の事を説明すると大目玉を食らった。
「バカやろうウチは鑑定屋だぞ、信用が第一なんだそんな事して商品手に入れてたんじゃ誰が買うってんだ!!物の価値を決めるのが商売、客の価値なんて誰がつけろって言った!!」と怒鳴られ結局壷は持ち主に帰されてしまった。

じいちゃんはもう一度ヒグラシに出会えたなら、全財産投げ打ってもいいと言っていたが戦争になって行方は解らなくなってしまったそうだ。


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 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた。

喜一じいちゃんが学校から帰ると店にうす汚い火鉢が置いてあった。
(客が売りに置いて行ったのかな?)マジマジ見ていると「そいつは価値のある物なんださわんじゃねーぞ」とおやじが奥から出て来た。
「えっ!?コレがぁ?」と眉を潜めるとおやじは「イワク付きなんだよ」と得意げに言うと喜一は慌てて火鉢から離れた。

イワク付きの物はウチは確かに多いが、いったい誰がそんな物を買うのかと聞くと「世
の中変わった物を欲しがる悪趣味金持ちがいっぺぇいるんだよ、そう言った顧客は大事にしねぇとな…」と笑っていた。


イワクと言うのはこんな話だった。
早くに事故で夫や家族を亡くした老婆は息子を異常に溺愛していた。
そんな家へ嫁が入り嫁姑戦争が始まった。
息子も頭を抱えていたが1年もすると姑が病で倒れ、
1年後には嫁の看病空しく亡くなってしまった。
悲しみに暮れた息子は母を溺愛していたがため奇行に走り、
妻に3食毎日、母のお骨を盛ったのだ。
息子はお骨を食べた人が妊娠するとお骨の主が宿るという言い伝えを信じていた。

何も知らない妻は子に恵まれ喜び、元気な女の子を産んだ。
息子と嫁は大事に育てたが奇病に掛り、日に日に赤子は痩せてしおれて行った。
嫁の看病空しく赤子は1年でまるで小さな老婆の様な姿になり、
ある日突然「この女があたしを殺したんだよ」と声を上げた。
嫁は大声で叫び人殺しと罵る我が子を火鉢へ突っ込んだ。
ところが赤子は嫁の袖をしっかりと掴んで離さず嫁にまで火が回って来たのだ。
嫁は助けてと叫んだが嫁を信じられなかった夫は家から走り去ってしまった。

気がつけばすべてが燃えてしまった後、残ったのはこの火鉢だけだった…。
毋が大事にしていた火鉢なので形見にと思ったのですが、毎夜毎夜火鉢からあの赤子がひょっこり顔を出すんです、私の名を呼びながら…と男は言った。
寺では無くウチへ持って来たのは火事の後で少しでも金が入るのだろう、足下を見ておやじは安値で買った。
 
「でもそんな呪われた火鉢なんか売って、客が呪われちゃったらどーすんだよ」と喜一が聞くと「俺だってプロだ。何か憑いてりゃ払って売るさ、客が死んじ まったら食ってけねぇからな!それにこの火鉢は呪われてなんかいねーよ。見た所タダの火鉢だ、化けて出て来るなんて男の後悔と罪悪感で紡いだ幻だろうよ。 呪われてるとすりゃぁ…」

それから数日後、新聞に奇声を上げ火事の中へ男が飛込み死亡という記事が乗った…おやじはパラパラと店の帳簿(売買いした客の名前、住所を記した物)を見るとニヤっと笑い「店番頼む」と言うと、新聞と火鉢を片手に上等な下駄に履き替え出かけて行った。

きっと今日はごちそうだ。
喜一が初めて複雑な気持ちという物を味わった話。





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 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから
私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた。

田舎なのもあるけどじいちゃんが小学生の頃は幽霊は勿論、
神様とか妖怪やら祟りなど非科学的な物が当たり前に信じられていた時代で
そう言った物を質屋に持ち込む人は少なくは無かったそうだ。
どういった基準で値段をつけていたのかは分らないが、じいちゃんは「おやじには霊感があったからそう言う神がかった物は見分ける事ができたんだ」と言っていた。

喜一じいちゃんの時代は電話が無かった。
無かったと言っても一般家庭での話でお役所や大手の企業等は所有していた。
喜一だって何度か市役所で見たことがあったが、
それでも少年にとっては未知の世界の機械。

ある日そんな特別な電話機を蔵で発見したのだ。
それはもう喜一にとっては大事だった。
蔵を飛び出しドタドタと縁側を駆け抜け店へと走る。
「何で何で!!電話機が蔵に!蔵に!?」
大興奮の喜一の言葉は片言だったが親父には充分だった。
「おめぇまた勝手に蔵に入りやがったな…」
じろりと喜一を睨んだが今の喜一には全く効果は無かった。
「なぁなぁあれしゃべれるんだろ?隣町のじっちゃんとも話せるのかな?」
目をキラキラさせながら話す喜一をしり目に親父は足の爪を切りながら
「あほう、家に電話線なんてあるか、それに電話機ちゅーのは向こう側にも電話機がねぇと話せねーんだよ。」
親父の冷めた口調に喜一の興奮もあっという間に冷めてしまった。
「この辺で電話機がある所っちゃあ市役所、軍の事務所、隣町の呉服屋ぐれーだろ、どっちにせよお前みたいなガキには縁の無い物だな」
ガキ扱いされた上にじゃまだと店を追い出され、すっかり喜一は機嫌をそこねた。

電話機はもう買い手が決まっているらしく家の蔵にいるのはほんの数週間、
電話機自体壊れていたがみえっぱりな金持ちの壁のオブジェになるそうだった。
(当時の電話は壁に掛る大きな物だった)
それでも喜一は親父の目を盗んで電話機の受話器を取って話しをしていた。
と言ってもただの独り言だ。
「…それで親父はカンカンだし、かーちゃんは大泣きするしで…」
「フフ…」
喜一の話に誰かが笑った。
「え?」
喜一は周りを見渡したが誰かがいるはずも無い。と言うことは電話の向こうだ。
「も…もしもーし、どなたですか?」
喜一がおそるおそる訪ねると
「…申し申し?」
返答があった。

親父のヤツ俺を電話機に近づけまいとして壊れてる何て嘘を付いたんだな。
そう思った喜一は嬉しくて嬉しくて電話の向こうに話しかけた。
「こ…こんにちは」
暫くすると
「こんにちは…声を出すつもりは無かったんだが君の話が面白くてね、盗み聞きになってしまったな、すまない」
相手はとても紳士な感じがした。
「そんなこと気にしなくていいよ、それよりさそっちは何県なの?」
喜一は電話の向こうが気になって仕方がなかった。
「そうだな…とても遠い遠い所だよ君の知らない所だ」
彼の答えに喜一は「外国!?遠いって蘭よりも遠いのか?」
そう聞くと彼は笑いながら
「そうだねきっと蘭よりも遠いだろう」
と答えてくれた。

それから喜一は毎晩親父が寝静まった後蔵で電話をした。
電話の話相手は喜一が受話器を取って「もしもし」と言うと必ず「申し申し」と答えてくれた。彼の話はとても面白くリアルだった。
ある日「おじさんはどんな仕事をしてるの?」
と喜一が聞くと彼は少し困った様に
「うーんそうだな前は人を幸せにする仕事をしていたんだ」
曖昧な答えに「幸せって?」と聞き返した。
「まぁいろいろあるけどたとえばお金とかが良く入るようにしていたよ」
それを聞いて喜一はかってに銀行関係の人だと思った。
「ふーん、じゃあ今は?」
今度の質問には少し彼の声のトーンが下がった。
「前の仕事は任期が終わってしまってね今は逆の仕事をしているんだ…でもまた暫くすれば幸せにする方の仕事に戻れるんだけどね」
喜一は考えた。
お金を与える仕事と逆って事は奪うんだな…きっとヤクザの取立屋だ!
銀行員になったり取立屋になったり、それは大変そうだと思った喜一は彼をねぎらったのだった。

そんな楽しい電話生活もあっという間に過ぎ、
とうとう明日電話機の受渡という日になった。
「申し申し…今日は何だか元気が無いね、どうしたんだい?」
心配されてしまった喜一は、ここが質屋で電話出来るのが今日で最後だということを彼に話し、寂しがった。
「そうか…それは寂しいね、でもよかった実は私もそろそろ自分の仕事を抑えるのが限界だったんだよ、君に迷惑がかからなくて良かった」
喜一には彼の言っていることが良く解らなかったが、彼も寂しがってくれている事が解ったので少し嬉しかった。

「最後に聞きたいのだが、この電話機の持ち主になる家はお金持ちかい?」
彼が不思議なことを訪ねた。
「?、うんお金持ちだよ、でも嫌なヤツだって親父が言ってたから明日からは電話しない方がいいかもね」
喜一がそう教えてあげると
「ハハハ…そうかそれならよかった…また会えるといいね」
彼の言葉に喜一は「まだ会ってないよ、いつか会えるといいねだろ?」
そう訂正し最後の電話を切った。

翌日、店に電話機の主人になる人が来た親父の横で電話機を見送ると
「お前ずいぶんと電話機と親しくなったみてぇだな」
喜一は心臓が飛び出るかと思うほど驚いた。
「なっな何のこと」白を切ろうとした。が親父にはお見通しだった様だ。
「お前があの貧乏神と仲良くやってくれたおかげで受渡まで家に災難は無かったし、むしろ売上上々だったしな」
さらに喜一は驚いた。
「貧乏神!?あの電話が?電話の相手は?」
「おめぇ繋がらない電話に人間が出るわけねぇだろ」
喜一には電話線と言う物がよく分かっていなかったのだ。

「ねぇ貧乏神なんか憑いてる物売っちゃっていいの!?」
喜一がハッと気づいて問うと「いくら何でも神さんを祓うわけにいくめぇ、それにあそこの親父は昔から嫌なヤツだからな少し痛い目に遭えばいいさ、金に困ればまた家に売りに来るだろう、その頃には福の神に変わってねぇかなぁ」
クククと喉を鳴らした親父は大きなあくびをして茶の間へと姿を消した。

喜一はあの電話の会話をいろいろ回想していると、
思い出した様に茶の間から顔を出した親父が
「今回は特別に泳がせてやったが、調子に乗ってまた蔵に入るんじゃねーぞ、次勝手に入ってみやがれ、裏の木に吊すからな」
そう言うとキッと喜一を一睨みし、喜一はブルっと身を強張らせた。
親父の恐ろしさを改めて思い知らされた今の喜一には充分効果があった。

それからあの電話機がどうなったかは解らない。
じいちゃんは初めて電話線が繋がっている電話をとるとき「申し申し」とまた聞こえないだろうかと期待したもんだと語っていた。





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 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから
私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた。

その日の喜一は店番をしていた。
喜一がレジ台に顎を乗せて晴天の空を恨めしそうに見上げていたとき
「もし、坊やここの主はどこかね?」
喜一はビクっと体を大きくはねらせた。
全く人の気配が無かったのに急に太った男が店の前に現れたのだ。
「えっと親父は骨董市に出かけてて夜まで戻らないよ」
喜一の言葉に男は急に挙動不振になった。
「どうしよう…どうしようか?…いやしかし…」
男は何やらぶつくさ言い出した。

男はもう水無月になると言うのに大きな虫食いだらけのコートを羽織り、
帽子を深くかぶっていた。
男のなりを見て、こいつは金に困ってガラクタを押し売りに来たタイプだな、動きがせわしないのはきっと取立にでも追われているのだろうと喜一は考えた。
男の独り言はまるで相談の様に「どうする?しかし時間が無いぞ、この子に任せてはどうだろう?でもこんなガキに全てを任せるのは…」

喜一は男の態度にイライラし
「おじさん冷やかしなら帰ってくれよ、今は買い取り出来ないからさ」
喜一がきつく言うと、男はガラクタがあふれ出るパンパンのカバンを悲しげに見つめて、無言で出て行った。

その日の夕方「おいキー坊」と店に駐在さんがやってきた。
「なななな何俺何にもしてないよ」
身に覚えは無いが喜一は体を強張らせた。
「はは、お前に用はねぇよ親父さんいるかい?」
今日の親父は人気物だ。
「夜まで戻らないけど親父がどーしたの?」
喜一の声に「そうか、困ったな、たぶんお前さんちの落とし物だと思って持ってきたんだけどよ、確認の仕様がねぇな」

髭をさすりながら駐在さんが荷車で運ばせた物は昼にきた客の持ち物だった。
持ち物だけじゃない服、靴、帽子全てだった。
「こんな骨董品扱ってるの何てお前さん家ぐらいだろう?でも落とし物としては不自然でな、カバンの中だけじゃなく服の中にまでパンパンに骨董品が詰まっててよ、帽子の中にまでだぜ?」
喜一はごくりとつばを飲んだ。
何かが起こった、もしくは起こっていると感じたからだ。

駐在さんには見覚えがあると言い、荷物を店で預かり一つ一つを広げてみた。
乱雑にガラクタが詰まっていた鞄の中から一つだけ立派な桐の箱が出て来た。
「へその緒か?」
喜一は箱の中が気になったが恐ろしさもあったため箱は開けず、
親父の帰りを待つ事にした。

夜になり親父が帰って来た。
喜一は店から居間に入り玄関の親父の元へと走った。
「親父!ちょっと来て!」
喜一の声にほろ酔いだった親父の目つきが変わる。
店に入りガラクタの山を見るなり
「そうか、そうだったか…喜一、俺宛の郵便持って来い」
喜一が何を言うわけでもなく親父には何か解ったのか喜一に命令した。
親父はここ3日、他県の骨董市(一種の寄合)に顔を出していたため、
2日分の郵便物が貯まっていた。
親父は一つのハガキを見つけるとため息をつき
「すまなかったなぁ…」
とガラクタに向かってぽつりと言った。

親父は数ヶ月程前旧友の家に招かれた。
古い納屋を近々取り壊すため中の骨董品を鑑定して欲しいと言われたのだ。
高値で売れれば骨董品を頭金に納屋を新調しようとしていたのだが、
どれも商品になる様な物は無く旧友は納屋の新調を先延ばしにする事にした。
ガラクタばかりだったが親父は何かを感じたのか、納屋を取り壊す際に骨董品を引き取らせて欲しいと言い、旧友も快く承諾した。

ハガキは「言い忘れていたが取り壊しを2日後行う」と言う内容の物。
あのガラクタ達は納屋ごと捨てられるのを恐れ、親父の約束を信じここまでやってきたのだ。小さな小さな力を集めぎゅうぎゅうになってここまで来たが親父は留守。
そして道ばたで力つきたのだった。

「これは?」
親父が桐の箱に気付いた。
「こんな物あいつの家で見なかったが…」
親父が桐の箱を開けた。
「こいつは…凄いな…」
中には綺麗な石が入っていた何かの宝石の様だ。
自分達がお金にならない事を分っていたのか、喜一にはそれが引き取り金に見えた。
「はは…律儀なもんだな」
そう言うと親父は一つ一つを磨きだした。

ガラクタの中には何に使うのか分らないような古い道具まであった。
修理された後があり大切に使われていた事がわかる。
喜一は後悔した。昼間の事を。
ガラクタを丁寧に磨く親父の背中を見て、喜一は物も人にも大切に接すればいつか自分にもこんな素敵な奇跡が起るだろうか?
そんな事を思いながら親父と一緒に遅くまでガラクタ達を磨いたのだった。





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前回の話


595 :卵係:2010/06/04(金) 22:26:11 ID:isk1iEI9Q
やっと仕事終わった、帰宅途中に書き込むよ。

うちの一族に憑いてるらしい蛇らしき物との関係。
爺さんが言うには契約みたいなもんらしい。
ただ詳細を知ってた爺さんが亡くなった事で、契約?内容を知る者はいないから分からないんだよね。
卵を差し出す事で何か良い事があるって事は分かってんだが、それが何かが分からない。
俺が係になってから変わった事と言えば…
①下戸だったのが酒を飲める様になった。
②貧乏で生活が苦しいかったのが、食い物に困らない生活水準になった。(普通の生活になった)
③便秘でつらいのが下痢しやすい体質?に。
何だろ?蛇は無関係な気もするが…。

さて家に帰るよノシ


596 :卵係:2010/06/04(金) 22:43:40 ID:isk1iEI9Q
書き忘れ。

一族の他の人間が知らないのも、卵係しか詳細を知らず身内にも話してはならないらしい。
伯父に葬式の時に聞いたけど、「棚番の者にしか話せない」と爺さんに言われたと聞いたよ。
その棚番に指名された俺が知らないってのも問題な気がするけども。
まぁ資料も何も残ってなかったから調べようが無いんだ。
婆さんにも聞いたけど、「お前には迷惑をかけられん」って爺さんに言われて、聞けなかったみたいだ。

色々試したんだよね。
卵ってパック売りで1個単位で売ってないよね。
1パック買ってもアレルギー持ちの俺には食えない。
6個入り買って棚に6個並べて、「残っても悪くなるから全部持ってってくれ」と声かけるだろ?
なのに2個しか持ってかない。4個は痛んでも放置なんだよ。
爺さんは1個て言ってたが、食わないから捨てるのも何だし持ってけっても2個だけ。
何なんだろか?どういう契約してんのか説明があっても良いんじゃねーか?って思うんだ。
だけど説明どころか何も無し。
神様なのかも分からないし…。


604 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 06:40:04 ID:va4Ali+h0
私は温泉卵が好きです


605 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 07:11:34 ID:GEAYThLuO
エッグチョコだとどうなんだろ?
あとウズラの卵とかさあ


613 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 11:38:08 ID:bMuTvrAF0
>>595
①に関しては、巳(み)ぃさん(=蛇)は大酒を飲むよ。
ヤマタノオロチも樽に入った酒を飲みつくしたし、蛇=ウワバミ=大酒呑み、って言う位だし。

持ってく卵の数が最大で2個というのは、『数』が関係あるのかも。
1は陽、蛇は陰で陰陽調和もあるし、大極図の片割れは1つの丸を飲み込んでいる。
2は素数ってのもあるし、陰(蛇も陰)という意味もある。
1・2なのは、もっとも『はじまり』に近いからではないか、と思う。


615 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 11:40:45 ID:wMO9BR5F0
うわばみはただの伝説や


616 :613:2010/06/05(土) 11:45:20 ID:bMuTvrAF0
②に関して言えば、蛇は金運を上げてくれるともいう。
「蛇の脱皮した皮を大事にとっておけば金運が上がる」
「白蛇は金運が上がる」
「宇賀神( うがじん;水辺に住んでる神様。 蛇のボディに白髪のじいちゃんヘッド。弁天様の眷属とも言われる)
 は、お金をくれる」
こういった言い伝え、聞いたことないかな。
蛇皮の財布とか売ってるのはそういう絡みだし。

③の下痢は、体質が『陰』だとなりやすい。
蛇も『陰』だね。


617 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 11:48:06 ID:bMuTvrAF0
>>615
説明が足りなかったかな。
大酒呑みのことを「あいつはウワバミだからw」と昔(昭和時代)は言ったんだよ。
最近はどうか知らないけど。
で、大酒呑みのことをウワバミ(蛇)というのは、
ヤマタノオロチ始めさまざまな伝説とそのイメージが元になっている、ということ。


619 :卵係:2010/06/05(土) 13:12:38 ID:JuoOwruGQ
色々な情報に感謝してますm(__)m

つか蛇憑いてると金持ちになるんなら、何故に俺は普通の生活水準なんだろ?
卵の大きさの問題?なら、ダチョウの卵なら良いんだろか?高いみたいだけど…。
エッグチョコを供える件、試してみ…腹痛は大丈夫?マズくないか?
色々試したんだけど、鶏卵の種類を変えても変化無いんだよね。ヨード卵とか。
卵の他に『コッコ』なる菓子を供えたけど、放置だったり。
エッグタルトも無反応。一緒に置いた生卵のみ消えてた。
友人の旅行土産に貰った、浦安にあるネズミランドのクッキーも駄目だったし。
温泉卵は棚から落ちてた。(横に置いた生卵だけ無くなる)
線引きがイマイチ分からないorz


624 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 14:39:30 ID:7mtyZDFF0
ウズラの卵はどうだろう。
時期が合えば、ツバメの卵を一つ失敬して供えてみるとか
魚の卵ということで、イクラとかタラコ、カズノコあたりはどうか


626 :卵係:2010/06/05(土) 15:34:13 ID:JuoOwruGQ
卵を小さなサイズにして大丈夫だろか?
量が少ない

蛇らしき何か「卵係!許すまじ!」

蛇らしき何か「痛い痛いになーれ」(AA略)
こうならない?
一応、普通の卵を置いてオマケに何かを置いてるんだよね。
あの激痛は勘弁してほしい。立てなくなるし、痛みで気絶は耐えれないから。


627 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 15:40:06 ID:CkDmHc8KO
それだけ試してもあからさまに悪い事は起きてないんだよね?
ずいぶん寛容な蛇さんだなw


629 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 15:50:20 ID:+YUMbyTa0
この風習を自分の子供か孫にも背負わせるつもりなのですかね
どうにか考えたほうがいいのでは


631 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 16:25:54 ID:puYjekp40
背負わせるっていっても、月初めに卵置くだけなんだろ
置かなかったら腎炎になるけど


632 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 16:30:11 ID:7mtyZDFF0
鳥類の伝染病によって日本の養鶏業が壊滅したとき、卵係の家系も絶えるという訳かw


633 :卵係:2010/06/05(土) 16:33:58 ID:JuoOwruGQ
子供に継がせるかは考えてないけど、係を廃止した時の罰が恐いし…。
仕方ないけど継がせるしか無いのかな、とも思うんだよな。

試しに色々やったのは、契約?してる相手が何なのか知りたいからなんだよね。
何でも良いから手掛かりが欲しくて。
でもチョコエッグや小玉卵は罰を喰らいそうじゃないか?
腹かいた時の対応も、よく分からないし。
つか卵係になって16年も経つのに、誰なんだって話だよなぁ。
未だに誰だか分からないまま、卵を置いてるし。


634 :本当にあった怖い名無し:2010/06/05(土) 16:38:50 ID:7mtyZDFF0
よく考えたら、じいさんが死ぬ時に引継ぎしなかったらよかったんじゃ?
罰があたってもどうせ寿命残ってないんだし。
卵係を継承しなかったらどうなるんだろな。


635 :卵係:2010/06/05(土) 16:40:43 ID:JuoOwruGQ
腎炎は経過の途中なんだよ。
腎炎→機能障害→腎臓壊死→透析→…、これが爺さんの流れ。
腎炎→機能障害→腎臓壊死(片側)、俺の母親がこの状態。
腎炎→機能障害→卵を2個置いたり奮発→少し回復して腎炎(たまに発症)、俺はまだ軽症なんだよな。
悪化すると治らないらしく、戦々恐々だよ。


637 :卵係:2010/06/05(土) 16:43:28 ID:JuoOwruGQ
引き継がなかったら…養鶏農家の壊滅を待たずに滅亡…か?
シャレにならないよ!

では仕事に戻るよノシ

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540 :①:2010/06/04(金) 08:03:49 ID:isk1iEI9Q
うちの一族について書いてみる。
みんな読んで。俺の疑問に答えれる人は是非教えて欲しい。

今から20年位前、俺は母方の爺さんに教えられた事がある。
爺さん「うちの一族は蛇憑きだ。一族の誰かが月の始めに卵を1つ棚(爺さん宅にある神棚)に置く義務がある」
俺「置くの忘れてたら?」
爺さん「血が出て苦しむ」
俺「何を言ってんだ?」(゚Д゚)ポカーン
血が出るって何だよ?生理かぁ?
笑ってた俺は当時、高校生だった。


541 :②:2010/06/04(金) 08:16:34 ID:isk1iEI9Q
そして3年後、爺さんが危篤になって病院に俺が呼ばれた。
俺に遺言があると爺さんは言う。
爺さん「どうやら次はお前が棚番みたいだ。後を頼む」
俺「卵係かよ!」爆笑する俺。
今まで怒った事のない爺さんが激怒して忠告してきた。
爺さん「お前はアレの恐ろしさを知らんから!腎臓をやられるんだよ!」
まぁ爺さんは透析を受けてるのは知ってるが。
爺さん言わく、爺さん→お母ん→俺と腎臓がやられる流れらしい。ふざけんな。
それで棚に卵を置くという事なんだと。
で、爺さんは俺に卵係を指名して亡くなった。


542 :③:2010/06/04(金) 08:26:59 ID:isk1iEI9Q
特に詳しく説明しないまま亡くなった爺さんにムカつきながらも、
可愛がってくれた爺さんの頼みだからと卵係をはじめた俺。
毎月始めに棚に卵を置いとくと、数日後に卵が消えてる。(マジックショーか?)
一回、卵係を忘れてた時は地獄だった。
何故か血尿が出て痛みに耐えれず救急車で病院送りに。腎炎らしいが原因不明。
危険を感じた俺は、嫁さんに卵を2個置く様に頼んだ後、失神。
嫁さんが卵を棚に置いたからか、痛みが消えた。
未だ原因不明のままだが、同時期に県外の妹も腎炎で入院。


543 :④:2010/06/04(金) 08:37:31 ID:isk1iEI9Q
いつから卵係の取り決めが決まったのかは分からない。
棚はどこにでも売ってる神棚。爺さんが言うには何でも良いらしい。(中にご御神体等は無し)
以前のは爺さんが汚かったから捨てたと言ってた。
蛇に取り憑かれた一族なのは仕方ないし、卵係も例の痛みが恐いから仕方ない。
俺が前から気になって仕方ない事は、「消えた卵はどこに行ったんだ?」って事なんだ。
何度か確認してやろうと棚を見張るが、ちょっと目を離した隙に卵が無くなってる。
毎月卵を見張るがいつの間にか消えるんだよな。

卵がどうなると消えるか分かる人はいないか?


544 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 08:50:01 ID:ZVaJneZq0
>>543
蛇憑きなら、使いの蛇が持ってくんじゃね?
1cmの隙間があれば結構なサイズの蛇が出入りできる筈。


545 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:02:04 ID:7dRY9GJw0
監視カメラ設置推奨w
案外、無意識(トランス状態)のうちに自分で取り除いてたりして

>>544
卵がその隙間を通れないじゃん


546 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:21:16 ID:Pd/ShUftO
卵が隙間を通れない?
飲んで砕く


547 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:21:32 ID:D51sEGEQ0
蛇は丸呑みした後に自分の体の中で殻を割るなんて簡単だよ


548 :卵係:2010/06/04(金) 09:23:19 ID:isk1iEI9Q
おかしいんだよな…俺、係になってから何度か引越ししてんのね。
で今はアパート暮らしなんだけど、家に卵のL玉が通り抜ける隙間とか無いんだよ。
それに、俺自身が卵を喰うってのも無い。卵アレルギー持ちだから。
嫁さんが喰う訳でも無いんだよ。
嫁さんと知り合う前から卵が消えてるんだから。
俺が気にしてる理由は、どこかに消えた卵が腐って出て来るかも?ってのが嫌だからなんだよ。
カメラ付けたが良いんだろか?


554 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:45:10 ID:IppeZ8Wu0
>>548
カメラ設置いいね

家に帰って録画を見てると、家のドアを開ける音がして神棚に向かってくる足音が近づいて、
包丁を持ったヤバそうな女が神棚の卵に手を伸ばしてパクリ、その後襖を開ける音と閉める音。
それから、また家のドアの開閉音、ビデオに手を延ばすお前で終わってるんだろw


555 :卵係:2010/06/04(金) 09:46:20 ID:isk1iEI9Q
卵係になって5年位かな…当時働いてた会社が出張の仕事だったんだ。
全国の色んな所で働いたよ。
で出張先の宿ね、テーブルの上に卵を置いておくと消えるんだよ。
俺が思うに棚も無関係で、何者かが卵を持って行ってるんだ。
ただ自宅の1人暮らしの時も棚の卵が消えてるの。
どういう事コレ?
プレデター的な目視できない何かが卵を?
訳が分からないよ。


556 :卵:2010/06/04(金) 09:50:17 ID:isk1iEI9Q
>>554
ちょっ恐い事を言うな!
寒気がするだろ!仕事終わって家に帰れなくなるだろ!
つか嫁さんが気になって来た…。嫁さん自宅に居るのに。


557 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:50:31 ID:Pd/ShUftO
誰でも考えるはずのカメラ設置をやらない不思議


558 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:51:51 ID:7dRY9GJw0
ああ、分った。
蛇の神様が乗り移って、自分で丸呑みするんだ。卵係の体を通じて蛇神様が食べている。
んで、乗り移られてる間の記憶は無いわけ。
これしかない。


559 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:53:23 ID:D51sEGEQ0
それだと神棚の意味が無いと言うか、基本自分の周りに卵置いておけばいいんだなw
ある意味逆に楽っちゃ楽な環境だよ。
毎月月初めに本家の神棚に卵を置くとかじゃないなら、家の習わしとしてやっておけばいい。
別段困ることじゃないし、変に勘ぐったりしないでさ。
この時代に東京在住なのに、宗教的な習わしで家に四足の物を飼えない家もある。
お稲荷さんを崇めてる家なんだけど、お父さん以外は犬猫大好きなんだよね。
なんか可哀想っちゃ可哀相だなぁと思う。
家によって色々あるんだなぁって話。


560 :卵係:2010/06/04(金) 09:54:25 ID:isk1iEI9Q
>>557
昔、気になってカメラ(音センサーで撮影する業務用カメラ)を借りて置いた事があるんだ。
結果何も写してなかったよ。試しに手を叩いて写した俺の顔アップ写真が1枚だけ。


561 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 09:59:40 ID:Pd/ShUftO
卵も映らない?


562 :卵:2010/06/04(金) 10:01:35 ID:isk1iEI9Q
>>558
俺が卵を?喰うと顔中に湿疹が出来るから分かるだろ?
それに卵はあまり好きじゃないんだよ。

>>559
楽って言うか習慣みたいな感じだから慣れてんだけど、卵が消えるのが気になるんだよね。
嫁さんも家に居るけど、卵係の影響は全く無いみたいだし。
何なんだろうな卵係って?そもそもの発端が分からないからなぁ。


563 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 10:06:04 ID:isk1iEI9Q
>>561
顔写真撮影時は卵写ってたよ。
帰ってカメラ確認時は卵は無かったと思う。
かなり小さい音でも写し出すはずのカメラに写らないって…。


564 :本当にあった怖い名無し:2010/06/04(金) 10:09:42 ID:7dRY9GJw0
>>562
いや、そこは神様の力ということで。体内で異次元に吸収されてるとか、そんな感じw

ところで、いつも卵をおいて、どのぐらいの時間で消えるの?


566 :卵係:2010/06/04(金) 10:20:51 ID:isk1iEI9Q
消える時間はまちまちなんだよね。
見てない時は朝置くと、昼前には消えるんだ。
何とかして卵の消える所を見ようと、監視した時は深夜まで消えなかったし。
今月も朝置いて10時過ぎには消えてた。

そろそろ仕事に戻るよノシ

続きは【神様系】蛇憑き  其ノ弐



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これは私が小学校3年生の頃のお話です。

当時私と同級生達は、自宅から自転車で30分程の所にある山で良く遊んでいました。
山と言ってもほんの10分程で頂上まで登れる小さな山で、
中腹には公園が、山頂には小さな神社がありました。

山は町の中にあるので、休日などは森林浴をする老夫婦や、
ウォーキングをする中年の男性、公園に遊びに来た親子など多くの人で賑わう場所でした。

中腹にある公園には、近所の公園にはないような立派な遊具がたくさんあり
私も同級生達も毎日、日が暮れるまで夢中になって遊んでいました。

 秋のある日、いつものように山の中の公園で遊んでいると
同級生の一人M子が山頂へ行こうと誘ってきました。

山頂には小さな神社があるだけです。
楽しい遊具も、砂場もありません。

「どうして山頂なんかに行くの?」

私がそう尋ねると
M子は、神社の裏の森にフクロウがいると聞いたから見に行きたいと話しました。

時間は夕方5時過ぎ、夕日が沈み掛けて辺りは少し薄暗くなりかけていました。
門限の6時までには帰らないと…そう思いましたが
M子はどうしてもフクロウが見たいと駄々をこねました。

結局M子の駄々に負けて山頂へ行く事になりました。

 公園から歩いて5分山頂に着きました。
夕方の神社には勿論誰もいません。

M子が言っていたフクロウがいるらしい森は朱色の柵で入れないように囲われています。
森の背の高い木々がザワザワと風に揺れ、辺りは妙に静かで怖くて
内心「早く家に帰りたいな」と思いました。

すると、森の中に入れそうな所を探しに行っていたM子が嬉しそうにこちらに走り戻ってきました。

「森の入り口見つけた!」と言うM子に連れられ、その入り口の前に来ました。

その入り口は異様な見た目をしていました。

朱色の柵はそこだけ何者かに破壊されたように折れていて
柵がなくなった部分に錆びた有刺鉄線が張り巡らされていたのです。

私はそれを見た瞬間心底恐ろしくなりました。

他の同級生達も私と同じだったのでしょう。
みんな怯えた表情をしていました。

しかしそんな私達の様子に目もくれずM子は有刺鉄線の隙間から森へと入っていきます。

「M子止めようよ」

「危ないよ」

「もう帰ろう?」

私と同級生達はM子を引き留めようと声を掛けます。
しかしM子は「せっかくここまで来たんだから」と聞きません。

結局私達はM子を説得出来ず、ビクビクと怯えながら森の中に入りました。
日が完全に暮れて、辺りは更に薄暗くなっていました。

森の中は落ち葉がたくさん積もっていてフカフカとしていました。
しかし、地面の起伏が激しく一部落とし穴のようになっている所もあり、
私達は何度も転びそうになったり、足を捻りそうになりながら歩きました。

 森に入り10分程歩いた頃でしょうか、
先頭を歩いていたM子が「向こうに家がある」と指さしました。

確かに50メートル程離れた所に家のような建物が見えました。

何故こんな森の中に家が?
私は不思議に思いました。

「行ってみようよ」とM子に促され
私達は進路を変え、その家の方へと歩き出しました。

建物のすぐ側に到着しました。
建物は木造の家のような外観でした。
近づいてみても人が住んでいる気配は感じられませんでした。

私は歩き疲れたのもあり、建物の側に立ち外観を観察していました。

するとその時「ああぁぁぁ!」と同級生達の叫び声が聞こえました。
次に「どうしたの!?」と言うM子の声と、M子が同級生の元へ走り寄る音が聞こえました。
そして数秒後、今度はM子の悲鳴が聞こえました。

何があったのか、私は悲鳴の聞こえた小屋の裏側へと向かいました。

最初に見えたのはガタガタと体を震わせ立ちすくむM子の姿でした。
その次に見たのはM子の足元で身を寄せ合いグスッグスッとすすり泣く同級生達の姿でした。

「ねえ!どうしたの!?」

私が声を掛けると、M子がゆっくりと小屋の壁の方を指さしました。
私はその方向を見ました。

それは恐ろしい光景でした。

そこには風化して体が崩れ原型を留めていないものや
首が折れているもの、顔が割れているものなど朽ち果てた大量のお地蔵様がありました。

家だと思っていた建物は地蔵小屋だったのです。

私はその光景を見てゾワリと全身に鳥肌が立ち、恐怖でその場から動けなくなりました。

その時です。

背後からガサガサと落ち葉を踏む音が聞こえてきました。
私達は首だけを動かし一斉に音のする方向を見ました。

M子がポツリと呟きました。

「誰かくる」

落ち葉を踏む音が近づいてきました。
しかし私は恐怖から動く事が出来ませんでした。

ガサガサ、ガサ、ガサガサ

落ち葉を踏む音が更に大きくなり
見えない何かが確実に近づいてきます。

逃げなければ、ここから逃げなければ…。
内心そう思っているのに体は動きません。

するとその時。

「走って!」

M子の大きな声が辺りに響き渡りました。
そして次の瞬間、私と同級生はM子に手を引かれ、引きずられるように走り出しました。

起伏の激しい悪路を何度も転びそうになりながら必死で走りました。
背後からは相変わらず、私達を追いかけるような落ち葉を踏む音が聞こえてきます。

一体何者が私達を追いかけてきているのか、
私は恐怖と好奇心の入り混じった気持ちで走りながら顔を後ろに向けました。

するとそこには真っ黒な人影のようなものがものすごい勢いで走っている姿が見えました。
その姿を見た私は、恐ろしいのにその人影から目を離すことが出来なくなりました。

「出口!出口だよ!」

M子の叫ぶ声が聞こえました。
その声にハッとして私は前を向きました。

その瞬間、額に鋭い痛みが走りました。
出口に巻かれた有刺鉄線が額を掠めたのです。

「痛い!痛い!」

突然の痛みに私は森を出たすぐ側でしゃがみこみ叫びました。
傷口を抑えていた手を放すと、手には血がべっとりと付着していました。

同級生達は心配そうな顔で私を見ていました。
M子は強張った顔で森の方を見ていました。

「まだ追いかけてくる…」

M子はそう呟くと、同級生と痛みで座り込んでいる私の手を無理やり引き走り出しました。

 その後、なんとか無事に下山し家まで帰り着く事ができました。
家に着いたのは門限の時間がとうに過ぎた夜の8時、
しかも大怪我を負って帰ってきたものでしたから親にはこっぴどく叱られました。

それから私もM子も同級生達も山で遊ぶ事を禁止されました。
それ以来あの山には行っていません。

あれから16年、私の額にはまだあの日の傷跡が薄っすらと残っており
傷を見る度にあの体験を思い出します。




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