人類はどこへ向かうのか? という問いに対する答を生態学から探求しようという試みとして、過去にとても面白い実験が行われた。
動物の特定の種の個体数はどのように決まるのか。たいていの場合、動物は捕食者と被食者の関係性「食物連鎖(食物網)」によって生態系が形づくられ、種の「人口(個体数)」が決定される。
では、捕食者である「天敵」のいない、ある意味「パラダイス」ともいえる環境では、動物はどうなるのだろうか? という、マウスを使った一連の実験が1960~1970にかけて行われた。
種の個体数は無制限に増え続けるのか?
パラダイスでの動物社会はどのような発展をとげるのか?
この実験は、「天敵」のいない人類の行く末を占う手がかりともなるものであった。
そのなかでも特に有名な実験は、動物行動学者のジョンB.カルフーンによって行われた「Universe 25」である。その実験結果にとても面白い・・というより恐ろしいく考えさせられる。
実験は1970年ころに行われたものだそうです
もしマウスに食料や水を充分に補給し、病気を予防して天敵のいない環境に住まわせたら、どのように個体数が増え、どのような行動パターンによって社会を作り上げてゆくのか?
「Universe 25」は、まさにそのような環境を整え、大規模な、そして人工的な「世界」を造り上げ、そこにマウスを放つという実験であった。ジョンB.カルフーンは5年を越える期間にわたって何世代ものマウスを観察し続けた。
動物の特定の種の個体数はどのように決まるのか。たいていの場合、動物は捕食者と被食者の関係性「食物連鎖(食物網)」によって生態系が形づくられ、種の「人口(個体数)」が決定される。
では、捕食者である「天敵」のいない、ある意味「パラダイス」ともいえる環境では、動物はどうなるのだろうか? という、マウスを使った一連の実験が1960~1970にかけて行われた。
種の個体数は無制限に増え続けるのか?
パラダイスでの動物社会はどのような発展をとげるのか?
この実験は、「天敵」のいない人類の行く末を占う手がかりともなるものであった。
そのなかでも特に有名な実験は、動物行動学者のジョンB.カルフーンによって行われた「Universe 25」である。その実験結果にとても面白い・・というより恐ろしいく考えさせられる。
実験は1970年ころに行われたものだそうです
もしマウスに食料や水を充分に補給し、病気を予防して天敵のいない環境に住まわせたら、どのように個体数が増え、どのような行動パターンによって社会を作り上げてゆくのか?
「Universe 25」は、まさにそのような環境を整え、大規模な、そして人工的な「世界」を造り上げ、そこにマウスを放つという実験であった。ジョンB.カルフーンは5年を越える期間にわたって何世代ものマウスを観察し続けた。
第1フェーズ 個体の増加
空間の中には15匹以上入れる巣作りのスペースが250程あり、3,000匹以上を収容できるようになっています。
ネズミにとって過ごしやすいこの空間では、ネズミの個体数は倍々で増え続け、最初8匹だったネズミが315日ほど経ったときに620匹まで増えました。
このまま順調に増え続けるかと思いきや、ここから出生率が減少していきました。
個体の増加も緩やかになっていきます。
空間の中には15匹以上入れる巣作りのスペースが250程あり、3,000匹以上を収容できるようになっています。
ネズミにとって過ごしやすいこの空間では、ネズミの個体数は倍々で増え続け、最初8匹だったネズミが315日ほど経ったときに620匹まで増えました。
このまま順調に増え続けるかと思いきや、ここから出生率が減少していきました。
個体の増加も緩やかになっていきます。
各スペースに均等に散らばればより過ごしやすいと思うのですが、13匹しかいないスペースと、100匹以上のネズミが窮屈に暮らすスペースに分かれていきます。
第2フェーズ 格差社会
マウスの中に格差が生じてきました。
支配するものと支配されるものとに分かれはじめたのです。
明らかにゆったりと生活している個体13匹(支配者)と、それ以外の、窮屈に生活している大多数の個体(被支配者)に別れました。
支配するものと支配されるものとに分かれはじめたのです。
明らかにゆったりと生活している個体13匹(支配者)と、それ以外の、窮屈に生活している大多数の個体(被支配者)に別れました。
ゆったりと生活ができているネズミと窮屈に生活しているネズミ。
315日目以降、ネズミの社会に格差ができてきていることがわかりました。
ネズミ同士で争いをし始めて、ボスになろうとする権力闘争が起きるようになりました。
2世や3世の新たに生まれた子ネズミも、成長すると争いをするようになりました。
こうしてボスになったネズミはゆったりと空間を利用することができました。
またボスに囲われたメスのネズミは子煩悩になり、子ネズミの世話を良くしていました。
ここでの出産後の子ネズミの死亡率は50%に保たれていました。
争いに負けて窮屈に暮らすネズミたちは一斉に餌を食べに行くようになり、同じ時間に眠りにつくようになり集団行動するようになりました。
315日目以降、ネズミの社会に格差ができてきていることがわかりました。
ネズミ同士で争いをし始めて、ボスになろうとする権力闘争が起きるようになりました。
2世や3世の新たに生まれた子ネズミも、成長すると争いをするようになりました。
こうしてボスになったネズミはゆったりと空間を利用することができました。
またボスに囲われたメスのネズミは子煩悩になり、子ネズミの世話を良くしていました。
ここでの出産後の子ネズミの死亡率は50%に保たれていました。
争いに負けて窮屈に暮らすネズミたちは一斉に餌を食べに行くようになり、同じ時間に眠りにつくようになり集団行動するようになりました。
本来ネズミは1匹で活動するはずなのに、1匹で餌を食べているネズミはどこか不安そうで、やがて多数のネズミと行動を共にするようになりました。
ここで暮らすオスは、性別を問わず無差別に強姦してしまいます。
また、メスは巣作りがうまくできませんでした。子育てもできず、産んだ子供を運ぶときに落としてしまい、ほかのネズミに食べられたりしました。 餌はたくさんあるにもかかわらず、、、
ここでの出産後の子ネズミの死亡率は、90%でした。
一部のネズミは、引きこもりとなりました。
引きこもりのネズミは争いをしないため、キズはなくキレイで健康的な身体をしています。
いわゆる「美しいマウス(beauiful mice)」が現れました。彼らはメスと交尾することや、自分らのスペースのために戦うことを拒みました。彼らが食べることと寝ることしか考えていませんでした。
ここで暮らすオスは、性別を問わず無差別に強姦してしまいます。
また、メスは巣作りがうまくできませんでした。子育てもできず、産んだ子供を運ぶときに落としてしまい、ほかのネズミに食べられたりしました。 餌はたくさんあるにもかかわらず、、、
ここでの出産後の子ネズミの死亡率は、90%でした。
一部のネズミは、引きこもりとなりました。
引きこもりのネズミは争いをしないため、キズはなくキレイで健康的な身体をしています。
いわゆる「美しいマウス(beauiful mice)」が現れました。彼らはメスと交尾することや、自分らのスペースのために戦うことを拒みました。彼らが食べることと寝ることしか考えていませんでした。
しかし、他のネズミに興味を示さず、交配をすることはなくなりました。
他のマウスとの関りを避けて暮らすようになり、ほかのネズミからも避けられるようになりました。
第3フェーズ 死の段階
560日目からは、個体数の増加は完全に停止してしまいました。
600日目からは、死亡率が出生率を上回ってしまいます。
新しい世代のネズミは、交配や子育て、領土を守るといった概念がなく、食事や身だしなみを整えることに時間を使いました。
この後、徐々に交配や社会への関与を拒否したネズミが、ギャングを形成して略奪などを繰り返すようになりました。
920日目に最後の妊娠を確認されましたが、生まれることはありませんでした。
そして、1780日目には最後のオスが死亡して、あとは滅亡を待つのみとなってしまいました。
この実験は25回行われており、その全てで同じ結果となってしまっています。
ちなみに、実験者はさらに25回繰り返し、そのたびに結果は同じだったそうです。
他のマウスとの関りを避けて暮らすようになり、ほかのネズミからも避けられるようになりました。
第3フェーズ 死の段階
560日目からは、個体数の増加は完全に停止してしまいました。
600日目からは、死亡率が出生率を上回ってしまいます。
新しい世代のネズミは、交配や子育て、領土を守るといった概念がなく、食事や身だしなみを整えることに時間を使いました。
この後、徐々に交配や社会への関与を拒否したネズミが、ギャングを形成して略奪などを繰り返すようになりました。
920日目に最後の妊娠を確認されましたが、生まれることはありませんでした。
そして、1780日目には最後のオスが死亡して、あとは滅亡を待つのみとなってしまいました。
この実験は25回行われており、その全てで同じ結果となってしまっています。
ちなみに、実験者はさらに25回繰り返し、そのたびに結果は同じだったそうです。
この結果、みなさんはどのように考えますか?