206 :ちーばくん :2014/11/15(土)01:56:00 ID:???
久々に…
寅さんの縁の地として知られる、東京下町にある『柴又帝釈天』
私も家の宗派の関係上毎年行くのだが、ある年に寺務さんから聞いた話
よくある寓話系のお話です
ある日とても敬虔な青年が参道を歩いていると、突然大きなムカデが飛び出してきて彼を襲った
身体に纏わりつかれて青年は倒されるが、
ムカデは毘沙門天(帝釈天内に祀られている)の使いである為反撃できない
彼が反撃しないのを見ると、ムカデはゆっくりと彼から離れ、言う
「すまなかった青年、少しお主を試させてもろうた。お主の信心は本物よ」
ムカデは本当に毘沙門天の使いで、
その信心深さを認められた青年はその日以降瞬く間に成功し、大きな商店を構えた
青年はその後も帝釈天を参拝し続け、そしてその度に成功していった
207 :ちーばくん :2014/11/15(土)02:06:54 ID:???
これを聞いた近所の軽薄な男、自分もあやかろうと普段は行かない帝釈天を参拝する
その帰り道の参道で、やはり大ムカデが現れて男を襲った
どうせすぐに離れると高を括っていた男だが、ムカデはいつまで経っても離れようとしない
そればかりか、猛毒の牙を剥いて噛みつこうとしているではないか
「畜生、こいつは偽物か!」
男は怒り、懐に忍ばせていた短刀でムカデの胴を裂き脱出、這う這うの体で家に帰る
しかしその夜、家で寝ていると枕元に気配が…
ふと目を覚ますと、果たしてそこにいたのは大ムカデであった
腹からまるで人間のような赤黒い鮮血を滴らせ、猛然と男を襲う
そして一瞬にして彼の腹を裂き、臓物を引きちぎって殺してしまった
「利益の為の刹那の信奉など無意味千万、ましてや得物を持ち参拝するなど言語道断である」
男が最期に聞いた声は、毘沙門天の怒りの声であった…
毘沙門天は商売繁盛も司るが、それ以上に仏教有数の武者である
毘沙門天を怒らせればただでは済まないのだ
…という話を聞かされて以降、私は自分の守り神や家の宗派の寺以外は行かなくなったなぁ
成田山新勝寺のお不動様などは私の守り神様なのでよく行く