3 :本当にあった怖い名無し:2008/04/08(火) 11:25:16 ID:qWIUa1yQ0
では、軽いのから一つ。

皆さんは「幽霊に足」はあると思う?

俺はあると思う。ってか、足だけの幽霊を何度かみた。1度目はやはり四国の地方都市でバイトしてた時だな。
あまり金がない時でね。手っ取り早く金稼ぐにはやっぱり「水商売」やろ!ってな感じで夜、知人の店で働くようになったんだ。

いわゆるホストスナック?の走りのようなもの。
ショットバーなんだがカウンター越しで接客もあり。
売り上げは飲み代で稼ぐのでスタッフも毎日、へろへろになるまで飲む。
ビール缶を積み上げることで競う女性客もいたので、毎日、浴びるほど酒飲んだ。

それまで水商売の経験はない。元々は下戸。
まったく飲めない人だった。シェーカーも振れない。
だから練習もかねて少し前に店に入ったり、掃除したりが俺の仕事となった。
閉店後に店掃除したりね。マスターが酔いつぶれるので俺の仕事が閉店作業。

そのうち、変なことに気が付いた。

音がするんだよねw 「ギ、ギ、ギー」って。何かがきしむ音。おかしいなぁ?とは思ったがその音の方向に歩くとピタっと止む。
まあもう古い店だったのでそんな事もあるのか、と思った。


4 :本当にあった怖い名無し:2008/04/08(火) 11:41:20 ID:qWIUa1yQ0
しばらくして仕事に馴れてくるとマスターから店の鍵貰った。従業員は俺の他にもう一人。
小さな店(カウンターに7席、奥にボックス席が1個)だったので、マスター含めて3人しかいない。その人数で十分にまわる大きさだった。

その地方都市では繁華街に位置してて立地条件はそこそこ良い。
店はオープンして日数が経っていなかったが、前に他のオーナーがいてお店(同じようなショットバー)を開店して
いたそうで、その流れもある。
最初こそ苦戦したが徐々にお客さんは増えた。

店の鍵を貰ったのは仕込みがあったから。
当時の流行で氷は純氷を使った。
ロックアイスと呼ばれる大きめの固まりを氷屋から買ってさ。
それをアイスピックで割るんだよ。
開店前にアイスクーラー(発砲スチールの箱)に一杯にしておくのが開店作業の習慣。
カウンターの中は一段低くなっててさ。
すのこが敷いてあるの。

その一段低い場所で氷を割ってた。飛び散るから。
すのこの下はコンクリートだから濡れても問題ない。
カウンターは下のほうが少しだけ空いてた。
向こうが少しだけ見えるんだ。
低い位置で氷割るから、うつむいた目線の先にその「カウンターの切れ目」がある感じ。

いつものように店に入る。他には誰もいない。
ああいった店って窓がないからね。開店時にはかび臭い独特の匂いがする。
空調は仕込み中はつけない。もったいないから。
そのままで座り込んで氷を割ってたんだよ。

するとどうも音がする。「ギシ、ギシ、ギシ」って音が・・・・。カウンターの下にしゃがみ込んでいた俺にはどうも、それがカウンターの向こう側からしてるような気がする。
重いものが何か移動してる感じ。椅子の辺りの音かな?と思った。

もちろん開店作業中なので人はいない。っていうか、看板すらつけてない。
仕込みが終わってから看板をつけて、マット(足ふき用)を外に出すんだ。 

5 :本当にあった怖い名無し:2008/04/08(火) 12:00:25 ID:qWIUa1yQ0
その日は雨が降ってた。土砂降りではないが傘が必要なくらい。
小さい店なので普段は傘立てがない。
後で傘立てを倉庫から出さないといけないな、と思いながら開店作業を続けた。
音がするからさw 立ち上がってみたんだよ。
誰もいない。まあ当たり前だわな。
ただ何となく嫌な感じはある。
開店当時で締め切った部屋で、空調を動かしてないからそんなに音がするわけがない。

ないんだが、何かの音がした気がするんだよ。「嫌だなぁ・・・・」と思ったけど開店時間が迫ってる。
作業再開。氷はまだ割らなくちゃいけない。
アイスピックを握ってると向こうからまた「ギシ、ギシ」「ギギー・・・・」って何かがきしむ音がするんだ。

立ち上がる。当然いない。
カウンターは御影石っての?ちょっと高級感を演出する感じのテーブル。
下に隙間があるがお客さんから舞台裏が見えないように仕切り(板)が入ってる。
下の隙間はお客さんが帰るためにカウンターから立てば足先というか足首より下の靴が見えるくらいで、客席側からは這いつくばらないと見えないような構造。

音が何度もするからさ。おかしいな、とは思うわけよ。
でも立ち上がっても何もいないのさ。
音のしているのは近距離なんだが、どうもどこからはっきり鳴ってるかがわからない。

そのうちさぁ・・・・。ハッと気が付いたんだよねぇ。
「これ、椅子の音じゃないか?」って。

子供の頃にやらなかったか?椅子に座って後ろにそっくり返ると「ギー」って音がするだろ?
あれになんだか似てる。そういえば、カウンターの一番端にある椅子の調子が悪くて、時々音がしてたことに気が付いた。その音に似てるんだ。

6 :本当にあった怖い名無し:2008/04/08(火) 12:10:56 ID:qWIUa1yQ0
どういうんだろ?こう、誰かが座っててさ。体重を移動するから音がしている感じ。ただし開店前。
お客さんがいないのに、向こうで音がする。立ち上がると誰もいない。

「変だなぁ?」とは思うが、何度確認してもいないんだよね。

仕方ないので氷を割る作業を続けた。

知らない人も多いだろうけど、日本の水商売のカウンターの中って一段低いんだよね。
20cmから30cmくらい。元々はお客さんよりも位置を低くして会話をしやすくしたり、お客さんを見下ろさないための配慮らしい。
お客さんはカウンターの椅子に座る。スタッフは立ってる。

だからそのスタッフの態度が偉そうに思えたり、横柄に感じないように「一番低く」作る習慣があるんだそうな。
その店もそういった習慣の名残で、一段低く作られてた。

カウンターの「下」が少しだけ空いてるだろ?7,8cmくらい。カウンターの中が低いだろ?
20cmくらい。つまり30cmくらいの所にのぞき穴があいてるわけさ。
何の気なしにだが、その隙間からカウンターの向こうの椅子(ちょっと高め)を覗いたのさ。

「誰かいる」

血の気が引いた。なんか座ってる。
はっきりとはみえない。上までみれないから。ただし、足らしきものはばっちり見える。

出入り口、一ヶ所しかない。小さな店なので。開店前で誰もいない。
仕込みは氷割が最終段階だがもう立ち上がれない。
音だけが「ギシ、ギシ、ギシ」「ギギー」って響く。
ションベン漏らしそうになったw

入り口はカウンターの向かい側にあるんだ。もうどうしようもない。

7 :本当にあった怖い名無し:2008/04/08(火) 12:22:45 ID:qWIUa1yQ0
立てないままで半べそ掻いてたw まだ俺が若かった頃のお話。20歳そこそこだな。
どう対応していいかがわからない。もう覗き込むことも立ち上がることもできない。何かみちゃったら怖いだろ?

座ったまま動けない。椅子のきしむ音だけがうつろに響く。死ぬんじゃないか?と思った。

が、その音が突然音が止んだんだ。

「おっはよー!」

能天気なマスターと酔っぱらった客がw エレベーターであがって店にいきなり入ってきた。
普段は腹立つおっさんだったのに、この時だけは感謝した。
それで呪縛が解けたつうか、俺も立ち上がることが可能になった。

立って向こうみたら誰もいないんだよな。

いい具合に出来上がったマスターとその客(女性)が、その該当席にw 
もちろん黙ってた。開店前に酒飲んで飯食っていい調子になったらしい。俺の怖さが吹っ飛んだ。

20分くらいだったのかなぁ?氷割って座り込んでた時間。長かったな。
後で考えたら何かの錯覚か何かと思って、それをもう一人のスタッフだった男の子に話したんだよ。

すると、「あぁ・・・・」って言いやがるの。

やっぱり、時々出るらしい。知らなかったんだが、この物件もいわくつきの店。
元のマスターっていうか、前に店をやってた人から今回のマスター(能天気オヤジ)が買ったものらしい。
居抜きで権利を譲り受けたので、内装や食器、グラスに至るまで全部が前のまんま。
屋号と看板だけを変えてそのまま営業スタートしたらしい。

元のマスターが格安でもいいから、といって譲ってしまったんだと。

8 :本当にあった怖い名無し:2008/04/08(火) 12:42:00 ID:qWIUa1yQ0
その元マスターの店はそこそこ繁盛してたんだって。俺もあったことがある人。
一度、お客さんとして来てた。
その世界ではそこそこ有名な人で、当時の俺の雇い主(酔っ払い新マスター)とは違い、人当たりのいい優しいタイプの人で、柔らかな接客するから人気のあった人。
女の子の悩み事の相談にのったりも多かったって。
決して色気で商売する人ではない。

その人が俺と同じように開店作業やって、氷割ってた時に人が入ってきたらしい。
なじみの店のママさんで、いつもカウンターの奥の席に座るのが習慣だった。
いつもは明るい人なのにその日に限って無口だったので変には思ったらしい。

「ママ、珍しいね。こんな早い時間に」「氷割ってしまうからちょっと待っててね」って言って
氷割って顔をあげたらそのママがいない。
その瞬間に元マスターはガタガタ震え出したらしい。
どうみても雰囲気が普通じゃなかった。
生きてる人には思えなかったんだって。

後でわかったのはそのママさん、出勤途中で事故にあったらしい。
店に行く途中にトラックにはねられて死亡。
傘が邪魔になって前が見えなかった模様。
そのままお亡くなりになった時間に元マスターの店に訪れてカウンターの端っこに座ったようで・・・・。

それから、たびたびその店で目撃されるように。
決まって開店前で雨の降る日。何かを思い出して店にやってくるのかもしれないね。

それで前のマスターは店を売ってしまったらしい。

前のカキコでさ、「幽霊ってその土地とか建物とかにつくのかなぁ?」って書いた理由。
なぜか亡くなった場所とか思い入れのある場所に、何度も現われてる場合は多いよねぇ・・・・。
その女性、マスターのこと好きだったのかなぁ、と考えるとちょっとこっちも寂しくなった。

今もその店があるかどうかはわからない。
その後も色々目撃したので辞めちゃったw 
最近は地元に帰ってない。
その地方都市で有名な店(幽霊屋敷と言えばすぐにわかる)二店舗で、なぜか勤めることになった俺。

もう1店の話は、またそのうちに・・・・・・。お終い。

乱文に付き合っていただいてありがとうございました。





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