50 :本当にあった怖い名無し:2006/09/21(木) 18:37:18 ID:AMlJc147O
両親を事故で亡くした俺には、9歳離れた姉貴がいた。
ガキの頃、肥満気味で両親がいなくて苛められてた俺を、いつも助けてくれた。
優しくて、強くて、俺の自慢の姉貴だった。
秋になると金木犀の花を部屋に飾った。
「お姉ちゃんが一番好きな花なんだよ」と笑って。
高校にも行かず、朝から夜まで働いて俺を養ってくれた。

そんな姉貴が、死んだ。
事故だった。
結婚が決まって、やっと幸せになれる日を目の前にして、姉貴は逝った。
享年27歳。
俺は兄貴になるはずだった人に後見人を務めてもらい、小さなアパートに部屋を借りて就職をした。

5年経って、俺は職場で出会った彼女と結婚を決めた。
結婚式の前日、姉貴が夢に出てきた。
姉貴は俺に「ごめんなさい」と謝った。「大学まで行かせてあげたかった」と。
俺は高校出たら働いて姉貴に楽させてやりたかったよ。
姉貴は「私の分まで幸せになりなさいね」と泣きながら笑って言った。

姉貴の結婚式の日に、今まで有り難うって言って渡すはずだった金木犀の苗木は、俺の家の庭に植えた。
今年も金木犀の季節がやってくる。
俺はきっとまた、姉貴がいた頃を思い出して泣く。





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