【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 【殿堂入り】




781: 1:2013/11/30(土) 00:21:54.99 ID:x3LZufvH0
はじめて投稿します。

先日亡くなった暗子(仮)が実は生きてて、暗子を助けようとしていた陽子(仮)が行方不明になった。
ということがありました。
ここに投稿していいのか悩みましたが、個人的に大変府に落ちなかった&怖かったので書かせていただきます。
心霊系の話ではないし、かなり長くなる、そして最後の結論はでていない(決定的)なので、
苦手な方はスルーしてください。
本当に長いので夜中の投稿失礼します。



782: 2:2013/11/30(土) 00:23:33.96 ID:x3LZufvH0
今年の夏頃、高校の連絡網で暗子が亡くなったと知らせが入った。
私と陽子を含めた3人は高校の時の同級生。
高校入学当時人見知りだった私に、気さくに話かけてくれた陽子。初めてできた友達だった。
陽子は本当に元気いっぱいで、明るくて、正義感の強い子。クラスのムードメーカー的存在だった。
私達の住む町は何年か前にA村とB町が統合したもので、私と陽子はB町の子。
A村の山の麓を開拓し、できたのがB町。
B町ができてすぐに私の両親はB町に引っ越してきた。
陽子は高校になってB町に越してきた子だった。

783: 3:2013/11/30(土) 00:24:26.15 ID:x3LZufvH0
私は子供のころから「A村には行くな」と両親に良く聞かされていた。
中学校になるとA村の子と同じ学校に通うのだが、そのときも両親は「A村の子とは仲良くするな」と言っていた。
なのでB町の子はA村の子とは話さなかった。
A村出身の同級生は4人。暗いオーラというか、何か不思議な感じのする子たちだった。
でも陽子だけはA村の子とも分け隔てなく話していて、その子たちの中でも暗子とは特に親しくしていた。
私も陽子を仲介として暗子とだけは話すようになった。

でも高校を卒業して、暗子は県外に行った。
成人式も同窓会も1度も参加していなかったので、卒業してから1度も連絡を取ることはなかった。
また、あんなに明るかった陽子も大学生になって、原因はわからないが軽い精神病といった感じになり、
なかなか連絡を取ることがなかった。

784: 4:2013/11/30(土) 00:25:15.38 ID:x3LZufvH0
私は県内の大学を卒業し、B町にある小さな店で仕事を始めた。
仕事に慣れてきた今年の夏頃、高校の連絡網で暗子が亡くなったとの一報を受けた。
まだまだ24歳。まさかこんなに若くして友人が亡くなるなんてと大変ショックを受けた。
ただ、葬儀については行くべきか大変迷った。
連絡をくれた友人も、
『連絡は回しているけど葬儀には参加しない』『親がA村には行くなというから行けない』と言っていた。
私はすぐに陽子に連絡しましたが、連絡は取れず。
散々悩んで葬式だけは参加することにした。

葬儀に来ているB町の子はやはり私だけだった。
知らない人ばかりに話したことのないA村の同級生4人。正直行ったことを大変後悔した。
それに葬儀もいくつか変だなと思ったことがあった。

785: 5:2013/11/30(土) 00:26:25.48 ID:x3LZufvH0
一つ目は、喪主の方の名前が暗子の名字とは異なっていたこと。
もしかすると何か理由があるのかもしれないが、喪主は暗子の親ではなかったのでは…と思った。
二つ目は、なぜか棺・ご遺体共になかったこと。
普通は遺影と棺とその中にご遺体、そしてご遺体に向かってお焼香という形だと思うが、
棺はなく、皆遺影に向かって歌いながらお焼香をしていた。
最後、三つ目がお経。
お経は色々な種類があるが、普通お坊さんが唱えるものだと思う。
しかし暗子の葬儀では、椅子に座っている参加者ほぼ全員が何か暗い歌のようなものを歌っていてた。
そして皆一様に口角を無理に上げているよな、笑っているような表情であり、大変異様だった。
私はお焼香を済ませて逃げるように会場を後にした。

それから何か月かして、暗子のことも私の中で整理がついた頃、陽子から連絡がきた。
電話の内容は、『暗子を待っているのだけど、3時間待ってもでてこない』というものだった。
暗子は亡くなっているのに何をいっているのだろうと思い、
「暗子は亡くなったよ?誰と間違えているの?」と聞くと陽子は、
『それが亡くなったのは嘘で、暗子は生きとったん。
 暗子が生きていると証明するために実家に連れて行ったけど、家に入ったっきり暗子が出てこんとよ』
と状況を説明してくれた。

786: 6:2013/11/30(土) 00:27:04.26 ID:x3LZufvH0
陽子の話をかいつまむと、
・先日、暗子から連絡が来て会った。
・暗子は実家と全く連絡を取っておらず、久しぶりに地元に帰ってきていた。
・そこで「用事で役場に行った際自分が亡くなっていると役場の人間に言われ、どうしたらいいのか」と相談された。
・悩んだ末、暗子母に暗子を会わせることに。
・親と不仲な暗子を説得して暗子家まで連れてきたが、一言もしゃべらずに暗子は暗子母と家に入っていった。
・そのまま3時間がたった。
・家に入ろうと思ったが、見張っている?おじさんがいる。それに人も沢山いて怖いから入れない。
といったことを説明された。
正直ほとんど意味がわからなかったが、とにかく陽子が困っているのはわかったので、
あと1時間ほどしたらそちらに向かうと伝えて、暗子の家の場所を聞いて電話を切った。

バタバタと店を閉めて陽子にこれから行くと連絡したのだが、繋がらない。
仕方がないので、暗子の家に向かっている時に陽子から電話がきた。
『……おーいぃこれが…ザワザワザワザワ…門閉めろーぃちが……ザワザワ…』
出てみると、周りで誰か複数人が遠くから大きな声で話しているような音が聞こえるだけで、
陽子の声は聞こえなかった。
何度か呼びかけたが、応答がないまま電話は切られてしまった。

787: 7:2013/11/30(土) 00:27:47.66 ID:x3LZufvH0
それから5分くらいして暗子の家に到着した。もう空は暗かった。
暗子の家はほとんどなにもない所にあった。
広い庭を挟んで右側に立派な木造の平屋。左側にアルミ板のようなもので作った簡易的な倉庫。
その奥に何か高い建物があった。
右側の平屋の前には立派な門があり、そちら側に向かって歩く。
すると左側の倉庫の前に人影のようなものが見えた。
よくよく見てみると、その人は倉庫の前で丸く大きな石の上に座って、ずっと前の平屋を見つめていた。
門の部分に呼び鈴が見つけられなかったので、その人に話しかけに行こうと庭に入った。
かなり広い庭で、撒き石がしてあったので、歩くと音がするのだが、
その人は一度もこちらを見ることなく、ずっと平屋を見つめていた。
少し近づいたところで「すみません」と声をかけたが反応なし。
ふと、その人が見つめている平屋に目をやった。
その時、陽子が怖いから入れないと言っていた意味が分かった。。。
その人の目線の先…平屋の外廊下…そこにずらっと何十人の人間が並んで正座していた。
その人達もまた私に一瞥も触れることなく、ずっと倉庫の前の人と見詰め合っていた。
皆一様に口角を上げ、笑いながら。

異様な光景に全身に一気に鳥肌が立った。
気づいたら無我夢中で帰っていた。
帰りながら、あの暗子の葬式のときの異様なお経が小さく聞こえた気がした。
陽子の車は見つけられなかった。

788: 8:2013/11/30(土) 00:28:26.46 ID:x3LZufvH0
ここから後日談になります。

その後、陽子と暗子に何度か電話したが、二人ともつながらなかった。
ただ、暗子からは、
『巻き込んでごめんね』
『稿シ ,嗤口ォ餌 喰 (改行)口無シ虫ノヤマ 嚆 ナク ^』
という2通のメールがきた。(原文まま。多分文字化け?)
それ一通のみで、その後連絡が来ることはなかった。
何度か暗子の家に行こうとしたが、どうしても怖くて行くことができなかった。
陽子の家には何度か行ったがいつも不在だった。
全く進展がなく、まさか何か事件に巻き込まれているのではと不安になっていた。

そんな中、先日、精神病で入院していた父が帰ってきた。
そこで陽子の現状を知ることになる。
なんと陽子は父と同じ精神病棟に入院していたのだ。
精神病棟では、自傷行為や他人に怪我をさせたりすると隔離された病棟に移されるのだが、
父が自傷行為をした際、その隔離病棟で陽子と会ったと言っていた。
私は驚いた。
確かに心の病にかかっていたとは言っても、日常生活に影響がでるほどのものではなかったのになぜ入院?
父に陽子の状態を聞いたが、「全く近づけるような状態ではなかった…」ということしか教えてもらえなかった。

789: 9:2013/11/30(土) 00:32:19.20 ID:BgszJIC/0
そして昨日の夜。暗子の葬儀の夢を見た。
その時いたA村の子。暗子を入れて4人しかいなかったはずのA村の子。
でもそこには4人のA村の子がいた。
よくよく思い出してみると、葬儀に行った際『○○高校名簿』という本があって、
○○高校の同級生はそこに名前を書くことになっていた。
私が5番目に書いたので、確実に4人のA村の子がいたのだ。

それがとても気になって、目が覚めた後、意を決してA村の暗男(仮)に電話した。
暗男とは話したことはなかったが、3年間同じクラス。
そして暗男は陽子のことが好きだった。
暗子と陽子について聞けるのは暗男しかいないと思ったのだ。

電話した時はつながらなかったが、先ほど連絡が帰ってきた。
『久しぶりですね』と言う暗男に対して、
率直に暗子と陽子について知っていることはないかなど、色々質問を投げかけたのだが、
『すみませんすみません』と謝られるばかりで何も答えてくれなかった。
葬儀のとき4人A村の人がいたが、1人多いのは誰かとも聞いたが同様だった。
そして、
『もう行かなくてはいけないので……そしてこの件についてはもう触れないでください。
 今のあなたはただ欲求を満たしたいだけだ。とにかくA村には近づかないでください。
 そして、何かあれば笑ってください』
と言われた。
「笑うって何?それって陽子と暗子に関係あるの?」と咄嗟に聞き返すと、
『笑うとイエンガミは消えます。時間がかかっても消えます。
 イエンガミ…知りませんか?きっとあったことがある。気になるなら調べえ』

790: ラスト:2013/11/30(土) 00:32:52.81 ID:BgszJIC/0
結果結論としては何も言えないのだが、
私の予測ではエンガミ=笑神、イ=異として、異笑神ではないかと思ってる。
もちろんイエンガミ事体聞き間違いかもしれないが。
そう仮説してみると、暗子の家にいた石の上の人はイエンガミではないかと思う。
それと陽子、そして暗子が何に関係があるのかはわからないが、村の人が暗いオーラだったのは、
笑っていなかったからではないかと。
そして、子供のころからA村は生贄が続いていると噂されていた。
もしかしたら暗子が生贄で、陽子も何かしらその儀式に巻き込まれたのではと勝手に想像している。

明後日、暗子の家に行ってみようと思います。
何かあるかもしれないから、その前に書き込みさせていただきました。
オチもないのに読んでいただいてありがとうございました。
何か情報があれば教えてください。






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876 866 sage 2005/10/14(金) 16:25:05 ID:c2L+VjQX0
「かんひも」について

僕の母の実家は、長野の山奥、
信州新町ってとこから奥に入ってったとこなんですけど。
僕がまだ小学校3、4年だったかな?
その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。
そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。
交通も、村営のバスが朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。
そんな何もないとこ、例年だったら行かないんですが、
その年に限って、仲のいい友達が家族旅行でいなくて、両親について行きました。

行ってはみたものの・・・
案の定、何もありません。
デパートやお店に連れて行ってとねだっても、
一番近いスーパー(しょぼい・・)でも車で1時間近くかかるため、
父は「せっかくのんびりしに来たんだから」と連れて行ってくれません。


877 866 sage 2005/10/14(金) 16:30:08 ID:c2L+VjQX0
唯一救いだったのは、隣の家に、
僕と同じ年くらいの男の子が遊びにきていたことでした。
あの年頃は不思議とすぐに仲良くなれるもので、僕と、K(仮にKくんとします)は、一緒に遊ぶようになりました。
遊ぶといっても、そんな田舎でやることは冒険ごっこ、近所の探検くらいしかありません。

1週間の予定で行って、確か3日目の夕方くらいだったと思います。
午後3時を過ぎて、日が落ち始めるころ。
夏とはいえ、西に山を背負っていることもあるのでしょうか。
田舎の日暮れっていうのは早いもんです。

僕とKは、今まで入ったことのない山に入っていってみました。
はじめは、人の通るような道を登っていたのですが、気がつくと、獣道のような細い道に入っていました。
「あれ、なんだろ?」
Kが指差す方を見ると、
石碑?が建っていました。
里で見る道祖神ののような感じで、50センチくらいだったでしょうか。
だいぶ風雨にさらされた感じで苔むしていました。


879 866 sage 2005/10/14(金) 16:36:06 ID:c2L+VjQX0
僕とKは良く見ようと、手や落ちていた枝で、苔や泥を取り除いてみました。
やはり道祖神のような感じでしたが、何か感じが違いました。
普通の道祖神って、男女2人が仲良く寄り添って彫ってあるものですよね?
でもその石碑は、4人の人物が、立ったまま絡み合い、顔は苦悶の表情?そんな感じでした。

ぼくとKは薄気味悪くなり、「行こう!」と立ち上がりました。
あたりも大分薄暗く、僕は早く帰りたくなっていました。
「なんかある!」
僕がKの手を引いて歩き出そうとすると、Kが石碑の足下に何かあるのを見つけました。
古びた、4センチ四方くらいの木の箱です。
半分地中に埋まって、斜め半分が出ていました。
「なんだろう?」
僕は嫌な感じがしたのですが、Kは、かまわずに木の箱を掘り出してしまいました。


881 866 sage 2005/10/14(金) 16:39:47 ID:c2L+VjQX0
取り出した木の箱はこれまた古く、あちこち腐ってボロボロになっていました。
表面には何か、布?のようなものを巻いた後があり、墨か何かで文字が書いてありました。
当然、読めはしませんでしたが、何かお経のような難しい漢字がいっぱい書いてありました。

「なんか入ってる!」
Kは箱の壊れた部分から、何かが覗いているのを見つけると、引っ張り出してみました。

なんて言うんですかね。
ビロードっていうんでしょうか?
黒くて艶々とした縄紐みたいなので結われた、腕輪のようなものでした。
直径10センチくらいだったかな?
輪になっていて、5ヶ所、石のような物で止められていました。
石のような物はまん丸で、そこにもわけのわからん漢字が彫り付けてありました。

それはとても土の中に埋まっていたとは思えないほど
艶々と光っていて、気味悪いながらもとても綺麗に見えました。



884 866 sage 2005/10/14(金) 16:45:31 ID:c2L+VjQX0
「これ、俺が先に見つけたから俺んの!」
Kはそう言うと、その腕輪をなんと腕にはめようとしました。
「やめなよ!」
僕はとてもいやな感じがして、半泣きになりながら止めたのですが、
Kはやめようとはしませんでした。
「ケーーーーー!!!」
Kが腕輪をはめた瞬間に、奇妙な鳥?サル?妙な鳴き声がし、山の中にこだましました。
気が付くとあたりは真っ暗で、
僕とKは気味悪くなり、慌てて飛んで帰りました。

家の近くまで来ると、僕とKは手を振ってそれぞれの家に入っていきました。
もうその時には、気味の悪い腕輪のことなど忘れていてのですが・・・。


885 866 sage 2005/10/14(金) 16:49:09 ID:c2L+VjQX0
電話が鳴ったのは夜も遅くでした。
10時を過ぎても、まだだらだらと起きていて、母に「早く寝なさい!」としかられていると。
「ジリリリーーン!」
けたたましく、昔ながらの黒電話が鳴り響きました。

「誰や、こんな夜更けに・・・」
爺ちゃんがぶつぶつ言いながら電話に出ました。
電話の相手はどおやらKの父ちゃんのようでした。
はたから見てても、晩酌で赤く染まった爺ちゃんの顔がサアっと青ざめていくのがわかりました。

電話を切ったあと、爺ちゃんがえらい勢いで寝転がっている僕のところに飛んできました。
僕を無理やりひき起こすと、
「A(僕の名)!!おま、今日、どこぞいきおった!!
  裏、行きおったんか!?山、登りよったんか?!」
爺ちゃんの剣幕にびっくりしながらも、僕は今日あったことを話しました。

騒ぎを聞きつけて台所や風呂から飛んできた、
母とばあちゃんも話しを聞くと真っ青になっていました。
婆「あああ、まさか」
爺「・・・・かもしれん」
母「迷信じゃなかったの・・・?」
僕は何がなんだかわからず、ただ呆然としていました。
父も、よくわけのわからない様子でしたが、
爺、婆ちゃん、母の様子に聞くに聞けないようでした。


889 866 sage 2005/10/14(金) 16:52:27 ID:c2L+VjQX0
とりあえず、僕と爺ちゃん、婆ちゃんで、隣のKの家に行くことになりました。
爺ちゃんは、出かける前にどこかに電話していました。
何かあってはと、父も行こうとしましたが、母と一緒に留守番となりました。

Kの家に入ると、今までかいだことのない嫌なにおいがしました。
埃っぽいような、すっぱいような。
今思うと、あれが死臭というやつなんでしょうか?
「おい!K!!しっかりしろ!」
奥の今からは、Kの父の怒鳴り声が聞こえていました。
爺ちゃんは、断りもせずにずかずかとKの家に入っていきました。
婆ちゃんと僕も続きました。

居間に入ると、さらにあの匂いが強くなりました。
そこにKが横たわっていました。
そしてその脇で、Kの父ちゃん、母ちゃん、婆ちゃんが
(Kの家は爺ちゃんがすでに亡くなって、婆ちゃんだけです)
必死に何かをしていました。

Kは意識があるのかないのか、
目は開けていましたが、焦点が定まらず、
口は半開きで、泡で白っぽいよだれをだらだらと垂らしていました。

よくよく見ると、みんなはKの右腕から何かを外そうとしているようでした。
それはまぎれもなく、あの腕輪でした。
が、さっき見たときとは様子が違っていました。


890 866 sage 2005/10/14(金) 16:54:36 ID:c2L+VjQX0
綺麗な紐はほどけて、よく見ると、ほどけた1本1本が、Kの腕に刺さっているようでした。

Kの手は腕輪から先が黒くなっていました。
その黒いのは、見ていると動いているようで、まるで腕輪から刺さった糸が、
Kの手の中で動いているようでした。

「かんひもじゃ!」
爺ちゃんは大きな声で叫ぶと、何を思ったかKの家の台所に走っていきました。
僕は、Kの手から目が離せません。
まるで、皮膚の下で無数の虫が
這いまわっているようでした。

すぐに爺ちゃんが戻ってきました。
なんと、手には柳葉包丁を持っていました。
「何するんですか!?」
止めようとするKの父ちゃん母ちゃんを振り払って、爺ちゃんはKの婆ちゃんに叫びました。
「腕はもうダメじゃ!まだ頭まではいっちょらん!!」


891 866 sage 2005/10/14(金) 16:56:19 ID:c2L+VjQX0
Kの婆ちゃんは泣きながら頷きました。
爺ちゃんは少し躊躇した後、包丁をKの腕につきたてました!
悲鳴を上げたのはKの両親だけで、Kはなんの反応も示しませんでした。

あの光景を僕は忘れられません。
Kの腕からは、血が一滴も出ませんでした。
代わりに、無数の髪の毛がぞわぞわと、傷口から外にこぼれ出てきました。
もう、手の中の黒いのも動いていませんでした。

しばらくすると、
近くの寺(といってもかなり遠い)から、坊様が駆けつけて来ました。
爺ちゃんが電話したのはこの寺のようでした。

坊様はKを寝室に移すと、一晩中読経をあげていました。
僕もKの前に読経を上げてもらい、その日は家に帰って、眠れない夜を過ごしました。


892 866 sage 2005/10/14(金) 17:00:31 ID:c2L+VjQX0
次の日、Kは顔も見せずに、朝早くから両親と一緒に帰って行きました。
地元の大きな病院に行くとのことでした。

爺ちゃんが言うには、腕はもうだめだということでした。
「頭まで行かずに良かった」と何度も言っていました。
僕は「かんひも」について爺ちゃんに聞いてみましたが、教えてはくれませんでした。

ただ、「髪被喪」と書いて「かんひも」と読むこと、あの道祖神は「阿苦(あく)」という名前だということだけは
婆ちゃんから教えてもらいました。

古くから伝わるまじないのようなものなんでしょうか?
それ以来、爺ちゃんたちに会っても、聞くに聞けずにいます。

誰か、似たような物をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけるとありがたいです。
あれが頭までいっていたらどうなるのか・・・?

以上が、僕が「かんひも」について知っているすべてです。
失礼しました。


129 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/16(日) 20:55:25 ID:p7i1wmxX0
こんばんは。
前スレの「かんひも」の866です。
大勢のみなさんにお気に召していただいて、ありがとうございます。
でも、みなさん「かんひも」についてはご存知ないようですね。

僕も、書き込んでから、改めて気になり、この土日で、母の実家まで行って、自分なりに調べてみました。
残念ながら、爺ちゃんはすでに亡くなっているので、文献と、婆ちゃんの話からの推測の域をでませんが・・・
この年になって、久しぶりに辞書を片手に、頑張ってしまいました。

結論から言うと、
どうやら「かんひも」はまじない系のようです。
それも、あまり良くない系統の。

昔、まだ村が集落だけで生活していて、他との関わりがあまりない頃です。
僕はあまり歴史とかに明るくないので、何時代とかはわかりませんでした。

その頃は、集落内での婚姻が主だったようで、やはり「血が濃くなる」ということがあったようです。
良く聞くように、「血が濃くなる」と、障害を持った子供が生まれて来ることが多くありました。
今のように科学や医学が発達していない時代。
そのような子たちは「凶子(まがご)」と呼ばれて忌まれていたようです。
そして、凶子を産んだ女性も、「凶女(まがつめ)」と呼ばれていました。


131 129 sage New! 2005/10/16(日) 20:58:32 ID:p7i1wmxX0
しかし、やはり昔のことで、凶子が生まれても、
生まれてすぐには分からずに、ある程度成長してから、凶子と分かる例が多かったようです。
そういう子たちは、その奇行から、やはりキツネ憑きなど、禍々しいものと考えられていました。
そして、その親子共々、集落内に災いを呼ぶとして、殺されたそうです。
しかも、その殺され方が、凶女に、わが子をその手で殺させ、
さらにその凶女もとてもひどい方法で殺すという、いやな内容でした。。
あまり詳しいことは分かりませんでしたが、
伝わっていないということは余程ひどい内容だったのではないでしょうか?


132 129 sage New! 2005/10/16(日) 20:59:46 ID:p7i1wmxX0
しかし、凶女は、殺された後も集落に災いを及ぼすと考えられました。
そこで、例の「かんひも」の登場です。

「かんひも」は前にも書いたように、「髪被喪」と書きます。
つまり、「髪」のまじないで「喪(良くないこと・災い)」を「被」せるという事です。
どうやら、凶女の髪の束を使い、凶子の骨で作った珠で留め、特殊なまじないにしたようです。
そしてそれを、隣村(といっても当時はかなり離れていて交流はあまり無かったようですが)の
地に埋めて、災いを他村に被せようとしたのです。
腕輪の形状をしていたものの、もともとはそういった呪詛的な意味の方が大きかったようです。
また、今回の物は腕輪でしたが、首輪などいろいろな形状があるようです。

しかし、呪いには必ず呪い返しが付き物です。
仕掛けられた「かんひも」に気がつくと、
掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。
それを防ぐために生まれたのが道祖神「阿苦」です。


133 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:00:36 ID:p7i1wmxX0
村人は、埋められた「かんひも」に気づくと、その上に「阿苦」を置いて封じました。
「阿苦」は本来「架苦」と呼ばれており、
石碑に刻まれた人物に「苦」を「架」すことにより、
村に再び災いが舞い戻ってくるのを防ごうと考えたのではないでしょうか。

そして、その隣村への道が、ちょうど裏山から続いていたそうです。
時の流れの中で、「かんひも」は穢れを失って、風化していったようですが、
例の「かんひも」はまだ効力の残っていたものなのでしょうか?

僕の調べた範囲で分かったのはこのくらいです。
また、詳しい方などいましたら、ご教授願います。

最後に。
婆ちゃんに、気になっていたものの聞けなかったKのその後を聞きました。
Kは、あれから地元の大きな病院に連れて行かれました。
坊様の力か、そのころにはすでに髪は1本も残ってなく、
刃物の切り口と、中身がスカスカの腕の皮だけになっていたそうです。

なんとか一命は取り留めたものの、Kは一生寝たきりとなってしまっていました。
医者の話では、
脳に細かい、「髪の細さほどの無数の穴」が開いていたと・・・。

みなさんも、「かんひも」を見つけても、
決して腕にはめたりなさいませんよう。
長距離ドライブ及び、徹夜の調べ物でふらふらの上での書き込みなので、
誤字脱字、読みにくい箇所はお許しください。

とりあえず、分かったことをお知らせしたかったもので・・・。

136 本当にあった怖い名無し sage New! 2005/10/16(日) 21:22:36 ID:F3G2bUi90
かんひもの話、非常に興味深い
が、少し気になったことが……

>>129からの説明のうち、>>132-133の部分で、

>仕掛けられた「かんひも」に気がつくと、
>掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。
>それを防ぐために生まれたのが道祖神「阿苦」です。
>
>村人は、埋められた「かんひも」に気づくと、
>その上に「阿苦」を置いて封じました。
>「阿苦」は本来「架苦」と呼ばれており、
>石碑に刻まれた人物に「苦」を「架」すことにより、
>村に再び災いが舞い戻ってくるのを防ごうと考えたのではないでしょうか。

とあるんだが、この村人ってのはどの村の村人なんだろうか
「村に再び~」というところから考えると、かんひもを作った村のほうか?
しかし>>132を読むと、かんひもは隣村に呪いを擦り付けるための物だと書いてあって、
話が上手くつながってない気がするんだよな……

137 あなたのうしろに名無しさんが sage New! 2005/10/16(日) 21:30:21 ID:qOnhfDHA0
俺もそれは感じた。
阿苦の存在意義がイマイチわからんな。
とりあえず乙>129

138 129 sage New! 2005/10/16(日) 21:31:08 ID:4yudFh43O
あ、分かりづらくてすみません。
「村人」は、作った方の村人で、阿苦を設置したのは、まじない返しに遭ったときの話です。        
なぜか、急にパソコンが落ちてしまって、携帯からの書き込みなので、読みづらかったらすみません。

139 博 sage New! 2005/10/16(日) 21:34:13 ID:LJg3O2sXO
>>136
村をAとBに置き換えろよ。分かりやすくなるから。

A(かんひもを作った)
B(かんひもを仕掛けられた)
AがBに仕掛ける
Bは気づきAに仕掛け返す
Aはそれに気づき呪詛返しを防ぐため道祖神を配置

ってことだから”その村人”てのはAのこと。


140: 博:2005/10/16(日) 21:35:33 ID:LJg3O2sXO
と思ったら既にレスが。無駄骨。



141: 129:2005/10/16(日) 21:41:01 ID:4yudFh43O
140さん、ありがとうございます。助かりました



143: 本当にあった怖い名無し:2005/10/16(日) 21:46:06 ID:jiDgjC4w0
ここでコーヒーブレイク。

何故、近親婚をすると子供が先天的に異常を持って産まれるやすくなるのか。
我々動物は子孫を作る遺伝情報のうち、どこかに欠陥を持っている。
その欠陥は個体によりバラバラ。んで受精した時に、自分の欠陥情報の部位は相手が正しい遺伝情報を持ってれば正常な子ができる。
同様に相手の欠陥情報も、自分が正しい遺伝情報を持ってれば大丈夫なわけ。
しかし欠陥情報がお互い同じだと欠陥をカバーできず、欠陥のまま産まれてきてしまう。
親や兄弟等、近い間柄だと持ってる欠陥も同じである確率が高いから、
近親婚をすると先天的に異常を持って産まれてしまうというわけだね。


144: 本当にあった怖い名無し:2005/10/16(日) 21:53:14 ID:ndBVbhGL0
>>143
分かりやすい説明乙。



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179 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 22:56:00 ID:1zdreh4Z0
既出だったらスマソ、投下します。

今日はエイプリルフールだ。特にすることもなかった僕らは、
いつものように僕の部屋に集まると適当にビールを飲み始めた。
今日はエイプリルフールだったので、退屈な僕らはひとつのゲームを思い付いた。嘘をつきながら喋る。
そしてそれを皆で聞いて酒の肴にする。
くだらないゲームだ。
だけど、そのくだらなさが良かった。
トップバッターは僕で、この夏ナンパした女が妊娠して実は今、一児の父なんだ、という話をした。
初めて知ったのだが、嘘をついてみろ、と言われた場合、人は100%の嘘をつくことはできない。
僕の場合、夏にナンパはしてないけど当時の彼女は妊娠したし、一児の父ではないけれど、
背中に水子は背負っている。
どいつがどんな嘘をついているかは、なかなか見抜けない。見抜けないからこそ、楽しい。
そうやって順繰りに嘘は進み、最後の奴にバトンが回った。
そいつは、ちびり、とビールを舐めると申し訳なさそうにこう言った。
「俺はみんなみたいに器用に嘘はつけないから、ひとつ、作り話をするよ」
「なんだよそれ。趣旨と違うじゃねえか」
「まあいいから聞けよ。退屈はさせないからさ」
そう言って姿勢を正した彼は、では、と呟いて話を始めた。
僕は朝起きて気付くと、何もない白い部屋にいた。
どうしてそこにいるのか、どうやってそこまで来たのかは全く覚えていない。
ただ、目を覚ましてみたら僕はそこにいた。
しばらく呆然としながら状況を把握できないままでいたんだけど、急に天井のあたりから声が響いた。


180 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 22:56:41 ID:1zdreh4Z0
続き
古いスピーカーだったんだろうね、ノイズがかった変な声だった。
声はこう言った。

『これから進む道は人生の道であり人間の業を歩む道。選択と苦悶と決断のみを与える。
歩く道は多くしてひとつ、決して矛盾を歩むことなく』
って。で、そこで初めて気付いたんだけど僕の背中の側にはドアがあったんだ。横に赤いべったりした文字で
『進め』
って書いてあった。
『3つ与えます。
ひとつ。右手のテレビを壊すこと。
ふたつ。左手の人を殺すこと。
みっつ。あなたが死ぬこと。
ひとつめを選べば、出口に近付きます。
あなたと左手の人は開放され、その代わり彼らは死にます。
ふたつめを選べば、出口に近付きます。
その代わり左手の人の道は終わりです。
みっつめを選べば、左手の人は開放され、おめでとう、
あなたの道は終わりです』

181 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 22:57:34 ID:1zdreh4Z0
めちゃくちゃだよ。どれを選んでもあまりに救いがないじゃないか。
馬鹿らしい話だよ。でもその状況を馬鹿らしいなんて思うことはできなかった。
それどころか僕は恐怖でガタガタと震えた。
それくらいあそこの雰囲気は異様で、有無を言わせないものがあった。
そして僕は考えた。
どこかの見知らぬ多数の命か、すぐそばの見知らぬ一つの命か、一番近くのよく知る命か。
進まなければ確実に死ぬ。
それは『みっつめ』の選択になるんだろうか。嫌だ。
何も分からないまま死にたくはない。
一つの命か多くの命か?そんなものは、比べるまでもない。
寝袋の脇には、大振りの鉈があった。
僕は静かに鉈を手に取ると、ゆっくり振り上げ
動かない芋虫のような寝袋に向かって鉈を振り下ろした。
ぐちゃ。鈍い音が、感覚が、伝わる。
次のドアが開いた気配はない。もう一度鉈を振るう。
ぐちゃ。顔の見えない匿名性が罪悪感を麻痺させる。
もう一度鉈を振り上げたところで、かちゃり、と音がしてドアが開いた。
右手のテレビの画面からは、色のない瞳をした餓鬼がぎょろりとした眼でこちらを覗き返していた。
次の部屋に入ると、右手には客船の模型、左手には同じように寝袋があった。床にはやはり紙がおちてて、
そこにはこうあった。


182 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 22:58:33 ID:1zdreh4Z0
『3つ与えます。
ひとつ。右手の客船を壊すこと。
ふたつ。左手の寝袋を燃やすこと。
みっつ。あなたが死ぬこと。
ひとつめを選べば、出口に近付きます。
あなたと左手の人は開放され、その代わり客船の乗客は死にます。
ふたつめを選べば、出口に近付きます。
その代わり左手の人の道は終わりです。
みっつめを選べば、左手の人は開放され、おめでとう、
あなたの道は終わりです』

客船はただの模型だった。
普通に考えれば、これを壊したら人が死ぬなんてあり得ない。
けどその時、その紙に書いてあることは絶対に本当なんだと思った。
理由なんてないよ。ただそう思ったんだ。
僕は、寝袋の脇にあった灯油を空になるまでふりかけて、用意されてあったマッチを擦って灯油へ放った。
ぼっ、という音がして寝袋はたちまち炎に包まれたよ。
僕は客船の前に立ち、模型をぼうっと眺めながら、鍵が開くのをまった。

183 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 22:59:13 ID:1zdreh4Z0
2分くらい経った時かな、もう時間感覚なんかはなかったけど、人の死ぬ時間だからね 。たぶん2分くらいだろう。
かちゃ、という音がして次のドアが開いた。
左手の方がどうなっているのか、確認はしなかったし、したくなかった。
次の部屋に入ると、今度は右手に地球儀があり、左手にはまた寝袋があった。
僕は足早に紙切れを拾うと、そこにはこうあった。
『3つ与えます。
ひとつ。右手の地球儀を壊すこと。
ふたつ。左手の寝袋を撃ち抜くこと。
みっつ。あなたが死ぬこと。

ひとつめを選べば、出口に近付きます。
あなたと左手の人は開放され、その代わり世界のどこかに核が落ちます。
ふたつめを選べば、出口に近付きます。
その代わり左手の人の道は終わりです。
みっつめを選べば、左手の人は開放され、おめでとう、
あなたの道は終わりです』

184 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 23:00:04 ID:1zdreh4Z0
思考や感情は、もはや完全に麻痺していた。
僕は半ば機械的に寝袋脇の拳銃を拾い撃鉄を起こすと、すぐさま人差し指に力を込めた。
ぱん、と乾いた音がした。ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん。
リボルバー式の拳銃は6発で空になった。初めて扱った拳銃は、コンビニで買い物をするよりも手軽だったよ。

ドアに向かうと、鍵は既に開いていた。何発目で寝袋が死んだのかは知りたくもなかった。
最後の部屋は何もない部屋だった。
思わず僕はえっ、と声を洩らしたけど、ここは出口なのかもしれないと思うと少し安堵した。やっと出られる。そう思ってね。
すると再び頭の上から声が聞こえた『最後の問い。
3人の人間とそれを除いた全世界の人間。そして、君。
殺すとしたら、何を選ぶ』
僕は何も考えることなく、黙って今来た道を指差した。
するとまた、頭の上から声がした。
『おめでとう。
君は矛盾なく道を選ぶことができた。
人生とは選択の連続であり、匿名の幸福の裏には匿名の不幸があり、匿名の生のために匿名の死がある。
ひとつの命は地球よりも重くない。

185 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 23:00:57 ID:1zdreh4Z0
君はそれを証明した。
しかしそれは決して命の重さを否定することではない。
最後に、ひとつひとつの命がどれだけ重いのかを感じてもらう。
出口は開いた。
おめでとう。
おめでとう。』

僕はぼうっとその声を聞いて、安心したような、虚脱したような感じを受けた。とにかく全身から一気に力が抜けて、フラフラになりながら最後のドアを開けた。
光の降り注ぐ眩しい部屋、目がくらみながら進むと、足にコツンと何かが当たった。
三つの遺影があった。
父と、母と、弟の遺影が。

これで、おしまい。

186 本当にあった怖い名無し sage 2007/09/23(日) 23:01:37 ID:1zdreh4Z0
彼の話が終わった時、僕らは唾も飲み込めないくらい緊張していた。
こいつのこの話は何なんだろう。
得も言われぬ迫力は何なんだろう。
そこにいる誰もが、ぬらりとした気味の悪い感覚に囚われた。
僕は、ビールをグっと飲み干すと、勢いをつけてこう言った。
「……んな気味の悪い話はやめろよ!楽しく嘘の話をしよーぜ!ほら、お前もやっぱり何か嘘ついてみろよ!」
そういうと彼は、口角を釣り上げただけの不気味な笑みを見せた。
その表情に、体の底から身震いするような恐怖を覚えた。
そして、口を開いた
「もう、ついたよ」
「え?」

『ひとつ、作り話をするよ』」をわり







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1: 名無し 2016/06/19(日)23:42:17 ID:ycL
くっさwwwwww

なんやねん、これ

1-16

2: 名無し 2016/06/19(日)23:42:42 ID:4vH
カビの生えた布団

5: 名無し 2016/06/19(日)23:44:12 ID:ycL
>>2
ただの布団だよな、中になんも入っとらんよな

14: 名無し 2016/06/19(日)23:49:08 ID:d6G
もっと近くから撮ってやで

20: 名無し 2016/06/19(日)23:52:09 ID:ycL
>>14
怖くてすぐ離れたからコンビニ帰りにまた寄ってみるで

39: 名無し 2016/06/20(月)00:05:21 ID:HIx
液体垂れてるやんwwwwww

4-11

49: 名無し 2016/06/20(月)00:07:43 ID:vAc
とりあえず通報やな

51: 名無し 2016/06/20(月)00:07:53 ID:HIx
後ろから物音してビビったンゴ

5-10

57: 名無し 2016/06/20(月)00:08:39 ID:Cu4
イッチの画像の粗さがいい感じに怖いからはよ釣り宣言でもなんでもして(懇願)

64: 名無し 2016/06/20(月)00:09:37 ID:HIx
画像荒いのはズームで撮ってるからや、すまんな

72: 名無し 16/06/20(月)00:10:47 ID:uGv
どんな匂いなんや?
肉が腐った匂いならヤバイで

77: 名無し 2016/06/20(月)00:11:26 ID:HIx
匂いは生臭い感じや

73: 名無し 2016/06/20(月)00:10:48 ID:HIx
どっちにしろ不審投棄物で通報した方がええよな?



202: 名無し 2016/06/20(月)00:23:59 ID:HIx
また写真撮ろうとしてたらおばさんに不審者ですか?って声掛けられて草

203: 名無し 2016/06/20(月)00:24:10 ID:1kb
>>202
おは不審者

209: 名無し 2016/06/20(月)00:24:26 ID:bNI ×
202
匂いに気付かないおばさんに草

248: 名無し 2016/06/20(月)00:27:29 ID:HIx
おばさんは町内会の人らしいで
警察呼ぼうかとしたらこっちで処理するから大丈夫って言われた

252: 名無し 2016/06/20(月)00:27:48 ID:yYn
>>248
怪しい

319: 名無し 2016/06/20(月)00:32:15 ID:HIx
よく考えたら明日のゴミ回収瓶缶の日だった

323: 名無し 2016/06/20(月)00:32:24 ID:lYh
>>319
は?

325: 名無し 2016/06/20(月)00:32:28 ID:nxD
>>319
あ?

327: 名無し 16/06/20(月) 00:32:30 ID:uGv
>>319
は?

348: 名無し 2016/06/20(月)00:33:37 ID:HIx
いやおばさんは明日回収されるからって言ってたけど瓶缶の日に布団は回収されんやろ

352: 名無し 2016/06/20(月)00:33:54 ID:vAc
>>348
普通はせんな

431: 名無し 2016/06/20(月)00:40:26 ID:HIx
とりあえずもう一度布団見に行くで
おばさん居たら遠くから様子見るわ

463: 名無し 2016/06/20(月)00:43:59 ID:HIx
おばさんまだ居て草

465: 名無し 2016/06/20(月)00:44:10 ID:kAH
>>463
ヒエッ

467: 名無し 2016/06/20(月)00:44:12 ID:lYh
>>463
えぇ…

471: 名無し 2016/06/20(月)00:44:20 ID:GXO
>>463
(アカン)

516: 名無し 2016/06/20(月)00:48:01 ID:HIx
ワイ、瓶缶のゴミ出しを装い再度アタックを決意

521: 名無し 2016/06/20(月)00:48:15 ID:iw9
>>516
がんばれ!がんばれ!

527: 名無し 2016/06/20(月)00:48:52 ID:Okd
>>516
あまり深追いするなよ

おばさんだって猫殺したりするんやで

554: 名無し 2016/06/20(月)00:51:24 ID:HIx
フラグ立てるのやめーや
知り合いに10分後に連絡無かったら通報頼んだから平気や!

558: 名無し 2016/06/20(月)00:51:46 ID:1kb
>>554
フラグ立ててるんですがそれは



612: 名無し 2016/06/20(月)00:55:23 ID:HIx
おばさんおらんな

6-10

630: 名無し 2016/06/20(月)00:56:28 ID:HIx
布団消えとるやんwwwwww

7-9

650: 名無し 2016/06/20(月)00:57:21 ID:KJy
こんな時間に急展開を迎えるのはやめてクレメンス

651: 名無し 2016/06/20(月)00:57:23 ID:1qk
後ろから見てる確率

687: 名無し 2016/06/20(月)00:58:59 ID:HIx
ちょっとこのまま家に戻るの怖いから回り道する

692: 名無し 2016/06/20(月)00:59:19 ID:kAH
>>687
気を付けろよ

725: 名無し 2016/06/20(月)01:01:21 ID:HIx
スマホ震えてビビったけど知り合いからだったwww

726: 名無し 2016/06/20(月)01:01:29 ID:1kb
液体っていう証拠残っとるやん
そこから調べられないんか?
もし人間とか生物やったらDNAかなんかある訳やし
だからイッチ、今からでも通報は遅くないで

744: 名無し 2016/06/20(月)01:02:48 ID:HIx
塀にシミっぽいのは残ってたし匂いもあった
匂いはちょっと強くなってたかも

764: 名無し 2016/06/20(月)01:04:26 ID:TCa
釣りだと言ってよバーニー



796: 名無し 2016/06/20(月)01:06:21 ID:HIx
大丈夫やで、ちょっとパニクってるけどコンビニ向かっとるし

805: 名無し 2016/06/20(月)01:06:48 ID:1kb
>>796
あく通報しろ

812: 名無し 2016/06/20(月)01:07:26 ID:F98
イッチ異臭を放つ布団を見つける
突然、不審者ですか?とババアが声をかけてくる
ババアに明日処理するんでと言われ帰宅を促される
数分後イッチが現場に戻るとまだババアがいる
数分待って再び現場に戻ると布団もババアも消えていた

マジなら怖すぎるやろこれ

844: 名無し 2016/06/20(月)01:10:58 ID:HIx
他人事だと思ってこっちは本当に震えてるんやで!

894: 名無し 2016/06/20(月)01:14:14 ID:HIx
ちょっとまて

900: 名無し 2016/06/20(月)01:14:25 ID:Ht3
>>894
お?

910: 名無し 2016/06/20(月)01:15:01 ID:HIx
i
あるやんけ

917: 名無し 2016/06/20(月)01:15:14 ID:Ht3
>>910
怖い

930: 名無し 2016/06/20(月)01:15:48 ID:F98
>>910
想像以上にデカいやんけ
完全に人やわなんか入ってるとしたら

937: 名無し 2016/06/20(月)01:16:01 ID:HIx
とりあえずはなれるわ

940: 名無し 2016/06/20(月)01:16:04 ID:GqX
ゾクッてしたんご…

973: 名無し 2016/06/20(月)01:17:59 ID:alQ
なんで近づいたり離れたりすんの

1001: 名無し 2016/06/20(月)01:29:32 ID:HIx
とりあえず現場から離れて下さいだってwww

1002: 名無し 2016/06/20(月)01:30:08 ID:HIx
ファッ!?1000いっとるんか

1003: 名無し 2016/06/20(月)02:45:39 ID:HIx
シャワー浴びるンゴ
匂い付いてると思うと気持ち悪い

100: 名無し 2016/06/20(月)22:49:49 ID:HIx
削除依頼出したのにまだ削除されへんのか…
なりすまし対策に酉付けておくで
話せるようになったらまたスレ建てるわ、ほなまた



次スレ
33: 名無し 2016/06/20(月)01:22:03 ID:2rS
今北産業

40: 名無し 2016/06/20(月)01:22:21 ID:zAB
>>33
布団から
腐臭
ババア怪しい

799: 名無し 2016/06/20(月)02:58:41 ID:iw9
釣りの可能性はもう無さそうやな

801: 名無し 2016/06/20(月)02:59:29 ID:CWP
こんな深夜に事情聴取とかするもんなんか

803: 名無し 2016/06/20(月)03:01:21 ID:MYp
>>801
普通にする
最近は厳しいんだよ

806: 名無し 2016/06/20(月)03:04:09 ID:CWP
>>803-804
はぇ~そうなんか
ワイ昔ヤンキーにからまれて警察沙汰なったけど詳しくは朝聞くわって言われたわ

804: 名無し 2016/06/20(月)03:02:00 ID:B0Y
>>801
ワイ轢き逃げくらって普通に深夜にされたで

808: 名無し 2016/06/20(月)03:04:31 ID:HIx
>>801
ワイもされた事あるで!

809: 名無し 2016/06/20(月)03:04:42 ID:1kb
>>808
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

818: 名無し 2016/06/20(月)03:05:31 ID:B0Y
>>808
おかえりイッチ!

841: 名無し 2016/06/20(月)03:09:29 ID:LFF
中身だけ教えて

844: 名無し 2016/06/20(月)03:10:06 ID:HIx
>>841
警察は聞かない方がいいって

845: 名無し 2016/06/20(月)03:10:24 ID:CSD
>>844
ヒェ…

846: 名無し 2016/06/20(月)03:10:24 ID:gk4
>>844
あっ

851: 名無し 2016/06/20(月)03:10:34 ID:h0y
>>844
怖すぎやろ

865: 名無し 16/06/20(月)03:11:32 ID:Xvk
大きさ的に犬か猫、もしくは赤ちゃん…

967: 名無し 2016/06/20(月)03:28:11 ID:HIx
画像をインターネット上にあげたと話したらそれはちょっと良くないって言われてたけど編集URLなんて保存してないから削除依頼出してた

968: 名無し 16/06/20(月) 03:28:37 ID:1kb主
>>967
おかえりやで
とりあえず詳細はpart3でやろう

995: 名無し 2016/06/20(月)03:33:39 ID:IZe
ガチならイッチもテレビに映るんやろなぁ
第一発見者インタビューで

518: 名無し 2016/06/20(月)05:31:47 ID:xwQ
空中線張ってニュースサイトを一心不乱に閲覧してるけどそれらしき事件はまだ見当たらない
やはり盛大な釣りやったんやろうか
まぁまだ時間経ってないからアレだけど

591: 名無し 2016/06/20(月)17:11:40 ID:HIx
読み聞け終わったで
マルセー?ってなんや?

593: 名無し 2016/06/20(月)17:15:18 ID:yPb
>>591
イッチやんけ!

599: 名無し 2016/06/20(月)17:16:40 ID:Myi
>>591
詳細あくしろ

602: 名無し 2016/06/20(月)17:20:58 ID:JpV
昨日気になって寝られへんかったんやで!
今夜は寝かしてくれや!

603: 名無し 2016/06/20(月)17:21:11 ID:iw9
話せないこととかもあるんやろか

613: 名無し 2016/06/20(月)17:28:29 ID:F98
調べたらマルセーって警察用語で精神異常者の事らしいで

615: 名無し 2016/06/20(月)17:29:13 ID:yPb
>>613
あっ…

621: 名無し 2016/06/20(月)17:31:06 ID:78Q
>>613
マルセーが精神異常者
マルソーが暴走族
マルボーが暴力団
なぜか丸で囲む

680: 名無し 2016/06/20(月)17:57:59 ID:CSD
みんなの睡眠時間削りまくったンゴねぇ

681: 名無し 2016/06/20(月)17:58:50 ID:HIx
>>680
せやせや、ワイなんて昨日から寝てへんで!

686: 名無し 2016/06/20(月)18:02:19 ID:zAB
>>681
ならサッサと説明してクレメンス

684: 名無し 2016/06/20(月)18:01:35 ID:HIx
多分遺棄した人物をさしてたから◯セイであってると思うわ!

689: 名無し 2016/06/20(月)18:03:18 ID:F98
>>684
遺棄って事は中に何か入ってたんか?
中身はなんやったんや?

692: 名無し 2016/06/20(月)18:04:36 ID:iyz
>>689
それは言えないんやない…?

696: 名無し 2016/06/20(月)18:06:31 ID:L3s
今北重産業

697: 名無し 2016/06/20(月)18:08:01 ID:HIx
>>696
仕事休んだワイ
諸事情を各方面に連絡中
お腹へった

703: 名無し 2016/06/20(月)18:10:29 ID:zAB
>>697
警察でのやり取り詳しく教えてクレナンス
口止めされとるんか?

719: 名無し 2016/06/20(月)18:21:08 ID:HIx
おんj民、臭い布団を発見
通報するも重要参考人として事情聴取
事情聴取中に現場で不審人物が確保される

話さないいんやない、話せんのや

720: 名無し 2016/06/20(月)18:21:50 ID:iyz
>>719
聴取中にやとおおお!

721: 名無し 2016/06/20(月)18:22:08 ID:zyU
>>719
そうか
取り敢えず待っとるで



736: 名無し 2016/06/20(月)18:25:29 ID:HIx
話してワイが不利益被るかも知れんのに面白おかしく話せんやろ話す義務もないんやし、そもそもワイが次スレ建てた訳やないし

740: 名無し 2016/06/20(月)18:26:24 ID:6bD
>>736
まあまあ
なんか進展して話して大丈夫になってからでも
報告してや

754: 名無し 2016/06/20(月)18:29:15 ID:HIx
ワイは詳しく話せんって昨日の時点で言ったんだよなぁ
あ、日付変わってたから今日か

761: 名無し 2016/06/20(月)18:30:31 ID:HIx
こっちも長時間拘束されてイライラやねん、本当に気分悪いわ!最初ワイが疑われてたし

763: 名無し 16/06/20(月) 18:30:51 ID:zAB
みんな勘弁したれや…事情聴取ってかなり精神参るらしいで

767: 名無し 16/06/20(月) 18:31:41 ID:lco
報道されるようなやつやったんか?



※しばらく返事がないまま一週間後
507: 名無し 2016/07/04(月)23:02:13 ID:6SR
明日、発見現場に献花してくるから話せる範囲で事件の概要まとめて書くンゴ
それで終わりでええよな?

509: 名無し 2016/07/04(月)23:03:48 ID:WqI
>>507
イッチやん! 頼むで~

560: 名無し 2016/07/05(火)19:18:47 ID:nKu
試合中やからsageていくで

561: 名無し 2016/07/05(火)19:21:28 ID:nKu
ワイ、深夜に異臭がして外に出る。
塀の上に謎の布団を発見、ビビる。
布団からは腐臭と液体らしきものが。

563: 名無し 2016/07/05(火)19:26:10 ID:nKu
謎の布団を撮影中に町内会の者と名乗るおばさんに「不審者ですか?」と急に尋ねられる。
異臭を放つ投棄物を見つけたので警察に通報しようか迷っていたとおばさんに伝えるとおばさんは
「こちらで処理するので大丈夫です。」と。

565: 名無し 2016/07/05(火)19:29:54 ID:nKu
ワイ、ここで家に引き返すも次の日のゴミ回収は瓶缶の回収日であったために不審に思い、ゴミ出しを装い再度、現場に向かう事に。

568: 名無し 2016/07/05(火)19:34:14 ID:nKu
ゴミステーション付近から布団あった場所を確認すると布団は消えていて、ワイ、軽くパニクる。
怖くなり少しまわり道をして自宅に戻ろうとするも遺棄現場から少し離れた場所で再度布団を発見してしまう。

570: 名無し 2016/07/05(火)19:36:26 ID:nKu
流石にこれは洒落にならないと思い、警察に通報。
指示により現場からは離れ、コンビニに避難し警察の到着を待つ事に。

571: 名無し 2016/07/05(火)19:37:01 ID:1Jl
ほうほう

573: 名無し 2016/07/05(火)19:40:37 ID:nKu
警察が到着後、現場に案内しパトカーの中で事情聴取を受ける。
しかし事情聴取中に署で詳しく話をして欲しいと言われそのまま、警察署に移動。

575: 名無し 2016/07/05(火)19:41:44 ID:nKu
多分だけど別の警官が中を確認して事件性アリと判断したんやろうね

577: 名無し 2016/07/05(火)19:44:53 ID:nKu
移動後、指紋と靴の裏の模様を取られる。
少し混乱しながら発見前後の行動を警察に話す。
この時、自分が疑われてるような感じで辛かったわ

578: 名無し 2016/07/05(火)19:46:49 ID:9Z4
そりゃ通報者は真っ先に疑われるやろなぁ

579: 名無し 2016/07/05(火)19:47:27 ID:nKu
話してる途中に無線が入って現場付近で不審者を警察が確保。
時間も時間なので事情聴取の続きはまた明日にと伝えられて帰宅。

583: 名無し 2016/07/05(火)19:54:07 ID:nKu
帰宅後、すぐにシャワーを浴びる。
次の日は仕事を休んでまた事情聴取に。
事情聴取中に10名くらいの顔写真を見せられ「この中に町内会の者と名乗った人は居ますか?」と聞かれる。

585: 名無し 2016/07/05(火)19:57:03 ID:nKu
しかしここでワイ、テンパる。
見せられた写真の中に町内会の者と名乗ったおばさんは居なかったンゴ
街灯近かったし、顔はちゃんと覚えてたのに出された写真の中にその人物が居ない

587: 名無し 2016/07/05(火)19:58:58 ID:nKu
「この中に、昨日話しかけられた人物は居ません」と警官に伝えると少し時間をおいてまた9人の写真を見せられる。

589: 名無し 2016/07/05(火)20:00:31 ID:wxY
おばちゃんェ…

591: 名無し 2016/07/05(火)20:02:12 ID:nKu
次に見せられた写真の中に町内会の者と名乗ったおばさんらしき人物が。
化粧の感じか少しイメージがズレてたけど見た瞬間にあっ、この人かもって口にしてしまう。

592: 名無し 2016/07/05(火)20:05:49 ID:caw
写真てどこで手に入れるのかね

593: 名無し 2016/07/05(火)20:06:02 ID:nKu
警官ははい、分かりましたありがとうございますーとサラッと流し、一応今までこの方と交友はありましたか?と続けて質問をされる。
町内会自体あまり関わりが無かったのでありません。と返答。

603: 名無し 2016/07/05(火)20:27:09 ID:nKu
その後もいろいろと質問されそれに答えるみたいな感じで昼くらいに一回休憩。
昼からは話した事に関しての読み聞けを行い、書類制作。
そして夕方くらいに解放される。
謝礼で6000円ちょっと貰ったわ

613: 名無し 2016/07/05(火)20:37:59 ID:9Z4
>>603
そんだけ拘束して6000円か・・・
まぁ警察の謝礼としてはそんなもんかもしれんな



610: 名無し 2016/07/05(火)20:37:16 ID:nKu
そして後日、また警察署にワイが呼ばれる。
最初に事情聴取を受けていた時に確保された不審者=布団を遺棄した人物=町内会の者と名乗ったおばさんだった。

612: 名無し 2016/07/05(火)20:37:58 ID:dhZ
やっぱりババアやったんか

615: 名無し 2016/07/05(火)20:41:53 ID:nKu
現場付近でうろついてたおばさんに警察が職質した所、所持品から刃物が出て来たんだと。
署で詳しく聞こうとした所、錯乱して暴れ始めてそのまま身柄を拘束。
遺棄されていた布団の中の物が自宅にあって逮捕。

616: 名無し 2016/07/05(火)20:42:41 ID:dhZ
一歩間違えればイッチ殺されてたかも分からんやんけ

619: 名無し 2016/07/05(火)20:44:11 ID:fKK
ひぇっ...イッチ危なかったな...

621: 名無し 2016/07/05(火)20:46:34 ID:nKu
○セイだと全国区のニュースには流れんみたいやね

622: 名無し 2016/07/05(火)20:46:49 ID:nKu
ちな関東

627: 名無し 2016/07/05(火)20:49:09 ID:nKu
とりあえず事件の内容はこんな感じやで
帰宅してすぐここにレスしとったから飯もまだンゴ
ご飯食べたら献花しに行くで

652: 名無し 2016/07/05(火)22:25:17 ID:9Z4
おつやで
結局布団の中身はなんやったん?

653: 名無し 2016/07/05(火)22:27:17 ID:nKu
>>652
献花から察してくれ…

654: 名無し 2016/07/05(火)22:28:51 ID:Q89
ダメ元で訊くけどどの部位やったんや?
全身じゃあるまい

655: 名無し 2016/07/05(火)22:30:43 ID:nKu
>>654
その辺りは警官に聞かない方がいいって言われたからワイも分からん

656: 名無し 2016/07/05(火)22:37:23 ID:9Z4
>>654
分かったやで
おつかれさんやったな

657: 名無し 2016/07/05(火)22:43:27 ID:nKu
ID用意したし花と線香あげてくるンゴ
8-9



658: 名無し 2016/07/05(火)22:45:39 ID:kTp
今から行くんか…気を付けてなイッチ

659: 名無し 2016/07/05(火)22:48:57 ID:9Z4
イッチのおかげで犯人捕まったんやし、ええ事したと思っときや

660: 名無し 2016/07/06(水)00:45:07 ID:dcg
その後イッチを見たものは誰もいなかったんや…
終了!閉廷!








この話は十数年にも渡り自分と現妻や実兄、町をも巻き込み、恐怖のどん底に引きずり込んだ実話です。
かなり長い上に自分が書き込みに慣れてない為読みにくい部分もあると思いますがご容赦下さい。

全ての始まりは小学3年生の時でした。
兄と兄の友達3人に誘われてこの町で大人たちから「絶対に近ずくな」と
きつく言われていた場所に内緒で行く事になりました。

その場所とは今は誰もいない寂れた神社で子供ながらにかなり不気味で嫌な感じがしました。
本当は乗り気ではなかったのですが兄たちに半ば強引に誘われる形で
行く事になり仕方なく行くといった感じでした。

決行当日の昼に自分と兄は少し様子見に現地に行きました。
すると最近この町に町の役所だか町長だかから、仕事を頼まれてやって来たらしい
20代半ばくらいの男性がその場所にいて、
「君達、ここには何があっても絶対に来ては駄目だよ近づかない方がいい、早く戻るんだ。いいね?」
と言われ追い返されてしまいました。しかし兄達はその夜に計画を実行してしまいました。

まずその神社は町の高台にあり、さらにそこから伸びる坂を上がった所にあります。
その坂には鳥居が幾つも連なっておりかなり不気味でした。
最初は皆固まってあるいていたのですが誰かが
「別行動しよう」
と言い出して兄と自分、兄の友達3人に別れて行動する事になりました。

そしてしばらく歩いていると急に周りの空気というか空間自体というか・・・
とにかく何かが変わりました。
自分は兄に「帰りたい」と言おうとしたら・・
「帰るぞ、今すぐに」
と兄がいきなり言い出し、自分の腕を引っ張って引き返しだしました。

後少しで鳥居という所で兄が立ち止まり、正面を見て震えていました。
自分も恐る恐るそこをみると・・・・・。
子供が数人ほど自分らの進路を遮る様に立っていました。
その顔を見ると皆半ば白目を向いて無表情な顔をしていました。

兄は恐怖に耐え兼ね、叫びながら自分を引っ張って走りだしました。
子供たちを突っ切り、もう出られると思った瞬間・・・兄が悲鳴を上げて倒れたんです。
自分が兄の方を見るとなんと、先程の子供たちが兄にしがみついていたんです。
自分は何とか逃げて助けを呼ぼうとしましたが体が動きません。
自分の下半身がやたら重い事に気づき、目を向けると・・・・
なんと白目を向いて歯を剥き出しにした老婆が腰にしがみついていたんです。
自分は恐怖というより死を覚悟しました。

死を覚悟して目をつむると自分にしがみついている老婆が。
「おいで・・おいで・・・こっちにおいで・・」
と頭に直接響くような声で呟いてきました。

自分はそれを聞いた途端に死を覚悟したはずが物凄い恐怖心を感じ、思わず目を開いてしまいました。
すると老婆が自分の身体をはい上がって来ていて顔が目の前に有りました。
自分は力の限り叫びましたが、あんなに大きく叫んでいたのに
近所の人は何故気づかないのかと思っていました。

そして兄の友達はどうしたのだろうと思い兄の方を見ると・・・。
兄は子供たちに神社の奥へ引きずられて行ってました。
自分は必死で助けを求めて叫びました。

すると背後から聞いた事ある声が聞こえました。
「もう大丈夫だよ」

その声を聞いた途端に身体が軽くなりました。
振り返ると昼間に会ったあの男性でした。後ろからは大人たちが大勢やって来ていました。
怒ってる声や心配している声も聞こえました。

「助かった?」
と思い、兄を見るとなんとか無事なようでほっとして腰が抜けてしまいました。
男性たちが心配そうに声をかけてくれていると兄が
まだ奥に何人かいる事を告げると男性の顔色が変わり「まずい!!早く助け出さないと大変だ!!」
と言って数人の大人たちと走って行きました。

それから兄の友達は神社の中で見つかりました。
変わり果てた姿で・・・。

命は助かったけど精神をやられていたそうで、
その人たちは、そのまま町から出て病院へ行き入院したそうです。
自分たちは皆にこれ以上無いくらいに叱られました。母親たちは泣いていました。

その後で聞いたのですが、あの神社は元は普通の神社でそれなりの力を持った住職がいたそうです。
しかしなまじ力が強い為、助けを求める霊が次々と集まって来て、
最初はきちんと対処していた住職もやがて堪えられなくなりそのまま逃げ出したそうです。

本来、住職が居なくなったり取り壊されてしまう神社は、ちゃんとした儀式などを行い
場を清めてから祭ってる神を別の場所に移すという事をしなければならないそうですが。
この神社はそのまま放置された為、祭ってる神がいるのに祭る住職が居ない、
そしてまだ助けを求める霊が集まって来ているという事から、
神の性質が異常をきたし結果、邪霊の住家となってしまったとの事でした。

男性は町から依頼されて退魔士関係の本山から派遣されて来ていた人物だそうです。
その人が言うには、この神社は過去に例が無いくらいに酷い状態だそうで
浄化するにはかなりの期間が必要と言っていました。

自分たちはお祓いを受けてそのまま帰されました。
もう絶対にあの場所には近づかないと決めました。
あんな思いは沢山だと思いました。


あの事件はまだ始まったばかりだったんです。
数年後・・・あの時とは比べものにならない恐怖を味わう事になりました。

自分が中学3年になった時に、クラスで何かと目立つ存在のMが、
こともあろうにあの神社で肝試しをやると言いはじめたのです。
自分と自分彼女(現妻)のAも誘われましたがそれが引き金となり、
また兄や町を巻き込む事件が起きてしまいました。


Mがあの神社に肝試しに行くと言い出したの聞き、自分は震えが止まりませんでした。

そしてMが「おい!!T(自分の事です)。お前も来るんだろ?
Aも誘ってるから当然来るよな?まさか逃げないよな?」
と挑発とも思える言葉で誘ってきました。
自分は当然断りました。
「いや・・悪いけど行かない・・そっちもあそこへは絶対に行かない方がいいよ・・・。
悪い事は言わないから止めた方がいい。」
と止める事もしましたがMは全く聞き入れず、逆に自分を臆病者、
知ったかぶりしてカッコつけている、等と罵ってきました。

何度説得してもダメでした。自分もあの時の事を詳しく言えればよかったのですが、
町の大人やあの男性からあの事を人に言ってはならない、と固く禁止されていたので言う事ができません。

禁止された理由を言いますと、人と人の繋がり関係は
普通に考えているほど簡単でなく、もっと深く、複雑な物らしいのです。
例え少ししか会話した事なくても(挨拶程度でも)
その人同士はそれで関係を持った事になり繋がってしまうらしいのです(強弱はあるみたいですが)。
例え本人たちの仲が悪くても関係なく繋がってしまうらしいです。
有名な「言霊」もこの事が関係してると言っていました。

たがらあの事を他人に話す事はあの事件に関係した自分は当然として、
あの邪霊とも繋がる恐れがあり、自分を通して奴らが事件の事を知った人を
呼び寄せる可能性があるという物でした。
だから自分は事件の事は言えませんでした。
言えば関係無い人まで聞いてしまったり、Mが人に話す恐れがあるからです。

自分はなんとか行くのを止め様としましたが、取り付く島も無いといった状態で
逆に学年中に「Tは臆病者」、「彼女だけ行かせて自分は行かない卑怯者」とか言い回り、
自分はイジメとまではいきませんが、少し孤立してしまいました。

なぜMが自分に対してあんな態度を取っていたのか・・・。
その理由はこの事件の本当に最後・・・
この時からさらに数年後に解る事になりました。

自分はAだけでもと思い説得しましたが、
「R(Aの親友)も行くし、約束しちゃったから・・今更断り切れないよ・・」
と言って聞いてくれませんでした。

あのMが流した話を聞いて自分に少し不信感を抱いていたみたいでした。
自分はAをほおって行く事はしたくない・・・でもあそこに二度と行きたくない・・・。
止めようにも真実を話せない。
(Aだけに伝えようにも多分MやRが強引に聞き出す恐れがありましたし)
自分が悩んでいると一つ思い出した事がありました。

あの事件の後にあの男性から
「また君たちに危害が及ぶ可能性もあるからこれを持っていなさい。肌身離さずとは言わないけどなるべく近くに置いて置くんだ。これを持っていたら余程の事じゃない限り大丈夫だから・・・いいね?」
と数珠に似ているお守りを自分と兄にくれた物があったんです。

自分はそれをAに
「自分はやっぱり行けないからこれを持って行って。忘れたり無くしたりしない様にね・・・。」
と言って渡しました。Aも少し悩んだけど了承して受けとってくれました。

自分は2つ持っているので一つ渡しても大丈夫だろうと思いました。
もう一つは兄が持っていた物ですが兄はもう家にいません。
兄が何処に行ったかは後でお話します。
そしてMが「計画した」肝試しの当日の夜がやって来ました。
自分らにとって悪夢の様だった夜が。


肝試し当日の夜、自分は少し後悔していました。
皆を無理にでも止めるべきだったかもしれない・・
Aが行ってるのに自分は怖いからという理由で行かないなんて最低ではないのか?・・と。

自室で悩んでいると下の階から電話が鳴り始めました。
両親が中々電話を取らないので自分が電話に出ると・・、
「あ!!T?Aが・・Aが・・大変なんだよ!!とにかくすぐにきて!!」電話はRからでした。
「大変って・何がおきたの?Aはどんな状態なの?」
「とにかく助けて!!今神社なの!1早く来て!早く!!」

自分は最悪の事態になったと思いました・・。
自分が臆病なせいでAが大変なことになったと激しく後悔しました。
もう恐怖心よりAのことが心配でたまらなくなり、神社に行く決意をしました。

しかし自分一人が行ってもどうも出来ないかもしれない・・・。
自分は少し悩みましたが両親に相談することにしました。
初めからこうすれば良かったのですが。
言えばMとかに大人にいいつけた卑怯者と罵られ皆に・・Aに嫌われる。
そんな自分勝手で自己保身的な考えで言えずにいました・・・。
自分は自己嫌悪な気持ちでいっぱいでした・・・。

本当は兄に相談したかったのですが、兄はあの事件の後も霊現象に襲われていました。
どうやらあの事件の影響は兄のほうが深刻だったらしく、
退魔士関係の本山(どう表現したらよいのか解からない為、とりあえずこう呼ぶことにします)で
浄化されることになり今はいないのです。

兄は出発時に。
「俺はあっちに行くからこれはお前が持ってな。一つより二つの方が効果あると思うから」
とお守りを渡してくれました。

両親に言うと二人は物凄く慌てて
「町の人たちを集めてあの人たちに連絡しよう。お前は絶対に家から出るなよ!!」と言ってでていきました。

しかし自分もAや皆が心配でたまらなかったので一足先に神社へむかいました。
しかしその時気づけばよかったのです。
自宅の電話番号はAから聞いたりクラスメイトだから知ってても不思議じゃありませんが・・。
どうやって神社から電話をかけた?

あの頃はまだ携帯もそこまで普及しておらず、クラスの皆は誰ももっていませんでした。
入り口の鳥居にたどり着いたものの、その不気味な雰囲気はそのままで
入るのに躊躇してしまいましたが意を決して入りました。

恐怖に震えながら進んでいると、あの悪霊たちが姿を見せないので不思議に思いました。
神社の境内は静かなものでした。
いや・・静かすぎたんです。

何か起こっているなら皆の叫びなり悲鳴なり聞こえてくるはずです。
さらに進むと誰かが座り込んでいるのが見えました。よく見てみるとAでした・・。
自分はすぐに駆け寄って

「A!!大丈夫?何があったの?皆は?」とAの肩を抱きながらききました。
「あ・・T・・。う・・うう・・」とAは泣き出してしまいました。

「一体何があったの?怪我とかはない?皆はどこにいったの?」
「わかんないよ・・しばらく歩いていたら皆急に無口になって先に行っちゃって・・
追いかけようとしたら転んじゃって・・いくら叫んでも答えてくれなくて・・
そしたらへんな子供が出で来てここまで引っ張られて・・・」
自分はそれを聞いてまずいと思いました・・。

あの時と酷似してる・・とあの電話の事もその時気づきました。
とにかくAを連れてここから出よう・・そう思って振りかえると・・。
子供が2~3人こちらを見つめていました・・。

しまった!!と思いAを立たせて逃げようとして気づきました。
その子供たちは表情があの時の子供と違うんです。
怒った顔でこっちをみていました・・。

「あの子たちだよ・・私をここまで引っ張ってきたの・・・」
Aが涙声で言いました。

「帰れ」
「ここから早くでていけ」
その子供たちが自分らにそういいました。

どうして?と自分が子供たちを見ていると・・。
知ってる・・俺はこの子たちを知ってる・・。
そう感じた瞬間・その子たちが誰かわかりました。

あの時巻き込まれた兄の友達でした・・。
「あぁ・・そっか・・そうなんだ・・君たちがAをここまで連れてきてくれたんだね?
今、悪霊から守ってくれてるんだね?」
自分は泣いていました。

そしてAに
「あの子たちは大丈夫だから・・今のうちにでよう・・・大人たちも後でくるからそれから皆をさがそう」
と言って落ち着かせました。Aは素直に頷き歩き始めました・・。

ところがいきなり周りの空気が変わったのです。Aもそれに気づき足を止めました。
そして周りを見ると・・悪霊たちが自分たちを取り囲む様に立っていました。

「ひっ!!」
「きゃああああ!!」
ほぼ同時に悲鳴を上げその場にへたり込んでしまいました・・。
あの子達が抑えていてくれたのが限界がきてしまったのでしょうか?
自分たちはお互いを抱き合い恐怖に震えるしかありませんでした・・。


しかし・・悪霊はこちらに近づいてこようとはしませんでした・・。
自分はすぐにお守りがあるからだと気づきましたAをみるとちゃんと腕にお守りをしていました。
お守りが二つあるから効果も高いのでしょうか?それ以上近寄ってこれないみたいでした。
「A・・走るよ・・お守りがあるから何とかなるかもしれない・・いい?止まったり振り返らないように走るよ」
とAに言いました。

Aも頷き手を固く繋ぎました。
自分はその辺の棒切れを掴んで無駄な事とは思いながらもそれを振り回しながら走りました・・。
悪霊たちが追ってきているのを背中越しに感じながらも走りました。

そして鳥居が見えてきて「鳥居を潜れば大丈夫だから!!もうすぐで逃げられるよ!!」
とAに声をかけながら走り続け、ついに鳥居を抜けました・・・。
逃げ延びた安堵感でいっぱいになり二人してその場に座り込みました。

しかし

顔を上げるとなんと悪霊たちがすぐ傍まで来ていました。
かなりの数がいたと思います。あの時は4~5体くらいだったのに・・。
浄化が少しづつ行われて数は減っているはずなのに・・。

しかもどうして神社からでてこられるんだ?
お守りを持っているのになんでそこまで近寄れるんだ?
さっきまで大丈夫だったのに・・・・。
恐怖に震えながらもそんが考えがうかびあがってきました。
そして悪霊たちが自分らにさらに近寄って来たのです。

「いゃああああ!!なんで?どうして?私たちが何をしたっていうの?許して!!許してよぉおお!!助けてー!お母さん!お母さん!」Aが泣き叫んでいました。

自分も叫んで助けを飛びましたが誰も気づきません・・
それどころか街灯や民家の明かりなどが一切無いことに気づきました。
悪霊が自分らを引きずり始めました・・。

自分はあの時の様に「あぁ・・俺・・これで死んでしまうんだろうなぁ・・」と考えていました。
Aは気を失ったのかもう叫んでいませんでした。

自分らが鳥居の中に引きずりこまれ始めた時、バチ-ーーーン!!と大きな音がしました。
その音に我に返り周りを見ると悪霊たちの姿は無く街灯や民家の明かりも見えていました。

Aも突然のことに呆然としていました・・。
「え?助かったの?」と自分らは顔を見合わせました。
すると腕につけていたお守りが二人とも壊れているのに気づきました。
まさかこれが身代わりに?と考えていると向こうから大人たちがやって来ました。

その中には退魔士の人たちやなんと兄もいたのです。
自分は事情や状況を話しました。きついお叱りも受けましたが皆優しく迎えてくれました。
中に残ってる人たちを連れ戻すために退魔士と大人たちが行くことになりました。
それとなんと兄も同行するらしいとわかりました。

「俺も無関係じゃないしな、俺をきちんと浄化するにはもう一度入らないといけないらしいし」と言ってました。
そして・・自分も同行を希望しました。
当然のように大反対をされましたが自分の責任でもあるし・・
そしてなによりも絶対に自分で確かめないといけないことがあるからでした。

自分も一歩も譲らず頼み込んでいると、絶対に単独で行動しない事、
皆から離れないことを条件に了承してくれました。
Aをみるとどうして自分が行こうとしているのか。
確かめたいことがなんなのかを解かっているようでした。
自分は恐怖心を振り払いながら皆について再び神社の中に入っていきました。

道中、兄に兄の友達のことを話すと兄は涙を流しながら
「うん・・そうか・・あのな・・あいつら・・ついこの間・・息を引き取ったんだ・・俺のとこにも来たよ・・そっか・・お前を守りに行ってくれたんだな・・ありがとう、ありがとう・・」
兄は泣きながらあの子達にお礼を言ってました。

自分も泣きながらお礼を言いました・・。
そしてしばらく歩いていると兄に変化がでたんです。
いきなり倒れこんで苦しそうに顔をゆがませていました。

よく見ると兄に悪霊が圧し掛かっていました。
すぐに退魔士の人が除霊を施したのですが中々払えませんでした。
数人掛りでやっと払うことが出来ました。

その後・・クラスメイトは神社のご神体(と思われるもの)の前で見つかりました・・
中は血の海でした。自分はたまらず嘔吐してしまいました。
すぐに救急車が呼ばれ運ばれていきました・・
幸い重傷ではあるものの命に別状はないとの事で少し安心をしました。

しかし霊が肉体に直接傷をつける事ができるのかと疑問に思いました。
そして・・神社の裏の大木でMが遺体で見つかりました。
自分は見るなと言われて見ておりませんが、
自分が確認したかったのはこれの事だったんだと改めて認識しました。
理由は後ほど語ることにします。

それから、もうこのままにしてはおけないと退魔士の人たちが、大掛かりな浄化を行うことになりました。
本来はまだ変質しているとはいえ神がいる状態なので少しづづ行い、
神っを徐々に元の姿に戻していくのが最善だったらしいのですが、
事は急を要する為にやむを得ず行うことになったそうなんです。

数日後・・その浄化の儀式が始まりました。
自分はTVなどで除霊儀式などを見たことありますが、全く規模が違いました。
自分とAも当事者なため参列することになりました。
自分はこの光景を一生忘れることはないと思いました・・。

この事件ですが死者でたににも関わらず新聞沙汰などにはなりませんでした。
どうやら退魔士関係の人たちや町の人たちが根回ししたようでした。
自分は事実を知ることでの感染を防ぐ為だと思っていましたが、別の理由もあったのです・・。

その理由も先ほどの自分のことと同様にこの数年後に判明することになりました・・。
今回の事件の真相も・・・。


あの後自分は高校に進学して、高校を卒業するとそのまま就職して町をでました。
Aも高校卒業後は大学に進学して自分と同じく町をでました。

自分たちは同棲という形で一緒に暮らしてAの大学卒業後に結婚しました。
それからさらに月日が経って、自分たちに娘が出来てその子が五歳になった時に
実家で法事がある為に帰省する事になったのです。

実家に帰る途中。自分たちはあの神社の前を通りました。
鳥居や神社自体も新しくなり、昔と全く違う様子でした。
あの事件・・・一人の死者がでてしまった事件・・・。
あの時自分がMの死を確認しなければならなかった理由・・・。それは。

「ねぇ・・・T・・あの時さ・・私たちがここで襲われてる時・・・あの悪霊の中に・・・Mがいたよね?それを見たからあの時確認に行ったんでしょ?」
Aは思い出した様に言いました。

「うん・・・・」
そう答えると二人とも黙ってしまいました。

「ママ・・おトイレ行きたい。」
娘のEがそう言い出し自分たちは実家へ急ぎました。

実家に帰って少しくつろいでいると
「E、お外で遊んでくるー」
と娘が言ってきたので
「車に気をつけてなーあんまり遠くに行くんじゃないぞー」
と声をかけました。

そしたら中々娘が帰って来ないので心配して探しに行こうとしたら、半ベソかきながら帰ってきました。
「どこに行ってたんだ。心配してたんたぞ」
と言うと娘の口から信じ難い言葉が出てきたんです。

「あのね。変なお兄ちゃんがこっちにおいでって言ってきたの。E行かないって言ったらお手々引っ張られたの・・・。それでね後ろから違う人に引っ張られてお寺(あの神社の事)に入れられて出れなくなってたの」
自分は驚愕しました。
まさか・・・と。隣にいたAも顔が真っ青になっていました。

「それで?どうなったの?何にも見なかった?体はなんともないの?」
Aが慌てて確認すると

「うん・・・なにも見てないよ・・。少し待ってたらドアが開いたから帰ってきたの・・・
パパ、ママごめんなさい。」
泣き出したEをAが抱きしめて必死でなだめました。

自分はすぐに兄に連絡をとりました。
兄はあの後にそのまま本山に戻り修行をしたいと申し出たのです。
兄に色々思う所があったらしく、両親や退魔士の方たちの了承を得て本山に行きました。

兄は直ぐに電話にでました。
「おぉ、Tか。久しぶりだなー。俺も明後日くらいに戻る・・・・・・・お前・・・・なんでそんな状況になってるんだ?なんだそれは!!お前何があった!!」

兄は何か気づいたみたいで自分が状況を説明すると
「いますぐ町から逃げろ!!いや・・・手遅れか・・いいか?
いますぐ両親やあの神社の管理人に言ってあの神社に立て篭もるんだ・・。
絶対に出るなよ!!俺らもすぐにいくから」

「は?冗談だろ?なんであの神社に・・・どういう事たよ!!」
自分はサッパリ状況が掴めず困惑していると

「お前らを狙ってる奴な・・マジで洒落にならん!!怨霊とか邪霊とかそんなレベルじゃない・・まさに魔物だよ!!信じられん・・どうやったらそんな風になれるんだ・・。いいか。すぐに神社に行くんだ!!」
と言って電話が切れました。

自分は困惑しながらも皆に事情を話し、また大騒ぎになりつつも神社に立て篭もりました。
そしてご神体のある部屋で朝を待つ事にしたのです。深夜遅くなり・・そろそろ眠気がきた時・・。

「おい!!俺だ!!来てやったぞ!!開けてくれ!!」
と兄の声が正面の入口から聞こえてきました。

しかし自分たちは兄のはずがないと思い
「入りたいならそっちの方から入ればいいだろう」と言いました。

自分とAはそいつが誰だか解っていました。
「M・・・Mなんだろう?解っているんだよ・・どうしてなんだ?どうして俺たちを・・・」
と言った瞬間に入口が開きそこには当時のままのMがいました。

「あ・・・Eを連れて行こうとしたお兄ちゃん」
Eがいいました。
やっぱり・・・。自分はそう思いました。
そしておそらくはEを後ろから引っ張って神社にいれたのは
この神社に祭られている神様なんだと思いました。

正常に戻った神様はあの事件の被害者である、自分たちの娘を守ってくれたのだと感じました。
この神社に入ってご神体のそばにいてそんな気がしていたのです。
「あのお兄ちゃん、どうして体が真っ黒でお目々がないの?」と娘が言い出したのです。

そしてMを再び見てみると全身がどす黒いオーラのように包ままていました。
目もないのではなく、真っ黒な目だったのです。
そして此処にいるだけで気を失いそうになるくらいの憎悪、怨念、殺意などの波動が溢れ出ていました。

魔物。

兄が言った事を思い出しました。まさに魔物でした。
どうやったら人間だったものがこんな風になれるのか・・・。
自分は家族を守る指命感と目の前の存在に対する恐怖心で震えてあました。


自分たちとMはしばらく睨み合ったままでした。
おそらくMは自分たちに襲い掛かろうにも、ご神体が邪魔して入る事は出来ないのだろうと思いました。

自分は二人の盾になるように前に出て、AはEをしっかりと抱きしめていました。
そして朝になればMの力も弱まり、駆け付ける退魔士たちに今度こそ浄化される・・・。
Mはそれを解っているかの様に自分たちとご神体を凄い形相で睨みつけていました。
そして何かを口走り、真っ黒な目で自分とA、Eを交互に睨みながら消えていきました・・・。

朝日が昇っていたのです。
自分は終わった・・・と安堵しました。
Aは泣いていました。
Eは・・・・寝ていました。

しばらくして兄たちが駆け付けて来て改めて浄化を行う事になりました。
相手が相手なだけにかなり手こずってたみたいですが無事浄化が終わったと告げられました。
そして自分たちはご神体の部屋に呼ばれて今回の事、
そして前回の事件の発端と真相を語られる事になりました。

まずMですがあそこまで魔物化してしまうと、浄化や浄霊は不可能との事で
消し去るしかなかったと言われました。魂の消滅。
それは前世から続いてる魂をなかった事にされあの世にいく事はおろか、
生まれ変わる事も出来ない、本当の死。
これ程恐ろしい事はないと思いました。

そして前回の事件でMは変死だと聞かされてましたが、真相は自殺だったそうです。
クラスメイトの怪我もMの仕業だったと言われました。
あの悪霊たちをあの時操っていたのがMだった事も
始めから自分をAを標的に計画された肝試しだったらしいという事も告げられました。

Mを浄化した時に全て解ったと兄は言っていました。
Mは自分に些細な事から恨み(この時はまだ小さなものだったらしいです)始めたという事でした。
それからは何かと自分とMを比べて殆ど逆恨みに等しい恨みになっていき・・
腹いせに自分の彼女(A)を取ってやろうと思い、言い寄った事があると言う事でした。
これについてはAからも聞かされた事があります。

しかしAは全く振り向かず、次第にMはAに本気になっていったらしいのです。
でもAが全く振り向かない為、段々と憎しみに変わりやはり恨みの矛先を自分に向けたという事でした。

そんな時にあの神社の事件に自分が関わっている事を知ったMは
(おそらく大人たちが話ているのを偶然聞いたのだろうと言っていました)あの神社へ行き、
あの大木に「Tを呪い殺せ」と叫びながら藁人形に釘を打ち込んでいたと言うのです。

神社の悪霊たちはMを取り込もうとしたけど、あまりの怨念の凄まじさに逆に、
利用される形になってしまったと・・・・。
そしてMは自分自身が悪霊になって俺を取り殺し、Aを自分の元に引きずり込もうと
最悪の決断をしたのだそうです。

他のメンバーはただの生け贄程度にしか考えていなかったそうです。
最初はAも他の人もろとも殺そうと考えましたがお守りや兄の友人に邪魔されて
急遽自分を偽の電話で呼び出す事にしたそうです。

あ、重要な事を言ってませんでした。
肝試しが始まった時はMはすでに死んでいたそうです。
大木に打ち付けてある自分に見立てた藁人形を睨みつけている様に首を吊っていたとの事でした。
(だからあの時自分だけが見ない方がいいと言われたのでしょう)

悪霊を使役して自分たちを取り殺そうとしましたが、お守りがあった為に上手くいかず
悪霊を神社の外にでれる様にしたりして手を加えましたがあの時、
自分たちは見えてなかったけど兄の友人たちが必死で自分たちを守っていたと教えられました。

そしてお守りが身代わりになる様に弾けた為、その力で神社に押し戻されたという事なのです。
そして浄化の際には大木に身を隠して浄化されたと見せ掛けて怨みを募らせながら機会を伺っていた・・。
そこにEを見つけたMが再び行動を起こしたというのですが。
今度はかつて自分が利用しようとしたご神体に阻まれその憎悪に終止符を打たれたという事でした。

自分はなんて言っていいのか解りませんでした。
自覚なかったとはいえ自分が発端になっていた事を知りショックを隠し切れませんでした。

「そっか・・・だからMは消える間際に・・・」
他の二人はよく聞こえてなかったらしいのですが自分にはハッキリと聞こえていました。
「なんで・・・どうして・・いつもお前ばかり・・」

自分は泣いていました。
巻き込んだ人に対して、Mに対して、申し訳ない気持ちと自分に対しての怒りで泣きました。
「もう終わったんだよ?大丈夫、大丈夫だから」
Aも泣きながらそう言いました。

「パパ、ママ、どこか痛いの?さっきのお兄ちゃんになにかされたの?」
Eが心配そうに見つめていました。自分は二人を思い切り抱きしめて泣きました。
もうあの悪夢は終わった・・・・。そう思い自分は罪悪感と安堵感に包まれていました。


あの事件の後、自分たちは亡くなった人たちのお墓を回りました。
兄の友人たちのお墓で深い感謝の気持ちを伝え、毎年お参りにくると約束しました。
Mのお墓にも行きました。

本当は実家にもお線香をあげに行きたかっのですが、引っ越した後で行方が解らないとの事でした。

魂のないお墓・・。
自分はMになんと言えばいいのか解らず・・・
線香をあげて手を合わせて祈る事しかてきませんでした。

あのMに襲われて怪我をしたクラスメイトたちも今は皆元気にしているそうです。
(神社に入ってからの記憶は無いみたいですが)
近々同窓会でも開こうと通達が来ました。

あ、それから娘のEも今は小学校に上がり元気です。
あの後、どうも神様に触れられたEは特別らしくて退魔士の方たちが
「うちにお向かえ頂く事はできないでしょうか?」と頼み込んできました。
無論、丁重にお断りしましたが・・・。

Eの霊的防御力は凄まじい物になっているらしく、
並の悪霊とかは近づくことすら出来ないと言っていました。
(喜んでいいのやら・・・)Aは苦笑いしていましけど・・・・。

後、他の神社などに行った時に自分たちは守ってくれている存在がいっばいいると告げられました。
皆が守ってくれている・・・。
自分は彼等に感謝の気持ちを一生忘れないと思います。

最後にあの神社ですが今では昔の面影も無く、境内で子供たちが遊んでいたり、
たまに祭が開かれる等、大変賑わっています。
でも自分たちはあの事件を忘れません。
亡くなった人の為にもこれから神社に行く人の為にも
この話をなるべく正確に伝え、忘れられない様にする為に自分はこうして投稿を決意しました。





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