【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

実話怪談・都市伝説・未解決の闇・古今東西の2ch洒落にならない怖い話。ネットの闇に埋もれた禁忌の話を日々発信中!!

カテゴリ: 山にまつわる




840 名前: kagiroi ◆KooL91/0VI [sage] 投稿日: 04/12/10 00:22:42 ID:fS2zpXXZ
隠れ里、とか、隠し里、などという場所が時折ある。 
実際には「○○の隠れ里」などと言われ、所在のはっきりした場所になっていて 
隠れ里どころではなく、それを売りの観光地になって賑わったりしている。 
そんな隠れ里と呼ばれる場所の幾つかは実際に村の存在が判明せず 
迷信と思われている所もあるようだ。 

登山というより、ハイキングの好きな二人組みが、ある山間の地域で 
この「隠れ里」の云われがある場所を目指して山に入った。 
ただのハイキングコースで、無理なルートを取るわけでもなく 
史跡のひとつでも有ればと気軽に歩いていた。 
予報では晴天が続くとの事だったが、そこは山の天気。 
幾つかの史跡らしきものを回って、そろそろ帰路につく頃になって 
にわかに空が暗くなり、大粒の雨が落ちてきた。 

雨具は用意していたものの、あまりの雨足に雨宿りをと思い 
先ほど見てきた大きめの石碑にかかる屋根で雨宿りをする事にした。 
5分ほど木々の中を歩くとすぐにその屋根は見えてきた。 
雨の中を歩いたせいもあって、軒先で座り込むと眠気に襲われ 
二人して石碑にもたれてウツラウツラとし始めた。 
しばらくすると、誰かの話し声に目が覚めた。 

辺りを見回すと確かに誰かが居るのは解った。 
あぁ、雨も止んだんだな。そう思って少し目を開けると 
そこに数人の人影があった。日はまだ高く時間は昼下がり。 
ただ、鬱蒼と茂る木々の中なので人影は解っても詳細は見えない。 
意識がはっきりしてくると妙な事に気づいた。 
話し声は聞こえるのだが、その声は妙に甲高く意味が解らない。 
それに、膝を抱えてうつむいてるのに人影の全体が解る。 

ハッとなって顔を上げるとそこには、身の丈30cmほどの 
見るからに古めかしい格好をした農夫のような男性が3人立っていた。 
立とうとしても体が重くて立ち上がれない。コマ送りのように動く3人が 
自分達の周りをせわしく動いている。得体の知れない恐怖が襲う。 
盛んに棒切れを振り回してこちらに何かを訴えてくるようなのだが 
早回しのテープのような声ではっきりとは解らない。 

脂汗が止めどなく流れる中、その中の一人がツカツカと近づいてきた。 
膝のあたりまで顔を近づけると、やはりテープの早回しのような声で何か叫んでいる。 
ガタガタ震えていると、向こうは怒ったような顔で今度はゆっくりとこう言った。 
「カ・エ・レ。デ・ネ・バ。ク・ラ・ウ・ゾ。」その瞬間、意識が途切れた。 

雨はあがり、嘘のように晴れ渡った空の下で目が覚めた。 
嫌な夢を見た。そう思って仲間を起こすと異常なほどに汗をかいて震えている。 
「どうした?」その声に飛び上がる仲間。「あれは何だったんだ!?」 
夢ではなく、やはり彼も同じものを見ていたのだ。恐怖に駆られて立ち上がると 
一目散で元来た道を引き返して町まで帰った。 
同じ状況で同じような幻覚でも見たのだろうと、山に慣れた二人は思ったのだが 
帰りの車中で、膝に付いた小さな泥の手形を見て、心底震えたという。 

隠れ里。その昔、ごう病や奇形の血筋を持った者達が村から追い出され 
山中深くに人目を忍んで暮らした場所だとも聞く。 
社会から忘れられた人達が今もひっそりと暮らしているのかも知れない。 






771 名前: kagiroi ◆KooL91/0VI [sage] 投稿日: 04/12/07 23:22:17 ID:6+0ipR0e
どこの地方の山にも伝説のような話は残っていて、 
その中にたまに聞く話で、山頂の剣、みたいなのがある。 
ある山歩きの好きな知人が、東北のそんなに有名でもない山で 
初夏の頃に登山に出かけた。地元の登山家にルートを聞き 
地図とコンパスを手に半日ほどの行程だった。 
仲間二人と登山道をたどって山頂を目指した。 

山頂に着くと、ルートマップに無い獣道を見つけた。 
知らない山で迷うのも嫌なので無視しようと思っていると 
木々の間から立て札のようなものが見えた。 
文字はすでにかすれて読めないが、その先に何かあるようだった。 
好奇心から少し入っていくと、見晴らしになっていてそこには大きな岩があった。 
注連縄に柵、あぁ、何か祭ってあるんだなと思って回り込んでみると 
その岩の上に横たわる人影。初夏だというのに冬山装備で岩の下を 
覗き込むようにしている。声をかけてみた。「何かあるんですか?」答えない。 
近づいてみるとすでに白骨化している。それを見て全員が思わず息を呑んだ。 
遭難者は珍しくなかったが彼等を驚かせたのは、その遺体の背中には 
錆びた鉄剣が突き立っていた。急いで麓の警察に連絡。 

じきに大勢の人が上ってきて現場は騒然としていた。 
「あぁ、殺人事件に巻き込まれるとは・・・」そう思っていると少し様子が違った。 
地元の人々が、「またか」というような事を話している。 
身に着けていた服を切り裂いて白骨体をその岩から下ろすと 
さっきは気づかなかったが、足元に倒れていた立て札を誰かが立て直している。 
「また馬鹿が触りにいったんだな」そうつぶやくと岩を拝んで立ち去った。 
立て札に目をやるとこう書かれていた。 

「鬼の首落とし。立入禁止。触るな。」 
いつの頃に立てられたものかは解らないが、すでに数百年は経っているという 
大きな鉄剣はその昔、この山を荒らしていた鬼の首をはねたものだという。 
抜けない、切れない鉄剣。数年に一人は犠牲者が出るという。 






竹薮に湧く化け物
293 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:29
枯れた竹薮に湧く化け物がいるらしい。立木を引き倒し、大雨を降らせると言う。

嵐の夜、見回りをしていた男が、半年前に枯れた竹薮の足元に来た時、
黒髪のようなものが絡み付いた木々が、土石流と共に押し寄せてきた。
慌てて逃げる男の後ろから、甲高い笑い声が追いかけてきた。

馬の小便
294 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:30
一仕事終えた男が山で酒を飲んでいると、突然耳もとで声がした。
「馬鹿だな、馬の小便なんか飲んで」
それを聞いた途端、口の中に何とも言えない味が広がり、男は思わず酒の瓶を放り投げた。
一瞬後、我に返った男がいくら探しても瓶は見つからなかった。

滝の向こう
295 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:31
ある人が、山中の滝壷の側で休んでいた。
何気なく滝に近付いた際、轟々と流れ落ちる水の中で、腹を見せて泳いでいる魚を見つけた。
尾ひれを優雅にくねらせる魚の周囲の水は、静止しているようにも見える。
思わず顔を近付けたその時、向こう側の水面から突き出した嘴が魚をついばんで消えた。

人の形をした獣
301 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/26 02:47
猟師をしていた祖父は、山で人の形をした獣を撃った。

翌々日に家に帰った祖父は、祖母にそのことを話した。
祖母は顔を青くして、
昨晩猿のようなものが、人の言葉で祖父の名前を呼ばわりながら、
家の周りをぐるぐる回っていたことを祖父に話した。

猿の毛皮
270 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 23:05
猟師が河原に猿を追い詰め、銃で撃った。
倒れて動かなくなった猿のところへ、猟師が近付いてみると、
そこにはひからびた猿の毛皮があるばかりで、周囲には血の跡もなかった。
猟犬は怯えるばかりで、近寄ろうともしなかった。

窯の歌
271 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 23:17
男が炭を焼いていると、窯の中から妙な音がする。
耳を澄ませると、男がいつも歌っている歌が聞こえてきた。
気味が悪くなったものの、そのまま焼き続けた。
やがて出来上がった炭は、生焼けで使い物にならなかったと言う。

けもの道
291 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:27
ある男が山菜を摘んでいると、背後から何物かが近づいてくるような音がした。
てっきり猪か熊だと思い込み、慌てて手近な木の上に登って下を見ていると、
姿の見えない何物かによって草や灌木がなぎ倒され、けもの道が出来上がっていく。
それが遠ざかってから下に降りてみると、辺りには百合の匂いが漂っていた。

お地蔵様と桜
292 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/25 23:28
その杣取りは、毎朝桜の木の根元にあるお地蔵さまに手を合わせるのを日課としていた。
ある日、手を合わせている最中に、お地蔵さまの顔が何処となく悲しげに見えた。
そこで、五分咲きの桜の枝を手折り、お地蔵さまの足元に添えた。
夕刻山から下りてくると、満開となった桜の枝が、お地蔵さまの頭を貫いていた。

肉の塊
265 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 21:39
白山を歩いている時、何かが目の前に落ちてきた。
拾い上げると、テニスボールくらいの肉の塊。
血にまみれた新鮮な肉片に、良く見ると毛皮もついている。
上を見上げても、木の枝が覆い茂ってばかり。
いろいろと怖い想像が頭をよぎり、慌ててその場を離れた。

空洞の骨
266 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 22:40
ある人が切り倒した木を寸断していると、木の中に空洞があり、
その中に獣の骨が一揃い入っているのを見つけた。
抜け穴もなく、外界から完全に隔絶した洞の中には、乾いた糞のようなものも落ちていたと言う。

燃える岩
267 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 22:50
山菜採りを生業としている夫婦が、山肌にある大岩が燃えているのを見つけた。
慌てて近寄ったが、不思議と熱を感じない。
やがて火は消えたが、周囲の草や木には焦げた跡はなかった。
ただ、岩肌の苔は奇麗に無くなっていた。

幹の向うの目
268 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/09/24 22:57
ある人が梯子に上り木の枝を切っていると、耳もとで声がした。
声のした方向を見ると、幹の向こう側から誰かが覗いている。
目が合った途端、そいつは上の方に滑るように消えてしまった。
その目は真ん丸で、目蓋がなかったと言う。





335 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 21:59:01 ID:NX8Hv8u50
レスありがとう。
山男の話は覚えてるだけで4つあるんだけども、>>324の山男の話を投下するよ。

ある時、いつものように山に入ったじいちゃん。
その日は、ウサギの罠の様子を見ようと思っていた。
全部で5つ仕掛けたから、近いポイントから順に回っていくことにした。
1つ目のポイントは山に入ってすぐの所。罠にはかかってない様子。
2つ目・3つ目はそこから左へ行った所。それらもかかっていなかった。
今日は不調だな、と感じながら4つ目のポイントへ向かうじいちゃん。
4つ目のポイントは、3つ目のポイントから登った所だった。
そのポイントは絶好のポイントで、勝率も高かった為、じいちゃんは意気揚揚と罠を確認してみた。
しかし残念ながら、そこも不発。

どうしたもんかな、と罠の近くに腰をかけ、ぼんやりと罠を見つめていると、ある事に気が付いた。
罠は外されていたんだ。
ウサギは一度捕まり、そして誰かが罠を外している。(自力で脱出出来るもんじゃなかったらしい)
その事にじいちゃんは腹を立て、急いで5つ目のポイントへ向かった。
5つ目のポイントは、4つ目のポイントに近い所。
だからそこも外されている可能性があったからだ。
「くそう、横取りしやがって」と、誰だかわからない犯人を憎憎しく思い、登っていった。

そして5つ目のポイントの傍までやってきた時、
罠の辺りに、傍目からでも分かる大きな人が屈んでいるのを見つけた。
あいつだ!
声を上げずに、近くに佇んでいる樹木の影に隠れるじいちゃん。
そしてそっと様子を窺った。
その大きな人は、罠の辺りにじっと屈んだまま動かない。
と、ガサガサと物音が立ったと思ったら、すくっと立ち上がった。
やはり罠を外していたのは、そいつだったようだ。


336 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 21:59:58 ID:NX8Hv8u50
しかしそれよりも、その大きな人に目が行ってしまい、じいちゃんは怒鳴りつけることも出来なかった。
じいちゃん曰く、「ジャイアント馬場よりでかいぞ!あいつの倍はある!でっかいぞー!」ってぐらいでかい人。
そんな大男、じいちゃんは今まで見たことがなかった。

じり…っと後退りしたじいちゃんの足が、辺りに生えていた雑草に触れ、ガサリと音を立ててしまった。
大男は物音に気づき、「誰かおるのか」と聞いてきた。
じいちゃんは逃げたいのに怖くて動けなかった。
大男は続けて、「罠を仕掛けたのは、お前か」と聞いてきた。
そしてそのまま振り返り、じいちゃんの姿を捉えてハハハと笑い声を上げた。
「取って喰ったりせん。茶と柿があるぞ。こっちに来んか」
そんなことを言われても、体が言う事を聞かないから行くことは出来ない。
じっとしているじいちゃんを見て、大男はそれに気づいたのか、
「体が動かんか」と尋ねながら近づいてきた。
ひぃっと息を飲むじいちゃん。

大男は樹木を挟んでじいちゃんの隣に腰を下ろし、干し柿をじいちゃんに手渡した。
食べ物を貰うということで警戒心がほぐれたのか、じいちゃんは腰が砕けるように尻餅をついた。
そして、大男の外見をまじまじと見てみる。
真っ黒に日焼けした肌、ぼさぼさに伸びきった髪、背中には薪が積まれ、獣臭が鼻をついた。
「お前があの罠を作ったのか」
干し柿を食べているとそう尋ねられ、「うん」と思わず返事をしてしまった。
「そうかそうか。あの罠は上出来だ。お前は器用だ」
そこで罠を外した犯人だということを思い出し、じいちゃんは小さく聞いてみた。
「なんで罠を外したの?」
すると大男は、竹筒に入った茶(水かもしれない)を飲み、こう答えた。
「罠にかかっとったウサギは、まだ小さかったからな。小さいのは見逃してやってくれんか」
「わしはいつも見逃しとる!」
「おお、そうだったか。お前は麓の村の子供か」
「そうだ」
「ふむ……お前の村はよく出来た村だ」
「どういうこと?」
「お前の村は、生き物を無闇に殺したりせん。
 木もそうだ。切り方も、切る木の選び方もちゃんとしとる」
じいちゃんはさっぱりわからなかったけれども、自分の村を誉められているのはなんとなくわかったので、なんだか嬉しくなった。


337 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 22:00:41 ID:NX8Hv8u50
しばらく、2人で山について話をしていた。
(どんな内容だったかは、じいちゃんが手振り身振りで話してくれたけども、さっぱり忘れた)

もうどれぐらい時間が過ぎたのかはわからないが、「さて」と、大男がいきなり立ち上がった。
「もう戻らんといかんからな、お前も気をつけて下りるんだ」
「家はどこ?」
「お前には来れん所だ」
薪を背負い直す大男は、最後にこうじいちゃんに言い残した。
「くれぐれも山を乱さんようにしてくれ。わしらが生きていけんようなるからな」
「わしは乱してない!」
じいちゃんの声にハハハと笑いながら、大男は山の奥へと消えていった。

>>324の話に戻るが。
じいちゃん、その約束が守れなかったって思って、号泣したんではないかと思ってな。
まぁ真偽は不明。ただ、私はじいちゃんを信じてるよ。







313 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 17:53:45 ID:NX8Hv8u50
私のじいちゃんは、私が小さかった頃によく山の話をしてくれた。
その頃はまだその話を信じていたけれど、年を重ねるごとにそれらの話は、
じいちゃんが私を楽しませる為にしてくれた、与太話だと思うようになっていた。
しかし、最近母ちゃんからある出来事を聞いたことで、
じいちゃんの話は本当かもしれないって感じてきたんだ。
ちょっと記憶が曖昧な部分があるんだけども、じいちゃんから聞いた話を投下するよ。
伝聞語尾は鬱陶しいから外すね。

じいちゃんが小学校に通っていた頃。
じいちゃんは山間部の小さな村に住んでいて、よく山に入っていた。
遊び……もあるけども、山に入る理由の大部分は、
茸や山菜を取ったりウサギを捕まえるといった、食料収集だったのだ。
じいちゃんって6人兄弟の末っ子なんだけども、
じいちゃんと、三男・五男のじいちゃんの兄ちゃんが、その仕事を割り当てられてたんだ。
で、最初の頃は3人で茸なんか取ってたんだけども、その内じいちゃんも慣れてきたからっていうんで、3人バラバラに山に入るようになった。

ある日、じいちゃんは、ウサギを捕まえる罠を仕掛けに山に入っていった。
罠を仕掛けるポイントってあるんだけど、今日は違うポイントを発掘しようと、
いつもとは違う場所にやってきた。
道なんてない。樹木と雑草で覆われた荒れた所を、ずっと登って行った。

で、この辺りかなと思われる場所にやってきて、さぁ罠を仕掛けるぞと腰を屈めた時だった。
ガサガサ
じいちゃんの後方から物音がした。
ウサギだったらラッキーだけど、猪だったらどうしよう……と罠を仕掛けようとした手を止め、
おそるおそる後ろを振り返った。
草陰に隠れよくは見えない。
けれども、草陰に隠れるのならば、ウサギかウリボーだなと思い、すくっと立ち上がってみた。
しかし、そこにいたのは鶏だったのだ。
村で鶏を飼っている○○さん(名前忘れた)のとこのかな?と思ったのだが、
こんな山奥まで鶏を放すわけがない。
野鶏か!とも考えてみたが、
こんな山奥にいるというのに、汚れ一つ見当らない、とても綺麗な毛並みだったので、それも違うと考えた。
では、何故こんなところに鶏が?

しばらくボーっとその鶏を見つめていたじいちゃんだったが、ある所に気がついた。


314 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 17:55:31 ID:NX8Hv8u50
この鶏、鳴かないのだ。
首を振る動作、体の動き、見た目。
それらは全て鶏のそれだったのだが、鳴き声というのか、「コッコッ」っと小刻みに鳴くあの声がなかったのだ。
変な鶏だなぁ、でも捕まえたら母ちゃん喜ぶかなぁとぼんやり考えながら、その鶏に近づくじいちゃん。
鶏は動じず、雑草を啄ばんでいる。
よし、今だ!と鶏に手を伸ばしたじいちゃんだったが、何かに気がつき手を止めてしまった。
鶏の後方、5メートルほど先に家があったのだ。
鶏を見つけた時、この山を登ってきた時、そんな家など見当らなかった。
けれども、何故見落としたのか不思議に思うぐらい、とても大きな家。いや、屋敷だった。
こんな山奥に誰か住んでるのかぁ、知らなかったなぁ、
と、じいちゃんは鶏のことよりも、その家に興味が湧いてきた。
その屋敷は村の地主の家よりも大きく立派で、門もとても頑丈そうで重そうだった。
で、二階建てだった(なんか知らんがじいちゃんは二階建てだぞ!って強調して話してた)。
門は開いていて、中の様子が窺えた。

じいちゃんが門に近づいて中を覗いてみると、不思議な光景が広がっていた。
見たことも花々が参道横に咲き乱れ、塀の左右には小屋があり、その小屋に馬と牛が10頭ずついたのだ。
(繋がれていなかったらしい)
そして家の前には、先ほどの鶏と同じ鶏が5羽いた。
すげーなーと嘆息をするじいちゃん。
しかし、はたと気づいて体が硬直してしまった。



315 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 17:56:16 ID:NX8Hv8u50
牛も馬も鶏も鳴いていないし、こんなに動物がいて花も咲いているのに臭いもない。
おかしい、変だ、と思うより先に怖くなってしまったのだ。
そして、玄関の戸がゆっくりと開いていくのを見て、「ギャー!」とじいちゃんは悲鳴を上げて逃げ出した。
全力疾走。
その家と反対方向に走ったら山を登ることになるというのに、
じいちゃんはパニックになっていて、反対方向に走ってしまった。
けれども、屋敷と反対方向に走っていったのに、いつの間にか山のすそまで下りて来ていた。
やった!と思ったじいちゃんは、そのまま自分の家まで走っていった。

家に着いたじいちゃんは、母ちゃんの元まで走り寄り、興奮しながらあの屋敷のことを話した。
すると母ちゃんは青ざめた顔をして、外に出て行ってしまった。
母ちゃんの様子を見たじいちゃんは、さらに怖くなってしまい、とうとう泣き出してしまったが、
すぐに母ちゃんが戻ってきてのを見て、泣き止もうとした。
(母ちゃんはじいちゃんが泣いたら、めちゃくちゃ怒ったかららしい)

母ちゃんは、父ちゃんを連れて帰ってきたのだった。
父ちゃんはすごい剣幕でじいちゃんから話を聞き、じいちゃんの手を握った。
「お前が見た家は、サイ○○サマ(忘れた)なんだ。挨拶はしていないだろ。だから今から謝りに行くぞ」

じいちゃんの返事も聞かず、父ちゃんはじいちゃんを連れて山のすそにある神社に向かった。
「『挨拶しなくてすいません』って謝りなさい」
父ちゃんがそう言うもんだから、じいちゃんは黙ってそれに従った。

それからじいちゃんは、何度も父ちゃんや母ちゃんに「サイ○○サマってなんなの?」って聞いたのだが、
全く教えてくれなかったんだとさ。
ただ、「サイ○○サマに出会ったらきっちり挨拶しろ」って言われただけ。
その屋敷がサイ○○サマなのか、その屋敷に住むのがサイ○○サマなのかも、教えてくれなかったんだってさ。
じいちゃんはそれ以来、その屋敷をみた事はなかったという。

同じ体験をした人や、聞いた人っていないかな。
ちなみに東海地方の話。



316 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 18:06:50 ID:YXTWHUce0
サイ○○サマ>ここ一番重要なのに忘れんなよw



317 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 18:27:21 ID:ZhdC8nE+0
>>313
おじいちゃんはまだ生きていらっしゃるのかな?
もし生きていたら「サイ○○サマ」の正確な名前を確認して欲しいなあ。

あと、>>しかし、最近母ちゃんからある出来事を聞いたことで、
じいちゃんの話は本当かもしれないって感じてきたんだ。

の部分が非常に気になるので、もしも差し支えなかったら
「ある出来事」についても詳しく教えて下さい。



324 :本当にあった怖い名無し:2009/04/29(水) 19:26:33 ID:NX8Hv8u50
>>316、317
じいちゃんは15年前に他界して、もう一度聞くことは出来ないんだ。
でも、さっき別件で母ちゃんに電話した時に聞いてみたよ。
母ちゃんは「サンユキサマ」って覚えてた。
でも私は「サイ~」って名前だと記憶してるんだよな。
あ、じいちゃんは母方のじいちゃんね。

で、ある出来事っていうのは、母ちゃんが家族旅行でじいちゃんの故郷に行った時のこと。
母ちゃんが結婚する前だから、昭和30~40年代だと思う。
じいちゃんは故郷に着いたといなや、山に向かったんだと。
黙々とじいちゃんは山に登っていくし、ばあちゃんと母ちゃんは仕方なくじいちゃんを追って登ったんだ。
かなり山の奥までやってきた時。
いきなりじいちゃんが立ち止まり、がくっと膝を落としたんだってさ。
どうしたんだと母ちゃんとばあちゃん。
じいちゃんが立ち止まったのは、拓けた所だったらしい。
で、じいちゃんいきなり号泣。
「すまんかった……すまんかった……わしは出来なんだ……」 って呟きながら。

その話を聞いて、私はじいちゃんが山男と出会った話を思い出したんだ。
それで、あれは与太話じゃなかったんだ、って思えてしまってな。
需要あれば山男の話も投下するよ。






以前友人から聞いた話だ。

仮にタカオとする、その友人は、テレビで傷害事件の類が報道されるたびに画面を凝視し、容疑者などの名前を確認する奇癖があった。
僕とお酒を飲みに行っても、呑み屋のテレビから流れるニュースを気にするので、
「何か、逮捕されるような恐れのある友達でもいるのかい」
と酒の席でからかったら、
「信じなくても別にいいんだけどね」
と言い置いて、小学生6年生の時の体験を話してくれた。

長文になるし、前置きも長い。
あまり怖くも無いかもしれない。
平にご容赦。


タカオが田舎の小学生の頃、巷ではCDがカセット・テープに取って代わりつつあった。
しかし大して裕福でなく、流行にも疎かった小6のタカオは、父親から譲ってもらった古い型のカセット用ヘッドフォン・ステレオで十二分に満足していた。
右肩から背中を通って左腰へ繋がるタイプの、ポシェットのようなリュックにそれを仕込んで外へ遊びに行くのが常だった。
当時ちょうど自転車を買ってもらい、音楽を聴きながら漕ぎまわすのが好きだったらしい。
ただしこれは危険だからと後にこっぴどく起こられてからは控えていたが。

ある日、タカオの同級生のヨウスケが、自分も自転車を買ってもらったことをタカオに告げた。
「タカオ、お前も自転車持ってんだろ?二人でどこか遠出しようぜ」
タカオのほうも大賛成で、例のリュックを背負って、日曜日の昼に二人で自転車を漕ぎ出した。

「ヨウスケ、どこまで行く?」
「今まで行ったことの無い道がいいな!」

二人は普段めったに行かない田舎道を選び、一心不乱にペダルを漕いだ。
どこをどう走ったのかは解らないまま、夕方に差し掛かる頃、ついに二人は峠に入り、山道へと入りこんでしまった。

探検好きの年頃である。
獣道のかたわらに自転車を停めて、道なき道へと踏み込んでいった。
近所の林の中に二人で作ったような秘密基地をここにも……と目論んだのだが、そんな時間の余裕があるわけも無く、すぐにすっかり日が暮れて、山中の暗闇に包まれてしまった。

「まいったなあ」
タカオがぼやくと額に雫が当たった。
雨だ。
夕立ほど激しくは無いが、小雨でもない。
二人は転ばない程度の早足で帰り道を探した。
しかし日が暮れた獣道など、藪と変わりが無い。
二人は、共に読んでいた科学雑誌の付録についていたペンライトを持ってきていたので、それを灯して歩く。
しかし自転車を停めた場所は見当も付かなくなり、二人はなんとなく下る坂を捜し、山から下りようとした。
が、下っては上がり、上がれば下って、もう方向感覚も麻痺している。
タカオの呼吸に涙声が混じり始めた。
「ヨウスケ……どこだろう、ここ……」
「わかんねえから、迷ってんだろオ」
ヨウスケの息も荒い。
歩き続けていると、途中、ぼろぼろになったピンク色のテープが張ってあった。
人工物を見つけて少しほっとした二人だったが、随分前に張られたもののようで、テープの先を見てみると途中でちぎれて地面に落ちている。
余計にもの悲しくなって、タカオたちは先へ急いだ。
雨が、嫌がおうにも二人の疲労を倍加させる。

「あいて!」

いきなり、木立の間でヨウスケが声を上げた。
見ると、今度は木立の間に細い縄が渡してあった。
ヨウスケはそれに顔を当てたらしい。
これは途中でちぎれておらず、暗闇の中、二人のわずかな視界の外まで続いている。
タカオはなんとなく嫌な予感がしていた。
さっきのテープといい、まるで立ち入り禁止の有刺鉄線を思い起こす。
ただでさえ真っ暗な山の中で、不安は膨らみきっているのだ。
しかし、ヨウスケの大声がタカオの思案を断ち切った。
「タカオ、見ろあれ!」
タカオの指差す先には、山中を切り開くようにしてぼんやりといくつかの民家が見えた。
一も二も無く、二人は民家へ突進した。

しかし程なく気付く。
その家々はどれも無人だった。
とうの昔に打ち捨てられた集落のようだ。
「気味悪いなあ……」
つぶやきながら、タカオはそのうち一軒の家の引き戸を引いた。

開く。

「開くよヨウスケ。入れるよ」
中を見ると、土間だの荒れきった畳だの、かなりの年代物であることが見て取れた。
埃もひどく、せきが出る。
それでもとりあえず雨宿りにと、二人は畳へ上がって、シャツを脱いで土間へ絞った。
パタパタと水滴が落ち、少し埃が舞う。

ペンライトで家の中を照らした。
二階建ての、古い木造住宅である。それなりに広いようだ。

窓の外に、家へ外付けされたハシゴが見えた。
屋外から直接二階へ出入りできる造りらしい。

とりあえず、山中で迷子という目下の危機を逃れ、安堵する。
そうなればこの年頃の少年たち、やることは決まってくる。
「タカオ、探検しようぜ」
手分けをしてあちこちを覗いた。
部屋はそれなりの広さのものがいくつかあり、大人の寝室から子供部屋と思われる室まであった。

どうも家の中には家財道具といえるものが極端に少なく、引越し後のような空ろさである。
玄関の鍵すらかけていないのだから、値打ちのあるものは全て持ってどこかへ移ってしまったのだろう。
風呂は朽ち放題、、乾ききった手洗いは汲み取り式の、古色騒然たる古家だった。
「なんだこれ、水が出ないじゃんか」
ヨウスケが言うので見てみると、台所の蛇口が握りを外されており、水が出せなかった。
まあ、とうに止まっているだろうが。

トッ……トッ……とトイから雨粒の落ちる音がする。
電灯も点かないので、視覚に関しては、闇に慣れてきた目と、ペンライトだけが頼りである。
廊下を歩いていたタカオのつま先に、ポツリと何かが当たった。
拾い上げてみると、タバコの箱よりも一回り小さいくらいの、深緑色の紙箱だった。
表面に、ロゴマークらしき丸い模様と共に品名らしき語が書かれている。
『□神□薬』
神と薬は画数の多い旧字、□の部分はぼろぼろにかすれてしまって読めなかった。
手に取った時点でひどく軽いことは分かっていたが、一応開けてみる。

やはり、中は空だ。

神と来たら、神経か何かの薬が入っていたのだろうか。
飲み薬というよりは、膏薬か何かのチューブが入っていたような様子だった。
大して面白みも感じず、箱を放り捨てて廊下に目を戻すと、カセット・テープがひとつ、これも落ちていた。
古ぼけたカセットにどんな歌が吹き込まれているのか、興味がわいた。
ラベルには手書きの文字があったが、、汚れている上に、タカオよりもはるかに下手な字で書かれていて、読めない。

トッ……トッ……とまた雨粒の音がした。

タカオはずぶぬれのリュックからヘッドフォン・ステレオを取り出すと、シャツで水をぬぐい、カセットをはめ、再生ボタンを押した。
シャアシャアと空音が鳴り、曲の前奏が始まるのを待つ。
しかし聞こえてきたのは歌ではなく、人の声だった。
テープと言えば楽曲が入っているとばかり思い込んでいたタカオは、面食らった。
どうも、幼い女の子と、その母親の会話らしきものが録られている。

「……ねえママア、何……てるのオ……この……たち……」
「……」

女の子の声は傷みながらもなんとか聞き取れるが、母親の声は応えてはいるらしいものの殆どかすれて聞こえない。
少女のほうは、恐らくは以下のような言葉だったらしい。

「……ねエ、あたしたち、どうしようかア……」
「……」

「……いやよオ……あたしおりこうじゃないものオ……」
「……」

「……ハシゴ、はずしてあるんだからア……」
「……………………………………」


ハシゴ?
さっき窓から見えた外のハシゴのことかと思ったが、目の前に、廊下に寝そべるように置かれた室内ハシゴが見えた。これの話だろうか。
その真上の天井に正方形の穴が開いている。
大きくはないが、あの穴へハシゴをかければ、人一人なら抜けられるだろう。
他に階段らしきものは見つからないので、これで上下階を行き来する構造のようだ。

トッ……トッ……

またも同じ音を聞く。

タカオは、この時初めて悟った。
音は、屋根沿いではなく、今の自分の真上からする。
これは雨音ではない。
反射的にヨウスケを探した。
ヨウスケはタカオから見える居間で、壊れた水屋を懸命にあさっている。
当然、一階で。
ということは。

トッ…………トッ…………

これが自然音でないとしたら、もしかしたら今、上に誰かがいる。

タカオはイヤフォンをつけたまま、居間へ寄った。
「ねえヨウスケ、上に誰かいるよ」
「ええ?……本当かよ?」
調子付いていたヨウスケはハシゴと天井の穴を見て、面白いおもちゃを見つけたような顔になって、
「俺、上るよ、ここ」
と言うや否や、ハシゴを持って天井の穴へ引っ掛けた。
「やめときなよ。泥棒だったら危ないじゃんか」
「こんなとこにどんな泥棒が来るんだよ。タカオも来いよ」
そう言い残してスルスルとヨウスケは二階へ上がる。
「俺、行かないよ」
タカオのほうは、好奇心よりも気味悪さが勝っていた。
やることがなくなったので、再びテープに耳をすます。

「……どうしよオ……」
「……」

母子がやり取りになっていないので、相変わらず内容はさっぱり分からない。


「……この人は、いかな……の……なア……」
「……」

「……そりゃア、そのほうがい……けどオ……」
「……」

……?
なんとなく母子の会話に違和感を感じた。
しかしその正体を見つける前に、窓の外で稲光が走った。
少しだけ遅れて、
ゴロッ、ゴロ……
と重い音が古い家を震わせる。
黒ずんだ材木のヒビの一つ一つにまで空気の振動が伝わり、そしてすぐに通り過ぎた。

しかし雷が去っても、タカオの体は震えていた。

今のはなんだ。
雷が鳴った時……。
同じように雷音が聞こえた。

イヤフォンの中から。

そして違和感の正体にも思いが至る。

『この人』って、誰だ。
目の前の人間を指差して言うような声音だった。
誰のことを言ってる?
『この人はいかない』?
どこへ?二階へ?
まさか……『この人』って……

気味の悪さは恐怖に変わった。
イヤフォンを耳からはずし、
「ヨウスケ」
二階へ呼びかける。
「ヨウスケ、出ようよ。俺、ここの家嫌だよ」
しかし返事は返ってこない。

二回の奥まで入り込んでしまっているのだろう。
止むを得ずタカオはハシゴを上り、二階へ着いた。
その時に気付いたのだが、このハシゴは二階へは収納できない造りのようだ。
ハシゴを上へ引き上げようとすると穴の口の所で引っかかり、二階へ持ち込めないようになっている。

タカオは意外に広い二階を、ヨウスケの名前を呼びながら見て回った。
入り口の狭さと不便さから、物置のような場所を想像していたのだが、まるで違う。
なんとなく、一階よりも建材が新しい。建て増ししたのかもしれない。
古い家にしては珍しく、簡素な風呂や、申し訳程度ながら炊事場、手洗い(便は外の便壷へ落ちる仕組みと見られた)まであり、二階だけでもある程度生活が出来る造りだ。

居室は三部屋ほどあるようだった。
そのうちの一つはただの狭い和室で、襖も外されていたから、ペンライトで照らせばヨウスケが居ないのはすぐに分かった。

もう一つの部屋の戸を開けて照らすと、そこは異質な空間だった。
六畳ほどだろうか、板の間の中央にこの家には不釣合いなパイプ・ベッドが置いてある。

床にはそこかしこに黒っぽい染みがあり、ベッドの布団も薄暗い様々な色の染みがついていた。

カビだろうか。
しかし、近づいて確かめる気にはなれない。ただでさえこの部屋は、他よりもひときわ空気が重い気がする……。
この部屋には収納も無く、ヨウスケはやはり見当たらない。

最後の部屋は外に向かって大きく枠を取られた窓……というよりガラス戸があった。
その向こうで時折、垂れ込めた雲に稲光が見える。
ここはどうやら子供の居室だったらしく、おもちゃや古いマンガ本、勉強机に教材が少し残っていた。
それらから見ると、赤いランドセルこそ見当たらなかったものの、住んでいたのはどうも女の子らしい。

さっきのテープに声を吹き込んだ子だろうか。

思い出して、少し身震いした。
視界は相変わらず悪く、物の多いこの部屋では隅々まで様子を把握できない。
「ヨウスケ、どこに居るんだよ。隠れてんのか?」
返事は無い。
代わりにカサカサと、ネズミとも家鳴りとも木揺れともつかない音が小さく返ってきて、家の中の静寂がより強調された。

一階からは、使い物になりそうな家財道具の殆どが持ち去られていたというのに、二階には生活用品が残されている。

壁には部屋の住人だったらしい女の子が描いたと思しき絵も飾られていた。
画用紙に、友人らしい少女と手をつないで遊ぶ姿が描かれている。
なぜか二人とも同じ服を着ていたが、子供の描く絵などそんなものだろう。

そういえば、先程の炊事場(台所と呼ぶには粗末過ぎた)にはいくらかの食器もあったな、上下でまるで別の家だな……と思いながら、ガラス戸へ近づく。
確か方角的に考えると、最初に見た外付けのハシゴは、このガラス戸の下に付けられているはずだ。
少々広いからと言って、これだけ呼んで出て来ないということは、もうヨウスケはここにはいないのではないか。
この部屋に取り付けられたハシゴを伝って、二階から外に出たんだろう。
タカオはそう決め付けつつあった。
ガラス戸を開けると、ベランダ状の小さな張り出しがある。
やはりここが、第二の玄関なのだ。
「おいヨウスケ、降りてんのかア?」

しかし、
「なんで……?」
思わす声がでた。

張り出しの下で、朽ちたハシゴが中程から折れ曲がって古屋の壁に寄りかかっていた。

先程下で見たときには分からなかった。
これでは使い物にならない。

確信していたことをあまりにも直接的に裏切られて、タカオは思い切り動揺した。
じゃあヨウスケはどこだ。
心細さが倍増し、孤島にただ一人残されたような気持ちになる。
「なんなんだよゥ……」
足がすくみ、冷や汗が吹き出た。
雷の合間の静けさの中で、外したイヤフォンから音が漏れていた。
もう聞く気になどならない。止めよう。
リュックに収めてあるステレオの本体を取り出し、カセットを抜こうとした。
取り出しボタンを押す間際に気付く。

まだ停止していないはずなのにテープが回っていない。
電源ランプも消えている。

電池は充分なはずだ。
見ると、ステレオのプラスチックの合わせ目から水が染み出している。
リュックから染みた水で壊れたらしい。

…………。
いつから壊れていた?

震える手でコードをつまみ、
イヤフォンをそっと耳に当てた。

「……ママァ、トモエちゃ……から、おこってるよオ……」

テープは止まっている。
タカオは、そうと覚えてはいないが、恐らく悲鳴を上げたという。

逃げる。
ここはだめだ。

振り返ると、子供部屋の隅の本棚の陰に人がいた。
背中を向けてうずくまっているが、ヨウスケだ。
物陰になっていて気付かなかった。どうやらペンライトも持っていない。
「ヨウスケ、何で返事しなかったんだよ。ここ出よう!」
「痒い……痒い……」
そういってヨウスケはモゾモゾと動いている。
タカオはいらだち、
「早く立てよ」
そういってヨウスケの肩をつかみ、自分のほうへ向かせた。

ヨウスケは自分の顔をかきむしっていた。
顔面の皮膚が破れ、そこらじゅうに血が滲んでいる。
それでもヨウスケはカサカサと顔をかき続ける。
「何やってんだ、やめろよ!」
「痒いんだよ……痒いから……」

トッ……トッ……

その時後ろに気配を感じた。
タカオが振り向くと、質素というよりは粗末なぼろけた服を着た、自分たちと同じ年頃の少女が部屋の中央に立っていた。
「わアアアアア!」
今度ははっきりと、タカオは悲鳴を上げた。
少女は顔を伏せており、表情は見えない。しかし、あまりにも異質すぎる。
イヤフォンから、また音が漏れていた。
誰かが何かを喋っている。
タカオは震える声で、
「お前か……?これしゃべってんの、お前か」
少女は応えない。
タカオはイヤフォンを耳に当てた。

「……あた……じゃないよ、そ……子は……トモエ……」

声が今までよりも遠い。

「……お……ってる……らア……二階は、駄……だよオ……」

『アアア』

いきなり別の声が割り込んできた。
同じタイミングで、目の前の少女が顔を上げる。
その顔は、真っ赤な掻き傷でズタズタだった。
かさぶたを更にかきむしったようにえぐれと盛り上がりが重なり合い、傷という傷が血にまみれている。
それでも明確に顔面に浮かんでいる怒りの表情に、目が合ったタカオは我を失った。

「うわっ、うわあっ!」
悲鳴を上げながらタカオは、ヨウスケを引きずるようにして逃げ出した。
つい駆け込んだ先は、パイプ・ベッドの部屋だった。
いけない、と引き返そうとして、足がすくんで止まった。

ベッドに誰かが座っている。

「……ごめんなさい……」
理由は分からないが、タカオはその誰かに涙声で謝っていた。
さっきの少女とは違う、どうやらもっと大人らしい誰か。女性のようではある。
それが、どうやらこちらも怒っているようなのだ。
目元は暗くて見えないが、顔の向きからタカオと目が合っているのが分かる。
怖い。
タカオは金縛りのようになっていた。

ト…ト…ト…

背後から足音が迫り、タカオは我に返った。
またもヨウスケを引きずり、ハシゴを目指す。
少女がどの辺りにいるのか知りたかったが、振り向く気などとても起きなかった。
しかし、近い。
とても。

ト、ト、ト、

「うああん、うああああっ……」
だらしない声を上げながらタカオは必死でヨウスケの体を引いた。
もう少女が手の届く位置まで来たのではないかと思われた時、ようやくハシゴに着いた。
ヨウスケを先に穴に押し込む。
ハシゴは斜めにかかっていたので、その上を転がるようにして、ヨウスケは垂直よりはやや傾斜をつけて一階の廊下に落下した。
大きな音が立ったが、この際、多少の怪我など気遣っていられない。
「うう、うううーっ」
泣きながら急いでタカオも穴に入る。
焦っていたせいで頭から降りてしまった。
危険だとは思ったが、足を先に下ろす余裕など無い。
穴に完全に体が入る直前、

ガリッ!

足首の辺りに痛みが走った。
「ひいっ!」
恐怖で体が跳ね、その衝撃でハシゴが穴の縁から外れた。
そのままハシゴごと落下し、ヨウスケのときよりも大きな音を立てて、タカオの体が廊下に打ち付けられた。
背中を打ってしまい、呼吸が上手く出来ない。
「ヒッ、ヒッ、ヒイッ……」
走らなければ。
追いつかれる。
なのに、体が動かない。

しかし、足音が追ってくる気配は無かった。
見たくは無かったが、天井の穴を見る。
幸い、ペンライトはヨウスケを引きずる時も握りっぱなしだったので、それで照らした。
暗い入り口の奥には闇が広がるばかりだった。

この家の構造では、家の内外のハシゴさえ外してしまえば誰も下に下りてくることは出来ない。
自分が見たモノもそれに倣うのだろうか。
とにかく、タカオは怪我はしなかったらしいことを確かめて、ぐったりしたヨウスケを引きずって家を出ようとした。
先程投げ捨てた薬の空き箱が足に当たったので、端のほうへ蹴った。

外へ出ると、雨はまだ降り続いている。
タカオは今の家から一番遠い家を見つけ、中には入らずに庇の付いた縁側へヨウスケを寝かせた。
そこまですると、猛烈な疲労と眠気を感じた。
だめだ、今寝たら、あのおっかないのがまた来たらどうする……。
しかしまぶたが落ちるのを止められない。

あの音がしたら逃げるんだ。
トッ……トッ……トッ……
というあの足音。

意識がもやに包まれてきた。

トッ……トッ……トッ……
が聞こえてきたらいけない。

トッ……トッ……トッ……
いけない……。

トッ……トッ……………

…………………………………




目が覚めると、夜が明けかけていた。
雨も随分小降りになっている。
ヨウスケを起こすと、みみずばれだらけの顔であくびをした。
「いてえ。なんだこれ」
「自分でやったんだよ、お前」
ヨウスケは二階に上がってからのことは殆ど覚えていなかった。
「自分で、俺が?なんだそれ。おっかねえ」
「おっかないのはこっちだよ」
タカオは自分の遭った目のことをヨウスケに説明した。
今となっては夢のようで、口もよく回る。ついでに、少し話を盛った。
「よく俺を見捨てなかったなあ」
「そりゃ、友達だからなア」

周囲が明るくなると、共に口調も軽くなる。
「タカオ、山降りようぜ。親に死ぬほど怒られちまう」
タカオはうなずいて立ち上がった。
陽光の下で、昨日のことなど無かったような気分で歩き出す。
例の家も、朝日の中ではただの汚い家で、思ったよりも小さい造りだった。
やはり、全部夢だったのかもしれないと思える。
「あ、タカオ。お前のそれも自分でやったのか?」
ヨウスケが、半ズボンをはいたタカオの足元を指差した。

タカオの足首には、真っ赤な引っかき傷が三本、くっきりと付いていた。
集落にタカオの悲鳴が響いた。


その後、幸運にも何とか無事に自転車を見つけ、二人は家に帰りつくことが出来た。
家についてからは二人ともこっぴどく怒られた。
そのあとで、タカオは昼間に、ヘッドフォンに入れっぱなしだった例のテープを自宅のラジカセで再生した。
中には子供の合唱が録音されていた。
あの時に聞いた呟きのような声は、どこにも入っていなかった。

なにぶん昔のことで、あの家で過去に何が起こったのか気にはなったものの、知りようが無い。
そもそもあの集落の正確な場所も覚えていない。
イヤフォンから聞こえてきた声の主の少女やその母親、その他の家族には何があったのか。
あの、実質的に隔離することが出来る二階に暮らしていた人たちはどうなったのか。
なぜあの家は建て増しらしきことをしてまで、あんな構造にしたのだろう。
パイプ・ベッドにいた女は誰なのだろう。
そして顔をあんなにもかきむしっていた少女は。

足首の傷は、数日で癒えてしまった。
タカオがあの家のことで今でも覚えているのは、『トモエ』という、女の子のものらしい名前くらいだ。
今いくつかは分からない。
もう亡くなっていてもおかしくないとも思う。
ただ、なんにせよまっとうで人並みな人生は送っていないような気がする。

だから、刃傷沙汰の傷害事件がテレビで流れるたび、タカオは今でも容疑者を含めた関係者の名前を、無意識につい確かめてしまう。

仮にトモエという名前の人間が犯人としてニュースに上がることがあったとしても、当然あの家とは無関係の確率のほうがはるかに高い。
「分かってるんだよ。だから癖というか、刷り込みの条件反射みたいなもんだね」
タカオはそう言って、すっかり冷えたほっけのかけらを箸でつまんだ。
どこかしら悟ったような口調で言うタカオに、僕は聞いた。
「なア、本当にその家で過去にあったこと、何も知らないのか?
気になって調べたり、しなかったのかい」
「さあね。なにしろ、夢みたいなもんだったからね」
口ぶりがなんとなく空々しい。
何かを知っているのだろうか。
言うべきでないことまでは言うまい、としているのかもしれない。

「例えばあの足の傷なんかもね、俺が自分でやったのかもしれないし。
分からないんだよ、分からないの。
薬のことなんて特によく分からん。
昔のことだからさ」

そう言ってタカオは、別の肴を注文した。






905sage 2010/10/06(水) 00:37:09 ID:XsHJ83Rh0

【渓流1】
山梨は某渓流での怖かった話。

俺(今年35歳になります)はフライフィッシングが大好きで、
毎月一度は渓流にヤマメやイワナを釣りに行きやす。

その日は、小雨が降っていて、川が増水していました。濁ってしまうと
あまり釣りには適さないのですが、せっかく年休で会社を休んだので、
無理やり渓流を釣り上がってました。

若いころ(20歳くらい迄)、多少霊感みたいなもんがあって、
金縛りの時とか、ああ来るな、って分かる人だったんだけと、
15年ぶりにそれを感じたんですよね。

SEXやオナニーしてるとき、もうすぐイクってのが分かるでしょ。
あんな感じで「とっても気持ち悪いモノ」が、もうすぐ来るって分かるのです。

それを感じたのは、岩だらけの狭い川幅が少し開て、ゆったりとした流れのプール
(流れが緩慢な川のことです)に差し掛かったときでした。

上流から真っ白い脂肪のような塊がゆっくりと流れてくるんです。
キャンパーが捨てた発泡スチロールか何かかと思いつつも、先述の「とっても気持ち悪い」感じが拭えません。

釣り竿を振るのをやめて見ていたら、すぐにそれが人型のものだという事がわかりました。


906sage 2010/10/06(水) 00:38:02 ID:XsHJ83Rh0

【渓流2】
皮膚は青白く、頭は禿げ上がってとんがっており、目のあるべき場所には、
肛門のようなシワだらけの穴が二つありました。

「ひゃひゃひゃひゃひゃ」

と笑ながら、死んだカエルのような仰向けの姿勢で川を流れていきます。
流れている間、身体はクネクネと激しく動いてました。

ゆったりとした流れを過ぎ、浅く流れの急な落込みに差し掛かると、
立ち上がりまたもクネクネしながら上流へと走っていきます。

そしてまたクネクネしながら流れます。

目が潰れているからでしょうか。呆然としていた私に始めは気がつかなかったようです。
ところが、川沿いの国道から地元のひとが

「何やってんだ!!xxxだ(良く聞き取れない)!!早く逃げろ!!」

と叫び、私が怖くなって足早に国道に上がろうとしたときです。
きっと音を頼りにしていたんだと思いますが、そいつがクネクネしながら、
私の方へと向かってきました。

どこからか漏れるような
「シュシュシュシュ」
という声を発して、クネクネしながら近づいてきます。


907sage 2010/10/06(水) 00:39:44 ID:XsHJ83Rh0

【渓流3】
怖さより、「とてつもなく嫌」な感じがしました。
私は全力で国道まで藪を駆け上がり、車を停めてある所までにげました。
国道から逃げろと叫んだ人は、もういません。

藪で自慢の釣竿(18万円、泣)を折っしまうものの、
とにかく逃げ切れたことに感謝です。

洒落コワでは、山でのクネクネがいくつか報告されているようですが、
あいつは何者なんですかね。

とにかく、ゴキブリを見たときのような嫌な感じです。

9月24日、夕方16時くらいの話です。かなり最近ですね。
10月から禁漁なので、しばらく渓流釣りは行きません。
来春が怖いですね。







805 :本当にあった怖い名無し:04/12/09 00:15:58 ID:8wFOgeGy
長野の『百曲がり』と呼ばれる山に登った時。
登っている最中に何かに躓いてこけた。
つまづいた辺りを見ると、小さな茶色い服を着たドワーフのようなものが3人。
うずくまったり、腹に手を当ててジタバタしているのもいる。
先を歩いていた父と弟が戻ってきて起こしてくれた。
「どうしよう、ふんじゃったんかも」
弟に言うと、
「『コケター!』言うて爆笑してるで」


835 :805:04/12/09 22:37:05 ID:8wFOgeGy
別の山(大分だったかな?)で、叔母も見たそうです。
まだ雪の残るハイキングコースを歩いていると、
道端の雑木林に捨ててあるペットボトルが目に付いた。
ペットボトルの中に、茶色い服の小人。
外を見ながらワンワン泣いている。
出してやろうかと思って近づくと、
泣きながら高い声で「ハヤクシロ!」と言われた。
「腹が立ったからほったらかして帰った」そうです。


837 :本当にあった怖い名無し:04/12/09 23:00:48 ID:ORewHY1B
山の小人は性格悪いんだな
転んだ人を笑ったり、助けようとしてくれた人に偉そうな態度をとったり
感じ悪いなあ


839 :805:04/12/09 23:32:47 ID:8wFOgeGy
性格悪いというか・・悪戯ものですね。
叔母はいまだに「助けたったら良かった」と言ってますが、後の祭りですね。
ボトルの口部分より大きいのにどうやって入ったのかがきになります。







378 :可愛い奥様:2007/09/16(日) 21:15:56 ID:1KS02IGD0
何にもない田舎で、遊ぶ場所と言ったら家の前の川とか近所の山しかないけど、毎日楽しかった。
そこの家にも子供が居たので、その同級生も混ざって総勢10数人で遊びまわってた。

山を探検してる時に、空き地のような所に出た。
急にそこだけ山道が開けていて、草もあまり生えてない。
地元の子達も知らなかったらしく、地面は平らで遊ぶには丁度よく、皆で「アジトだー」と喜んだ。
けど何か空気が変だなと違和感を感じていたら、従姉妹の子が変な顔して、
「蟻も這ってないし虫も飛んでないね」と言う。
なるほど確かにそうだと思っていたら、誰かが「抜け道発見!」と叫んでいた。
見に行くと、道?と言えなくもない草に埋もれた所に飛び石が置いてあった。

皆でその道を抜けようと足を踏み入れた時、口の中に突然異物感。
全員ではないけど、数人の子が同じように舌を出しぺっぺし出した。
口の中のモノを指でつまむと、数センチの白いうねり毛。


379 :可愛い奥様:2007/09/16(日) 21:16:29 ID:1KS02IGD0
皆気味が悪くなり急いでひき返したけど、男の子2人(地元の子)が見当たらない。
国道横まで戻ってしばらくしたら、彼らも興奮しながら走って戻ってきて一安心した。

聞けば、道の終わりには大きな岩があって、その上にまた石が積んであり、
奇妙な事に綺麗な白い紙が敷いてあったらしい。
帰宅して叔母さんにその事を言ったら、
「変な所に行って迷子になって帰って来れんくなってもしらんよ!」と怒られた。
幸い皆無事に帰宅できたので良かった。

何年かして、親戚の子と話してた時に後日談を聞いたんだけど、
あの夏休み私達が帰って行ったすぐ後に、例の男の子達がまた確かめようと山に入って行き、
一人は行方知れずで、もう一人は未だに子供のまんまの状態だって。





203 :本当にあった怖い名無し:2011/03/27(日) 10:34:49.97 ID:StCZrEqIO
祖父が体験した中じゃ怖い?話を。

山で仕事してると、何処からともなくカラスの鳴き声を極端に低くしたような鳴き声で近付いてくる存在がいた。
鳴く→数歩近付いてくる→鳴く→数歩近付いて来るってな感じで、ゆっくりと目の前まで来る。
『この存在を目視、無視、挑発するような行為はしないこと』と言い聞かされていた。
目の前に来るまで決して目を開けては駄目、動いても駄目。
必ず目の前に来るのを待ち、鳴き止んでから「通して下さい」とお願いする。
必ず返事がくるのがそれに対して返事をしては駄目、立ち去るのを待つ。

最初は恐怖心からちゃんと守ってたけど、数10回も経験するとすっかり慣れてしまい好奇心が芽生え始める。
ある時、いつものようにその存在が目の前まで近付いてきた時に、目を開けてしまった。
そこは真っ暗な世界、ただただ真っ暗。
朝の山のはずなのに真っ暗で何も見えず、怖くて動けずにいると「見えた」っと言われ、その瞬間視界が戻った。

その日から約1ヶ月間は地獄だったらしく、
夜中に誰かが戸を開けて近付いてくる夢で目が覚める、
一晩に何回も何回も同じ夢で目が覚める、
恐怖から眠れずにいると、戸を開けて誰かが近付いて来て目が覚める。
今が夢か現実か分からなくなり、精神的にも肉体的にも限界って時になぜかピタッと止んだ。
それからはきちんと決まりを守るようになったと、笑いながら話してくれた。

ちなみに祖母も同じような体験をしていて、鳴き声はなく足音だけ近付いて来るので決して相手をしては駄目って決まりだったみたい。
同じ存在なのかは不明だけど、何かは確実にいたらしいね。



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