【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 不思議系




916 :名無しさん@涙目です。(東京都):2011/08/22(月) 14:57:35.64 ID:2vnW0ZBh0
自分は彫刻の仕事をしている。
ある時、故人の胸像を作ってくれという依頼を受け、工房で一人で作業してた。
しかし、ほぼ完成という所になって、原因不明の吐き気と頭痛。
しかも寝込むほど酷い。
不思議と友人が遊びに来るとピタリと止むので、度々遊びに来てもらっていた。

しばらくすると、クライアントが進行状況の確認にやってきた。
「とにかく吐き気と頭痛が酷いので、とっとと引き取ってくれ」と、多少おちゃらけて言うと、
クライアントは「仏作って魂入らずよりずっと良いじゃないですか」と笑っていた。
が、すぐに表情を変えて、
「あ、こいつ生きてます。今、メチャメチャ俺を見てます…ちょっとシャレにならないですねコレ」

引き取ってもらった後、どこに行ったのかは知らない。
俺が経験したオカルトっぽい話はこれだけ。








753: 本当にあった怖い名無し 2008/09/15 10:45:51 ID:AWDj4I4X0
帰省先の四国で恐ろしい体験をしたので書きたいと思う。
とりあえず聞いてくれ。面白くないかもだけど聞いてくれ
知ってる人いると思うけど、四国には八十八ヵ所も点在する寺を歩いて巡るバカ
みたいに大変な巡礼の旅があるじゃん
誰が考えたか分かんないけど、わざわざそのために遠くからやってくる人もいる
くらいなの。
時には優しい民家に泊めてもらったり、時には野宿したりして四国八十八ヵ所の
寺を歩いてまわる奴なんだけど。
帰省先のじいちゃん家のすぐ近くにも〇〇番目の寺、あんの。(場所特定される
となんかあれなんで伏せさせてくれ)
じいちゃん家の外を歩いてると、よく八十八ヵ所寺巡り最中の白装束を着た集団
が歩いているので、暑い中お疲れ様と思う時が多々ある。
前置きはこんな感じ



たしか8月6日くらいだったかな?の話
俺といとこでその寺に遊びにいったんだよ

寺はじいちゃん家から5分くらいで着いちゃうんだけど、お墓に囲まれたハイパ
ー急な坂道を登らないといけないのよ。
もう心臓破りの坂なんてもんじゃない
二人とも自転車だから死にました。

754: 本当にあった怖い名無し 2008/09/15 10:47:51 ID:AWDj4I4X0
もちろん坂を登り終えると、今度は急な下り坂があんの。この坂を下るとすぐそ
こには寺があるかんじ
坂道をバイセコーでぴゅーんと最強スピードで降りてくと、前にいたいとこが寺
の入り口付近の壁の前で急ブレーキをいきなりキキキキしだしたの
なんぞこいつ!?と思いながらも俺も急ブレーキ
俺『なに?いきなり』
と言いつつも俺は即座になぜいとこが急ブレーキしたのかが分かった
いとこ『やばい!やばい!魂抜かれる!抜かれよる!!』
こっから目の悪い俺のレポート
なんか寺の前に敷かれた畳(?)の上におばあちゃんたち総勢30名くらいが正
座しながらお経(?)か何かをぶつくさ唱えてたの。
全員がお経みたいな呪文を復唱してるもんだからもう圧巻ですよ本当……
てーみゃくーさんだいみょうじゅーさいークァwせdrftgyふじこlp;'@$&
こんな感じだったかな?よく覚えてないけど。なんて不気味な合唱コンクールだ
よww
もうちょい観察したかったけど、とにかくいとこが尋常じゃないほどビクビクし
ていたのでなんか俺も怖くなり、坂を急いで登りました。
まぁ1つだけ俺でも分かる事は、あの場に間違っても入ってはならないってこと
だけでした。
坂を上がってる間もずっといとこは
『魂抜かれるかと思った』
とかほざいてるし。
別に何か知ってるとかじゃなくて、言い伝えがあるとかじゃなくて、古い伝統呪
術とかじゃなくて、本当に何もいとこは知らないらしいがとりあえず怖かったら
しい。

755: 本当にあった怖い名無し 2008/09/15 10:51:39 ID:AWDj4I4X0
あと話はメチャ変わるけど、その日の昼ごろかな?

寺行く前の俺とばあちゃんの会話

俺『ひまだな~』

ばあちゃん『じいちゃんの畑手伝ってきてや』

俺『オッケ(結局手伝ってない)今日いとこ来るなら寺行こうかな~』

ばあ『いかんいかん』

俺『なんで?』

ばあ『蚊が出よるけんいかん』

俺『蚊なんか大丈夫!!』

ばあ『いいやいかんいかん』

今 に な っ て な ん か 分 か る 気 が す る ・ ・ ・

ばあちゃんがなぜあんな俺を止めたのか。
現在この話は俺といとこだけの秘密である。ばあちゃんにはなんか怖くて寺行っ
たなんて言えなかった
なんでだろ……
なにも知らないいとこが魂抜かれるって唐突に言ったのも気になるし……

誰か詳しい情報お願いします。あの時なんの儀式をやってたのか気にな
愛媛県です

783: 本当にあった怖い名無し 2008/09/15 20:55:31 ID:b5YsIbj40
誰も言わないからあえて言うが、
>>755で2人とも死んでいるにもかかわらず、それに気付かず話が進んでいるところ








3 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 09:34:18.50 ID:m4aCJb470.net
どこに書けばいいか迷ったが、ここで・・・

先日の早朝、ゴミ捨てて戻る途中、家の前にある空き地に子猿みたいなのに会った。
最初は全裸のおっさんかと思ってビビったけど、身長が小さかったので違うと思う。
隠れて見てると、子猿はしばらく空き地の地面をほじくってたが、突然こっちを振り返った。
まだ薄暗かったので顔は分からなかったが、俺を見てるのが感覚的に分かったので背筋が凍った。
子猿は、ほじくってた地面を指差して何かゴニョゴニョ言ったが、離れていたのに耳元で聞こえるみたいな不思議な声だった。
よく聞き取れなかったが、「運が良かったからくれてやる」という様な内容だったと思う。
そして、猛スピードで空き地の塀を飛び越えて消えてしまった。
完全に夜が明けてから空き地に行って地面を掘り返してみたら、歯が何本か埋まっていた。
一応くれると言ってたので、今持ち帰って保存してるけどどうすればいいんだろw


5 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 11:47:49.29 ID:wsoZ1cWi0.net
>>3
うぴー


6 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 13:10:39.14 ID:m4aCJb470.net
歯はこれで全部。
画像だと分かりにくいが、サイズは小指の先くらいなので小動物の歯かも。
kza




7 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 15:24:12.97 ID:Wo+2QzDV0.net
>>6
うp乙、見ますた。
こういうのは県の自然博物館とかに問い合わせて鑑定しもらうのが良いかも。
そのまま引き取ってもらっても良いし。
「猿が埋めてたのを見て後で掘り返してみた」程度の表現で状況を説明すればどうだろうか。
で、詳しく聞きたいといわれたら事実を話せば良い。

いずれにしても不可解な体験だなぁ。


8 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 17:15:33.62 ID:m4aCJb470.net
>>7
ありがとうございます。
知人にそういう人がいるので、調べてもらえるか頼んでみます。


9 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 18:00:16.28 ID:TdhRMCU2O.net
洗ったのか?埋めてたのを掘り返して持って来た割には、土が付着して無いな


10 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 19:07:54.77 ID:m4aCJb470.net
>>9
洗ったが、元々そんなに土はついていなかった。


13 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/20(火) 20:33:53.95 ID:RsrmR55W0.net
>>3
ちなみに今までその他に不思議な現象を体験した事はある?
ある日、いきなり起こる感じなんかな?


19 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/21(水) 12:44:54.57 ID:uhaFMOHO0.net
サンヌキカノ思い出した


25 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/22(木) 23:32:35.21 ID:y49cLTUF0.net
>>3だが、鑑定に出してみた。
人間の歯だという事はすぐ分かったが、一応年代とか色々と調べてくれるらしい。

>>13
霊感みたいなものは、今までまったく感じた事ないです。

>>19
この話の通りだとすると、婆が来るの?
歯、鑑定に出したんだけど、戻って来る前に来たらどうなるの?死ぬの?
この話、歯をもらってから何日後くらいに婆が来たの?


30 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/23(金) 18:08:56.38 ID:NfmxdaAH0.net
>>25
来た時に持ってないとやばくないか?


38 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/23(金) 23:41:07.90 ID:Bp8xCUmM0.net
>>30
一旦返してもらおうと思ったけど、連絡付かず取り戻せなかった。
やばそう。

※これ以降、本人と思われる書き込みなし








150 :本当にあった怖い名無し:2009/12/23(水) 15:00:18 ID:nd9KaoqlO
1年前の今日、12月23日。
東京の本社から部長・課長・パシリの俺3人で、九州の支社に叱咤激励をするために向かった。
羽田から飛行機に乗ったのが、確か午前10時ちょい過ぎ。博多空港に着いたのが11時30分位。
空港から地下鉄に乗り、博多駅に着いたのが11時45分位。博多駅から会社まで歩いて3分位。

会社に着いてスタッフに迎えられ、一連の挨拶を終えるとトイレに行きたくなり、
早々とウンチョスを済ましトイレを出ると、なぜか本社にいる。
ん?は?なんで?白昼夢?
時計を見ると0時15分。
意味が分からなく、ぼけ~っと見回していたら、同じ課の女の子が、
「あれ?○○さん今日九州じゃないんですか?」
「あ!やっぱりここ東京だよね~?」
夢じゃない!
急いで携帯で部長に連絡。
「部長、今ですね、私、トイレに行きましたよね?
 トイレを出ましたら、なぜか本社にいるんです!!!!!!」
部長爆笑~
課長が電話口に出て、
『何言ってるんだ。紙が無いのか?(笑』
「いや、なんと申したらいいのか分からないんですが、東京にいるんですよ!!!!!」
声のトーンで洒落じゃない事を分かってくれた課長が、
すぐさまトイレを見に行き、俺がいないのを確認して、一度電話を切る。
本社の社長室に急いで行くように、と言われた。


151 :本当にあった怖い名無し:2009/12/23(水) 15:12:43 ID:nd9KaoqlO
社長室に震えながら行くと、社長も目を丸くして「何が有ったか教えてくれ」と言われ、
俺は震えながら説明した。
何時の飛行機に乗り、支社に着いたのが何時でしたと。
トイレから出るとなぜか本社に、と説明すると、
社長爆笑・俺震え止まらず。

社長曰わく、
「人間生きてると不思議な事が有るんだな~荷物は送って貰えばいいから。
 今日の夜予定無いだろう。一緒に飲みに行こう」
と言われ、また震えた。
その晩生まれて初めて銀座に連れて行かれて、格好のネタにされた。

ちなみに、今年の新年会の挨拶やらなんやらを一手に引き受けさせられ、
社内では『ワーップさん』とあだ名が付いた。


160 :本当にあった怖い名無し:2009/12/23(水) 18:05:12 ID:nd9KaoqlO
福岡空港でした、すみません。
平々凡々生きてきた俺の唯一の不思議体験です。








723 :1/12:2009/07/13(月) 00:28:02 ID:yzLus+8HO
人間って、壁をすり抜けたりする事ができるの知ってました?
10の14乗分の1くらいの確率で。
なんか、細胞を形成している素粒子に、透過性があるかららしいんだけど。
たまたまこないだテレビで見て知ったんだけど、
それを見てもう15年くらい前の出来事を思い出してしまって、
あの時の現象はそういう事だったのかな…と思って書いてみる事にしました。

俺は珍走団って訳じゃないけど、バイクが大好きで、仲間とつるんで土曜の夜に走るのが好きだったんだけど、
同時に心霊スポットも大好きだったんです。

ある土曜日に、有名なトンネルに仲間と行ってみた。
そこは入り口付近に桜の木があって、こう書いてある。
『コノキ二ノボリシモノノロイアリ』
この木に登りし者呪い有り、という意味で、
おそらく近所の人が、たむろする若者を迷惑に思って刻んだのだろうと推測できるのだけど、
ほとんどの奴は怖くて登らない。
そんな中一人だけ、上半身裸で木に登って、上着を振り回している奴がいた。
そいつが今回の話の主人公、ヨッシーって奴なんだ。


724 :2/12:2009/07/13(月) 00:29:48 ID:yzLus+8HO
ヨッシーは時代遅れの改造バイクに乗って、シンナーを吸引しているような痛い奴で、仲間内では浮いているほうだった。
みんなヨッシーを無視して、トンネルの写真を撮ったりしていた。
携帯とか無くてインスタントカメラで撮っていたんだけど、撮影者がおかしな事を言い出した。
「あれ?フィルムが巻けない」
3枚くらい撮った後、カメラが壊れたらしい。
「おいおい霊現象かよ?」
みんなが騒ぎだした時、ドサッ!
暗闇で音がした。
「いててて…」
なんとヨッシーが桜の木から落ちてた。
みんなは爆笑して場が和んで、その場はうやむやになって帰宅した。

一週間後、カメラの持ち主が厄介な問題を持ち込んできた。
3枚撮れたトンネルの写真を現像したら、とんでもないモノが写ったと言う。
とりあえず家に呼んで見せてもらったら、焦った。
トンネルの地面に、無数の頭蓋骨が写っていたから。
そのトンネルは、朝鮮人労働者が何人も死んだという噂があって、
出口から差し込む光が2つ写るといって、
『GORO』という雑誌に掲載されてから、一躍有名になったトンネルなんだけど、
頭蓋骨の山が写った話は聞いた事がない。


725 :3/12:2009/07/13(月) 00:32:24 ID:yzLus+8HO
数千はあろうかという頭蓋骨を見て怯えているところに、我が家の電話が鳴った。
『事故った!迎えに来てくれないか?』
偶然にも、一緒にトンネルに行った奴から。

迎えにいく準備をしていると、又電話が鳴った。
『ごめん、迎えに来て!事故ってバイクが駄目になった』
またまたトンネルに行った奴から。
するともう一度、『バイクが動かない!』。
なんと、3人もトンネルに行った奴から電話が。
この時はまだ恐ろしいとは思っていないから、仕方なく全員迎えに行く事にしたんだけど、
最初の電話があった奴の所に向かう途中に、今度は俺が事故った。
前の日に交換したクラッチワイヤーが切れたんだ。
ちょっと不吉なモノを感じた。

で、改めて家に集合したら、事故った奴らは皆とても不自然な事故だったと言う。
頭蓋骨の写真を見せたら全員怯えてた。
一人が言った。
「おい、事故は偶然じゃないよ!ぜってぇ祟りだよ!○○のババアに見てもらおうぜ!」
○○のババアとは、当時有名な霊能者と言われていた人で、
お寺に住んでいて、なんと悩み事を言わないのに答えだけくれるという噂の人だった。
見料は5千円。
ま、不気味な写真を処分してもらうだけでもいいかと、代表者3人でババアの所に行ってみる事にした。

ババアの住む寺は田舎だったけど、人だかりがあってすぐに分かった。
二時間位待ってようやく寺の中に入れたんだけど、ババアの部屋は相談者で溢れている。
驚いた事に、ババアは人が沢山いるのに相談に答えていた。
でも、相談者は何も語っていない。
何も語っていないのに、相談者の関係者の名前を言ったりしている。
どうやら、離婚の縁切り相談なんかもやっているようだった。
周りの人は名前は聞こえるが、イマイチ内容は理解できず、プライバシーは守られている。

このババア…本物か?そう思った時、ババアがこちらを向いて舌打ちをした。
「この野郎ども!厄介なモノ持ってきやがって!肝試しなんてやるもんじゃないよ」
アシスタント等一人もいない。アポも取っていない。俺は何も喋っていない。
だのにババアは、全て見抜いているような口振りだった。


726 :4/12:2009/07/13(月) 00:34:34 ID:yzLus+8HO
「いいか、よく聞けよ。今から札書いてやる。
 それを持って、肝試しに行った8人全員で川に行って、ドクロと札を一緒に流せ!絶対後ろ向くなよ!
 分かったか?五千円置いてとっとと帰れ!」
ババアは、チラシの裏に変な梵字みたいなのを書いてよこした。
俺達は狐につままれたようにキョトンとしたまま五千円を置いて、一言も喋らないまま寺を出た。

「インチキだろ?」
「でも…ドクロとか8人とか…ズバリだったよね?」
結果として、ババアを信じる事にするしか無かった。
何がどうとんでもないのかもわからず、俺達は8人を集めて川に出かけるしか無かった。

ババアの所に行かなかった5人に経緯を説明した。
「いいか?絶対振り向くなよ?ヤバイらしいぞ。あと、みんな走るなよ!慌てて転んだら大変だから!」
そんな説明をしていると、一人だけ聞いてない奴がいる。
「ヨッシー!聞いてるのか?振り向いたら大変な事になるらしいぞ?大丈夫か?」
ヨッシーは返事をせず、ヘラヘラしていた。
「よし!じゃあ流すぞ?いいか?流したら直ぐに回れ右だぞ!振り向くなよ?走るなよ!」
俺はそう言って、ドクロの写真と梵字を書いたチラシを川に流したんだ。
みんなは同時に回れ右をして、ゆっくりとその場を後にした。

15歩位進んだところで、ヨッシーがバカをやりだした。
「俺は桜の木に登っても平気だったんだよ!呪いなんて怖くねぇ!へ!」
そう言って後ろを振り向いている。


727 :5/12:2009/07/13(月) 00:36:09 ID:yzLus+8HO
「ヨッシーやめろ!ヤバイよ!やめろって!」
みんなが制止するのを無視して、ヨッシーが振り向いている。
「へ?あれ?あれなんだ?ぉぁ………………」
ヨッシーが黙り込んでしまった。
「ヨッシー!ヨッシー!どうしたヨッシー!」
みんなは歩みを止めない。ヨッシーは付いてこない。
「う、うわあー」
誰かが走りだした。つられて全員走りだした。
「うわあーああああー」

駐車場に着いたがヨッシーがいない。
「おい、ヨッシーは?ヨッシーどうしたんだよ」
陽が沈み始めて、辺りは暗くなりだしている。
誰も怖くてヨッシーを探しにいけない。
「俺、明日早いから…お先に…」

一人、また一人と消えていって、俺とカメラの持ち主だけになってしまった。
「どうする?探しに行くか?」
「正直…怖い…無理」
「あいつ…何を見たんだ?」
俺達は慎重に話し合い、あと30分待ってヨッシーが帰ってこない場合は帰る事にした。
約束を破ったヨッシーが悪いというのが大義名分で、
ババアの「振り向くと大変な事になる」という言葉が、どうしてもヨッシーを探す気分になれなかった。

30分してもヨッシーは帰ってこなかった。
俺達は仕方なく帰ったんだ。


728 :6/12:2009/07/13(月) 00:37:58 ID:yzLus+8HO
翌日昼休み、職場からヨッシーの家に電話をした。
意外にもヨッシーは直ぐに出た。
「ヨッシー!昨日ごめん…大丈夫だったのか?」
「何が?」
「何が?って…昨日どうやって帰ったんだよ?」
「どうやって?バイクでだよ」
「いや、それはわかるけど」
まるで会話が噛み合わない。

仕方なく、仕事が終わってから、カメラの持ち主の奴と二人でヨッシーの家に行ってみた。
「ヨッシー、昨日あれからどうしたんだよ、心配したんだぞ?」
「俺さあぁぁ…へへっ…へへっ………」
「ヨッシー、お前なんかおかしいぞ?シンナー吸ってるのか?」
「へへへ」
「ヨッシー昨日何か見たんだな?何を見たんだ?ヨッシー?」
「僕なーんも見てない…見てないよ、見てないもん」(この日からヨッシーは池沼みたくなってしまった)
シンナーのせいかもしれないけれども、
自分の事を僕とか言い出したり、涎を垂らしたりしたりして、俺達を困らせた。

話にならないので、帰る事にして玄関を出ると、バイクが目にとまった。
来た時はシートが掛けてあったけど、風でシートがめくれていたからだ。
「これ…なんだよ?」
ヨッシーのバイクは傷だらけで、ライトと全てのウィンカーが割れていた。
所々に枯れ枝が付いていて、ミラーがあらぬ方向に折れ曲がっている。


729 :7/12:2009/07/13(月) 00:39:47 ID:yzLus+8HO
どこをどう走ったらこんな事になるんだろう?
ヨッシーだって無傷でいられるはずがない。
「ヨッシー!おいヨッシー!お前?」
「あー、あー、あー」
ヨッシーは痴呆のように叫ぶだけで答えなかった。

暫くしてヨッシーは、仕事を辞めて精神科に通うようになったんだ。
日常生活は支障がないけれど、バイクには乗れなくなった。
俺はやはりあの日の事が関係しているような気がして、ババアの所に行って解決法を聞こうと思ったけれど、
できなかった。
約束を破った負い目があったから。
いつの間にかヨッシーの事は、仲間内でタブーになっていって疎遠になった。

そんなある日、不思議な噂を耳にした。
『四次元の木』の噂だ。
ある山奥にあるその木は、厳重にフェンスで仕切ってあり入れないようになっている。
管理しているS市に問い合わせたら、存在を否定される木。
この木はなんの変哲もない樹齢50年くらいの木らしいのだけど、なんと四次元の入り口になっているという。
空き缶や石を投げつけると消えるという。
消えた空き缶や石はどこにも見当たらない。
つまり…この世に存在しなくなる…。
元々は、山菜取りの老夫婦の旦那が奥さんの目の前で消えた!というのが噂の始まりだった。


732 :8/12:2009/07/13(月) 00:44:08 ID:yzLus+8HO
噂が広がった後は大変で、珍走団は集まるし、子供が消えたとか騒ぎになるし、
でも四次元の木に行った事のある珍走団の友達に聞いた話では、何を投げつけても消える事は無かったって。
その友達は先週も行っていて、「フェンスを壊したから今なら入れる」って言っていて、
刺激を求めていた俺は、懲りずに行く事にしたんだ。

仲間を集めて出発しようとした時、
「僕もいくぞー、僕も、僕も僕も」
なんと、ヨッシー!
ヨッシーに教えたのは誰?
痴呆を連れていってもお荷物。
けれどヨッシーは俺のバイクに跨って離れない。
「嫌だ嫌だ、僕も、僕もへへへ」
ヨッシーには誰も連絡をしていないという。
どうして知ったのだろう?仕方なくニケツで連れて行く事にした。

珍走団の友達の言った通り、フェンスは壊れていた。四次元の木は直ぐに分かった。
しめ縄がしてあって酒が置かれていたから。
「なんの変哲もないな…」
そう言って、仲間の一人が木の枝を軽く投げた。
バシッ!
枝は虚しく地面に落ちた。
「なんだ嘘かよ…」
何故か、この行為を見たヨッシーの落ち着きがなくなった。
「ダメだよ、ダメだよ、怒られるよ。あのオジサンに怒られるよ」


734 :9/12:2009/07/13(月) 00:45:35 ID:yzLus+8HO
ヨッシーは大声で暴れている。山奥とはいえ、夜の10時、警察が来ては面倒だ。
「ヨッシー、うるさいよ!静かにしろよ!もーなんでこんな身障連れてきたんだよ!くそ!」
俺は連れてきた事を後悔した。
ヨッシーを見ると騒ぐ一方で、苛立ちが増大してしまった。
みんなに悪いような気がして、冗談のつもりである提案をしてみた。
「ヨッシーを木に押し付けてしまおうか?うるさいから四次元に葬ってやろうか?」
軽い冗談だ。
けれど…
「おー!いいね!こんなお荷物は四次元に葬ってしまおう!」
「どうせ生きていても役に立たないよ葬ってしまおう!」
やんややんやの大騒ぎ。
ヨッシーコールまで起きてしまっている。
ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー
四次元なんて嘘なんだし、ヨッシーをビビらせておとなしくさせるだけだ。
俺もテンションが上がってしまって、ヨッシーの腕を掴んだ。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、オジサンがオジサンが…僕嫌だよ」
オジサン等と訳のわからんヨッシーに怒りさえ感じて、腕を力強く掴んだ。
反対の腕を友達が掴んだ。引きずるように木に向かって歩いていった。
ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー


736 :10/12:2009/07/13(月) 00:47:09 ID:yzLus+8HO
「嫌だよーああああああああ」
足をバタバタして抵抗するヨッシー。
仲間が懐中電灯をぐるぐる回して雰囲気を盛り上げる。
ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー、ヨッシー
もはや後には引けない。
四次元の木に後一歩の所まで来た時、友達に目配せをして力強くヨッシーを木に押し付けた。
フッと軽くなったような気がした瞬間、懐中電灯が消えて真っ暗になった。
何かにつまづいて転んでしまった。
「痛!おい、消すなよ!こら!」
「消してないよ!…消えた!」
パンパン!…パンパン!
懐中電灯を叩く音が数回した後、フッと灯りが付いた。
「あれ?ヨッシーは?」
いない?!真ん中にいるはずのヨッシーがいない?!
反対の腕を掴んでいた友達も何故か転んでいて、キョトンとしている。
「いない訳ないだろ?」
「あいつイタズラしてんだよ!おいヨッシー、ふざけんなよ!出てこいよ!」
灯りがつくまでは数秒、ヨッシーはその間に茂みに隠れているに違いない。
俺達は懸命に探した。
「おい、ヨッシー、出てこい!」
「もうやめよう、謝るよ、出てきて」
「悪かった!ヨッシーごめん。頼む出てきて!」


738 :11/12:2009/07/13(月) 00:53:29 ID:yzLus+8HO
俺達は青くなった。
ヨッシーは悪ふざけをして、その辺の崖から転落したのかもしれない。
「お前があんなアホ連れてくるから悪いんだぞ?」
俺は後悔した。
ヨッシーはマジで大ケガ、いや、死んだかもしれない。
ヤバイ…ヤバイ…。
「うん。俺の…責任だ。とりあえずヨッシーの家に行って、お母さんに説明しよう。それから警察に届けよう。俺の責任だ」
俺達は急いでヨッシーの家に帰った。

山道を15分、バイクで一時間、ヨッシーの家に到着した。
「おばちゃん、おばちゃん!ヨッシーが大変な事に!ごめんなさい!」
ヨッシーの母ちゃんは、俺達の勢いにびっくりしたようだが、直後にとんでもない事を言った。
「どうしたのこんな遅くに?義彦ならさっき押し入れから落ちたみたいで、うーうー唸っているよ。二階で」
え?な・ん・だ・っ・て?俺達は訳がわからず二階に行った。
そこには紛れもなくヨッシーが居た。
「おい、ヨッシー、ヨッシー!お前どうやって帰ったんだ?え?」
ヨッシーは何故か全裸だった。体中に傷があって、涎をだらだらと垂らしている。
「オジサンがね…僕のね…えへへ…お前らしらないぞ?オジサン怒ってたぞ?」
「ヨッシー、オジサンって誰なんだよ?え?オジサンって?頼むよ、答えろよ!」
俺は何故か半泣きになってヨッシーを揺さ振った。
「えへへ、えへへ」
ヨッシーは答えない。


742 :12/12:2009/07/13(月) 00:56:11 ID:yzLus+8HO
お母さんの話を聞くと、一時間位前に二階でドスンドスンと大きな音がして見に行くと、
ヨッシーが全裸でヘラヘラ笑っていたという。
一時間前って…ヨッシーが消えた頃じゃないか?
「この子…もう駄目なのかな…みんな…友達でいてあげてね」
俺達は何も言えなかった。

翌日の日曜日の昼間に、俺達はもう一度四次元の木に行ってみた。
何か手掛かりがあるかもしれない。
四次元の木の周りには何もない…
すると一人が何かを発見して叫んだ。
「おい、あれを見ろよ!」
指を差した場所は空だった。
四次元の木の頂上付近、30メートル位の場所に…
服が絡みついている。
「あれ…ヨッシーの服だろうが?」
間違いない。昨日ヨッシーが着ていた服だ…。
一体どういう事だろう?
俺達はいくら考えても解らなかった。
ヨッシーは四次元に迷い込んだのか?
オジサンとは誰だろうか?いくら考えても解らなかった。

あれから15年…ヨッシーは通院では済まなくなって、今は面会不可な場所に居る。
俺達あの時は犯罪者になった気分だったけど、10の14乗分の1位の確率で木だって通り抜けられるんだよね?
だから…偶然じゃなく必然だったんだ。
そう自分に言い聞かせているんだ。





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