【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 住職系




747 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:07:26.08 ID:eSWHhk4M0
うちの会社は結構ブラックで、
絆を深めるためなのか精神修行なのか知らないけど、毎年新入社員に山登りとかキャンプとかさせてる。
今年はお寺で修行。
いつもは社長ともう一人が引率するんだけど、今年は社長が直前に行けなくなって俺だけで引率することになった。

新入三人(A,B,C)を連れてお世話になるお寺に行くと、住職と小坊主のSさんとOさんが出迎えてくれた。
住職は常に笑みを絶やさずとても優しそうな人だ。
毎朝四時半に起きて、掃除して、座禅して、読経してという感じで、三日間ここでお世話になる。

1日目の夜に、新人二人の叫び声が聞こえた。
どうしたんだろうと思い声の方へ行くと、お寺の敷地にある井戸を覗き込んでいる。
何があったのか聞くと、二人で井戸を覗き込んでいたら、急に横から女の子が井戸へ落ちていったという。
なんで女の子がいるんだ?とは思ったが、急いでSさんに事情を話し井戸へ戻った。


748 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:09:54.47 ID:eSWHhk4M0
A「覗く前はまわりに誰もいなかったのに、本当に急に落ちていったんです。早くしないと溺れて死んでしまいますよ」
Sさん「・・・この井戸に水はありませんよ。ずっと前に横穴を閉じていますから。それに井戸は鉄板で閉じていたはずですが・・・」
A「いや、開いてたんですよ。それにドボーンって水の音も聞きましたよ。なぁ、聞いたよな」
B「うん。絶対落ちました。早く引き上げましょう」

とりあえず水があるのか汲んでみることにしたが、やはり水はない。
そうこうしてると住職がやってきた。
今までのことを話すと、住職の顔が一瞬引きつったように見えた。
住職「こんな夜ふけに、子どもが一人でこのような場所にいるわけがありません。
 皆さん本堂へ来てください。読経をいたしましょう。井戸はきちんと閉めておいてください」
A,Bはもちろん、その場にいなかったCもかなりビビってた。正直言って俺もビビってた。
社長に電話をして事情を話し、中止したほうがいいかもしれないと提案したが、
そういう事を乗り越えてこそあーだこーだで、とりあってくれなかった。


749 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:12:10.56 ID:eSWHhk4M0
二日目の夜、就寝前に一服しておこうと外の喫煙所へ行った。
喫煙所はあの井戸のすぐそばにある。
井戸の方を見ると、鉄板がどけてあった。
あれ?と思って井戸の方へ行き、なんとなく覗いてみると、急に女の子が落ちていった。水の音も聞こえた。
ちょうどAが一服しにやってきて「どうしたんです?」と聞いてくる。
俺「俺も見ちゃったよ。たしかに女の子が落ちていったわ。やばいなここ」
A「Hさん(俺)もみたんですか?やばいっすよここ。帰りましょうよ」
俺「いや、俺も帰りたいけどさ・・・。まぁあと一日だから我慢しよう。というかもう行こうぜ」
その場を去ろうとすると住職がやってきた。
住職「何をやっているんです。あぶないから鉄板をどかしてはいけませんよ」
俺「どかされてたんですよ。住職さん、俺も見ちゃいましたよ。昔ここで何かあったんですか?」
住職「何もありませんよ。あなた方が憑かれているのかもしれませんね。本堂で読経をいたしましょう。井戸は閉めておいてください」


750 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:15:13.24 ID:eSWHhk4M0
あと一日我慢すれば帰れる。
俺は極力あの井戸の所へ行かないようにして、何事も無く一日が過ぎた。

就寝前に一服をしようと思ったが、昨日のことが頭にあり一人ではちょっと行きにくい。
Aもタバコを吸うが、俺が行く前に一人で一服しに行ってしまったという。
情け無いが一人ではちょと行けないので、我慢することにした。

深夜に目が覚めて、就寝前の一服をしなかった俺はどうしても一服したくなった。
どうしようか悩んでいると、隣で寝ていたAが起きている感じだった。
俺「A、起きてるか?」
A「はい、起きてます。というかタバコ吸いたいっす」
俺「おまえも?俺も吸いたいんだよ。寝る前に一服しなかったからさ。ちょっと行くか?」
A「行きます?こんな時間にあそこ行って大丈夫ですかね?」
俺「怖いって意味?それとも怒られるって意味?」
A「怖いって意味っすよ。でも二人なら大丈夫ですかね」
俺「俺も怖いけどな・・・行くか」


751 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:18:29.11 ID:eSWHhk4M0
深夜2時過ぎ、俺とAは忍び足で喫煙所へ向かった。
チラッと井戸の方を見たが、井戸は閉まっている。
ああ良かったと思いタバコを吸っていると、足音が聞こえた。
スタ、スタ、スタ、スタ・・・だんだん近づいてくる。
暗闇の中でうっすらと足音の主が見えてきた。足音の主は住職だった。
やばいかなと思い「すいません、どうしても一服したくて」と言い訳をしたが、
それを無視して住職は井戸の方へ向かっていった。
何をするんだろうと見ていると、井戸の鉄板をどかし、俺達には何も言わずに帰っていった。
どういう事だ?鉄板をどかしていたのは住職だった。でも今の住職はあきらかにおかしい。
俺とAが住職の方から井戸へ視線を移すと、井戸を覗き込んでいる女の子がいる。あの女の子だ。
その後ろに坊主がいて、女の子をニコニコと笑いながら見ている。
すると次の瞬間、坊主が女の子を井戸へ突き落とした。
俺達は井戸を覗き込んでいたから気がつかなかったが、女の子は落ちたのではなく突き落とされたのだ。
坊主は女の子を突き落としてニタ~と嬉しそうに笑顔を浮かべている。どこかで見た笑顔だ。
俺にはその坊主が住職に見えた。住職よりも若いが住職に見える。


752 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:21:57.86 ID:eSWHhk4M0
坊主は笑顔のまますっと消えた。
するとすぐにまた女の子と坊主が現れて、さっきと同じ事が繰り返された。
動画のリピートのように、何度も何度も女の子は坊主に突き落とされ、坊主は嬉しそうに笑う。
俺とAは呆然とそれを見ていた。
金縛りにあっていたわけではないが動けなかった。
あの時の心境を言葉にするのは難しい。ただその光景を見続けた。
何度繰り返されたかわからないが、いつの間にか女の子と坊主は現れなくなった。

俺とAは何もしゃべらずに呆然と立っていたが、「おはようございます」というBとCの声で我に帰った。
顔を見合わせ、とっくに燃え尽きたタバコの吸殻を捨てて、新しいタバコに火をつけた。
何を話していいのかわからず、ただ黙ってタバコを吸った。
そこにSさんがやってきた。


753 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:25:38.32 ID:eSWHhk4M0
Sさん「こんなところで固まっていないで、掃除をしてください」
俺「・・・Sさん。昔ここで何かありました?本当のことを教えてくださいよ」
Sさん「また何か見たんですか?う~ん、私はわかりませんね。まだここに来て3年ですから。
 Oさんなら何か知ってるかもしれませんけど・・・」

俺とAは食事の後、Oさんに聞いてみることにした。
俺「Oさん。この寺で昔何かありませんでしたか?」
Oさん「井戸で何か見たらしいですね。私はここに来て10年以上になりますが、特に何もありませんよ。
 ・・・ただ一つだけ妙なことがありましたが・・・う~ん、これは話してもいいものかどうか。
 まぁ、内緒話ということでお願いします。
 実は前にも、井戸の鉄板が開いてたことがあったんですよ。
 私は開けた覚えはないのですが、住職に叱られましてね。
 でも、またいつの間にか鉄板がどかされているんです。
 住職に見つかったらまた叱られますので、すぐに閉めていたんですが、
 ある日見てしまったんですよ。住職が井戸の鉄板をどかしているのを。
 声をかけても無視されてしまいましてね。異様な雰囲気でしたよ。
 それからしばらく、井戸の鉄板がどかされることはなかったんですが、
 Sが来てから、また何回かどかされてたことがありましたね。
 まぁ私が見つけたらすぐに閉めていたんで、Sは気がつかなかったと思いますが」


755 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:28:21.71 ID:eSWHhk4M0
A「井戸で何か見ませんでした?」
Oさん「何も見ていませんね。私は霊感がないのか、生まれて以来一度も幽霊を見たことがないんですよ」
俺「住職には、鉄板をどかしたことについて聞いたんですか?」
Oさん「いや~、聞けませんでしたね。住職が何を意図して、そのようなことをしているのか知りませんが・・・」
俺「あの、意図してというより・・・取り憑かれてるんじゃないんですかね?大丈夫なんですか?」
Oさん「・・・住職に限ってそのようなことはないと思いますが・・・。あなた方は何を見たんです?」
俺とAは顔を見合わせて言うべきかどうか考えた。
A「いや・・・・・・女の子が井戸へ落ちるのを見たんですよ。Hさんも、あとBも見たんですよ。・・・まぁそれだけなんですけど」
Oさん「そうですか。でも今までも特に何もありませんでしたし、大丈夫ですよ」
もう詮索するのはやめよう。そう思った。今日ここから帰れるんだから。もういい。


756 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:32:49.89 ID:eSWHhk4M0
その日の正午過ぎに寺をあとにすることにした。住職が笑顔で見送ってくれる。
ここに来た時に見た笑顔と同じ笑顔のはずなのに、住職の顔を直視できなかった。
お礼を言い、寺の門から一歩外に出ると、急に住職が狂ったように笑い出した。
「プフフフ・・ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒーヒーッヒッヒ」
しばらくすると急に笑うのをやめて、子供のように泣き出した。
「うううぇーんうううう、ひっくひっくひっく」
異常な状況にBとCは逃げた。SさんとOさんが必死に住職に呼びかけるがどうにもならない。
俺は心配になり住職の方へ一歩踏み出すと、住職は泣くのを止めてニタ~と嬉しそうに笑った。
俺とAもその場から逃げ出した。


757 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 21:36:50.49 ID:eSWHhk4M0
普通の生活に戻ってから、Aは妙な使命感に駆られてあの寺についていろいろ調べている。
俺も一緒に調べるようにとしつこく言ってくる。
A「Hさんも一緒に調べましょうよ。いいんスか?このままで。あの女の子がかわいそうですよ」
俺「・・・あれはなんなんだよ。最後の住職は」
A「あれは・・・あの女の子なりに、俺たちを引き戻そうとしてやったのかもしれませんし、
 Hさん気がつかなかったと思いますけど、井戸であの光景を見てる時に、
 横であの女の子がずっとHさんのことを見てたんですよ?」
全く気がつかなかった。なんとも言えないが、もしかしたらAの言う通りかもしれない。
あの女の子は気がついてくれないSさんとOさんを諦めて、俺達に助けを求めた。そういうことなのかもしれない。
何かしてやりたいと思う気持ちはあるが、俺には無理だ。
正直言って、何度も見たあの女の子の顔や服装はあまり覚えていないが、あの坊主の笑顔は忘れられない。
女の子を突き落とした後のあの嬉しそうな笑顔。
今でもふいに思いだされて、一人でいられなくなる。
俺には無理だ。申し訳ないがこれ以上は関わりあいたくない。


760 :本当にあった怖い名無し:2011/07/01(金) 22:03:57.56 ID:80DLyfha0
Aがその後どうしたのかとか気になる


764 :747:2011/07/01(金) 22:40:01.63 ID:eSWHhk4M0
中途半端な感じですまんがこれで終わり。
なにもわかんない。
Aは何度か寺へ行ってるらしいけど、基本的に一般参詣者は寺へ入れてもらえないから、Aも入れてもらえないらしい。


921 :747:2011/07/03(日) 01:40:18.99 ID:f43ckCFY0
747だけどやばい。
Aとは部署も違うし、あまりにしつこく調べようと言ってくるからずっと避けてたんだけど、
ここに書き込んだ後に気になってメールで聞いてみたら、先々週の日曜日に住職と会ったらしい。
ここからはAから聞いた話。

Aはあの後(今年の4月)から、毎週日曜にあの寺へ行ってたらしい。
いつもSさんが応対してくれたんだけど、一般参詣者は中へ入れられないということでいつも断られていた。

先々週の日曜日もAは友人と二人で寺へ行ったんだけど、やっぱり寺へ入れてもらえなかった。
そこでAは「入れてくれないんなら、警察に全部言うぞ。いいのかー。」と寺の前で叫びまくった。
しばらくしたらSさんが、住職がAとだけなら会ってもいいと伝えに来た。
友人は車で待ってもらうことにして、Aは住職と会うことにした。
SさんもOさんも同席はせず、住職と二人きりで。


922 :747:2011/07/03(日) 01:44:40.53 ID:f43ckCFY0
A「単刀直入に聞きますけど、あなた、昔、女の子をあの井戸へ突き落としたでしょ?」
住職「・・・・・・」

A「正直に言ってくれないなら、俺は何度でも来ますよ」

住職「・・・もう20年以上前の話です・・・。私の妹に娘がいましてね。この子が可愛かった。妹の幼い頃にそっくりだった。私はとにかくこの姪が可愛くて可愛くて、それで・・・突き落としてしまったんです」

A「・・・意味がわかりませんけど」

住職「わかりませんか?まぁ、わからないでしょう。姪は死にましてね、事故死です」

A「事故死って・・・あんたが殺したんじゃないか」

住職「事故死ですよ。事故死ということになったんですから」


923 :747:2011/07/03(日) 01:48:18.51 ID:f43ckCFY0
A「あんたその女の子に取り憑かれてるよ。取り殺されるんじゃないか?あんた坊主だろ?いいのかよ。改心しろよ。女の子も成仏できねぇよ」
住職「そう。私は取り憑かれています。姪は私のことを恨んでいますよ。いつまでも私のそばにいてくれるんですよ。成仏なんてとんでもない。ずっと私と一緒です。これからもずっと」

住職は話してる間ずっと笑顔だったという。
さすがにAも言葉を失い、それと同時に、今まで使命感で忘れていた恐怖が沸き上がってきたらしい。
住職「もういいですか?ではお帰りください。もう2度とこの寺へ来ないように。今度来たら私にも考えがありますので・・・」
Aは友人には何も話さずに帰った。

電話で話を聞き、「さすがに殺人を自供したんなら、警察に言ったほうがいいんじゃないか?」とAに言ったが、
『・・・いや。俺はもう無理です。もう関わりあいたくないです』と、俺と同じ状態になっていた。
俺ももちろん関わりあうつもりはない。







1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:23:58.26 ID:VckjLEEd0

人間ってスペック生かしきれてないって本当だなと思った話

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:26:32.35 
早速スペック生かし切れてないな 

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:27:06.89 ID:VckjLEEd0
>>4 
いやもうそんなレベルの話じゃないんだよ 

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:27:19.38 
>>4ワロタ 

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:27:51.56 
いいからはよ書けや 

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:30:15.20 ID:VckjLEEd0
30年ほど前になるんだが、とてつもなく感覚が研ぎ澄まされた時期があったんだ 

当時まだ20代だった俺は交通事故で両親と弟を失った 
それがキッカケで葬式やら年回忌やらで坊さんと会う機会が増えたんだ 
坊さんと会ううちに俺も坊さんやってみたくなって弟子入りした




9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:32:13.98 ID:VckjLEEd0

そんで弟子入りつっても粗末なもんで雑務の連続でな
まぁ仕方ねえかと思ってやってたら、ある日書類も通ったし修行にいける事になったと住職から伝えられた
修行ていっても簡単なもんだろどうせと思ってたが最低限のお経や所作等は覚えて行かなくちゃならんかった


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:34:31.82 ID:VckjLEEd0

その日から素人が必死こいてお経読んで所作覚えて宗派の歴史とかそもそも仏教とはなんぞ?つう部分から叩き込まれた
寺の看板と住職のメンツを背負って行く訳だから仕方ねえかっつって頑張った訳だ
もちろん両親と弟を供養したいっていう第一の理由があるんだけどな


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:36:22.61 ID:VckjLEEd0

早いもんで俺も55だ
けど若もんよ、末期患者のジジイの話を聞いてくれよ
2chは知人に教えてもらった
若いのがヒマこいてるらしいから、もったいねえと思ってな


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:39:13.01 ID:VckjLEEd0

そんでだ、半年みっちり叩き込んでもらって遂に修行に行ったんだよ
修行ていってもな、車の免許でいうところの普通免許取りに行く感じのだ
まず普通免許取ってそこから枝分かれして大型なら大型、一種二種ならそっちと分かれるように坊さんもまずは普通免許取るんだと


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:42:14.26 ID:VckjLEEd0

普通免許取るための修行はツライにはツライが若い分体力で乗り切ってやってな
もちろん両親と弟を供養したい一心だ
無事に坊さんになった俺は毎日毎日両親と弟の供養だけは何があっても欠かさなかった
お前ら失ってからじゃ遅せえぞ?ジジイの戯言だと思うんならそれまでだがな


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:45:23.08 ID:VckjLEEd0

まぁそう言うな
修行終わったら住職からもっと上の修行にいける事を教えてもらった
供養という目的は達成出来たが上があると言われちゃあ行くしかねえな
つうことで行ったんだわ荒行


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:48:09.38 ID:VckjLEEd0

そしたらよ、寝る時間なんざねえんだよ
24時間修行しっぱなし
もちろん名目上の就寝はあるにはあるんだが行数が絶対だから初めての初行って連中は自分の睡眠時間なんかないんだよ
食べ物もお粥の米抜いたお湯、要するに重湯だな、これを一日一食から二食
もう死ぬんじゃないかと毎日思った


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:50:29.26 ID:VckjLEEd0

そんなある日だ今日も今が朝なのか夜なのかわかんない中、一日が始まり水行して読経して水行して読経しての繰り返しの合間に先輩が俺の後ろから歩いて来た
その時は何も不思議に思わなかったんだが俺は少しずつ人間の可能性を感じ始めてきてた


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:52:38.18 ID:VckjLEEd0

後ろからくる人間の足が床と擦れる音で誰だか分かるようになってきた
不思議なもんで人間ってのは恵まれすぎると感覚が鈍るみたいでな
そういうもんを一切取っ払って取っ払って生身になると人間本来の五感が研ぎ澄まされるんだな
次に変わったのは手だった


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:53:54.01

坊さんって全員こんなことしてんの?


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:55:08.61 ID:VckjLEEd0

フラついて壁に手を着くと壁伝いに振動がきてるのが分かった
読経で正座中、床に手をやると後ろの連中が足が痺れて不安定な正座をしてるのが分かった
不思議なもんだな
次に変わってきたのは目だった
すでに修行は40日が経過していた


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/02(月) 23:58:11.71 ID:VckjLEEd0

全員はしてねえな、宗派でも違うし修行は強制ではないからな
やりたい奴はやる、ただ寺から離れる訳だから都合がつかなくて修行に行けないやつもいる

目が変わったってのは物がゆっくり見えたり写経用の髪の枚数を山積みの状態でも数えたり出来るようになってきた


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:00:33.53 ID:pny5c/vi0

修行60日が経った頃修行仲間が1人死んだ

なんていえば若いのに伝わるかな
歳食ってから人の死を経験するとな自分の居場所が一つ減ったような寂しい気持ちになるんだわ


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:04:00.59 ID:pny5c/vi0

まぁなんだ、甘ちゃん小僧が殺気だなんだと言ったところで本当に死と向き合った事もねえのが吠えてるようにしか見えねえなあ

それからより一層自分を追い込んで修行に励んだ俺は無事に修行を終えたわけだ
いの一番に墓行って報告したんだがよ
どういうわけか墓が怖いんだわ


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:06:32.24 ID:pny5c/vi0

父ちゃん母ちゃん弟が入ってる墓なのにとてつもなく怖いんだわ
こりゃ困ったなあと思って先輩坊主に相談すると、どうやら業界で言う「触る」ってやつらしいのな


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:09:02.15 ID:pny5c/vi0

200人の大人が全力で読経してる空間でだ素足で床歩いてる音を聞き分けるのが簡単かい最近の若いのは大したもんだな感心するぞ

その触るってのは要するに一般人が言う「取り憑かれる」みたいなもんなんだとよ
俺は触られた訳だ


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:10:46.09 ID:pny5c/vi0

じゃあ何に触られたかっていうと、そりゃわかんねえんだとよ笑っちまうな
左肩はピクリとも動かね墓は怖い水も怖いじゃ供養もできやしねえ
修行したことを悔やんだねあれは


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:13:37.41 ID:pny5c/vi0

察しの良い利口なのもいるもんだな

そんでだここで人間の可能性の話に戻るが、自分で原因確かめたいから小さい粗末なお堂に篭ることにしたんだわ
そしたらよ耳も手も目も何の役にも立たねえんだ
父ちゃん母ちゃんと握手出来るわけでもねえ顔見れる訳でもねえ


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:13:55.61

おもしろい


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:15:56.06 ID:pny5c/vi0

でも一つだけ希望があったんだわ
毎日午前2時ごろには必ずお堂を揺らす奴らが二.三人いたんだわ実体はねえのだな
揺らすってのはユサユサするんじゃなくてな中から存在を教えてくるっていうかな
待ってる像を倒したり経本めくったりしてくるんだわ


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:17:58.53 ID:pny5c/vi0

見えねえぞもちろん、けど何かが必ずいるんだわ
父ちゃん母ちゃん弟だったらいいなあなんて思ってた俺が甘かった
相変わらず動きもしねえ左腕もってかれちまったんだよ
原因不明の左腕麻痺だとよ今も動かねえんだこれが


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:18:47.12

見てるぞ続けてくれ

勉強になるわ


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:20:10.83 ID:pny5c/vi0

困ったもんでな俺は負けず嫌いだから
そいつぶっ飛ばすまで篭り続ける決意したんだわ怖いんだけどな
三週間が過ぎたころか
修行あけに篭ったもんだから体力が限界突破の突破になっちまったんだ
気失って糞尿垂れ流しだ


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:23:05.23 ID:pny5c/vi0

そしたらよアニメや漫画みてえに何かが光ってんだよ目の前で
遅せえよ仏さんよ、と思ったな
迎えにくるには早過ぎんだけどな

よくよくよくよく見るとよ
死んだ修行仲間なんだよ
俺にこう言うんだよ
「お前の父ちゃん母ちゃん弟をこっちに送れ、お前のこと連れてこうと必死だぞ死にたくなけりゃ親だろうと兄弟だろうと送れ」っては


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:25:29.51 ID:pny5c/vi0

自殺なんてのはな根性のあるやつがするこった
それかよっぽどの壊れもんだ
良いも悪いも他人が口出しする事じゃあねえな
けどよ自殺するってのは生きてる他人の心を殺す行為になる事を知ってなきゃいかんな


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:27:59.72 ID:pny5c/vi0

俺は本末転倒だなと笑ったよ
ふと目が覚めると糞尿垂れ流しの中年が泣いてたんだわ

足にめをやると目の前で父ちゃん母ちゃん弟がグチャグチャになった体で俺を引っ張ってるんだわ


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:31:25.75 ID:pny5c/vi0

ぶったまげるってのはこういうことか
俺は必死に振り払って正座して泣きながら葬式おっ始めたんだ
引導文って言ってな、言えば向こうの世界に行くための切符みたいなもんだ
勧請して読経して引導文読んで読経して回向してな
三時間かかったんだわ
首もとに三人がかりでたかられてよ


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:33:41.75 ID:pny5c/vi0

俺は何で両親と弟に殺されなきゃいけないのか考えたんだわ
そんでだ、篭るの辞めて親戚中歩き回った

そしたらよ俺が両親だと思ってたのは血の繋がってない人間なんだとよ
はー怖いな知らないってのは怖いな


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:35:13.29 ID:pny5c/vi0

もうそんなことはどうでもいいと振り切った俺は本当の親探しの旅に出たんだわ
死んだ修行仲間の数珠もってよ
あっちこっち歩き回った結果死んでたんだよ両親


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:38:21.17 ID:pny5c/vi0

悲しかったあれは
他人に殺されかけるわ両親死んでるわで困ったな

そんでだ他人だと分かっても親は親だ
供養を始めた訳だ、毎日毎日な
その頃には見えるとか感じるとかそんな事どうでも良くてな
いるのが当たり前なんだよ本来


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:42:14.05 ID:pny5c/vi0

供養にも種類があってな
先に出てきた触るような連中はだな坊主がヘナヘナお経読んでも意味ねえんだわ
なんでかっつうとな、元人間だからな人間に触ればそいつと同体になれるようなんだわ滅茶苦茶だわな

しまゃあどうするかっていうと、ここで先の荒行で伝承された祈祷をするわけだ
それはそれはもう凄えんだわ
自分の命掛けて修行して会得したもんてのは、ただ職人が時間掛けて会得した技術だったり、スポーツ選手が得た技術とは違うんだな


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:46:35.99 ID:pny5c/vi0
その祈祷をだな自分でするんじゃなくて大先輩に依頼したんだわ
先輩の寺の本堂で祈祷が始まって5分くらいか、まだ祈祷自体は始まってない時にな俺は自分の意識が90パーセントくらい遠のくのが分かったんだわ
乗っ取られる感じだな


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:49:40.31 ID:pny5c/vi0

業界でいう降ろしてくるってやつだ
降ろしてきたもんに対して事を起こして送るんだな
その降ろしてきた段階な
そんでだ俺は自分の意思とは関係なく背中を向けて勧請してる先輩の方へノソノソ歩いたんだ
真後ろにたった時だった
先輩の読経が始まった
同時に祈祷の始まりだ


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:52:24.15 ID:pny5c/vi0

目に見えるモノ見えないモノ色んなもんが俺に入ってきた、穴埋めのようなもんだ
そのあとそこからいらないモノを先輩は捨てていった
俺の左手に包帯で結ばれた死んだ仲間の数珠が弾けた
御役御免ってやつだ守ってくれてありがとうな
その時だ俺の左手が動いた


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:54:35.95 ID:pny5c/vi0

あの動かないはずの左手が動いたんだわ
その瞬間に先輩が祈祷用の房の長い数珠で俺の手を結んだ
「触り」の最終型だわな
俺の目が釣り上がるのが分かった


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 00:58:14.78 ID:pny5c/vi0

しばらく暴れた俺はどうやら気を失った
気づいた時には先輩の寺の本堂で横になっていた
身体が軽くなっててな驚くぐらいに
今なら親の墓に行ける気がした

お礼も言わず車吹っ飛ばして墓に向かったんだわ
墓前に立つと父ちゃん母ちゃん弟が墓の前で出迎えていた
なぜだか号泣していた


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:02:02.93 ID:pny5c/vi0

父ちゃんがこう言った

「隠しててごめん、弟ばかり愛してごめん、お前だけ生きる事に腹がたって殺そうとしてごめん」

母ちゃんが続けてこう言った

「私もごめんなさい、なぜだか分からないくらいあなたが憎い、ごめんなさい」

自分はこんな人間の為に坊主になり毎日毎日供養して荒行へ行き精進してきたのかと思うとアホらしくなったなあ


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:03:53.39

すごいな

何故だか、信用できる・・・


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:05:36.84 ID:pny5c/vi0

この頃には霊が見えるなんて事は俺の日常だったなあ

そんでだ、最期に血も繋がってない両親にお経読んだんだわ
先輩が俺のお経でも通じる状態にしてくれたからだな
スゥーっと両親と弟が上がって行くのが見えたんだがな、途中で見えなくなっちまった
その日からだな何も見えない何も聞こえないお前さんたち一般人と同じ人間に戻ったのは


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:08:44.03 ID:pny5c/vi0

もちろん俺が特別だなんて思わねえな
考え方によっちゃあ両親が俺を苦しめる為に見える状態にしたのかもしれんなあ

そうだな質問に答えよう
先にも出てたが、両親が俺を殺めようとした理由は先輩の祈祷中に分かったんだわ

大したことじゃねえな
「邪魔」これに尽きるんだとよ
要するに生前から俺は大好きな父ちゃん母ちゃんにとっては邪魔だったんだ


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:10:50.09 ID:pny5c/vi0

本当の両親の前で土下座させたいのお
人様の子に向かって邪魔とはなんだとなあ

まぁ一つ言えるのは俺は血のつながりが無い両親に育てられた、これに関しては感謝してもしきれないな
お前さんたちと違って残りわすがの命ながらもそう思うぞ


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:13:34.23 ID:pny5c/vi0

真実の・・・って質問してくれた兄ちゃん

間違ってなんかねえぞ、俺たち坊主はな会ったこともないお釈迦様目指して命掛けて修行してんだ
結果的にそれが一般人の救済に繋がりゃそれでいいわけだ
真実求める以上は今まで同じ道を先に行った人間達を越えなきゃならねえな?
それもまた修行だな面白いもんだ


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:20:02.83

>>78
ありがとう

なんだか救われたわ・・・

俺も真実の追求に命を掛けてみる

いつも思うんだが、これから先迷うことはないって思っても、迷うもんだよなぁ


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:16:36.10 ID:pny5c/vi0

さて、若いのよ
お前達は可能性の塊だ!なんて言葉をどこぞの企業のお偉いさんが良く言ってるがな、あんなチンケなもんに振り回されるなよ
あいつらが見てるのは上っ面の可能性だなあ
もっともっと人間の可能性を追い求めて欲しいなジジイはよ
色んなもんで恵まれたこの時代だからこそ全て捨てて感覚で勝負してみようじゃあねえか
お前達は可能性の塊だ
頑張って生きろ


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:18:11.97

ありがたやありがたや


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:22:11.34

で、>>1の考える人間の可能性ってなんなの?


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:27:37.10 ID:pny5c/vi0

83の兄ちゃん
逆に考えろ、お前さんのように察しの悪いのはある意味じゃ可能性の塊だな
お前さんにとっちゃ全てが可能性だ

ジジイが言いたいのは自分でわかってるモノだけが自分じゃないって事だ
便利さだったりな色んなもんが自分の力の妨げになってる場合があるんだよ
それが分かった時に信じられないような事が起こせるようになるかもな


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:28:39.89

末期って癌なのか?


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:30:50.83 ID:pny5c/vi0

癌にも色々あるなあ
俺の体ん中でお引越ししやがるんだなこいつは
困ったもんだ
あんな修行してりゃ身も心も一般の人間とはずれてくるんだな
55でガタがきちゃあ早過ぎるよな


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:28:57.21

昨日突然母さんに
あんたはお母さんからは生まれてない
って言われたんだ
これって本当のことなのかな?
昔から家族とは何か違うなって感じてたんだけど、ますますそう思ってきた
どう思う?


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:32:54.02 ID:pny5c/vi0

88の兄ちゃん
本当かどうかは知りたいなら聞けば良い調べればいい手段はいくらでもあるぞ
あとだな、家族と違うのは当たり前だ、家族を分身か何かだと勘違いしてないか
お前じゃないんだわ、違って当たり前だ


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:34:43.94

>>91
母さん、父さん、お兄ちゃんで仲良くやってる輪の中に入れなかった


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:35:14.52 ID:pny5c/vi0

おう、そうか
必要のないものは取り入れる必要はないな
全てを分かったような口を叩けるのも若さだ結構結構
普通に生きた場合に今までとこれからだとどちらが長いと思う
全てを決めるのは早過ぎる気がするがなあ


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:37:41.77 ID:pny5c/vi0

92の兄ちゃん
誰にだって合う合わないがあるんだわな
家族だけが特別なんて事はない
家族だって合わない場合がある
輪の中にいるのが家族なら世の中には家族じゃない家族がたくさんあるなあ
なあに心配するな
お前さんが家族じゃなかろうがお前さんはお前さんだ
それは変わらない心配するな


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:36:27.40

なぁ? 死ぬのは怖い?


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:38:53.33 ID:pny5c/vi0

死ぬのは怖くないわな
死ぬより怖い修行をたくさんしてきたからな
死ねないほうがよっぽと怖いなあ
死んだ方がましだと修行中に何度思ったか


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:39:20.01

ありがと
がんばる


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:39:57.92

私はそういったオカルト的なものを信じないで必要無いと言ってるわけじゃない
どちらかと言えばむしろ信じている方
しかしあなたのレスを1から読めば断定はせずとも
そういったオカルト的な能力=人間の可能性だと言っている
違いますか?


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:45:33.09

>>98
この人が可能性といっているのは、オカルト的なものではなく、人間の五感では?嗅覚や味覚、視覚など... 何かを決定する要素として、現代人により五感を研ぎ澄ましてほしいと言いのではないでしょうか?


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:43:58.61 ID:pny5c/vi0

随分と頭でっかちだなあ
お前さんの頭に収まらなければそれでいいじゃないか
このジジイの場合と若いお前さんとで持ってる可能性が同じだとは思わんがなあ
むしろ違うと思う方がよっぽど利口だ
お前さんにはお前さんの型
ジジイにはジジイの型
その型が持つ可能性は一緒じゃないというだけだわな簡単な話だ


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:47:26.69

いやいや、はぐらかさないで頂きたい
あなたは人間の可能性=オカルト的な能力と摩り替えている
違いますか?
イエスかノーではっきり答えて頂きたい


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:48:45.75

いや違うな、簡単に口には出来ないけども、あるんだよ可能性が

なんとなくだけど、俺には理解出来てるかもしれんわからんけども

とにかく、おっさんの言ってることは間違いじゃないと確信している


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:51:38.64

前半はよかった
しかし幽霊やらなんやらが出てきたあたりから胡散臭くなった


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:52:58.15 ID:pny5c/vi0

お前さんは理屈でしか生きられないのかい

人間の可能性をだな全て把握しているのか?ジジイはしてないぞ
ジジイの場合は修行を通して五感の不思議さ素晴らしさを知った
そこからお前さんが言うオカルトの要素にも通じて言っただけだ
広いyesで究極に狭めたnoだ分かるか


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:55:46.70

ではお聞きしますが
あなたは一瞬でもあなたを引っ張ろうとした育ての父母が
偽者だという可能性は考えましたか?


107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:57:09.34 ID:pny5c/vi0

信じたくない気持ちは勿論あるだろうよ俺も人の子だ


108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 01:57:57.44

ではなぜ本物だと?


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 02:01:24.33 ID:pny5c/vi0

それをどっちなのか決める手段はあるのかいよお
自分の感覚だけが頼りだわな
先に言わせてもらうが、そこをお前さんが否定しても何にもならん
お前さんが要するになにが言いたいのかだけ最期に言って終わりにしよう
図面上だけの理屈でしか会話できないタイプとの対峙は疲れるんだわな


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 02:08:39.22 ID:pny5c/vi0

もういつ行くかわからんがな
もう少しやり方を覚えないとな
これも修行だわな

若いのと交流できて楽しかったぞ
ジジイはもう寝るとする


116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 02:13:47.14 ID:pny5c/vi0

お、最期に一つ
何度言っても本質が伝わらないのがいるのお
オカルトという言葉を考えたのも人間
ここからここまでがオカルトと決めたのも人間
言葉は怖いもんだな、自分のイメージに当てはまらない言葉は全て納得がいかないのかね
原点に戻れば分かる
全ては感覚を置き換えて表した、その手段が言葉だ
お前さんは言葉の壁を越えるのが始めの課題だわな
ジジイは今度こそ寝るとする


121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 02:28:45.46

>>116
ありがとう
強く生きるよ
また戻ってきてほしいな


117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/03(火) 02:14:01.85

なんかわからんがおっさんかっけぇな










944 :本当にあった怖い名無し:2021/11/05(金) 20:46:20.73 ID:kHCSeknP0
登場人物
兄、弟、父母、僧①、僧②

祖母が亡くなってお通夜の夜、兄と二人で車で帰宅した。
車庫に車を入れて降りた時に、弟が「なんかさっきから車の後ろをついてきてる」と。
兄は「気のせいか野良犬じゃないか?」と言ったが弟の顔は蒼白として怯えてる。

翌日の葬儀にも弟は「恐いから行けない、外に出られない」と言って家から出なかった。
葬儀を終えて父母と兄が家に帰ると弟はケロッとして居間に居たそうだ。

そして更に一週間後、再度弟は怯えたように、家に入ってくる!と言ってネットで調べた御札を書いて部屋に貼り始めた。
もちろん仕事にも出られず病欠ということにして休んでいたんだけど、御札は日を追うごとに段々増えていき、
父母はおかしくなったんじゃないかと、菩提寺の副住職(僧①)に相談。
僧①はとりあえず、この御札を持っていって玄関の内側に貼るように言って帰したが、どうも不安があって同期の僧②に相談。


僧②「おや珍しい、本気の憑き物だね。恨みが呼んだ四つ足の物みたいだよ」
僧①「御札いっぱい書いてはってるんだって」

僧②「その御札、だめだよ。間違えてて寄り付くから、お前行ってすぐに全部剥がしてお浄めのお勤めして持って帰ってきて。その弟はさんにはお加持して」
となったがなかなか時間が出来ずに2週間経ち…。僧②に連絡があったそうだ。

僧①「この前の話あったじゃない?」

僧②「うん。剥がしてお勤めしてきた?」

僧①「いや、なかなか行けなくてさ。そしたらそこのうちの兄から連絡きたんだよ」

僧②「どうしたの?」

僧①「兄が言うには、その日は弟が随分穏やかで、居間で笑いながら窓の外見て、兄はタバコ吸いながら二人で話ししてたんだって。普通の家族の会話みたいなの。
そしたら、ふと弟の笑い声止まったなって思ったら、サッシの窓ガラス割れるくらいの強さで頭つっこんだんだって」

僧②「え…寒冷地仕様の窓ガラスでしょ?そんな近距離で?」

僧①「うん。窓割れたって。病院運んだけど亡くなったって」

どうにも不安があった兄が後日僧①に相談。
僧②が占いで方角と物があると出たので探すことに。

そこの家には裏手に雑木林があって小さな祠に祀られた何かがあったそうで、そこに呪物(血の塗ってある布に人名=そこの家の人の名前)が落ちてたと。









51 :うむ。:2000/08/14(月) 11:28
寺の住職からの聞いた話。

近隣の村ですが、その村には立派な空家が一つあり、改装の必要なく住めるくらい状態がよいものでした。
近頃は都会の人が田舎暮らしを希望するIターンがはやりで、その村も受け入れに力を入れてました。
当然その家も入居者が入るのですが、三ヶ月と続かず出て行きます。
理由を聞いても答える人はいません。
とうとう借り手も着かない状態になり、土建屋の寮に貸し出すことになりました。
ところが入居した土方たちが「出る」と言うのです。
それは白髪まじりの70歳くらいの老婆で、
ある人は枕もとにカマを持って立っているのを見たり、
ある人は白昼、車の荷台で正座しているのを見たり。
最初は皆自分だけだと思って言いませんでしたが、
ある晩4人で寝ていたところ、カマを持って襲い掛かってきた、と言うのです。
全員が「見た」ということで慌てて寮を飛び出したとか。

土建屋の社長・村の担当者は地元の寺の住職に相談しました。
住職は記録を調べ、その家の最後の住人をつきとめました。
享年73歳のお婆さんです。昭和初期に亡くなっているので知る人はいません。
ただ、亡くなった時に遠縁の人が位牌を持ち去ったということは分かりました。
役場で調べましたが、その遠縁の人がどこにいるかは分かりません。
「土葬だから遺骨は無理だが、位牌が他所に行ったのに残ってるのは、何か未練があるのだろう」
住職は社長・担当者と共にその家へ向かいました。


52 :うむ。:2000/08/14(月) 11:29
家を一部屋づつ調べ、最後に一番奥まった部屋の押入れに、仏壇が納まっているのを見つけました。
ギシィ・・・
その時、誰かが玄関に上がってきたような音がしたのです。
「振り向くな」
住職は言いながら、仏壇を調べはじめます。
ギュゥゥシィ・・・ギュゥゥシィ・・・
やがて足音は板の間を通り、部屋に近づいてきます。
そして、背後の襖が閉まっていく音が聞こえました。
スー・・・
「振り向くな、振り向くな」
住職はそう言って仏壇を調べます。
他の二人は目を閉じました。
畳を踏み、足音が近づいてきます。
ミシ・・・ィミシ・・・ィ
すぐ後ろまで足音が近づいた時、仏壇の奥に何かが落ち込んでいるのを見つけました。
住職が何とかそれを引っ張り出すと、それは位牌でした。
フゥフゥフゥフゥ・・・フゥフッゥフゥ・・・
足音が止み、背後から声を押し殺すような息遣いが漏れてきます。
位牌には、男性の名前と、享年、生没年が刻まれていました。
「若いのに、日露戦争で死んだようだな。位牌は寺で預かろう」
そう住職が言うと、足音はゆっくりと部屋を出て行きました。

住職は推測しました。
どうやら位牌はお婆さんの息子のものだったようです。
お婆さんが亡くなった時、自分の位牌は親戚が持っていってくれたのに、
息子の位牌が何かの理由(落ちて分からなかったのでしょう)で持っていかれなかった。
そのことを不憫に思った婆さんが、死後も息子の位牌を守っていたのだろう。
住職は、親戚が見つかるまで寺で位牌を預かって供養することにしたそうです。
村でも、位牌の引き取り手が見つかるまで、家は誰にも貸さないことにしたそうです。








367 : 参拝者 1/6@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/05/31(日) 07:25:49.21 ID:VqNRbvTV0.net [1/6回]
親戚の僧侶から聞いた話

うちの親父はお坊さん 祖父もお坊さん
祖父の弟も、祖母の兄も、親父の従兄弟も、お坊さん
親父の姉が嫁いだ先もお寺で、祖父の妹が嫁いだ先もお寺
うちには親戚の僧侶が多いのだ

・・・前置きがややこしくなってしまったが、これは父方の祖母の兄と、その息子の話だ

うちの祖母は真言宗のお寺で生まれた
高い山のてっぺんにある高野山系のお寺で、昔はその山すべてがお寺の境内だった
小さい頃に歩いて登ったことがあるが、山道がそのまま参道なのだ
途中に民家もなければ、灯りもない
晴れれば急な山道をゼイゼイと息を上げて進み、曇れば薄暗い木々の間を抜けて
雨が降れば災害の危険性あり、と登頂するだけで功徳がありそうな立地

登りきれば立派な池が現れて、人心地ついたところに巨大な山門が出現する
それはまさに巨大で、2メートル以上の仁王様を両脇に従え、その間をビクビクしながら潜った記憶がある
本堂は地面から大きく離れ、床下から向こうの景色が見える その隙間を涼しい風が通り抜けて「あ、着いたなぁ」と感じるのだ




368 : 参拝者 2/6@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/05/31(日) 07:26:59.35 ID:VqNRbvTV0.net [2/6回]
そんな霊験あらたかな立派なお寺も、受難の時があった このお寺には檀家がなかった
大昔の何とかというお金持ちの領主が、加持祈祷をやらせるためのプライベートテンプルで
パトロンを失ってから明治の廃仏毀釈までは、山から採れる材木やマツタケなんかで細々と生活をしていた
そこにお上からの無慈悲な寺院資産の没収、続いて戦後の農地解放
色んなものが重なって、このお寺に残されたのは陸の孤島と化した山頂の境内のみという有様になった

祖母の兄は来る日も来る日も悩んだそうだ
寺に売るものはない、かといって檀家もいない、毎朝夕のお勤めをしながら、本堂で悩み続けた
大好きなお酒も断ち、電気代を惜しんでロウソクだけでお勤めをしていると、ふっと目に入るものがあった
ロウソクで照らされる本尊の残像だ 瞬きをするたびにチラチラと浮かんでは消える
目を閉じては瞼の裏に大日如来 目を開けては目の前に大日如来
やがてロウソクが埃を巻き込んだのか、ジリジリと音を立てた
「炎か、燃やす木ならいくらもあるな」
貧乏寺を飛び越えて、極貧寺の一念発起だった



369 : 参拝者 3/6@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/05/31(日) 07:28:14.19 ID:VqNRbvTV0.net [3/6回]
今では駐車場になっている境内の広場に、木を組んでやぐらを立てた
周りを注連縄で囲い、一心不乱に護摩を焚いた 野外護摩とか、シバ護摩ってやつだね
曇ったり霧がかかった薄暗い中、それを行うとどうだろう
ふもとからは山火事か、すわお寺が火事かと見まごうほど、赤々と映えるのだ
野次馬か、心配になった村人か、世が世なら消防車も出動したかもしれない
ぞろぞろと境内に人が溢れ、ちょっとしたお祭り騒ぎになったそうだ

住職による雨乞いならぬ、客乞いの護摩焚きは人づてに広まり
今ではちょっとした観光名所となっている
やがて信者の数も増え始め、境内に「見晴らしのいい場所に自分の墓を」と墓所を探しに来る人も
「神さんの山が起こしてくれた奇跡だ」と赤ら顔で語る、お婆ちゃんのお兄さん
酒を飲まないと仏頂面で、口ベタな親戚のおいさんだった



370 : 参拝者 4/6@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/05/31(日) 07:29:15.88 ID:VqNRbvTV0.net [4/6回]
そんなおいさんの息子である、私の父の従兄弟は跡取りになった
立地が立地なだけに、ちょっとした観光地になったところで、リッチにはなれやしない
家族が食べていくだけで精一杯のお寺の住職がとれる手段といえば、ひとつしかなかった
兼業をするということだ
お寺を掛け持ちして兼業住職をするひと、僧俗問わずに別の職業を選ぶひと
そして王道なのが、他のお寺にお呼ばれするお手伝いだ
昔から僧侶として食べていくに困らない三原則として、3つの要素がある
ざっくり言えば「字が上手、声が良い、話が面白い」の3点だ
代筆や書道で名を馳せるもよし、声明や諷誦、法式のエキスパートとなるもよし
教えを広め、時には笑いや涙を誘う、説教師となることだ
父の従兄弟は親に似ず、話が好きで愛嬌のある「お説教師さん」の道を選んだ
これが中々に聞かせる話が多く(どうして上から目線なのだろう)
本人曰く「フラでもってる」と謙遜するものの、とにかく面白いのだ
大抵は自分の苦労話から始まり、それを嫌味たらしくなる前に自虐的な笑いにしてしまう
みなさんも似たようなことがないですか、と共感を誘い、仏教ではこう考えるんですよ、と
小難しくなく、分かりやすく教えてくれる 子供にも老人にも通用する説教だった



371 : 参拝者 5/6@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/05/31(日) 07:31:46.64 ID:VqNRbvTV0.net [5/6回]
やれやれ、やっと本題に入れそうです
護摩焚きで雨乞いならぬ客乞いを成し遂げた先代の住職は、御歳八十八で大往生をされた
身体の調子を崩し、寝たきりに近くなったため入院したが、入院中のベッドの中でワンカップを隠れて飲むようなおっちゃんだ
そんな準アル中患者の息子もまた、産まれついてのアル中予備軍であって
前後不覚になるまで飲んだあと、肌寒さで目を覚ますと本堂のド真ん中にいた、なんてことが度々あったそうだ
「いけねえいけねえ、朝の勤行をすっぽかすところだった」
…色々と突っ込みどころが多いが、まずは話を聞いて欲しい
「二日酔いには護摩焚くのが一番。アルコールが汗で全部飛んじまう」
そう言っては本堂内に設えてある護摩炉に火を入れて、お勤めをするのだそうだ
どうせ終われば「いい汗をかいた」とばかりにビールを飲むんだろう、と高をくくって聞いていたが、どうやら話の方向が変わってきた
「早朝に護摩を焚く時だけ、変な人が来るんだなぁ」
「参拝客ですか、信者さんとか」
「いやいや、信者なら全員顔見知りだ。観光客にしても朝5時前から護摩焚きの時を狙って参るもんかね」
聞いてみると、朝の勤行に護摩を焚くのは大抵まだ明るくなる前で、月に2回程度の不定期なのだそうだ
季節に応じて朝勤の時間は変わるが、暗い内に護摩を焚き、朝日が出きる前には通常の作定に戻る
「その人がな、いつもじーっとこっちを見てるのよ」
背中がぞくりとした



372 : 参拝者 6/6@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/05/31(日) 07:33:49.64 ID:VqNRbvTV0.net [6/6回]
堂内に朝日が差し込む前、灯りは内陣で赤々と燃える炉の火だけ
外陣の隅にまでは灯りは届かず、凝視しても瞼の残像がその姿をハッキリと捉えることはない
決まってその参拝客は外陣の一番隅、古ぼけた長椅子の真横にちょこんと正座をしているのだそうだ
スカートとも、衣の裾ともとれる、ひらひらとしたものを広げて、顔だけはしっかりと住職の所作を見据えている
上に行くにしたがい黒ずんで、手は膝の上なのか合掌されているのかも判別できない
時折ふらふらと揺れるようでいて、見つめている自分が揺れているのかもしれない錯覚に陥る
もしかしたら足元に広がるのは布の類ではなく、そのモノが持つ妖気だとか気配だとか
あるいは闇そのものがチロチロと炎のように広がっているだけなのかもしれない
「亡くなる前に親父に聞いてもな、そんなの知らんって言うんだな」
「お勤めを中座して近づいたり、声をかけたりとかは」
「火が点いてる間は仏さんとの逢瀬、そんな無粋な真似はできんわな」
なんだか盛り上がりそうな気配が出てきたので、やや前のめりになって色々と聞いてみたが
返ってくるのは「変わりもんだろ」「俺のファンだ」「酒がもうねえぞ」の言葉だけだった

年が明けると、このおいさんの七回忌 もう少し色々聞いてみたかったなぁ








212:ヘタレ弟:2006/05/31(水) 00:51:50 ID:W2bh0S300

おれの体験をきいておくれ。下手な文章で悪いけど。

1/2

俺の家の二階は、部屋が三つある。そのうち二つが俺と姉の部屋で、
あと一つが今これを書いているパソコンやテレビがある父の書斎。
間取り的には、俺の部屋が姉の部屋の向かいにあって、姉の部屋と書斎が隣り合う形になっている。

んで、一年ほど前から、書斎でテレビ見たり、パソコンでネットしてるときとかに、
隣の姉の部屋から誰かがブツブツ言っている声が聞こえる。
最初に聞いたときは、おおかた、姉が電話でもしているんだろうと思っていた。
で、何日かして、またいつものように声がしはじめた。
俺は また姉ちゃん電話でしゃべってんのか・・・ウルサイなぁ・・・ と思ったが、
ほうっておいた。そして、一時間くらい経った後、俺はトイレに行くために
一階へ降りていった。用を足した後、ふと居間の方を見てみると、姉がテレビを見ている。
俺が あれ?姉ちゃん今、上(二階)にいんかった? ってきいたら、
はぁ?あたし今帰ってきたとこやん て言われた。

じゃあ一時間前から聞こえてたあの声は・・・?って思ったら、背筋が寒くなった。
あとでよくよく考えてみると、
あの声が聞こえてるときに姉が部屋にいたときは一度もなかった。

姉にこの事を言おうかと思ったが、姉はめちゃくちゃ怖がりなので、
結局、言いだせないまま、ホームステイをしに海外へ行ってしまった。

214:ヘタレ弟:2006/05/31(水) 00:59:47 ID:W2bh0S300
2/3

その後、今でもブツブツ喋っている声はきこえる。
この前一度、勇気を振り絞って何を言っているのか聞くために、
書斎と姉の部屋を隔てている壁に耳をそっとあててみると、
・・・ブツブツ・・・ブツブツ・・bpvdhれwがあ゛ア゛ーーーー!!!!!
て いきなりなんか叫び声に変わって、壁をドゴン!ドゴン!!
と殴ってるようなおとが聞こえてきた。
俺はもうマジで腰抜かしてガクガク震えながらその場にヘタレこんでしまって、
頭ン中は恐怖で真っ白だった。

音を聞きつけた親父が来てくれて、助けおこしてもらい、急いで一階にひなんした。 
数分後、何も聞こえなくなったので、こわごわ姉の部屋をのぞいてみた。
特に変わったところはないし、壁を殴ったあとも無い。
そこで、ふと上を見ると、天井に文字らしきものがかいてある。
そこには、
              タ  ロ   
              /  じ

とあった。 なんじゃこりゃ?と思ったが、気持ち悪いことには変わりないので、
すぐ部屋を後にし、近所のお坊さんを呼んで、事情をせつめいした。

215:ヘタレ弟:2006/05/31(水) 01:00:37 ID:W2bh0S300
3/3
お払いに来たお坊さんに、 これなんて書いてあるんですか?と聞いたら、
お坊さんは あぁ、これはな、 怨 て書いてあるんや と教えてくれた。
たしかにつなげたら 怨 という字に見える。

俺があわてて ちょっ 大丈夫なんですか? てお坊さんに聞いたら、
だいじょうぶだいじょうぶ ちゃんとお払いしたし、
Yちゃん(姉の名前)の部屋に出たひとは、もともとこの土地に
執着してたひとで、たまたまYちゃんの部屋に居座っちゃっただけ。
君の家にももうでないし、Yちゃんにも影響はないから安心していいで
といってくれた。 坊さん曰く、我が家は悪いものがたまりやすいらしい。

その後、もうブツブツ言う声は聞こえないし、オーストラリアにいる姉にも
なんの影響もないようだ。天井の文字もいつの間にかきえてた。

でも、一つ気になってることがある。それは、夜中にずっと階段を上り下りする
気配がすることだ。不安だが、 ホントにやばいことになったら
またあのお坊さんをよんでみることにしよう。

長文付き合ってくれてありがとうございました。







340 : でつ <実話だよ! 1/4 [sage] 投稿日:03/05/04 11:44
母の知り合いに、キチ○イ・・・と言うほどでもないですが、人格破綻者というか、
 頭のねじが一本外れたような人がいるんですよ。
それゆえにどうも人には見えないものが見えるらしく、霊はもちろん、美術品の真贋なんかもわかるようでした。
その人が初めて家にきたとき、俺を見て開口一番、
 「手を見せてみろ。」
 一通り手相を見てから言いました。
 「あんた、2、3年のうちに死ぬよ。死なんくても命が危うい状態になる。」


341 : でつ <実話だよ! 2/4 [sage] 投稿日:03/05/04 11:45 
何で初対面のあんたにいきなり死の宣告受けにゃならんのかとムカツキましたが、 
どういう人かは聞いていたので、じゃあどうすればいいか尋ねました。 
 「(有名な霊場)の(すごい高僧)に会いにいけ。」 
 霊場のほうは知ってましたが、高僧は知るわけも無く、調べてみたら 
数多くの荒行をこなし、大きな儀式も執り行う偉い方でした。 
そんな凄い人なら一目見るのも悪くないな・・・ 
 こうして俺は命を賭けた旅に出るのです。 


342 : でつ <実話だよ! 3/4 [sage] 投稿日:03/05/04 11:46 
(道中省略) 
 色々あって二日目にそのお坊さんに会う事が出来ました。 
これまでのいきさつを話し、どうしましょうかと尋ねたら、 
 手相を見ながら言いました。 
 「悪いけど、私にはどうする事も出来ないね。」 
 話を聞くと、外部的な要因(霊障やら因縁)だったらそれを祓うことで済むのですが、 
 人の運命を他人が変えるのは難しいと言うのです。 
え?俺ホントに2、3年で死ぬの!? 


343 : でつ <実話だよ! 4/4 [sage] 投稿日:03/05/04 11:47 
「神様におすがりするしかないね。」 
 家に神棚を作って毎日祈れと言われました。うわ、絶望的にめんどくせぇ。 
そういった手配をしようかと聞かれましたが、丁寧にお断りしました。 
 信仰の無い祈りは無意味だし、神様に失礼だと思ったので。 
お坊さんはこうも言いました。 
 「運命を変えられるのは、自分自身だからねぇ・・・」 

 「道は自分で切り開く」、これが最も信じられる事。俺は運命と戦います。 
 駄文、失礼しました。 








631 本当にあった怖い名無し sage 2007/07/20(金) 23:28:36 ID:2tr7z6faO
A坊主の話投下します。恐くないけど不思議な話。
その日は子供会の肝試しがAの寺であって、青年団の俺とAは手伝いに参加。
俺は明美さん(優太君の母親で旦那を交通事故で亡くしている)とオバケ役。
明美さんは白装束で口から血を垂らすメイクをしていて、本人ノリノリで少し着物をはだけさせ、この方が雰囲気出るとか言ってる。
20代後半だが美人なのでその姿が非常にエロく感じて俺もAも鼻の下伸びまくりw

明美さんと蚊取り線香と懐中電灯を持って配置につく。
Aが子供達に恐い話をしていよいよ肝試しスタート。
遠くでノリノリの明美さんが驚かす度に泣き叫ぶ子供達の声が聞こえるw
んで、最後の組が終わり明美さんが俺の居る場所に来た。
明美さん「優太泣いてなかった?w」
そういえば優太君来てない事に気付き青くなる俺。
俺「来てない!」
明美さん「え、だって私の所は通ったよ?」
慌てて逆戻りしたが居ない。ダッシュでコースを全て探す。やっぱり居ない。
半泣きの明美さん。

だが寺に戻るとAが優太君抱きかかえてたのでホッと一安心。
明美さんが泣きながら優太君に話を聞く。
優太「ママの所をすぎたら、パパがいてお話してたの。」
A曰く「本堂の裏で話し声がしたので行ってみたら優太が寝てた」らしい。
明美さん「優太、パパ何か言ってた?」
優太「うん、ママの事頼むよって言ってた」
この言葉で明美さん号泣。
A「お盆だしね、優太がいい子にしてるかなって会いに来たのかもね」
優太「違うよ、パパこれからふくしゅうにいくって言ってたよ」
・・・その場が凍り付く。

半月後に聞いた話では交通事故の加害者の会社が滞ってた慰謝料を全額振込んできたそうだ。

心から御冥福を祈ります。










149 本当にあった怖い名無し sage 2007/07/14(土) 13:30:26 ID:4OZi6+4vO
昨年の夏、バイクでツーリングに行った。
三人で飛騨高山の山道をのんびり流して、休憩所の小屋みたいなのがあったのでそこで休んだ。
誰も居なかったのでAがベンチに横になり少し寝かせろと。
俺とBは景色を見に遊歩道に進み、滝がある所に出たのでそこに30分位いた。
黒い雲が出てきたので降るかも知れない、すぐ出発しようと小屋に戻る。
Aが爆睡してたので揺さ振って起こそうとするも起きない。
とうとう雷雨になってしまいそこで雨宿りする事に。
Bと談笑してると傘をさした夫婦が入ってきた。
Bが「こんにちは、災難ですね」と話かけると旦那が「ええ、ほんとに」と。
俺とBが話をしている間その夫婦はずっと黙ったまま、寝てるAのほうを見てた。気味が悪いのでそれ以上見ないようにしてた。
大きい雷がどこかに落ちて俺とBがビクッとした。
突然Aがむくっと起き上がってこう言った。
A「今の顔見たか?」
何言ってるかわからず見回すと夫婦が居ない。
Bが慌てて外に出ると俺たちの三台のバイクしかない。凄い山奥なのに・・・。
A「もう大丈夫、感じない。寝てたら、ヤバそうなの2匹入って来る気配がして起きた。ずっと見られてたから寝たふりしてた。」
B「おれ話かけちゃったよ」
A「災難ですね、だろ。奴はええ、ほんとに、と答えたよな。あれお前の事を言ってたんだよ・・・」
Bはかなりビビッてたが
A「大丈夫、俺いつもこんな体験するから寝た振りしながら俺たちに憑かないよう念送ってたw」

Aの職業が坊主でほんとよかった・・・。







47 :坊主カット:2008/02/12(火) 13:39:14 ID:MvJc4QEh0

山寺での修行中、僧侶たちの多くは変な体験をしたり・見たりするらしい。
その体験談もかなり薄気味悪いが、今日は別な話を書くとしよう。

 

わたしが子供の頃、近くの寺にひとりのお坊さんが住んでいた。子供好きで話し上手。
檀家の誰もがこの坊さんのことを尊敬していた。
人相は悪いが、そこにいるだけで「ありがたい」と思えるような坊さんだった。

 

ある年の夏休みのことだ。
近所の友だちと寺の境内で遊んでいると、その坊さんがスイカを御馳走してくれた。
坊さんと、わたしと、友だち3人で縁側に座り、蝉の声を聞きながら他愛もない話しをしていた時、
友だちのkが「幽霊って本当にいるの?」なんて質問をした。
いるさ。
坊さんはあっさりそう答えた。

 

 

52 :坊主カット2:2008/02/12(火) 18:03:10 ID:MvJc4QEh0

そんなものいるハズないと声を張り上げるKとわたしに、坊さんは今夜泊まりに来るよう誘った。

 

両親に寺に泊まる許可をもらったわたしとKは、わくわくしながら夕飯を食べ、暗くなってから寺を訪ねた。
すると坊さんは麦茶を一杯飲ませてくれた後、わたしたちを本堂へ連れて行った。
これから夜の御勤め(読経)をするから、そこに正座して静かにしてなさい。
わたしたちは坊さんの後ろに並んで座り、嫌々ながら読経につき合わされるハメになった。
子供にとってそれは恐ろしく退屈で、足の痺れる苦痛な時間だった。だが悪ふざけをする訳にはいかない。
この坊さん、子供好きで優しいが、悪いことをすると容赦なく叱るのだ。
それを身にしみて知っていた私達は、黙ってお経が終わるのを待つしかなかった。

 

 

53 :坊主カット3:2008/02/12(火) 18:06:07 ID:MvJc4QEh0

読経が始まってしばらく経った時だ。本堂の入り口、つまりわたしとKのすぐ後ろで物音がした。
何の音だろうと耳をすましていると、どうも人の足音のように聞こえる。
しかも靴の中にたっぷり水を入れたまま歩いているような、グチョッ、グチョッ・・という足音だ。
それから、誰かにジッと見られているような嫌な感覚。
思わず背筋がゾッとしてKの方を見ると、彼も同じものを感じたようにわたしを見ていた。
和尚さん・・・助けを求めるようにわたしたちは小声で坊さんを呼んだ。
が、坊さんは左手をちょっと揚げてわたしたちを制した。
そのまま大人しくしていろ・・・そう合図しているようだった。

 

読経の間中、その不気味な足音と視線は続いた。
これからどうなってしまうんだろう。わたしたちは訳もなく不安になり、半ベソ状態だった。

 

やがてお経が終わると、正体不明な音も視線も、綺麗に消えた。
私達は緊張の糸が切れた勢いで坊さんにしがみついた。

 

 

54 :坊主カット4:2008/02/12(火) 18:06:54 ID:MvJc4QEh0

夜、御勤めの読経をしていると、成仏できない仏様がたまにやって来るらしい。
今夜来たのは、おそらく3年前に近くの川で身投げした身元不明の女の人。
毎年、同じ月日の同じ時間にやって来るのだという。

 

幽霊がいるかいないかは分からない。信じる人も信じない人もいる。
だが、こういう奇妙な体験をしてしまうと、坊さんを続けなくちゃいけないと思うね。

 

坊さんは静かにそう言った。



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