【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 憑依




230 :本当にあった怖い名無し:2011/02/05(土) 16:48:19 ID:nzmPLBlgO
これは俺の実家の話なんだけど…
※長文なうえに怖くなかったらすいません。

俺は約10年近く前、家族で東京から今の実家(二階建て一軒家)に引っ越した。
一応関東なんだがめちゃくちゃ田舎で、学校まで徒歩1時間かかるので俺と弟はうんざりしていた。
母親も田舎で何もやることがなく、暇を持て余したためか、住んで1年も経つとパートに出るようになった。

その頃から家で妙な音を聞くようになった。

最初はただの家鳴り?だと思うんだけど、それでも小学生の俺ら兄弟にはめちゃくちゃ怖かった。

でもある時突然音の感じが変わった。
なんていうのかな、今までは「ミシ…」とか「ピシ…」みたいな完全に家鳴り系の音だったんだけど、その日は人が歩いてるような「ダンダンダン」みたいな音が2階から聞こえた。(かなり古い家だから人が2階にいると足音とかかなり聞こえる)
弟と俺は「泥棒か!?」とめちゃくちゃビビって、蠅たたきとかバットとか持って2人で2階に向かった。
とにかく怖かった俺は「コラー!出てこい!」とか喚きながら勢いよく障子を開けたが誰もいない。
隣の部屋も誰もおらず、押入やクローゼットも確認したがいつもと変わった様子はなかった。

しかも窓の鍵もちゃんと閉まっていて、階段以外2階へ続く道はないため、完全なる密室状態だった。

弟は泣きそうな顔をしており、俺も多分そうだったと思う。
とりあえず「聞き間違えだ」ということにして俺らは1階に降りることにした。
すると再び2階で人が歩く音がしたため、俺らは思わず2人で抱き合ってしまった。

しかしこの音も5年ほど経つと慣れてきて、ほとんど気にしなくなってきた。
で、母親や弟(父親は家にいる時間が少ないのであまり聞いたことがないらしい)に色々聞いてみたら、法則というか特徴があることに気が付いた。

・足音は子供と大人(多分男性)の2種類ある(子供は音が軽くてタンタンタンッて感じ、大人は父親と同じ足音でダンダンダンッて感じ)
・時間帯は午前10時~午後6時くらいで真夜中と朝は聞こえない
・2階から階段の一番下までにしか来ない(1階には足を踏み入れない)

こんな感じだった。
また2階にいるときは足音は聞こえないし、ましてや1階から2階に上がって来ることもないので2階に部屋がある俺は少し安心していた。


しかし、俺が高校2年生のときめっちゃ怖いことがあった。

俺はいつも午後12時くらいには寝ていた。

その日も大体そのくらいに寝ていて、両親は俺の隣の部屋で午後10時には寝ていた。
ちなみに弟は1階の一番奥の部屋で寝ている。


すると俺はふと目を覚ました。
携帯を確認すると午前2時ちょい過ぎでメールは来ていない。
再び眠りにつくため布団をかぶり直し、目を瞑ると、俺はあることに気が付いた。


「誰かが階段を上がってきている」


最初は弟かなと思ったが、弟にしてはヤケに重たい「ダンダンダンッ」という音だ。
身長155cmでガリガリの弟の足音ではない。
父親かとも思ったが、隣の部屋からは豪快な父親のいびきが聞こえる。
母親は弟より小柄だし、この足音は一体誰だ?

嫌な汗が一気に噴き出てきた。
もうすぐ俺の部屋に足音が辿り着く。
ヤバい、これはヤバい。
しかしそう思った頃には金縛り?に近い状態になっていて指すら動かせず、足音も俺の部屋まできていた。
そして、その足音は俺の部屋の前で止まった。

声も出せなかった。
障子には父親より少し身長の高い影がうっすらと浮かび上がっていたのだ。

「障子を開けられたら終わりだ」

と思った。
俺は怖さのあまり歴史上の人物に助けてくれ!とか心の中で祈ったりしてた。

するといきなり涙がめっちゃ出てきた。
別に悲しいわけじゃないけど、涙だけがボロボロ出てきた。
しかし、体が動かず、涙も拭けず、「俺怖すぎておかしくなったのかなー」って思った。

でもなんか別の人の感情っていうか、「辛いなー、悲しいなー」みたいな感情が心に渦巻いていた。
何が辛くて何が悲しいかはわかんないけど、とりあえずめっちゃ泣いた。
目が腫れるほど泣いた。
多分1時間くらい?だったと思う。

そしたら体がすーっと楽になって、俺は急激に眠くなって寝てしまった。


その後、俺は怖くて2階に一人で行けなくなり、父親や母親と2階に行くようになった。

でも1ヶ月経ったある日、子供の足音が階段を下りる音を聞こえ、恐怖がすーっと消えてしまった。
また大人の足音もあまり聞かなくなり、
それ以降俺は家で怖い体験はしていない。
母親と弟はしたようだが…


ちなみにこれは関係ないかもしれないが、家の階段を数えてみたら、13段だった。


読みにくい&長文すいません








251 :本当にあった怖い名無し:2008/02/08(金) 23:04:32 ID:WAokQlZs0

小学1年の時の話。

 

母親が学校の吹奏楽の顧問をやっていた。
部活のお遊びの合宿に、俺も連れられて行った。ログハウスが並ぶ山の中だった。
はっきり言ってぼろい。コウモリが群で飛んでて嫌な感じだったよ。
ここからは母親の証言であって、俺は確信を持てない。

 

 

251 :本当にあった怖い名無し:2008/02/08(金) 23:04:32 ID:WAokQlZs0

夜中に生徒の保護者が、「○○(俺)君の様子がおかしい」と言って親を呼んだ。
俺が寝てるロッジに来る途中に皆、森中から視線と気持ち悪さを感じてたらしい。

 

それで俺の所に来た時、俺はブツブツと意味不明な言葉を口にしてたらしい。
見かねた親が話しかけると、俺は「邪魔をするな!」と叫んだとか。
その瞬間にロッジ内の人達は、さっきから感じていた視線や気配が数を増して、建物を包んでいる、中にも数えきれない程入り込んでいる、とわかったらしい。

 


 

251 :本当にあった怖い名無し:2008/02/08(金) 23:04:32 ID:WAokQlZs0

保護者らが声も出せずにいると、
俺は「こうなると思った」とか言った後に、「お前らさっさと行っちまえ!」と叫んだとか。
すると、無数の気配が消えたらしい。
俺はただ寝てたとしか記憶してないから、真偽不明。

 

次の日から、何故か俺は無音に耐えられなくなっていた。常にウォークマンを使っている。寝ている時さえも。
この出来事と、無音恐怖症との関連はわからん。








893 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:04/05/28 19:18 ID:qT9aG7L8
もう8年ぐらい前です。当時私は、中部地方N市の大学生でした。

ある夏の暑い日の夜、(たしか全国的な猛暑だったと思います)
お隣のK市に住んでいる友人宅に、当時付き合っていた彼女といっしょに遊びにいったんです。

それ自体は何事もなく、午前3時を回ったくらいになって「そろそろ帰ろうかな~」と思い、クルマを走らせました。
私は大学の近くに一人暮らしでして、
その大学というのは、市内でも有名な3大霊園のすぐ裏手でした。(わかっちゃうかな?)

車中での何気ない会話の中で彼女が、
彼女「私、霊感あるほうよ」
私「へ~。初めて聞いた。ウチへの近道は霊園突っ切るんだけどどう?」
彼女「それは知ってる。でも、止めようよ」
そういう彼女の制止も聞かず、街道を左折して霊園へと入りました。
(私は霊感なんてまるでナシ。これだけで10分くらい違う。すでに午前3時半くらいなので、ヤルことヤルためには早く帰らないとw)

街道を左折して少し経ち、タバコを吸っていた彼女が、無言で窓を閉めました。
私「タバコ吸うなら窓は開けてくれよー」
彼女「・・・タバコ消す」
・・・
・・・
(無言。何か怒らせたみたい・・・霊園通ったのマズかったかな?)
・・・
・・・
彼女「ちょっと左腕が重いの。なにか引っ張られてる感じ・・・」
えっ?
彼女「大丈夫。ココ来るとだいたいなにかあったから。とりあえず急いで。あと、ぜったい後ろ見ちゃダメ」
後ろ見ちゃだめって言われても、バックミラーは見ないといけませんが・・・。
とりあえずチラッとみたけど、私は当然何も感じません。

それから約10分くらいで霊園内を通過したのですが、
その間彼女は「寒い、寒い」といっており(当時は記録的な猛暑)、家に着いてからも厳しい表情のままでした。

894 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 19:20 ID:qT9aG7L8
彼女「左腕と、体の左半分がなんか寒い」
何度も言いますが、記録的な猛暑です。そして私は暑いのですが、エアコンはつけていません。
オイオイ、ヤバくない?
心の中でそう思いましたが、なにぶん私には何もないので、
とにかく早く収まって欲しいと、一生懸命彼女の左腕をさすっていました。
私も心臓バクバクです。完全にビビッてました。
とりあえず平静を装うためにテレビをつけました。
画面ではB級の日本映画をやっています。

どれくらい時間がすぎたでしょう。
ふいに彼女が、「あ、やっと行ってくれた!楽になったよー、ありがとう」と言いました。
その瞬間です!わたしの体の左半分が急に重くなったのは!
私「・・・なんか、オレの体が今度はおかしいんだけど・・・」
彼女「え?」
寒いんです、なんとなく。しかも左腕に鳥肌が立っています!全身がなんかこう、ゾクゾクする感覚。
たとえて言うならば、ものすごくいい曲を聴いたときに起こるあのゾクゾク感、アレに近いんですが、
気色悪いと言った感覚です。
彼女「そっちにいっちゃったかも。あーもう!」
コレが憑依されるってこと?憑かれるってこと?ビックリです!
記録的な猛暑にエアコンをつけていない、なのになぜか寒いという感覚!そして体は汗ビッショリです。

895 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 19:21 ID:qT9aG7L8
私「どうしよう・・・?(怖!」
彼女「夜が明ければたぶん大丈夫・・・。今までも何度かあったけど」
私「そ、そう・・?」
今度は彼女が、私の体をさすってくれます。
私はというと、左耳~左即頭部から左太ももあたりまでが、何かに覆われているような感覚。
右半身にくらべて、スッキリしない感覚でした。

そしてうっすらと夜が明けるころ、突如として体が軽くなる瞬間があり、急に熱波が襲ってきたかに感じました。
私「あ!いま、なんか抜けた感じがする!左側も軽い!」
彼女「そう?良かった・・・っていうか、たぶん今こっち・・・」
また?そっちにいったの?こんなことってあるんですか?
彼女「うん、でも平気。もうすぐ明るくなるし・・・」
時計を見ると4時半過ぎてました。

そして、また一生懸命に彼女の左腕をさすっていると、
彼女「もういいよ。抜けたと思う。でもまだ注意して!」
私「・・・うん。でも・・・」

896 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 19:23 ID:qT9aG7L8
さっき気づいたんですが、テレビの音が鳴ってません・・・。
リモコンはテーブルの上だし、二人とも触れないんですが・・・。
しかし、テレビの件は彼女は気づいてたみたいでして、冷静にリモコンを手に取りボリュームを上げました。
彼女「テレビの音、急に鳴らなくなったんだけど、怖がらせるのもなんだし黙ってた」
私「・・・さっき気づいた。チョッとビビッてた」
彼女「もう大丈夫だと思うよ」
フ~(汗。外もだいぶ明るくなってきたし、ホントに大丈夫そう。良かった~。

このあとは何事もなく、とりあえず疲れたんで二人とも寝ました。(ヤルことやらずにw)

そして昼ごろ起きて、
彼女「昨日は疲れたねー。わたしはあーゆーとこ行くとたいてい憑かれます(笑)。でも、あなたは初めてでびっくりしたでしょ?」
私「はい。スミマセン・・・もう、おもしろ半分で行動しません」
彼女「またなんかあったらいけないから、今度来るときいいもの渡しておくね」
私「なに?」
彼女「シルバーリング。魔よけの効果があるのよ。私のをひとつ渡しておくね」
私「おぉ!サンクス!」

とまあ、こーいった会話でその日は彼女帰りました。
でも、これだけでは終わらなかったんです。実は・・・・。

911 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 21:53 ID:qT9aG7L8
彼女は社会人、私は大学生だったので、次に彼女に会うのは週末でした。
2~3日は何事もなかったと思うので、たしか木曜日か金曜日だったと思います。

夜11時ごろ、いつものように就寝。
当時の私の部屋は、フローリング7.5畳1DKで、
玄関を入って2mくらいの廊下に、左に流し台・右にユニットバス、
つきあたりにドアがあって、その先が奥に縦長のカタチの部屋という間取りでした。
部屋の真ん中よりチョッと先にマットレスを敷いて、その真上に電灯です。
「さて、寝るか・・・」
普通にいつものように横になり、電気を消して就寝です。
(ものぐさな私は、電灯から長い紐をだし、すぐ消せるようにしていた)
・・・
・・・
夜中、フッと目が覚めました。何気なく左側を見ると、部屋と廊下の間のドアが開いています。

914 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 21:58 ID:qT9aG7L8
「あれー?必ず閉めて寝るんだけどなー」
エアコンの効きも悪くなるので必ず閉めて寝るドアが、なぜか開いています。
まだ寝ぼけているらしく、モウロウとした頭で考えながら、とりあえずドアを閉める私。(ドアは部屋側に開くタイプ)
そしてドアを閉めようとした瞬間、バン!という音とともに弾き返されました!
???(慌!
何が起こった???わけわからん!と思ったら、あれれ?布団で普通に寝てました。
しかも左を見ると、ドアは閉まっています。
「夢・・・?たしかにモウロウとしてたし・・・?」

ここで冷静に考えるようになり、ちょっと恐怖心も出ていたので、
とりあえず電気をつけようと、垂れ下がっている紐を引っ張る・・・が、なぜか電気がつきません!!!
何度引っ張っても電気がつかない!アレ?コリャヤバいんでは?と思った矢先、
今度はピシーッという音が聞こえたと思ったら体が動きません!!!
コレが金縛り?ヤバいよヤバイよー!
オイオイ、窓閉まってるのにカーテン動いてるしー!!!(ちなみにカーテンはエアコンの真下)
そしてなぜか視界は180度ある?すべて見渡せます。顔はうごかないのに。
その視界の左側(つまり室内ドア側)に、白い影が見えます。しかも向こう側がうっすら透けてます。
瞬間的に(直感的に)女だ!って思いました。
そして、そこで意識が遠のいたので、あとは覚えてないです。

915 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 22:00 ID:qT9aG7L8
そして朝7時に目が覚めました。電気OK、ドアも閉まってる!昨日の夜中はいったいナニ・・・?
とりあえず支度してバイトに行きました。

バイトが終わってすぐに彼女に連絡。
すると彼女は、すぐにシルバーリングを持ってこっちに来るといいます。

彼女到着。そして彼女が言いました。
「やっぱり早めに渡すべきだったねー。
 あの時いわなかったけど、帰るときもずーっと不気味な感触があったの、あの部屋。
 以前は感じなかったのにねー」
おいおい、もっと早く言ってくれ。彼女にしてみれば、住んでる私には言いづらかったんだそう。
何か起これば言ってくると思い、
しかも彼女にしてみればよくある出来事なんで、
浮遊霊ならしばらくすればいなくなる、と思っていたんだそうです。

その後しばらくは、シルバーリングを離さずつけて(入らないので小指にw)いました。
つけているときはなにも起こらないんですが、それでも部屋に何かの気配を感じたりしたものです。
いつのまにかそういったこともなくなり、やがてこのことは忘れていました。(ちなみに、その彼女とも別れてますw)

916 :893 ◆USIWdhRmqk:04/05/28 22:04 ID:qT9aG7L8
オマケ。
そのマンションの近く(徒歩100mくらい)が葬儀屋さんでした。
この事件(?)の後しばらくは、家の中にいてなぜかザワザワしたイヤーな感じがすると、
決まってそこで葬儀or告別式なんぞやってましたね。

あと、夜中に腹が減ってコンビニに行こうと部屋を出て、同じような感覚に襲われることもありました。
そんなときは決まって、シルバーリングをつけ忘れていたのです。

オマケ2。
どうやら、リアルで近くに住んでいる方もいたようですね。
霊園はY霊園、大学はM大学、件のマンションは警察署の近くで、8階建ての茶色いマンション『ラ・○ー○・U田』ですよ~。

以上です。彼女にしてみれば、浮遊霊のイタズラ程度の認識だったらしいです。
しかし私にとっては初めての心霊体験だったので、かなりビビりました。
そんなに怖くなかったカナ。









402 :名無しさん@自治スレにてローカルルール議論中:2009/03/04(水) 16:15:41 ID:rf9zvKm30
数年前家族でドライブに行った山での出来事。

車を降りて、ダンナと子供たちはパーっと走って遊びに行って私一人残された。
そこには岩で作られたほこらがあって、
40前後くらいの男性とその母親らしき人が拝みに来てて、お供え物や簡単なお飾りをしていた。
母親らしきおばさんが御祈祷を唱え始めると、ほどなくして口調が変わった。
後ろで何をするでもなくそれを見ていた私には、何なのか最初はわからなかったが、
どうやらそこの神様がおばさんに乗り移ったらしく・・・。
「おうっ、酒をついでくれんか。うまいっ。よう来たのう。
 いつまでも鼻水たらしとらんとしっかり嫁と子供を大事にせいよ。
 もう一杯酒をくれんか。ええ酒じゃ」
云々とひとしきりしゃべった後、帰って行ったのか元のおばさんの口調に戻り、
二人は淡々とお飾りを片付けながら、
「酒の好きな神さんじゃったな」
などと話し、何事も無かったかのように去って行った。
権現さんを祀ったほこらだった。

あんなの初めて見たから驚いた。
おっさんに対して「鼻水たらして」とインパクト大だった。
あれはおばさんの単なる演技だったのかどうなのか、今もってナゾだ。









308 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 00:54:14 ID:H49Zo3y70
信じてもらえないかもしれないけれど、
十数年前、付き合った男性にある時電話でふと「あなた何者?」って言ったら、
凄い打ちひしがれた様子のあと、『悪魔だよ、へへへへへ』って笑いだした。
その笑い声が人間の声じゃなくて、作っても出せないような声でビビッた。
あの声は声優が作ったとしても出せない声です。


309 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 01:20:37 ID:GeG14/f10
信じる信じないの前に質問させて

その電話はかかってきた電話なの?
それともあなたがかけた電話なの?
そして、その電話は十数年前の付き合っていた時にした電話なの?
それとも、最近の電話?


310 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 01:26:57 ID:H49Zo3y70
どっちからかけたか忘れたが、電話でいつものように話していたんだけど、十数年前の話です。
疎遠になってもう十年以上経つけれど。

で、私がゾーッとしつつ相槌打っていると、
『お前このこと他の人に言う気だろう。(言う気満々)
 言ってもお前が頭おかしいと思われるだけだぞ」
と、合間にへへへへと人間の声じゃない笑い声を入れながら言われました。
声も、その悪魔になってる時は低い低~い声で凄く暗かったです。


315 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 02:20:07 ID:MSprqCyO0
>>308
>>310
チュートの徳井が妹にそんなことして遊んでたw
親が出かけて、妹と二人きりになると、突然ニヤニヤしだして、悪魔に変身して追っかける。
妹は怖くて怖くて逃げるんだけど、親が帰ってくるといつものお兄ちゃんに戻るから、不思議で怖かったってw


316 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 02:31:29 ID:H49Zo3y70
>>315
遊んでるんならいいんだけど、私の時の場合、遊んでるシチュエーションじゃ全然ない時だったので。
デートしてて、時々急に恐い顔になる時があって、「なんだろ?この人」とは思っていたんだけど。

オカ板で3年くらい前に、
「職場の同僚が誰もいない時に変な声で人の不幸話をしてすごい悪どい顔で笑うので不気味、
 他にこんな経験のある人いませんか?」
って書き込みを見たんだけど、
やはりそういう人ってたまにはいるのかしら。
私は一度しか遭遇したことないけれど。


317 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 02:35:43 ID:1+SYxc+Q0
>>316
その元彼が、その後どうしているかはご存知ですか?


318 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 02:40:21 ID:H49Zo3y70
>>317
引越しを機にスッカリ縁を切ってわからないです。
普段は普通の人で、目が暗くて恐かったけどユーモアのセンスもあり、何の違和感もありませんでした。
潰れる恐れの全くない会社の金持ちの息子でした。


319 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 02:46:13 ID:H49Zo3y70
あ、ごめん、何の違和感もない、って悪魔状態以外の時ね。
時々恐い顔になる時ってのは、半悪魔状態(もしくは悪魔になりかかった状態?)と思われるのですが、
そういう時はなんともいえない恐い顔になり、目がキョドキョド踊り気味になります。
狼男に変身する前?みたいな感じに似てるかなぁ。
そういう時は私も恐いんで、「何こわい顔してるの」とわざとおどけるフリしてました。
完全に変身前?におさまってしまい、実際に会ったときに悪魔?状態になることはなかったけれど。

ある時は、私が胃が痛いと心配しながら言うと、
とても嬉しそうな顔でじょじょに悪魔状態になりかかったのであせりました。


321 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 02:53:28 ID:MSprqCyO0
スゲェおもしれぇw
その男とつきあいて~マジw

マジレスすると、それは憑依されてるなぁ。
別れてよかったね


322 :可愛い奥様:2009/10/21(水) 03:00:12 ID:H49Zo3y70
憑依ねー、自分はよくわからなかったけれど、その時に知り合いの霊感ある人もそう言ってました。
別れなさいと強く強く言われてました。

で、その人の親の会社なんだけど、
何とは言えないけれど、皆さんが一度は触ったことのある物を作っているんですよ。
金持ちだし、憑依だとしたら、何故されたんだろう?と思うと不思議です。
境遇的に特別困るようなことはなかったと思うのに。









1 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:24:19.32 ID:uW0Xe1pr0
初めて建てます。
洒落怖で書こうかと考えましたが、約1万4千字あり、スレ民の皆様のご指導もあり、長過ぎると判断しました。




2 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:25:15.68 ID:uW0Xe1pr0
【はじめに言い訳】
これから書くことは、実際に私が体験した出来事です。
創作ではありませんし脚色もありません。
そのため、怖い事象が次々と襲ってくるわけではありません。本来なら「単なる気のせい」と一蹴すべきことあります。

3 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:25:43.40 ID:uW0Xe1pr0
ですから、エンターテイメントとしての面白さはありません。

4 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:26:12.37 ID:uW0Xe1pr0
また、文字数を減らすために簡略化しましたので、説明不足や分かりづらさがあります。

5 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:26:42.09 ID:uW0Xe1pr0
それでもここに書き記そうと思ったのは、この出来事を通して私自身が学んだことを皆さんにおすそ分けしたいからです。

6 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:27:08.23 ID:uW0Xe1pr0
この書き込みが誰かのお役に立ったら幸いです。

7 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:27:33.60 ID:uW0Xe1pr0
なお、文才が無い素人の文章です。読みにくさや分かりづらさについてはご容赦ください。

8 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:29:20.17 ID:uW0Xe1pr0
■新居

私は東北地方で生まれ育った。
結婚して約一年がたち、同じ市内に住む兄夫婦と同居している母を迎え入れるため、 一軒家を借りることにした。兄夫婦と母はそりが合わなかったので、私達が結婚を決める前から妻と私と母とで話していたことである。

それから5年が経ち、思い切って家を建てることにした。
地盤調査や建築工事が始まる前に、我が家が檀家になっている寺に、土地の「地鎮祭」をお願いした。

その寺は檀信徒数が多く、勤めている僧侶も多くいて、繁盛しており、多額の金が総本山に上納されているという噂をよく聞く。だからなのか、総本山でその寺の名を出すとすぐにわかるほど相当「位」が高く、立派な寺だった。

その寺に新築の家の「祈祷」もお願いした。

9 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:32:37.79 ID:uW0Xe1pr0
1つレスがあったらコテを付けて続けます。

大して怖くも面白くもありません。
実際に起きたことをただただ書いていくつもりです。

10 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:33:27.04 ID:Wvn845Mz0
うん

11 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 17:33:59.76 ID:Wvn845Mz0
家建てられて良かったね

13 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:36:19.64 ID:uW0Xe1pr0
いやホントに始めていいんでしょうか?

15 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:38:31.01 ID:uW0Xe1pr0
■覗く

新居に引っ越して早々、やらなければならないことがある。ご近所へのあいさつ回りだ。私の年代では、よく”向こう三軒、両隣”などと聞いていた。
5軒は回らなければならないことになる。

16 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:39:24.39 ID:uW0Xe1pr0
まずは、北側、道路から我が家に向かって左隣のお宅へあいさつに行った。
毎年、狂ったように雪でトラブルを起こす住民の存在や北側斜線を考慮して、その隣地から多めに離して家を建てたので文句はなかろうと思ったが、きちんとお宅の陽当たりにも配慮して建てたことは言っておいたほうが良いだろう。
ただ、恩着せがましくならないよう言葉を選び、それとなく触れる程度にしておかねばなるまい。

呼び鈴を押し、玄関に出てきたご夫婦を見ると、私よりも5~10歳上のようだ。
「よろしくお願いします。」とあいさつし、ほんの数秒会話を交わしただけで済んだ。
なんとなくだが、奥さんの方はしっかり者のようだが、だからこそ少し神経質な感じを受けた。

17 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:40:47.29 ID:uW0Xe1pr0
※直接は本筋と関わらないような状況説明から始まりますので、読み飛ばしていただいて結構です。

18 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:41:20.22 ID:uW0Xe1pr0
呼び鈴を押し、玄関に出てきたご夫婦を見ると、私よりも5~10歳上のようだ。
「よろしくお願いします。」とあいさつし、ほんの数秒会話を交わしただけで済んだ。
なんとなくだが、奥さんの方はしっかり者のようだが、だからこそ少し神経質な感じを受けた。

19 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:41:48.73 ID:uW0Xe1pr0
次は、反対の南側、道路から我が家に向かって右隣のお宅へ行った。

南側は庭や空きスペースにしており、せいぜい駐車スペースでしかないのでトラブルになるようなことは無いだろう。
呼び鈴を押すものの、返答がない。呼び鈴の音自体が聞こえないので、電池が切れているのかもしれないと思いながら、後でまた訪れることにした。

20 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:42:55.46 ID:uW0Xe1pr0
次は6m幅の道路を挟んで向かい側3軒だ。
我が家から見て斜め左向かいには、高齢とまではいかないおばさまが住んでいた。どうやら一人暮らしのようだ。
何か毅然としたものを感じたのは、もともとの性分もあるだろうが、一人暮らしではご自身がしっかりしていないといけない、ということがあるのだろう。気をつけなければいけないかも知れない。

道路を挟んで我が家の向かいはご夫婦でお住まいだった。
特に奥様の物腰が柔らかく、良いおばあさまという感じだ。ご主人は口数が少なく、あまりこちらに関心が無いように感じる。早々に辞去した。

我が家から見て右斜め向かいは、大きな住居と数本の樹木さえ立つ庭がある豪邸だ。ご夫婦ともに優しそうで、安心感を覚えた。

21 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:43:45.74 ID:uW0Xe1pr0
妻と二人で家に戻り、母に感想を伝えると「人間性を見極めてからでないと、下手に近づけない」と警戒していた。

私は母に、不在だった南側の隣家一軒には、明日もう一度行くから、その前に会ったら改めてあいさつに行くと言っておいてくれるように頼んでおいた。

22 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:45:11.56 ID:uW0Xe1pr0
次の日、仕事から帰ってくると、母が怪訝な顔をして「隣がこっちを窺っている」という。
外に出てきていたのかと尋ねると、母の話では、不在であいさつが済んでいない南側の家人が、我が家側を向いているそのお宅の玄関の引き戸を、少し開けて見ているようだ。

あいさつが遅れたのがまずかったかと思い、すぐに私一人であいさつに行った。
呼び鈴を押すが、やはり音が聞こえない。人の気配がするので、ごめんください、と声をかけてみた。
よろよろとご主人らしき細身の高齢男性と、その後ろから奥様らしき人が出てきた。あいさつが遅れたことを詫びつつ、よろしくとあいさつをしたが、「はい」というのみで反応が薄い。
後味の悪さを残しつつ、辞去した。

23 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:45:59.76 ID:uW0Xe1pr0
次の日、仕事から帰ってきて車を駐め、何気なく横を見た。昨日、最後にあいさつした隣の家の玄関がある。
瞬間的に強い違和感を覚え、そしてそれはすぐに恐怖へと変わった。
玄関の引き戸に開いている、郵便物の差入口、ほんの横20cm、縦4cm程度の暗い穴から、眼球が二つ覗いている。
母が言っていたのはこれか。すぐに車を降り、鍵を締め、家に入ると妻が帰るのを待った。

24 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:47:29.72 ID:uW0Xe1pr0
帰宅した妻に、隣人が郵便受けから覗いていたことと、気をつけるようにと伝えた。何をどう気をつければ良いのかはわからないが、刺激しないほうが良いだろう。

妻は、見ることができるなら今すぐにでも見てみたいという雰囲気だったが、 私が制止した。妻は、ならば明日にでも自分もそれを見てみると言う。
 
私は、一人では怖かろうから明日は一緒に車で帰ろう、車を駐めた時にまた覗いてくるかもしれない、と提案した。

25 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:49:14.44 ID:uW0Xe1pr0
次の日、仕事から帰ってきて車を駐めると、果たして郵便受けに眼球はあった。しかも凝視している。私には少なからず恐怖心はあったが、昼間、家に一人でいる母のことも考え、よく観てみた。

こちらが気付いていることに向こうも感づいていても良さそうなものだが、少し濁った白い眼球は、じっとこちらを見ている。
 
私は妻に、車を降りてそのまま家に入るよう促し、その場から去った。
「な。覗いてるだろ」と私が言うと妻は「覗いてると言うより観察してるわね」と憮然とした表情で言う。

妻と母と3人で話し、隣家のご家族の誰かは分からないが、続くようなら、私からご主人にやめてもらうよう話してくることにした。

26 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:50:01.36 ID:uW0Xe1pr0
しかし、眼球による観察は続いた。毎日、毎回、ではない。気付けば覗いている。これでは文句を言いに行ってもケンカになるかもしれないと考え、隣の玄関からこちらが見えないように、目隠しの板塀をDIYで設置することにした。

すぐに次の休日に造り、設置すると、覗かなくなった。というより、覗いているのかどうかがわからなくなった。
気にならなければ良いだろうということになったし、実際、板塀の横から隣家の玄関を見てみても、眼球は現れなくなったように思えた。

それにしても、あの眼球は誰だ。

27 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:51:16.90 ID:uW0Xe1pr0
■シ

私たちにはまだ子どもがいなかった。近くのペットショップに妻と行った際、動物たちの元気な姿を見かけた。せっかく一軒家を購入したのだから、ペットを飼いたくなった。
子どもの頃、飼っていたカナリヤの世話をしていたが、あまり手が掛からなかった記憶がある。

妻と二人で見に行った先のペットショップの籠の中で、元気に飛び回っていて丈夫そうな水色のセキセイインコを選んで買った。
ピーちゃんと名付けたそのセキセイインコは、すぐに懐いてくれて、チョンっチョンっ、と私たちの手や体に乗ってくれた。よく部屋の中でピーちゃんと散歩した。

2週間ほどたった日、籠の中のピーちゃんに声をかけても反応がほとんどないように思った。電話帳で動物病院を探し、病院へ連れて行った。

診察した医師は「内臓が痛んで弱っているようだ。」と言う。なんとか助からないかと懇願するように尋ねると、「可哀そうですが…」と言った。

家に着いてから2時間も経たないうちに、ピーちゃんは私の手の上で横になり、冷たくなっていった。私たちは、何をというわけでもなく「ピーちゃん、ごめんね」と繰り返し謝り、涙を流すしかなかった。

28 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:53:10.21 ID:uW0Xe1pr0
それから3ヶ月経ち、今度は金魚を飼った。2匹の6cmくらいの赤い金魚はすくすくと育ち、数ヶ月で10cm程度まで大きくなり、会話はできなくとも可愛くて仕方なかった。

しかし、ある日、金魚が2匹とも水面に背びれをつけるように佇んでいる。
泳いでいるというよりは、浮いているように見えた。水質や温度管理はしっかりやっていたが、とにかく分からない中で、”薬浴”させてみたりしたが、2日後に1匹が、5日後にもう1匹が*だ。
2匹の愛らしい金魚に、また、謝った。

29 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:54:12.14 ID:uW0Xe1pr0
それからまた、1か月ほど経った日、何気なく庭を見ると、駐めてある私の車の後ろに猫がいた。裏のお宅の広い敷地を拠点として、自由気ままに近所をうろつく野良猫たちのうちの1匹だ。

以前、車のボンネットからフロントガラス、屋根のへりまで爪で傷をつけられていたので、すぐに追い払おうと庭へ出た。

近づいてみると、横になっている猫は*でいた。なんでまたこんなところで。迷惑な。
市役所へ電話して、ゴミに出すしかないだろうかと相談すると、回収しに来てくれるという。助かった。

30 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:57:51.02 ID:uW0Xe1pr0
引っ越してきて、もう1年が過ぎていた。
ある日の晩遅くに、勤務先の誰もいない部屋で私が仕事をしていると、携帯電話が鳴った。妻からだった。甲高い声で妻が叫んだ。

「オカンが倒れた!」

※私は小学生の頃から、母のことを「お母さん」を短縮して「オカン」と呼んでいました。妻もそれにならい、オカンと呼んでいました。

31 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 17:59:54.12 ID:uW0Xe1pr0
妻が、救急車を呼んだというので、私は仕事場の机の上も片付けず、急いで家に向かった。途中、兄にも携帯電話から電話し、とにかくかかりつけの総合病院へ向かってくれと頼んだ。
家の前まで来ると、*かに救急車のサイレンが聞こえる。音をたどるように病院へ向かった。

救急受付に尋ねると、まだ救急車は到着していないとのこと。数分後、救急車のサイレンが近づき、救急入り口ドアの前で止まった。救急車の荷室ドアからストレッチャーに乗せられた母が運ばれてきた。
医療関係の仕事をしていたことがある私には分かった。

(もう、*でいる。)



兄が叫んだ。
「お母さん!頑張れ!」

32 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:00:47.04 ID:uW0Xe1pr0
救急や警察、医師の話によると、死因は入浴中の溺死。急性心不全かも知れないが、分からないということだった。
見せられた母の口の端から頬には血が伝っていた。

家に警察が来て、現場検証を行なった。まだ病院にいる妻に代わり、私から状況を説明した。

たった1年。たった1年しか、新しい家に住まわせてやれなかった。ごめんよ、オカン。いい息子じゃなかったな。また謝った。

33 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:01:41.38 ID:uW0Xe1pr0
訳もなく急に思い出した。


幼い頃飼っていたイ*ーカナリアは、晴れた日、高い所に籠ごと外に出しておいたら、野良猫に喰われて*だのだ。

首だけが、かごの中に残っていたっけ。

34 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:02:36.34 ID:uW0Xe1pr0
■失踪

ある日、隣家で人が出入りする音が聞こえた。いや、ここ何日か、たまに聞こえていた。我が家に向かって右隣・南側の、” 眼球が覗く家”である。

出てみると、工事をしているようだ。職人らしい工事関係者によると、内装工事を大家に頼まれたと言う。

その隣家のもう一軒向こう隣の、長い間ここに住んでいるお宅の奥様と、目が合ったので、あいさつをしてみた。
 
なにやら話したそうにしていたので、お隣さん(覗く家)はどうしたのかと私から尋ねた。

35 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:03:50.17 ID:uW0Xe1pr0
隣人たちは急にいなくなったのだという。たまたま会って話したら大家さんも慌てていたらしい。
行き先もわからないとのこと。

引っ越してきた直後のあいさつ回りで私が会った、あの高齢のご主人は、私たちが引っ越してきてからほどなくして亡くなっていた。

あいさつ回りの時にご主人の後ろにいた奥さんは、私の母が亡くなった後、亡くなっていた。
2人が亡くなった時にそれぞれ香典を持って行ったので覚えている。
何度か見かけた息子一人と妹一人が残っていたはずだ。

話しづらさと話したい気持ちが交錯したような空気を漂わせている奥さんは、言った。



「とにかく”3人”、急にいなくなったのよ。」

36 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:05:45.69 ID:uW0Xe1pr0
■威嚇

ある日、一人で家に居て気づいた。
おとなしくて誰にでも懐く、地域の人気者で我が家の愛犬、ミニチュア・ブルテリアのナツが、思っていたよりも甘えん坊だということだ。私がソファに座っていると、ナツがケージ(檻)の中から私をさかんに呼ぶのだ。どうせそこにいるなら遊んでくれ、とでも言っているようだ。私が家にいることは、ナツにとっては嬉しいことのようだ。

私にとっても、求められることは嬉しくないはずがない。
やれやれ、と私が少し照れを隠しながら、ナツをケージから出してやると、ナツは部屋の中を歩く。トイレを失敗しないか、私は監視しなければならない。しばらくして、側に来た時に私が手の甲を差し出すと、ペロペロ、というよりムシャムシャ舐める。私としては悪くない気分だ。

37 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:06:49.19 ID:uW0Xe1pr0
しかし、おや?と思った。時々、いや頻繁に私の後ろを見るのだ。確認しているかのようだ。
何かあるのか?と私が冗談めかして話しかけると、じっと窓の方を見る。裏の家人が見えるのかと振り返っても、窓から外を覗いても、私には何も見えない。

私はナツに、誰もいないよ、と話しかける。
ナツはじっと見ている。
なんとなく険しい雰囲気が感じられる。抱き上げて落ち着かせようとするが、床に降ろして少しすると、吠え始める。

急に、思いついた。
それを確認しなければならないと思った。ナツをケージに戻してみる。少しすると、いつものように私を呼び始めた。

38 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:08:22.20 ID:uW0Xe1pr0
いや、違う。私を呼んでいるのではない。私の方を見ていない。窓に向かって吠えているのだ。まるで何かに威嚇しているようだ。

吠える合間にチラっと私を見るのは、私に気づかせようとしているのではないか?私を呼んでいるというのは私が勝手に思い込んでいただけで、ナツは家族を守ろうとしていたのではないか?
私には見えない何かが、ナツには視えているのではないか?

 
今度はナツをケージから出してみた。ナツは私が居る方向ではなく、窓の方に少しずつ近づき、窓に向かって、吠えている。
 
間違いない。威嚇している。一所懸命、群れを、我が家を、守ろうとしているのだ。それだけ不穏な輩が窓にいるのだ。
ゾッとしたが、ナツに威嚇させ続けていても良いのか不安になった。ナツに襲い掛かってくることは無いのか?

ナツや我が家を守らなければならないのは――私だ。

39 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:09:12.03 ID:uW0Xe1pr0
一旦、状況を整理した。

ナツが吠え続けるのは今日が初めてではない。少なくとも何日も前からだ。吠えているのは同じ方角、同じ窓に向かってだ。ということは、それはこの建物には入ってきていない。
 
祈祷してもらっているし、仏壇や神棚も、貼ってあるお札もある。現状、それは入ってこられないでいるのかもしれない。
しかし、頻繁にナツが吠えるということは、たびたび我が家を覗いている。それは、何のために覗いているのか?我が家が羨ましいのか?興味があるだけなのか?

それともーー。
ここに入りたいのか?
立ち尽くしながら考えた。

私にできることはあるのか?

40 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:11:25.11 ID:uW0Xe1pr0
■手

夜になって帰宅した妻に、昼間起きたことを話した。
妻は怪訝な顔をして、大丈夫でしょ、と言う。
妻から見れば私が見たモノは、単なる妄想というわけだ。
 
しかし、私は数日間、ナツを観察してきた。私は今、何かが起こっていると感じている。我が家の 誰かに何かがあってから後悔したのでは遅い。
妻に信じてもらえなくとも、自分の状況に応じた判断に従って行動するしかない。

幸い、今のところ、それは建物の中には入ってきていないと思う。一旦、気にしないでおこう。明日、考えよう。

41 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:12:25.81 ID:uW0Xe1pr0
夜もふけて、皆、それぞれ寝室へ入った。とは言っても、妻と子どもは主寝室で寝ている。不眠気味の私は一人で子ども部屋に寝ている。

徐々に来る眠気に任せて眠ろうと、テレビを消した。
おそらくすぐに私は眠ったと思う。

突然、身体に衝撃が走った。何だ!?身体が足もとの方へ引っ張られる!

42 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:13:39.95 ID:uW0Xe1pr0
一瞬にして、いろいろな情報が頭を駆け巡った。
足のふくらはぎと足首の中間を何かに掴まれている!
顔を足もとへ向けると、そこには私の足と、それをしっかりと掴む細く青白い女のような腕が見えた。

グンっ!

手が私をベッドの下へ引き摺り下ろそうとしている。もはや私のひざ裏はベッドからはみ出そうになっている。

(オゥリィャぁぁ!!)

私は思い切って足をベッドの横へ振った。
脚から手が離れた。

(しめたっ)

そのままベッドから降りて隣の部屋へ避難しようと、足をさらに横へ振ったところ、足が床につく前に、ベッドの横の床に這うように伸びる青白い腕が見えた。

(ドゥリャっ!!!)

その白い腕の先、手の部分が届かないように、私は全身のバネと、ベッドについた自分の腕の力を使って、エビ反るようにして飛び越えた。そのまま、振り返らず隣の主寝室に入った。

皆、すやすや眠っている。私は子どもの横のわずかなスペースに潜り込んだ。

なんだったんだ、今のは。

43 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:15:13.64 ID:uW0Xe1pr0
自分の胸の早鐘を打つような強い鼓動を感じる。寝ぼけていたのか?目覚めてすぐ、あんなに激しく動けるのか?

待て。
冷静に、忘れないように整理しておこう。
青白く細い腕が、私をベッドから引き摺り下ろそうとしていた。寝相が良いと妻に褒められる私が、ひざ裏まで摺り落ちそうになっていた。
私の身体は金縛りには、なっていなかった。
しかもベッドから降りようとすると、さらにベッドの下から私をつかまえようとする腕が伸びていた。

待てよ。ベッドの下にそんな空間があるか?ウチのベッドの下の空間はせいぜい5cmくらいだ。人が入れるわけがない。
しかし、すらりと伸びた腕の青白さが目に焼き付いている。
引っ張られて摺り落ちていたらどうなっていたのだろう?
あれは、なぜあんなことをしたのだろう?

あれは誰だ?
 
枕もとを見ると、午前2時5分を指す時計の針が見えた。
覚醒夢であってほしいと願った。

44 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:16:10.09 ID:uW0Xe1pr0
■アンデラ

まんじりともせず夜を明かした。

昨夜(厳密には当日の深夜)のことは妻には言わなかった。言えば、いよいよ危ない奴だと思われるだろう。
私なりに朝まで考えてみたが、思い当たるのは隣人が消えたことくらいだ。

その日、私は、一人で家にいることにした。
皆が家を出て、ナツと私だけになってから、勇気を出して隣家を外から観察してみることにした。

45 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:17:20.61 ID:uW0Xe1pr0
隣家の周辺には人の気配がしない。工事関係者も今日はいないようだ。
怖々、道路から建物を観察してみる。特に何もない。
薄気味悪さを背中に押しやり、玄関側から観察してみる。
玄関の引き戸の上の方にお札が貼ったままだ。普通は、引っ越すときに剥がしていくものだろうが、兄妹はよほど急いで出て行ったのだろう。

何も情報が得られない。これで立ち止まっていてはいけないと、強く感じた。意を決し、一軒先の隣の例の奥さんに、もう一度話を聞いてみることにした。

46 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:18:04.87 ID:uW0Xe1pr0
呼び鈴を押すと、奥さんが出てきてくれた。

「すみません。つかぬことをお伺いしますが、お隣のご兄妹はどちらへ行かれたか、何か手掛かりになるようなことを知りませんか?」と恐る恐る尋ねると、意外にも待ってましたと言わんばかりに、奥さんが喋り始めた。

「どこに行ったかは分からないのよ。でも、ここ数日で3人とも出て行ったのは間違いないみたい。
工事の人が来てたでしょ。だから私、隣の家の中を覗かせてもらったのよ。そしたら、玄関を入ってすぐの廊下、ちょうど階段を降りたあたりにシミがあったの。人の形をした。」

47 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:19:45.32 ID:uW0Xe1pr0
堰を切ったように喋ろうとする声を遮り、私が尋ねる。

「何かあったんですか?それから残っていたのは兄妹の2人ではなかったのですか?」

奥さんの喋りたい熱は止まらない。
「警察沙汰ではないらしいんだけど。残っていたのは3人よ、計算上は。シミはお父さんかお母さんが亡くなった時のものかも知れないわね。


ここのお父さん、昔、お寺に居たそうなのよ。お坊さんをやってたみたい。そこの寺が無くなって、ここに移り住んできたのよ。

ここのお宅の建物の裏に空いているスペースがあるでしょ。そこで卒塔婆を焼いたりしてて、その残骸を埋めてたの。気味が悪かったわ。
 
そのうち、その場所で犬や猫を何頭も飼いだして。 そう、20頭か、それ以上いたと思うわ。犬は吠えるし猫は鳴くし、ウンチやオシッコもあちこちでしてて、それはもう酷かったの。
 
それでご近所さんで町内会の役員に何とかならないか相談したことがあったんだけど、結局、保健所にも連絡した人がいたらしくて、保健所の人が注意したみたいなの。そしたら、何日かして急に犬も猫も一匹残らずいなくなったのよ。なのに、保健所では連れて行ってないし連れてこられてもいないって言うのよ。」

48 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:20:55.03 ID:uW0Xe1pr0
まさか。埋めた?いや、まさか。

「アタシの知り合いに、霊感というかそういうのを感じる人がいて、ウチに来た時こう言ったの。『こんな怖いところにはもう二度と来ない。』って。ここら辺”一帯が怖い”らしいわ。
 
お宅のお母さん、引っ越してきてすぐ亡くなったでしょ。だから、アタシ拝ませてもらった時、心の中で言ったのよ。なんでこんなところに越してきたのよって」

49 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:22:22.60 ID:uW0Xe1pr0
愕然とした。
いわくつきの隣家だったのか。聞いた話をそのまま鵜呑みにするつもりはないが、私たちが住む前、当時、出来事を目の当たりにしていた奥さんの話だ。そのいきさつ、歴史、土地の業や因縁に起因していることだと仮定すれば、私が手に負えることではない。

奥さんと口外しない約束をして、家に戻った。
 
しかし、霊感があるという、奥さんの知人には感じられていたのならーー。その線で専門家を頼るほかない。
 
すぐさま、我が家が檀家になっている寺に電話してみた。その宗派ではかなり位が高いという、地鎮祭と家の祈祷をしてもらった位が高い寺だ。この際、忙しい住職でなくとも良いから視てもらおう。

50 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:23:52.24 ID:uW0Xe1pr0
寺に行くと、30歳前半くらいの若いお坊さんが対応するという。予約の電話をした時に、視える人がいいと、一応希望しておいた。
 
別室でお坊さんがお経を唱えた後、私が持ってきた航空写真や地図を見せながらあらましを伝えると、お坊さんはしばし考え込んでしまった。

「ここら辺“一帯”が危ない場所ですね」

話をしてくれた奥さんの知人と同じ感想だ。私から、その言葉は言っていなかったのに。

「引っ越すしかないと思います。何かある可能性は否定できませんから」

家に戻り、考えた。家を売る?ローンが残っているのにやっていけるだろうか?それはできない。

やはり、住職に視てもらうしかない。もう一度、寺に電話すると、住職と連絡をとってくれて、翌日、視てくれることになった。

51 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:26:12.61 ID:uW0Xe1pr0
「やはり、引っ越すのが一番ですね。何もないとも限らない」

住職の言葉に、私は力なく帰宅した。
整地する前には地鎮祭を、住居を建ててからは祈祷もしてもらい、毎年お札も取り替えてきたのに、効かないような手強い相手ということなのだろうか。
希望を失った。

52 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:28:11.57 ID:uW0Xe1pr0
このまま引き下がるのは、どうにも釈然としない。
私たちは善意の第三者ではないか。憤まんやるかたないといった気持ちになる。

そうするうちに思いついた糸口が一つだけある。
隣家の玄関に貼ってあるお札だ。隣家が元僧侶の家であれば、恐らく出身の、それか縁がある寺のお札である可能性が高い。

早速、ネット上で調べると、幸い、お札に書かれた寺と同名の寺が見つかった。

53 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:29:46.62 ID:uW0Xe1pr0
電話をするとその寺の住職は言った。
「いや、連絡をもらって良かった。実はそこのお父さんとお母さんのお骨はウチで預かってるんだけど、毎年分割でもらうことにしてたお金を持ってこなくなっちゃって。
お札は剥がして持ってきてよ。
それとお父さんは、坊さんだったというわけではないよ。昔、ウチでやっていたアンデラに居ただけだろう。アンデラが無くなって、食えなくなったから坊さんの真似事をしていた、いわば、ヤミ坊主ってとこだな」

電話を切って途方に暮れた。
 
他人の家のお札を剥がして寺に持っていくなんてできない。どうしたものかと思案しつつ、当のお札を見に外へ出てみた。

54 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:31:49.71 ID:uW0Xe1pr0
すると、工事関係者がいた。

「あのぉ。ここの家、人、シんでるでしょ。」

急に向こうから尋ねられて面くらったが、何か証拠があったということか。

今、私が調べていることにも関連すると思い直し、単なる噂を流布するようなことにならないよう注意しながら話した。

ご両親は亡くなっている、子どもたちはわからない。そう伝えると、工事関係者が言う。

「2階の畳、腐っててさ。人の形したシミがあって。ニオイもすごくて。
ワタシ、孤独シの後処理、いわゆる特殊清掃の仕事をやったこともあるんだけど、何か月もシ体を置きっ放しにしてた跡だよ。人の体液が染み込んだ跡だ。間違いない。」

やはり、何かが、あった、起きていた、ということか。
もはや迷っている場合ではない。すぐにアンデラなるものや、ヤミ坊主の系譜につながる寺を調べた。

55 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:35:41.16 ID:uW0Xe1pr0
「アンデラ ー 庵寺
比丘尼の止住する寺。 元来は比丘尼寺とよび,俗に庵寺(あんでら)ともいう。」


「庵(いおり、あん)
世捨て人や僧侶などの閑居する小さな草葺きの家」



ネットで調べているうちに、生臭い話も出てきた。

端的に言えば、僧侶や、僧侶のような者、の住まいなのだが、そこを頼って生活困窮者も住み着いていたこともあったらしい。
 
中には陰で売春を黙認していたところさえあったそうだ。真偽はわからないが、隣家のお父さんのやっていた卒塔婆供養のようなものや「ヤミ坊主」という言葉につながる。

さらに、お札に書かれていた名前の寺の成り立ちにも、「開山した先代は、元々は(私の家の地域名の場所にあった)庵寺の住職だったが、その後、他の寺に身を寄せ、寺を建てようと場所を探して転々とした後、現在の場所に寺を建てた」とある。
確かに、我が家の近くにある無縁仏供養塔の場所には、寺があったと聞いたことがある。

 
庵寺に居た僧侶が他の場所に移り、置いて行かれた者が、見様見真似で僧侶もどきのことをして生活していた。それが隣家のお父さんということか。
庵寺を結んでいた僧侶が開山したという、現在の寺に行かねばならない。
今は、細い糸を手繰っていくしかない。

56 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:37:30.75 ID:uW0Xe1pr0
私は、その細い糸を補強するために、法務局へ走った。
もし*ると、隣家の大家さんなら、隣家の兄妹の行方を知っているかも知れないと思ったからだ。
公図を確認し、土地登記簿を手に入れ、所有者の住所と氏名などを確認しておいた。

もし、隣家の所有者にも関わる話になった時には、この情報を基に連絡して、協力してくれないかと説得を試みなければならない。
 
そのまま話しても信じてはくれないだろうが。

57 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:38:57.00 ID:uW0Xe1pr0
■密教寺

庵寺につながる密教寺は、我が家から車で30分ほどの山にあった。大きな寺ではないが、地域の巡礼寺の中の第15番札所であると書いた大きな木製の看板が玄関に掲げられている。それなりの格がある寺のようだ。

別宗派ではあるが、檀家の私に何の対処法も示さず、引っ越すことを勧めた寺も由緒ある寺であった。
開祖の直接の弟子の庵がもととなっており、今や檀信徒も多く、勤める僧侶も多い。総本山への上納金も全国屈指の多額なようで、宗派の中ではかなり位が高い。
しかし、早々に白旗を揚げた。
寺の位などというものに対する期待は、もはや無い。

58 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:41:02.11 ID:uW0Xe1pr0
密教寺の玄関に入り、奥から出てきた高齢の女性に、電話した者ですと伝えると、丁寧に奥の部屋へ案内された。部屋で待つと、にこやかに僧侶が入ってきた。

 
いやいや、よく来たね、と労いの言葉を聞くが、私はすぐに、これまで起きたことや集めた情報を伝えた。
 
私は、失踪した兄妹の居場所を突き止めるところまではしていなかったが、ご両親の遺骨を預かるお寺からならば、どこそこに相談すればすぐに判明するだろう、というところまで調べておいたことも伝えた。

僧侶は、どうもどうも、よくわかったと謝意を示し、今度は家族で来なさいと私に促した。
 
この寺は、密教の流れを色濃く残す宗派の寺である。もしかしたら、我が家を救う手立てがあるかもしれない。一度、拝んでもらうことを期待し、再び訪れることを約束して寺を去った。

家に帰り、仕事から帰ってきた妻に、近いうちに家族みんなで行ってみようと話した。私の真剣な態度に気圧されたように、妻も同意してくれた。

59 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:43:10.03 ID:uW0Xe1pr0
休日、再び寺を訪れると、僧侶が出迎えてくれた。

凛とした本堂の冷えた空気が子どもたちには物珍しいようで、居並ぶ神仏像を見ながらはしゃいでいる。
奥の部屋に行くと、僧侶はお茶とお菓子を差し出しつつ温かく接してくれた。

それでは、と僧侶が示すまま、皆で再び本堂へ移動した。僧侶がお経を読誦し始めると同時に、皆で手を合わせて目を閉じた。
 
外で吹いている風の音が聞こえる。

60 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:45:15.59 ID:uW0Xe1pr0
僧侶がサンスクリット語の呪文のようなマントラを唱え始めると、外で遠吠えする犬のような声が聞こえた。きっと寺で飼っているのだろう。何かを威嚇しているようだ。私は意識がぼんやりしてきた。そう思ったのもつかの間、私はその場で畳の上に横に倒れてしまった。

僧侶がマントラを唱えながら近づいてきて、私の体を棒のようなもので何度も突いた。
十数分くらい経っただろうか。読誦が止まった。
僧侶は、心配そうな家族に起こされた私に、ヤコが憑いていると言った。

そういえばーー。
私は急に、思いついたまま僧侶に尋ねた。
「この寺では犬を飼っていますか?」

脈絡のないおかしなことを言うな、と思ったであろう僧侶は、犬など飼っていないという。

私は、僧侶の読誦の声とは別に、はっきりと、何度も犬の遠吠えを聞いたことを伝えた。すると、一瞬、みんなが黙り込み、妻が私に話し始めた。

61 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:47:30.26 ID:uW0Xe1pr0
「倒れていたとき、あなた、低い声で、離れない、出て行かない、と呟いていたわ。それに、この寺に“来てから”一度も、犬が吠える声なんか聞いてないわよ」 

僧侶が言う。

「ヤコ、というのは野の狐と書くんだ。一般的には稲荷様だが、簡単に言えば、稲荷様つまり神様に、”成れなかった”動物霊のことを称して野狐と言うのさ。あなたが聞いた声は、野狐の声というわけだ。だからほかの誰にも聞こえなかった。犬の声に聞こえたと言っても犬とは限らない。さっき、あなたには、犬の声に聞こえたというだけだ」

・住職は私に、当分の間、寺に通えと言う。
・私の中に巣食う何かがいるということか。 
 
私は次の日、車を運転していて事故を起こした。住宅地の比較的広い道路を時速30km未満の低速で走っていて、急に車ごと身体が道路脇の物置小屋の方へ引っ張られた感覚は残っている。
 
一人で乗っていたことと、車は大破したにも関わらず、私自身無傷だったことは不幸中の幸いだった。

62 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:50:04.02 ID:uW0Xe1pr0
少し休憩します。

なんか一人で書いていてアホみたいですが、最後まで書き記して終わりたいと思います。

なお、内容的には、これから終盤に入ります。

63 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 18:51:09.00 ID:uW0Xe1pr0
内容が薄くて申し訳ありません。

64 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:05:57.60 ID:uW0Xe1pr0
もしかして誰もいないのでしょうか?

65 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:08:50.09 ID:uW0Xe1pr0
■キトウ寺

自動車の自損事故を起こし、妻にきつく咎められた。もう車は運転するなと言う。
しかし、私は行かねばならない場所がある。密教寺だ。
床に頭をつけて、一日だけ妻の車を貸してくれるよう懇願し、最高の安全運転を約束して何とか承諾を得た。
 
2日後、密教寺へ向かった。道中は細心の注意を払い、運転した。

寺につくと、早速、ことの成り行きを僧侶に話した。僧侶は烈火のごとく顔を紅潮させて私を叱った。私自身が注意しなければどうにもならない、なぜそんなことをしているのかと言う。

 
自動車での自損事故は、車ごと何かに引っ張られるようにして起こしたのであって、自分自身としては不注意でもないし、予想もしていなかったし、避けられなかったと思っていた。
しかし、それを僧侶に言うのはやめた。激しく怒気をはらんだ人間には何を言っても無駄であることは知っている。
 
すみませんでした、と訳の分からない謝罪をして、寺を出た。

66 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:11:32.35 ID:uW0Xe1pr0
密教寺からの帰路中、ずっと考えていた。
明日からは車がない。
密教寺に頻繁に通うのは難しい。
しかし、何かが私を密教寺から遠ざけているような、このままでは相手にいいようにされてしまうような、そんな孤独感や絶望感、危機感があった。
 
私の命なぞ惜しくもないが、私がやられれば、次は家族に害が及ぶ類のものではないかとも感じていた。

追い詰められていく私が、ここからできることは何だろうか。

ふと思い出した。私が幼い頃に見た、地元では「カミサマ」と呼ばれるイタコのような人が、兄にとり憑いた稲荷をとり除いた時のことだ。
兄にとり憑いた稲荷、それは今思えば単なる野狐だろう。
 
それをとり除いたカミサマにすがりたいと思った。カミサマたちは、今では絶滅に等しいのは知っていたが、それでも近くの寺で降霊のようなものを「やっている」と聞いたことがあった。

67 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:12:43.49 ID:uW0Xe1pr0
Web上の情報を集め、噂のようなあやふやな情報も無下にせず、何軒も電話をかけまくった。しかし、今はやっていないとか、分からない、というところばかりだった。
 
諦めかけていた頃、一軒のお寺の反応がほかとは違うと感じた。何が違うかは自分でも判然としないが、事情を話すと、来なさい、と強く勧められた。
すぐに、うさん臭さを感じたのは確かだが、キトウ寺だから、という言葉にかけてみたいと思った。
 
その寺は、自宅から自転車で15分ほどの場所にあった。雪深い冬でも歩いていけなくはない。
 
 
そこは、祈祷を柱とする寺であった。
住職の役割は息子に譲っていたが、院主である高齢の父親が、全国でも稀な千日荒行を成満した上人なのだと言う。しかも、諸先輩方に教えを請い、自ら調べ、勉強し、独自の加持祈祷法を確立しているようだった。

68 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:13:42.87 ID:uW0Xe1pr0
二人の上人が気を悪くしないように、密教寺に行っていたことは伏せながら、簡単に、これまでの経緯を息子である住職と父親の院主に話すと、二人でメモ帳のような手帳をめくり始め、答え合わせをするように、・・・だな?と確認していた。

そして住職が私に言った。
「◎日ならどうですか。」

私が、は?という感じで戸惑っていると、院主が「もっと早くしないとだめだろう?」と言う。
住職が、でも、△日は何々で、×日は何々だから、一番早くて◎日になる、というような会話を院主とした後、私に◎日の◇時に土地と住宅を祈祷するということで良いかと尋ねる。

私は承諾し、それでお願いした。祈祷に使う供物や祈祷料で合計数万円かかるが、妥当な金額でもあり、否応なかった。東京などでは数十万円はとられるだろう。

院主が私に言った。
「うちの寺は祈祷寺だから」

69 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:15:51.72 ID:uW0Xe1pr0
◎日◇時。時間どおりに住職がやってきた。

正直に言えば、千日を超える荒行を成満した阿闍梨の院主に来て欲しかったが、住職も五行(五百日荒行)を成満した修法師である。院主からの相承もあるだろう。

 
住職から、妻と私に四つの石が手渡された。手のひらに載るほどの縦長の丸形をした石で、祈祷らしき文言が書かれている。
 
これ、拝んできた石だから、という住職のノリはいささか軽く感じたが、何か確信めいたものも同時に感じた。
 
敷地の四隅に向かって酒や米を撒き清めるとともに、お経を読誦していった。あとで、東西南北それぞれに、指定の石を、指定の向きで、埋めておくように言われた。

続いて住居内の各部屋でお札を貼り、読誦していった。
 
住職は時々、ここが子ども部屋っていうのは、、、と苦笑していたが、拝んでお札を貼れば大丈夫だとも言った。

お札も石と同様、お寺で祈祷してタマシイを込めたものだそうだ。先ほど貼ったお札、以外のお札や幣束を剥がすよう指示された。
 
また、今後も貼り替えるよう言われた。我が家では毎年、檀家になっていた寺で購入してお札を貼り替えていたが、基本的に一年を超えたお札の類にはアクシン(悪神)が棲みつくことがあるため、貼りっぱなしはとても良くないそうだ。

これまで貼り替えてきて良かった。しかし効果には疑問を持たざるを得なかった。少なくともこれまでの寺のお札については。

後日、寺に来るようにと言い残し、住職は帰っていった。
住職に言われたとおり、妻とともに敷地の四隅に石を埋めた。もちろん、心を込めて拝みながら。

70 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:19:11.66 ID:uW0Xe1pr0
数日後、祈祷寺に行った。
寺では、最初の電話に出た、院主の奥様が出迎えてくれた。本堂で、院主と奥様に、改めて密教寺でのことは伏せながら経緯を話した。

それでは、と院主が奥様に向かって読誦する。気合一発、エイッと言って黙ると、奥様が話し始めた。

それは、居心地がいいから、私のところにいるのだ、と言う。
密教寺でのことは伝えていないが、どうやら野狐(神様に成れなかった動物霊)のようだ。
あとから知らされたのだが、奥様は地元でいう”ユリ”、つまり自らの身体に霊を降ろす霊媒師なのだ。

71 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:21:17.01 ID:uW0Xe1pr0
院主が野狐を諭し、野狐がようやく離れると言ってくれた。

また院主が読誦と気合を入れ、奥様は我に返った。
奥様曰く、私には3柱ほどの稲荷がついているそうだ。1柱ずつ身体から離し、何日も拝み、成仏させていかなければ戻ってきたり(もしくはほかの人に憑いたり)する可能性があるので、一度に除くことはできないのだそうだ。

それから、と奥様が私に注意を促した。
「あなた、憑きやすいから、しばらくは夜、外に出ちゃだめよ。
ほかのお寺や神社、それに入院施設がある病院にも近づかないほうがいい。あなたの場合、前を通るだけでも憑いてくる。通らなきゃいけない時は、お経を3回唱えて、両肩に強く息を吹きかけて払いなさい」

続けて
「仏様って、優しい人や良い人に憑きやすいの。生きてる人間だってそうでしょ?どうせなら悪い人より良い人と一緒にいたほうが心地いいもの。だから、憑かないで、って。私は助けてあげられないから、って、強い気持ちでバリアーを張りなさい」

「家であなたの足を引っ張った仏様ね。あなたに助けてもらいたかったのよ。だって、誰も気づいてもくれないんだもの。
 
でも、あなたは気づいてくれる人なのがわかったし、仏壇を拝んだりして仏様を大事にする気持ちがあるから、この人ならもしかして助けてくれるかも、楽にしてくれるかもって」

72 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:22:14.81 ID:uW0Xe1pr0
それからは、私と家族は時間があれば祈祷寺をお参りするようにしていた。
ある日お参りしていると、3週間ほどかけてようやく最後(3柱目)の野狐も離れていったと言われた。
 
そういえば、家の敷地の四隅に石を埋めてから、愛犬ナツは、まったく吠えなくなった。外を気にするそぶりもなくなった。

だが。
霊媒師で霊視もする、奥様が言った言葉が、あとに残った。

「因縁が、あなたの人生に荒波を起こしてる」

 
先祖に金貸しなどをやっていた人がいないかと尋ねられたが、私には心当たりがなく、わかりませんと答えた。
 
奥様は、金貸しなどは、社会に必要な仕事だし、他人を助けることもあるけれど、他人の恨み、逆恨みも買う仕事だから、それが因縁となって私にも及んでいるのだと言う。

73 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:23:43.77 ID:uW0Xe1pr0
家に帰り、仏壇を拝んでいた時に、突然、頭に言葉が響いた。
曾祖父は馬喰(バクロウ。馬を使った運搬業)をやっていたと、亡母から聞いたことがある。

不意に従姉が叔母を連れて家にやってきた。なんだか不思議なくらいのタイミングだったが、丁度良いと思い、何か覚えていないか聞いてみた。

「羽振りが良くって、家の床の畳の下にお札を敷き詰めてたって聞いたことがある」

いわく、金回りが良く、しまいに金貸し業もやっていた。今は売却してしまっているが、地元の中心商店街のさらに中心地とも言える場所すら広く所有していたという。



くそっ!次の相手は、因縁かっ!!!

74 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:24:50.16 ID:uW0Xe1pr0
■それから

祈祷寺の奥様が言った。

因縁を払うのは並大抵のことではなく、年月もお金もかかるから、代わりに日参、だめなら週に一回でもいいからお参りに来なさい。
 
毎日、午前中は本堂を開けてあるから、拝んでいけば良いだけ。そうして、薄皮を剥ぐように因縁を薄れさせ、影響を抑え、味方の仏様に護ってもらうようにしましょう。

すぐに理解できた。
 
曾祖父からの因縁が曾孫の私に影響を及ぼしているのなら、つまり私の子どもたちにも影響する可能性があるということだ。それが悪い影響なら、私の代で断ち切らねばならない。できるかは分からないが。

以来、私は毎週、一回、お参りしている。
 
お参りは普通のお参りで、賽銭箱に小銭を入れ、短いお経を唱えるだけだ。時間にして数分。それで子どもへの悪影響が断ち切れるのであれば、少なくとも薄れさせることができるのであれば、苦ではない。
 
しかし、残念というか、やはり、というべきか。
これで終わりではなかったのだが。

76 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:28:00.89 ID:uW0Xe1pr0
やはり長過ぎたか。。。
というより創作ではないので面白くなかったのでしょうか。。。

77 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 19:28:37.99 ID:uW0Xe1pr0
ここでやめます。。。

78 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 19:30:34.11 ID:Wvn845Mz0
みとるよ

86 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 19:54:36.12 ID:Wvn845Mz0
神社でなく寺がいいんだね

89 やせっぽち ◆FhdCFjMvqs :2024/04/20(土) 20:00:56.27 ID:uW0Xe1pr0
>>86
私はただの素人ですが、
いわゆる「お祓い」も
生きているモノやこの世のモノに関しては神様・神社で
*でいるモノやあの世のモノに関しては仏様・寺院
が得てとしていると聞いたことがあります

人間による神仏の区分けなんて意味があるとは思いませんが

93 本当にあった怖い名無し :2024/04/20(土) 20:28:41.04 ID:Wvn845Mz0
>>89
へー








572 :本当にあった怖い名無し:2013/01/12(土) 09:22:35.53 ID:U7G0tT/g0

私にもおもしろくてさわやかなイケメン文豪の霊が憑かないかな
毎日楽しそうだな

 

 

573 :本当にあった怖い名無し:2013/01/12(土) 10:21:51.92 ID:gfV1mzCf0

作家の霊が憑いてるって人を知ってるけど、良い事ないらしいぞ。
25日が近くなると、見たこともない机の前で焦燥感に駆られる夢を見る。
わけもわからず心当たりもなくそんなことが二年ぐらい続いて、占い師にいったら判明したそうな。

さらに、そいつのベッドの頭の所には二段ぐらいのベッドヘッド本棚があるんだが、
地震でもないのに、特定のタイトルの本だけ夜寝てるとバランスを崩して崩れてくるということが、
大体平均年7回ぐらいあるそうだ。
必ずページが開いた状態でばさっと落ちてきて、角とか背表紙が当たった事はないと言うから悪意はないんだろう。
聞いたときは、何かメッセージを伝えようとしてるんじゃとワクテカしたけど、
落ちてきたのが、ネットでネタレビューをするために買った携帯小説とか、ジャンプで突き抜けた漫画とからしいから、
期待薄だと。

 

 

573 :本当にあった怖い名無し:2013/01/12(土) 10:21:51.92 ID:gfV1mzCf0

後、蓋の閉まってた酒の蒸発が異様に早くなったとか、(しまってあったお高い焼酎限定らしい)
本屋で立ち読みで済まそうとすると急に腹が痛くなる霊障とか、
(学術新書と岩波文庫が特に頻度が高いので、本屋あるあるではなく霊障だと本人は主張してた)
いろいろ支障があるってよ。
夢で見た本人の外見は、「阿部寛が浴衣を着たような」イケメンだったらしいけど。

 








106 :本当にあった怖い名無し:2013/03/17(日) 16:32:39.91 ID:wF0ZLkHw0

高校生の頃、夏休みで、22時くらいにすぐ近所の友達の家に出かけようとした。
毎日のように夜遅くにそこへ出かけ、朝方帰ってきていた。ダラダラしていた。

 

 

106 :本当にあった怖い名無し:2013/03/17(日) 16:32:39.91 ID:wF0ZLkHw0

ある日、結婚している8歳上の姉が2歳の娘を連れて泊まりに来ていた。
母には「お姉ちゃん帰ってきてるんだから出かけなくてもいいでしょ」なんて言われたのだが、
約束があったので聞く耳をもたず玄関まで逃げた。
母は「なんなのよもう~」なんて言いながらも玄関まで見送りに。
その時、姪っ子が母にくっついて玄関にやってきたんだけど、
姪っ子が突然俺に向かってお婆さんみたいな大声で、
「アンタこんな時間に何してるんだ!いつも何やってるんだ!」と怒鳴った。
姪っ子の顔は鬼婆みたいな怖い顔。俺と母はあまりの驚きで固まってしまった。
続いて、「ちょっとは勉学に励んで親のことも大切にしないとだめだ!」と。
すごいダミ声で、2歳児の声でないことは誰にでもわかる。
俺と母は顔を見合わせてポカーン。
すぐに姪っ子は普通の状態になり、「おでかけどこ行くの~」と言った。
顔も普通の表情に戻っていて、何ら不思議はない。

106 :本当にあった怖い名無し:2013/03/17(日) 16:32:39.91 ID:wF0ZLkHw0

母は姪っ子に「Kちゃん、今何を怒ったの?だいじょうぶ?」と言うと、
「アタチ怒ってないよ~、おでかけ見送りにきたんだよ~」と、全く覚えてない様子でキョトン顔。
そこへ姉が「あんた出かけるの?」なんて言いながら来て、母は今あったことを興奮して説明した。
すると姉は、
「ああ、この子、前にもそれ1回あったんだよね…
 うちの旦那酒呑みでしょ?ちょっと前、連日のように泥酔して深夜に帰宅してたの。
 旦那帰って来たら、寝てたこの子が起きて来ていきなり怒鳴ったのよ。
 そのときは男の声でさ、旦那も私も唖然としてたよ!」

ちなみに、我が家はそのときは祖母が健在だった。
俺を怒ったのって誰?








29 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:54:23.04 ID:x1Qyquk50.net
5年くらい前の話です。
少し長くなりますが、お付き合い頂けたらと思います。

当時、娘は3歳。テレビを見ながらきゃっきゃしてる娘を見ながら私はごろごろ横になっていました。
スマホで娘(仮にRとします)の写メ撮ったりしながら、そんな休日の昼間を楽しく過ごしていました。
そんな中、急に体がまったく動かなくなり声も出なくなってしまい、娘は確かに目の前で今も笑いながら某子ども番組のDVDを見ているのに。
名前を呼ぼうと必死に声を出そうとしましたが全く出ず…どうしようどうしようと思っていたら急に。
背後から手が出てきました。片手は私の右目を覆い、もう片手はわたしの左手首をがっちりと掴む形で。
この時自分がどうにかなる、というよりも目の前の娘に何かあったら!と思って気が気でなく。
なんとか体を動かさなければと必死に、歯を食いしばりながら目玉だけを右に左にと動かして抵抗していました。
次第に涙がこぼれはじめて、その瞬間に私を拘束していた手がゆっくりと後ろに下がり視界から消えました。
その瞬間、「R!!」と娘の名前を声に出せたのです。

あまりに恐ろしくてそのまま娘を抱えて家を出て実家に帰りました。
そのことを母に話したところ、一応みてもらった方が良いのではないか、と言われ、
知り合いの神職…祈祷師というんでしょうか?そういった力を持った方にお話を聞いて頂くことにしました。

祈祷師さん=Kおじさんとします。

Kおじさんは、祖母(母方)が昔から付き合いがあり困った時等ご相談に行かせて頂いておりました。
家を建てる時に地鎮祭をお願いしたり、この話とは別の霊障があった際にもご相談したりだとか。
Kおじさんはもう高齢で現在では96歳になるおじいちゃんなのですが、私も、元気ー?と顔を出して雑談したりするようなそんな仲です。




30 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:55:13.47 ID:x1Qyquk50.net
Kおじさんのお宅に、私と娘、祖母の3人でご相談にお邪魔したのですが…、
別の話になるので端折りますが私の祖母が私と同じくらいの年の時、接客業をしていたのですが、
急な高熱、体調不良で悩まされていた時視界にずっとおかしな男性が映っていたらしく。
祖母は祖父(祖母の夫)が既に鬼籍だったため働かなくてはいけない、と体に鞭をうって仕事に通っていたそうです。
仕事から帰宅するとKおじさんが家にいたそうで、その場ですぐ祓ってくれたようで体調もすぐ回復しこと無きを得たのですが、
それからは「普通の人には見えない何か」が見える、聞こえるようになったとのことでした。
そんな祖母は私を見てまず最初に「なんか連れてきたね。」と一言。
「ああ、私についてるんだね、よかった。Rじゃなくてよかった。」
と、そこからはずっと泣いたままKおじさん宅へ。
訪問してすぐに、Kおじさん宅の敷地内にある、鳥居と祠まで連れていかれました。
よくある大幣を使用するやり方で、般若心経唱えながら祓って頂きました。
特に体が重いとか、体調が悪いとかいうこともなかったため「憑いていた」「祓われた」という実感はありませんでした。
「お前どこか行ったか?」
とKおじさんに聞かれましたが、心霊スポットに肝試しに行くなんてことビビりなわたしに出来るはずもなく。
本当に心当たりがありませんでした。

Kおじさんのお部屋に通されて、そこで4人で座って(娘はちょろちょろ歩き回ったりもしていましたが)お茶を啜りながら、
急にKおじさんが目を閉じて眉間に皺を寄せて、手のひらが上になる状態で右手を少し前にだし、
左手の指でその上を行ったり来たり、動かしています。
暫くして、

「◎月◎日は、車に乗る時に気を付けること。娘は乗せないこと。」
「もうさっきのは今は憑いちゃいんが、つけまわされてもかなわんからこれ持ってけ。」
「Rにはなんもないから大丈夫だから心配せんでいい。」
と塩の入った小さな袋とある動物を模った小さいキーホルダーのようなものを渡されました。
◎月◎日とは、ほんの数日後のことでした。


31 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:56:10 ID:x1Qyquk50.net
娘になにもないと聞いて一先ず安心し、そこでやっと、自分がどうになかったら娘が困る!と自分の心配をしはじめました。
とりあえず◎月◎日は自動車の運転は注意しようと思い、前の日から実家に泊まって2泊3日するという予定になりました。
もちろんその際私は仕事があるため運転はしなければなりませんが、自宅から実家へ娘を預ける際どうしても乗せないと
いけなくなるため(ちなみに父は遠方に仕事に行っているため家におらず、母は車を所有しておりません。)そうする事に。

そしてその日から、◎月◎日まで特に何事もなく過ごしていました。
いざ◎月◎日が訪れても、朝仕事へ通う際特に何事もなく、その日は残業で、定時は17時ですが結局終わったのが22時近く。
疲れているしあとは帰るだけだから、と朝より更に慎重に運転をしていました。

会社から実家のちょうど中間辺り。変な違和感を感じて、視界が少しちらつきました。
そして途中で曲がり入ってきた前を走っている車が遅い。とにかく遅い。時速25キロ程度。
時間が遅いこともあって後続車も1台だけ。でも対向車は微妙な車間距離でずっと続いていました。
指定された日付だったこともあって追い越すのもなあ…と思いその後ろをゆっくりついて行っていました。
…私の後ろを走る運転者はイライラしたんだと思います。中央線をはみ出るようにして煽ってきて、しかし
私と私の前を走る車と2台しか前にないことを確認出来たのか、対向車の車間距離がある程度あいている時を狙って
その車は2台抜かそうと試みました。追い越しは成功。と思った瞬間でした。
私の前を走っていた車(時速25キロカー)が急にスピードを出しはじめ、追い越していった車(追い越しカー)をものすごい煽りはじめ…。


32 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:56:38 ID:x1Qyquk50.net
あまりに怖かったので次の道を曲がろうとウインカーを出した時でした。
前のほうですごい音がして。

時速25キロカーが追い越しカーのかまをほった形になり、時速25キロカーが割と勢いがあったのでしょう…追い越しカーは止まらずに
電柱に激突。時速25キロカーもそのまま追い越しカーに突っ込んでいました。
私はハンドルを左にきりすぎて左の前輪が溝にハマってしまい停車したのですがそれだけでした。
追い越しカーは男女のカップル、時速25キロカーは中年くらいのおじさんひとり。
見た感じ3人とも大きな怪我はなさそうでしたが、明らかに揉めています。そしてふとまた違和感を感じました。
でも私は怖かったので車から降りずにとりあえず警察にお電話を差し上げ、到着を待つことに。

私はどの車とも接触しておらず物損もなかったため、第三者としてどのような状況だったかを説明しただけで
それ以上介入せずにすぐにいつもお世話になっているモータースの方に来て頂き代車を借りて帰宅しました。

実家に帰り、寝てしまっている娘の頭を撫でながらあった事を母親に報告。
(事故が起きて警察に連絡した後に、タイヤがはまってモータース待ちだから帰り遅くなると連絡は先にしてありました。)
つくづく、その時に娘が一緒でなくてよかったねーと呑気に苦笑いをしてその日はお風呂に入ってすぐ寝ました。


33 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:57:13 ID:x1Qyquk50.net
次の日、代車で朝から会社へ。昨夜とは違い明るい中事故現場ももちろん通りましたが、電柱に多少跡があった程度でした。
そしてその跡のついた電柱をにらみつけている男性は、昨夜の25キロカーのおじさん。
なんていうか…目がすごい、怖い。電柱をにらみつけているはずなのにどこ見てるのかわからない感じ。
心臓がバクバクしました、本当に怖かった、何か見てはいけないものを見てしまった、そんな気持ち。
そこからほんの少し先の信号が赤になってしまい、停まっている最中ふと、ミラー越しにおじさんを確認しました。

…明らかにこっちを見ている!!!

ミラー越しに目があった気がしました。そしてまた感じた、違和感。
振り返って直におじさんを見てみると…おじさんの右目を覆うように、手。
更に、左腕をしっかり掴んでいる、手。何かを背負っているわけではなくて、
肩から肘の関節のちょうど真ん中あたりまでしかない、そんな印象でした。

見覚えのある光景は、そう、先日私が合った現象と同じでした。

「つけまわされてもかなわんから、」

そういったKおじさんの言葉が思い浮かんできました。
わたしについてきていたものが何かの拍子にきっとあちらに移ったんだと。
何度か感じた違和感が思い出してみると、

視界がちらついた時。本当に視界の一番際、隅っこに黒い影がちらちらして。
事故にあった3人が揉めている時。夜なので暗かったが更に黒いと感じた部分があって。
そして、今日はっきり見えた、手、腕。

怖くて怖くて、信号が青になってすぐその場を離れました。
会社の駐車場に着いて気休めにでも塩をまこうと、Kおじさんに持たされたあれらが入った袋を取り出し
中を見ると…頂いた塩は3分の2くらいが黒くなって湿っていました。キーホルダーは、熱をもってすごく熱くなっていました。


34 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:57:51 ID:x1Qyquk50.net
その日はそのまま仕事をこなして、帰りは遠回りになりますが別の道を通って帰りました。
母親にはこのことについては話しませんでした。(心配しますし)

次の休日に、とりあえず祖母宅へ行き見た事をそのまま伝えました。
やはりもうすでに私には何もついてきていないようで、「なんもいないねえ。」とだけ。
そして祖母についてきて頂き(娘は母親に預けてきました)Kおじさん宅へ。

そこで再度見た事をそのまま伝え、このままでは気持ち悪いのでと出来るだけの詳細を伺いました。

「お前は憑かれていたのではない。連れてきてしまっただけ。」
「憑かれそうになった時に、娘を守りたいという強い気持ちで自ら弾いた。」
「しかし未練がましく後をつけていたところ、途中で前に入った車の運転手に乗り換えた。」
「見たところ、その運転手は借金か何かで追い詰められ自殺を考えていた。」
「そこにつけいれられて憑かれたのだろう。」
「ああいったものはつけいる隙がなければそうそう憑いてくるものではない。日々強い気持ちでいる事が大切。」


35 :本当にあった怖い名無し:2020/01/11(土) 21:58:19 ID:x1Qyquk50.net
「最近どんな道を通ったか詳しくは聞かないが、アレは腕から先だけだっただろう。見えたか?」
「お前の通った道のどこか(Kおじさんはそのどこか場所も見えているようでした)で、腕以外は木の柱のようなものに縄で縛り付けられている。」
「切り落とされた腕はその付近に、…埋められているな。既に骨だ。」
「性別は女で、それをやったのは旦那だな。旦那は…まあそれはいいだろう。」
「間違ってもそれを探しに行こうとは思わない事。他言もしない事。関わらない事。」
「もし万が一、この先その死体が見つけられて警察が動くようなことがあっても知らないを通す事。」
「娘を大事にな。」

と言われました。

あれから、その「腕」はもちろん、憑かれたおじさんも見ていません。
そういったタヒ体が見つかった、等の事件もニュースで流れているのを見たこともありません。
結局その場所がどこなのかもわかりません。
でも確実に、付近…とは言いませんが、自分が行った場所のどこかに、それはあるんだろうなと思うと怖く思います。
私はその後、「霊感が強まった」等という事もなく、それ以降はそのような体験にはあっていません。(小さなものならいくつか、程度)

しかし祖母やKおじさんの話を聞いていると、ちょっと羨ましくなる時もあります。

長くなってしまいましたがこれで終わりです。
体験した私は非常に怖かったですが、聞いているだけだとそうでもないかもしれません。
暇つぶしになったのでしたら幸いです。









964 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/31 03:01
これは僕が大学生の時の話です。 
精神的にも回復してきているのではなしたいと思います。 


夏休み授業で富士でキャンプをするという授業がありまして、その内容の中に樹海の散策、氷穴風穴をさぐるという項目がありました。 
僕らの班は風穴をみる役になっており、そこに向かいました。
風穴の周りにはたくさんの石が積み重なっており、何かを供養しているという感じでした。そのときの僕は霊なんてものはまったく信じておらず、ふざけてその石をくずしてゲラゲラと笑いほけていました。
そのあと、このことがとんでもない出来事になるともしらずに…


965 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/07/31 03:01
そのあと僕らは自分達のキャンプにもどり夕食のしたくなどおのおのの役割を分担してやっていました。 
僕の記憶はここまで、あとは友達の証言です。

まず僕はみなの前で包丁をもってあらわれたそうです。
そしてわけのわからない言葉を発しながら自分の腕や首などを斬り付けはじめました。
すぐに友人がとめに入り大事にはいたりませんでした。 

しかしその直後自分の顔を殴りはじめ最後には気絶したそうです。 
そして痛みで目がさめました。体中は傷だらけ顔はボコボコに腫れ上がりとても見れたもんじゃありませんでした。 
友人が云うにはとても人間の形相ではなかったということです。 
このキャンプで友人彼女ともそえんになり何もかもなくしてしまいました。 
そのあとメンヘルのお世話になったりと色々大変でした。 

いまでも発作はときどきあります。
解決策はやはりあそこにもどり供養すべきなのでしょうか?






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