【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

当サイト「怪談の森」は古今東西の洒落にならない怖い話~ほっこりする神様系の話まで集めています。 随時更新中!!

カテゴリ: 人間コワ話



524 :1/6:2011/04/14(木) 22:15:59.08 ID:pucLou1s0
まだ宮崎の田舎に住んでた小学校三年の時、姉と2人で「マザー2」ってゲームにハマってたんだ。
俺ん家は「ゲームは土日に3時間だけ」って面倒な決まりがあって、普段スーファミのカセットは居間に封印してあるんだが、
このゲームだけはどうしても我慢できなかった。
幸い自分の部屋にはスーファミ本体とテレビがあったので、
夜中こっそり居間にカセットを取りに行っては姉とマザー2をやり込んだ。
んで実際にプレーするのは俺。
姉は隣りでお菓子食べながら見てて、俺が詰まると色々と知恵出してくれるアドバイザー。
俺より2つ年上だったんで凄い頼りになった。

今でもハッキリ覚えてるが、その頃はゲップーって敵に大苦戦してて、ひたすらレベル上げしてたんだ。
はえみつ使えば楽勝だって事も知らずにな。
時間は大体午前1時、丁度今位の季節で寒かったので毛布にくるまってゲームしてた。
必死に雑魚と戦闘してる時、姉が不意に「タケ、テレビ消して」て言ってきた。
俺は訳がわかんなかったから焦って、
「何で?眠いの?じゃあコイツ倒したら戻ってセーブするからちょっと待ってよ」
と返した。が、
「ゲームの電源は切らなくていいから…テレビ消しな」
姉は締切ったカーテンの方を見ながら静かに呟いた。
俺は少し怖くなってテレビを消して布団に潜り込んだ。
「どうしたの?」
恐る恐る聞くと、姉は息だけの声で囁いた。
「庭の方で足音が聞こえる」
俺ん家は周りを砂利に覆われていて、人が歩いたりすると「ジャッ、ジャッ」て音がするからすぐわかるんだ。
俺はゲームに夢中で全然気がつかなかったけど、姉は結構前から気付いてたらしい。
で、余りにも立ち去らないから俺にテレビを消させたんだと言っていた。


526 :2/6:2011/04/14(木) 22:16:54.42 ID:pucLou1s0
耳を澄ますと確かにジャッ、ジャッ、と庭先の方から聞こえる。
本当に怖くなって「犬か猫でしょ?」と聞くが姉は答えない。
じっとカーテンの方を睨んでる。次第に足音が近付いて来るのがわかった。
足音が窓外のすぐ近くで止まった。怖くてたまらなくなって姉の腰にギュッとしがみついた。
暫くして、
「あのぉ…、すいません」
甲高い女の人の声が呼び掛けてきた。
姉は答えない。俺は目を瞑り必死で姉の体にしがみついた。
「起きてますよね?…困ったコトになったんで、ココ開けてもらえませんか?」
来訪者が来るにはズレすぎたこの時間帯と深夜の暗さが恐怖を煽り、怖い夢でも見てる感覚になった。
暫くの沈黙の後、外にいる女が窓に手を掛ける気配があった。
ガタガタと窓が揺れだした時、不意に姉が立ち上がった。
俺を振りほどいて部屋の引き戸を開けた。
「おかーさーん!!窓の外に誰かいるーー!!来てーー!!おかーさーーんっ!!」
姉はありったけの声で叫んだ後、
廊下の電気を片っ端から点けて俺の手を引いて親の寝室まで走った。
寝室に着き電気を点けると、母さんはまだ寝ていた。
ちなみにウチは母子家庭で父親はいなかった。
姉が揺すり起こし事情を説明すると、困惑した顔で、
「こんな時間に…夢でも見たんじゃないの?」
違うよ!と俺が口を挟もうとした時、
ピンポーン
玄関でチャイムが鳴った。


553 :3/6:2011/04/14(木) 23:02:27.67 ID:pucLou1s0
母さんは驚き、慌てて玄関に駆けて行った。
玄関の電気を点けると、擦りガラス越しに赤い服を着たシルエットが浮かび上がった。
「どなたですか!?」
「夜分遅くに申し訳ありません。…実は急ぎの用事があって。
 この辺りで公衆電話を探していたのですが、どうしても見つからなくて…
 もし宜しければ御宅の電話を貸して頂けないでしょうか?」
俺は何だ電話かぁ、とホッとしたのだが、
「…申し訳ありませんが、こんな時間に見ず知らずの人を家に上げる訳にはいきません。どうかお引きとり下さい」
母さんはキッパリと断った。
その時は電話位貸してあげればいいのに、と驚いたが、今思えば当然だな。
いくら田舎とはいえ大人が母親しかいない家に、深夜に訪ねて来た他人を上げるのは危険だ。
だが尚も「お願いします。本当に困ってるんです。電話を貸して下さい」と食い下がる。
が、母さんは断固として「申し訳ありませんが、他を当たって下さい」と断り続けた。
暫く言い争う感じでやり取りが続いた後、女は急に静かになった。
やがて玄関先にあった傘立てから傘を抜くのが見てとれた。
そしていきなり、
「ガンッ!!」
傘の先の方を持って、柄の部分で玄関の擦りガラスを叩き始めた。


554 :4/6:2011/04/14(木) 23:02:53.74 ID:pucLou1s0
再び狂気を感じた俺はその場に固まってしまった。
女は玄関のガラスを突き破らんばかりに強く叩いてくる。
「いい加減にしなさい!!警察を呼びますよ!!」
母さんは少し怯んだようだが、強い口調で外の女を一喝した。
しかし女は叩くのを止めない。
「あんた達は居間に行ってなさい!お姉ちゃんは警察に電話!!」
俺は固まって動けなかったが姉に手を引かれ、居間へと走りだした。
バーンと音がしたので振返ったら、母さんが玄関脇にあった靴棚を倒してた。
バリケードを作ってたんだと思うが、今考えるとあんまり意味無い気が…
母さんもパニクってたんだと思う。

居間に着き、電気を点けると俺はテーブルの下に潜り込んだ。どこでもいいから隠れたかった。
警察への電話を終えたらしい姉も潜り込んできて、二人で抱き合い震えながら泣いていた。
暫くすると母さんも居間にやってきた。
玄関からはまだガンガンとガラスを叩く音が聞こえてくる。
台所から一番大きな包丁をとってきて、テーブルの下にいる俺達を見つけ、
「大丈夫だから、ね?お母さんがいるから大丈夫だよ?」とたしなめてくれた。
だがそう言う母さんも顔が真っ青で凄く汗をかき震えていた。

やがて玄関の方から音がしなくなり、家の中が静かになった。
そして母さんが玄関の方へ歩き始めた時、「ガンッ!!」と居間の窓から激しい音がした。
俺と姉は「わぁーっ!!」と絶叫して気を失いそうだった。


555 :5/6:2011/04/14(木) 23:03:26.00 ID:pucLou1s0
どうやら玄関は諦め、電気の点いてた居間の方に周り込んで来たらしい。
母は果敢にも窓の方に歩みよりながら、
「居たいならずっとそこに居なさい!!もうすぐ警察がくるから、どうなっても知らないよ!!」
普段見せた事の無い様な勢いで怒鳴り、シャッとカーテンを開けた。
「…ヒッ!!」
裏返った母さんの悲鳴が聞こえてきた。
母さんの悲鳴を聞いて俺も窓の外を見た。
そこにいたのは明らかに男だった。
濃い髭、ボサボサに伸びた髪、真っ赤なワンピース。ニタニタ笑いながら部屋の様子を伺ってくる。
本当に狂気を感じ、声すら出なかった。
母さんも後退りし、固まっている。
そして男は窓越しに叫びだした。
聞こえた範囲で書くとこうだ。
「ぎゃははは……めしやだ!
 俺………流せるのに!!ぎゃははっ!!馬鹿が!!ぎゃははははっ!!」
そう言って奴は走り去って行った。
すんげぇ適当だが最初の"めしや"ってのは"メシア"だと思ってる。
邪教に嵌って気が触れた人なのかもしれん。
とりあえず奴が去った後も恐怖が拭えなくて、姉と二人で母さんにしがみついて泣きじゃくってた。

それからかなり時間が過ぎてようやく警察が来たので、
「遅いよ!!なんでもっと(ry」と凄く罵った覚えがある。
頭にドが付く程の田舎だからしょうがないのだが。


556 :6/6:2011/04/14(木) 23:03:44.59 ID:pucLou1s0
それからしばらくは、家族三人で寝室で寝る様にしてた。
とりあえず覚えてるのはここまで。
高校の時位にもふと思い出して「あれ何だったの?」と母さんに尋ねたが、
「わかんないよ。警察の人からも結局見つからなかったって連絡だったし」
いまだに正体は不明のままみたい。









1 名無し 2013/04/20(土) 21:12:07.27 ID:スレ主
自分の家が犯罪を犯してることはわかってたけどどっかうわのそらだった


3 名無し 2013/04/20(土) 21:12:55.74 ID:スレ主
自分のやってることが本当に悪いことなんだと知った時はカルチャーショックだった


4 名無し 2013/04/20(土) 21:13:50.64 ID:x04A+eZqP
三行

>>4
親逮捕
遠縁の親族の家にお世話になる
自分の家がいかに悪かったかを知る


6 名無し 2013/04/20(土) 21:14:27.60 ID:スレ主
子供の頃から万引きとか普通に手伝わされてた
でもそれが普通だと思っていたし、全然悪いことじゃないと自然に思ってた
よくいわれることだけど環境って大事なんだ


7 名無し 2013/04/20(土) 21:14:41.75 ID:VKsymqPzO
おい、酔ってんのか?


11 名無し 2013/04/20(土) 21:16:36.94 ID:10bGOYlY0
何して捕まったのって聞いて欲しいんだろ

聞かねえ

>>11
親は普通に恐喝と傷害罪?で逮捕されたよ
10年ぐらいは刑務所みたい


35 名無し 2013/04/20(土) 21:27:31.29 ID:QAM4AZRI0
>>
それで10年もくらうか?
余罪がめちゃんこあるのか


41 名無し 2013/04/20(土) 21:31:02.95 ID:JU1JLfp1O
>>35度合いによるが初犯なら10年も食らわん
累計三年~6年がいいところ

>>41
じゃあほかにもいろいろあったのかな?
俺が見えてる範囲外ではそうとう悪いことしてたみたいだし
俺を引き取るときも親族で相当会議が開かれていたらしく
あんな子供を引き取るなんてありえないみたいな話がほとんどだったらしいが
おじさんが子供には罪は無いってことでひきとってくれた


12 名無し 2013/04/20(土) 21:17:00.74 ID:xtOHAz9Q0
実際に何したのか詳しい話
聞かせろ

>>12
子供のころからだけど些細な悪事が「すごいふつう」だと思っていた
たとえばだけど普通の家庭ではあらゆることで前に待っている人が「並んで待ちましょう」って習うでしょ?
学校でもそう一応ならうけど、俺の家の場合だけど回転寿司屋に行くとする。
で10組とか20組ならんでるわけだけど、まわりに人がいないすきにペンで全部消して
自分たちが先頭に来るようにしてたりしてた。それが普通だと思ってた。

やりかたは結構リスク高いから他にもいろいろあって、待ち2番目ぐらいの人の名前を消して
その上から自分の名前を書いたりもした。


14 名無し 2013/04/20(土) 21:17:26.67 ID:8U+DBB2UO
英才教育されたのか


21 名無し 2013/04/20(土) 21:20:33.91 ID:qWkdF4hz0
犯罪者の系譜


23 名無し 2013/04/20(土) 21:21:40.40 ID:uYE/RmK6O
関西人?

>>23
よくネットで叩かれてる大阪


28 名無し 2013/04/20(土) 21:23:32.07 ID:スレ主
外食でうちの家は金を払ったことが無かった
大阪に住んでいたのだけど京都との境あたりだから京都まで車で行って外食する
それで食事を済ませたら何気なく一人ずつ席を立ってそのまま帰るってのがいつもの定番だった
子供の俺が一番最初に車に帰る役回りだった
京都まで行くのは親いわく県が変わると警察も変わるからその方がええってことだった


29 名無し 2013/04/20(土) 21:23:38.47 ID:1wnO5oV20
真性のDON


30 名無し 2013/04/20(土) 21:24:19.55 ID:xh0rVpY+0
クッソ真面目でつまんねぇ親に育てられた俺からすればめっちゃ羨ましいそういう親

>>30
俺からしたら真面目な親の方が良かったな
俺自身は逮捕されたことないけど俺の行動すべてが人から見ると「ヤバい」ってことだった
でも俺にはそういう感覚が無いまま育てられたからどうしていいのかわからない。
真面目な人は大抵「これは良いこと」「これは悪いこと」って区別があると思うのだけど、
俺からするとそういう区別が無いからどうしていいのかわからない


32 名無し 2013/04/20(土) 21:26:17.72 ID:s21ne4rg0
お前の年齢次第ではこの話金になるぞ


37 名無し 2013/04/20(土) 21:28:23.37 ID:スレ主
今、専門学校に行ってるのだけど友人たちが中学校の頃は悪かったよなぁみたいな自慢してた
その話を聞くと万引きをして学校で整髪料を売りさばいてたとか自転車を売りさばいてたとかそういう話をしてた
でも自分にとっては日常だったからそれが悪いとかどうかもわかんなくてきょとんとしてたら
お前には刺激が強かった話だね、みたいなことを言われたけどそれもよくわからなかった。今はわかるけど


39 名無し 2013/04/20(土) 21:30:03.16 ID:Yo4T7eR2I
スペック

>>39
中学校3年の時に親が逮捕されて東京の親族の家にお世話になる
高校は通信制
今は某専門学校
逮捕歴はなし
補導は3,4回


40 名無し 2013/04/20(土) 21:30:52.86 ID:スレ主
さっきの中学校の整髪料パクり自慢とかもうちの学校は荒れに荒れてて授業とかろくにできなかったし、
整髪料程度はみんなパクってたからそんなので商売とかできないなと思って聞いてた


42 名無し 2013/04/20(土) 21:31:12.87 ID:FZtsyp+G0
今までしてきた悪事(そう認識してるかどうかは別にして)
を悪いことってことを認識してこれから言いふらさなきゃできた人間にはなれるわな

>>42
悪事を働いてきたを自慢するって人は元々普通の教育受けてる人だと思うんだよ
万引きとか日常すぎてわざわざ話さないでしょ?
今日スーパーでコーラ買ったわって話をえらそうにする人がいないのと一緒で
俺は逆にそういうのを話すとひとねたになるってのを今の専門学校に入ってから知った

45 忍法帖【Lv=23,xxxPT】(1+0:15) 2013/04/20(土) 21:33:18.11 ID:rxaABB+N0
いつ頃悪いことってわかり始めたの?
捕まってからじゃねぇだろ
もっと早くわかってたはず
少なくとも学校へ行ってたんなら

>>45
親族の東京の家で生活しはじめてからだんだんとわかりはじめた

学校なんだけど俺の家がネットでいう「府営団地(笑)」の典型例の典型に住んでて、
中学校の大半がその地区で片親とか当たり前だし、親父が覚せい剤で逮捕されてて
もはや人じゃなくなってる家とか、おかあさんが普通にデリヘルで稼いでるとか、ねーちゃんが
飛田の売れっ子とかそんな感じだった。
同級生でも殺人事件起こしたりしてるやつもいたし、俺は逆に「おまえんのとこの両親ちゃんとしててえーなー」
とか言われてた。だから余計にうちはまだ普通なんだって思ってた
もちろん普通の家庭もあったのだろうけどそういう家はほとんど中学校から私立に行ってたみたい


49 名無し 2013/04/20(土) 21:36:06.05 ID:OF4bsB210
おじさんに迷惑かけんなよマジで

>>49
それは心にめいじてる
はじめは欲しいものがあったらとりあえず万引きしてて、次第にものが増えてることをとがめられた
それがなぜ悪いのかも最初はわからなかったけど次第にわかるようになった
今はしてない


50 名無し 2013/04/20(土) 21:36:08.15 ID:JuctS8db0
両親が出てきたら一緒に暮らす気あんの?

>>50
おじさんがうちの両親に面会に行った際に俺には一生合わせないっていったらしい
親もその方がいいってことでおそらく会わないと思う
戸籍も今はおじさんの養子になってるみたい
一度弁護士?に意思確認みたいなのをされた


53 名無し 2013/04/20(土) 21:37:38.77 ID:FLge+L1A0
両親とは早めに縁切っておいた方がいいぞ
後々たかられかねない


57 名無し 2013/04/20(土) 21:40:13.25 ID:rxaABB+N0
専門学校で万引きが悪いって知るって池沼だろ
お金払わず取ってたのをさすがに今まで普通とは思わんだろ
悪いっていう罪悪感が無かっただけで、悪いことって認識はあっただろう
なけりゃ池沼かチョン

>>57
やっぱりそうなんだろうな
でも俺のまわりはそれが普通だから悪いとかもないんだよ
中学校の先生とかも俺たちはともかく親とかガチ犯罪者ばっかりだから
絶対に関わろうとしないんだよ
だから善悪とかそういう概念が希薄なんだよ
俺はようやくそのあたりがくっきりしてきた感じ
おまいさんはそういう風に思えるってのはちゃんと教育されてきたからだと思う


73 名無し 2013/04/20(土) 21:48:04.19 ID:rxaABB+N0
>>
そうじゃなくて、教育どうこうの前に
お前が学校なんかで外の空気吸ってれば
あり?うち金払って買ってねぇな
こりゃ犯罪だわって自然におもっただろ?

>>73
繰り返しになるけど中学生の時の環境は友達や近所が全てだからそういうのわかんないよ
たぶんあなたが良い環境で育ったからそういえるだけなんだと思う
俺だってアフリカ人の子供が幼い頃から銃持って人殺してる感覚なんてくるってると思うけど、
ああいうのは普通な場所もあるのだろうし、
俺の場所は当時普通だと思っていたけど、世の中の多くの人からは異常なんだってのは大人になってからはじめて気づいた
逆に金持ちの家とかだと大学に入ったら外車を買ってもらうのが普通の世の中なんだって思う人もいると思うよ


65 名無し 2013/04/20(土) 21:44:03.90 ID:r1AUKOkq0
順番抜かしと食い逃げ、万引き以外の話はないの?

>>65
まわりのみんなが自転車が乗ってて欲しいなぁと思ってた
そのことをなんとなくつげると親父がじゃあいくかってことで
兵庫の高級住宅近くの駐輪場まで車で行った
「どれが欲しいんや」って聞かれた際に真っ赤なマウンテンバイクがすごいかっこよさそうに見えたからこんなのが欲しいって行ったら翌週にその自転車がうちにきた
親父がおそらくそれをパくったんだろうなってのはわかってたけどうれしくて乗ってた
ちゃんと対策してて防犯登録とかシリアルナンバーとか全部捨てたり削ったりしてたみたい
だから警察に一度よびとめられても大丈夫だった


68 名無し 2013/04/20(土) 21:44:31.72 ID:JuctS8db0
両親の親(1の祖父母)はどんな人間だったんだ


69 名無し 2013/04/20(土) 21:44:36.16 ID:M6pvAfzOO
こう言ったら悪いけどなんかもうホラーみたいな話だな

>>69
こういう家庭結構あるよ
大阪に限らず東京でも結構あるみたい


76 名無し 2013/04/20(土) 21:49:10.97 ID:hF4n7Sw90
それが洗脳の恐ろしさよ
カルト宗教も同じやね


81 名無し 2013/04/20(土) 21:50:32.42 ID:JPzWFBUO0
まあどっかの家みたいに死体をバラバラにするの手伝わされなくてよかったじゃん

>>81
両親はどうも暴力は子供には絶対にダメと思っていたらしく
暴力を振るわれたことは無かったし、喧嘩でなぐりあったりはしてなかったみたい
最後は傷害でつかまってたけど


89 名無し 2013/04/20(土) 21:56:51.73 ID:JuctS8db0
負の連鎖やべえ
沖縄の母方の祖母じゃなく東京の遠縁に引き取られたってのも色々あったんだろうな

>>89
沖縄の家の方は引き取るのをこばんだらしい
俺の家がおかしいってのはわかってたみたいだから
俺もほとんど施設に行くのが決まりかけてたのだけど、
親戚の正義感の強いおじさんが引き取ってくれた


92 名無し 2013/04/20(土) 21:57:10.71 ID:szjQ+YbZ0
同じ人間と思えないくらい拒絶反応がでる
今はまともらしいけどそれでも何か怖いわお前

>>92
俺も自信を持って真人間とはいえないわ
ふとした行動で未だにおじさんに怒鳴られるしな
自分がどうすればいいのかまだわかってない瞬間とかがある


94 名無し 2013/04/20(土) 21:57:43.17 ID:wSz7pkWF0
お前とはいい酒が飲めそうだ

でも安心しろ、俺の親なんて殺人犯な挙げ句立てこもりしたもんだからもうどうしようもない。しかも俺は人質の子供扱いでニュースにでたさまだ
もう20年以上前になるけどな

でもなんとかなるもんだ、俺は生きてるし
親父は死刑囚だがな。はよ死ねってなwww

>>94
そういう家に生まれたら辛いね
自分ではどうしようもないし


96 名無し 2013/04/20(土) 21:58:10.78 ID:2zdtVG/40
近親犯かと思った


99 名無し 2013/04/20(土) 21:59:44.23 ID:Na+haFar0
こう言うキチの家系をどうにかするには>>1はどうするべきだと思う?


101 名無し 2013/04/20(土) 22:00:53.23 ID:wSz7pkWF0
>>99
自立
自分のカネだけで税金払い、飯食ってアニメみる
これが出来れば人間死なない

>>99
俺自身がそうだから何も言えないな
なにかきっかけが無い限り何もかも無理だと思う
中学校の同級生とかはかなり犯罪に手を染めてるっぽい
特に薬物販売関係が多いみたい
今は合法ドラッグとか
下っ端の店員から元締めまでいろいろみたいだ
俺は一切やったことないけど


106 名無し 2013/04/20(土) 22:04:36.40 ID:cjEz++mD0
どーでもいいけど子供は作るなよ
孤独に死んでいけ

>>106
そのまえに結婚もしないだろうし
きちんとそういうことがある場合は避妊してるよ
親はそういうのにはうるさかった
子供は作るなとか
小学生の頃にコンドームのつけかたとか親父にやらされたし


118 名無し 2013/04/20(土) 22:11:08.27 ID:hqgLtazW0
関係ないかもやけど
子供に盗みさせてる場面見ると凄い気分悪くなる
それを注意出来んかった自分にも気分悪くなる

>>118
子供に盗みをさせてる親はめちゃめちゃ多いよ
もちろん場所にもよるだろうけど、うちの地区とかは親が
万引きのテクニックとかあの人はGメンとかそういうのを「教育」してた
おじさんの家に来てからはじめてニュースとか見たけどたまに
親が子供に万引きをさせて逮捕された事件とかあるよね


119 名無し 2013/04/20(土) 22:11:12.99 ID:ulXpBXw80
どっかで見たことあるなと思ったらこれだった


414:名無しの心子知らず:2011/12/31(土) 14:10:33.61 ID:ynIOYRN7

高校生の時に3年生に万引き旅行一家がいた
旅行行く度、ほぼ手ぶらで出発、着替えの衣類は現地で調達
車内で飲食するものも現地で万引き
もちろんボストンバッグも万引き
食事はファミレスなら食い逃げ
子供が産まれる前から万引き旅行が当たり前だったので3年生の先輩も旅行先では万引きが当然らしい
普段は凄く真面目なんだけど「旅行先では万引きしても逃げ切れるし観光客は観光地にお金を落とす神様だから万引きも許される」みたいな感覚の持ち主だった
私と先輩は部活が一緒だったけど「お土産のお菓子も1箱もってしばらくウロウロしてたらみつかんないよー」と話していてその場にいた全員がドン引きした

先輩は県外の良いとこに就職も決まっていて最後の家族旅行だったんだろう、ハメを外しすぎたようだ
母親がデパートでアクセサリーを万引きして捕まって、引き取りにきた家族全員が未会計のものを大量にもっていて 中学3年生の弟は値札タグがついたものを着ていたそうな

先輩は停学、入社取り消し、自主退学
中学3年の弟も良い高校に推薦入学が決まっていたのに入学取り消し
父親は年齢の割に出世はしてなかったけど会社クビ
母親は万引きが見付かってクビになったのはお前のせいだと離婚され身ひとつで追い出されたそうだ
父親と子供2人はいつの間にか引っ越した

冬休みになると思い出す
「子供の就職が決まった記念に素敵なアクセサリーが欲しかった」らしいがそんな万引き記念品持ってて嬉しいのかね

>>119
読んだけどこの家はまともなんじゃない?
万引きとかの点はうちの家で異常だけど
ちゃんと働いてるみたいだし


122 名無し 2013/04/20(土) 22:12:09.40 ID:szjQ+YbZ0
ナチュラルに壊れてる人間が一番怖いんだな
DQNみたく反発してああなるほうがまだ人間味があるわ


128 名無し 2013/04/20(土) 22:17:14.24 ID:h/9TzWGLP
>>122
何か違和感あると思ってたらこれだ
この>>1は淡々としてて怖い


125 名無し 2013/04/20(土) 22:13:12.17 ID:54hYNaqBP
文化の違いって奴やな


126 名無し 2013/04/20(土) 22:14:16.11 ID:vXko1I9Y0
まじで日本人か疑わしいレベル


127 名無し 2013/04/20(土) 22:15:49.43 ID:x04A+eZqP
やはり性悪説というか人間て教育と洗脳でどうにでもなるんだな


130 名無し 2013/04/20(土) 22:18:12.07 ID:rxaABB+N0
俺の親父は今は引退したけど本屋やってたんだ

外に児童書とかワゴンで並べてたんだけど通りがかりのお爺と孫がいて
孫「この本ほしー」
お爺「もろとき」
って聞こえて来たって

もろときって

>>130
おじいさんとか万引きしてる人多いよ
今、俺はスーパーで品出しのアルバイトしてるのだけど、
日中の万引きのほとんどがおじいさんだよ
昔自分もああやって盗んでたんだって変に冷静になる
自分が万引きをしてたからこの人万引きするなってのが本当にわかる
店長にすぐに言うようにしてるけどね


149 名無し 2013/04/20(土) 22:33:57.67 ID:スレ主
やっぱりこのネット上でもみんなが考える普通は自分の普通とは全然違うのだなとあらためて思わされる


151 名無し 2013/04/20(土) 22:36:22.68 ID:szjQ+YbZ0
まぁまともになろうとしてんなら別にいいんじゃね
こういう固い話じゃなしにゴミみたいなネタスレ立てて笑かしてくれや

>>151
実生活では結構明るいって言われるのだけどね
ネットだとなぜか自分と向き合う感覚になる
今回はじめてスレを立てるのだけど自分でもマジレスばっかりしてるなと怖くなる


156 名無し 2013/04/20(土) 22:42:54.84 ID:Na+haFar0
運悪くベリーハードで人生始まっちゃったんだからそこはノーマルで生まれた人より努力して何かしらの能力つけて生きるしかないよね
>>1はなんで俺だけって思うような辛いことこれからもあると思うけどさ、まだ詰んでないと思うよ

今のままなんとなく生きてたら詰むだろうけど

>>156
そうなのかなぁ
親はいないけど親代わりの人はいるし、
家もあるし学校にも通わsせてもらってるし、
問題なく生きてるのだけどね
家のことでいじめられたり差別されたりしたことは今のところないからね


158 名無し 2013/04/20(土) 22:43:49.41 ID:Mzchu3Yi0
正直、>>1と両親みたいな家庭は駆逐してほしいな

いくら常識つけたって改心したって、子供の頃の教育がなってないと
迷惑かけまくりの社会のゴミにしかならないし

>>158
そうするには万引き犯とかを全部死刑とかにするしかないんじゃないかな
俺の近所では万引き犯を警察に突き出したらその後何されるかわかんないから
全て無罪放免で出されてたと思う
警察も万引き程度だとあんまり真面目に対応しないし
これはまわりがつかまったり、今のスーパーで万引き犯が表れてもその程度の対応しかしてないのを
目の当たりにしてるからね


163 名無し 2013/04/20(土) 22:51:14.04 ID:ofIjyY5A0
俺もけっこう底辺かと思ってたが認識が甘かったわ


166 名無し 2013/04/20(土) 22:52:26.00 ID:WMYFaRZ80
自分の持つ常識が他人の持つ常識と違うってのは辛いだろうね
人並みの感情とか罪の意識、良心の呵責とかも持ち合わせているだろうに
それが悪いことって知らないだけなのにな
その知らないってことが大問題なんだけど……

>>1みたいな人を矯正、一般的な常識人にするのは骨折れそうだよね

>>166
俺はわからないのだけど俺は人にあれやこれや言われて暴れるタイプじゃなかった。
もちろん人並みに納得いかなったり怒ったりすることもあるのだけどそれは「常識の範囲内」と言われた。
たぶん保護観察官?とか警察官とかそういった人たちが苦慮するのは怒ったら手をつけられない
人が多いからだと思う。うちの両親は激昂することととかなかったけど、
小学校の時の知り合いの友達の家族に連れられてファミレスに行って食い逃げしようとした際に
「お客様、お会計がまだですが…」って言われた際に食い逃げする気満々だったのに一気に切れて
「何やワレ!!!!うちらのこと食い逃げする気呼ばわりするんか!!!!??殺すぞ!?!?」
ってなってそのあと3時間に渡って店員全員怒鳴り散らしてエリアマネージャー?みたいなのまで来て
平謝りで結局5万円を別途もらって、帰りの車でその話をケラケラ話してた。(俺と友人はその間ゲーセンで遊んでいた)
ゴネればなんでもわがまま通るっていう風に思ってる人が多い。


182 名無し 2013/04/20(土) 23:10:52.12 ID:Q2MOFeZc0
好きな本教えて

>>182
五体不満足
高校に入って初めて本をちゃんと読んだのだけど、
おじさんがこれ読めって言ってきて読んだのがこれだった。
特別感動とかしたのではないけどへーって感じでなんか新しい感覚が入ってきた感じだった
だから池袋で乙武さんを見たときは声をかけたくなった


193 名無し 2013/04/20(土) 23:25:01.83 ID:kOv9o8a50
おじちゃん大切に


195 名無し 2013/04/20(土) 23:31:03.49 ID:oqFh6ZYCO
文章読むとまともだわ
おじさんに感謝だな


197 名無し 2013/04/20(土) 23:33:43.21 ID:mkefi0hr0
いろいろ悪いことしてきた、っていういろいろがききたいのに
ファミレスくいにげ、万引きくらいじゃん
創作かと思っちゃうよ

>>197
自分自身がやったことしてて暴力系は全くない
中学の同級生の伝聞とかになってしまう
基本的に親の影響もあってパくる系ばっかりになる
地方旅行に行ったら個人商店っぽいレンタルビデオ屋で新作DVDを借りまくってヤフオクに流すとか


206 名無し 2013/04/20(土) 23:43:11.46 ID:mkefi0hr0
>>
身分証明書はどうやって偽造するの?
個人商店?でもいると思うけど

>>206
親はそういうのたくさん持ってた
知り合いが作ってくれてたっぽい
同じ免許証でも生年月日を変えたのをたくさん持ってた。
そういうのを使っていろいろやってたっぽい。
地方に行けば通報されてもわざわざ遠方まで探さないからまずつかまらないって親は言ってた


198 名無し 2013/04/20(土) 23:36:19.48 ID:fkqKW1QaT
トンキン人も悪いこと、他人を困らせることと分かってて平気で傘盗むじゃん
それが行き過ぎるとこうなるんだろ
まあまともになれたみたいでよかったな

>>198
それは結構ききたいことだった。
普通っぽい人とか育ちの良い人っぽいひとでもへっちゃらで傘をぱくったりするよね?
あと、家の近くにすごい名門大学あるのだけどそこの学生が普通に優先座席に座ってたりする
ああいうことをするのは世の中的にそんなに悪くないことなのかな?
そういうのもいちいち考えないとわからない

200 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(-1+0:15) 2013/04/20(土) 23:37:58.43 ID:AtJ1lCiW0
壁を判ってて超えることと認識せずに超えてしまってるのとは大きく違うと思うよけどね。


203 名無し 2013/04/20(土) 23:41:31.21 ID:ahTdi8NJ0
まともなおじさんいてよかったな。
専門学校いかせてもらうなんて感謝しなきゃ。学費だけでも相当なもんだぞ

>>203
そうだね。それには本当に感謝してる。


211 名無し 2013/04/20(土) 23:47:34.93 ID:zTOlXyn6O
これってBならまだ警察の環視下だけど、Zだったら公安環視下のレベルだな
まあ今は環視カメラも高性能になってきたし、顔認証も上がってきたからな
お前に俺がおばあちゃんからもらった言葉を教えるよ
「誰も見てなくても仏様はちゃんと見てるから、悪い事はしちゃダメだよ」


214 名無し 2013/04/20(土) 23:53:45.28 ID:CBswSauV0
>>211
俺は教師に言われた誰も見てないと思っても自分だけは見てる
が効いた


239 名無し 2013/04/21(日) 01:00:53.18 ID:スレ主
人身事故を装うことはまわりで結構あったな
レンタカー借りてそれで知り合いの子供を軽くひいて
毎日接骨院通わせて保険料をもらうとか
子供を引いた時の方が慰謝料が出やすいとかなんとかで
親同士と本人に承知させてやってたっぽい
それをやったやつはひいてもらえたからDS買ってもらったりしてた
一度ミスったことがあったらしく下級生の一人が強くひかれてしまって
ひざ下が後遺症でうまくうごかなくなったことがあった


241 名無し 2013/04/21(日) 01:05:28.56 ID:スレ主
世の中走ってる車の3~4割が未保険の車だと知ってびっくりした


246 名無し 2013/04/21(日) 01:14:12.69 ID:スレ主
自分の家から遠いけど友達と岸和田のだんじり祭りを見に行ったことがある
あの時になんとなく自分の地区と近い臭いを感じたことがあった
よそもの俺らは歩道からすごい勢いで来る神輿を見て喜んでいたのだけど、
横のおっちゃんが凄い勢いで話しかけてきて、今来た神輿の上におるやついるやろ?
あいつ人殺して最近出てきてん、とか、あそこの兄ちゃんはレイプで2回捕まってるで、元気が有り余ってるから
今日もフィーバーしとんなとか色々言ってきてくれた。
そういう話を普通にする時点でこの町も自分の町といっしょなんだなと思ったことがあった


247 名無し 2013/04/21(日) 01:15:25.17 ID:スレ主
今気づいたけど日にちをまたいだからIDがかわってるのか。
もう読んでる人はいないのかもしれないけどスレ主が昨日のIDです


251 名無し 2013/04/21(日) 01:28:59.63 ID:LS6Zi3Ir0
非常に面白い話だ
言ってみれば今まで洗脳されてたようなもんだよな
適応するのは大変だろうけど頑張ってね

あと、>>1の反抗期は遅れて来そうだなw
従順なタイプには多いんだよ


261 名無し 2013/04/21(日) 02:17:17.75 ID:65YsPqeg0
>>1
運よく普通になるチャンスに恵まれたんだから
この機会を大切にして普通になれよな
両親が捕まったのは辛いかもしれんが






とある、ヨーロッパの国に留学してた時の話を。

まぁ言葉もままなら無い頃、よく日本人の友達を家に呼んで飲んでたんだが。
俺の家は屋根裏で、大き目の丸窓から地下鉄の出口が見える。 
エスカレーターだけでモロに出口専用なのだが、怖いのは、たまに夜中過ぎに意味もなく動き始めること。 
夜中なもんだから車どおりもなく、音が良く響いて「ブーン」ってなるんだが、これが怖い。
たまに丸窓から覗いて確かめるんだが、これが誰もいない。


まぁそんなことがたまに起こる程度だった。

ところがある週末、いつものように友達を呼んで飲もうと思い、一番仲の良い画学生に連絡をした。
今ちょうど別の友達と飲んでたらしく、家に来るとのこと。

一時間ほどして、そいつが来たわけだが、連れはなんと可愛い女の子。
同じ学校で唯一の日本人で、俺は羨ましいと思ったのを良く覚えている。
で、その3人で飲み始め、芸術や最近のこの町のことを語ったりしてた。(俺は美術史の学生だった)

12時を過ぎ終電が無くなり、治安もあまり良くない場所なので、いつものように「泊まってけ」と言って、また再び飲みだした。

丸窓の傍でタバコを吸っている俺の友達が、「エスカレーター動いてるぜ」と。
時計を見たら2時過ぎ。
またかと思い、「たまにあんだよ」と説明した。

するとつれの女の子が興味をもったらしく、「どれどれ」とその丸窓を覗いていた。
「本当だ」と、なんだかはしゃいでいた。
俺は俺で酒を飲みながら、「独りでそれがあると怖い」だのと、あーでもない、こーでもないと話していた。
実はその娘が気に入りだしてたわけだが。

しばらく覗いている彼女が、ふと「誰かいるよ」と言って俺を呼んだ。
「まさかぁ」
酔っ払いかなんかだろうと、隣から覗くと誰もいない。
「いないじゃん」
そういって彼女を見ると、「いないねぇ」と。
俺の友達も「誰もいるわけ無い」と言って、タバコをふかしていた。

俺はトイレに行き、友達はタバコを吸い終わり、部屋で飲み始めた。
ところが、ずーっと覗いている彼女が、いきなり「あっ!」と小さく叫んだから、二人ともびっくりして「どうしたん?」と聞くと、「二人出てきたよ。お母さんと子供かな」

んな馬鹿なと思い、覗いてみるがやっぱりいない。
「いねーじゃんか」「そういう冗談好きなのか?」「こえーから止めてくれ」
だの散々愚痴った挙句、俺は眠くなったのでそのまま寝てしまった。

翌朝(むしろ昼近くだった)起きると、俺の友達は眠りこけてたが、彼女がいない。
まぁ始発か朝方にでも帰ったのだろうと思い、気にはかけなかった。
が、別の意味で気にはなってたので、その夜電話した。

電話して、昨日どうしたのか聞いてみると、『寝れなかったから朝方早めに帰った』とのこと。
やっぱそうかぃと思い、どうでもいいような事を一通り話し、なんとなく今度二人で遊ぼうと約束した。
電話を切ろうとした時、『エスカレーターさ』と話してきた。

なんであんなエスカレーターの話を引っ張るのか?
その時は不思議で仕方なかったが、「今日も動くかもなぁ」と冗談交じりで話すと、『今度動いても、あまり覗かないほうがいいよ。見付かるよ』と、彼女が低い声で言った。
あまりに低い声で言うものだったから、その時は「マジで俺はびびりだから、そういうのは止めてくれ」と、ちょっと本気で頼んだことを覚えている。

で、それから3日後、二人で会うようになり、その日は彼女の家にお邪魔した。
俺は料理が出来るので(彼女が料理がまったく出来ない)、俺が夕食を用意して二人で乾杯をした。

それ以来、俺は彼女と付き合うようになった。
俺の画学生の友達は偉く無関心で、「あっそ、おめでと」ぐらいしか言わず、それからもよく家に来て飲んでたのを覚えている。

ところが、その交際も実はあまり続かなかった。
付き合い始めたのが、ちょうど今頃1月か2月だったから、半年程度。
理由は、いきなり彼女が日本に帰国したからだ。
帰る間際には相当痩せこけていたのを覚えている。
その時は「やっぱり俺がいても寂しかったのかなぁ」と、あぁでもないこうでもないと、俺を捨てて帰国した理由を考えていた。
帰国前の二週間ほどは、殆ど会ってもらえなかった。
おかげで別れもろくに言えず、今もちと引きずっている。

ただ余りに逃げるように帰ったので、俺は相当荒れた。
まぁその画学生の友達と、「女なんかどうでもいい」だの、「あんな身勝手な奴だと思わなかった」だの、愚痴りまくっていた。
友達は殆どうなずくだけで、あまり何も言わなかったのを覚えている。

それから半年して、ちょうど一昨年の今頃、それから別の国のアート学校にさらに留学した、その友人からメールが来た。
『彼女が入院した。』
なんでも、怪我とかじゃなくて精神的なものらしい。
たしかに付き合ってた頃も結構不思議な子で、金縛りや、独り言は日常茶飯事で、年中うなされたり、ひどいと叫んだりしてたのは覚えていた。
ただそこまで酷いとは思っていなかったので、かなりショックを受けた。
その時は、日本に帰って様子だけでも見に行くべきかと思ったが、悲しいもので、学校の単位的にも金銭的にも、日本に帰ることは出来なかった。

それから半年して、夏休みに一時帰国することがあったので、そのついでに彼女の実家の広島まで行ってみた。(俺は東京なので、交通費がかなりきつかった)

住所を頼りに実家を訪問した。どうも様子がおかしいなと、彼女の実家の前で思ったことを覚えている。
と言うのも、なんて説明したらいいか分からんが、なんか色がくすんでた気がした。
インターホンを鳴らすと、彼女の母親が出てきた。
俺を一目見ると、「あなた、○○さん!」と、ほぼ叫んでた。
いきなり叫ばれたのでびびったが、やっぱりその時も変だと思った。

家に入れてもらい居間に通され、彼女の容態を聞こうと思ったとき、愕然とした。
仏壇に彼女の大きな写真が、そして線香が焚かれていた。
俺はマジで混乱して、どういうことか把握できなかったから、「どうしたんですか!」と叫んだ。
叫んですぐさま思ったのは、自殺したんだろう。

案の定、入院先から逃げ出し街まで出て、とある雑居ビルから飛び降りたらしい。
その時のことは、正直俺も記憶が今でもあやふやだ。
ショックだったし、なにより、やり直すつもりでそれなりの覚悟をしてたからだ。
理由を彼女の母親に尋ねるも、病院に入院していたこともあり、精神的なものだとしか聞かされなかった。

結局、日も限られていて、墓参りをした次の日には東京に戻り、その一週間後にはまた自分の留学先に戻った。

留学先の自分の屋根裏のアパートに戻ると、手紙が届いていた。
なんと彼女からだった。正直、生まれて一番びびったかもしれない。
封筒を開けると、酷いものだった。錯乱していた。
辛うじて内容はつかめたが、本当に荒れた字だった。

わたしはしぬ。あれからずっとおいまわされてる。
げんじつにもゆめにもずっと、あのおとと、あのふたりがついてくる。

読める範囲で理解できた言葉はそれだけだった。
ただ、デッサンが同封されており、なんてことは無い、俺のアパートの丸窓だった。
俺はあまり泣かないほうだが、この時ばかりは泣いた。
15年ほど前にオヤジが死んだときも泣いたが、それ以上に泣いた。

それを機に、急遽帰国して今に至るわけだが。
帰国する前に、他国へ留学した画学生の国に遊びに行った。
相変わらず飄々としていたが、起こったことをすべて話すと、「黙っていたことがある」といって語り始めた。

なんでも、彼女が俺の家に初めて来て以来、ずっと変な親子に付きまとわれていたと言うこと。
なんとなくは予想していたが、当時は本当にそんなことがあるとは思いもしなかった。
思えば、付き合った半年、後にも先にも彼女はその一度しか家に泊まっていなかった。
俺にそれを黙っていたのは彼女の思いやりらしく、その画学生の友人も約束を守り続けていたらしい。

そしてそれを聞かされあと、俺は留学を取りやめ、完全帰国することを打ち明けた。
すると、「実はもう一つ黙っていたことがある」といい、「俺も見たんだ、実は」そう続けた。
「彼女の言っていた母親と子供を見た」そうも言った。
いきなり言われたもんだから、信じれなかったが、「俺もそれ以来ずっと付きまとわれている。
それから、あのエスカレーターのブーンとか言う変な音も」
そう言うと、いきなり怖い顔して俺にこう言った。
「日本に帰るまで、どんなことがあってもあのエスカレーターに近寄るな」

帰国のための荷物を手っ取り早くまとめ、飛行機のチケットを手配し、逃げるようにして日本に帰ってくるわけだが、帰る前に、彼女との思い出の場所やらなんやらを一通り巡った。

その国での最後の夜に、ちょうど2時過ぎ頃、彼女が丸窓を覗いた頃、エスカレーターがブーンと鳴り始めた。
友人の忠告も無視して俺は覗いた。しかもずっと、そのエスカレーターが止まるまで見続けた。
なにもない。なにもいない。

この話は、ここで終わる。
俺は幸いその親子に付き纏われずに日本に戻り、普通に仕事をして暮らしている。
ただ、この話には、一つだけ今でも俺を悩ませている事がある。
それは、実家に着くと俺宛に届いた、画学生の友人からの一通の手紙である。
そこには、今から自殺すると言うこと、探さなくて構わないということ、そして……


368:本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火)14:43:15ID:/kWWBoHz0
俺が彼女と付き合っている間に、彼女をレイプしたらしい。
そして、それ以来、段々と彼女がおかしくなったと言うことが書かれていた。

それを読んだとき、俺は彼女が俺宛に遺した手紙を引っ張り出した。
最後のどうしても読めなかった一文を、やっとその時読むことが出来た。
『ごめんなさい、本当にごめんなさい。』






390 :本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 04:58:02.15 ID:PYf8DH1Y0
数年前の話です。

うちの旦那はトラックのドライバーをやっていて、月の半分以上は家を留守にしています。
その頃長女が生まれたばかりの私は、育児とアルバイト、家事と留守番に追われ、
毎日ろくに睡眠も取れず、少しノイローゼ気味にイライラと暮らしていました。
その頃住んでいたうちは1LDKの古いタイプのアパートで、隣人の騒音も酷く、
それも寝不足とイライラの原因だったことを覚えています。
また、逆に長女の泣き声で隣人らを悩ませたりすることも多く、
夜鳴きが始まると、時間に関わらず赤ちゃんをかかえたままアパートの中庭や路地に出て、あやしたりしていました。

そんなある日、矢張り夜鳴きが酷く、時間は夜の1時前後だったかと思いますが、
アパートを出て暗い路地で赤ちゃんを抱えてあやしていました。
あやし始めて半時もすると泣き止んで寝付きはじめたので、部屋へ戻ることに。
赤ちゃんを奥の寝室にあるベビーベッドに寝かせ、自分はリビングの椅子に腰掛けると、
あまりの疲れと寂しさから暫くぼーっとしてました。
電灯も点けることもせず、牛乳の入ったグラスを片手に、
ただ遠くに聞こえるトラックの走る音を聞きながら、街灯の灯りが差し込むだけの暗い部屋でぼんやりとしていました。

すると、何処からかキシキシと金属を擦りあわすような音がかすかに聞こえてきました。
最初は気に留める余裕すらなく、
表通りから聞こえてくる車の往来の音に混じって、雑音程度にしか考えてなかったのですが、
あまりにも音が続くことから、ネズミや虫だったらいけないと、首だけ回して音の元を探し出しました。
音はどうも、今自分たちが入ってきたドアの方から聞こえてくるようです。
かといって立ち上がって探しに行く気力もなく、何だろう?とドアの方を見ていると、
キシキシっと言う音が暫く続いたあとに、ロックの摘みがゆっくりと回りだしました。
ピッキングだ!!!さっき入るところを見られたのかもしれない。
赤ちゃんと自分の2人だけと言うことを知っているのかもしれない。
心臓が急に強く胸を打ち出しました。


391 :本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 04:59:46.65 ID:PYf8DH1Y0
牛乳がこぼれ出すほどグラスを持った手が震えだし、
かといって声も出ず、ただただゆっくりと回る摘みを見ていました。
いけない、何かしないと。
焦る気持ちと裏腹に、疲れきった体を動かせずに、私はただただゆっくり回り鍵の摘みを見ていました。
そのうちにカチリっ音がして、摘みが完璧に水平に。ロックが完全に外れたことが見て取れました。
慌てて視線だけでチェーンを見ると、忘れずにかけていたようでほっと息がもれました。
今のうちに椅子から立ち上がって電灯だけでも点ければ退散するかも、
そう考えても固まった体は腰を上げることが出来ず、ただからだの体の震えが増す中ドア見つめていました。

すると、取っ手がゆっくりと回り、ドアがじわじわと開きだします。
外の灯りが暗い部屋に細く差し込んできました。
私は過呼吸ばりに荒い息を口を押さえて押し殺しながら、体の震えを抑えるように脇をしめながら、
お願いだからチェーンに気付いて引き返してくれと祈っていました。
ドアがゆっくりと開かれて、しかしチェーンが伸びきったところで止まります。
お願いですから帰って下さい、ここへ入ってもお金も何もありません。
私は心の中で顔の見えない侵入者に哀願していました。

すると、その願いを聞き入れたように、
伸びきったチェーンを確認したところで、ドアが音もなくゆっくりと閉じられました。
今だ、走っていってもう一度鍵を閉めなくては。
私は動かない下半身を持ち上げるように、テーブルに肘をつきました。
すると、またドアがすーっと開きました。
ああ、諦めたんじゃなかったんだ。
私は軽い絶望を覚え、しかし体は動かすことが出来ずにただドアを凝視していると、
開かれた隙間から、鈍く光る大きなペンチのようなものが差し込まれてきました。
駄目だ、これでは殺されてしまう。
そうだ、赤ちゃんを守らねば、最悪自分はどうなろうと娘だけは何とか。
私は内にたまったパニックと普段の抑圧を解放するように、大声で叫びました。
自分はどうなってもいい、近所づきあいなんてどうでもいい、ただ娘のために叫ばなくては。
多分声になってなかったと思います。
同時に、牛乳の入ったグラスをドアに向かって力いっぱい投げつけました。


392 :本当にあった怖い名無し:2011/11/09(水) 05:00:50.31 ID:PYf8DH1Y0
グラスは偶然にもペンチに辺り砕け散って、ミルクが辺りに飛び散ります。
するとペンチがドアの向こうの持ち主を失ったかのように、玄関へ半身を覗かせたままゆっくりと落下しました。
そしてドアの向こうで誰かが慌てて走り去る音がし、人の気配が漸くなくなりました・・・。

その後、私は玄関のドアへ這いよりペンチを外へ放り出すと、取っ手を引っ張ってガタガタと震えていました。
隣の大学生が私の叫び声に驚いたのか、途中まで様子を見に来たようですが、
ノックをすることもなく引き返していく様子が見えました。
例え彼がノックをしても、私には答える余裕もなかったでしょう。
私は飛び散ったグラスで足を何箇所か傷付けながらも、ただただ取っ手を引っ張ってガタガタと震えていました。

1時間はそのままだったでしょうか。
平静は取り戻すことは出来そうなかったのですが、震えだけは収まり、
そうだ警察へ電話せねば、また引き返してくるかもと思い110番へ。

ピッキングにあった旨を話すと、ものの数分でサイレンは鳴らさずに回転灯を回したパトカーが駆けつけてくれました。
私は警察官の顔を見てから、ただ涙が止まらず嗚咽を吐き続けました。
泣くと赤ちゃんにまで伝染してしまうと思い、声を出せずただ嗚咽を絞り吐き続けていました。
ペンチと幾つかの工具類がそのままドアの外に残っていたらしく、警察の方らが押収されていき、
それが後の逮捕に繋がったと聞いてます。
捕まった男はピッキング強盗の常習犯で、余罪には強姦殺人もあったそうです。

これが私の人生最大のほんのり怖いお話でした。









935:本当にあった怖い名無し[sage] 2007/07/31(火) 17:37:57 (1/6)

胸糞の悪いレスのせいで胸糞の悪いことを思い出したんで貼っておく

小学生の頃、俺は親友のA、Bとともに農業学校で肝試しをやったことがある
俺とBは凡人だったが、Aは霊感があったようだし、可愛い幼馴染がいたりで只者ではなかった。
彼は率先して怪奇現象に関わるような気質があって、今回話す事と別の事件で小学校で怖い目にあったりもした。

農業学校は広大だった。
田舎とはいえ、近くには駅とか住宅街もあったんだが、その学校の周りだけは妙に森深く、
特に実習用の畑の真中にいるとまるで北海道かどっかの草原にいるように思えた。
恐らく、まだ町が開発され始めたばかりの頃に開校したんだと思う。
学校の帰り道に近道として大学を突っ切る事もあったが、
暗く、人気の無い、背丈までもある雑草に覆われた畑を通る事は当時の俺にも恐ろしかった。

Aが肝試しの場に選んだのは農業学校の中にある古びたコンクリート造りの建物だった。
学舎や学生寮からはグラウンドを隔てて、実習畑の近くの森の中に立地していた。
用途はわからない。正面ドアのところに木の札が合ったが字が風化して読めなかった。
ガラスは所々割れ、そこには合板が張り付けられていた。たまに開いたそこからは暗い中が少し覗けるだけだった。

俺たちはAの家に泊まり、夜中に出発する事にした。
Aの家族はこの馬鹿な行動を容認してくれた。今思えば阻止してくれれば良かったと思う

俺たちは小学校脇から森に入り、沢を渡って実習畑に入った。
灯りはAが持ってる懐中電灯しかなかったが、満月な夜だった。
草むらを踏み分け、馬鹿な話をしつつ、建物に向かう途中、一度Aが「誰かにつけられてる?」と言った。
立ち止まって周りを見回したが草むらの中には誰も見えなかった。

こんな学校の中で追跡してくる奴なんているはずないし、野良猫かなんかだろうと納得したが、
俺も森の中に緑色の不可解な光を見たような気がしていた。
怖がってると思われるのがイヤで言わなかったが。そんなこんなで一応、無事に建物には着いた。

正面ドアは封鎖されていたし、窓は合板に覆われていたので、どうするのかと思ったが、
俺たちはAに促されて裏側に回った。そこには非常階段があった。
登ると、建物の屋上に出た。そこには二つの非常口があって、片方は鍵が開き、半ば開いていた。
中にはいるとちょっと自分達が建物の二階にいることが分かった。

二階は講堂を見下ろすような場所だった。
どうやら建物は5つのフロアに分かれているらしく、講堂とその二階、中央に玄関、
そしてもう一つの部屋とその二階があるらしい。
俺たちは下に降り、パイプ椅子が散乱する講堂を調べたが、あまり面白いものは無かった。
俺たちは強がって「大したことないなぁ」などと笑っていたが、
中央玄関への扉があいている事に気付いた。なんでも前に来た時は開いてなかったらしい。
そこで、Aもまだ行っていない奥のフロアに行ってみようという事になった。

玄関ホールは下駄箱くらいしかなかった。奥に進むと、机が大量に置かれている部屋があった
置かれているというか、学校の教室掃除の際に机を後ろに動かすのを乱雑にした感じで、
部屋の中央に机が無ければ言いといった感じで滅茶苦茶になっていた。
そして部屋中にはエロ本が散乱していて、悪臭が漂っていた

本は無修正の裏モノばかりで、今思えば”ロリ”ものばかりだった。
俺とAはマセガキだったので当初の目的を忘れ、喜んで読み始めた。
そういうものにあまり興味の無いBだけは懐中電灯の周りを退屈そうにうろついていた。

何分ほどたった頃だったか。
Bが帰ることを促し始めた頃、遠くから不気味な、唸り声のようなものが聞こえてきた

Bが「オギソだ!」と言った。
当時の俺にはバケモノの名前にしか聞こえなかったが、
実際には小木曽という地元では有名な障害者の名前だったらしい。

俺はオギソなる人物の詳細は知らなかったが、声からしてヤバいのは子供ながら理解できた。
だが、俺たちは建物の中にいたのでビビりつつも、少し余裕はあった。
「オギソがいなくなるまでエロ本読んでいようぜ」とBにエロ本を読みつづける口実を与える事も出来た。

だが、状況は予想より悪かった。
オギソの声は全く遠くなることはなかった。
それどころか少しずつ近付いてきた。
そして、あろうことか我々の頭上からドアノブを回す音が聞こえてきた。
鍵が開いてなかったもう一つの扉を開けようとしていたのだ。

俺たちは完全に萎縮して、懐中電灯を消して黙り込むくらいのことしか出来なかった。
幸い、彼も鍵を持っているわけではないらしく、ドアは開かなかった。
だが、奇声は止まなかった。そう、俺たちが侵入したもう一つの扉は開いているのだ。

俺たちは息を潜め、隠れる場所を探した。こうなった以上、講堂から逃げることは出来ない。
散乱している机の中にも隠れるような場所は無い。この階の二階に隠れるしかなかった。

講堂と同じく、二階は下の机が散乱した部屋を見下せる構造になっていた。
逃げようと思ったが、オギソが開けようとしていたドアは大量のガラクタに塞がれて開かなかった。
俺たちは息を潜めてガラクタの隅で小さくなっていた
二階には隠れられそうな物陰も無く、覗き込まれたら即座にアウトだった。

やがて、奴の声が遂に部屋の中に侵入してきた。
天井に懐中電灯の光が映るのが見えた。
もちろん俺たちのものではない。オギソの懐中電灯だった。
俺たちを探しに来たのか?と思う。俺たちは既に半泣きだった。
ただ、声は出さず、息も最低限に抑えていた。
下でオギソはなにやら作業をしているようだった。
椅子を激しく蹴り飛ばす音や、何かをする音が聞こえていた

突然、オギソとは違う叫びが響いた。その声は女、しかも俺たちと同じ年頃くらいの声だった。
ぎゃーぎゃーと、泣き声で、今思えば「痛い」とか「助けて」とか叫んでいたように思える。
下で何か、蹴ったり叩いたり、それだけではない不気味な音が沢山聞こえたような気がした
だが俺たちは萎縮しきっていてそれを確かめる事は出来なかった。
そのまま、何時間もオギソと、その女の声を聞き続けることしか出来なかった。
女の声は途中で止んだように思えた

女の声が止んでからどれだけ経ったか、オギソがようやく動き始めた。
行きと同じく、机を蹴り飛ばしながら、ドアノブを滅茶苦茶に回しながら。
声は少しずつ遠ざかりながら、そして俺たちの隠れている二階の近くの屋上を通って、そしてまた遠ざかっていった。
最初、俺たちは動かなかった。罠に思えたのだ、そのまま何時間もそこにいた。
そしてやがて、眠っていた。

眼を覚ますと、窓に打ち付けられた合板の隙間から光が見えた。もう朝だということが分かった
オギソの声ももう聞こえなかった。俺たちはようやく立ち上がると、一階に降りた。

そこには血と、大量の汚物が転がっていた。それだけだった。
女がどこにいったのかは分からなかった
俺たちは皆、そこで吐いた。
そして、何か悪い事をしたような後味の悪さに襲われていた

結局、俺たちは無事に家に帰ることが出来た。Aの親にも何も言われる事は無かった。
オギソを見たという話もあまり聞かなくなり、俺は一度もオギソを見ることは無かった
だから、俺たちはあれを秘密にすることにした。

一つだけ忘れられないTV番組がある。
それは他愛も無い番組間の地方ニュースだった。

アナウンサーが俺たちの住む町の近くで同年代の女の子が行方不明になったことを知らせていた。

以上です





オカルトランキング

↑このページのトップヘ