【閲覧注意】怪談の森【怖い話】

実話怪談・都市伝説・未解決の闇・古今東西の洒落にならない怖い話。ネットの闇に埋もれた禁忌の話を日々発信中!!

タグ:山



691 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2005/11/25(金) 00:25:36 ID:MHsaDjSl0
かつて、死んだ家畜は山へ捨てていたという。
どういった理屈によるものか、水源近くの急流に投げ込み、
死んだ家畜が、災厄をもたらすのを防いでいたと聞かされた。
今では家畜以外のペットなども、死ねばそこへ捨てているという。

捨てるという表現はどうかと思うが、地元でそう表現するにはやはりそれなりの理由があるのだろう。

死んで捨てられた動物が、夏の盛り、水浴びをする。
急流に首まで漬かり、暑さをしのぐ。
それを見たら、桃の実を穴に投げ込むよう言われた。
動物が追いかけてくるからね。
桃はどこに?
穴はどこに?
行けば分かるというのが、答えだった。

水浴びが行われる急流脇に、テントを張った。
今夜あたり水浴びするんじゃないかと、皆、そう言っていた。
見られるものなら、予定を変更してでも、それを見たいと思った。
見えなくても、それで良いと思った。

崖の下に桃の木が植わっていて、青い、小さな実をつけていた。
よく枯れずにいるものだ。
穴はそのすぐ後ろだ。
奥行きは2メートルもない。
穴というより、えぐられた跡のようだった。


692 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2005/11/25(金) 00:26:20 ID:MHsaDjSl0
夜中、テントから出て急流を覗き込んだ。

急流の中、数知れない動物が流されもせず、水面から頭を出していた。
身動きもせず、牛や馬、山羊、鶏、犬などが水に漬かっている。
流れが乱れるわけでもない。
激しい流れの中、多くの動物の頭が静かにあるだけだった。

息を呑むとか、不気味とか、そういった感覚ではない何かが胸を打ち、涙がこぼれそうだった。

頭だけの動物たちが静かに動き、桃の木の後ろにある穴に消え、やがて全ての動物が穴に入った。
桃の木から小さな実をもぎ、穴の中に投げ込もうとした。
穴の中には何もいない。
動物の臭いさえない。

投げ込もうとした実を、そっと穴の奥へと転がした。
何かが心のどこかを満たし、今度こそ、涙が溢れた。











314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 05:41:49.73 ID:EjI2Qk480
山は怖い、何が怖いって幽霊とか動物とか天候とか色々あるけど
一番怖いのは人間。
お前ら山とかいって開放的になるだろ?すがすがしいな~ってなるだろ?
あれは一種のボーダーラインを越えそうになってるから。
町とか村とか人間が作った物に守られ続けてる人間ほど開放的になりやすい。
それってつまりタガが外れてるってことだろ?どんなにすがすがしくても
町のど真ん中で背伸びしたりすがすがしいなんて思わないだろ?
ゴミとか落ちてる山とかはまだいい。人工物があればなんとか留まれる。
でも100%の自然はダメだ。狂うってか戻っちゃう、動物に
野セックルとかする人はまさにそれ、当てられちゃってんの山とか森の雰囲気に
遭難とかしちゃうと最悪、無意識に「助けが来ないかも、死ぬかも」って思う
それは動物として当たり前の事なんだけど人間としては戻れなくなる。
コカコーラの炭酸が徐々に抜けてくみたいに常識とかモラルがどんどん抜けてく
そこで死んじゃうのはまだいい。生き伸びるともうひどい。
だからお前等がもしも万が一人間の手が入ってない山で真っ裸の人間を見たら逃げた方がいい。

俺のバアチャンとかは「アガリビト」って呼んでた
バアチャンの住んでるとこでは神様なんだそうだ。
だから未解決事件の行方不明になった人とかってそういう人も中にはいるんじゃないのかなとふと思った


322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 05:44:13.49 ID:2c9lSFW60
>>314
要は気が狂っちゃうってことか。


336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 05:52:13.75 ID:EjI2Qk480
>>322
んー狂うって言うとちょっと違う。
バーチャン曰くむしろ自殺とかしちゃう都会の人間の方が狂ってると言ってた。
確かに俺が見たのはあうあうあーな感じではなくてもっとおだやかな感じ。
ちょっと嫌な言い方だけど電車とかで騒いでるような人みたいなのじゃない。

多分人間の世界から自然の世界への以降みたいなのが重要なんじゃないかな。
確かゴータマシッタールダさんとかも王子だったけど野生の王国に身を落として
悟りを開いたって言うじゃない、バアチャンが言う「アガリビト」ってのはそんなイメージなんじゃないかな。


344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 05:56:18.42 ID:4ayqSC910
>>314
アガリビト に一致する情報は見つかりませんでした。

グーグルにすら引っかからない単語ってすごいな
ありそうな言葉なのに


355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:01:51.24 ID:EjI2Qk480
>>344
うん俺もけっこう興味があって調べたんだけどね、ぜんぜんダメ
ヤフーの知恵袋(笑)とかで質問したことあるんだけどなぜか消えちゃうのさ。
つーかバアチャンバアチャン言ってて申し訳ないんだがバーチャンはその単語を
口に出す事もけっこうためらってる感じだった。
多分俺がココでこんな事書いてるって知ったらめちゃくちゃ怒られるw


367 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:06:15.00 ID:EjI2Qk480
未解決事件とはスレチかも知れんがアガリビトの話していい?


372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:07:37.09 ID:ufdE/wWn0
>>367
wktk


385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:17:42.37 ID:EjI2Qk480
スレチだったらもうしわけないんだが書くわ、少し長文になるけど勘弁してくれ
正直俺も秘密を秘密にしておくのは辛い、正直喋りたくて仕方ない。うん
まぁ特定されない程度に書くけどバアチャンは九州の人間で「古賀」って名字なんだけど
その地方はやたらと「古賀」って名字が多い場所とだけ書いておく。
なんかその地方のけっこうルーツにまつわる話で「古賀」の他にも「新賀」ってのもあったような
きがするけど忘れた、厨房のときの話だから勘弁してほしい。
んで遡ること厨房のときなんだけど近所の渓流で俺は当時はやってたルアーフィッシングをやってたのさ
バアチャンの家に遊びに行ってる時なんて釣りくらいしかやることないから流石に飽きてた俺は
お気に入りのスケルトンGをおもいっきり投げたら向こう岸の林にまで飛んでっちゃって
それを取りに岩を渡って取りに行ったのさ。
今考えればその川がバーチャンの言ってた「境界線」だったんだと思う。


400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:28:56.35 ID:EjI2Qk480
思い出しながら書いてるから遅いかもしれんが申し訳ない。
んで向こう岸までついてスケルトンGを探したんだけど見つからない。
向こう岸の竿から糸をたどっていけばすぐ見つかりそうなんだけど不思議となかなか見つからないのね。
当時小遣いが月1000円だったから2000円のルアーはおれにとって宝物だったから
1時間くらい森の中をウロウロしてたと思う
川からあんまり離れると遭難するから川の音が聞こえる程度のとこをさがしてたんだけれどみつからない。
すると後ろからパキパキって枝の折れる音がした。
なぜか熊とかの野生動物とじゃないかとか不安には思わなかった。
むしろなぜかそこにいないはずの父ちゃんとかバーチャンが
俺を捜しにきてくれたのかな?ってふと思ったのが不思議そんなはず絶対ないのに。
んで振り向いたら人が立ってた。全裸の
普通びっくりすると思うけど超田舎だったから川を真っ裸で泳ぐ人ってのは近所じゃ珍しくなかったのね。
んで俺は「あ、こんにちわ」って言ったのそしたらその人はにっこりわらってこっちを見てるから
悪い人じゃないなって思った。
一緒に探してくれるのかなって思って「ルアーがどこかにいってしまって」と言ったら
「ンー」と言いながら近づいてきた。
俺は周りをキョロキョロしながら歩いてたんだけど
その人は俺の周りを「ンー」って言いながらグルグル歩き始めた。
今思い出したらアシモみたいな歩き方だった。


415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:39:23.61 ID:EjI2Qk480
んでその人が「ンー」とか言いながら岩をふっとどかしたのね。
岩の下を覗き込むようにしながら岩を大切そうに持ち上げたの。

俺は「いやいや、そんなとこにはないですよw」って突っ込んだら
その人は「ンンンー」って言いながらニコニコ笑って俺に岩を投げた。

頭の横スレスレを横切った岩の意味を理解するのに2秒くらいかかった。
その人の顔を見ると目に前々破棄がないって言うかギラギラとした目ですごく怖かった、
まさにこんな感じ→<●> <●>
俺が身構えるとその人は「ギャー」みたいな感じでわけのわかわからない奇声を出した
そしたら周りから声が聞こえた「ンー」「ンー」って沢山。
うわぁああああってなった。いつの間にか裸の人が沢山こっちにあつまってくるような音がした
ペキペキペキって枝を折るような音が沢山周りから聞こえた。
逃げ回ってどっちから自分が来たのか全然わかんなくなった。
怖くなってガタガタ震えてたら遠くでキラキラ光るものを見つけた。
俺のスケルトンGだった。
俺はルアーの糸をたぐって川までたどり着きびしょびしょになりながら家に帰った。
今思い出すと胃の辺りがむかむかする。


428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:49:17.11 ID:EjI2Qk480
んでバーチャンに事のあらましを話したら「坊、それはアガリビトだっちゃ」と教えてくれた。
すまん方言は適当、でもだいたいこんな感じ
アガリビトはイノシシが山を下りて豚になって人間に食われるようになったみたいに
人間が山を「上がって」自然に帰った姿なんだそうだ。
でも生まれつき自然と一緒の動物と違って人間の知恵と自然の力を持つようになった
つまり人から1ランク上がった存在だから神様みたいなものなんだ、と教えてくれた。
その地方の人はアガリビトを本気で信仰してる人もいるからもう行っちゃダメだと言われた。
普通アガリビトは山奥のほうに住んでるもんなんだけど
まだ中途半端ないわゆる「半アガリビト」状態の人は境界線の周りをウロウロすることもあるらしい。
「中途半端なアガリさんでよかったねー本物をみると怖いから」とバアチャンは俺に教えてくれた。
どうなるの?って聞いたら「あがっちゃう」とだけバーチャンは完結に言った。
そこからは村のルーツとか紀元の話だったから退屈で聞いてなかったけど
今思うと惜しい事をしたと思う。


432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:54:00.72 ID:EjI2Qk480
この話を書きながら厨房の時の事を思い出すと
今でも後ろから枝を折るようなペキペキって音と「ンー」が聞こえてくるみたいで
ぞわっとする。

すまんが俺もあれがなんだったのか気になるが会社に行かねば。
からもし良ければ丘板のほうに転載しといてくれるとすごい助かる。

なんか明け方のテンションにまかせた支離滅裂な文ですまんかった。


433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/28(金) 06:54:51.00 ID:m0l6chCH0
>>432
把握

この調子なら仕事帰りまでこのスレ残ってるだろうからまた来いよ


438 : ◆xtcp/2Q/32 :2010/05/28(金) 07:00:05.44 ID:EjI2Qk480
>>433
わかった俺も久しぶりにバアチャンに電話してみる。
っつーか俺今日から出張でw九州行くんだw2日くらい
だからもしかしてバアチャンと直接話せるかもしれないし俺なりにリサーチしてみる。

もしもまた来れたらこの垢で続き書くから待っててくれ


【アガリビト】霊関係でない不気味・不思議な話【未解決事件】

177 :アガリビトの人:2010/05/30(日) 03:41:08.58 ID:q3+qwxM50
すんません、お待たせしました。
まぁ今更ですけど一応この2日の話を簡単に話そうかと思います
垢バレしてるし偽物だと思われるかもだけどまぁ
作り話だと思って聞いてくれればいいです。
午前中にチラチラ覗いてたら偽物が沢山いてビビったw
なんで垢バレするの?単語が簡単すぎたから?
詳しい人おしえてくだしあ


180 :アガリビトの人:2010/05/30(日) 03:49:10.80 ID:q3+qwxM50
今回の出張は昨日新幹線で九州まで行き今日の朝帰宅後すぐに車で富山に行く強行スケジュールでした。
遅れた理由ってか言い訳なんですけど社用車が車上荒らしに会った\(^O^)/
コンビニにリゲイン買いに行ったら車の中がぐちゃぐちゃになってました。
けっこう大切な書類とか駐車場に撒き散らかされててすっごい嫌な汗かきました…
あと社用のノートPCが盗まれて…もしかして公安が…とか思ったけどw
田舎の一風習でなんで公安が動くねんwと思い直しw警察に連絡しました…orz

とりあえず今からバーチャンの家で聞いた事や分かった事をお話しします。








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214: 土着信仰::2009/06/22(月) 04:24:58 ID:tBdN5rFB0
俺文才ないし、誤字脱字もありまくるかもしれないが、カバーしてほしい

えっと、俺の親の実家の墓には、明治以前の遺骨が入ってない
何故かというと、その実家がある山奥の集落には独自の土着信仰があってなかなか仏教が定着しなかったから
というか、明治まで寺という概念がなかったらしい
その『土着信仰』なんだけど、けっこう特殊な物だった
とあるホラーゲームの影響で、俺は学校のレポートの題材にそれを選んだ
そもそも土着信仰とは、外界との交わりのない集落において発生する集団睡眠が発展したようなものだと俺は思っていたから、その『土着信仰』を信じてなかった
正直霊的な物とも無縁だったから、この話を洒落怖スレに投稿する事になるとは思ってなかったけどね
まあ、それでその『土着信仰』は、簡単に言うと山を信仰していたという感じのものだった
その、俺の祖先ともいえる人々が住んでいた集落は山に囲まれたところにある
もちろん海なんて馬鹿のように遠いし、前述のように仏教より土着信仰が定着するような世界だったから
食料はほとんどが山の幸だった

魚も山の川で取れる物、畑も山から流れ出る川の水が必要不可欠であったし
季節の山菜も大切な食糧であった、もちろん猪や熊といった動物の肉も山無くしては得られない
山に支えられて生きてきた集落だったから、独自の『山中心の輪廻思想』が作られた
山の作った糧を得て、生活を営み、死んだら山に還り、山の養分となり糧を生み出すって感じ
そこで、また独自の埋葬方法が生み出された
それについては、後で述べたい


ただ、俺は集落で聞き込むうちに、山が神格化さていた訳ではなく
山に住む神様に対する信仰があり、そこから『山中心の輪廻思想』ができていたと知った
それが問題だった

※土着信仰(どちゃくしんこう)とは・・・その土地に定着した信仰心。土地や民族の固有な生活習慣と結びついた儀礼などを重んじる、信じること


215: 土着信仰2::2009/06/22(月) 04:27:24 ID:tBdN5rFB0
その山に住む神様を、俺は簡単に『ヤマガミ』と呼ばせてもらう
そのヤマガミ様の何が問題かというと
よくある鶏が先か卵が先かの話に例えたい
信仰対象であるものが同じもの、山=神様、の場合
鶏=卵、であり、どちらを先にしてもどちらも同じものなのだから問題ない

しかし、山=神様でないとすると
山が先にあり、信仰されていたから、そこに神様が生み出されたのか
それとも、神様がいたから、その山が信仰の対象になったのか
と、鶏が先か、卵が先かの問題が始まる
聞き込みを鵜呑みにするのなら、後者で間違いないのだが
俺は山に住む神様だの、幽霊だのに俺は会ったこともないのだから信じていなかった
集団催眠として扱うのなら圧倒的に前者のほうが楽だったこともあり
俺はそのヤマガミ様の調査を始め、存在を否定しようとした

まず、以前聞き込んだ家も含め家々を訪ね、ヤマガミ様について聞き込んだ
『おじいちゃんのおじいちゃんが見たことがあると、おじいちゃんから聞いたことがある』byよぼよぼのおばあちゃん、といった骨董品的な目撃情報や
ご丁寧に目撃した人物、場所、時間、ヤマガミ様の格好、反応をまとめて本のようにされた物もあった
結果、2日かけて目撃情報を集めたのだが
面白いことが2つ分かった

が、その前に、その集落独自の埋葬方法について説明させてほしい
死んだ人間を棺桶に入れる所までは変わらないが
その棺桶を、故人の家族が交代で担ぎ、近所の村人たちが鈴を鳴らしながら
山の中腹辺りにある割れ目まで運び、棺桶ごとそこに投げ込むといったものだ
その割れ目がかなり深いものらしく、底に落ちて行った棺桶は山と融合し
死者は大地に還る、ということらしい
割れ目の淵には石の塔があるのみで、墓というよりは儀式の場所に近いものと聞いた

216: 土着信仰3::2009/06/22(月) 04:28:37 ID:tBdN5rFB0
さて、面白い事の1つは、その埋葬方法から、普通の火葬し墓に埋める方法に変わってから、ヤマガミ様を見たものはいないということ
これは、山を信仰する儀式の風化により、ヤマガミ様を信じる人間がいなくなったためだとも考えられる
つまりこれは集団催眠だと証明するにおいてかなり強いカードになる
そして、もう1つ
外見が一部分以外バラバラだということ

あるときは猪の体だったり、人型だったり、羽があり飛んでいたりと、外見が一部を除いてバラバラだった
同じ一部分というのが、顔だ
全て、石のような丸い顔に、白い苔が生えていてフサフサしていて
目の位置には触角のようなものがある、という事だった
これも、インパクトのある部分以外違っているということ
つまりこれも集団催眠だと証明するにおいて強いカードだ
しかも、ヤマガミ様は遠巻きに人を見ているだけで、逃げても追ってこず
追いかけると逃げ出すだけだった
つまり、話しただの、遊んだだの、直接的な接点は無く、遭遇者全員がただ見ただけであった

ここまで調べると、あとは儀式の場を見に行って
僕も探してみましたが現にヤマガミ様に会いませんでしたからそんなもんいません
という事にしよう、と俺は布団に入った

翌日、バイクで近場のスーパーへ20分かけて行き
スポーツドリンクと、ポテトチップスのうす塩とコンソメ
ガム類、チョコ、おにぎりを買った
出発は午後2時を計画していた、話を聞くに徒歩30分ほどでその場所には着くらしい
一応聖域だということで、祖母に渡された線香と、買い込んだ菓子類をリュックに詰めて
俺はその『聖域』に向かった

217: 土着信仰4::2009/06/22(月) 04:31:10 ID:tBdN5rFB0
砂利道を歩き、沢を超えたところで、もう本当に森の中だった
何年使われてないのか分からないが、荒れ放題だった
俺はポケットからイヤホンを出し、携帯に繋いで音楽を聴きながら歩いた
木の根っこを踏み越え、笹をよけて行きながら、地図を確認し
このまままっすぐでいいことを確認すると、俺はリュックの脇にさしてあったペットボトルを抜き、スポーツドリンクをラッパ飲みした
太陽が見えて、手をおろして、前を向いたらそこで30mほど先に『ヤマガミ様』を見た

すごい不思議な感覚だった、ペットボトルを手に提げたまま俺は硬直していた
人型だった、全身真っ白で、顔が本当にフサフサした苔のような白い何かで覆われていて
目があるところに触角みたいなものがあった、口は見えなかった
モリゾーだっけ、あれから目と鼻と口と色を引いて触角だけを付けたような感じだった
耳元でなっているはずの音楽も聞き取れないような、もうほんとうの無音だった
手足の感覚が無くて、目も反らせないまま、頭だけが動く、金縛りみたいだった
ヤマガミ様も俺を見ていた、異常なほど体感速度が圧縮されたみたいに長い時間があった
すると、ヤマガミ様が視界の中で大きくなってきた
俺はヤマガミ様の全身を見ていた、ヤマガミ様の手も足も動いてないのを確認していた
俺は立ちすくんでいた、足が前に進めるなら逃げ出している

218: 土着信仰ラスト::2009/06/22(月) 04:32:35 ID:tBdN5rFB0
ヤマガミ様が大きくなっているように見えたのは、何のアクションも無くこちらに接近してきていたからだと気付いた
あと10mほどの距離という所で、唐突にあることに気づいた
いままで近づいてきたという例は無かった

もし、ヤマガミ様が人を食うとしたら?今まで崖に落とされた棺桶の中の死体を食べていたとしたら?人里に糧を与えていたのも人間がいなくなり死体を食えなくなるのを防ぐためとしたら?何十年も人を食えないで腹を空かしてたとしたら?俺が格好の餌としたら?
歯がガチガチ言った、距離はあと5mくらいだった、俺よりも2回りも3回りもおおきかった
ヤマガミ様の顔の触角の下あたりの生物であれば口がある部分がモゴモゴ動いた
俺は死を覚悟しようとしてしきれずガタガタ言っていた

ヤマガミ様の顔が視界から消えた、石のような見た目の腹が目の前を埋め尽くした
ヤマガミ様がしゃがみこみ触角が俺の顔の真ん前にあった、口の位置がモゴモゴしていた
「ひっ」という声が出た、何かが頭に触れた、八つ裂きにされ食われると覚悟した
「さむしい。さみしい。さびしー。さむしい。」
俺にはそう聞こえた、気付くと俺はペットボトルを手に立ち尽くしていた
耳元で鳴る曲はスポーツドリンクを飲んだ時と変わっていなかった

俺は耳からイヤホンを外すと、地図を確認し割れ目の淵まで歩いた
石碑がたっているだけの、谷みたいな場所だった
俺は持ってきたポテトチップスうすしおの袋を開け、一枚取り出すと齧った
そして、袋の端を掴んで、割れ目の中に撒いた
コンソメ味も開け、一枚食べながら、同じように撒いた
線香に火を付けると、地面に立て、チョコを半分脇に置いて俺は帰路についた


結局、自分の体感したものが何だったかはよく分からないし
俺も調べていくうちに催眠にかかったのかもしれない
締め方が分からないけど、土着信仰ってなんか素敵だよな






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117 :ノブオ ◆x.v8new4BM :04/01/22 10:32
前にも書いたんですが、俺は建設会社で現場作業員をしています。 

ある年の年末に、道路工事の現場で働いている時のことでした。 
1日の作業を終えてプレハブの現場事務所へ戻ると、
ミーティングなんかに使う折り畳み式のテーブルの上に、新聞紙が拡げてありました。 
真ん中が微妙にふくらんでいて、何か置いた上に新聞紙を被せてあるような感じ。 
なにコレ?とか思って、何気なく新聞紙の端を持ってめくりました。 
藁人形でした。しかも髪の毛付き。 
「っじゃー!!」 
けったいな声を上げた俺を見て、人が集まってきました。 
「なんやなんや」「うわぁ!これワラ人形やんけ」「こんなん始めて見たわ」「やばいなー」 
いつの間にか人だかりができて、ちょっとした騒ぎになりました。 

そこへ、近くの砂防ダムの現場で働いているオッさんが入ってきました。 
この現場事務所は、道路工事と砂防ダム工事の共用だったんです。
「ああ、コレな。松本んとこのオッさんが、木切ってるときに見つけたらしいわ」 
松本というのは、下請けの土建屋だったんですが、
そこの作業員が見つけたのを、捨てるのも気持ち悪いということで、事務所まで持ち帰ったのです。 
「山に行ったら藁人形かて、タマ~にあるらしいぞ。ワシも何回か見たことあるで」 
「人形は、明日にでも近くの神社へ持っていく段取りだ」という話でした。 


118 :ノブオ ◆x.v8new4BM :04/01/22 10:34
翌朝、朝礼に出るために現場事務所へ行くと、入口のあたりに人が集まっていました。 
「どないしたん?」 
「夜のうちに誰かが事務所に入ったらしいわ」 
見ると、入口のサッシが開いています。 
そこから中を覗くと、荒らされている室内の様子がわかりました。
人里離れたところにある事務所だったし、セコムは付いていなかったしで、
朝イチのオッさんが第一発見者でした。
入口には鍵が掛かっていたのですが、無理矢理こじ開けられていたようです。 
事務所の中には、パソコンや測量道具など値の張るものが置いてあったのですが、 
そういったモノは何も無くなっていませんでした。 
ただ、例の藁人形だけがどうしても見つからないそうです。 

「ちょっとアレ見てみ」 
俺の前にいたオッさんが指差す方を見ると、 
床や壁の至るところに、泥だらけの足跡や手形が残っています。 
「あの足跡な、あれ、素足やな…」
それを聞いて、俺は背筋が急に寒くなるのを感じました。








ガキの頃の話。

クソど田舎に住んでて、実家は農家。家のすぐ裏に山があって山道をしょっちゅう走り回ってた。

ある日、うちでとれたリンゴを友達におすそ分けしに行った帰りのこと。急な通り雨にひっかかっちゃってさ、すっごい豪雨だったからどっかで雨が止むまで待つことにした。

でも近くに家なんてないし、自分ん家までもちょっと遠い。まいったなー、このまま濡れてくしかないかー、って思ったんだけど、ふと道の脇を見たら奥の方に鳥居が見えた。

 
何年もこの道を通ってきたけど、神社があったなんて知らなかったが、とりあえずそこで雨宿りさせてもらった。昼過ぎで明るかったし、怖くはなかった。

30分とたたないうちに雨が止んだからお礼をしてそのまま道を下って家に帰った。
家に着いたとたんお袋に泣きつかれ、親父に殴られた。俺はおすそ分けに行ったきり一週間も行方不明だったらしい。
おれは1時間ぐらいで帰ったはずなんだけどね。いまだによくわからない。









これは小学5年生の頃の話、一番恐ろしかった。

これ以上の体験は、後にも先にも無い。

内容が内容だけに信じてくれない人も居るが、俺は確かに見た、と思っている。

そして見たのは俺一人じゃない。


その日、俺は親の後に付いて山の中の獣道を歩いてた。

季節は夏。

周囲は夕闇が迫って来ていた。


陸自空挺レンジャー出身の親父が先導していたので、疲れはしていたけど恐怖は無かった。

頼れる親父であった。

聞こえる音といえば二人の歩く音と木々のざわめき、種類は分からないが鳥の鳴き声と、
谷を流れる川の音…だけだと思っていた。


何か、人の声が聞こえた気がした。

でも、特に川の音などは人の声に聞こえる場合もある。

最初はそれだと思っていた。

けれども、気にすれば気にするほど、人の声としか思えなくなってきた。


「とうさん…誰かの声、聞こえない?」

「……」

「誰だろ、何言ってるんだろ?」

「いいから、歩け」


言われるままに、黙々と歩いた。だが、やっぱり声が気になる…どこからしているんだろう?

周囲をキョロキョロしながら歩ていると、谷底の川で何かが動いているのが見えた。

獣道から谷底までは結構な距離がある上に、木や草も多い。

そして夕闇が迫っているので、何かが居たとしてもハッキリ見える筈は無い。

ところが、ソイツはハッキリと見えた。

獣道と谷底の川は距離があるものの、並行したような形になっている。

そして、ソイツは谷底を歩きながら、ずっと我々に付いてきていた。


「お~い、こっちに来いよぉ~!」

谷底を歩く坊主頭の男は、我々に叫んでいた。

ゲラゲラ笑いながら、同じ台詞を何度も繰り返している。

それだけでも十分異様だったが、その男の風体も奇妙だった。

着ているものが妙に古い。

時代劇で農民が着ているような服だ。

顔は満面の笑顔。だが、目の位置がおかしい。頭も妙にボコボコしている。

そして、結構な速度で移動している。

ゴツゴツした石や岩が多い暗い谷底を、ものともせず歩いている。

大体、こんな暗くて距離もあるのに、何故あそこまでハッキリ見えるんだろう?と言うより、

白く光ってないか、あの人?


小学生の俺でも、その異様さに気付き、思わず足を止めてしまった。

「見るな、歩け!」

親父に一喝された。その声で我に返る俺。途端に、恐ろしくなった。

しかし恐がっても始まらない。後はもう、ひたすら歩くことだけに集中した。

その間も谷底からは、相変わらずゲラゲラ笑いながら呼ぶ声がしていた。

気付けば、俺と親父は獣道を出て、車両が通れる程の広い道に出ていた。

もう、声は聞こえなくなっていた。


帰りの車中、親父は例の男について話してくれた。

話してくれたと言っても、一方的に喋ってた感じだったけれど。

「7,8年位前まで、アレは何度か出ていた。でも、それからはずっと見なかったから、
 もう大丈夫だと思っていた。お前も見ると思わなかった」

「呼ぶだけで特に悪さはしないし、無視してれば何も起きない。
 ただ、言う事を聞いて谷底に降りたら、どうなるか分らない」

「成仏を願ってくれる身内も、帰る家や墓も無くて寂しいから、
 ああして来る人を呼んでるんだろう」

大体、こんな感じの内容だったと思う。

その後も、その付近には何度か行ったけれど、その男には会ってない。

今度こそ成仏したんだろうか?








854 :後ろを見るな:2007/07/31(火) 01:46:53 ID:oTl2u6Oz0
うちの会社の部長、若い頃『林業』やってたんだって。
正直『林業』なるものよく分からないんだけど、山で木材を調達するって感じかな?
で、部長が若い頃だから昭和40年代らしいが、山の中の作業で使い走りみたいな仕事をしていたらしいんだけど、徒歩で山越えた作業場から2、3時間掛けて山の入り口に有る詰め所(現場監督とか、正社員が居る事務所)まで往復する事になったんだって。
その時に木こりみたいなオッサン達にさんざん脅かされたって言う怪談を聞いた。

新人のアンちゃん子(鬼太郎のチャンチャンコの駄洒落らしい)が山から下りて詰め所まで行く事になった。
親方がそいつに「もしかすると山の悪戯好きな妖怪が後を付けて来るかも知れないぞ」って言った。
ビビッたアンちゃん子は「勘弁して下さい」と泣きを入れた。
始めは面白がってアレコレ怖い話をかましてた木こり達も、腰が抜けてしまった新人君を送り出す為に最後は励ます事になった。
木こりのオッサンも自分が代わりに行くのはイヤだったんだろう。
「妖怪が後を付けてきても決して後ろを見るな。最後まで後ろを見なければお前の勝ちだ。あいつ等も諦めるから、な。」
何とか出発した新人君、すっかりビビりながら歩いていた。(ああ~妖怪が来ないでくれ~)って必死にお願いしながらね。

しばらくして気が付いてしまったんだが、誰か後ろをついて来てる感じがし始めた。
首に力を込めて(絶対に後ろは見ないぞ!)って念じながら歩いてると、その内気配が自分の横に迫ってくる。
右へ廻って来たので、ちょい首を左に向けていると今度は左の方へ来る。
(うわ~見せようとしてるんだ・・・)
新人君はそれでも前方にしっかり首の力を込めて両脇と後方は視界に入らない様に頑張っていた。

855 :後ろを見るな:2007/07/31(火) 01:47:41 ID:oTl2u6Oz0
頑張っているんだけど、人間そう前方だけに視界を限定出切るもんじゃない。
その内に横に廻った気配が見えそうになるんだけど、その度に右、左、と少しずつ首を動かして辛うじて視界に入れるのを防いでいた。
そうすると新人君の耳元で“かちっ”とか“かぽっ”という小さな音が聞こえる。
何なんだろう?って思っていた新人君だったが、ある瞬間にフッと気が付いてしまったんだ。

自分の顔の横に来た時、口を開けていたそいつはオレが反対を向いた時に口を閉じているんじゃないか?“かちっ”って音はヤツの歯の音じゃないか!
そう考えると、顔の横にそいつの生暖かい息まで感じる様になったらしい。
遂に限界に来てしまった新人君は目を閉じて駆け出してしまった。
するとそいつの気配は後ろの方に置いていかれた様だった。
(やった!)とばかりに駆け出した新人君はギュッと目をつぶったまま走っていたんだけどバーンと物凄い衝撃を顔に受けて目を開いた。

(おおっ?)と気が付くと目の前に看板が立っている。
そこには真っ赤なペンキでぶっとい矢印が『 ↑ 』と書かれていた。
思わず上を見上げた新人君。
真後ろに立った大木の枝が自分の上を覆っている。
その枝の更に上から葉っぱを掻き分ける様にして覗き込んでいる真っ白な顔の女が大きな赤い口をパッカパッカ開けたり閉じたりしていたそうだ。
“かちっ” “かぽっ” って音がしっかり聞こえたって。

856 :後ろを見るな:2007/07/31(火) 01:48:13 ID:oTl2u6Oz0
まあ、子供相手の古典的な怪談なんだけど、部長の一言が嫌なんだよなぁ。
『結構恐がるわりに、人って怪談好きだろ?皆馬鹿にして聞いてるんだけどなんかの拍子に昔聞いた怪談をフッと思い出す時が有るんだよな。
そういう時って瞬く間に思い出すからさ、お前らも酔っ払って深夜に帰る時に思い出すかもしれないぞ』

オレ、いつも団地を抜けて帰るんだけど、深夜バスが着いて団地を抜けてる時に後ろを振り返るのがたまらなくイヤになる時がある。
部長の話を思い出して、更に話が膨らんできてね。
3階建ての団地の屋上から真っ白な顔の女がオレを見下ろしてたらどうしようか?って妄想が。
いや~聞かなきゃ良かったですよ。部長。




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764 :本当にあった怖い名無し:2011/09/25(日) 20:00:05.81 ID:9evYXBnq0
20年以上前、うちの爺さんの話。
爺さんは近所の山で野鳥の写真を撮るのが趣味だった。
ある日、山から戻った爺さんをみて皆驚いた。
背中に大きな切り傷があり血まみれ、全身擦り傷だらけで服はぼろぼろ。
右手の小指が折れており、変な方向に曲がっていた。どうしたのか、と尋ねると、
「それがよう、山でよう、バケモンと一戦交えてきたんだよ、危なくやられるとこだった」
という。家族全員呆れたが、話を聞いてみた。

爺さんはいつものように山奥に入り野鳥を探していた。
切り株に腰掛け、弁当を食べ始めると、背後に気配を感じた。
振り向く前に何かで背中をバッサリ切られ、ものすごい力で押し倒されたという。
それはフーッと深く息をしている。
茶色の毛むくじゃらで、頭が大きく角はない。
爪がとがっており、前足で威嚇しながら二本足で立つ、見たこともない獣だった。
爺さんは逃げ切れないと判断し、応戦した。
山用のナイフを持っており、それを武器に取っ組み合ったが、形勢不利だった。
なんでも、獣の体に何か所かナイフを突き立てるも、相手はなかなかひるまず、
鋭利な爪で次々と傷を受け、爺さんは半ば死を覚悟したそうだ。

すると、どこからあらわれたのか、男がいつの間にか獣の背後におり、
両手で振り上げた石で獣の鼻先を殴りつけた。
獣はあわてて逃げて行ったという。
男は非常に汚らしい格好で、頭髪は薄いがひげの濃い、そして異様に手の長い男だった。
男は助けてやったんだから礼をしろ、と開口一番爺さんに言った。
特に酒とたばこ、味噌がほしいと言う。
爺さんは快諾し、ふもとに戻り有り金はたいて買い物をすると、男のもとに戻った。
男は切り株に座り爺さんのお弁当を食べ、カメラをいじって遊んでいた。
男はお礼の品に喜ぶと、
「また何か困ったことがあったら手土産を持ってここに来い」
と告げると早足で去って行ったという。

家族は誰も信じていなかった。

765 :本当にあった怖い名無し:2011/09/25(日) 20:01:37.22 ID:9evYXBnq0
そのあと、爺さんはろくに傷の手当をしなかったため、傷口から化膿し炎症にかかり救急車で運ばれる羽目になった。
病院でも同じ話をしたが、やはり誰も信じてくれなかったとか。
俺は信じていた。
一人っ子だったおれはじいちゃんっ子で、よく遊んでもらっていた。
母に禁止されていたが、おれはこっそり爺さんに山にも連れて行ってもらっていた。
爺さんは山に行くたびにお土産と称してワンカップの酒を持っていき、例の切り株に置いていた。
「あのヤローも多分バケモンだろ、でも恩人だからな、義理を通さないとな
それにな、こうしてここに置いておくと、次来たときにはなくなってんだよ
あいつも俺やお前の親父とおんなじで酒飲みなんだよな」
と語っていた。

あの獣について聞くと、
「あん時はやられたが、もうだいじだよ あいつの急所は鼻だってことはわかってるからな、次に見たらぶっちめて俺たちで新聞屋に売ってやろうぜ」
と言う。
しかし、あの獣や男にはそれ以来会うことはなかったようだ。

爺さんは遺言状を残していた。
爺さんの死後、それを開封すると
遺産や身辺整理などの本題以外に、俺に名指しであの山についての頼みごとが記されていた。
それは、
山にありったけの土産を持っていき、あの切り株に置いてこい
そして俺が死んだということ、俺の家族を守ってくれということを伝えろという内容だった。
皆呆れたが、まあ遺言を無下にするのも、ということで俺が代表していくことになった。
俺は友人数人に手伝ってもらい、たくさんの酒、たばこ、味噌を持って行った。
爺さんの遺言通り手紙を添えた土産を置いて俺は山を下りた。
山はそれから何年も経ったあと、開発され、ゴルフ場やリゾート施設が建った。
観光地向けの自然はきれいに残されているが、実態はゴミだらけの汚い山になってしまった。

熱心にリゾート誘致していた地元は喜んでいる。
でも、爺さんが見たら嘆くと思う。
あの切り株があったあたりももう跡形もない。
男はどうしているのだろうか、たまに思い出す。




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